JP2009146218A - 人脈利用型取引仲介システムおよび人脈利用型取引仲介用コンピュータ・プログラム - Google Patents
人脈利用型取引仲介システムおよび人脈利用型取引仲介用コンピュータ・プログラム Download PDFInfo
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Abstract
【課題】階層的な構造を有する人脈関係の閲覧処理における処理負荷の軽減を図る。
【解決手段】インセンティブ処理部8は、仲介によって取り引きが成立した場合、この取り引きを行った取引会員を入力として人脈データベース13の検索を繰り返し行って、取引会員をルートとした上位第M世代(M≧2)までの関連会員を抽出するとともに、抽出された関連会員のそれぞれに対して、所定のインセンティブを付与する処理を行う。人脈閲覧処理部9は、ネットワークを介して、会員端末から人脈関係の閲覧要求を受信した場合、閲覧可能な世代範囲を無制限とするのではなく、閲覧会員をルートとした下位第N世代(N≧M)に制限した上で、閲覧要求に係る閲覧会員を入力として人脈データベース13の検索を繰り返し行う。そして、人脈閲覧処理部13は、下位第N世代(N≧M)までの関連会員を抽出するとともに、抽出された関連会員によって構成された人脈関係を会員端末に送信する。
【選択図】図2
【解決手段】インセンティブ処理部8は、仲介によって取り引きが成立した場合、この取り引きを行った取引会員を入力として人脈データベース13の検索を繰り返し行って、取引会員をルートとした上位第M世代(M≧2)までの関連会員を抽出するとともに、抽出された関連会員のそれぞれに対して、所定のインセンティブを付与する処理を行う。人脈閲覧処理部9は、ネットワークを介して、会員端末から人脈関係の閲覧要求を受信した場合、閲覧可能な世代範囲を無制限とするのではなく、閲覧会員をルートとした下位第N世代(N≧M)に制限した上で、閲覧要求に係る閲覧会員を入力として人脈データベース13の検索を繰り返し行う。そして、人脈閲覧処理部13は、下位第N世代(N≧M)までの関連会員を抽出するとともに、抽出された関連会員によって構成された人脈関係を会員端末に送信する。
【選択図】図2
Description
本発明は、人脈利用型取引仲介システムおよび人脈利用型取引仲介用コンピュータ・プログラムに係り、特に、階層的な構造を有する人脈関係の閲覧処理に関する。
従来より、ユーザ同士の人脈を積極的に活用したネットワーク・システムが知られている。その典型的な例として、SNS(ソーシャル・ネットワーク・サービス)と呼ばれるサービスが挙げられる。SNSは、人と人とのつながりを促進・サポートするコミュニティ型のWebサイトである。SNSは、知人同士のコミュニケーションを円滑にする手段や場を提供したり、趣味や嗜好、居住地域、出身校、或いは、「友人の友人」といったつながりを通じて、新たな人間関係を構築する場を提供する。人のつながりを重視して、既存の参加者からの紹介・招待がないと参加できないという仕組みを採っているものが多いが、最近では、誰も自由に登録できるサービスも増えている。
また、親ユーザから子ユーザ、或いは、子ユーザから孫ユーザといった人脈の階層的な広がりを活用して、彼らへのインセンティブの支払いを条件に情報収集を行うといったスキームも知られている。例えば、特許文献1には、人脈情報を活用した効率のよい電子紹介システムが開示されている。具体的には、紹介者は、紹介代行業者が主催するサイトにアクセスして、必要な情報を登録する。紹介依頼者からの依頼を受けた紹介代行業者は、登録されている紹介者に紹介を依頼する。この依頼を受けた者は、自己の人脈を利用して紹介の再依頼を行う。このような依頼プロセスの繰り返しを経て、当事者が見つかった場合、紹介代行業者にその旨が連絡される。紹介代行業者は、その情報を紹介依頼者に提供する。紹介依頼者は、当事者にアクセスするとともに、紹介代行業者に手数料を支払う。この手数料は、当事者に至るまでの伝達経路中に存在する者のそれぞれに対して分配して支払われる。
また、特許文献2には、キー局が必要とする情報を複数のメンバーの人的コネクションを利用して収集する情報収集システムが開示されている。具体的には、キー局は、自己が必要とする情報のスペックを示す要求情報を少なくとも1つのメンバーに配信する。この配信を受けたメンバーは、自己が要求情報に対する回答となる可能性がある有効情報を有する場合、その有効情報をキー局に通知する。また、そのような有効情報を有さない場合、自己の人的コネクション内において、有効情報を有する可能性がある他のメンバーに対して、要求情報を再配信する。そして、あるメンバーからの情報がキー局にとって有効な情報であると判定された場合、その伝達経路中に存在するメンバーのそれぞれのインセンティブが算出される。このインセンティブは、キー局をルートとした伝達経路における階層の深さを考慮して算出される。
ところで、インターネット等のネットワークを通じて募った会員の人脈を利用したスキームでは、紹介・招待の繰り返しによって会員の世代数が増えるほど、人脈関係の閲覧処理に関するシステム負荷が飛躍的に増大するといった問題が生じる。ここで、ある会員が自己の人脈関係をサイト上で閲覧するケースについて考える。この場合、会員同士の人脈を管理するサイト側のデータベースが検索され、会員(親ユーザ)によって紹介された子ユーザが抽出される。つぎに、子ユーザを入力としてデータベースが再検索され、子ユーザによって紹介された孫ユーザが抽出される。子ユーザが複数存在する場合、子ユーザのそれぞれに関して、孫ユーザの抽出が行われる。以下、世代が繰り下がることに、このようなデータベースの検索が繰り返される。抽出世代数に何ら制限を設けない場合には、データベースの検索回数が飛躍的に増え、その結果、サイト側のシステムが、会員からの閲覧要求に対する閲覧処理をリアルタイムで行うことが困難になる。
そこで、本発明の目的は、階層的な構造を有する人脈関係の閲覧処理における処理負荷の軽減を図ることである。
また、本発明の別の目的は、このような閲覧処理において、閲覧会員が必要とする情報の提示を阻害しないことである。
かかる課題を解決すべく、第1の発明は、第1の記憶部と、第2の記憶手段と、マッチング部と、インセンティブ処理部と、人脈閲覧処理部とを有する人脈利用型取引仲介システムを提供する。第1の記憶部は、それぞれの会員に関する会員属性を記憶する。第2の記憶手段は、紹介元の会員となる紹介元会員と、紹介先の会員となる紹介先会員とを対応付けて記憶することによって、会員相互の人脈関係を管理する。マッチング部は、取り引きを希望する依頼先と、潜在的な取引相手となる会員との間における取り引きを仲介するために、取り引きの内容に応じて個別に設定された会員属性を入力として第1の記憶手段を検索し、この会員属性に合致する会員を抽出する。インセンティブ処理部は、仲介によって取り引きが成立した場合、この取り引きを行った取引会員を入力として第2の記憶手段の検索を繰り返し行って、取引会員をルートとした上位第M世代(M≧2)までの関連会員を抽出するとともに、抽出された関連会員のそれぞれに対して、所定のインセンティブを付与する処理を行う。人脈閲覧処理部は、ネットワークを介して、会員端末から人脈関係の閲覧要求を受信した場合、閲覧可能な世代範囲を無制限とするのではなく、閲覧会員をルートとした下位第N世代(N≧M)に制限した上で、閲覧要求に係る閲覧会員を入力として第2の記憶手段の検索を繰り返し行う。そして、人脈閲覧処理部は、下位第N世代(N≧M)までの関連会員を抽出するとともに、抽出された関連会員によって構成された人脈関係を会員端末に送信する。
ここで、第1の発明において、人脈関係の閲覧可能な世代数を示すNは、インセンティブを付与する世代数を示すMと同一であることが好ましい。
また、第1の発明において、インセンティブ処理部は、取引会員が紹介先会員となる紹介元会員を上位第1世代の関連会員として、上位第1世代の関連会員が紹介先会員となる紹介元会員を上位第2世代の関連会員として、それぞれ抽出することが好ましい。
第1の発明において、人脈閲覧処理部は、閲覧会員が紹介元会員となる紹介先会員を下位第1世代の関連会員として、下位第1世代の関連会員が紹介元会員となる紹介先会員を下位第2世代の関連会員として、それぞれ抽出することが好ましい。
第1の発明において、上記会員端末に送信される人脈関係は、閲覧会員をルートとした下位第N世代までの関連会員の階層的なツリー構造を有していてもよい。この場合、ツリーを構成するノードのそれぞれが関連会員に対応付けられていることが好ましい。また、ツリーは、閲覧会員をルートとした上位第1世代の会員に関するノードを有していてもよい。さらに、ツリーにおけるノードのそれぞれには、このノードに対応付けられた会員固有の情報が閲覧可能な形態で付加されていることが好ましい。
第2の発明は、人脈利用型取引仲介用コンピュータ・プログラムを提供する。このコンピュータ・プログラムは、記憶装置の記憶領域に、それぞれの会員に関する会員属性を記憶する会員データベースを構築するステップと、記憶装置の記憶領域に、会員相互の人脈関係を管理するために、紹介元の会員となる紹介元会員と、紹介先の会員となる紹介先会員とを対応付けて記憶する人脈データベースを構築するステップと、取り引きを希望する依頼先と、潜在的な取引相手となる会員との間における取り引きを仲介するために、コンピュータが、取り引きの内容に応じて個別に設定された会員属性を入力として会員データベースを検索し、この会員属性に合致する会員を抽出するステップと、仲介によって取り引きが成立した場合、コンピュータが、取り引きを行った取引会員を入力として人脈データベースの検索を繰り返し行って、取引会員をルートとした上位第M世代(M≧2)までの関連会員を抽出するとともに、この抽出された関連会員のそれぞれに対して、所定のインセンティブを付与する処理を行うステップと、ネットワークを介して、会員端末から人脈関係の閲覧要求を受信した場合、閲覧可能な世代範囲を無制限とするのではなく、閲覧会員をルートとした下位第N世代(N≧M)に制限した上で、コンピュータが、閲覧要求に係る閲覧会員を入力として人脈データベースの検索を繰り返し行って、下位第N世代(N≧M)までの関連会員を抽出するとともに、抽出された関連会員によって構成された人脈関係を会員端末に送信するステップとを有する。
ここで、第2の発明において、人脈関係の閲覧可能な世代数を示すNは、インセンティブを付与する世代数を示すMと同一であることが好ましい。
また、第2の発明において、インセンティブを付与する処理を行うステップは、コンピュータが、人脈データベースを検索して、取引会員が紹介先会員となる上位第1世代の関連会員を抽出するステップと、コンピュータが、人脈データベースを再検索して、上位第1世代の関連会員が紹介先会員となる上位第2世代の関連会員を抽出するステップとを少なくとも有することが好ましい。
第2の発明において、閲覧画面を会員端末に送信するステップは、コンピュータが、人脈データベースを検索して、閲覧会員が紹介元会員となる下位第1世代の関連会員を抽出するステップと、コンピュータが、人脈データベースを再検索して、下位第1世代の関連会員が紹介元会員となる下位第2世代の関連会員を抽出するステップとを少なくとも有することが好ましい。
第2の発明において、上記会員端末に送信される人脈関係は、閲覧会員をルートとした下位第N世代までの関連会員の階層的なツリー構造を有していてもよい。この場合、ツリーを構成するノードのそれぞれが関連会員に対応付けられていることが好ましい。また、ツリーは、閲覧会員をルートとした上位第1世代の会員に関するノードを有していてもよい。さらに、ツリーにおけるノードのそれぞれには、このノードの対応付けられた会員固有の情報が閲覧可能な形態で付加されていることが好ましい。
本発明によれば、閲覧会員が閲覧可能な人脈関係の世代範囲は、その閲覧会員をルートとした下位第N世代に制限される。したがって、これを無制限とした場合と比較して、第1の記憶手段または人脈データベースの検索回数が著しく減るので、処理負荷の軽減を図ることができる。また、NはM以上なので、閲覧会員が閲覧可能な世代範囲は、自己がインセンティブを受け取ることができる世代範囲を包含する。したがって、閲覧可能な世代範囲に制限を設けても、閲覧会員が必要とする情報の提示を阻害することがない。
[スキームの概要]
まず、本実施形態に係るシステムの説明に先立ち、このシステムが適用される人脈利用型取引仲介スキームの概略について説明する。図1は、人脈利用型取引仲介スキームの概念図である。このスキームでは、取引依頼者、会員および取引仲介者の三者が関与する。取引依頼者は、会員との取り引きを希望する者である。取り引きとしては、取引依頼者が取り扱う商品(物品やサービス)の売買が挙げられるが、それ以外に、人材募集、M&Aまたはビジネスマッチング等もその範疇に含まれる。取引仲介者は、インターネット等のネットワーク上に会員制サイトを運営しており、取り引きを希望する取引依頼者と、自己のサイトに登録している会員(潜在的な取引相手)との間を取り持ち、両者の間における取り引きの仲介を行う。
まず、本実施形態に係るシステムの説明に先立ち、このシステムが適用される人脈利用型取引仲介スキームの概略について説明する。図1は、人脈利用型取引仲介スキームの概念図である。このスキームでは、取引依頼者、会員および取引仲介者の三者が関与する。取引依頼者は、会員との取り引きを希望する者である。取り引きとしては、取引依頼者が取り扱う商品(物品やサービス)の売買が挙げられるが、それ以外に、人材募集、M&Aまたはビジネスマッチング等もその範疇に含まれる。取引仲介者は、インターネット等のネットワーク上に会員制サイトを運営しており、取り引きを希望する取引依頼者と、自己のサイトに登録している会員(潜在的な取引相手)との間を取り持ち、両者の間における取り引きの仲介を行う。
取引仲介者は、SNSを提供しており、これにより、インターネット上において会員同士の階層的な人脈、すなわち、人的ネットワークが形成されている。取引依頼者は、取引仲介者に対して、会員との取り引きの仲介を依頼する。この依頼を受けた取引仲介者は、多数の会員の中から、この取り引きに合致すると思われる会員を抽出するとともに、抽出された会員にアクセスして、当事者としての取り引きへの参加を促す。この取り引きを希望する会員は、その旨を取引仲介者に通知する。これを受けた取引仲介者は、取り引きを希望する会員を取引依頼者に伝えることによって、両者の間における取り引きを仲介する(マッチング)。仲介した取り引きが成立した場合、取引依頼者は取引仲介者に成功報酬を支払う。そして、取引仲介者は、人的ネットワークにおいて、取り引きが成立した会員(取引会員)をルートとした上位第M世代(M≧2)までの会員を特定し、これらの会員のそれぞれに対して、所定の規則に従ったインセンティブを付与する。インセンティブの形態は、金品、或いは、金品に交換可能なポイントを含めて、どのようなものであってもよい。本システムは、以上のようなスキームを前提としている。
以下、取引依頼者(企業)が求める人材を取引仲介者が多数の会員の中から抽出して紹介する人材紹介スキームを一例に、本システムの具体的な構成について詳述する。このスキームにおいて、それぞれの会員は、取引依頼者が求める人材の候補、すなわち、潜在的な人材となる。取引仲介者が紹介した人材が取引依頼者によって採用された場合には、取引依頼者と会員との間に、労働の対価として報酬が支払われるという関係が成立するので、これを両者の間における一種の取り引きとみなすことができる。両者の間をとり持った取引仲介者は、取引依頼者より成功報酬を受け取るとともに、この人材の紹介に関与した複数の会員に対してインセンティブを支払う。
図2は、本実施形態に係る人脈利用型取引仲介システムのブロック構成図である。この取引仲介システム1は、取引仲介者の管理下に置かれており、上述した会員制サイトもこれによって運営されている。取引仲介システム1は、一般的なシステムと同様、コンピュータ、記憶装置および通信機器等で構成されている。会員およびこれから会員になろうとする者は、自己が保有する会員端末2を操作することによって、インターネットを介して取引仲介システム1にアクセスすることができる。同様に、取引依頼者は、自己が保有する依頼者端末3を操作することによって、インターネットを介して取引仲介システム1にアクセスすることができる。
取引仲介システム1は、これを機能的に捉えた場合、制御部4と、会員登録部5と、取引依頼登録部6と、マッチング部7と、インセンティブ処理部8と、人脈閲覧処理部9と、記憶装置の記憶領域に構築された各種のデータベース10〜14とで構成されている。会員登録部5は、ユーザが会員登録や属性登録を行うのに必要な処理を行うとともに、これらの登録後に、ユーザが自己の属性を確認・編集するのに必要な処理も行う。取引依頼登録部6、マッチング部7およびインセンティブ処理部8は、互いに連携して取り引きに関する一連の処理、すなわち、取引依頼の登録、マッチングおよびインセンティブの付与を行う。また、人脈閲覧処理部9は、ユーザが操作する会員端末2から自己の人脈関係の閲覧要求を受信した場合、後述する閲覧画面を生成し、これを会員端末2に送信する。制御部4は、これらの処理部5〜8の実行指示を含む全体的な制御をつかさどる。
[会員登録]
会員制サイトへの会員登録を希望するユーザは、自己の会員端末2を用いて、取引仲介システム1に対して会員登録を要求するとともに、この登録に必要な情報も併せて送信する。制御部4は、会員端末2からの登録要求を受信した場合、このユーザに関する会員登録処理の実行を会員登録部5に指示する。図3は、会員登録処理のフローチャートである。
会員制サイトへの会員登録を希望するユーザは、自己の会員端末2を用いて、取引仲介システム1に対して会員登録を要求するとともに、この登録に必要な情報も併せて送信する。制御部4は、会員端末2からの登録要求を受信した場合、このユーザに関する会員登録処理の実行を会員登録部5に指示する。図3は、会員登録処理のフローチャートである。
まず、ステップ1において、会員登録部5は、ユーザが自己の会員端末2より入力した情報を受け付ける。この入力情報には、後述する会員データベース12への登録に必要な情報、具体的には、このユーザを紹介した会員(紹介元)の会員IDやユーザ自身に関する情報(会員属性等)が含まれる。
続くステップ2において、会員登録部5は、会員データベース12を検索し、登録対象となるユーザが会員として登録済みであるか否かを検証する。図4は、会員データベース12の概略的な構成図である。会員データベース12は、それぞれの会員の会員属性を記憶する。具体的には、会員データベース12は、会員毎に作成されたレコードの集合であり、一つのレコードは、会員ID、紹介元会員ID、ニックネーム、ログインパスワード、登録日時、連絡先、経歴、および、少なくとも一つの会員属性によって構成されている。会員IDは、その会員を識別するために用いられ、会員毎に固有の番号が付与される。紹介元会員IDは、その会員を紹介した紹介元となる会員の会員IDである。ニックネームは、SNS上でユーザがコミュニケーションをとる際に用いられる会員の名前であり、会員毎に固有の名前が用いられる。ログインパスワードは、その会員がサイトにアクセスする際、サイト側が本人認証を行うために用いられる。連絡先は、取引仲介者が会員にコンタクトをとるために必要な情報であり、本実施形態では、電子メールアドレスが用いられる。経歴は、その会員の現在に至るまでのキャリア(職歴)である。会員属性は、取引依頼者とのマッチング時に用いられ、予め設定された分類規則にしたがって複数設定可能である。会員属性は、会員のスペックを表す項目を任意に設定してよく、例えば、会員の職種、専門分野、保有する資格、希望する雇用形態、希望する勤務地、希望する年収等を用いることができる。会員登録部5は、このような構成を有する会員データベース12において、重複設定を認めないフィールド(例えばニックネームや連絡先等)を検索し、そこに記載された情報が入力情報と重複する場合には、登録対象となるユーザが会員として登録済みであると判定する。
登録対象となるユーザが会員として登録済みの場合には、ステップ2の肯定判定を経て、例えば、そのユーザの登録を拒否するといったエラー処理が行われる(ステップ5)。これに対して、このユーザが会員として未だ登録されていない場合には、ステップ2の否定判定を経て、ステップ3に進む。
ステップ3において、会員登録部5は、入力情報中に紹介元会員IDが含まれているか否かを検証する。紹介を会員登録の条件とするサイト運営ポリシーを採用している場合、紹介がないユーザの会員登録は認められない。したがって、紹介元会員IDが存在しない場合には、ステップ3の否定判定を経て、エラー処理が行われる(ステップ5)。これに対して、紹介元会員IDが存在する場合には、ステップ3の肯定判定を経て、ステップ4に進む。なお、紹介元の有無に関わらず会員登録を認めるサイト運営ポリシーを採用している場合には、ステップ5ではなく、図3において破線で示したパスを経て、ステップ7に進む。
ステップ4において、会員登録部5は、会員データベース12を検索して、入力された紹介元会員IDが適切であるか否かを検証する。適切でないケースとしては、例えば、会員データベース12に、入力された紹介元会員IDに相当する会員IDが存在しないケースが挙げられる(該当会員なし)。この場合、ステップ4の否定判定を経て、エラー処理が行われる(ステップ5)。これに対して、適切であると判定された場合、登録対象となるユーザが新規会員として認められ、この新規会員に関する会員IDを採番した上で、続くステップ6に進む。
ステップ6において、会員登録部5は、新規会員に関する情報を人脈データベース13に登録する。図5は、人脈データベース13の概略的な構成図である。人脈データベース13は、紹介元となる会員と、紹介先となる会員とを対応付けて記憶することによって、会員相互の人脈関係を管理する。具体的には、人脈データベース13は、紹介元と紹介先との1対1の関係毎に作成されたレコードの集合であり、一つのレコードは、紹介元となる会員の会員ID(紹介元会員ID)、紹介先となる会員の会員ID(紹介先会員ID)、および、紹介日時によって構成されている。会員登録部5は、入力情報に含まれている紹介元の会員IDを紹介元会員IDとし、新規会員に関して新たに採番された会員IDを紹介先会員IDとしたレコードを人脈データベース13に新規に追加する。
ステップ7において、会員登録部5は、新規会員に関する情報を会員データベース12に登録する。この登録に際しては、この新規会員に関するレコードが新規に作成され、これに今回新たに採番された会員IDおよび入力情報中の該当部分等が記述される。以上の処理を以て、会員登録に関する一連の処理が終了する。
[取引依頼登録]
人材の紹介を求める取引依頼者は、自己の依頼者端末3を用いて、取引仲介システム1に対して取り引きの依頼登録を要求するとともに、この登録に必要な情報も併せて送信する。制御部4は、依頼者端末3からの登録要求を受信した場合、今回の依頼案件に関する登録処理の実行を取引依頼登録部6に指示する。この指示を受けた取引依頼登録部6は、この依頼案件に関する情報を依頼案件データベース10に登録する。
人材の紹介を求める取引依頼者は、自己の依頼者端末3を用いて、取引仲介システム1に対して取り引きの依頼登録を要求するとともに、この登録に必要な情報も併せて送信する。制御部4は、依頼者端末3からの登録要求を受信した場合、今回の依頼案件に関する登録処理の実行を取引依頼登録部6に指示する。この指示を受けた取引依頼登録部6は、この依頼案件に関する情報を依頼案件データベース10に登録する。
図6は、依頼案件データベース10の概略的な構成図である。依頼案件データベース10は、依頼案件の内容を管理するために設けられており、依頼案件毎にレコードが作成されている。一つのレコードは、依頼案件ID、依頼名称、依頼者ID、登録日時、連絡先、および、少なくとも一つの要求属性によって構成されている。依頼案件IDは、依頼案件を識別するために用いられ、案件毎に固有の番号が付与される。依頼者IDは、取引依頼者を識別するために用いられ、取引依頼者毎に固有の番号が付与される。連絡先は、取引仲介者が取引依頼者にコンタクトをとるために必要な情報であり、本実施形態では、電子メールアドレスが用いられる。終了日時は、仲介を行う期間の終了日時であり、登録日時に所定の期間(例えば3ヶ月)を加算した日時に設定される。マッチングフラグは、後述するマッチング処理が行われたか否かを示し、初期値が「0」(未実行)で、マッチング処理が実行されると「1」(実行済)に設定される。終了フラグは、取引依頼に関する仲介が終了したか否かを示し、初期値が「0」(継続中)で、仲介期間の終了または取り引きの成立を以て「1」(終了)に設定される。要求属性は、潜在的な人材である会員とのマッチング時に用いられ、予め設定された分類規則にしたがって複数設定可能である。要求属性は、取引依頼者が希望する人材のスペックを表す項目を任意に設定してよいが、基本的に、会員データベース12の会員属性に対応したものが用いられる。取引依頼登録部6は、新規依頼を受けた依頼案件に関する依頼案件IDを採番した上で、この案件に関する情報を依頼案件データベース10に登録する。この登録では、依頼案件に関するレコードが新規に作成され、これに今回新たに採番された依頼案件IDおよび入力情報中の該当部分等が記述される。
[取引依頼者−会員間のマッチング]
マッチング部7は、取引依頼者と会員とのマッチング処理、すなわち、取引依頼者の要求スペックに合致する会員属性を備える会員の抽出を行う。このマッチング処理は、制御部4の制御下におけるバッチ処理で行ってもよい。
マッチング部7は、取引依頼者と会員とのマッチング処理、すなわち、取引依頼者の要求スペックに合致する会員属性を備える会員の抽出を行う。このマッチング処理は、制御部4の制御下におけるバッチ処理で行ってもよい。
まず、マッチング部7は、依頼案件データベース10を検索し、今回、マッチング処理を行うべき依頼案件を抽出する。マッチング処理の対象となる案件は、終了フラグが「0」(仲介継続中)で、マッチングフラグが「0」(マッチング未実行)のものである。そして、抽出された依頼案件に関して、そのレコードに記述された要求属性が特定される。
つぎに、マッチング部7は、会員データベース12を検索して、抽出された要求属性に合致する会員を抽出する。具体的には、抽出された要求属性を検索キーとして、会員データベース12の会員属性が検索され、要求属性と同じキーワードを有するレコードが抽出される。そして、そのレコードに記述された会員IDが特定される。この会員IDを有する会員は、取引依頼者が求める人材の候補となる。そして、人材候補となる会員が特定される毎に、その会員に関する情報がマッチングデータベース11に随時登録される。
図7は、マッチングデータベース11の概略的な構成図である。マッチングデータベース11は、人材候補となる会員毎に作成されたレコードの集合である。一つのレコードは、依頼案件ID、会員ID、マッチング開始日時、進捗状況、結果フラグ、および、マッチング成立日時によって構成されている。取引依頼者は依頼案件IDより一義的に特定されるので、依頼案件IDと会員IDとを対応付けは、取引依頼者と会員とを対応付けることと等価である。進捗状況は、人材候補となる会員に対するアクセスの進捗を示し、例えば、未アクセス(初期状態)、アクセス中(応答なし)、アクセス中(応答あり)、依頼者コンタクト中といったステータスが適宜設定される。結果フラグは、最終的な取引結果であり、「0」が取引未成立、「1」が取引成立をそれぞれ示す。会員データベース12の検索が終了した場合には、依頼案件データベース10が更新され、マッチング処理を行った依頼案件に関するマッチングフラグが「0」(未実行)から「1」(実行済)に変更される。
このようにして抽出された会員には、会員データベース12の連絡先(メールアドレス)宛に電子メールが個別に送信され、取引依頼者との取り引きへの参加(人材応募)が促される。電子メールによる会員へのアクセスが行われた時点で、マッチングデータベース11が更新され、アクセスした会員に関する進捗状況が「未アクセス」から「アクセス中(応答なし)」に変更される。アクセスしたした会員のうち、取り引きへの参加を希望する旨の応答があった場合、その会員に関する進捗状況が「アクセス中(応答なし)」から「アクセス中(応答あり)」に変更される。そして、取引仲介者が取引依頼者に会員を紹介した場合(取引仲介)、その会員に関する進捗状況が「アクセス中(応答あり)」から「依頼者コンタクト中」に変更される。さらに、取引依頼者と会員との間で取り引きが成立した場合、その会員に関する結果フラグが「1」に設定される。なお、両者の間で取り引きが成立しなかった場合や、電子メールによるアクセスを行ったが応答なく所定期間が経過した場合等においては、結果フラグが「0」に設定される。
[インセンティブ付与]
インセンティブ処理部8は、上記仲介によって取引依頼者との取り引きが成立した場合、この取り引きを行った取引会員をルートとした上位第M世代(M≧2)までの会員(関連会員)に対して所定のインセンティブを付与する。このインセンティブ付与処理は、制御部4の制御下におけるバッチ処理で行ってもよい。
インセンティブ処理部8は、上記仲介によって取引依頼者との取り引きが成立した場合、この取り引きを行った取引会員をルートとした上位第M世代(M≧2)までの会員(関連会員)に対して所定のインセンティブを付与する。このインセンティブ付与処理は、制御部4の制御下におけるバッチ処理で行ってもよい。
図8は、インセンティブ付与処理のフローチャートであり、図9は、上位世代に対するインセンティブ付与の説明図である。以下、インセンティブを付与する世代を上位第3世代までとするケース(M=3)を例に説明する。
まず、ステップ11において、世代変数mが1にセットされる。この世代変数mは、処理世代を示しており、処理が繰り返される毎に1ずつインクリメントされる。世代変数mが1にセットされるということは、最初の処理世代が取引会員をルートとした上位第1世代であることを意味する。
ステップ12において、インセンティブ処理部8は、取引会員の会員IDを検索キーとして人脈データベース13を検索し、取引会員の会員IDと一致する紹介先会員IDを特定する。そして、この紹介先会員IDに対応付けられた紹介元会員IDが上位第1世代として抽出される。図9のケースでは、取り引きを行った会員Aの紹介元は会員Bである。したがって、会員Aをルートとすると、会員Bが上位第1世代となる。
ステップ13において、インセンティブ処理部8は、上位第1世代の会員IDが存在するか否かを判定する。上位第1世代の会員IDが存在する場合には、ステップ14に進み、これが存在しない場合には、ステップ16に進む。図9のケースでは、上位第1世代として会員Bが存在するので、ステップ14に進むことになる。
ステップ14において、世代変数mが世代制限値M(=3)であるか否かが判定される。世代変数mが世代制限値Mに到達していない場合にはステップ15に進み、到達した場合にはステップ16に進む。最初は世代変数mが1なので、ステップ14の否定判定より、ステップ15に進むことになる。
ステップ15において、世代変数mに1が加算される。これによって、処理世代が繰り上げられて上位第2世代になる。そして、ステップ12以降の処理が繰り返される。
再びステップ12において、上位第1世代の会員IDを検索キーとして人脈データベース13が検索され、上位第1世代の会員IDと一致する紹介先会員IDが特定される。そして、この紹介先会員IDに対応付けられた紹介元会員IDが上位第2世代として抽出される。図9のケースでは、上位第1世代の会員Bの紹介元は会員Cなので、会員Cが上位第2世代となる。
続くステップ13,14では、上位第2世代の会員IDの有無と、世代変数m(m=2)の上限到達とが判定される。図9のケースでは、上位第2世代の会員Cが存在し、現在の世代変数mが2である。したがって、ステップ14の否定判定により、世代変数mを3に繰り上げた上で(ステップ15)、ステップ12以降の処理が繰り返される。
再びステップ12において、上位第2世代の会員IDを検索キーとして人脈データベース13が検索され、上位第2世代の会員IDと一致する紹介先会員IDが特定される。そして、この紹介先会員IDに対応付けられた紹介元会員IDが上位第3世代として抽出される。図9のケースでは、上位第2世代の会員Cの紹介元は会員Dなので、会員Dが上位第3世代となる。
続くステップ13,14では、上位第3世代の会員IDの有無と、世代変数m(=3)の上限到達とが判定される。図9のケースでは、上位第3世代の会員Dが存在し、現在の世代変数m(=3)が世代制限値M(=3)に到達している。したがって、ステップ14の判定結果が肯定に切り替わるので、ステップ15を介したフィードバックが終了して、ステップ16に進むことになる。
ステップ12における人脈データベース13の検索は、世代制限値Mとして設定された世代分だけ繰り返される。これにより、取引会員Aを初期的な入力とした検索が繰り返され、取引会員Aをルートとした上位第3世代までの会員B〜Dがすべて抽出される。
ステップ16において、インセンティブ処理部8は、インセンティブの付与処理を行い、上代第3世代までの会員B〜Dのそれぞれに対して所定のインセンティブを付与する。この付与規則は、そのようなものであっても構わないが、会員のモチベーションの観点でいえば、ルート(取引会員)に世代的に近い会員ほどインセンティブを高く設定することが好ましい。例えば、図9のケースにおいて、取引会員Aが年収Yで取引依頼者に採用された場合、上位第1世代の会員Bに年収Yの6%、上位第2世代の会員Cに年収Yの3%、上位第3世代の会員Dに年収Yの1%のインセンティブポイントをそれぞれ付与するといった如くである。インセンティブ処理部8は、会員に付与したインセンティブを管理するために、インセンティブ付与に関する情報をインセンティブデータベース14に登録する。
図10は、インセンティブデータベース14の概略的な構成図である。インセンティブデータベース14は、インセンティブの付与対象となる会員毎に作成されたレコードの集合である。一つのレコードは、会員ID、取引会員ID、取引会員との世代差、インセンティブ付与日時、インセンティブポイントおよび少なくとも一つの関連会員IDによって構成されている。ここで、関連会員IDは、上位第3世代までの会員のうち自分を除くものの会員IDであり、例えば、会員Bのレコードに関しては、会員C,Dが関連会員となる。
[人脈閲覧]
会員制サイト上において自己の人脈関係の閲覧を希望する閲覧会員は、自己の会員端末2を用いて、取引仲介システム1に閲覧要求を送信する。制御部4は、会員端末2からの閲覧要求を受信した場合、このユーザに関する人脈閲覧処理の実行を人脈閲覧処理部9に指示する。
会員制サイト上において自己の人脈関係の閲覧を希望する閲覧会員は、自己の会員端末2を用いて、取引仲介システム1に閲覧要求を送信する。制御部4は、会員端末2からの閲覧要求を受信した場合、このユーザに関する人脈閲覧処理の実行を人脈閲覧処理部9に指示する。
図11は、人脈閲覧処理のフローチャートであり、図12は、閲覧対象となる下位世代の説明図である。以下、閲覧対象となる世代を下位第3世代までとするケース(N=3)を例に説明する。
まず、ステップ21において、世代変数nが1にセットされる。この世代変数nは、処理世代を示しており、処理が繰り返される毎に1ずつインクリメントされる。世代変数nが1にセットされるということは、最初の処理世代が閲覧会員をルートとした下位第1世代であることを意味する。
ステップ22において、人脈閲覧処理部9は、閲覧会員の会員IDを検索キーとして人脈データベース23を検索し、閲覧会員の会員IDと一致する紹介元会員IDを特定する。そして、この紹介元会員IDに対応付けられた紹介先会員IDが下位第1世代として抽出される。図12のケースでは、閲覧会員Aの紹介先は会員Bおよび会員Cである。したがって、会員Aをルートとすると、会員B,Cが下位第1世代の関連会員となる。
ステップ23において、人脈閲覧処理部9は、下位第1世代の会員IDが存在するか否かを判定する。下位第1世代の会員IDが存在する場合には、ステップ24に進み、これが存在しない場合には、ステップ26に進む。図12のケースでは、下位第1世代として会員B,Cが存在するので、ステップ24に進むことになる。
ステップ24において、世代変数nが世代制限値N(=3)であるか否かが判定される。世代変数nが世代制限値Nに到達していない場合にはステップ25に進み、到達した場合にはステップ26に進む。最初は世代変数nが1なので、ステップ24の否定判定より、ステップ25に進むことになる。
ステップ25において、世代変数nに1が加算される。これによって、処理世代が繰り下げられて下位第2世代になる。そして、ステップ22以降の処理が繰り返される。
再びステップ22において、下位第1世代の会員IDを検索キーとして人脈データベース23が検索され、下位第1世代の会員IDと一致する紹介元会員IDが特定される。そして、この紹介元会員IDに対応付けられた紹介先会員ID(下位第2世代)が抽出される。図12のケースでは、下位第1世代の会員Bの紹介先である会員D,E,Fと、下位第1世代の会員Cの紹介先とを合わせた全員が下位第2世代の関連会員となる。
続くステップ23,24では、下位第2世代の会員IDの有無と、世代変数n(n=2)の上限到達とが判定される。図12のケースでは、下位第2世代の会員D,E,F,・・・が存在し、現在の世代変数nが2である。したがって、ステップ24の否定判定により、世代変数nを3に繰り上げた上で(ステップ25)、ステップ22以降の処理が繰り返される。
再びステップ22において、下位第2世代の会員IDを検索キーとして人脈データベース23が検索され、下位第2世代の会員IDと一致する紹介元会員IDが特定される。そして、この紹介元会員IDに対応付けられた紹介先会員IDが下位第3世代として抽出される。図12のケースでは、下位第2世代の会員Dの紹介先である会員Gと、下位第2世代の会員Eの紹介先と、下位第2世代の会員Eの紹介先と、下位第1世代の会員Cから派生した会員とを合わせた全員が下位第3世代の関連会員となる。
続くステップ23,24では、下位第3世代の会員IDの有無と、世代変数n(=3)の上限到達とが判定される。図12のケースでは、下位第3世代の会員G,・・・が存在し、現在の世代変数n(=3)が世代制限値N(=3)に到達している。したがって、ステップ24の判定結果が肯定に切り替わるので、ステップ25を介したフィードバックが終了して、ステップ26に進むことになる。
ステップ22における人脈データベース23の検索は、世代制限値Nとして設定された世代分だけ繰り返される。これにより、閲覧会員Aを初期的な入力とした検索が繰り返され、閲覧会員Aをルートとした下位第3世代までの会員B,C,D,F,G,・・・がすべて抽出される。
ステップ26において、人脈閲覧処理部9は、上述した一連の処理よりによって抽出された下位第3世代までの会員によって構成された人脈関係を閲覧画面として生成する。生成された閲覧画面は、会員端末2に送信される。
図13は、上記人脈関係を表す閲覧画面の一例を示す図である。会員の人脈は、閲覧会員(本人)をルートとした下位第3世代までの関連会員の階層的なツリー構造によって表現されており、このツリーを構成するノードのそれぞれが関連会員に対応付けられている。また、このツリーは、閲覧会員(本人)をルートとした上位第1世代の会員に関するノードを有し、このノードは、閲覧会員(本人)を紹介した紹介者に対応付けられている。なお、ノードのそれぞれには、このノードに対応付けられた会員固有の情報(例えば、ニックネームや会員属性等)が閲覧可能な形態で付加されており、人型イメージのクリック等によって、この情報を閲覧することができる。このようなツリー構造を通じて、閲覧会員は、自己をルートとして派生し、自己にインセンティブが支払われる下位世代の状況を容易に把握することができる。
なお、関連会員の数が多くて単一の閲覧画面における規定枠内に収まらない場合には、閲覧画面を分割し、複数の画面で提供してもよい。
このように、本実施形態によれば、閲覧会員が必要とする情報の提示を阻害することなく、階層的な構造を有する人脈関係の閲覧処理をシステムが行う際における処理負荷の軽減を図ることができる。ここで、比較例として、閲覧会員が閲覧可能な世代範囲に制限を設けず、全ての下位世代の状況を閲覧会員に提示するケースについて考える。本比較例において、それぞれの会員が新たなに勧誘する会員が5名と仮定すると、以下の一覧に示すように、世代の繰り下がりに伴い、会員数が指数関数的に増加する。したがって、閲覧可能な範囲が大きくなるほど、人脈データベース13の検索処理も飛躍的に重くなっていく。
(各世代の会員数)
下位第1世代:会員5名=計5名
下位第2世代:会員5名+新会員25名=計30名
下位第3世代:会員30名+新会員125名=計155名
下位第4世代:会員155名+新会員625名=計780名
下位第5世代:会員780名+新会員3,125名=計3,905名
下位第6世代:会員3,905名+新会員15,625名=計19,530名
下位第7世代:会員19,530名+新会員78,125名=計97,655名
下位第8世代:会員97,655名+新会員390,625名=計488,280名
下位第1世代:会員5名=計5名
下位第2世代:会員5名+新会員25名=計30名
下位第3世代:会員30名+新会員125名=計155名
下位第4世代:会員155名+新会員625名=計780名
下位第5世代:会員780名+新会員3,125名=計3,905名
下位第6世代:会員3,905名+新会員15,625名=計19,530名
下位第7世代:会員19,530名+新会員78,125名=計97,655名
下位第8世代:会員97,655名+新会員390,625名=計488,280名
これに対して、本実施形態によれば、閲覧可能な範囲を下位第3世代までに制限しているので、上記一覧によれば155名程度といった如く、人脈データベース13の検索に要する負担が著しく軽減される。その結果、会員端末2からの閲覧要求に対する処理に掛かる時間が短くて済み、取引仲介システム1によるリアルタイムでの処理が可能になる。
また、本実施形態によれば、インセンティブの付与対象となる世代範囲を上位第3世代(M=3)までに制限しているので、会員獲得の自己努力をそれぞれの会員に促すことができる。ここで、一例として、取り引きが成立した場合に、取引会員をルートとした上位世代の会員のすべてにインセンティブを付与するケースについて考える。この仕組みでは、自分が会員獲得の努力をしなくても、自分よりも下位世代(子ユーザや孫ユーザ)の熱心な誰かが成果を上げれば、世代の深さに応じたインセンティブが必ず入ってくる。その結果、会員獲得が他力本願になりがちとなる。このような問題は、本実施形態のように、インセンティブの付与対象となる世代範囲に制限を設けることによって解消できる。下位世代に熱心な他人がいても、その他人が自己の世代範囲に含まれない限り、自己にインセンティブが入ってこないからである。その結果、本実施形態によれば、個々の会員の自己努力によって、人脈の水平展開(ある会員をルートとした直下世代の展開)が促進されるので、会員数の底上げを効果的に図ることができる。
さらに、本実施形態では、人脈関係の閲覧可能な世代数を規定する世代制限値Nを、インセンティブを付与する世代数を示す世代制限値Mと同一に設定している。したがって、閲覧会員は、自己がインセンティブを受け取ることができる世代範囲を適切に把握することができる。したがって、閲覧可能な世代範囲に制限を設けても、閲覧会員が必要とする情報の提示を阻害することがない。
なお、上述した実施形態では、世代制限値M,N(≧2)を同一としているが(N=M)、本発明はこれに限定されるものではなく、閲覧範囲に制限を設けることを条件として、N>Mに設定してもよい。この場合であっても、自己が閲覧可能な世代範囲に自己がインセンティブを受け取ることができる世代範囲が必ず包含されるので、閲覧会員が必要とする情報の提示が阻害されないからである。ただし、閲覧会員に提示する閲覧画面中に他の会員の個人情報の如きものを含める場合、N=Mとすることで、個人情報の開示を最低限に留め、個人情報の保護を図ることができる。
また、上述した実施形態において、取引依頼者および取引仲介者は、別個の主体であってもよいが、同一主体、すなわち、取引仲介者自身が取り引きを行う形態であっても構わない。
1 人脈利用型取引仲介システム
2 会員端末
3 依頼者端末
4 会員登録部
5 制御部
6 取引依頼登録部
7 マッチング部
8 インセンティブ処理部
9 人脈閲覧処理部
10 依頼案件データベース
11 マッチングデータベース
12 会員データベース
13 人脈データベース
14 インセンティブデータベース
2 会員端末
3 依頼者端末
4 会員登録部
5 制御部
6 取引依頼登録部
7 マッチング部
8 インセンティブ処理部
9 人脈閲覧処理部
10 依頼案件データベース
11 マッチングデータベース
12 会員データベース
13 人脈データベース
14 インセンティブデータベース
Claims (14)
- 人脈利用型取引仲介システムにおいて、
それぞれの会員に関する会員属性を記憶する第1の記憶手段と、
紹介元の会員となる紹介元会員と、紹介先の会員となる紹介先会員とを対応付けて記憶することによって、会員相互の人脈関係を管理する第2の記憶手段と、
取り引きを希望する依頼先と、潜在的な取引相手となる会員との間における取り引きを仲介するために、当該取り引きの内容に応じて個別に設定された会員属性を入力として前記第1の記憶手段を検索し、当該会員属性に合致する会員を抽出するマッチング部と、
前記仲介によって取り引きが成立した場合、当該取り引きを行った取引会員を入力として前記第2の記憶手段の検索を繰り返し行って、前記取引会員をルートとした上位第M世代(M≧2)までの関連会員を抽出するとともに、当該抽出された関連会員のそれぞれに対して、所定のインセンティブを付与する処理を行うインセンティブ処理部と、
ネットワークを介して、会員端末から人脈関係の閲覧要求を受信した場合、閲覧可能な世代範囲を無制限とするのではなく、前記閲覧会員をルートとした下位第N世代(N≧M)に制限した上で、前記閲覧要求に係る閲覧会員を入力として前記第2の記憶手段の検索を繰り返し行って、前記下位第N世代(N≧M)までの関連会員を抽出するとともに、当該抽出された関連会員によって構成された人脈関係を前記会員端末に送信する人脈閲覧処理部と、
を有することを特徴とする人脈利用型取引仲介システム。 - 人脈関係の閲覧可能な世代数を示す前記Nは、インセンティブを付与する世代数を示す前記Mと同一であることを特徴とする請求項1に記載された人脈利用型取引仲介システム。
- 前記インセンティブ処理部は、前記取引会員が前記紹介先会員となる前記紹介元会員を上位第1世代の関連会員として、前記上位第1世代の関連会員が前記紹介先会員となる前記紹介元会員を上位第2世代の関連会員として、それぞれ抽出することを特徴とする請求項1にまたは2記載された人脈利用型取引仲介システム。
- 前記人脈閲覧処理部は、前記閲覧会員が前記紹介元会員となる前記紹介先会員を下位第1世代の関連会員として、前記下位第1世代の関連会員が前記紹介元会員となる前記紹介先会員を下位第2世代の関連会員として、それぞれ抽出することを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載された人脈利用型取引仲介システム。
- 前記会員端末に送信される前記人脈関係は、前記閲覧会員をルートとした前記下位第N世代までの関連会員の階層的なツリー構造を有し、当該ツリーを構成するノードのそれぞれが関連会員に対応付けられていることを特徴とする特徴とする請求項1から4のいずれかに記載された人脈利用型取引仲介システム。
- 前記ツリーは、前記閲覧会員をルートとした上位第1世代の会員に関するノードをさらに有することを特徴とする請求項5に記載された人脈利用型取引システム。
- 前記ツリーにおけるノードのそれぞれには、当該ノードに対応付けられた会員固有の情報が閲覧可能な形態で付加されていることを特徴とする請求項5または6に記載された人脈利用型取引仲介システム。
- 人脈利用型取引仲介用コンピュータ・プログラムにおいて、
記憶装置の記憶領域に、それぞれの会員に関する会員属性を記憶する会員データベースを構築するステップと、
前記記憶装置の記憶領域に、会員相互の人脈関係を管理するために、紹介元の会員となる紹介元会員と、紹介先の会員となる紹介先会員とを対応付けて記憶する人脈データベースを構築するステップと、
取り引きを希望する依頼先と、潜在的な取引相手となる会員との間における取り引きを仲介するために、コンピュータが、当該取り引きの内容に応じて個別に設定された会員属性を入力として前記会員データベースを検索し、当該会員属性に合致する会員を抽出するステップと、
前記仲介によって取り引きが成立した場合、前記コンピュータが、当該取り引きを行った取引会員を入力として前記人脈データベースの検索を繰り返し行って、前記取引会員をルートとした上位第M世代(M≧2)までの関連会員を抽出するとともに、当該抽出された関連会員のそれぞれに対して、所定のインセンティブを付与する処理を行うステップと、
ネットワークを介して、会員端末から人脈関係の閲覧要求を受信した場合、閲覧可能な世代範囲を無制限とするのではなく、前記閲覧会員をルートとした下位第N世代(N≧M)に制限した上で、前記コンピュータが、前記閲覧要求に係る閲覧会員を入力として前記人脈データベースの検索を繰り返し行って、前記下位第N世代(N≧M)までの関連会員を抽出するとともに、当該抽出された関連会員によって構成された人脈関係を前記会員端末に送信するステップと
を有することを特徴とする人脈利用型取引仲介用コンピュータ・プログラム。 - 人脈関係の閲覧可能な世代数を示す前記Nは、インセンティブを付与する世代数を示す前記Mと同一であることを特徴とする請求項8に記載された人脈利用型取引仲介用コンピュータ・プログラム。
- 前記インセンティブを付与する処理を行うステップは、
前記コンピュータが、前記人脈データベースを検索して、前記取引会員が前記紹介先会員となる上位第1世代の関連会員を抽出するステップと、
前記コンピュータが、前記人脈データベースを再検索して、前記上位第1世代の関連会員が前記紹介先会員となる上位第2世代の関連会員を抽出するステップと
を少なくとも有することを特徴とする請求項8または9に記載された人脈利用型取引仲介用コンピュータ・プログラム。 - 前記閲覧画面を前記会員端末に送信するステップは、
前記コンピュータが、前記人脈データベースを検索して、前記閲覧会員が前記紹介元会員となる下位第1世代の関連会員を抽出するステップと、
前記コンピュータが、前記人脈データベースを再検索して、前記下位第1世代の関連会員が前記紹介元会員となる下位第2世代の関連会員を抽出するステップと
を少なくとも有することを特徴とする請求項8から10のいずれかに記載された人脈利用型取引仲介用コンピュータ・プログラム。 - 前記会員端末に送信される前記人脈関係は、前記閲覧会員をルートとした前記下位第N世代までの関連会員の階層的なツリー構造を有し、当該ツリーを構成するノードのそれぞれが関連会員に対応付けられていることを特徴とする特徴とする請求項8から11のいずれかに記載された人脈利用型取引仲介用コンピュータ・プログラム。
- 前記ツリーは、前記閲覧会員をルートとした上位第1世代の会員に関するノードを有することを特徴とする請求項12に記載された人脈利用型取り引き仲介用コンピュータ・プログラム。
- 前記ツリーにおけるノードのそれぞれには、当該ノードの対応付けられた会員固有の情報が閲覧可能な形態で付加されていることを特徴とする請求項12または13に記載された人脈利用型取引仲介用コンピュータ・プログラム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007323771A JP2009146218A (ja) | 2007-12-14 | 2007-12-14 | 人脈利用型取引仲介システムおよび人脈利用型取引仲介用コンピュータ・プログラム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007323771A JP2009146218A (ja) | 2007-12-14 | 2007-12-14 | 人脈利用型取引仲介システムおよび人脈利用型取引仲介用コンピュータ・プログラム |
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JP2009146218A true JP2009146218A (ja) | 2009-07-02 |
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Country | Link |
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2014004077A1 (en) * | 2012-06-28 | 2014-01-03 | Barker Jason W | Systems and methods for managing promotional offers |
WO2014076846A1 (ja) * | 2012-11-19 | 2014-05-22 | 株式会社I&Gパートナーズ | 求人支援システム、サーバ、ネットワークシステム、プログラム、及び求人支援方法 |
JP2021015451A (ja) * | 2019-07-11 | 2021-02-12 | マベリック合同会社 | 有名人ビデオメッセージ配信サービスに用いられるシステム及び方法 |
-
2007
- 2007-12-14 JP JP2007323771A patent/JP2009146218A/ja not_active Withdrawn
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2014004077A1 (en) * | 2012-06-28 | 2014-01-03 | Barker Jason W | Systems and methods for managing promotional offers |
WO2014076846A1 (ja) * | 2012-11-19 | 2014-05-22 | 株式会社I&Gパートナーズ | 求人支援システム、サーバ、ネットワークシステム、プログラム、及び求人支援方法 |
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