JP2009147594A - スピーカーエンクロージャー - Google Patents

スピーカーエンクロージャー Download PDF

Info

Publication number
JP2009147594A
JP2009147594A JP2007321774A JP2007321774A JP2009147594A JP 2009147594 A JP2009147594 A JP 2009147594A JP 2007321774 A JP2007321774 A JP 2007321774A JP 2007321774 A JP2007321774 A JP 2007321774A JP 2009147594 A JP2009147594 A JP 2009147594A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
acoustic tube
speaker
length
sound
acoustic
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2007321774A
Other languages
English (en)
Inventor
Mitsuaki Toya
光明 戸谷
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Individual
Original Assignee
Individual
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Individual filed Critical Individual
Priority to JP2007321774A priority Critical patent/JP2009147594A/ja
Publication of JP2009147594A publication Critical patent/JP2009147594A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Abstract

【課題】大きさが過大にならないスピーカーエンクロージャーで低い周波数の音の再生が十分にできるようにする。
【解決手段】スピーカーエンクロージャー20の第1音響管30と第2音響管40は分岐箇所51で接続され、第1音響管30の一端31と分岐箇所51との間にて第1音響管30に形成された孔23がスピーカー10の背面12にて閉塞され、第1音響管30の一端31および第2音響管40の一端41が閉塞されている。分岐箇所51と開口部25との間には第1音響管30と第2音響管40の共通部分52が接続され、共通部分52の開口部25との接続箇所は第1音響管30の他端32および第2音響管40の他端42となる。スピーカー10の背面12から出る音が第1音響管30を通過し、その際、第1音響管30を通過する音のうち第2音響管40の一端41から開口部25までの長さの4/3倍の波長の周波数成分が第2音響管40にて共振する。
【選択図】図3

Description

本発明は、音の低域周波数において十分に再生音を得ることができるスピーカーエンクロージャーに関するものである。
従来、スピーカーシステムは、スピーカーおよびスピーカーエンクロージャー(キャビネットを含む。)を備えている。
スピーカーの前面から出る音波とスピーカーの背面から出る音波は位相が逆であるので、スピーカーエンクロージャーがない場合には、スピーカーの前面から出る音波とスピーカーの背面から出る音波はスピーカーの横で打ち消しあってしまうことになる。これを防ぐためにバッフル板が使用されるが、このバッフル板の代わりにスピーカーエンクロージャーが使用されている(例えば非特許文献1参照)。
スピーカーエンクロージャ−の内部において、スピーカーの背面から放出される再生音を音響管を通過させることにより、180度位相反転させてスピーカーエンクロージャ−の前面から放出し、前記スピーカーの前面から放出された再生音と合成する場合がある(例えば非特許文献2参照)。このようにすると、前記180度位相反転する周波数においては、スピーカーの前面から放出される再生音とスピーカーの背面から放出される再生音がスピーカーの前方にて同相で合成されるので、再生音が強調されることになる。
加銅鉄平著 「わかりやすいオーデイオの基礎知識」 株式会社オーム社 平成18年2月20日 第1版第6刷発行 28頁〜37頁 「ラジオ技術」 1977年1月臨時増刊号 262頁〜270頁 ラジオ技術社発行
しかし、上述の従来例では、低い周波数になるほど波長が長くなるから、低い周波数の再生音を強調するためには、スピーカーエンクロージャ−の内部において長い音響管が必要になるので、スピーカーエンクロージャーの大きさが過大になる。このため、スピーカーエンクロージャーの大きさが過大にならないようにして、低い周波数の音を十分に再生することができなかった。
そこで、本発明が解決しようとする課題は、スピーカーエンクロージャーの大きさが過大にならないようにして、低い周波数の音の再生が十分にできるようなスピーカーエンクロージャーを提供することである。
上記課題を解決するため、請求項1記載の発明は、スピーカーをスピーカーエンクロージャーのスピーカー用孔に取り付けたスピーカーエンクロージャーにおいて、第1音響管と、第2音響管と、スピーカーエンクロージャーの開口部とを具備し、前記第1音響管の一端が閉塞され、前記第2音響管の一端が閉塞され、前記第1音響管と前記第2音響管は分岐箇所で接続され、前記分岐箇所と前記開口部との間には前記第1音響管と第2音響管の共通部分が接続され、前記第1音響管と第2音響管の共通部分の前記開口部との接続箇所は前記第1音響管の他端および前記第2音響管の他端となり、前記第1音響管の一端と前記分岐箇所との間にて前記第1音響管に形成された孔が前記スピーカーの背面にて閉塞され、前記スピーカーの背面から出る音が前記第1音響管を通過し、その際、前記第1音響管を通過する音のうち前記第2音響管の一端から他端までの長さの4/3倍の波長の周波数成分が前記第2音響管にて共振することを特徴とするスピーカーエンクロージャーである。
請求項1記載の発明により、スピーカーエンクロージャーのスピーカー用孔に取り付けたスピーカーの前面から放出される音波はそのまま進む。一方、前記スピーカーの背面から出る音波はスピーカーの前面から出る音波と位相が180度異なり、第1音響管を通過する。そして、第1音響管の他端の音波がスピーカーエンクロージャーの開口部からスピーカーエンクロージャーの外に放出される。
その際、前記第1音響管の一端と前記分岐箇所との間にて前記第1音響管に形成された孔が前記スピーカーの背面にて閉塞されているので、スピーカーの背面から第1音響管の他端(開口部)までの第1音響管の長さが1/2波長になる周波数では、第1音響管の他端においてスピーカーの背面から出る音波の位相が180度変わるため、スピーカーの前面から出る音波と同相になる。このため、スピーカーエンクロージャーの外部において、スピーカーの前面からの距離とスピーカーエンクロージャーの開口部からの距離が等しくなる位置では、スピーカーの前面から出る音波と背面から出る音波が同相で加えられることになる。
さらに、前記第1音響管を通過する音波のうち前記第2音響管の一端から他端(開口部)までの長さの4/3倍の波長の周波数成分が前記第2音響管にて共振するので、この共振周波数において音波が強調される。このため、前記共振周波数を人の可聴周波数の低い周波数成分に設定すると、低い周波数成分を強調した再生音を得ることができる。
さらに、請求項2記載の発明は、スピーカーをスピーカーエンクロージャーのスピーカー用孔に取り付けたスピーカーエンクロージャーにおいて、第1音響管と、第2音響管と、スピーカーエンクロージャーの開口部とを具備し、前記第1音響管の一端が前記スピーカーの背面にて閉塞され、前記第2音響管の一端が閉塞され、前記第1音響管と前記第2音響管は分岐箇所で接続され、前記分岐箇所と前記開口部との間には前記第1音響管と第2音響管の共通部分が接続され、前記第1音響管と第2音響管の共通部分の前記開口部との接続箇所は前記第1音響管の他端および前記第2音響管の他端となり、前記スピーカーの前面から出る音がそのままスピーカーエンクロージャーの外部に放出され、前記スピーカーの背面から出る音が前記第1音響管を通過し、その際、前記第1音響管を通過する音のうち前記第2音響管の一端から他端までの長さの4/3倍の波長の周波数成分が前記第2音響管にて共振することを特徴とするスピーカーエンクロージャーである。
請求項2記載の発明により、請求項1記載の発明と同様に第2音響管の共振周波数で強調された再生音を得ることができる。
すなわち、スピーカーの背面(第1音響管の一端)から第1音響管の他端までの第1音響管の長さが1/2波長になる周波数では、第1音響管の他端においてスピーカーの背面から出る音波の位相が180度変わるため、スピーカーの前面から出る音波と同相になる。このため、スピーカーエンクロージャーの外部において、スピーカーの前面からの距離とスピーカーエンクロージャーの開口部からの距離が等しくなる位置では、スピーカーの前面から出る音波と背面から出る音波が同相で加えられることになる。
さらに、前記第1音響管を通過する音波のうち前記第2音響管の一端から他端までの長さの4/3倍の波長の周波数成分が前記第2音響管にて共振するので、この共振周波数において音波が強調される。このため、前記共振周波数を人の可聴周波数の低い周波数成分に設定すると、低い周波数成分を強調した再生音を得ることができる。
さらに、請求項3記載の発明は、請求項1または2記載のスピーカーエンクロージャーであって、前記第2音響管の一端から他端までの前記第2音響管の長さが前記スピーカーの背面から前記開口部までの前記第1音響管の長さの0.675倍〜0.825倍であることを特徴とするスピーカーエンクロージャーである。
請求項3記載の発明により、スピーカーの背面から第1音響管の他端までの長さの2倍の波長の音波はスピーカーの背面から第1音響管の他端まで伝播した時点で180度位相が遅れるので、スピ−カーの前面から出た音波と同相になり強調されるが、スピーカーの背面から第1音響管の他端までの長さに等しい波長の音波(例えばスピーカーの背面から第1音響管の他端までの長さが2mである場合には、波長2mで周波数170Hzの音波)はスピーカーの背面から第1音響管の他端まで伝播した時点で360度位相が遅れるので、スピ−カーの前面から出た音波と逆相のままである。このため、第2音響管がない場合には、スピーカーエンクロージャーから放出される音波のうち周波数170Hzの音波の音圧は低下する。
そして、第2音響管の一端から他端までの長さの4/3倍の波長の周波数の音波が第2音響管にて共振する。また、前記第2音響管の一端から他端までの長さが前記スピーカーの背面から第1音響管の他端までの第1音響管の長さの0.675倍〜0.825(0.75−0.075〜0.75+0.075)倍であるので、中心の0.75倍においては、スピーカーの背面から第1音響管の他端までの第1音響管の長さと等しい長さの波長の周波数の音波が第2音響管にて共振する。
したがって、スピーカーの背面から第1音響管の他端までの第1音響管の長さに等しい長さの波長の音波はスピーカーの前面から放出される音波と打ち消しあって減衰するが、この周波数の音波は第2音響管にて共振するので、強調されることになる。このため、全体として、スピーカーの背面から第1音響管の他端までの第1音響管の長さに等しい長さの波長の音波の減衰は小さくなり、音波の周波数特性が平坦に近づくことになる。
このことは、前記第2音響管の一端から他端までの長さが前記スピーカーの背面から第1音響管の他端までの第1音響管の長さの0.675倍〜0.825倍であるときもほぼ同様になる(図5〜図7参照)。
さらに、請求項4記載の発明は、請求項3記載のスピーカーエンクロージャーであって、前記スピーカーの背面から前記第1音響管の他端までの前記第1音響管の長さが1m〜2.5mであることを特徴とするスピーカーエンクロージャーである。
請求項4記載の発明により、前記スピーカーの背面から第1音響管の他端までの第1音響管の長さが2mであるときは、スピーカーの背面から出る音波のうち、波長4mで周波数85Hzの音波成分は前記第1音響管の他端にて位相が180度遅れるので、スピーカーエンクロージャーの開口部から放出されるこの周波数85Hz成分はスピーカーの前面から出た音波と同相になって強調される。しかし、スピーカーの背面から出る音波のうち、波長2mで周波数170Hzの音波成分は前記第1音響管の他端にて位相が360度遅れるので、スピーカーの前面から出る音波と打ち消しあうので、減衰することになる。けれども、第2音響管の共振は、170Hzで発生するので、周波数170Hzの再生音の減衰が小さくなり、再生音が平坦な周波数特性に近づくことになる。
そして、前記スピーカーの背面から第1音響管の他端までの第1音響管の長さが1m〜2.5mである場合も同様に、前記スピーカーの背面から第1音響管の他端までの第1音響管の長さに等しい長さの波長の音波成分の減衰が小さくなり、再生音が平坦な周波数特性に近づくことになる。
請求項1記載の発明によれば、スピーカーにて再生する音において、スピーカーの背面から第1音響管の他端までの第1音響管の長さを1/2波長とする周波数の音および第2音響管の長さを3/4波長とする周波数の音が強調される。このため、第1音響管および第2音響管の長さを低い周波数に合わせることにより、スピーカーエンクロージャーの大きさが過大にならないようにして、低い周波数の音の再生が十分にできるようになる。
さらに、請求項2記載の発明によっても、スピーカーにて再生する音において、スピーカーの背面から第1音響管の他端までの第1音響管の長さを1/2波長とする周波数の音および第2音響管の長さを3/4波長とする周波数の音が強調される。このため、第1音響管および第2音響管の長さを低い周波数に合わせることにより、スピーカーエンクロージャーの大きさが過大にならないようにして、低い周波数の音の再生が十分にできるようになる。
さらに、請求項3記載の発明によれば、請求項1または2記載の発明の効果とともに、再生音の周波数特性が平坦に近づくことになる。
さらに、請求項4記載の発明によれば、請求項3記載の発明の効果とともに、再生音の低周波数成分において、音波の周波数特性が平坦に近づくことになる。
以下、本発明における実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は本発明の実施の形態に係わるスピーカーエンクロージャ−の外観を示し、図2は図1のスピーカーエンクロージャーの平面を示し、図3は図2のA−A断面を示す。さらに、図4は図1のスピーカーエンクロージャーの特性測定方法を示し、図5は第1音響管の一端から他端までの長さが2mで、第2音響管の一端から他端までの長さが150cmの場合の測定結果であり、図6は第1音響管の一端から他端までの長さが2mで、第2音響管の一端の第1変形例から他端までの長さが135cmの場合の測定結果であり、図7は第1音響管の一端から他端までの長さが2mで、第2音響管の一端の第2変形例から他端までの長さが165cmの場合の測定結果である。
図1に示すように、スピーカー10がスピーカーエンクロージャー20のスピーカー用孔23に取り付けられている。
図3に示すように、スピーカーエンクロージャー20は、第1音響管30と、第2音響管40と、スピーカーエンクロージャー20の開口部25(図2参照)とを具備している。なお、第1仕切板56および第2仕切板57はスピーカーエンクロージャー20の特性を測定するために付加されたものであり、通常は取り外されている(図4参照)。
第1音響管30の一端31が閉塞され、第2音響管40の一端41が閉塞されている。
第1音響管30と第2音響管40は分岐箇所51で接続され、分岐箇所51と開口部25との間には第1音響管30と第2音響管40の共通部分52が接続され、共通部分52の開口部25との接続箇所は第1音響管30の他端32および第2音響管40の他端42となる。
スピーカー用孔23は第1音響管30の一端31と分岐箇所51との間にて第1音響管30に形成され、スピーカー10の背面12にて閉塞されている。なお、具体的には、スピーカー用孔23は筐体21の前面板22に形成されている。
スピーカー10の前面11から出る音がそのままスピーカーエンクロージャー20の外部に放出され、スピーカー10の背面12から出る音が第1音響管30を通過し、その際、第1音響管30を通過する音のうち第2音響管40の一端41から他端42(開口部25)までの長さの4/3倍の波長の周波数成分が第2音響管40にて共振する。
なお、第1音響管30は、折れ曲っており、第1音響管30の共通部分52以外の部分の幅Waと第1音響管30の共通部分52の幅Wcは異なるので、スピーカー10の背面12から他端32までの間で共振しにくい形状を有している。これに対し、第2音響管40は、折れ曲っていない筒状で、第2音響管40の共通部分52以外の部分の幅Wbと第2音響管40の共通部分52の幅Wcは同じであるので、一端41から他端42までの間で共振し易い形状を有している。
さらに、第2音響管40の一端41から他端42までの第2音響管40の長さがスピーカー10の背面12から他端32までの第1音響管30の長さの0.675倍〜0.825倍である。
具体的には、第1仕切板56を二点鎖線で示すように倒し、第2仕切板57を取り除いた状態で、第2音響管40の一端41(第3仕切板58で構成する。)から第2音響管40の他端42まではスピーカー10の背面12から他端32までの第1音響管30の長さの0.75倍の場合である。
また、第1仕切板56を二点鎖線で示すように倒した状態で、第2音響管40の一端41の第1変形例41a(第2仕切板57で構成する。)から第2音響管40の他端42まではスピーカー10の背面12から他端32までの第1音響管30の長さの0.675倍の場合である。
また、第1仕切板56を二点鎖線で示すように倒した状態で、第2仕切板57および第3仕切板58を取り除いた状態で、第2音響管40の一端41の第2変形例41b(筐体21の底板26で構成する。)から第2音響管40の他端42まではスピーカー10の背面12から他端32までの第1音響管30の長さの0.825倍の場合である。
さらに、スピーカー10の背面12から他端32までの第1音響管30の長さが2mである。
以上の構成のスピーカーエンクロージャー20は、以下の動作をする。
スピーカーエンクロージャー20のスピーカー用孔23に取り付けたスピーカー10の前面11から放出される音波はそのまま進む。一方、スピーカー10の背面12から出る音波はスピーカー10の前面11から出る音波と位相が180度異なり、第1音響管30を通過する。そして、第1音響管30の他端32の音波がスピーカーエンクロージャー20の開口部25からスピーカーエンクロージャー20の外に放出される。
その際、スピーカー10の背面12から第1音響管30の他端32(開口部25)までの第1音響管30の長さが1/2波長になる周波数では、第1音響管30の他端32においてスピーカー10の背面12から出る音波の位相が180度変わるため、スピーカー10の前面11から出る音波と同相になる。このため、スピーカーエンクロージャー20の外部において、スピーカー10の前面11からの距離とスピーカーエンクロージャー20の開口部25からの距離が等しくなる位置では、スピーカー10の前面11から出る音波と背面12から出る音波が同相で加えられることになる。
さらに、第1音響管30を通過する音波のうち第2音響管40の一端41から他端42(開口部25)までの長さの4/3倍の波長の周波数成分が第2音響管40にて共振するので、この共振周波数において音波が強調される。このため、前記共振周波数を人の可聴周波数の低い周波数成分に設定すると、低い周波数成分を強調した再生音を得ることができる。
さらに、スピーカー10の背面12から第1音響管30の他端32までの長さの2倍の波長の音波はスピーカー10の背面12から第1音響管30の他端32まで伝播した時点で180度位相が遅れるので、スピ−カー10の前面11から出た音波と同相になり強調されるが、スピーカー10の背面12から第1音響管30の他端32までの長さに等しい波長の音波はスピーカー10の背面12から第1音響管30の他端32まで伝播した時点で360度位相が遅れるので、スピ−カー10の前面11から出た音波と逆相のままである。
そして、第2音響管40の一端41から他端42までの長さの4/3倍の波長の周波数の音波が第2音響管40にて共振する。また、第2音響管40の一端41から他端42までの長さがスピーカー10の背面12から第1音響管30の他端32までの第1音響管30の長さの0.675倍〜0.825(0.75−0.075〜0.75+0.075)倍であるので、中心の0.75倍においては、スピーカー10の背面12から第1音響管30の他端32までの第1音響管30の長さと等しい長さの波長の周波数の音波が第2音響管40にて共振する。
したがって、スピーカー10の背面12から第1音響管30の他端32までの第1音響管30の長さに等しい長さの波長の音波はスピーカー10の前面11から放出される音波と打ち消しあって減衰するが、この周波数の音波は第2音響管40にて共振するので、強調されることになる。このため、全体として、スピーカー10の背面12から第1音響管30の他端32までの第1音響管30の長さに等しい長さの波長の音波の減衰は小さくなり、音波の周波数特性が平坦に近づくことになる。
このことは、第2音響管40の一端41の代わりに、第2音響管40の一端41の第1変形例41aまたは第2変形例41b(段落0015参照)を使用した場合もほぼ同様になる(図5〜図7参照)。
図4に示すように、マイクロフォン61を配置してスピーカーエンクロージャー20の特性を測定した。具体的には、マイクロフォン61の高さは、スピーカー10の中心とスピーカーエンクロージャー20の上面板24との中点である。すなわち、マイクロフォン61の高さとスピーカーエンクロージャー20の上面板24との距離L1とスピーカー10の中心の高さとマイクロフォン61の高さとの距離L2は等しい。また、マイクロフォン61とスピーカーエンクロージャー20の前面板22との距離L3は2mである。
このようにすると、開口部25からマイクロフォン61までの距離とスピーカー10の前面11からマイクロフォン61までの距離とがほぼ等しくなる。このため、開口部25から放出される音波とスピーカー10の前面11から放出される音波との合成音波がマイクロフォン61で検出される。なお、実際には、民家の庭で測定しているので、スピーカーエンクロージャー20およびマイクロフォン61を配置した場所の地面、建物、塀などによる定在波、自動車等の外部雑音等によりマイクロフォン61による測定に誤差が発生している。
図5においては、図4に示す方法で測定した結果をグラフで示している。ただし、実線で示すグラフが第2音響管40がない場合(図3の第1仕切板56の先端に糸59を取り付けこの糸59を上方に引くことにより第1仕切板56が実線で示すようにセットされ、第1仕切板56により第2音響管40を第1音響管30から切り離した場合)であり、点線で示すグラフが本発明の実施例(図3の第1仕切板56をヒンジ60により二点鎖線で示すように倒して第2音響管40を第1音響管30に接続し、第2仕切板57が取り除かれている場合)である。なお、スピーカー10の背面12から他端32までの第1音響管30の長さが2mであり、第2音響管40の一端41から他端42までの第2音響管40の長さが1.5mで、スピーカー10の背面12から他端32までの第1音響管30の長さの0.75倍である。
図5のグラフからは、第2音響管40がない場合においては、実線で示すように約140Hz〜約170Hzにおいてマイクロフォン61による測定音圧が低下しているがこれは理論値の170Hzに近い値である。そして、第2音響管40がある場合には、点線で示すように「第2音響管40がない場合の約140Hz〜約170Hzにおける測定音圧の低下」が緩和されている。これは第2音響管40の170Hzでの共振の効果である。
なお、周波数190Hz付近における測定音圧の低下は前記測定誤差によるものである。
図6のグラフは、図3のスピーカー10の背面12から開口部25までの第1音響管30の長さが2mであり、第2音響管40の一端41の第1変形例41aから開口部25までの第2音響管40の長さがスピーカー10の背面12から開口部25までの第1音響管30の長さの0.675倍の場合である。その他は図5の場合と同様である。
図6のグラフより、第2音響管40(図3参照)がない場合には、実線で示すように約140Hz〜約170Hzにおけるマイクロフォン61の測定音圧が低下しているが、第2音響管40がある場合では、点線で示すように「第2音響管40がない場合の約140Hz〜約170Hzにおけるマイクロフォン61の測定音圧の低下」が緩和されている。その他は図5の場合と同様である。
このため、第2音響管40の一端41の第1変形例41aから他端42までの長さがスピーカー10の背面12から開口部25までの第1音響管30の長さの0.675倍(0.75×0.9倍)である場合でも、図5の場合と同様に実線で示す第2音響管40がない場合の約140Hz〜約170Hzにおけるマイクロフォン61の測定音圧の低下が緩和されている。
図7のグラフは、図3のスピーカー10の背面12から開口部25までの第1音響管30の長さが2mであり、第2音響管40の一端41の第2変形例41bから他端42までの第2音響管40の長さがスピーカー10の背面12から他端32までの第1音響管30の長さの0.825倍の場合である。この場合も図5の場合と同様に実線で示すように第2音響管40がない場合には約140Hz〜約170Hzにおけるマイクロフォン61の測定音圧が低下しているが、第2音響管40がある場合は、点線で示すように「第2音響管40がない場合の約140Hz〜約170Hzにおけるマイクロフォン61の測定音圧の低下」が緩和されている。
このため、第2音響管40の一端41の第2変形例41bから他端42までの長さがスピーカー10の背面12から他端32までの第1音響管30の長さの0.825倍(0.75×1.1倍)である場合でも、図5の場合と同様に実線で示す第2音響管40がない場合の約140Hz〜約170Hzにおけるマイクロフォン61の測定音圧の低下が緩和されている。
さらに、スピーカー10の背面12から第1音響管30の他端32までの第1音響管30の長さが2mであるときは、スピーカー10の背面12から出る音波のうち、周波数85Hzの音波成分は第1音響管30の他端32にて位相が180度遅れるので、スピーカーエンクロージャー20の開口部25から放出されるこの周波数85Hz成分はスピーカー10の前面11から出た音波と同相になって強調される。さらに、85Hzの3倍、5倍等の周波数成分においても同様になる。
さらに、第2音響管40の共振は、実際には一端41から他端42までの第2音響管40の長さの4倍、4/3倍、4/5倍等の波長の周波数でも生じるので、56Hz、170Hz、280Hz等で発生するので、低周波数域の56Hzでも再生音が強調されることになる。
さらに、周波数170Hzの再生音の減衰が小さくなり、音波が平坦な周波数特性に近づくことになる。
そして、スピーカー10の背面12から第1音響管30の他端32までの第1音響管30の長さが1m〜2.5mである場合もほぼ同様になる。
なお、上記実施の形態において、第1音響管30の一端31と分岐箇所51との間にて第1音響管30に形成されたスピーカー用孔23の位置は図3に示された位置に限定されない。例えば、スピーカー用孔23の位置を図3に示された位置よりも分岐箇所51に近づけてもよい。
さらに、第1音響管30の一端31と分岐箇所51との間にて第1音響管30に形成されたスピーカー用孔23がスピーカー10の背面12にて閉塞されているが、これに限定せず、第1音響管30の一端31がスピーカー10の背面12にて閉塞されているようにしてもよい。
このようにしても、スピーカー10の背面12から第1音響管30の他端32(開口部25)までの第1音響管30の長さが1/2波長になる周波数では、第1音響管30の他端32においてスピーカー10の背面12から出る音波の位相が180度変わるため、ス
ピーカー10の前面11から出る音波と同相になる。
本発明の実施の形態に係わるスピーカーエンクロージャ−の外観を示す斜視図である。 図1のスピーカーエンクロージャーの平面図である。 図2のA−A断面図である。 図1のスピーカーエンクロージャーの特性測定方法を示す説明図である。 第1音響管の一端から他端までの長さが2mで、第2音響管の一端から他端までの長さが150cmの場合の測定結果を示すグラフである。 第1音響管の一端から他端までの長さが2mで、第2音響管の一端の第1変形例から他端までの長さが135cmの場合の測定結果の場合のグラフである。 第1音響管の一端から他端までの長さが2mで、第2音響管の一端の第2変形例から他端までの長さが165cmの場合の測定結果を示すグラフである。
符号の説明
10 スピーカー
11 前面
12 背面
20 スピーカーエンクロージャー
21 筐体
22 前面板
23 スピーカー用孔
24 上面板
25 開口部
30 第1音響管
31 一端
32 他端
40 第2音響管
41 一端
41a 一端41の第1変形例
41b 一端41の第2変形例
42 他端
51 分岐箇所
52 共通部分

Claims (4)

  1. スピーカーをスピーカーエンクロージャーのスピーカー用孔に取り付けたスピーカーエンクロージャーにおいて、
    第1音響管と、第2音響管と、スピーカーエンクロージャーの開口部とを具備し、
    前記第1音響管の一端が閉塞され、
    前記第2音響管の一端が閉塞され、
    前記第1音響管と前記第2音響管は分岐箇所で接続され、
    前記分岐箇所と前記開口部との間には前記第1音響管と第2音響管の共通部分が接続され、
    前記第1音響管と第2音響管の共通部分の前記開口部との接続箇所は前記第1音響管の他端および前記第2音響管の他端となり、
    前記第1音響管の一端と前記分岐箇所との間にて前記第1音響管に形成された孔が前記スピーカーの背面にて閉塞され、
    前記スピーカーの背面から出る音が前記第1音響管を通過し、その際、前記第1音響管を通過する音のうち前記第2音響管の一端から他端までの長さの4/3倍の波長の周波数成分が前記第2音響管にて共振することを特徴とするスピーカーエンクロージャー。
  2. スピーカーをスピーカーエンクロージャーのスピーカー用孔に取り付けたスピーカーエンクロージャーにおいて、
    第1音響管と、第2音響管と、スピーカーエンクロージャーの開口部とを具備し、
    前記第1音響管の一端が前記スピーカーの背面にて閉塞され、
    前記第2音響管の一端が閉塞され、
    前記第1音響管と前記第2音響管は分岐箇所で接続され、
    前記分岐箇所と前記開口部との間には前記第1音響管と第2音響管の共通部分が接続され、
    前記第1音響管と第2音響管の共通部分の前記開口部との接続箇所は前記第1音響管の他端および前記第2音響管の他端となり、
    前記スピーカーの前面から出る音がそのままスピーカーエンクロージャーの外部に放出され、
    前記スピーカーの背面から出る音が前記第1音響管を通過し、その際、前記第1音響管を通過する音のうち前記第2音響管の一端から他端までの長さの4/3倍の波長の周波数成分が前記第2音響管にて共振することを特徴とするスピーカーエンクロージャー。
  3. 請求項1または2記載のスピーカーエンクロージャーであって、
    前記第2音響管の一端から他端までの前記第2音響管の長さが前記スピーカーの背面から前記第1音響管の他端までの前記第1音響管の長さの0.675倍〜0.825倍であることを特徴とするスピーカーエンクロージャー。
  4. 請求項3記載のスピーカーエンクロージャーであって、
    前記スピーカーの背面から前記第1音響管の他端までの前記第1音響管の長さが1m〜2.5mであることを特徴とするスピーカーエンクロージャー。
JP2007321774A 2007-12-13 2007-12-13 スピーカーエンクロージャー Pending JP2009147594A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007321774A JP2009147594A (ja) 2007-12-13 2007-12-13 スピーカーエンクロージャー

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007321774A JP2009147594A (ja) 2007-12-13 2007-12-13 スピーカーエンクロージャー

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2009147594A true JP2009147594A (ja) 2009-07-02

Family

ID=40917713

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007321774A Pending JP2009147594A (ja) 2007-12-13 2007-12-13 スピーカーエンクロージャー

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2009147594A (ja)

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6120490A (ja) * 1984-07-06 1986-01-29 Matsushita Electric Ind Co Ltd スピ−カ装置
JPS6372297A (ja) * 1986-09-12 1988-04-01 Matsushita Electric Ind Co Ltd スピ−カシステム
JPH0293892U (ja) * 1989-01-11 1990-07-25
JPH11150781A (ja) * 1997-11-17 1999-06-02 Sony Corp スピーカ装置

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6120490A (ja) * 1984-07-06 1986-01-29 Matsushita Electric Ind Co Ltd スピ−カ装置
JPS6372297A (ja) * 1986-09-12 1988-04-01 Matsushita Electric Ind Co Ltd スピ−カシステム
JPH0293892U (ja) * 1989-01-11 1990-07-25
JPH11150781A (ja) * 1997-11-17 1999-06-02 Sony Corp スピーカ装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6418369B2 (ja) スピーカシステム
US8238598B2 (en) Sound system of wall mounted flat panel display apparatus
JP2005006053A (ja) 低音用スピーカー装置及び該低音用スピーカー装置を備えたマルチウェイスピーカー装置
JP4780805B2 (ja) スピーカ装置
US20110172001A1 (en) Housing and Loudspeaker Module
KR101334167B1 (ko) 외부확장형 스피커
CN103002377B (zh) 音频设备
WO2007047462A3 (en) In-wall loudspeaker
CN105165025B (zh) 扬声器
JP2009147594A (ja) スピーカーエンクロージャー
JPH08506706A (ja) スピーカ・システム
JP3929808B2 (ja) 放音装置
JP2008131541A (ja) スピーカ装置
JP2010001709A (ja) 音響を考慮した居室構造
JP2769448B2 (ja) 定在波又は特定波の低減装置
CN1939088A (zh) 分布式声箱
WO2018123727A1 (ja) スピーカ装置及びスピーカキャビネット
JP4720680B2 (ja) 水廻りスピーカ構造及び該水廻りスピーカ構造を用いたスピーカ内蔵便器
JP3187559U (ja) 携帯機器用拡声具
US20050189164A1 (en) Speaker enclosure having outer flared tube
US2810448A (en) Loud-speaker enclosure
JP2004181021A (ja) 遊技機
CN207625793U (zh) 一种扬声器系统及音箱
JP5707876B2 (ja) 楽器
JP5880039B2 (ja) スピーカ

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20100805

A977 Report on retrieval

Effective date: 20120223

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120403

A02 Decision of refusal

Effective date: 20130104

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02