JP2009145362A - カゼインホスホペプチド(cpp)の免疫学的測定法 - Google Patents

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Abstract

【課題】食品中のCPPを簡便かつ精度よく測定する方法を提供することを課題とする。
【解決手段】抗CPP抗体による免疫学的測定法を用いることにより、食品中のCPPを簡便かつ精度よく測定することが可能であることを見出した。
【選択図】なし

Description

本発明は、カゼインホスホペプチド(以下「CPP」と称する)を特異的に認識する抗体及び該抗体を用いるCPPの免疫学的測定法に関する。
CPPは、ミルクカゼインにトリプシンを作用させて得られるホスホペプチドであり、このリンを含んだペプチド部分のみを分離精製したものである(横山健吉, 山内邦男編: 「ミルク綜合事典」. 朝倉書店: p520-523,1992(非特許文献1))。このCPPは、カルシウムや鉄などのミネラルの可溶化作用を有しており、これらミネラルの吸収を促進する物質として注目され、食品の分野においては広く利用されている。したがって、これら製品中に含まれるCPP量を測定することは、品質保証や成分管理の面で重要な意味を持つだけでなく、CPPの機能性を研究していく上でも不可欠の技術と言える。しかし、食品中のCPPの測定法としては、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)によってCPPを分画し、CPPと考えられるピークの総和として測定しているのが現状である(Hirayama, M. et al.: Biosci. Biotech. Biochem., 56(7): 1126-1127, 1992(非特許文献2))。この方法の場合、分画して得られたピークが本当にCPPであるという確証はなく、同様の物質を多く含む食品中のCPPを特異的に測定することは困難、などの技術的課題が残されている。
横山健吉, 山内邦男編: 「ミルク綜合事典」. 朝倉書店: p520-523,1992 Hirayama, M. et al.: Biosci. Biotech. Biochem., 56(7): 1126-1127, 1992
本発明は、食品中のCPPを簡便かつ精度よく測定する方法を提供することを課題とする。
本発明者らは、鋭意研究した結果、抗CPP抗体による免疫学的測定法を用いることにより、食品中のCPPを簡便かつ精度よく測定することが可能であることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、(1) 抗カゼインホスホペプチド抗体を用いることを特徴とするカゼインホスホペプチドの免疫学的測定法、(2) 固相上に不溶化したカゼインホスホペプチド(固相化カゼインホスホペプチド)に対し、測定すべきカゼインホスホペプチドを含む検体とともに、一定量の抗カゼインホスホペプチド抗体を加え、該抗体に対する固相化カゼインホスホペプチドと検体中のカゼインホスホペプチドとの競合反応により、固相上にCPPと抗カゼインホスホペプチド抗体からなる免疫複合体を形成させ、固相上の免疫複合体(bound; B)と液層の部分(free; F)とを分離した後、固相上の該抗体のシグナルを測定することにより、測定すべきカゼインホスホペプチドの量を知る(1)の免疫学的測定法、(3) 測定すべきカゼインホスホペプチドを含む検体と一定量の酵素標識抗カゼインホスホペプチド抗体とを予め反応させた後、該反応液を固相化カゼインホスホペプチドに加える(2)の免疫学的測定法、(4) 抗カゼインホスホペプチド抗体に対する第二抗体を加え、該第二抗体のシグナルを測定する(2)又は(3)の免疫学的測定法、(5) シグナルが酵素標識である(2)ないし(4)の免疫学的測定法、(6) 抗カゼインホスホペプチド抗体がポリクローナル抗体である(1)ないし(5)の免疫学的測定法、(7) 固相上に不溶化したカゼインホスホペプチドと抗カゼインホスホペプチド抗体を含む試薬より構成されるカゼインホスホペプチド測定用キット、からなる。
本発明により、溶液中のCPPを簡便かつ精度よく測定できることが明らかとなった。また、例えば牛乳中のようなCPPの類似物質が多量に存在する溶液であっても精度よく測定でき、CPPを配合した食品、医薬品の品質管理に効果を発揮するだけでなく、CPPの基礎的研究において、その体内動態をみる上でも効果を発揮すると考えられる。
CPP-IIIの検量線を示す。 各種濃度のカゼイン存在下でのCPPの測定結果を示す図である。
以下、本発明を詳細に説明する。本発明のCPPの免疫学的測定法(以下「EIA」と称する)において、好ましい一つの態様は、反応系において、固相化CPPと検体中のCPPの、抗CPP抗体に対する競合反応に基づくCPPのEIAを提供する。このEIAのために、精製又は未精製のCPPを支持体(固相)に結合させ不溶化する(以下「固相化CPP」と称する)。CPPの不溶性担体への結合は、物理的(吸着)、または化学的に行うことができる。固相に対する抗体の非特異的吸着を防ぐために、ウシ血清アルブミン(BSA)等で固相をブロッキングする。未知の濃度のCPPを含む試験溶液(以下「検体」と称する)を、CPPに特異的な標識抗体(以下「抗CPP抗体」又は単に抗体という)とともに加える。この際、抗体価を予め調べておき、103〜105希釈の抗体価のものを用いる。反応条件は検体のCPP含量等により適宜設定すべきものであるが、例えば、CPPが0.1〜10μg/mlの場合は、室温で約30分間を目安とする。検体中のCPPは、標識抗体への結合に対して、固相化CPPと競合する。未結合部分を洗浄により取り除いた後、固相に結合した標識抗体のシグナルを測定する。検体中のCPP量を予め既知濃度のCPPを含む標準液を用いて作成しておいた標準曲線(以下「検量線」と称する)から、検体中のCPP含量を求める。
検体中のCPP量が高濃度の場合、標識抗体は固相に結合しないであろう。逆に、検体中のCPP量が少ないか又は全く存在しない場合は、標識抗体の多くが固相に結合するであろう。CPPの量を測定するために、検体をアッセイバッファーで検量線の測定範囲内におさまるように希釈する。固相化に用いるCPPに要求される純度の程度は、抗体の特異性によって決定される。ポリクローナルな抗血清は、不純なCPPに対して結合し、シグナルを与える異質な抗体を含むであろう。これらの特異性の故に、不純なCPPの場合は、モノクローナル抗体、又はアフィニティー精製ポリクローナル抗体を用いる。
このEIAにおいて遭遇する一つの問題は、標識抗体が固相上のCPPに優先的に結合するかも知れないことである。このEIAの定量性は、2つのアビディティ(avidity)、すなわち、固相化CPPに対するアビディティと、検体中のCPPに対する抗体アビディティと、に依存する。これらのアビディティは、同じではないかも知れない。固相上のCPPは、局所的に高濃度に存在するために、抗体は、これらの抗原に二価で結合するかも知れない。これらの二価の相互作用のタイプは、抗原が一価の場合には溶液中では起こり得ない。全てではないが、固相化CPPの多くが、二価の結合を促進するであろう。アビディティの違いによって生じる問題は、既知の濃度のCPP溶液を用いた標準曲線を比較することによって、見つけることができる。もしこれらのEIAが異常な結果をもたらすならば、いくつかの解決手段を用いることができる。第一に、固相上のCPP濃度をより低くすることを試みる。かくして、局所的な濃度が低下し、二価の結合のチャンスが減少する。第二に標識Fab断片を用いる。第三に、検体と標識抗体を前もって混合し、30分から1時間インキュベートしてから固相に添加する。
第三の方法においては、抗CPP抗体に対する第二抗体を用い、該第二抗体のシグナルを測定する。
本発明のCPPのEIAにおいて用いるCPPを特異的に認識する抗体は、抗血清(ポリクローナル抗体)及びモノクローナル抗体を含む。ポリクローナル抗体は、"親和性の増大(結合性, avidity)"と"特異性"というボーナス効果を有する(P. Tijssen, 石川栄治監訳, "エンザイムイムノアッセイ, 生化学実験法11", 東京化学同人, 1989, p54-56)ので、本発明のEIAに用いるのに好適である。
抗CPP抗体の作製にあたり、免疫原として用いるCPPは、カゼインにトリプシンを作用させて得られたCPP画分を含むカゼイン分解物を全て含む。例えば、αs1-カゼイン、αs2-カゼイン、β-カゼインから得られる、αs1-カゼイン-7P(f43-79)、αs2-CN-4P(f46-70)、αs2-CN-4P(f1-32)、β-カゼイン-4P(f1-28)、等である(小野伴忠: Japanese Journal of Dairy and Food Science. 43(4), 1994)。
これらのCPPは、何れも分子量が小さく(5000以下)、単独では、免疫原性が低いので、キャリアタンパク質に結合させて動物に免疫する。CPPとキャリアタンパク質との結合方法については数多くの文献[石川栄治・他(編), "酵素免疫測定法",医学書院, 1982, p128; 石川栄治,"超高感度酵素免疫測定法", 学会出版センター, 1993, p41; Harlow and Lane: Antibodies[Antibodies: A Laboratory Manual ed. by Harlow and Lane(Cold Spring Harbor Laboratory Press: p319, 1988)]が存在するので、当業者であれば、これらの文献を参考にして、CPPとキャリアタンパク質との複合体を作製することができる。
この複合体を免疫原として動物に免疫して抗CPP抗体を得る場合、ポリクローナル抗体の特性は、動物種、系統、個体、飼育環境、免疫方法によって異なり、その予知は極めて困難である。したがって、免疫動物の選択は難しいが、先ずウサギを試み、これがだめならモルモット、ラット、マウス、ニワトリなどと試み、できるだけ、抗体価、親和性、及び特異性の高いポリクローナル抗体を得るようにする。抗CPPポリクローナル抗体の作製、及び精製については、ポリクローナル抗体の作製に関する数多く文献[例えば、"分子免疫学III抗原・抗体・補体(新生化学実験講座12)", 日本生化学会編, p1-31,東京化学同人(1992); "生物活性を用いる測定法(新基礎生化学実験法6)",村松正美・他(編), 丸善, p109; 大海忍, "抗ペプチド抗体実験プロトコール", 細胞工学別冊, p48,秀潤社(1994); Harlow and Lane: Antibodies[Antibodies: A Laboratory Manual ed. by Harlow and Lane(Cold Spring Harbor Laboratory Press: p53, 1988)]が存在するので、当業者であれば、これらの文献を参考にして実施可能である。
一方、モノクローナル抗体の場合は、免疫動物として、マウス(時にはラット)が用いられる。理論的には、同一の抗体が、ケラーとミルシュタインによる細胞融合法(G.Koeller and Milstein,Nature,256,495-497(1975))により作製されたハイブリドーマの培養液から無限に採取できる。CPPに特異的なモノクローナル抗体の作製、及び精製については、モノクローナル抗体の作製に関する数多くの文献[例えば、岩崎辰夫・他, "単クローン抗体", 編集講談社サイエンティフィク, 講談社(1984); 松橋 直, 中村弘, 杉浦勉, "分子免疫学III抗原・抗体・補体(新生化学実験講座12)", 日本生化学会編, p1-31, 東京化学同人(1992); 大海忍, "抗ペプチド抗体実験プロトコール", 細胞工学別冊, p48-74, 秀潤社(1994)]を参考にして、当業者であれば作製可能である。本発明に用いる抗体はIgGをペプシンで消化して得られるF(ab')2、F(ab')2を還元して得られるFab'、または抗体をパパインで消化して得られるFabなどの抗体フラグメントを使用することができる。
抗体の酵素標識方法は、公知[例えば、Harlow and Lane編集のAntibodies[Antibodies: A Laboratory Manual ed. by Harlow and Lane(Cold Spring HarborLaboratory Press: p319(1988); 石川栄治,"超高感度酵素免疫測定法", 学会出版センター, p41(1993)]であり、これらの文献を参考にして当業者であれば実施可能である。
支持体としては、例えば、ポリビニルクロリド、ニトロセスロース、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリアクリロニトリル、フッ素樹脂、架橋デキストラン、アガロース、ポリサッカライドなどの高分子の他、紙、ガラス、金属、およびこれらの組み合わせなどを挙げることができる。支持体の形状は、例えば、プレート、球状、繊維状、粒状、棒状、盤状、容器状、試験管等の種々の形状であってもよい。支持体としては、ポリビニルクロリド及びニトロセスロースが通常最も使用されている。ポリビニルクロリドは、通常、マイクロタイタープレートとして用いられる。本発明のEIAにおいては、このマイクロプレートが好適である。
シグナルとしては、酵素標識が好適である。酵素としては、例えば、ペルオキシダーゼ、アルカリフォスファターゼ、β-D-ガラクトシダーゼ等が挙げられる。酵素を標識物質として用いる場合は、抗原抗体反応において、立体幾何学的に結合を抑制し易いことが考えられる。その場合は、酵素以外の標識物質、例えば、蛍光物質、放射性物質等を用いることができる[例えば、田中 久, 横山 陽(編), "医薬品の開発(10)診断薬, 廣川書店(平成2年)"]。
蛍光物質としては、例えば、フルオレッセインイソチオシアネート、フィコビリプロテインなどを、放射性物質としては、例えば、 125I、131I、14C、3Hなどを使用することができる。
標識物質が酵素の場合、酵素と抗CPP抗体の結合方法は、グルタルアルデヒド法、過ヨウ素酸法、マレイミド法など通常の方法に従うことができる。例えばマレイミド化された抗体または抗体のフラグメントと、SH化された酵素を溶液中で反応することにより行うことができる。抗体または抗体のフラグメントのマレイミド化は、例えばサクシンイミジル−4−(N−マレイミドメチル)シクロヘキサンカーボネート、スルホサクシンイミジル−4−(N−マレイミドメチル)シクロヘキサンカーボネート、サクシンイミジル−メタマレイミドベンゾエート(以下MBSと略す)、サクシンイミジル−6−マレイミドヘキサノエートなどによりマレイミド化することができる。酵素へのSH基の導入は公知の方法(「酵素免疫測定法」第二版、石川栄治他著、医学書院1982)に従うことができる。例えば酵素とS−アセチルメルカプト無水コハク酸、またはN−サクシンイミジル−3−(2−ピリジルチオ)プロピオネートなどと反応することにより行われる。
酵素に対する基質を加えて酵素反応させる。これらの例としては、ペルオキシダーゼを用いる場合には基質として過酸化水素を用い、発色剤として2,2’−アジノジ−(3−エチルベンズチアゾリンスルホン酸)アンモニウム塩、5−アミノサリチル酸、o−フェニレンジアミン、4−アミノアンチピリン、または3,3’、5,5’−テトラメチルベンジジンなどを用いる。また、蛍光基質として3−(p−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸などを用いることができる。酵素としてアルカリフォスファターゼを用いる場合には、基質としてo−ニトロフェニルホスフェート、3−(2’−スピロアダマンタン)−4−メトキシ−4−(3"−ホスホリルオキシ)フェニル−1,2−ジオキセタンなどを、酵素としてβ−D−ガラクトシダーゼを用いる場合には基質としてフルオレセインジ(β−D−ガラクトピラノシド)、または4−メチルウンベリフェリシル−β−D−ガラクトピラノシド等を組み合わせて用いられる。
本発明のCPPのEIAにおいて、好ましい他の態様は、放射免疫定量法(RIA)、蛍光免疫測定法、免疫凝集法等によるCPPのEIAを提供する。さらに、本発明は、抗CPP抗体又は標識抗CPP抗体とCPPと、を含んでなる溶液中のCPPの測定キットが含まれる。かかるキットには、抗CPP抗体を検出するための二次抗体、標識物質を検出するための試薬を含めることができる。
好ましくは、キットは、CPPと抗CPP抗体との免疫複合体の形成を検出する当業者周知の方法、例えば、ELISAからなる。
本発明の方法において測定の対象となるCPPを含有する溶液とは、CPPあるいはカゼインの分解物を添加した食品、医薬品などである。また、カゼインを摂取したヒトあるいは動物の体液なども測定対象となりうる。また、測定対象が固形物であっても、適当な溶液に溶解することにより測定可能となる。
以下、実施例及び試験例により本発明を説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
[実施例1] 抗CPPポリクローナル抗体の作製
(1) CPPとキャリアタンパク質との結合
CPPは明治製菓製の精製CPPであるCPP-IIIを使用した。KLH20mgを秤量し、50%グリセロール−0.01Mリン酸緩衝生理食塩水(以下PBSと略す)(pH6.0)200μlに溶解した。この溶液に100μlのジメチルスルオキシド(以下「DMSO」と略す)に溶解した3mgのMBSを添加し、室温で30分間反応させた。さらに不溶物を除去後、G−25カラムによるゲル濾過を行い、タンパク質画分(KLH−MBS)を分取した。一方、CPP-III10mgを秤量し、PBS(pH6.0)1ml、5N-NaOH5μl、DMSO 1mlの混合溶液に溶解した。このCPP-III溶液とKLH−MBS溶液を混合し、室温で1時間反応させた。こうして得られた溶液をPBS(pH7.2)2L に対して透析し、CPP-III−KLH複合体を得た。
(2) 抗CPPポリクローナル抗体の作製
上記CPP-III−KLH複合体 200μg と Freund Complete Adjuvant とのエマルジョンをウサギに皮内投与した。この2週間後にCPP-III−KLH複合体 200μg と Freund Incomplete Adjuvant とのエマルジョンを皮内投与した。さらに10日間隔で3回同様の皮内投与を行った。最終投与後1週間目に採血し、血清とした後、酵素免疫測定法で抗体価を測定した。すなわち、CPP-IIIを抗原とし、二次抗体に西洋ワサビペルオキシダーゼ(以下「HRP」と略す)標識したヤギ抗ウサギIgG抗体を用いて、CPP-IIIに対する抗体価を測定し、3000倍であることを確認した。その後、部分採血を行って血清とし、プロテインA−セファロースカラムで精製した。すなわち、PBS(pH7.2)で平衡化したプロテインA−セファロースカラム(ゲル容量1ml)に、PBS(pH7.2)で10倍に希釈した2mlの血清を流し、洗浄後、0.2M グリシン−塩酸(pH2.5)で抗体を溶出し、PBS(pH7.2)で透析して精製抗体を得た。
[試験例1] 競合法EIAによるCPPの測定
PBS(pH7.2)に100μg/ml濃度で溶解したCPP-III溶液をEIA用プレート(NUNC社 MaxiSorp)1ウェルあたり100μlずつ分注し、室温で1時間インキュベートした。次にCPP-III溶液を除去し、1%ウシ血清アルブミン(以下BSAと略す)−50mMトリス塩酸緩衝生理食塩水(pH8.2)(以下「TBS」と称する)を200μlずつ分注して室温で1時間インキュベートした。次にCPP-III(標準物質)を0.16〜20μg/mlの濃度範囲で含有するTBS 50μlと精製抗CPPポリクローナル抗体を含む1%BSA−TBS溶液50μlをあらかじめ混合し、その中から50μlを1%BSA−TBSを除去したウェルに添加して室温で1時間インキュベートした。次にウェル内の溶液を除去した後、0.1%Tween80−PBSで洗浄した。それから酵素標識抗体希釈液(20mM Phosphate Buffer,0.15M NaCl,0.5% BSA,0.2%カゼイン,0.01% Microcide I,0.8mg/ml ABTS,0.06mg/ml尿酸,pH7.2)で4000倍に希釈したHRP標識ヤギ抗ウサギ免疫グロブリン抗体(Cappel社)50μlを添加して室温で1時間インキュベートした。次に標識抗体溶液を除去した後、0.1%Tween 80−PBSで洗浄し、基質発色液(DAKO社 TMB+ Substrate-Chromogen No.S1599)を100μlずつ分注した。15分間の反応の後、2規定の硫酸水溶液100μlを添加して反応を停止した。
次いで、分光光度計を用いて、この溶液の450nmの波長における吸光度を測定した。この吸光度を標準物質濃度0.16〜20μg/mlに対してプロットし、検量線を得た。この検量線を図1に示す。図1より、本発明の測定方法を用いれば、0.16〜20μg/mlの範囲で精度よく測定可能であることがわかる。
[試験例2] 各種濃度のカゼイン存在下でのEIAによる溶液中のCPP-IIIの測定
カゼインを、0、1、10、100、1000、及び2000μg/mlの濃度で含まれる溶液を本発明のEIAで測定し、検量線を作成した。結果を図1に示した。CPPが0.1〜10μg/mlの濃度範囲で直線性が認められる。すなわち、本発明のEIAは、カゼイン存在下でも、CPPの定量が可能であることが示された。
[試験例3] EIAによる牛乳中のCPP-IIIの測定
CPP-IIIを250μg/mlの濃度で添加した殺菌乳について、牛乳中のCPP量を測定した。実施例2に示した方法を基本として、CPP-III無添加の調製牛乳をTBSで200倍に希釈した溶液にCPP-III(標準物質)を溶解して検量線作成用の標準液を調製し、検体試料を同じくTBSで200倍に希釈して測定した。その結果、254μg/mlと測定された。

Claims (7)

  1. 抗カゼインホスホペプチド抗体を用いることを特徴とするカゼインホスホペプチドの免疫学的測定法。
  2. 固相上に不溶化したカゼインホスホペプチド(固相化カゼインホスホペプチド)に対し、測定すべきカゼインホスホペプチドを含む検体とともに、一定量の抗カゼインホスホペプチド抗体を加え、該抗体に対する固相化カゼインホスホペプチドと検体中のカゼインホスホペプチドとの競合反応により、固相上にCPPと抗カゼインホスホペプチド抗体からなる免疫複合体を形成させ、固相上の免疫複合体(bound; B)と液層の部分(free; F)とを分離した後、固相上の該抗体のシグナルを測定することにより、測定すべきカゼインホスホペプチドの量を知る請求項1記載の免疫学的測定法。
  3. 測定すべきカゼインホスホペプチドを含む検体と一定量の酵素標識抗カゼインホスホペプチド抗体とを予め反応させた後、該反応液を固相化カゼインホスホペプチドに加える請求項2記載の免疫学的測定法。
  4. 抗カゼインホスホペプチド抗体に対する第二抗体を加え、該第二抗体のシグナルを測定する請求項2又は3に記載の免疫学的測定法。
  5. シグナルが酵素標識である請求項2ないし4に記載の免疫学的測定法。
  6. 抗カゼインホスホペプチド抗体がポリクローナル抗体である請求項1ないし5記載の免疫学的測定法。
  7. 固相上に不溶化したカゼインホスホペプチドと抗カゼインホスホペプチド抗体を含む試薬より構成されるカゼインホスホペプチド測定用キット。
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