JP2009146642A - キーシート - Google Patents

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Abstract

【課題】キートップが金属質感による高級感を有するとともに、個別の立体的なキートップを備えることで押圧操作性がよく、さらに部品点数が少なく組立が容易で、しかも高耐久なキーシートの提供。
【解決手段】膨出部4aに金属薄板5でなるキー状突出部5aを備えるため高級感の高い金属調のキートップ部2にできる。そしてキートップ部2が立体形状のため指の触感で押圧操作部分が伝わり易く、しかもキートップ部2を押圧操作した際にベース部4b,5bで構成する連結部3が押圧方向に撓んで押圧荷重を低く抑えることができ、さらに樹脂成形体6が膨出部4aの変形を抑え、押圧操作性がよく高耐久なキーシート1を実現できる。また、金属薄板5とフィルムシート4が一体形成のため、部品点数を少なくでき、組立作業が簡単なキーシート1を実現できる。
【選択図】図2

Description

本発明は、携帯電話機、携帯情報端末、携帯デジタルオーディオ機器、AV機器、各種リモコン、及び各種キーボードなどの電子機器の入力操作部に使用するキーシートに関する。
携帯電話機、携帯デジタルオーディオ機器などの電子機器は、小型化、薄型化が進みつつあり、これらに用いられるキーシートなどの入力部品にも電子機器の薄型化を実現できる薄型のものが要望されている。他方、キーシートには製品の差別化や高級感を表現するために、デザイン価値を高める多種多様な加飾が施されている。その加飾の一つに金属調があり、アルミニウム板やステンレス板など金属板を用いたり、樹脂表面をめっき処理や蒸着処理などメタライジングして具現化されている。
例えば、特許文献1には、熱可塑性樹脂で形成されたキートップの表面にめっき処理や蒸着処理で金属薄膜層を設けた金属調のキートップが開示されている。
また、特許文献2には、カップ状に加工したアルミニウム板を樹脂で形成したキートップに被せた金属調のキートップが開示されている。
さらに、特許文献3には、ステンレス板を操作板とした金属調のキーシートが開示されている。
特開2003−109450号公報 特開2002−008476号公報 特開2006−156333号公報
ところで、特許文献1に記載される技術は、樹脂表面に均一な金属薄膜層を設けることができ綺麗な金属調を実現することができるものの、めっき処理ではニッケルなどの金属アレルギーや処理薬品による環境汚染などの課題があり、蒸着処理では傷付き易く剥がれ易いなど耐久性が低いという課題がある。なお、蒸着処理の場合は金属薄膜層を透明樹脂塗膜で覆い耐久性を高めることはできるが、塗膜表面での光反射、光沢の低下、樹脂質感などで高級感が損なわれてしまう。
また、特許文献2に記載される技術は、高耐久な金属調を実現することができるものの、各キートップごとにアルミニウムカップを被せるため部品点数及び組立作業工数の増加、これらの複雑な手間による歩留まり悪化などの課題がある。
さらに、特許文献3に記載される技術は、薄型でキーシート全体を金属質感にできるものの、操作板の押圧部分(キー配置)が触感で伝わり難く、また押圧荷重が高く押圧操作し難いという課題がある。
以上のような従来技術を背景になされたのが本発明である。すなわち本発明の目的は、押圧部分に金属質感を有することで高級感があるキーシートを提供する。個別の立体的な押圧部分を備えることで押圧操作性がよいキーシートを提供する。部品点数が少なく組立が容易なキーシートを提供する。高耐久なキーシートを提供することにある。
上記目的を達成すべく本発明は以下のように構成される。すなわち本発明は、複数形成された立体形状のキートップ部と、それらキートップ部を一体に繋ぐ連結部と、を有するキーシートについて、前記キートップ部に対応して突出するように曲折形成した中空の膨出部と前記連結部とを有するフィルムシートと、前記キートップ部に対応して該膨出部の外面側に積層しそのキートップ部の外観を金属調に加飾するキー状突出部を有する金属薄板と、前記キートップ部に対応して該膨出部の内部に固着しその膨出部の変形を抑える樹脂成形体と、を備えることを特徴とするキーシートを提供する。
本発明では、キートップ部に対応して形成したフィルムシートにおける膨出部の外面側に金属薄板のキー状突出部を積層するため、膨出部には金属薄板による本物の金属質を備えることができ、高級感の高い金属調のキートップ部を有するキーシートを実現することができる。
そして、キートップ部は立体形状のため、指の触感で押圧操作部分が伝わり易く、しかも中空の膨出部の内部に樹脂成形体が固着して膨出部の変形を抑えるため、押圧操作し易くすることができる。さらに複数のキートップ部はフィルムシートの連結部で一体に繋がっているため、キートップ部を押圧操作した際に連結部が押圧方向に撓んで押圧荷重を低く抑えることができる。このようなことから押圧操作性のよいキーシートを実現することができる。
また、樹脂成形体が膨出部の変形を抑えることから、押圧操作が繰り返し行われても膨出部の外面側に積層する金属薄板におけるキー状突出部の変形を抑えることができ、キー状突出部に対し金属疲労による亀裂、割れ、折れなどを発生し難くすることができる。よって耐久性の高いキートップ部を有するキーシートを実現することができる。
さらに、金属薄板とフィルムシートとが一体に形成されているため部品点数を少なくすることができ、組立作業が簡単なキーシートを実現することができる。
金属薄板におけるキー状突出部の側面に係合孔を設け、フィルムシート又は樹脂成形体の少なくとも一方に係合突起を設け、係合突起が係合孔に入り込み金属薄板とフィルムシートとの脱離を防止するものとすることができる。
このようにすれば、繰り返し行われる押圧操作によって金属薄板のキー状突出部とフィルムシートの膨出部との界面に剥離が生じても、キー状突出部の係合孔と膨出部の係合突起、又はキー状突出部の係合孔と膨出部の内部に固着する樹脂成形体の係合突起とが物理的に結合しているため、膨出部からキー状突出部を脱落し難くすることができる。
キー状突出部の係合孔に樹脂成形体の係合突起が入り込む前記キーシートについて、樹脂成形体に、係合突起から延在しキー状突出部の外側面を覆う側面装飾部を設けることができる。
このようにすれば金属質の無機的なキートップ部の外側面に有機的な装飾を施すことができ、新たな機能や斬新なデザインを有するキーシートを実現することができる。
例えば、樹脂成形体が透光性の樹脂で形成され、側面装飾部が照光可能な透光性を有するものとすれば、機器の内部に光源を配置して所謂バックライト照光式のキーシートとした場合に、暗所にて金属質のキートップ部の外側面を覆う側面装飾部を照光部とすることができ、キートップ部の天面形状を見やすくすることができる。
このような側面装飾部は、キー状突出部における外側面の一部を覆うように設けることができるし、キー状突出部の外側面を枠状に囲むように覆うこともできる。例えば、平面視で矩形状のキー状突出部の場合、外側面の1面に設けたり、平行な外側面の2面又は隣り合う外側面の2面に設けたり、外側面の3面或いは4面に設けることができる。そしてこの場合、側面装飾部は、各外側面の全面を覆う形態だけでなく、部分的に覆う形態とすることもできる。
金属薄板が、キー状突出部の天面に表示要素を表す抜き文字状の表示孔を有するものとすることができる。
このようにすれば、金属薄板における表示孔の孔縁によって表示要素を明確に視認することができる。そして、バックライト照光式のキーシートとすれば、照光時に表示要素が明るく光る文字照光タイプのキーシートとすることができる。なお、「表示要素」とは文字、数字、記号、図柄などをいう。
キー状突出部の天面に抜き文字状の表示孔を有する前記キーシートについて、表示孔の孔縁が表示要素の外側輪郭を形成し、表示孔の孔縁から離間する内側位置に、フィルムシートに固着して表示要素の内側輪郭を形成する島状部を有するものとすることができる。
島状部を有する数字「8」、英字「A」、記号「#」などの文字や記号を表示要素として設ける場合、従来技術では島状部と表示孔の孔縁とを繋ぐ連結部分を残しておかなければならない。しかしながら本発明によれば、金属薄板のキー状突出部がフィルムシートの膨出部に一体に積層しているため、連結部分がない孤立した島状部によって表示孔による抜き文字状の表示要素を正確に表すことができる。
また、キー状突出部の天面に抜き文字状の表示孔を有する前記キーシートについて、フィルムシートに、表示孔を塞ぐ突出部を設けることができる。
このようにすれば、突出部が全く無い場合に比べて表示孔に対する爪や指先の引っかかりを少なくすることができる。なお、突出部の先端は、キー状突出部の天面と面一にすることもできるし、キー状突出部の天面よりやや凹ませることもできる。やや凹ませた場合は、表示孔の凹みが小さく形成されていることによって、表示孔を指先の触感によって容易に識別でき、誤入力を防止できることができる。
さらに、キー状突出部の天面に抜き文字状の表示孔を有する前記キーシートについて、フィルムシートが、金属薄板の表示孔を通じて露出する金属調加飾層を備えるものとすることができる。
このようにすれば、表示孔の孔内を金属調に加飾することができ、表示孔で形成される表示要素の外観を金属調とすることができる。よってキートップ部全体の外観を金属質感としたキーシートを実現することができる。この場合本発明では、さらにキー状突出部の色調と金属調加飾層の色調とを異なる色合いのものとすることで、表示要素を明確に視認することができ、新たなデザインバリエーションも実現することができる。以上のような金属調加飾層は、フィルムシートの表面側に備えることで視認性を高めることができ、フィルムシートの裏面側に備える場合は透明なフィルムシートを用いることで色調を明確に視認することができる。なお、「金属調加飾層」は、メタリック調や鏡面光沢を有する高分子塗膜、蒸着などの乾式めっきによる金属薄膜でなる加飾層のことをいう。
表示孔を通じて金属調加飾層が露出する前記キーシートについて、フィルムシート及び金属調加飾層が、照光可能な透光性を有するものとすることができる。
このようにすれば、バックライト照光式のキーシートとした場合、非照光時は表示要素が金属調の外観を呈し、照光時には表示要素が明るく光る文字照光タイプのキーシートとすることができる。
本発明では金属薄板について、以下のような構成を提供する。
第1の構成としては、金属薄板を、複数のキー状突出部を有する一枚物とすることができる。
このようにすれば、キートップ部のみならずフィルムシートにおける外観面の全面を金属質感にすることができ、高級感の高い金属調のキーシートを実現することができる。
第2の構成として、金属薄板を、各キートップ部ごとに個別のキー状突出部を形成する分割片とすることができる。
このようにすれば、隣接するキートップ部どうしの間に金属薄板を備えていないため、押圧操作の際にはフィルムシートのみ撓むことになり、押圧荷重を低く抑えることができる。よって押圧操作性のよいキーシートを実現することができる。
前記第1の構成による一枚物の金属薄板を備えるキーシートについては、金属薄板が、隣接するキー状突出部どうしの間に連動防止孔を有するものとすることができる。
このようにすれば、キートップ部を押圧操作した際に金属薄板の面方向に沿って生じる応力を連動防止孔によって絶縁することができ、隣接するキートップ部を連動し難くすることができるとともに押圧荷重を低減することができ、押圧操作性のよいキーシートを実現することができる。なお、金属薄板の連動防止孔と整合するようにフィルムシートにも同様の孔を設ければ、押圧操作の際にフィルムシートの面方向に沿って生じる応力もフィルムシートの孔によって絶縁することができるため、隣接するキートップ部をさらに連動し難くすることができるとともに押圧荷重をさらに低減することができる。
金属薄板に連動防止孔を設けるキーシートについては、フィルムシートが、金属薄板の連動防止孔を通じて露出する金属調加飾層を備えることができる。
このようにすれば、金属薄板における連動防止孔の孔内を金属調とすることができ、フィルムシートにおける外観面の全面を金属質感にすることができる。よって押圧操作性がよく、高級感の高い金属調のキーシートを実現することができる。
前記第2の構成のような分割片の金属薄板が各キートップ部ごとに個別のキー状突出部を形成するキーシートについては、フィルムシートが、隣接する膨出部どうしの間に膨出部(キートップ部)を押圧した際にフィルムシートの面方向に沿って生じる応力を絶縁する絶縁孔を有するものとすることができる。
このようにすれば、押圧操作の際に隣接するキートップ部を連動し難くすることができるとともに押圧荷重を低減することができる。よって押圧操作性のよいキーシートを実現することができる。
フィルムシートに絶縁孔を有するキーシートについては、ゴム状弾性体でなる弾性シートを裏面側に備えるものとすることができる。
このようにすれば、フィルムシートの絶縁孔を通して機器の内部に侵入する塵や埃を弾性シートによって防ぐことができる。よって侵入した塵や埃によって生じる動作不良や誤入力を防止することができる。
分割片の金属薄板を備えるキーシートについては、金属薄板が、キー状突出部の下端に膨出部より側方に向かって延在するフィルムシート上に積層する鍔部を有するものとすることができる。
このようにすれば、分割片の金属薄板とフィルムシートとの接触面積を増やすことができ、両者の固着力を高めることができる。また、金属薄板の鍔部を筐体における操作開口の縁部分と係合させれば、金属薄板がフィルムシートから剥離しても筐体から脱落し難くすることができる。
本発明のキーシートによれば、キートップ部には金属薄板による本物の金属質を備えることができ、高級感の高い金属調のキーシートを実現することができる。そして、キートップ部が立体形状のため指の触感で押圧操作部分が伝わり易く、しかも押圧操作し易く、押圧荷重を低く抑えることができ、押圧操作性のよいキーシートを実現することができる。また、押圧操作が繰り返し行われても膨出部の外面側に積層する金属薄板におけるキー状突出部の変形を抑えることができ、キー状突出部に対し金属疲労による亀裂、割れ、折れなどを発生し難く高耐久なキートップ部を有するキーシートを実現することができる。さらに、部品点数を少なくすることができ、組立作業が簡単なキーシートを実現することができる。
以下、本発明のキーシートの実施形態について図面を参照しつつ説明する。なお、各実施形態で共通する部材、材質、構成、製造方法、作用効果については重複説明を省略する。
第1実施形態〔図1,図2〕
第1実施形態のキーシート1は、複数のキートップ部2と連結部3とを有しており、これらはフィルムシート4、金属薄板5、樹脂成形体6等により構成されている。
部材構成の説明
フィルムシート4には、操作面(表面)側に複数形成された立体形状のキートップ部2に対応して突出するように曲折形成した中空の膨出部4aが形成されている。なお、本実施形態の膨出部4aは図1で示すように20箇所設けられている。隣合う膨出部4aどうしの間には、それらを一体に繋ぐベース部4bが設けられている。このベース部4bは、それ自体が撓み可能となっている。
金属薄板5はフィルムシート4の外面(表面)側に積層して、フィルムシート4の膨出部4aとベース部4bの外観を金属調に加飾するものであり、一枚物の金属薄板で形成されている。即ち、金属薄板5にはキートップ部2の外観を金属調に加飾するキー状突出部5aと連結部3の外観を金属調に加飾するベース部5bとが設けられている。各キー状突出部5aの天面には、肉厚を貫通して表示要素を表す表示孔5cが形成されている。このうち数字「8」、記号「#」などの表示要素では、表示孔5cの孔縁から離間する内側位置に島状部5dを有しており、表示孔5cの孔縁が表示要素の外側輪郭を形成し、島状部5dが表示要素の内側輪郭を形成している。ベース部5bはそれ自体が撓み可能となっており、前述のベース部4bと共に積層状態(連結部3)でも撓み可能である。このような金属薄板5のキー状突出部5a、ベース部5b、島状部5dは、フィルムシート4の表面に対して図外の接着剤で固着している。
樹脂成形体6はフィルムシート4の膨出部4aの内部に固着して各膨出部4aの変形を抑えており、合成樹脂の成形体で形成されている。この樹脂成形体6の裏面には、キーシート1の裏面側に配置される図外の接点スイッチを押圧するための突起状の押し子部6aが設けられている。なお、本実施形態の樹脂成形体6は中実に形成されているが、裏面側より凹む肉逃げ凹部を設けて、樹脂成形体を軽量化することもできる。
以上のように、本実施形態のキーシート1では、フィルムシート4の膨出部4aと金属薄板5のキー状突出部5aと樹脂成形体6とでキートップ部2を構成し、フィルムシート4のベース部4bと金属薄板5のベース部5bとで連結部3を構成している。
材質の説明
ここでキーシート1の各構成部材の材質について説明する。なお、以下の説明は後述の各実施形態についても共通である。
フィルムシート4の材質は、熱可塑性樹脂等の合成樹脂によって形成される。具体例としては、ポリエステル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ビニル系樹脂、フッ素系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリアセテート系樹脂、ポリアミド系樹脂、アイオノマー、ポリイミド樹脂等が挙げられる。
照光式のキーシートとする場合は、透光性のある材質を用いる必要がある。デザインによっては透明性の材質を用いることができる。
フィルムシート4の厚さは、10μm〜150μmが好ましく、より好ましくは15μm〜100μm、さらに好ましくは20μm〜80μmである。厚さが10μm未満であると、製造工程でのフィルムシートの取り扱い作業性が悪く、また樹脂成形体6と一体化する工程で亀裂が生じるおそれがある。厚さが150μmを超えると、ベース部4bが撓み難く押圧荷重が大きくなるため押圧操作し難くなるおそれが生じる。
金属薄板5の材質は、腐食劣化や酸化劣化を起こし難い金属によって形成される。具体例としては、アルミニウム、チタン、ステンレススチール(SUS)、亜鉛めっき鋼、クロムめっき鋼、銅等が挙げられ、薄板とするのが容易である観点から、アルミニウム、ステンレススチール、銅などが好適である。
金属薄板5の厚さは、10μm〜300μmが好ましい。厚さが10μm未満であると、機器の落下時に金属薄板が損傷するおそれや耐摩耗性に劣るおそれが生じる。厚さが300μmを超えると、後述する製造工程においてフィルムシート4の膨出部4aの形状と同形状に変形加工し難く、またキーシートの厚みが厚くなってしまう。
樹脂成形体6の材質は、熱可塑性樹脂や反応硬化性の液状樹脂によって形成される。熱可塑性樹脂の具体例としては、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、フッ素樹脂、アクリル樹脂、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)樹脂、アクリロニトリル/塩素化ポリスチレン/スチレン共重合樹脂等が挙げられる。また、反応硬化性の液状樹脂は、熱により反応するもの、電子線・光により反応するものなどを用いることができ、具体例としては、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂等が挙げられる。
照光式のキーシートとする場合は、透光性のある材質を用いる必要がある。上記の中でも、剛性、透光性、耐熱性、コスト面、加工し易さなどから、ポリカーボネート樹脂が最も適している。
製造方法の説明
次に、キーシート1の製造方法の一例を説明する。
先ず、フィルムシート4と金属薄板5を積層加工し複合シートを形成する。この積層加工には、後述するエキストルージョンラミネート法、ドライラミネート法、ホットメルトラミネート法、ウェットラミネート法などの方法を用いる。この複合シートをエッチング処理し、表示要素を表す表示孔5cや島状部5dを形成する。その後、金型を用いて複合シートを加熱変形させ、フィルムシート4における膨出部4aの成形と同時に金属薄板5を絞り加工してキートップ部2と対応する形状に形成する。次いで、この複合シートを樹脂成形体6の成形金型にインサートし、フィルムシート4における膨出部4aの内部に樹脂成形体6を一体形成してキーシート1を得ることができる。このように、フィルムシート4と金属薄板5とを積層加工した複合シートを得てから絞り加工すれば、フィルムシート4が柔軟で単体では取扱い難いものであっても用いることができ、さらに金属薄板5には絞り加工時の亀裂を生じ難くすることができる。
以上の製造工程においては、金属薄板5の表面に離型性の保護フィルムを貼着し、金属薄板5の損傷を防止することができる。この場合、保護フィルムの着脱は製造工程に応じて行う。また、表示要素について、エッチング処理に替えて抜き加工にて表示孔5cや島状部5dを形成することができ、さらに表示孔5cに替えて刻印加工による表示凹部とすることもできる。
ここでフィルムシート4と金属薄板5の積層加工について詳細に説明する。エキストルージョンラミネート法は、フィルムシートを形成する樹脂材料を押出機によってTダイのスリットから溶融押出し、別途送られた金属薄板に積層するとともに冷却固化する方法である。金属薄板に予めプライマー層を形成して接着性を高めることもできる。ドライラミネート法は、フィルムシート又は金属薄板の一方の片面に、溶剤型接着剤又は水性接着剤を塗布し、溶剤や水を乾燥させた後に他方の金属薄板又はフィルムシートと圧着して積層させる方法である。ホットメルトラミネート法は、フィルムシート又は金属薄板の一方の片面にホットメルト接着剤を加熱溶融して塗布し、冷却した後に他方の金属薄板又はフィルムシートと圧着して積層させる方法である。ホットメルト接着剤を用いれば乾燥工程が必要なく、冷却すればすぐに使用できるという工程短縮のメリットがある。ウェットラミネート法は、無溶剤の接着剤を用いてラミネートする方法である。フィルムシート又は金属薄板の一方の片面に無溶剤型接着剤を塗布し、他方の金属薄板又はフィルムシートを積層した後に加熱硬化する方法である。
作用・効果の説明
本実施形態のキーシート1の作用・効果について説明する。
(1)キーシート1によれば、膨出部4aには金属薄板5による本物の金属質でなるキー状突出部5aを備えることができ、高級感の高い金属調のキートップ部2を有するキーシート1を実現することができる。
(2)金属薄板5はめっき処理を施していないため、製造工程において環境汚染が無く、操作者は指などで触れてもニッケルによる金属アレルギーは発症しない。
(3)キートップ部2は立体形状のため、指などの触感で押圧操作部分が伝わり易く、しかも中空の膨出部4aの内部に樹脂成形体6が固着して膨出部4aの変形を抑えるため、押圧操作し易くすることができる。さらにキートップ部2を押圧操作した際にベース部4b,5bとで構成する連結部3が押圧方向に撓んで押圧荷重を低く抑えることができる。以上より押圧操作性のよいキーシートを実現することができる。
(4)樹脂成形体6が膨出部4aの変形を抑えるため、押圧操作が繰り返し行われても膨出部4aの表面側に積層する金属薄板5におけるキー状突出部5aの変形を抑えることができ、キー状突出部5aに対し金属疲労による亀裂、割れ、折れなどを発生し難くすることができる。よって高耐久なキートップ部2を有するキーシート1を実現することができる。
(5)金属薄板5とフィルムシート4とが一体に形成されているため、部品点数を少なくすることができ、組立作業が簡単なキーシート1を実現することができる。
(6)キー状突出部5aの天面に表示要素を表す表示孔5cを有するため、その孔縁によって表示要素を明確に視認することができる。そして、バックライト照光式のキーシートとすれば、照光時に表示要素が明るく光る文字照光タイプのキーシートとすることができる。
(7)数字「8」、記号「#」などの表示要素では、金属薄板5のキー状突出部5aがフィルムシート4の膨出部4aに一体に積層しているため、連結部分がない孤立した島状部5dによって表示孔5cによる抜き文字状の表示要素を正確に表すことができる。
(8)金属薄板5を複数のキー状突出部5aを有する一枚物とするため、フィルムシート4の膨出部4a及びベース部4bの表面側に積層し、キートップ部2のみならず連結部3の外観面全面を金属質感にすることができ、高級感の高い金属調のキーシート1を実現することができる。よって筐体の操作開口に仕切桟の無い機器にキーシート1を装着すれば、全面金属調の入力部品とすることができる。
第2実施形態〔図3、図4〕
第2実施形態のキーシート7が第1実施形態のキーシート1と異なるのは、金属薄板8の構成である。その他の構成部材及びその作用と効果、製造方法は第1実施形態と同じである。
部材構成の説明
金属薄板8は第1実施形態の金属薄板5と同様に、フィルムシート4の表面側に積層して膨出部4aとベース部4bの外観を金属調に加飾するものであり、一枚物の金属薄板で形成されている。つまり、金属薄板8にはキートップ部2の外観を金属調に加飾するキー状突出部8aと連結部3の外観を金属調に加飾するベース部8bとが設けられている。さらに金属薄板8におけるキー状突出部8aの天面にも肉厚を貫通する表示孔8cと島状部8dが設けられ、表示要素を表している。金属薄板5と異なるのは、ベース部8bにおける隣接するキー状突出部8aどうしの間に平面視で矩形状の連動防止孔8eが形成されている点である。なお、連動防止孔8eの形成方法は、複合シートの金属薄板ををエッチング処理して表示孔8cや島状部8dを形成する際、同時にベース部8bの一部をエッチング処理して形成する。
作用・効果の説明
第2実施形態のキーシート7の作用効果について説明する。
(1)キーシート7によれば、隣接するキー状突出部8aどうしの間に連動防止孔8dを有するため、キートップ部2を押圧操作した際に金属薄板8の面方向に沿って生じる応力を連動防止孔8eによって絶縁することができ、隣接するキートップ部2を連動し難くすることができるとともに押圧荷重を低減することができ、押圧操作性のよいキーシート7を実現することができる。
(2)バックライト照光式のキーシート7とすれば、照光時には連動防止孔8eより光を漏らすことができ、キートップ部2の周囲をぼんやりと明るくすることができる。
第2実施形態の第1変形例〔図5〕
第2実施形態のキーシート7では金属薄板8における表示孔8c及び連動防止孔8eの孔内が金属調でない例を示したが、第1変形例のキーシート9では透明なフィルムシート4の裏面に「金属調加飾層」として金属蒸着膜10を積層して、金属薄板8の表示孔8c及び連動防止孔8eの孔内も金属調とすることができる。
このようにすれば、キートップ部2と連結部3を含め全体の外観を金属質感としたキーシート9を実現することができる。そして透明なフィルムシート4を用いているため、金属蒸着膜10の色調を明確に視認することができる。なお、金属蒸着膜10を透光性とすれば、バックライト照光式のキーシート9とした場合、照光時に表示要素が明るく光る文字照光タイプとなり、連結部3にも照光部を有するキーシート9とすることができる。
第1変形例のキーシート9では、キー状突出部8aの色調と金属蒸着膜10の色調とを異なる色合いのもの、例えばキー状突出部8aを銀色調とし金属蒸着膜10を金色調とすれば、表示要素を明確に視認することができ、新たなデザインバリエーションも実現することができる。また、金属蒸着膜10をフィルムシート4の裏面側に備えるためにフィルムシート4は透明なものを用いているが、フィルムシート4の表面側に金属蒸着膜10を備えれば不透明なものも用いることができ、材質の選択肢が広がるため表裏面の固着性や柔軟性などフィルムシート4の機能性を改善することができる。
第2実施形態の第2変形例〔図6〕
第2実施形態のキーシート7では金属薄板8におけるベース部5bの連動防止孔8eを各キートップ部2に対応して分割した矩形状に形成する例を示したが、第2変形例のキーシート11では、複数のキートップ部2にわたる連動防止孔12aを形成したものとすることができる。具体的には図6で示すように、図上で横方向(キーシート11の短手方向)に延びる金属薄板12の連動防止孔12aを一体にして波形状に形成したものである。
このようにすれば、横方向に延びる連動防止孔12aを一体に形成したため、金属薄板12の縦方向(キーシート11の長手方向)に沿って生じる応力をキーシート7より効果的に絶縁することができ、キートップ部2をより連動し難くすることができるとともに押圧荷重もより低減することができる。そして連動防止孔12aを波形状に形成したため狭い孔幅でも孔隙を増やすことができ、外観上目立ち難い連動防止孔12aであってもバックライト照光時に照光する光量を増やすことができる。よって照光時にキートップ部2の立体形状を映し出すことができ、暗所でも押圧操作性のよいキーシート11を実現することができる。
第2変形例のキーシート11では横方向に延びる連動防止孔12aを設けたが、縦方向に延びる連動防止孔とすることもできる。
第2実施形態の第3変形例
第2実施形態のキーシート7では金属薄板8にのみ連動防止孔8eを設ける例を示したが、第3変形例として金属薄板8の連動防止孔8eと整合するようにフィルムシートにも孔を設ければ、押圧操作の際にフィルムシートの面方向に沿って生じる応力もフィルムシートの孔によって絶縁することができるため、隣接するキートップ部2をさらに連動し難くすることができるとともに押圧荷重をさらに低減することができ、押圧操作性のよいキーシートを実現することができる。
第3実施形態〔図7、図8〕
第3実施形態のキーシート13が第1実施形態のキーシート1と異なるのは、金属薄板14,15、遮光層16を備える点である。その他の構成部材及びその作用と効果、製造方法は第1実施形態と同じである。
部材構成の説明
金属薄板14は各キートップ部2ごとに個別のキー状突出部14aを形成する分割片の金属で、フィルムシート4における膨出部4aの表面側に積層して、膨出部4aの外観を金属調に加飾するものである。言い換えると、金属薄板14にはキートップ部2の外観を金属調に加飾するキー状突出部14aが設けられている。そしてキー状突出部14aの天面には肉厚を貫通する表示孔14bと島状部14cが形成され、表示要素を表している。さらにキー状突出部14aの下端に外方へ突出する鍔部14dが設けられ、この鍔部14dはフィルムシート4のベース部4b上に積層している。
金属薄板15はフィルムシート4における外縁の表面側に積層して、キーシート13の外縁を金属調に加飾している。なお、金属薄板14及び金属薄板15の形成方法は、複合シートの金属薄板をエッチング処理して表示孔14bと島状部14cを形成する際、同時にフィルムシート4のベース部4bに積層する金属薄板の一部をエッチング処理して金属薄板14と金属薄板15を形成する。
遮光層16は光を通し難い高分子塗膜であって、フィルムシート4におけるベース部4bの裏面側に積層し、フィルムシート4の表面側に形成されている金属薄板14どうしの間隙及び金属薄板14と金属薄板15の間隙に対応して格子状に形成されている。なお、遮光層16の形成は、フィルムシート4と樹脂成形体6を一体形成した後にスクリーン印刷にて行う。
以上のように、本実施形態のキーシート13では、フィルムシート4の膨出部4aと金属薄板14のキー状突出部14aと樹脂成形体6とでキートップ部2を構成し、フィルムシート4のベース部4bが連結部3を構成している。
作用・効果の説明
第3実施形態のキーシート13の作用効果について説明する。
(1)キーシート13によれば、金属薄板14を各キートップ部2ごとの分割片とし隣接するキートップ部2どうしの間つまり連結部3に金属薄板を備えていないため、押圧操作の際にはフィルムシート4のみ撓むことになり、押圧荷重を低く抑えることができる。よって軽い押圧力で押圧できる押圧操作性のよいキーシート13を実現することができる。
(2)金属薄板14が鍔部14cを有するため、金属薄板14とフィルムシート4との接触面積を増やすことができ、両者の固着力を高めることができる。また、金属薄板14の鍔部14cを機器の筐体における操作開口の縁部分と係合させれば、金属薄板14がフィルムシート4から剥離しても筐体から脱落し難くすることができる。
(3)遮光層16を備えるため、バックライト照光式のキーシート13とした場合に、連結部3からの光漏れを防止することができる。
第3実施形態の変形例〔図9〕
第3実施形態のキーシート13では金属薄板14における表示孔14bの孔内、金属薄板14どうしの間隙及び金属薄板14と金属薄板15の間隙などが金属調でない例を示したが、変形例のキーシート17では透明なフィルムシート4の裏面に金属蒸着膜10を積層して、表示孔14bの孔内、金属薄板14どうしの間隙及び金属薄板14と金属薄板15の間隙も金属調とすることができる。
このようにすれば、キートップ部2と連結部3を含め全体の外観を金属質感としたキーシート17を実現することができる。なお、金属蒸着膜10を透光性とすれば、バックライト照光式のキーシート17とした場合、照光時に表示要素が明るく光る文字照光タイプとなり、遮光層16を備えるため連結部3より光漏れのないキーシート17とすることができる。
変形例のキーシート17では第2実施形態における第1変形例のキーシート9と同様に、キー状突出部14aの色調と金属蒸着膜10の色調とを異なる色合いのものとすれば、表示要素を明確に視認することができ、新たなデザインバリエーションも実現することができる。また、金属蒸着膜10をフィルムシート4の裏面側に備えるためにフィルムシート4は透明なものを用いているが、フィルムシート4の表面側に金属蒸着膜10を備えれば不透明なものも用いることができ、材質の選択肢が広がるため表裏面の固着性や柔軟性などフィルムシート4の機能性を改善することができる。
第4実施形態〔図10、図11〕
第4実施形態のキーシート18が第3実施形態のキーシート13と異なるのは、フィルムシート19の構成と、金属薄板15、遮光層16を備えていない点である。その他の構成部材及びその作用と効果、製造方法は第3実施形態と同じである。
部材構成の説明
フィルムシート19は第3実施形態のフィルムシート4と同様に、表面側に複数形成された立体形状のキートップ部2に対応して突出するように曲折形成した中空の膨出部19aと、それら膨出部19aを一体に繋ぐベース部19bが設けられている。フィルムシート4と異なるのは、ベース部19bに肉厚を貫通する絶縁孔19cが形成されている点である。この絶縁孔19cによってベース部19bで構成される連結部3は格子状に形成されている。なお、絶縁孔19cの形成方法は、複合シートをキートップ部2と対応する形状に形成した後に抜き加工にて形成する。
作用・効果の説明
第4実施形態のキーシート18の作用効果について説明する。
(1)キーシート18によれば、絶縁孔19cを有するため、押圧操作の際に隣接するキートップ部2を連動し難くすることができるとともに押圧荷重を低減することができる。よって押圧操作性のよいキーシート18を実現することができる。
第4実施形態の第1変形例〔図12〕
第4実施形態のキーシート18では樹脂成形体6を備える例を示したが、第1変形例のキーシート20では樹脂成形体21と弾性シート22を備えることができる。樹脂成形体21の裏面は樹脂成形体6のような押し子部が無く平坦面である。弾性シート22は薄肉のゴム状弾性体でなり、反撥性のよい熱硬化性エラストマー又は熱可塑性エラストマーが好ましい。特に、温度依存性が少ない点を考慮するとシリコーンゴムが好ましく、また耐久性を考慮するとスチレン系熱可塑性エラストマー、エステル系熱可塑性エラストマーが好ましい。弾性シート22はフィルムシート19や樹脂成形体21と対向する表面は平坦であって、反対側の裏面には図外の接点スイッチを押圧する押し子部22aや図外の回路基板と接触する脚部22bが突出している。そして弾性シート22の表面は、フィルムシート19のベース部19bや樹脂成形体21に接触状態でベース部19b又は樹脂成形体21の少なくとも一方に、例えば接着剤や粘着テープで固着されている。
このようにすれば、フィルムシート19の絶縁孔19cを通して機器の内部に侵入する塵や埃を弾性シート22によって防ぐことができる。よって侵入した塵や埃によって生じる動作不良や誤入力を防止することができる。
第4実施形態の第2変形例〔図13,図14〕
第4実施形態のキーシート18では金属薄板14に鍔部14cを設ける例を示したが、第2変形例のキーシート23では鍔部を取り除いた金属薄板24とすることができる。つまり、金属薄板24にはキー状突出部24a、表示孔24b、島状部24cを形成することができる。
このようにすれば、フィルムシート19のベース部19bには金属薄板24が積層していないため、キートップ部2の押圧操作の際にベース部19bを撓み易くすることができ、押圧荷重を低減することができる。よって押圧操作性のよいキーシート23を実現することができる。
また、第1変形例のキーシート20と同様に、樹脂成形体6を樹脂成形体21に替え、弾性シート22を備えることができ、このようにすれば、絶縁孔19cを通して機器の内部に侵入する塵や埃を弾性シート22によって防ぐことができる。
次に、各実施形態及び各変形例に共通する変形例を説明する。なお、第1実施形態のキーシート1における変形例として説明するが、前述した他の実施形態や各変形例のキーシート7,9,11,13,17,18,20,23も同様の変形が可能である。
各実施形態に共通の第1変形例〔図15,図16〕
共通の第1変形例のキーシート25では金属薄板5に替えて、キー状突出部26a、ベース部26b、表示孔26c、島状部26dを有する金属薄板26におけるキー状突出部26aの側面部に肉厚を貫通する係合孔26eを設けている。フィルムシート4に替えて、膨出部27a、ベース部27bを有するフィルムシート27における膨出部27aの側面部に肉厚を貫通する係合孔27cを設けている。さらに樹脂成形体6に替えて、膨出部27aを埋める本体部28a、図外の接点スイッチを押圧するための押し子部28bを有する樹脂成形体28における本体部28aの側面に連通する係合孔26e,27cに入り込む係合突起28cを設けている。
このようにすれば、キー状突出部26aの係合孔26eと膨出部27aの内部に固着する樹脂成形体28の係合突起28cとが物理的に結合しているため、繰り返し行われる押圧操作によって金属薄板26のキー状突出部26aとフィルムシート27の膨出部27aとの界面に剥離が生じても、膨出部27aからキー状突出部26aを脱落し難くすることができる。なお、この第1変形例ではキー状突出部26aの側面と係合突起28cの先端面とを面一に形成しているため、キートップ部2の側面を凹凸がなく見映えよいものとすることができる。
第1変形例のキーシート25では、係合孔26e,27cを平行な2つの側面部に設けているが、1つの側面部、隣り合う2つの側面部、3つの側面部、或いは4つの側面部に設けることもできる。また、係合突起28cを円柱形状に形成しているが、楕円柱形状、角柱形状とすることもできる。
各実施形態に共通の第2変形例〔図17〜図19〕
共通の第2変形例のキーシート29では共通の第1変形例におけるキーシート25と同様に、金属薄板26とフィルムシート27を備えている。しかし樹脂成形体28に替えて、膨出部27aを埋める本体部30a、図外の接点スイッチを押圧するための押し子部30b、係合孔26e,27cに入り込む係合突起30c有する樹脂成形体30の係合突起30cから延在してキー状突出部26aの外側面を覆う枠状の側面装飾部30dを設けている。
このようにすれば、キー状突出部26aを脱落し難くすることができ、さらに金属質の無機的なキートップ部2の外側面に有機的な枠状の装飾を施すことができ、新たな機能や斬新なデザインを有するキーシート29を実現することができる。例えばキーシート29では樹脂成形体30を照光可能な透光性とすれば、バックライト照光の際に本体部30a、係合突起30cを透過してきた光によって側面装飾部30dを照光部とすることができ、金属質のキートップ部2の外縁が枠状に照光してキートップ部2の天面形状を見やすくすることができる。なお、第2変形例のキーシート29においても第1変形例のキーシート25と同様の位置や形状の係合孔26e,27cを形成することができる。
なお、この第2変形例では枠状の側面装飾部30dを設けているが、キー状突出部26aの長手側面の1面のみ、短手側面の1面のみ、平行な長手側面又は平行な短手側面の2面、隣り合う側面の2面、或いは隣り合う側面の3面に設けることもできる。この場合、側面装飾部は、各側面の全面を覆う形態だけでなく、部分的に覆う形態とすることもできる。
各実施形態に共通の第3変形例〔図20,図21〕
共通の第3変形例のキーシート31では共通の第1変形例におけるキーシート25と同様に、金属薄板26を備えている。しかしフィルムシート27に替えて、膨出部32a、ベース部32bを有するフィルムシート32における膨出部32aの側面部に係合孔26eを塞ぐように「係合突起」としての係合突出部32cを設けている。さらに樹脂成形体28に替えて、膨出部32aを埋める本体部33a、図外の接点スイッチを押圧するための押し子部33bを有する樹脂成形体33における本体部33aの側面に係合突出部32cを係合孔26eの孔内に押込む係合突起33cを設けている。
このようにすれば、繰り返し行われる押圧操作によって金属薄板26のキー状突出部26aとフィルムシート32の膨出部32aとの界面に剥離が生じても、キー状突出部26aの係合孔26eとフィルムシート32の係合突出部32cとが物理的に結合しているため、膨出部26aからキー状突出部26aを脱落し難くすることができる。なお、第3変形例ではキー状突出部26aの側面と係合突出部32cの露出面とを面一に形成しているため、キートップ部2の側面を凹凸がなく見映えよいものとすることができる。
各実施形態に共通の第4変形例〔図22〕
共通の第4変形例のキーシート34では第1実施形態のキーシート1と同様に、金属薄板5を備えている。しかしフィルムシート4に替えて、膨出部35a、ベース部35bを有するフィルムシート35における膨出部35aの天面部に表示孔5aを塞ぐように突出部35cを設けている。さらに樹脂成形体6に替えて、膨出部35aを埋める本体部36a、図外の接点スイッチを押圧するための押し子部36bを有する樹脂成形体36における本体部36aの天面に突出部35cを表示孔5cの孔内に押込む突起36cを設けている。
このようにすれば、突出部35cが全く無い場合に比べて表示孔5cに対する爪や指先の引っかかりを少なくすることができる。なお、第4変形例ではキー状突出部5aの天面と突出部35cの露出面とを面一に形成しているが、突出部35cの露出面をキー状突出部5aの天面よりやや凹ませれば、表示孔5cを指先の触感によって表示要素を容易に識別でき、誤入力を防止できることができる。また、突出部35cの露出面をキー状突出部5aの天面よりやや突出させれば、突出部35cを指先の触感によって表示要素を容易に識別でき、誤入力を防止できることができる。
その他の変形例
第1実施形態のキーシート1と第4実施形態における第2変形例のキーシート23については、連結部3が短くキー状突出部5a,24aどうしの間隔を狭くした狭間タイプのキーシートとして実施することも可能である。
第1実施形態のキーシートの平面図。 図1のSA−SA線断面図。 第2実施形態のキーシートの平面図。 図3のSB−SB線断面図。 第2実施形態のキーシートにおける第1変形例の図4相当断面図。 第2実施形態のキーシートにおける第2変形例の平面図。 第3実施形態のキーシートの平面図。 図7のSC−SC線断面図。 第3実施形態のキーシートにおける変形例の図8相当断面図。 第4実施形態のキーシートの平面図。 図10のSD−SD線断面図。 第4実施形態のキーシートにおける第1変形例の図11相当断面図。 第4実施形態のキーシートにおける第2変形例の平面図。 図13のSE−SE線断面図。 各実施形態のキーシートに共通な第1変形例の拡大斜視図。 各実施形態のキーシートに共通な第1変形例の図2相当断面図。 各実施形態のキーシートに共通な第2変形例の平面図。 各実施形態のキーシートに共通な第2変形例の拡大斜視図。 各実施形態のキーシートに共通な第2変形例の図2相当断面図。 各実施形態のキーシートに共通な第3変形例の拡大斜視図。 各実施形態のキーシートに共通な第3変形例の図2相当断面図。 各実施形態のキーシートに共通な第4変形例の拡大断面図。
符号の説明
1 キーシート(第1実施形態)
2 キートップ部
3 連結部
4 フィルムシート
4a 膨出部
4b ベース部
5 金属薄板
5a キー状突出部
5b ベース部
5c 表示孔
5d 島状部
6 樹脂成形体
6a 押し子部
7 キーシート(第2実施形態)
8 金属薄板
8a キー状突出部
8b ベース部
8c 表示孔
8d 島状部
8e 連動防止孔
9 キーシート(第2実施形態の第1変形例)
10 金属蒸着膜
11 キーシート(第2実施形態の第2変形例)
12 金属薄板
12a 連動防止孔
13 キーシート(第3実施形態)
14 金属薄板
14a キー状突出部
14b 表示孔
14c 島状部
14d 鍔部
15 金属薄板
16 遮光層
17 キーシート(第3実施形態の変形例)
18 キーシート(第4実施形態)
19 フィルムシート
19a 膨出部
19b ベース部
19c 絶縁孔
20 キーシート(第4実施形態の第1変形例)
21 樹脂成形体
22 弾性シート
22a 押し子部
22b 脚部
23 キーシート(第4実施形態の第2変形例)
24 金属薄板
24a キー状突出部
24b 表示孔
24c 島状部
25 キーシート(各実施形態共通の第1変形例)
26 金属薄板
26a キー状突出部
26b ベース部
26c 表示孔
26d 島状部
26e 係合孔
27 フィルムシート
27a 膨出部
27b ベース部
27c 係合孔
28 樹脂成形体
28a 本体部
28b 押し子部
28c 係合突起
29 キーシート(各実施形態共通の第2変形例)
30 樹脂成形体
30a 本体部
30b 押し子部
30c 係合突起
30d 側面装飾部
31 キーシート(各実施形態共通の第3変形例)
32 フィルムシート
32a 膨出部
32b ベース部
32c 係合突出部
33 樹脂成形体
33a 本体部
33b 押し子部
33c 係合突起
34 キーシート(各実施形態共通の第4変形例)
35 フィルムシート
35a 膨出部
35b ベース部
35c 突出部
36 樹脂成形体
36a 本体部
36b 押し子部
36c 突起

Claims (14)

  1. 複数形成された立体形状のキートップ部と、それらキートップ部を一体に繋ぐ連結部と、を有するキーシートにおいて、
    前記キートップ部に対応して突出するように曲折形成した中空の膨出部と前記連結部とを有するフィルムシートと、
    前記キートップ部に対応して該膨出部の外面側に積層しそのキートップ部の外観を金属調に加飾するキー状突出部を有する金属薄板と、
    前記キートップ部に対応して該膨出部の内部に固着しその膨出部の変形を抑える樹脂成形体と、
    を備えることを特徴とするキーシート。
  2. 金属薄板におけるキー状突出部の側面に係合孔を設け、フィルムシート又は樹脂成形体の少なくとも一方に係合突起を設け、係合突起が係合孔に入り込み金属薄板とフィルムシートとの脱離を防止する請求項1記載のキーシート。
  3. 樹脂成形体に、係合突起から延在しキー状突出部の外側面を覆う側面装飾部を設ける請求項2記載のキーシート。
  4. 樹脂成形体が透光性の樹脂で形成され、側面装飾部が照光可能な透光性を有する請求項3記載のキーシート。
  5. 金属薄板が、キー状突出部の天面に表示要素を表す抜き文字状の表示孔を有する請求項1〜請求項4何れか1項記載のキーシート。
  6. 表示孔の孔縁が表示要素の外側輪郭を形成し、
    表示孔の孔縁から離間する内側位置に、フィルムシートに固着して表示要素の内側輪郭を形成する島状部を有する請求項5記載のキーシート。
  7. フィルムシートに、表示孔を塞ぐ突出部を設ける請求項5又は請求項6記載のキーシート。
  8. フィルムシートが、金属薄板の表示孔を通じて露出する金属調加飾層を備える請求項5〜請求項7何れか1項記載のキーシート。
  9. フィルムシート及び金属調加飾層が、照光可能な透光性を有する請求項8記載のキーシート。
  10. 金属薄板が、複数のキー状突出部を有する一枚物である請求項1〜請求項9何れか1項記載のキーシート。
  11. 金属薄板が、隣接するキー状突出部どうしの間に連動防止孔を有する請求項10記載のキーシート。
  12. フィルムシートが、金属薄板の連動防止孔を通じて露出する金属調加飾層を備える請求項11記載のキーシート。
  13. 金属薄板が、各キートップ部ごとに個別のキー状突出部を形成する分割片である請求項1〜請求項9何れか1項記載のキーシート。
  14. フィルムシートが、隣接する膨出部どうしの間に膨出部を押圧した際にフィルムシートの面方向に沿って生じる応力を絶縁する絶縁孔を有する請求項13記載のキーシート。
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