JP2009145391A - 画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】中間転写ベルトの回転を妨げたり、記録材に損傷を与えたりすることなく、二次転写部の下流側で記録材を中間転写ベルトから容易に分離できる画像形成装置を提供する。
【解決手段】中間転写ベルト9と二次転写ローラ11との間へ分離ベルト33a、33bを送り込んで記録材Pと一体に二次転写部T2を通過させる分離ベルト機構30を設ける。中間転写ベルト9から二次転写ローラを離間させた状態で分離ベルト33a、33bを記録材Pの幅方向の両方の縁領域に位置決めて送り出しを開始した後に二次転写ローラ11を中間転写ベルトに圧接して記録材Pを二次転写部に給送する。分離ベルト33a、33bは二次転写部T2の下流側で記録材Pの両縁を中間転写ベルト9から引き剥がして水平方向に案内する。記録材Pの通過後、二次転写部T2を離間して巻き取り部32から送り出し部31へ分離ベルト33a、33bを巻き取って待機する。
【選択図】図4

Description

本発明は、像担持体に転写部材を当接してトナー像の転写部を構成する画像形成装置、詳しくは転写部の下流側で像担持体から記録材を強制分離する分離部材を備えた画像形成装置に関する。
複数色のトナー像を、中間転写ベルトへ順番に一次転写した後に、中間転写ベルトに重ね合わせて二次転写部を通過する記録材へ一括二次転写する中間転写方式の画像形成装置が実用化されている。また、像担持体の一例である中間転写ベルトに転写部材の一例である二次転写ローラを当接させて二次転写部を構成した画像形成装置が実用化されている。
像担持体に転写部材を当接してトナー像の転写部を構成している場合、非接触の転写帯電器を用いる場合のような分離帯電器を配置しなくても、通常は、転写部の下流側で記録材が像担持体から容易に曲率分離される。
しかし、極端に薄くて剛性の低い記録材や極端に帯電し易い記録材の場合、転写部の下流側で曲率分離に支障をきたし、記録材が像担持体に貼り付いて連れ回りし易くなる。そして、転写部の下流側で記録材が曲率分離に支障をきたす課題に対して、以下のような解決方法が提案されている。
特許文献1には、非接触の転写帯電器及び分離帯電器を配置した転写部で、感光ドラムから記録材へトナー像を転写する画像形成装置が示される。ここでは、記録材と感光ドラムとの間に位置させた分離ベルト部材が記録材の片側の縁部分に位置決められている。分離ベルト部材は、記録材の剛性が高くて貼り付く心配が無い場合には、記録材と感光ドラムとの間から退去している。
特許文献2には、非接触の転写帯電器及び分離帯電器を配置した転写部で、感光ドラムから記録材へトナー像を転写する画像形成装置が示される。ここでは、記録材と感光ドラムとの間に位置する一対の分離ベルトが記録材の両方の縁部分に位置決められているので、片側だけに分離ベルトを配置する場合よりも確実に記録材を感光ドラムから分離できる。
特許文献3には、複数色の現像装置を備えた1ドラム型中間転写方式のフルカラー画像形成装置が示される。ここでは、中間転写ベルトに二次転写ローラを圧接して二次転写部が構成され、記録材の先端余白部分が二次転写部を通過する期間は転写電圧を低下させて中間転写ベルトに対する記録材の付着力を弱めている。記録材の先端余白部分を中間転写ベルトから確実に分離させた後、画像部に対しては通常の転写電圧を印加して必要な転写効率を確保している。
特許文献4には、液体トナー像を担持したドラム状の中間転写体から記録材へトナー像を二次転写する画像形成装置が示される。ここでは、中間転写体の軸方向の外側に配置された上下一対の記録材搬送ベルトが、二次転写部の外側で記録材の片側の縁を挟持搬送することにより、二次転写部の下流側で記録材が中間転写体から強制的に引き剥がされる。
特開昭63−298264号公報 特開平03−257472号公報 特開平05−094100号公報 特開2003−307939号公報
特許文献3に示されるように、転写部材を像担持体に圧接して転写部を構成している場合、特許文献1、2に示されるような固定の分離ベルトは、像担持体と転写部材とに挟み込まれると像担持体のブレーキになってしまう。固定の分離ベルトは、転写部を通過する記録材の表面を強く摺擦して皺を発生させたり、トナー像を乱したりする可能性もある。
本発明は、像担持体の回転を妨げたり、記録材に損傷を与えたりすることなく、転写部の下流側で記録材を像担持体から容易に分離できる画像形成装置を提供することを目的としている。
本発明の画像形成装置は、トナー像を担持して回転する像担持体と、前記像担持体に当接して転写部を形成する転写部材と、前記転写部へ記録材を給送する給送手段と、前記転写部に電圧を印加して前記像担持体から記録材へトナー像を転写する電源手段とを備えたものである。前記像担持体と記録材との間に挟持されて前記転写部の下流側で前記像担持体から記録材を強制分離させる分離部材を、記録材と一体に移動させて前記転写部を通過させる分離部材移動機構を備える。
本発明の画像形成装置では、像担持体と転写部材とに挟持されて、記録材と分離部材とが一体に移動するので、像担持体の回転のブレーキとなるような記録材を介した摩擦が発生しない。記録材に損傷を与えるような記録材と分離部材との摺擦が発生しない。
従って、像担持体の回転を妨げたり、記録材に損傷を与えたりすることなく、転写部の下流側で記録材を像担持体から容易に分離できる。
以下、本発明のいくつかの実施形態を、図面を参照して詳細に説明する。本発明は、像担持体と記録材との間に分離部材を挟持して一体に転写部を走行させる限りにおいて、各実施形態の構成の一部または全部を、その代替的な構成で置き換えた別の実施形態でも実施できる。
従って、中間転写体に担持させたトナー像を記録材に転写する画像形成装置に限らず、像担持体から記録材へトナー像を直接転写する画像形成装置でも実施できる。記録材搬送ベルトに担持された記録材へトナー像を転写する画像形成装置でも実施できる。ベルト部材に沿って複数の感光ドラムを配置したタンデム型のみならず、1個の感光ドラムを配置した1ドラム型でも実施できる。
本実施形態では、トナー像の形成/転写に係る主要部のみを説明するが、本発明は、必要な機器、装備、筐体構造を加えて、プリンタ、各種印刷機、複写機、FAX、複合機等、種々の用途で実施できる。
なお、特許文献1〜4に示される画像形成装置の一般的な事項については、図示を省略して重複する説明を省略する。
説明中、特許請求の範囲で用いた構成名に括弧を付して示した参照記号は、発明の理解を助けるための例示であって、実施形態中の該当する部材等に構成を限定する趣旨のものではない。
<第1実施形態>
図1は第1実施形態の画像形成装置の構成の説明図、図2は画像形成部の構成の説明図、図3はテンションローラと中間転写ベルトの説明図である。
図1に示すように、第1実施形態の画像形成装置100は、中間転写ベルト9の直線区間に、4つの画像形成部Pa、Pb、Pc、Pdを配列したタンデム型中間転写方式のフルカラー複写機である。
画像形成部Paでは、感光ドラム1aにイエロートナー像が形成されて中間転写ベルト9に一次転写される。画像形成部Pbでは、感光ドラム1bにマゼンタトナー像が形成されて中間転写ベルト9のイエロートナー像に重ねて一次転写される。画像形成部Pc、Pdでは、それぞれ感光ドラム1c、1dにシアントナー像、ブラックトナー像が形成されて同様に中間転写ベルト9に順次重ねて一次転写される。
中間転写ベルト9に一次転写された四色のトナー像は、二次転写部T2へ搬送されて、二次転写部T2へ給送された記録材Pへ一括二次転写される。二次転写部T2でトナー像を二次転写された記録材Pは、定着装置7で加熱加圧を受けて表面にトナー像を定着された後に画像形成装置100の外部へ排出される。
分離装置22は、給紙カセット20からピックアップローラ21によって引き出された記録材Pを1枚ずつに分離して、レジストローラ23へ送り出す。
給送手段の一例であるレジストローラ23は、停止状態で記録材Pを受け入れて待機させ、中間転写ベルト9のトナー像にタイミングを合わせて記録材Pを二次転写部T2へ送り込む。
クリーニング装置19は、クリーニングブレードを中間転写ベルト9に摺擦させて、二次転写部T2を通過して中間転写ベルト9に残留した転写残トナーを除去する。
定着装置7は、回転自在に配設された定着ローラ7kに対して、回転駆動された加圧ローラ7pを圧接して構成される。定着ローラ7kの内部には、ハロゲンランプ等のヒータ7hが配設され、ヒータ7hの電流をON/OFF制御して定着ローラ7kの表面温度を所定値に調節している。
画像形成部Pa、Pb、Pc、Pdは、付設された現像装置4a、4b、4c、4dで用いるトナーの色がイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックと異なる以外は、ほぼ同一に構成される。以下では、画像形成部Paについて説明し、他の画像形成部Pb、Pc、Pdについては、説明中の符号末尾のaを、b、c、dに読み替えて説明されるものとする。
図2に示すように、画像形成部Paは、感光ドラム1aの周囲に、帯電装置2a、露光装置3a、現像装置4a、一次転写ローラ5a、クリーニング装置6aを配置する。
感光ドラム1aは、アルミニウム製シリンダの外周面に帯電極性が負極性の感光層を形成して構成され、両端部を回転自在に支持され、一方の端部に不図示の駆動モータから駆動力を伝達して矢印R1方向に回転される。
帯電装置2aは、感光ドラム1aに帯電ローラ2rを圧接して従動回転させ、電源D3から帯電ローラ2rに直流電圧と交流電圧とを重畳した電圧を印加して、感光ドラム1aの表面を一様な負極性の電位に帯電する。
露光装置3aは、イエローの分解色画像を展開した走査線画像データをON−OFF変調したレーザービームを回転ミラーで走査して、帯電した感光ドラム1aの表面に画像の静電像を書き込む。
現像装置4aは、二成分現像剤を攪拌スクリュー4nによって攪拌して帯電させる。帯電した二成分現像剤は、規制板4kで層厚規制されて、固定磁極4jの周囲で感光ドラム1aとカウンタ方向に回転する現像スリーブ4sに担持される。帯電した二成分現像剤は、現像スリーブ4sに穂立ち状態で担持されて感光ドラム1aを摺擦する。
電源D4は、負極性の直流電圧に交流電圧を重畳した現像電圧を現像スリーブ4sに印加して、負極性に帯電したトナーを、現像スリーブ4sよりも相対的に正極性となった感光ドラム1aの静電像へ付着させて静電像を反転現像する。
一次転写ローラ5aは、両端部を不図示のバネ部材で付勢されて感光ドラム1aとの間に中間転写ベルト9を挟み込み、感光ドラム1aと中間転写ベルト9との間に一次転写部T1を形成する。一次転写ローラ5aは、直径φ8mmの芯金の周囲に導電性ウレタンスポンジ材料を用いた厚さ4mmの半導電層を形成してある。
半導電層の抵抗値は、5Nの荷重で接地ローラに当接させて一次転写ローラ5aを50mm/secの周速で回転させ、芯金に500Vの電圧を印加して測定された電流の関係から求められ、約10Ω(23度C50%RH)である。
電源D1は、一次転写ローラ5aのローラ軸に正極性の直流電圧を印加して、感光ドラム1aに担持された負極性のトナー像を、一次転写部T1を通過する中間転写ベルト9へ一次転写する。
クリーニング装置6aは、クリーニングブレード6eを感光ドラム1aに摺擦して、一次転写部T1を通過して感光ドラム1aの表面に残留した転写残トナーを除去する。
<転写部>
図1に示すように、中間転写ベルト9は、テンションローラ12、駆動ローラ13、及びバックアップローラ10に支持されて、所定のプロセススピードで矢印R2方向に回転する。
駆動ローラ13は、端部に不図示の駆動モータから駆動力を伝達して中間転写ベルト9を駆動する。テンションローラ12は、中間転写ベルト9に50N(5kgfの張力をかけている。
バックアップローラ10は、外径30mmのステンレス製の円筒材料で形成されて接地電位に接続されている。
転写部材の一例である二次転写ローラ11は、中間転写ベルト9を介してバックアップローラ10に圧接して、中間転写ベルト9と二次転写ローラ11との間に二次転写部T2を形成する。
二次転写ローラ11は、直径φ12mmの芯金の周囲に導電性ウレタンスポンジ材料の弾性層を配置して直径φ23mmに構成されている。弾性層の抵抗値は、50Nの荷重下で接地ローラに二次転写ローラ11を50mm/secの周速で回転させ、芯金に500Vの電圧を印加して測定された電流の関係から求められ、約10Ω(23度C50%RH)である。二次転写ローラ11の表面硬度は、ASKER−C硬度値で35度である。
二次転写ローラ11は、両端部が不図示のスプリングによって中間転写ベルト9に向けて付勢される。これにより、二次転写ローラ11の弾性層は、所定の押圧力で中間転写ベルト9に圧接されて潰れ、中間転写ベルト9との間に記録材の搬送方向に幅を持ったニップが形成される。
電源手段の一例である電源D2は、正極性の定電圧を転写電圧として二次転写ローラ11のローラ軸11aへ印加して、バックアップローラ10と中間転写ベルト9と記録材Pと二次転写ローラ11との直列回路に転写電流を流す。これにより、中間転写ベルト9のトナー像に重ね合わせて記録材Pが二次転写部T2を通過する過程で、中間転写ベルト9から記録材Pへトナー像が静電的に移動する。
像担持体の一例である中間転写ベルト9は、幅370mm、周長900mmの無端状に形成され、一次転写部T1で一次転写されたトナー像を担持して二次転写部T2へ搬送する。
図3に示すように、中間転写ベルト9は、PI樹脂を用いて厚みt=100μmに形成され、体積抵抗率は108.5Ω・cm(JIS−K6911法準拠プローブを使用し、印加電圧100V、印加時間60sec、23度C50%RHにて測定)である。しかし、中間転写ベルト9は、PC、PET、PVDFのような他の誘電体樹脂を用いて異なる体積抵抗率、厚みのものとしてもよい。
中間転写ベルト9の両方の端部に、寄り規制のためのリブ9eが形成され、リブ9eがテンションローラ12の端部のテーパー部12eに突き当たることにより、中間転写ベルト9の寄りが規制される。
<分離部材、離間機構、分離部材移動機構、移動位置調整機構>
図4は分離ベルト機構の配置の説明図、図5は分離ベルト機構の駆動系の説明図、図6は分離ベルトクリーニング機構の説明図である。
図4に示すように、トナー像を二次転写された記録材Pが二次転写部T2の下流側で、中間転写ベルト9に貼り付いて連れ回ることがある。この現象は、二次転写部T2を通過した後の記録材Pが、記録材Pから中間転写ベルト9に向かってかかる静電吸着力を持つことが原因とされている。中間転写ベルト9が二次転写電圧によって受けた電荷が、減衰しきらず、中間転写ベルト9の電荷を保持した部分が、上向きに記録材Pを引き付ける静電吸着力を発生させる。これに対して、二次転写部T2の下流の曲率に反発する記録材の剛度(こし)が静電吸着力に反する力として下向きに作用する。
しかし、紙の剛度(こし)は坪量が小さいほど弱い。例えば、坪量52g/m以下の薄紙と呼ばれる記録材においては、「記録材Pにかかる上向きの力F1 > 記録材Pにかかる下向きの力F2」となり、記録材Pの分離不良が生じてしまう。
特許文献3には、記録材の先端余白部分で転写電圧を低下させて中間転写ベルトに対する記録材の付着力を弱めることが提案されている。しかし、実験によれば、坪量52g/m程度においては効果が確認できるが、それ未満、つまり40g/m程度以下の紙では十分な効果を確認できず、40g/m程度以下の薄紙に対しては効果をなさない。つまり。紙の厚さ坪量30g/m程度の薄紙に対して、効果的な分離手段は確立されていない。
図1に示すように、そこで、第1実施形態は、二次転写部T2を挟んで上流側の送り出し部31から分離ベルト33a、33bを送り出して、下流側の巻き取り部32に巻き取る分離ベルト機構30を配設している。
二次転写ローラ11は、破線で示す位置まで下降して二次転写部T2を離間可能である。
分離ベルト機構30は、二次転写ローラ11と一体に下降した位置で下流側の巻き取り部32から上流側の送り出し部31へ分離ベルト33a、33bを巻き戻した状態で待機する。そして、分離ベルト機構30は、二次転写ローラ11が上昇して、二次転写部T2のニップを形成すると、上流側の送り出し部31から分離ベルト33a、33bを送り出して、下流側の巻き取り部32に巻き取る。
図4に示すように、分離ベルト33a、33bは、二次転写部T2で中間転写ベルト9に貼り付いた記録材の幅方向の両端を、二次転写部T2の下流側で中間転写ベルト9から強制的に引き剥がす。
送り出し部31は、カセットテープ状に巻き取られた薄いテープ材料の分離ベルト33a、33bを記録材Pに重ね合わせて二次転写部T2へ送り出す。
巻き取り部32は、記録材Pと一体に二次転写部T2を挟持搬送された分離ベルト33a、33bを巻き取って、二次転写部T2の下流側で分離ベルト33a、33bを平坦に張り渡す。
二次転写部T2で挟持搬送される分離ベルト33a、33bは、送り出し部31によって上流側へ牽引される一方、巻き取り部32によって下流側へ牽引されて、分離ベルト33a、33bに適度の張力が維持される。
分離ベルト33a、33bは、二次転写部T2において中間転写ベルト9に片面を当接した状態で、記録材Pと一体に移動する。記録材Pの中央部は、二次転写部T2を通過する過程で、中間転写ベルト9に担持されたトナー像に接して重ね合わせられるが、記録材Pの両縁部分は、分離ベルト33a、33bによって中間転写ベルト9から隔てられる。
二次転写部T2を通過した33a、33bは、中間転写ベルト9から分離して記録材Pの正常な進行方向に記録材Pの両縁部分を引き出す。これにより、記録材Pは、分離ベルト33a、33bに沿って進行し、分離ベルト33a、33bが当接している両縁部分から中央部へと逐次中間転写ベルト9から強制的に引き剥がされる。
分離ベルト33a、33bを記録材Pの両縁部分に位置決めることで、剛性の小さい薄紙、吸湿紙、カールした紙、PETシート等の分離しづらい記録材Pも、容易に分離される。
分離ベルト33a、33bは、40μm以下のポリエステル、ポリエチレンなどの単層あるいは複合層フィルム材料を用いている。このように薄いフィルム材料を使用して記録材Pの搬送速度と同期させているので、分離ベルト33a、33bによって二次転写部T2を通過する記録材Pが弯曲したり、皺になったりしない。また、記録材Pにおける中間転写ベルト9に当接する部分と分離ベルト33a、33bに当接する部分との間で摩擦のばらつきを生じて記録材Pに歪みを生じさせたり、局所的に画像を変形させたりしない。
図5に示すように、分離ベルト33a、33bの上流側は、ボビン35a、35bに巻き取られている。ボビン35a、35bは、支軸43a、43bを回転させることによって、分離ベルト33a、33bの送り出し及び巻き戻しを実行する。共通のモータ45Mは、主歯車45を駆動して従歯車47a、47bを回転させることにより、支軸43a、43bを駆動してボビン35a、35bを回転させる。
ボビン35a、35bは、支軸43a、43bに対して回転を拘束されているが、支軸43a、43bに沿った方向に移動自在である。ボビン35a、35bは、ラックギア41a、41bに固定された枠部材37a、37b対して回転自在であるが、枠部材37a、37bによって支軸43a、43bに沿った方向の移動を拘束されている。 共通のピニオンギア39は、回転に伴ってラックギア41a、41bを対称方向に駆動して、枠部材37a、37bを支軸43a、43bに沿って移動させて、ボビン35a、35bの配置間隔を変化させる。
モータ39Mは、ピニオンギア39を通じてボビン35a、35bを支軸43a、43bに沿って移動させ、二次転写部T2にセンタ基準で給送される記録材Pの両縁部分へ分離ベルト33a、33bをそれぞれ位置決める。
分離ベルト33a、33bの下流側の端部は、ボビン36a、36bに固定されている。ボビン36a、36bは、支軸44a、44bを回転させることによって、分離ベルト33a、33bの巻き取り及び引き出しを実行する。共通のモータ46Mは、主歯車46を駆動して従歯車48a、48bを回転させることにより、支軸44a、44bを駆動してボビン36a、36bを回転させる。
ボビン36a、36bは、支軸44a、44bに対して回転を拘束されているが、支軸43a、43bに沿った方向に移動自在である。ボビン36a、36bは、ラックギア42a、42bに固定された枠部材38a、38b対して回転自在であるが、枠部材38a、38bによって支軸44a、44bに沿った方向の移動を拘束されている。
共通のピニオンギア40は、回転に伴ってラックギア42a、42bを対称方向に駆動して、枠部材38a、38bを支軸44a、44bに沿って移動させて、ボビン36a、36bの配置間隔を変化させる。
モータ40Mは、ピニオンギア40を通じてボビン36a、36bを支軸44a、44bに沿って移動させ、二次転写部T2にセンタ基準で給送される記録材Pの両縁部分へ分離ベルト33a、33bをそれぞれ位置決める。
分離ベルト33a、33bの二次転写部T2よりも下流側に分離ベルトクリーニング装置34が配置される。
図6に示すように、分離ベルトクリーニング装置34は、ファーブラシ34kを上下に設置して分離ベルト33a、33bに摺擦させ、上下両面に付着したトナーを下側のトナー回収ボックス34mに掃い落とす。分離ベルトクリーニング装置34の入り口及び出口には、掃い落としたトナーの飛散を防止するために、薄い樹脂板の防塵板(不図示)を設けてある。ファーブラシ34kは、導電性を付与したナイロン繊維を使用したが、例えばナイロン、レーヨン、ポリエステル、アクリル等などの様々な素材を採用できる。
分離ベルトクリーニング装置34を設けることで、万が一飛散したトナーが分離ベルト33a、33bに付着しても、又は分離ベルト33a、33bを長期間連続使用しても記録材Pに不要なトナーを付着させないで済む。
なお、二次転写ローラ11にクリーニング装置が設けられている場合、分離ベルト33a、33bに付着したトナーは、中間転写ベルト9及び二次転写ローラ11によって摺擦除去されて、それぞれのクリーニング装置に回収される。そのため、分離ベルトクリーニング装置34を必ずしも設ける必要が無い。
分離部材クリーニング機構(34)は、分離部材(33a、33b)に接触してトナーを除去する。
<実施例1>
図1に示すように、第1実施形態の画像形成装置100において、プロセススピード130mm/sec、A4サイズ横送り、普通紙の連続通紙による二次転写部T2における紙分離試験を行った。
ここで、二次転写バイアスは5kVとし、通紙枚数は100枚とした。記録材Pの坪量は52g/m、40g/m、37g/mの3種類で行い、分離ベルト機構30を設けていない同じ画像形成装置と比較した。また、分離ベルト33a、33bと記録材Pとの重ね合わせ幅d2を、1mmから5.0mmの間で振って試験を行った。記録材Pの幅をd0とする。
表1は、紙分離試験の結果である。○は分離不良なし、△は分離不良率10%以下、×は分離不良率10%以上を示す。
Figure 2009145391
表1に示すように、分離ベルト33a、33bと記録材Pとの重ね合わせ幅d2は1.0mm以上にすることで分離ベルト33a、33bの効果が十分に発揮できる。
つまり、記録材PにA4サイズ縦送りを選択した場合、図7における分離ベルト33a、33bの間隔d1は、A4サイズ縦送りの幅d0(210mm)から両端1.0mmづつの重ね合わせ幅d2=2.0mmを差し引いた208mmになる。
ただし、記録材Pの縁に十分な余白領域がある場合には、分離ベルト33a、33bによる引き剥がし効果を記録材Pのより内側まで発揮させるべく、記録材Pとの重ね合わせ幅d2を5.0mm以上確保してもよい。
<制御手段>
図7は記録材の種類及びサイズに応じた分離ベルト位置の説明図、図8は分離ベルト機構を動作させない場合の分離ベルト位置の説明図である。図9はラージサイズ記録材の場合の分離ベルト位置の説明図、図10はスモールサイズ記録材の場合の分離ベルト位置の説明図である。
図5を参照して図4に示すように、制御手段(15)は、移動位置調整機構(39M、40M)を制御して、転写部(T2)へ給送される記録材(P)の幅方向の縁領域に分離部材(33a、33b)を位置決める。
分離部材(33a、33b)は、像担持体(9)と記録材(P)との間に挟持されて転写部(T2)の下流側で像担持体(9)から記録材(P)を強制分離させる。分離部材移動機構(45M、46M)は、分離部材(33a、33b)を、記録材(P)と一体に移動させて転写部(T2)を通過させる。
移動位置調整機構(39M、40M)は、転写部(T2)における分離部材(33a、33b)の移動位置を、記録材(P)の搬送方向に直角な幅方向に変化させる。
記録材(P)の両方の縁領域に対応させて分離部材(33a、33b)が一対配置され、移動位置調整機構(39M、40M)は、一対の分離部材(33a、33b)のそれぞれの移動位置を連動して変化させる。制御手段(15)は、中心線を揃えて転写部(T2)に給送される記録材(P)の幅方向の長さに応じた移動位置へ分離部材(33a、33b)を移動させる。
離間機構(11M)は、像担持体(9)と転写部材(11)とを離間させる。制御手段(15)は、離間機構(11M)を制御して像担持体(9)と転写部材(11)とを分離部材(33a、33b)に接触しない位置まで離間させた状態で、記録材(P)の縁領域に分離部材(33a、33b)を位置決める。
画像処理手段(15)は、分離部材(33a、33b)が重ね合わせられる縁領域よりも大きな余白領域が形成されるように、記録材(P)に形成する画像幅を調整する。
制御部15は、画像形成ジョブを受信すると、記憶装置16から呼び出した画像形成プログラム及び画像形成データを用いて画像形成を制御する。
制御部15は、モータ11Mを制御して二次転写ローラ11及び分離ベルト機構30を一体に昇降させる。画像形成時には、二次転写ローラ11を上昇させて中間転写ベルト9に圧接させることにより二次転写部T2が形成され、非画像形成時には、二次転写ローラ11を下降させて二次転写部T2を離間させる。
モータ45M、46Mには直流ブラシモータが採用されている。
制御部15は、モータ45M、46Mを作動させて、送り出し部31と巻き取り部32との間における分離ベルト33a、33bの送り出し/巻き戻しを制御する。
二次転写部T2が形成された画像形成時、制御部15は、モータ45M、46Mに流す電流を調整して、二次転写部T2を挟んだ分離ベルト33a、33bの上流側と下流側とにおける張力を所定範囲に誘導する。分離ベルト33a、33bの移動速度は、中間転写ベルト9の周速度と等しい速度として、中間転写ベルト9及び記録材との間に相対速度を生じさせない。
二次転写部T2が離間された巻き戻し時、制御部15は、モータ45M、46Mに流す電流を画像形成時とは逆方向にして、巻き取り部32に巻き取られた分離ベルト33a、33bを送り出し部31へ巻き戻す。二次転写部T2が離間された状態で、分離ベルト33a、33bが二次転写ベルト9にも二次転写ローラ11にも非接触となるように、送り出し部31と巻き取り部32とが配置されている(図1参照)。
モータ39M、40Mにはパルスモータが採用されているので、供給パルス数に応じた回転角度だけピニオンギア39、40が回転する。
制御部15は、モータ39M、40Mを制御して、分離ベルト33a、33bの位置を記録材Pの幅方向に平行移動させて、二次転写部T2へ給送される記録材Pの幅に応じた位置へ位置決める。
制御部15は、二次転写部T2の下流側における分離が困難な薄紙が記録材Pに指定された場合にのみ、分離ベルト33a、33bを二次転写部T2に位置させて分離ベルト機構30を動作させる。
具体的には、操作パネル17を通じた紙種設定や画像形成ジョブの紙種設定において坪量52g/m以下の紙種が選ばれたとき、分離ベルト機構30を動作させる。
制御部15は、画像データを参照して、記録材Pの幅方向の両縁部分に、分離ベルト33a、33bを当接させるために必要な余白が存在するか否かを判定する。
余白がある場合には、余白に合わせて分離ベルト33a、33bの走行位置を定め、モータ39M、40Mを作動させて、分離ベルト33a、33bを幅方向に平行移動させて、適切な位置に位置決め停止させる。
図7に示すように、紙種設定が普通紙や厚紙の場合、二次転写部T2の下流側における分離が容易なので、分離ベルト33a、33bを二次転写部T2の外側の不作動位置へ位置決める。そして、分離ベルト33a、33bを作動させることなく画像形成を行うことによって分離ベルト33a、33bの巻き戻しを回避して、記録材に対する連続画像形成を可能にする。
図8に示すように、ピニオンギア39、40がラックギア41a、41b及びラックギア42a、42bを最も外側位置へ移動させて、分離ベルト33a、33bの間隔d1を最大値に設定する。分離部材(33a、33b)による強制分離が必要でない記録材(P)に対しては、転写部(T2)の外側へ、一対の分離部材(33a、33b)を退去させる。
図7に示すように、紙種設定が薄紙でシートサイズがA4横送りの場合、分離ベルト33a、33bを二次転写部T2の内側へ移動させた後に、二次転写ローラ(11:図1)を上昇させて二次転写部T2を形成する。
図9に示すように、ピニオンギア39、40がラックギア41a、41b及びラックギア42a、42bを内側へ移動させて、分離ベルト33a、33bの間隔d1をA4横送りの記録材幅に適合させる。
図7に示すように、紙種設定が薄紙でシートサイズが葉書サイズ縦送りの場合、分離ベルト33a、33bを二次転写部T2の最も内側へ移動させた後に、二次転写ローラ(11:図1)を上昇させて二次転写部T2を形成する。
図10に示すように、ピニオンギア39、40がラックギア41a、41b及びラックギア42a、42bを最も内側へ移動させて、分離ベルト33a、33bの間隔d1を葉書サイズ縦送りの記録材幅に適合させる。
一般に肉厚の大きい記録材は腰が強いのが普通であり、このため、二次転写部T2の下流における分離性がよい。反面、肉厚の大きい記録材は、分離ベルト33a、33bを使用すると、分離ベルト33a、33b付近の画像領域で中間転写ベルト9と記録材Pとの間に空隙が生じて、画像欠けを生ずるおそれがある。
図7に示すように、分離ベルト33a、33bを二次転写部T2の外側へ移動させることによって、このような事態を効果的に回避できる。また、このように制御することで、中間転写ベルト9や分離ベルト33a、33b、二次転写ローラ11の特定部分が磨耗により縮径することを回避できる。
<フローチャート>
図11は分離ベルト機構の制御のフローチャートである。
図4を参照して図11に示すように、制御部15は、記録材Pに坪量52g/m以下の紙種が選ばれると(S11のY)、記録材Pの幅d0を読み込む(S12)。
制御部15は、記録材Pの幅d0に適した分離ベルト33a、33bの間隔d1を演算して(S13)、間隔d1となる作動位置に分離ベルト33a、33bを移動させる(S14)。分離ベルト33a、33bの間隔d1の設定は、記録材の幅d0に従って以下のように設定する。
d1 = d0 − 2.0mm
制御部15は、必要な分離ベルト33a、33bの間隔d1が設定されると(S15のYES)、送り出し部31による分離ベルト33a、33bの送り出しと、巻き取り部32による分離ベルト33a、33bの巻き取りとを開始させる(S16)。
制御部15は、二次転写ローラ11を上昇させて二次転写部T2を形成して(S17)、中間転写ベルト9から記録材Pへの二次転写を行う。
制御部15は、二次転写が終了すると(S18のY)、二次転写ローラ11を下降させて二次転写部T2を離間させる(S19)。
制御部15は、分離ベルト33a、33bを停止させた後に反転して、巻き取り部32に巻き取られた分離ベルト33a、33bを、送り出し部31へ巻き戻す(S20)。
制御部15は、薄紙に該当しない記録材Pの場合(S11のN)、分離ベルト33a、33bの間隔d1を最大に設定する(図8参照)。
制御部15は、分離ベルト33a、33bを移動させて(S22)、二次転写部T2の外側に移動して停止すると(S23のY)、二次転写ローラ11を上昇させて二次転写部T2を形成する(S24)。
制御部15は、中間転写ベルト9から記録材Pへの二次転写を開始し、二次転写が終了すると(S25のY)、二次転写ローラ11を下降させて二次転写部T2を離間させる(S26)。
<第2実施形態>
図12は第2実施形態の画像形成装置の構成の説明図である。
図12に示すように、第2実施形態の画像形成装置200は、第1実施形態と同様な中間転写ベルト9に記録材搬送ベルト9Hを圧接して二次転写部T2を構成している。
従って、図12中、第1実施形態と共通な構成には図1と共通の符号を付して重複する説明を省略する。
図12に示すように、画像形成装置200は、中間転写ベルト9から記録材Pへトナー像を二次転写する二次転写部T2に、記録材搬送ベルト(転写ベルト)9Hを用いている。
記録材搬送ベルト9Hは、二次転写ローラ11と駆動ローラ14とに掛け渡して支持され、第1実施形態の一次転写ローラ(11:図1)と同様に昇降して、二次転写部T2を当接・離間させる。
記録材搬送ベルト9Hは、駆動ローラ14に駆動されて回転して、記録材Pを二次転写部T2から中間転写ベルト9と等しい速度で下流側へ搬送する。二次転写ローラ11はテンションローラを兼ねて配置され、記録材搬送ベルト9Hに所定の張力を付与している。
画像形成部Pa、Pb、Pc、Pdは、それぞれイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色トナー像を形成して、中間転写ベルト9上の画像位置へ順番に一次転写して重ね合わせる。中間転写ベルト9に形成された4色のトナー像は、二次転写部T2へ搬送されて、レジストローラ23によって二次転写部T2へ給送される記録材Pへ一括二次転写される。
中間転写ベルト9に4色のトナー像が形成されると、離間していた記録材搬送ベルト9Hが中間転写ベルト9に圧接して二次転写部T2を形成する。中間転写ベルト9のトナー像に記録材Pを重ね合わせて二次転写部T2を通過させる過程で、二次転写ローラ11に電源D2から正極性の電圧が印加されて、中間転写ベルト9から記録材Pへトナー像が一括二次転写される。
駆動ローラ14及び二次転写ローラ11は、軸方向の長さ約300mmで、直径8mmのSUS芯金上に外径φ20mmになるように弾性層を形成した。弾性層は、同じ材質で構成しても、他の材質で構成してもよく、ここでは、適当な導電剤が分散された体積抵抗率5×10Ω・cm(1KV印加時)のNBRゴム材料の弾性層を配置している。弾性層の硬度は、JIS‐Aで30〜35度である。駆動ローラ14及び二次転写ローラ11の体積抵抗率は、1×10〜1×1010Ω・cm(1KV印加時)であればよく、好ましくは、抵抗の電圧依存性が少ないものほど好ましい。他にEPDM、ウレタンゴム、CR等も適当な導電剤が分散可能なものである。
記録材搬送ベルト9Hは、円形にした際の外径φ80mm×幅300mmのチューブ形状で、厚さ100μm、体積抵抗率10〜1015Ωcm(1KV印加時)のものを用いた。PTFEを分散して体積抵抗率1011Ωcm、表面抵抗1012〜1013Ω/□に制御したウレタンベルトを用いた。
記録材Pは、記録材Pへトナー像を二次転写する過程で帯電されて記録材搬送ベルト9Hに静電気的に吸着している。このため、二次転写部T2の下流側では、薄くて剛性の低い記録材Pであっても、中間転写ベルト9に貼り付くことなく中間転写ベルト9から容易に分離される。
しかし、薄くて剛性の低い記録材Pは、分離ローラ14の下流側で記録材搬送ベルト9Hに貼り付いて、曲率分離されることなく、記録材搬送ベルト9Hに連れ送りされ易くなる。
そこで、第4実施形態では、駆動ローラ14の下流側に分離ベルト機構60を配置して、記録材搬送ベルト9Hに連れ回る記録材Pを記録材搬送ベルト9Hから強制的に引き剥がす。
<分離部材、離間機構、分離部材移動機構、移動位置調整機構>
図13は分離ベルト機構の説明図、図14は分離ベルトの配置の説明図、図15は記録材に対する分離ベルトの位置決めの説明図、図16は分離ベルト間隔調整機構の説明図、図17は分離ベルトガイドの構成の説明図である。
図13に示すように、分離ベルト63a、63bは、第3実施形態と同様に、記録材Pの幅方向の両方の縁領域に当接させるために、正面側(a)と背面側(b)とで2本を配設した。分離ベルト63a、63bは、40μm以下のポリエステル、ポリエチレンなどの単層あるいは複合層のフィルム材料を用いている。
このように薄いフィルム材料を使用して記録材の搬送されるスピードと同期させることで、分離ベルト63a、63bの存在によって二次転写部(T2:図12)を通過する記録材に折り目が発生することを回避している。また、記録材の分離ベルト63a、63bに接触する縁領域と記録材搬送ベルト9Hに接触する中央領域との間で摩擦作用の相違に起因する速度差を生じて記録材の歪みや画像の歪みが発生することを回避している。
分離ベルト63a、63bは、記録材搬送ベルト9Hと分離ローラ61とに掛け渡して支持され、内側の記録材搬送ベルト9Hに駆動されてそれぞれ矢印R3、R4方向に回転する。分離ベルト63a、63bは、記録材搬送ベルト9Hに従動して回転しており、不図示のテンションローラを用いて一定の張力が付与されている。
分離ベルトガイド62a、62bは、それぞれ分離ベルト63a、63bを記録材搬送ベルト9Hの幅方向に拘束して、それぞれ矢印R5、R6方向に移動する。これにより、分離ベルトガイド62a、62bの間隔を任意に設定可能である。
図14に示すように、記録材Pの中央部は、中間転写ベルト(9:図12)によって搬送されてきたトナー像tを担持し、記録材Pの両方の縁領域は、分離ベルト63a、63bの上方に位置する。記録材Pは、この状態で記録材搬送ベルト9Hに静電吸着されて搬送される。
記録材Pの最大画像幅d1の両方の外側に幅d2の非画像領域(余白部分)がある場合、幅d2の非画像領域に分離ベルト63a、63bが位置決められる。
図12に示すように、分離ベルト63a、63bは、記録材搬送ベルト9Hに懸架されているが、駆動ローラ14による記録材搬送ベルト9Hの湾曲面で記録材搬送ベルト9Hから一旦離れ、分離ローラ61に懸架される。
記録材Pは、分離ベルト63a、63bによって両方の縁領域を持ち上げられて、縁領域から中央部へと逐次記録材搬送ベルト9Hから強制的に分離されて、矢印RK方向に進行する。その後、分離ローラ61まで搬送された記録材Pは、不図示の搬送ガイドに案内されて定着装置(7:図12)に達する。
図13に示すように、分離ベルト機構60は、昇降機構11Aに駆動されて、二次転写ローラ11と一体に昇降する。
分離ベルト回転機構45Aは、駆動ローラ14を駆動することにより、記録材搬送ベルト9Hを介して分離ベルト63a、63bを中間転写ベルト(9:図12)と等しい回転速度で回転させる。
分離ベルト間隔調整機構39Aは、分離ベルト63a、63bの移動位置を矢印R5、R6方向に移動させて、分離ベルト63a、63bの間隔を調整可能である。
制御部15は、昇降機構11Aが二次転写部(T2:図12)を離間させた状態で、分離ベルト間隔調整機構39Aを制御して、分離ベルト63a、63bの間隔を記録材の幅方向の縁領域に位置決める。
制御部15は、駆動ローラ14での分離が困難な薄紙が記録材に指定された場合のみ、分離ベルト間隔調整機構39Aを制御して、指定された記録材の幅サイズに合わせて分離ベルト63a、63bの間隔を設定する。
図15に示すように、分離ベルト間隔調整機構39Aは、矢印RK方向に直角な幅方向に分離ベルトガイド62a、62bを連動させて移動して記録材Pの幅方向の縁領域に位置決める。
分離ベルトガイド62a、62bは、二次転写部(T2:図12)を通過する記録材Pの搬送方向(RK)に沿った両側の縁領域に分離ベルト63a、63bを位置させるように、分離ベルト63a、63bの間隔を規制している。
図16に示すように、分離ベルトガイド62a、62bは、それぞれラックギア41a、41bに固定して取り付けられ、ラックギア41a、41bは、共通のピニオンギア39に噛み合っている。不図示のパルスモータがピニオンギア39を入力パルス数に応じた角度だけ回転させる。このとき、ピニオンギア39の回転角度に応じて、ラックギア41a、41bがそれぞれ矢印R5、R6方向に所定距離移動して、支軸43a、43bに沿った所定位置に分離ベルトガイド62a、62bを位置決める。
分離ベルト63a、63bは、記録材の搬送と同じ中央基準にしてあり、ピニオンギヤ39は、1mm幅の精度で分離ベルト63a、63bを動かすことができる。分離ベルトガイド62a、62bは、1mmの精度で分離ベルト63a、63bを移動できるので、どのサイズの記録材においても対応が可能である。
図20に示すように、分離ベルトガイド62a、62bの内部には、紙面と垂直方向に対向配置された案内面を設けて、分離ベルト63a、63bの移動位置を紙面と垂直方向に規制している。
また、分離ベルトガイド62a、62bの内部には、導電性を付与したナイロン繊維のファーブラシ34k(62k:図17)を上下に設置して、分離ベルト63a、63bに摺擦させ、上下両面に付着したトナーを下側のトナー回収ボックス62mに掃い落とす。このようなクリーニング機構を取り付けることで、万が一飛散したトナーが分離ベルト63a、63bに付着しても、又、分離ベルト63a、63bを長期間連続使用しても記録材を汚さない。
分離機構(14)は、記録材搬送ベルト(9H)に湾曲面の分離部を形成して記録材(P)を曲率分離させる。
分離部材(73a、73b)は、記録材搬送ベルト(9H)と記録材(P)との間に挟持されて転写部(T2)の下流側で記録材搬送ベルト(9H)から記録材(P)を強制分離させる。分離部材移動機構(45A)は、分離部材(73a、73b)を記録材(P)と一体に移動させて分離部を通過させる。
<実施例2>
第2実施形態の画像形成装置200において、プロセススピード130mm/secとし、普通紙のA4サイズ記録材を横送りで連続通紙して、記録材搬送ベルト9Hからの記録材の分離試験を行った。二次転写電圧は5kVとし、通紙枚数は100枚とした。坪量は52g/m2、40g/m、37g/mの3種類で行い、比較として分離ベルト63a、63bを設けていない同機種の画像形成装置についても同じ試験を行った。図7に示すように、記録材の幅をd0、分離ベルト63a、63bの間隔をd1とし、分離ベルト63a、63bと記録材の当接幅d2を1mmから5mmの間で変化させて試験を行った。
表2は記録材の分離試験の結果である。○は分離不良なし、△は分離不良率10%以下、×は分離不良率10%以上を示す。
Figure 2009145391
表2に示すように、分離ベルト63a、63bと記録材の当接幅d2は1.0mm以上にすることで分離ベルト63a、63bの効果が発揮できることがわかった。
図22に示すように、記録材にA4サイズ横送りを選択した場合、分離ベルト63a、63bの間隔d1は、A4サイズの横送り幅d0の295mmから当接幅d2の両端分2mmを引いた293mmになる。
<制御手段>
図18は不作動位置へ分離ベルトを位置決めた状態の説明図、図19はA3サイズ記録材へ分離ベルトを位置決めた状態の説明図、図20は葉書サイズ記録材へ分離ベルトを位置決めた状態の説明図である。
図13に示すように、一般に肉厚の大きい記録材は腰が強いのが普通である。このため、記録材搬送ベルト9Hからの分離性がよい反面、二次転写部(T2:図12)通過時に、分離ベルト63a、63b付近の画像領域で、中間転写ベルト9と記録材との間に空隙や段差が生じて画像欠けが発生する可能性がある。
制御部15は、肉厚の大きい記録材の場合、分離ベルト間隔調整機構39Aを作動させて、このような事態を効果的に回避する。また、このように制御することで、中間転写ベルト9、分離ベルト63a、63b、記録材搬送ベルト9Hの特定部分が磨耗により破損することを防止できる。
図18に示すように、普通紙、厚紙のような記録材搬送ベルト9Hからの分離性が高い記録材P1の場合、分離ベルトガイド62a、62bは、記録材Pの幅方向の外側に設定された不作動位置へ位置決められる。このとき、分離ベルト63a、63bは、記録材搬送ベルト9Hに従動して回転するが、記録材P1と記録材搬送ベルト9Hとの間には位置していない。
図13に示すように、制御部15は、紙種設定の際に坪量52g/m以下の紙種が選ばれたとき、分離ベルト63a、63bを作用させる。このとき、記録材の幅方向の両方の縁領域には、分離ベルト63a、63bを当接させるための余白が設定され、合わせて分離ベルト63a、63bの動作位置が決まる。
制御部15は、中間転写ベルト(9:図12)と記録材搬送ベルト9Hとが離間している間に、分離ベルトガイド62a、62bを記録材の搬送方向と垂直方向に移動して、分離ベルト63a、63bを適切な位置で作動させる。
図19に示すように、A4サイズの薄紙の記録材P2の場合、分離ベルト63a、63bが記録材P2の幅方向の両方の縁領域に位置するように、分離ベルトガイド62a、62bが位置決められる。このとき、分離ベルト63a、63bは、記録材P2と記録材搬送ベルト9Hとの間に位置して、駆動ローラ14の下流側で記録材P2を記録材搬送ベルト9Hから引き剥がす。
図20に示すように、葉書サイズの薄紙の記録材P3の場合、分離ベルト63a、63bが記録材P3の幅方向の両方の縁領域に位置するように、分離ベルトガイド62a、62bが位置決められる。このとき、分離ベルト63a、63bは、記録材P3と記録材搬送ベルト9Hとの間に位置して、駆動ローラ14の下流側で記録材P3を記録材搬送ベルト9Hから引き剥がす。
<フローチャート>
図21は分離ベルト機構の制御のフローチャートである。図21中、第1実施形態と共通するステップには図11と共通の符号を付して重複する説明を省略する。
図13を参照して図21に示すように、制御部15は、記録材Pに坪量52g/m以下のいわゆる薄紙と呼ばれる分離不良の起こしやすい紙種が選ばれると(S11のY)、記録材のサイズの情報を取得する(S12)。
制御部15は、分離ベルト63a、63bの間隔d1を次式により求める(S23)。
分離ベルトの間隔d1 = 記録材の幅d0 − 2.0mm
制御部15は、求めた間隔d1に達するまで(S25のN)分離ベルトを移動させ(S24)、所定の位置に分離ベルト63a、63bが移動し終わると(S25のY)、二次転写部(T2:図12)を圧接させる(S17)。
制御部15は、中間転写ベルト9のトナー像に重ね合わせて二次転写部(T2:図12)に記録材を送り込む。
制御部15は、転写終了を待って(S18のY)、二次転写部(T2:図12)の圧接を解除して(S19)、分離ベルト63a、63bの回転を停止させる(S30)。
一方、制御部15は、記録材Pに坪量52g/mを越える薄紙とは言えない紙種が選択されると、分離ベルト63a、63bの間隔d1を次式により求める(S31)。
分離ベルトの間隔d1 > 転写材の幅d0 + 1.0mm
制御部15は、求めた間隔d1に達するまで(S33のN)分離ベルトを移動させ(S32)、所定の位置に分離ベルト63a、63bが移動し終わると(S33のY)、二次転写部(T2:図12)を圧接させる(S17)。
<第3実施形態>
図22は第3実施形態の画像形成装置の部分的な構成の説明図である。
第3実施形態の画像形成装置300は、分離ベルト機構50が分離ベルト53a、53bを無端状に構成して回転させる以外は、第1実施形態と同様に構成される。図22では二次転写部T2の周囲のみを図示しており、図22中、第1実施形態と共通する構成には、図1、図4と共通の符号を付して重複する説明を省略する。
図22に示すように、中間転写ベルト9に二次転写ローラ11を圧接して二次転写部T2が形成される。分離ベルト機構50は、二次転写部T2の正面側の部分に分離ベルト53aを送り出して矢印R3方向に通過させ、同時に、二次転写部T2の背面側の部分に分離ベルト53bを送り出して矢印R4方向に通過させる。
分離ベルト回転機構45Aは、分離ベルト53a、53bを内側から支持するプーリー55a、55bを回転駆動して、分離ベルト53a、53bを中間転写ベルト9と等しい回転速度で回転させる。
分離ベルト機構50は、昇降機構11Aに駆動されて、二次転写ローラ11と一体に昇降する。
分離ベルト間隔調整機構39Aは、分離ベルト53a、53bの二次転写部T2における移動位置を矢印R5、R6方向に移動させて、分離ベルト53a、53bの間隔を調整可能である。
分離ベルト間隔調整機構39Aは、図16に示す第2実施形態の機構と実質的に同一に構成されている。共通のピニオンギアが一対のラックギアを対称に移動させることにより、分離ベルト53a、53bの間隔を調整して移動位置を記録材の幅方向の縁領域に位置決める。
制御部15は、昇降機構11Aが二次転写部T2を離間させた状態で、分離ベルト間隔調整機構39Aを制御して、分離ベルト53a、53bの間隔を記録材の幅方向の縁領域に位置決める。記録材は、給送手段(23:図1)によって矢印RK方向に搬送されて二次転写部T2へ給送される。
分離ベルト53a、53bは、直径φ120μのナイロンワイヤーを採用しており、記録材と中間転写ベルト9の間に位置した状態で記録材と一体に移動して、二次転写部T2を通過する。そして、二次転写部T2の下流側で、中間転写ベルト9に貼り付いて連れ回ろうとする記録材の幅方向の縁を押し下げて、中間転写ベルト9から引き剥がす。二次転写部T2の下流側でほぼ水平に張り渡された分離ベルト53a、53bは、中間転写ベルト9へ向かって静電気的に吸い寄せられる記録材の上方への移動を阻止して、水平方向に案内する。
分離ベルト53a、53bの間隔の調整手順、及び昇降機構11Aと連動させた調整タイミングの制御は、第1実施形態と同様である。
<第4実施形態>
図23は第4実施形態の画像形成装置の構成の説明図、図24は第4実施形態における分離ベルト機構の説明図である。
図23に示すように、第4実施形態の画像形成装置400は、記録材搬送ベルト9Hの直線区間に画像形成部Pa、Pb、Pc、Pdを配列したタンデム型直接転写方式のフルカラープリンタである。画像形成部Pa、Pb、Pc、Pdは、第1実施形態と実質的に同一に構成されているので、図1中、第1実施形態と共通する構成には図1と共通の符号を付して重複する説明を省略する。
図24に示すように、分離ベルト間隔調整機構39A、制御部15等は第2実施形態のものと実質的に同一であり、分離ベルト機構50は第3実施形態のものと実質的に同一である。従って、図23、24中、第2実施形態、第3実施形態と共通する構成には図13、図16、図22と共通の符号を付して重複する説明を省略する。
図23に示すように、レジストローラ23は、停止状態で記録材Pを受け入れて待機させ、画像形成部Paで形成されるトナー像にタイミングを合わせて記録材Pを記録材搬送ベルト9Hに受け渡して転写部Taに送り込む。記録材Pは、最初の画像形成部Paでトナー像を転写される過程で、帯電して記録材搬送ベルト9Hに静電的に吸着される。
画像形成部Paでは、イエロートナー像が形成されて記録材搬送ベルト9Hに担持された記録材Pに転写される。画像形成部Pbでは、マゼンタトナー像が形成されて記録材搬送ベルト9Hに担持された記録材Pのイエロートナー像に重ねて転写される。画像形成部Pc、Pdでは、それぞれシアントナー像、ブラックトナー像が形成されて同様に記録材搬送ベルト9Hに担持された記録材Pに順次重ねて転写される。
記録材搬送ベルト9Hに担持された記録材Pに転写された四色のトナー像は、画像形成部Pdの下流側で記録材搬送ベルト9Hから分離されて定着装置7へ受け渡される。
クリーニング装置19は、クリーニングブレードを記録材搬送ベルト9Hに摺擦させて、記録材搬送ベルト9Hに付着したトナーを除去する。
画像形成装置300では、記録材Pが画像形成部Pa、Pb、Pc、Pdを通過する過程では、記録材Pが記録材搬送ベルト9Hに静電気的に吸着されている。このため、薄くて剛性の低い記録材Pでも、像担持体(感光ドラム1a、1b、1c、1d:図24)に貼り付くことはない。
しかし、薄くて剛性の低い記録材Pは、画像形成部Pdの下流側で曲率分離されることなく、記録材搬送ベルト9Hに貼り付いたまま、連れ送りされる可能性がある。
図24に示すように、画像形成装置400では、分離ベルト機構50を設けて、感光ドラム1dの下流における記録材Pの記録材搬送ベルト9Hからの曲率分離を補助している。分離ベルト機構50は、記録材搬送ベルト9Hの平面で無端状の分離ベルト53a、53bを回転させる。分離ベルト53a、53bを支持するとともに記録材の進入経路に位置するプーリーには、記録材Pの搬送方向に傾斜したカバーを設けて記録材Pの進入を阻止しないようにしている。
分離ベルト間隔調整機構39Aは、分離ベルト53a、53bの移動位置を矢印R5、R6方向に移動させて、分離ベルト53a、53bの間隔を調整可能である。
分離ベルト間隔調整機構39Aは、図16に示す第2実施形態の機構と実質的に同一に構成されている。共通のピニオンギアが一対のラックギアを対称に移動させることにより、分離ベルト53a、53bの間隔を調整して移動位置を記録材の幅方向の縁領域に位置決める。
制御部15は、分離ベルト間隔調整機構39Aを制御して、分離ベルト53a、53bの間隔を記録材の幅方向の縁領域に位置決める。記録材は、給送手段(23:図13)によって矢印R3、R4方向に搬送されて、記録材搬送ベルト9Hに受け渡されて、記録材搬送ベルト9Hと感光ドラム1aとのニップへ給送される。
分離ベルト53a、53bは、記録材搬送ベルト9Hと記録材との間に位置した状態で記録材と一体に移動して、記録材搬送ベルト9Hと感光ドラム1a、1b、1c、1dとのニップを通過する。そして、感光ドラム1dの下流側で、記録材搬送ベルト9Hに貼り付いて連れ回ろうとする記録材の幅方向の縁を押し上げて、記録材搬送ベルト9Hから引き剥がす。感光ドラム1dの下流側でほぼ水平に張り渡された分離ベルト53a、53bは、記録材搬送ベルト9Hへ向かって静電気的に吸い寄せられる記録材の下方への移動を阻止して、水平方向に案内する。
<第5実施形態>
図25は第5実施形態における分離ベルト機構の説明図、図26はベルト位置検知センサの説明図、図27は分離ベルト機構の制御のフローチャートである。図27中、第1実施形態と共通するステップには図11と共通の符号を付して重複する説明を省略する。
第5実施形態は、分離ベルトを記録材の幅方向に移動させる分離ベルト間隔調整機構にステアリングローラを用いる以外は第2実施形態と同一に構成される。従って、図25中、第2実施形態と共通する構成には図13と共通の符号を付して重複する説明を省略する。
図25に示すように、不図示の中間転写ベルトを介してバックアップローラと記録材搬送ベルト9Hとが圧接して二次転写部T2を形成する。記録材搬送ベルト9Hは、駆動ローラを兼ねた二次転写ローラ11とテンションローラ14とに掛け渡して支持され、分離ベルト回転機構45Aに駆動されて矢印R3、R4方向に回転する。
記録材搬送ベルト9Hは、昇降機構11Aに駆動されて下降して、二次転写部T2の圧接を解除可能である。
記録材搬送ベルト9Hとステアリングローラ71a、71bとにそれぞれ掛け渡して分離ベルト73a、73bが配置され、分離ベルト回転機構45Aに記録材搬送ベルト9Hを介して駆動されて矢印R3、R4方向に回転する。
ステアリングローラ71a、71bは、それぞれ回転自在に支持されるとともに、不図示のバネ機構によって外側へ付勢されて分離ベルト73a、73bに所定の張力を付与している。ベルト間隔調整機構70は、パルスモータ76a、76bを回転させてカム機構74a、74bを作動させることにより、ステアリングローラ71a、71bの軸方向の傾きを変化させる。
正面側から見た右回転方向にカム機構74a、74bを回転させると、ステアリングローラ71a、71bの外側の軸端が上昇して、内側の軸端が下降する。このとき、回転する分離ベルト73a、73bは、ステアリングローラ71a、71bに沿って内側へ向かって移動する。
正面側から見た左回転方向にカム機構74a、74bを回転させると、ステアリングローラ71a、71bの外側の軸端が下降して、内側の軸端が上昇する。このとき、回転する分離ベルト73a、73bは、ステアリングローラ71a、71bに沿って外側へ向かって移動する。
二次転写ローラ11の上流側に分離ベルト73a、73bの内側エッジを光学的に検知するベルト位置検知センサ75が配置される。分離ベルト73a、73bは、黒い記録材搬送ベルト9Hに対して光学的なコントラストを持つように、白色に着色されている。
図26に示すように、ベルト位置検知センサ75は、LTR、A4サイズ横送り(A3サイズ縦送り)、B5サイズ横送りでセンタ送りされる記録材の幅方向の縁に対応させて検知スリットを配置している。検知スリットの間隔d1は、それぞれの記録材の幅d0から2mmマイナスした値になっている。つまり、LTRは328.2mm、A4サイズ横送り(A3サイズ縦送り)は295mm、B5サイズ横送りは255mm、不作動位置は333mmの位置に検知スリットを設置している。
図25に示すように、制御部15は、記録材搬送ベルト9Hからの分離が困難な薄紙が記録材に設定された時のみ分離ベルト73a、73bを記録材の幅方向の縁領域に位置決める。それ以外の場合は、図26に示す不作動位置へ分離ベルト73a、73bを位置決めて記録材に接触させることなく記録材搬送ベルト9Hに従動回転させる。
制御部15は、薄紙が記録材に設定されると、二次転写部T2を離間させた状態で、分離ベルト間隔調整機構70を制御して、記録材のサイズに合わせた両方の検知スリットの位置へ、分離ベルト73a、73bを個別に位置決める。
ステアリング制御回路39Bは、制御部15から指定された検知スリットの上で分離ベルト73a、73bの内側の縁が往復するように、パルスモータ76a、76bの出力を個別に制御する。
第5実施形態では、分離ベルト73a、73bは、厚さ40μm以下のポリエステル、ポリエチレンなどの単層あるいは複合層フィルム材料を用いている。このように薄いフィルム材料を使用し、記録材の搬送速度と同期させることで、分離ベルト73a、73bの存在によって二次転写部T2を通過する記録材が変形して画像の歪みを発生することを防止している。
図25を参照して図27に示すように、制御部15は、紙種設定の際に坪量52g/m以下の紙種が選ばれたとき(S11のY)、記録材のサイズを読み込む(S12)。
このとき、記録材の幅方向の両端部には、分離ベルト73a、73bを当接させるための余白が設定される。合わせて分離ベルトの動作位置が決まり(S23)、分離ベルト73a、73bは、中間転写ベルト(9:図12)と記録材搬送ベルト9Hとが離間している間に記録材の両方の縁領域に位置決められる(S45のY)。
その後、二次転写部T2を圧接させて(S17)二次転写が開始され、二次転写が完了すると(S18のY)、二次転写部T2を離間させて、記録材搬送ベルト9Hを停止させる(S50)。
坪量52g/mを越える紙種が選ばれたとき(S11のN)は、分離ベルト73a、73bを不作動位置へ位置決めて(S52、S53のY)、二次転写を開始させる(S17)。
第5実施形態においても、実施例1、2と同条件の分離試験を行って坪量37g/mの薄紙の分離に成功した。記録材と分離ベルトの当接幅d2も実施例1、2同様、1mmから可能であることがわかった。
以上、第1〜第5実施形態を用いて本発明を説明したが、本発明は、これらの実施形態の構成には限定されるものではなく、他の像担持体、また他種の画像形成装置にも適用できる。また、説明中の数値等は一例を示すものであり、本発明はそれらに限定するものではない。
第1実施形態の画像形成装置の構成の説明図である。 画像形成部の構成の説明図である。 テンションローラと中間転写ベルトの説明図である。 分離ベルト機構の配置の説明図である。 分離ベルト機構の駆動系の説明図である。 分離ベルトクリーニング機構の説明図である。 記録材の種類及びサイズに応じた分離ベルト位置の説明図である。 分離ベルト機構を動作させない場合の分離ベルト位置の説明図である。 ラージサイズ記録材の場合の分離ベルト位置の説明図である。 スモールサイズ記録材の場合の分離ベルト位置の説明図である。 分離ベルト機構の制御のフローチャートである。 第2実施形態の画像形成装置の構成の説明図である。 分離ベルト機構の説明図である。 分離ベルトの配置の説明図である。 記録材に対する分離ベルトの位置決めの説明図である。 分離ベルト間隔調整機構の説明図である。 分離ベルトガイドの構成の説明図である。 不作動位置へ分離ベルトを位置決めた状態の説明図である。 A3サイズ記録材へ分離ベルトを位置決めた状態の説明図である。 葉書サイズ記録材へ分離ベルトを位置決めた状態の説明図である。 分離ベルト機構の制御のフローチャートである。 第3実施形態の画像形成装置の部分的な構成の説明図である。 第4実施形態の画像形成装置の構成の説明図である。 第4実施形態における分離ベルト機構の説明図である。 第5実施形態における分離ベルト機構の説明図である。 ベルト位置検知センサの説明図である。 分離ベルト機構の制御のフローチャートである。
符号の説明
9 像担持体(中間転写ベルト)
9H 記録材搬送ベルト
11 転写部材(二次転写ローラ)
11M 離間機構
14 分離機構(駆動ローラ、転写ローラ)
15 制御手段、画像処理手段(制御部)
23 給送手段(レジストローラ)
30 分離ベルト機構
31、32 分離部材移動機構(送り出し部、巻き取り部)
33a、33b 分離部材(分離ベルト)
39M、40M 移動位置調整機構(パルスモータ)
34k 分離部材クリーニング機構(ファーブラシ)
45M、46M 分離部材移動機構(分離ベルト送り出し機構、分離ベルト巻き取り機構)
100 画像形成装置
D2 電源手段(電源)
P 記録材
T2 転写部(二次転写部)

Claims (8)

  1. トナー像を担持して回転する像担持体と、
    前記像担持体に当接して転写部を形成する転写部材と、
    前記転写部へ記録材を給送する給送手段と、
    前記転写部に電圧を印加して前記像担持体から記録材へトナー像を転写する電源手段と、を備えた画像形成装置において、
    前記像担持体と記録材との間に挟持されて前記転写部の下流側で前記像担持体から記録材を強制分離させる分離部材を、記録材と一体に移動させて前記転写部を通過させる分離部材移動機構を備えたことを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記転写部における前記分離部材の移動位置を、記録材の搬送方向に直角な幅方向に変化させる移動位置調整機構と、
    前記移動位置調整機構を制御して、前記転写部へ給送される記録材の前記幅方向の縁領域に前記分離部材を位置決める制御手段と、を備えたことを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
  3. 前記像担持体と前記転写部材とを離間させる離間機構を備え、
    前記制御手段は、前記離間機構を制御して前記像担持体と前記転写部材とを前記分離部材に接触しない位置まで離間させた状態で、前記縁領域に前記分離部材を位置決めることを特徴とする請求項2記載の画像形成装置。
  4. 記録材の両方の前記縁領域に対応させて前記分離部材が一対配置され、
    前記移動位置調整機構は、前記一対の分離部材のそれぞれの前記移動位置を連動して変化させ、
    前記制御手段は、中心線を揃えて前記転写部に給送される記録材の前記幅方向の長さに応じた前記移動位置へ前記分離部材を移動させることを特徴とする請求項2又は3記載の画像形成装置。
  5. 前記制御手段は、前記分離部材による強制分離が必要でない記録材に対しては、前記転写部の外側へ、前記一対の分離部材を退去させることを特徴とする請求項4記載の画像形成装置。
  6. 前記分離部材に接触してトナーを除去する分離部材クリーニング機構を備えたことを特徴とする請求項1乃至5いずれか1項記載の画像形成装置。
  7. 前記分離部材が重ね合わせられる前記縁領域よりも大きな余白領域が形成されるように、記録材に形成する画像幅を調整する画像処理手段を備えたことを特徴とする請求項2乃至5いずれか1項記載の画像形成装置。
  8. トナー像が転写された記録材を担持する記録材搬送ベルトと、
    前記記録材搬送ベルトに湾曲面の分離部を形成して記録材を曲率分離させる分離機構と、を備えた画像形成装置において、
    前記記録材搬送ベルトと記録材との間に挟持されて前記転写部の下流側で前記記録材搬送ベルトから記録材を強制分離させる分離部材を記録材と一体に移動させて前記分離部を通過させる分離部材移動機構と、を備えたことを特徴とする画像形成装置。
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