JP2009144866A - トロイダル式無段変速装置の油圧制御装置 - Google Patents

トロイダル式無段変速装置の油圧制御装置 Download PDF

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Abstract

【課題】調圧弁のフェール時においても、油圧サーボに供給される油圧が一定圧以上にならないようにして過大なエンジンブレーキの作用を抑制し得るようにしたトロイダル式無段変速装置の油圧制御装置を提供する。
【解決手段】調圧弁29によって調圧される油圧の最高圧を一定圧未満に制限する被駆動側最高圧制限手段58を備えたことにより、調圧弁29にシングルフェール等が生じて減速側での油圧供給が過度になされようとしても、油圧サーボ19に供給される油圧が一定値以上にならないようにして過大なエンジンブレーキの作用を抑制し、運転フィーリングが損なわれるような不都合の発生を回避することができる。
【選択図】図2

Description

本発明は、自動車や作業車輌等に搭載される無段変速機に用いて好適なトロイダル式無段変速装置の油圧制御装置に係り、詳しくは、該油圧制御装置に備えた調圧手段がフェールした場合におけるフェールセーフに関する。
近年、自動車や作業車輌等に搭載される無段変速機に用いられるトロイダル式無段変速装置の開発が進められている。該トロイダル式無段変速装置は、入力ディスクと出力ディスクとそれら両ディスクに挟持されたパワーローラとによって構成されており、パワーローラの傾斜に基づく両ディスクとの接触位置(接触半径)により変速比が得られる。
このようなトロイダル式無段変速装置として、パワーローラの回転中心を油圧アクチュエータ(油圧サーボ)に連結されたリンク機構等により両ディスクの面方向に対して移動制御することで、自律的にパワーローラの傾斜角度を変化させ、これによって変速比の変更を行う連続可変トランスミッションが知られている(特許文献1参照)。
該特許文献1には、連続可変変動器比を提供する連続可変トランスミッションユニット(変動器)と、低体制(低速段)及び高体制(高速段)の何れかにおいてトランスミッション入力とトランスミッション出力との間で変動器を結合するように構成された歯車装置と、を備えた連続可変トランスミッションが記載されている。上記変動器は、パワーローラへの押し付け力に応じて伝達トルクが決まるフルトロイダル式無段変速装置であり、当該技術では、コントローラによって圧力制御調圧弁を制御して、出力される油圧をピストンに作用させて押し付け力を発生させ、それにより伝達トルクを制御している。
特表2006−516319号公報(国際公開公報 WO2004/063602A1)
ところで、上記特許文献1に記載の連続可変トランスミッションにあっては、該トランスミッションが車輌に搭載された場合、例えば、油圧サーボを減速側に作動させる圧力制御調圧弁が出力状態のままスティック又は電気的故障(シングルフェール)を生じると、減速側での油圧供給が過度になされ、パワーローラが運転者の意に反して過度に減速移動する虞がある。その場合、過大なエンジンブレーキの作用で運転フィーリングを損なうといった不都合を生じることになる。
そこで本発明は、調圧弁にシングルフェール等が生じて減速側での油圧供給が過度になされようとしても、油圧サーボに供給される油圧が一定圧以上にならないようにして過大なエンジンブレーキの作用を抑制し得るように構成したトロイダル式無段変速装置の油圧制御装置を提供することを目的とする。
請求項1に係る本発明は、駆動源(16)に接続し得る入力軸(12)と、該入力軸(12)に連結された入力ディスク(2)と、無段変速回転を出力する出力ディスク(3)と、それら両ディスク(2,3)間に挟持されたパワーローラ(4)と、該パワーローラ(4)の回転中心(8)を回転自在に支持しかつ該パワーローラ(4)を前記両ディスク(2,3)に対して傾斜自在に支持する回転傾斜支持部(18)と、該回転傾斜支持部(18)を介して前記パワーローラ(4)を前記両ディスク(2,3)の面方向に対して移動制御することで該パワーローラ(4)の傾斜角度を自律的に変化させる油圧サーボ(19)と、を備えたトロイダル式無段変速装置の油圧制御装置(1)において、
前記油圧サーボ(19)は、前記両ディスク(2,3)間にて前記パワーローラ(4)を増速側に移動させる油圧が供給される駆動側油室(19c)と前記パワーローラ(4)を減速側に移動させる油圧が供給される被駆動側油室(19d)とを対向して備え、
前記駆動側油室(19c)の油圧を油圧供給と排出とにより調圧する駆動側調圧手段(22,66の68)と、
前記被駆動側油室(19d)の油圧を油圧供給と排出とにより調圧する被駆動側調圧手段(29,66の69)と、
前記被駆動側調圧手段(29,66の69)により調圧される前記油圧の最高圧を一定圧未満に制限する被駆動側最高圧制限手段(58,49,62)と、を備えてなる、
ことを特徴とするトロイダル式無段変速装置の油圧制御装置(1)にある。
請求項2に係る本発明は、前記被駆動側最高圧制限手段が、前記被駆動側調圧手段(29)から前記油圧供給を行う供給路(p4)の油圧を一定圧未満に維持する一定調圧弁(49)である、
請求項1記載のトロイダル式無段変速装置の油圧制御装置(1)にある。
請求項3に係る本発明は、前記被駆動側最高圧制限手段が、前記被駆動側調圧手段(66の69)による前記油圧供給を行う供給路(38)の油圧が一定圧以上になると開放して該一定圧に制御するリリーフ弁(62)である、
請求項1記載のトロイダル式無段変速装置の油圧制御装置(1)にある。
請求項4に係る本発明は、前記駆動側調圧手段(68)及び前記被駆動側調圧手段(69)を一体的に有する一体調圧弁(66)を備え、
該一体調圧弁(66)によって前記駆動側油室(19c)及び前記被駆動側油室(19d)の油圧の調圧を行ってなる、
請求項1乃至3のいずれか1項記載のトロイダル式無段変速装置の油圧制御装置(1)にある。
請求項5に係る本発明は、前記駆動源がエンジン(16)であり、
前記一定圧は、駆動車輪(21)から前記エンジン(16)側に伝達される最大伝達トルクにより変速比が最大となるように傾斜した前記パワーローラ(4)に生じるトラクション力に耐え得る圧力である、
請求項1乃至4のいずれか1項記載のトロイダル式無段変速装置の油圧制御装置(1)にある。
なお、上記カッコ内の符号は、図面と対照するためのものであるが、これは、発明の理解を容易にするための便宜的なものであり、特許請求の範囲の構成に何等影響を及ぼすものではない。
請求項1に係る本発明によると、被駆動側調圧手段により調圧される油圧の最高圧を一定圧未満に制限する被駆動側最高圧制限手段を備えるので、調圧弁にシングルフェール等が生じて減速側での油圧供給が過度になされようとしても、油圧サーボに供給される油圧が一定値以上にならないようにして過大なエンジンブレーキの作用を抑制し、運転フィーリングが損なわれるような不都合の発生を回避することができる。
請求項2に係る本発明によると、一定調圧弁によって被駆動側調圧手段から油圧供給を行う供給路の油圧を一定圧未満に維持するだけで、被駆動側調圧手段により調圧される油圧の最高圧を、確実に一定圧未満に制限することができる。
請求項3に係る本発明によると、リリーフ弁により、被駆動側調圧手段による油圧供給を行う供給路の油圧が一定圧以上になると開放して該一定圧に制御するだけで、被駆動側調圧手段により調圧される油圧の最高圧を、容易にかつ確実に一定圧未満に制限することができる。
請求項4に係る本発明によると、それぞれに相反する機能を達成する駆動側調圧手段及び被駆動側調圧手段を一体的に構成したことで、全体としてコンパクトでシンプルな構成となり、装置のコンパクト性及び信頼性を向上し得ると共に、制御を比較的簡素にすることができる。
請求項5に係る本発明によると、一定圧が、駆動車輪からエンジン側に伝達される最大伝達トルクにより変速比が最大となるように傾斜したパワーローラに生じるトラクション力に耐え得る圧力であるので、調圧弁にシングルフェール等が生じて減速側での油圧供給が過度になされようとしても、油圧サーボに供給される油圧が一定圧以上にならないようにして過大なエンジンブレーキの作用を抑制することができる。
<第1の実施の形態>
以下、本発明に係る第1の実施の形態を図1及び図2に沿って説明する。なお、図1は本発明に係るトロイダル式無段変速装置5を含む無段変速機(IVT;infinitely variable transmission)7を示す図であり、(a)はスケルトン図、(b)はその速度線図である。図2は本第1の実施の形態に係るトロイダル式無段変速装置5及びその油圧制御装置1を示す図である。
無段変速機7は、図1(a)に示すように、大まかに、ミッションケースM内における一軸上にあって、入力側から出力側へ順に、トルクコンバータ11、内燃エンジン(駆動源)16に接続し得る入力軸12、トロイダル式無段変速装置(以下、「バリエータ」ともいう)5、反転ギヤ機構9、及び出力軸13を備えて構成されている。
上記バリエータ5は、フルトロイダル式無段変速装置からなり、入力軸12上に連結された入力ディスク2,2と、外周側においてドラム状の伝達部材6に連結されて無段変速回転を出力する出力ディスク3と、2個の入力ディスク2,2及び1個の出力ディスク3の間に挟持されるパワーローラ4,4と、を有している。バリエータ5は更に、パワーローラ4の回転中心8(図2参照)を回転自在に支持しかつ該パワーローラ4を上記両ディスク2,3に対して傾斜自在に支持するキャリッジ(回転傾斜支持部)18と、該キャリッジ18を介してパワーローラ4を上記両ディスク2,3の面方向に対して移動制御することで該パワーローラ4の傾斜角度を自律的に変化させる油圧サーボ19(図2参照)と、を有している。そして、入力ディスク2,2及び出力ディスク3は、それぞれ対向するように円形の一部を形成する円弧状の凹溝2a,3aを有しており、2列のパワーローラを挟んでダブルキャビティ24A,24Bを構成して、入力ディスク同士のスラスト力を打消す構成からなる。
上記パワーローラ4,4は、環状のダブルキャビティ24A,24Bにおける周方向の略々均等な位置に複数個(例えば1つのキャビティに3個)配置されており、キャリッジ18及び油圧サーボ19を含むローラ位置制御装置によって、パワーローラ4,4の各回転中心8に一致する回転軸が傾斜自在に、かつパワーローラ4,4の中心位置が上記ディスク2,2,3と平行な面上において移動制御される。また、入力ディスク2,2は、例えばL字状のブロックと該ブロック上に設置された油圧サーボ19とにより閉ループ的に押圧され、パワーローラ4,4を挟持すると共に、その挟持圧が油圧により制御される。そして、上記ローラ位置制御装置による移動制御と入力ディスク2,2の挟持圧とにより、パワーローラ4,4が自律的に傾斜することで、入力ディスク2,2と出力ディスク3との接触半径が変更されて、無段に連続して変速する。なお、本バリエータ5にあっては、入力ディスク2,2に対して出力ディスク3が反転するので、速度比は−(マイナス)になる。
また、出力ディスク3の外周側には、伝達部材6が接続されて配設されており、該伝達部材6が反転ギヤ機構9のサンギヤSに接続されている。
反転ギヤ機構9は、上記伝達部材6に接続されたサンギヤSと、出力軸13に接続されたリングギヤRと、ブレーキBによってミッションケースMに対して係止自在でかつピニオンPを回転自在に支持するキャリヤCRとを有している。伝達部材6の後端側の出力部6aは、出力軸13内周側のクラッチCによって該出力軸13に接続自在(直結自在)に構成されている。
ここで、図6乃至図8を参照して、上記バリエータ5による変速機能について説明する。
すなわち、図6(a)、(b)に示すように、パワーローラ4は、キャリッジ18により、パワーローラ4の回転軸(8)を中心として回転自在に支持されており、該キャリッジ18はその一端部にて油圧サーボ19のピストンロッド19bに連結されている。上記パワーローラ4は、入力ディスク2の回転に基づき回転軸(8)を中心にω1方向に回転し、この回転に基づいて出力ディスク3がω3方向に回転される。このとき、パワーローラ4には、入力ディスク2からトルク伝達される際にトラクション力F11が作用し、パワーローラ4から出力ディスク3にトルク伝達される際には、反力としてのトラクション力F12が作用する。そして、これらパワーローラ4に作用するトラクション力F11,F12は、上記油圧サーボ19の押圧駆動によりキャリッジ18に作用するリアクション力F13と釣り合っている。
例えば上記油圧サーボ19の制御によりリアクション力F13を弱くすると、図7(a),(b)に示すように、力の釣り合いのバランスが崩れ、パワーローラ4の位置が油圧サーボ19側へ移動する。すると、図7(b)に示すように、出力ディスク3とパワーローラ4との接触部77において、パワーローラ4の速度ベクトルV´rは変らないが、出力ディスク3の速度ベクトルV´dは、該接触部77の接線方向となるので、該出力ディスク3の速度ベクトルV´dとパワーローラ4の速度ベクトルV´rとは平行ではなくなる。更に、接触部77においては、速度ベクトルV´dと速度ベクトルV´rとの差の方向と同じ方向のトラクション力F14が生じ、該トラクション力F14がパワーローラ4に作用する。
一方、パワーローラ4と入力ディスク2との間にも同様の作用が生じ、トラクション力F14とは逆向きの力がパワーローラ4に対して作用する。これらパワーローラ4と入力ディスク2との間に生じるトラクション力及びトラクション力F14の作用により、図8(a),(b)に示すように、パワーローラ4の回転軸(8)はチルトされ、つまり入力ディスク2に対する出力ディスク3の変速比(接触半径)が自律的に変化する。なお、キャリッジ18は、入力ディスク2及び出力ディスク3と平行な面に対してキャスター角βを有しているので、パワーローラ4と両ディスク2,3の接触部における速度ベクトルが平行となる傾斜角で安定する。これにより、油圧サーボ19により押圧制御することでパワーローラ4の位置を移動制御し、無段変速することができる。
ついで、上記バリエータ5を備えた無段変速機7の作用について図1(a),(b)に沿って説明する。
無段変速機7を搭載した車輌では、不図示のシフトレバーや油圧制御装置1(図2参照)による油圧制御に基づき、反転ギヤ機構9における後進用のブレーキB、前進用のクラッチCが制御される。そして、エンジン出力軸(図示せず)にトルクコンバータ11を介して連結される入力軸12の入力回転ωeが、バリエータ5の入力ディスク2,2に伝達され、該バリエータ5で変速されて出力ディスク3からバリエータ出力回転ωvとして出力され、サンギヤSに入力される。
例えば、不図示のシフトレバーがドライブ(D)レンジに操作されると、該操作を検出した制御部15からの油圧指令に基づき、ブレーキBの非係止状態においてクラッチCが係合し、出力部6aの回転が出力軸13に直接的に伝達される。この際、車速やアクセル開度に応じてバリエータ5の変速比が小さくされていくと(即ち、図1(b)中のバリエータ出力回転ωvを下方側にシフトしていくと)、出力部6aに直結した出力軸13の出力回転は、逆転回転側に増速していき、つまり前進側に増速されていく。
また逆に、例えば、不図示のシフトレバーがリバース(R)レンジに操作されると、該操作を検出した制御部15からの油圧指令に基づき、クラッチCの非係合状態においてブレーキBがキャリヤCRを係止し、伝達部材6の回転がサンギヤS、ピニオンP及びリングギヤRを介して出力軸13に伝達される。この際、車速やアクセル開度に応じてバリエータ5の変速比が大きくされていくと(即ち、図1(b)中のバリエータ出力回転ωvを上方側にシフトしていくと)、出力軸13の出力回転は、正転回転側に増速していき、つまり後進側に増速されていく。
本実施の形態における無段変速機7は、前進用として逆転回転を出力軸13より出力し、後進用として正転回転を出力軸13より出力するものであり、その出力軸13の回転は図示を省略したディファレンシャル装置によって反転される形で左右駆動車輪に分配されることになる。
本実施の形態では、以上のようなバリエータ5の油圧制御装置1において、増速側(駆動側)の調圧弁22のポート(排出路)p2を一定圧以上に保ち、制御部(コントローラ)15を含む制御系の故障に起因して調圧弁22の制御が困難になったり、該調圧弁22そのものが故障したりした場合でも、車輌走行を保証する一定圧を油圧サーボ19に供給し得る油圧回路を提供するため、図2のように構成している。
同時に本実施の形態では、以上のような油圧制御装置1において、減速側(被駆動側)の調圧弁29のポート(供給路)p4を一定圧未満に制限し、該調圧弁29にシングルフェール等が生じて減速側での油圧供給が過度になされようとしても、油圧サーボ19に供給される油圧が一定値以上にならないようにして過大なエンジンブレーキの作用を抑制し得る油圧回路を提供するため、図2のように構成している。
図2においては、図1(a)で図示省略していたエンジン16、油圧サーボ19、及び車輌の駆動車輪21を表示していると共に、図1(a)におけるバリエータ5の入力ディスク2の一方を図示省略し、エンジン16の回転がその出力軸16aからトルクコンバータ11を介して入力軸12に伝達され、バリエータ5で変速された後、反転ギヤ機構9を介して出力軸13から駆動車輪21に伝達される状態を模式的に描いている。
図2に示すように、バリエータ5を変速制御する油圧制御装置1は、複動式シリンダである油圧サーボ19、増速用の調圧弁22、減速用の調圧弁29、及びこれら調圧弁22,29を制御する制御部15を有している。該調圧弁22,29は、図2においては何れもオフ状態であるが、制御部15からのオン信号によって一方が作動して油圧サーボ19に油圧を供給しようとする際、他方はオフ状態となって油圧サーボ19から油圧を排出する。
上記油圧サーボ19は、両ディスク2,3間にてパワーローラ4を増速側に移動させる油圧が供給される駆動側油室19cと、パワーローラ4を減速側に移動させる油圧が供給される被駆動側油室19dとを対向して備えている。そして、油圧サーボ19は、パワーローラ4の回転中心(回転軸)8にキャリッジ18を介してピストンロッド19bが連結されており、ピストン19aで互いに仕切られた駆動側油室19cには増速側の調圧弁22が油路37を介して接続され、かつ被駆動側油室19dには減速側の調圧弁29が油路38を介して接続されている。なお、同図における符号39,40は、それぞれ油路37,38に介在された、油圧振動防止用の絞りを示している。調圧弁22,29は、いずれもノーマルクローズ型の3ポートバルブで構成されている。
上記調圧弁22は、ソレノイド24が消磁した図2の状態では、油路37に連通するポートp1と油路28に連通するポート(排出路)p2とを連通し、油圧サーボ19の駆動側油室19cを、油路28及び駆動側最低圧維持手段57を介してオイルタンク36に連通させ、また、オイルポンプ(図示せず)の作動によるライン圧PLが油路27を介して供給されるポートp3を閉塞する。この状態において、制御部15からのオン信号に応答してソレノイド24が励磁すると、スプール23が、油路26を介して油室64に作用するフィードバック圧とスプリング60の付勢力とに抗して図2の左方に移動し、ポートp2を閉塞すると共に、ポートp3をポートp1に連通させ、ライン圧PLを調圧してポートp1から駆動側油室19cに供給することで、ピストンロッド19bを伸長させて増速方向に作動させる。この際、減速側の調圧弁29は、ポート(供給路)p4がポートp5に連通した図2の状態にあり、被駆動側油室19d内の圧油が油路38、ポートp4,p5、及び油路35を介してオイルタンク36に戻される。
本実施の形態では、上記調圧弁22は、駆動側油室19cの油圧を油圧供給と排出とにより調圧する駆動側調圧手段を構成している。そして、上記駆動側最低圧維持手段57は、調圧弁22により調圧される油圧の最低圧を一定圧以上に維持(即ち、最低駆動力保証)するもので、調圧弁22からの排出を行うポート(排出路)p2の油圧を一定圧に維持する排出路圧維持手段を構成する。
上記調圧弁29は、ソレノイド31が消磁した図2の状態では、油路38に連通するポートp4と油路35を介してオイルタンク36に連通するポートp5とを連通させると共に、上記オイルポンプの作動によるライン圧PLが油路34を介して供給されるポートp6を閉塞している。この状態において、制御部15からのオン信号に応答してソレノイド31が励磁すると、スプール30が、油路33を介して油室79に作用するフィードバック圧とスプリング78の付勢力とに抗して同図左方に移動し、ポートp5を閉塞すると共に、ポートp6をポート(供給路)p4に連通させ、被駆動側最高圧制限手段58を介してポートp6に供給されるライン圧PLを調圧して、ポートp4から被駆動側油室19dに供給することで、ピストンロッド19bをパワーローラ4から離間する方向に縮めて減速作動させる。この際、増速側の調圧弁22は、ポートp1がポート(排出路)p2に連通した図2の状態にあり、駆動側油室19c内の圧油が油路37、ポートp1,p2、及び駆動側最低圧維持手段57を介してオイルタンク36に戻される。
本実施の形態では、上記調圧弁29は、被駆動側油室19dの油圧を油圧供給と排出とにより調圧する被駆動側調圧手段を構成している。そして、上記被駆動側最高圧制限手段58は、調圧弁29により調圧される油圧の最高圧を一定圧未満に制限(即ち、最大被駆動力制限)するもので、調圧弁29から油圧供給を行うポート(供給路)p4の油圧を一定圧未満に維持する。
ここで、本実施の形態において、駆動側最低圧維持手段57により、調圧弁22にフェール等を生じた場合でも車輌走行を保証する一定圧を油圧サーボ19に供給し得るようにする際の該一定圧の設定の仕方(第1の設定)、並びに、被駆動側最高圧制限手段58により、調圧弁29にフェール等を生じた場合でも油圧サーボ19に供給される油圧が一定圧以上にならないように抑制し得るようにする際の該一定圧の設定の仕方(第2の設定)について、図5を参照して説明する。同図は、トロイダル式無段変速装置を模式的に示す図である。図中の符号rrはパワーローラ4の半径、符号rtはパワーローラ4の回転中心、αはパワーローラ4の傾斜角度、riは入力部接触半径、roは出力部接触半径である。
すなわち、上記第1の設定(リンプホーム用、最低駆動力保証のための圧力設定)に関し、ピストン力(ピストン19aの押圧牽引力)と釣り合うようにバリエータ5でのトラクション力が決まるため、油圧サーボ19への油圧を決めることでトラクション力が決まることになる。つまり、
トラクション力=ピストン力/2=設定圧×ピストン面積/2
であり、トラクション力とトルクとの関係は接触半径riによって変化する。つまり、
トルク=トラクション力×接触半径
であり、設定圧を決めるには種々の手法がある。
すなわち、アンダードライブ(UD)時の入力トルクを、アイドル速度時(アイドリング時)のトルクコンバータ11のストール出力トルク以下にすることができる。ピストン力によってトラクション力が決まり、入力トルクが決まると上述したが、そのトルクに対してエンジン16からのトルクが低いと、オーバードライブ(OD)側へ変速していく傾向がある。ここで、むやみなODへの変速を避けるために、ピストン力の設定をアイドリング時のエンジン16からの入力トルク相当以下にしておくことができる。つまり、
アイドリング時のストールトルク=トラクション力×ri_UD
(但し、ri_UDはUD時の入力部接触半径)
となるトラクション力となるように油圧を設定する。このように設定する場合、上記一定圧は、アイドリング時のエンジントルクによって変速比が最大となるように傾斜したパワーローラ4に生じるトラクション力に耐え得る圧力となり、調圧弁22の制御が困難になったり、調圧弁22そのものが故障したりした際でも、車輌走行を確保する最低限の駆動力を保証して発進を可能にし、安全な場所や整備工場までの移動を行うようにし得る。
或いは上記に代えて、OD時の入力トルクをエンジン最大トルク相当にすることもできる。OD時は、入力部の接触半径ri_ODが最大になり、同じトラクション力でも入力トルクは最大になるため、このトルクをエンジン最大トルク程度になるように設定することで高速走行を行い易くすることができる。つまり、
最大エンジントルク=トラクション力×ri_OD
(但し、ri_ODはOD時の入力部接触半径)
となるトラクション力となるように油圧を設定する。このように設定する場合、上記一定圧は、エンジン16の最大トルクによって変速比が最小となるように傾斜したパワーローラ4に生じるトラクション力に耐え得る圧力となり、調圧弁22の制御が困難になったり、調圧弁22そのものが故障したりした際でも、高速走行中の車輌の走行を維持する駆動力を保証して車輌の走行を確保し、次のサービスエリア等への走行を可能にし得る。
一方、上記第2の設定(過大エンジンブレーキ防止、最大被駆動力制限のための圧力設定)に関しては、例えば、必要最大な被駆動時のピストン力を担える油圧に設定することができる。つまり、エンジン16へのトルクが同じでも、接触半径の関係により、UD時の方が大きなトラクション力(即ち、大きなピストン力)を必要とするため、
エンジン16の最大被駆動トルク=トラクション力×ri_UD
となるトラクション力になるように油圧を設定する。このように設定する場合、上記一定圧は、駆動車輪21からエンジン16側に伝達される最大伝達トルクにより変速比が最大となるように傾斜したパワーローラ4に生じるトラクション力に耐え得る圧力となり、調圧弁29にシングルフェール等が生じて減速側での油圧供給が過度になされようとしても、油圧サーボ19に供給される油圧が一定圧以上にならないようにして過大なエンジンブレーキの作用を抑制することができる。
以上説明した本第1の実施の形態によると、調圧弁22により調圧される油圧の最低圧を一定圧以上に維持する駆動側最低圧維持手段57を備えるので、制御系の故障に起因して調圧弁22の制御が困難になったり、該調圧弁22そのものが故障したりした場合であっても、例えば、車輌の走行を確保する最低限の駆動力を保証するための一定圧を油圧サーボ19に供給することで、車輌の発進を可能にして、安全な場所や整備工場までの移動を行うようにすることができる。また例えば、高速走行中の車輌の走行を維持する駆動力を保証するための一定圧を油圧サーボ19に供給することで、車輌の走行を確保して、次のサービスエリア等への走行を可能にすることができる。
更に、本第1の実施の形態によると、調圧弁29により調圧される油圧の最高圧を一定圧未満に制限する被駆動側最高圧制限手段58を備えるので、調圧弁29にシングルフェール等が生じて減速側での油圧供給が過度になされようとしても、油圧サーボ19に供給される油圧が一定値以上にならないようにして過大なエンジンブレーキの作用を抑制し、運転フィーリングが損なわれるような不都合の発生を回避することができる。
<第2の実施の形態>
ついで、図3を参照して、本発明に係る第2の実施の形態について説明する。本実施の形態は、図2で説明した駆動側最低圧維持手段57及び被駆動側最高圧制限手段58を、調圧弁によって具体化したものである。図3は、本実施の形態に係るトロイダル式無段変速装置及びその油圧制御装置を示す図である。
本実施の形態では、図2で説明した構成に以下のような構成が付加されている。すなわち、図3に示すように、増速側の調圧弁22のポート(排出路)p2に連通する油路28とオイルタンク36との間には、駆動側最低圧維持手段としてのモジュレート弁41が介在されている。該モジュレート弁41は、ノーマルクローズ型の3ポートバルブで構成されている。同図に示されるように調圧弁22のポートp2から圧油が排出されている際、モジュレート弁41は、油路45を介して油室80に作用するフィードバック圧によりスプリング43に抗してスプール42がポートp7とポートp8とを連通させるように移動し、油路47を介してオイルタンク36にポートp7を連通している。
ここで、モジュレート弁41のスプリング43のばね力(付勢力)は、以下の作動を実現するように設定されている。つまり、油路28(つまり、ポートp2)の油圧が、設定された上述の一定圧未満に下降しようとすると、油室80に作用するフィードバック圧が低下するが、その際に、スプリング43が該フィードバック圧に抗して、ポートp7にポートp9を連通させるようにスプール42を同図左方に移動させる。このとき、上記フィードバック圧とスプリング43のばね力とが釣り合って、ポートp2の油圧が上記一定圧以上に維持される状態となる。
そして、制御部15からのオン信号に応答してソレノイド24が励磁すると、スプール23が、スプリング60のばね力と油路26を介して油室64に作用しているフィードバック圧とに抗して同図左方に移動し、油路27がポートp3を介してポートp1に連通し、ライン圧PLが調圧されて油路37から駆動側油室19cに供給され、これにより、ピストンロッド19bが伸長してバリエータ5が増速方向に作動する。
本実施の形態では、上記モジュレート弁41は、調圧弁22により調圧される油圧の最低圧を一定圧以上に維持するもので、調圧弁22のポートp2に連通し、かつライン圧PLを一定圧となるように調圧して該ポートp2に供給し、ポートp2の油圧を一定圧に維持する排出路圧維持手段を構成している。
一方、減速側の調圧弁29のポートp6に連通する油路34とオイルタンク36との間には、被駆動側最高圧制限手段としてのモジュレート弁49が介在されている。該モジュレート弁49は、ノーマルクローズ型の3ポートバルブで構成されている。同図に示されるように調圧弁29のポートp5から圧油がオイルタンク36に排出されている際、モジュレート弁49は、ポートp6がスプール30によって閉塞されることで、油路53を介して油室81に作用しているフィードバック圧によりスプリング51が押され、スプール50がポートp10とポートp11とを連通させるように移動している。
そして、制御部15からのオン信号に応答してソレノイド31が励磁すると、スプール30が、スプリング78のばね力と油路33を介して油室79に作用しているフィードバック圧とに抗して同図左方に移動し、油路34がポートp6を介してポートp4に連通する。この際、ポートp6がポートp4に連通することで油室81へのフィードバック圧が低下するため、スプリング51のばね力によりスプール50が同図左方に移動し、油路54がポートp12を介してポートp10に連通する。これにより、ライン圧PLが調圧されて油路34,38を介して被駆動側油室19dに供給され、ピストンロッド19bが縮むことでバリエータ5が減速方向に作動する。
ここで、モジュレート弁49のスプリング51のばね力(付勢力)は、以下の作動を実現するように設定されている。つまり、調圧弁29を介して連通する油路38(つまり、ポートp4)の油圧が、設定された上述の一定圧以上に上昇しようとすると、油室81に作用するフィードバック圧が上昇することで、スプリング51が該フィードバック圧に押されて、ポートp10にポートp11を連通させるようにスプール50を同図右方に移動させる。このとき、上記フィードバック圧とスプリング51のばね力とが釣り合って、ポートp4の油圧が上記一定圧未満に制限される状態となる。
本実施の形態では、上記モジュレート弁49は、調圧弁29により調圧される油圧の最高圧を一定圧未満に制限するもので、調圧弁29のポートp6を介してポートp4に連通し、かつライン圧PLを一定圧未満となるように調圧して該ポートp4に供給し、ポートp4の油圧を一定圧未満に制限する一定調圧弁を構成している。
本第2の実施の形態によっても、上述した第1の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
<第3の実施の形態>
ついで、図4を参照して、本発明に係る第3の実施の形態について説明する。本実施の形態は、図2で説明した調圧弁22及び調圧弁29を一体化すると共に、駆動側最低圧維持手段57及び被駆動側最高圧制限手段58を、図3とは異なる形で具体化したものである。図4は、本実施の形態に係るトロイダル式無段変速装置及びその油圧制御装置を示す図である。
本実施の形態では、図2における調圧弁22及び調圧弁29を一体化させた調圧弁66を有しており、該調圧弁66の単一のスプール67を移動させることで、油圧サーボ19を増速側及び減速側に作動させる。すなわち、該調圧弁66は、クローズドセンタの4ポートバルブからなり、ポートp13が油路37を介して油圧サーボ19の駆動側油室19cに連通すると共に、ポートp14が油路38を介して油圧サーボ19の被駆動側油室19dに連通する。油路37,38にはそれぞれ、前述した絞り39,40が介在されている。また、ポートp15は油路73を介してオイルタンク36に連通しており、ポートp16には油路72を介してライン圧PLが供給される。
油路38には、油路61を介してリリーフ弁62が接続されている。該リリーフ弁62は、油路38、即ち油路61に一定圧以上の油圧が作用した際のパイロット圧(64)により、スプール63がスプリング56に抗して移動し、油路61を、油路65を介してオイルタンク36に連通させることで、被駆動側油室19dへの供給油圧(即ち、被駆動圧)を一定圧以上に上昇させないように制限する。上記リリーフ弁62は、被駆動側調圧手段(調圧弁66のソレノイド69)の作動で調圧される油路38の油圧の最高圧を一定圧未満に制限する被駆動側最高圧制限手段を構成しており、被駆動側調圧手段(69)による油圧供給を行う油路(供給路)38の油圧が一定圧以上になると開放して該一定圧に制御する。
ここで、リリーフ弁62のスプリング56のばね力(付勢力)は、以下の作動を実現するように設定されている。つまり、油路38(つまり、ポートp14)の油圧が、設定された前述の一定圧以上に上昇しようとすると、作用するパイロット圧(64)が上昇するため、スプール63を介してスプリング56が押されて、該スプール63が油路61を油路65に連通させるように同図下方に移動する。このとき、上記パイロット圧(64)とスプリング56のばね力とが釣り合って、油路38の油圧が上記一定圧未満になるように制限される状態となる。
また、調圧弁66は、スプール67を挟んだソレノイド69の反対側にソレノイド68を備え、かつ該ソレノイド68側に有した油室に、油路38からのフィードバック圧が油路70を介して作用されると共に、該油室には、スプール67をソレノイド69側に付勢するスプリング59が備えられている。更に、ソレノイド69側に有する油室には、油路71を介して、油路37からのフィードバック圧が作用するように構成されている。
これら構成を有する調圧弁66を備えた本実施の形態では、調圧弁66のソレノイド68が駆動側調圧手段を構成している。また上記スプリング59が、該駆動側調圧手段により調圧される油圧の最低圧を一定圧以上に維持する駆動側最低圧維持手段を構成すべく、該スプリング59のばね力は、以下の作動を実現するように設定されている。なお、上記調圧弁66は、上記駆動側調圧手段(68)及び被駆動側調圧手段(69)を一体的に有する一体調圧弁を構成している。
すなわち、ソレノイド69が励磁して、スプール67が、スプリング59のばね力とソレノイド68側の油室へのフィードバック圧とに抗して移動することでポートp13とポートp15とが連通し、駆動側油室19cから圧油が排出されている状態において、油路37(つまり、ポートp15)の油圧が、設定された上述の一定圧未満に下降しようとする場合、ソレノイド69側の油室に作用するフィードバック圧が低下する。このため、ソレノイド68側では、油路70を介して作用するフィードバック圧に加え、スプリング59のばね力を有しているため、スプール67をソレノイド69側にやや押し戻す。従って、ソレノイド69側とソレノイド68側双方の押圧力が釣り合った状態で、油路72からのライン圧PLが調圧されてポートp16からポートp13、油路37,38に供給され、これにより、油路37側の油圧が上記一定圧以上に維持される状態となる。
図4に示す状態において、例えば、制御部15から増速のためのオン信号が出力され、これに応答してソレノイド68が励磁すると、スプール67が同図左方に移動してポートp13とポートp16とが連通し、油路72からのライン圧PLが調圧されてポートp13、油路37を介して駆動側油室19cに供給される。同時に、ポートp14がポートp15に連通し、被駆動側油室19dから圧油が油路38,73を介してオイルタンク36に排出される。これにより、ピストンロッド19bの伸長に伴ってキャリッジ18が増速側に移動し、バリエータ5が増速方向に作動する。この際、上述したリリーフ弁62の存在により、油路38の油圧が上記一定圧未満になるように制限される。
また図4に示す状態において、例えば、減速するためのオン信号が制御部15から出力され、これに応答してソレノイド69が励磁すると、スプール67が同図右方に移動してポートp14がポートp16に連通し、油路72からのライン圧PLが調圧されてポートp14、油路38を介して被駆動側油室19dに供給される。同時に、ポートp13がポートp15に連通し、駆動側油室19cから圧油が油路37,73を介してオイルタンク36に排出される。これにより、ピストンロッド19bが縮むことでキャリッジ18が減速側に移動し、バリエータ5が減速方向に作動する。この際、上述したスプリング59のばね力の作用で、油路37側の油圧が上記一定圧以上に維持される。
本第3の実施の形態によると、上述した第1の実施の形態と同様の効果を得ることができると共に、それぞれに相反する機能を達成する駆動側調圧手段及び被駆動側調圧手段を一体的に構成した調圧弁66を備えることで、全体としてコンパクトでシンプルな構成となって、装置のコンパクト性及び信頼性を向上でき、制御を比較的簡素にすることができるという効果も得ることができる。
本発明に係るトロイダル式無段変速装置を含む無段変速機を示す図であり、(a)はスケルトン図、(b)はその速度線図。 本発明に係る第1の実施の形態におけるトロイダル式無段変速装置及びその油圧制御装置を示す図。 本発明に係る第2の実施の形態におけるトロイダル式無段変速装置及びその油圧制御装置を示す図。 本発明に係る第3の実施の形態におけるトロイダル式無段変速装置及びその油圧制御装置を示す図。 トロイダル式無段変速装置を模式的に示す図。 本発明の基礎となるトロイダル式無段変速装置を示す力の釣り合った状態の模式図で、(a)は径方向視図、(b)は軸方向視図。 本発明の基礎となるトロイダル式無段変速装置を示すパワーローラを移動させた状態の模式図で、(a)は径方向視図、(b)は軸方向視図。 本発明の基礎となるトロイダル式無段変速装置を示すパワーローラが傾斜した状態の模式図で、(a)は径方向視図、(b)は軸方向視図。
符号の説明
1 油圧制御装置
2 入力ディスク
3 出力ディスク
4 パワーローラ
5 トロイダル式無段変速装置(バリエータ)
12 入力軸
16 駆動源(エンジン)
18 回転傾斜支持部(キャリッジ)
19 油圧サーボ
19c 駆動側油室
19d 被駆動側油室
21 駆動車輪
22 駆動側調圧手段(調圧弁)
29 被駆動側調圧手段(調圧弁)
38 供給路(油路)
49 被駆動側最高圧制限手段、一定調圧弁(モジュレート弁)
58 被駆動側最高圧制限手段
62 被駆動側最高圧制限手段(リリーフ弁)
66 一体調圧弁(調圧弁)
68 駆動側調圧手段(ソレノイド)
69 被駆動側調圧手段(ソレノイド)
p4 供給路(ポート)

Claims (5)

  1. 駆動源に接続し得る入力軸と、該入力軸に連結された入力ディスクと、無段変速回転を出力する出力ディスクと、それら両ディスク間に挟持されたパワーローラと、該パワーローラの回転中心を回転自在に支持しかつ該パワーローラを前記両ディスクに対して傾斜自在に支持する回転傾斜支持部と、該回転傾斜支持部を介して前記パワーローラを前記両ディスクの面方向に対して移動制御することで該パワーローラの傾斜角度を自律的に変化させる油圧サーボと、を備えたトロイダル式無段変速装置の油圧制御装置において、
    前記油圧サーボは、前記両ディスク間にて前記パワーローラを増速側に移動させる油圧が供給される駆動側油室と前記パワーローラを減速側に移動させる油圧が供給される被駆動側油室とを対向して備え、
    前記駆動側油室の油圧を油圧供給と排出とにより調圧する駆動側調圧手段と、
    前記被駆動側油室の油圧を油圧供給と排出とにより調圧する被駆動側調圧手段と、
    前記被駆動側調圧手段により調圧される前記油圧の最高圧を一定圧未満に制限する被駆動側最高圧制限手段と、を備えてなる、
    ことを特徴とするトロイダル式無段変速装置の油圧制御装置。
  2. 前記被駆動側最高圧制限手段は、前記被駆動側調圧手段から前記油圧供給を行う供給路の油圧を一定圧未満に維持する一定調圧弁である、
    請求項1記載のトロイダル式無段変速装置の油圧制御装置。
  3. 前記被駆動側最高圧制限手段は、前記被駆動側調圧手段による前記油圧供給を行う供給路の油圧が一定圧以上になると開放して該一定圧に制御するリリーフ弁である、
    請求項1記載のトロイダル式無段変速装置の油圧制御装置。
  4. 前記駆動側調圧手段及び前記被駆動側調圧手段を一体的に有する一体調圧弁を備え、
    該一体調圧弁によって前記駆動側油室及び前記被駆動側油室の油圧の調圧を行ってなる、
    請求項1乃至3のいずれか1項記載のトロイダル式無段変速装置の油圧制御装置。
  5. 前記駆動源がエンジンであり、
    前記一定圧は、駆動車輪から前記エンジン側に伝達される最大伝達トルクにより変速比が最大となるように傾斜した前記パワーローラに生じるトラクション力に耐え得る圧力である、
    請求項1乃至4のいずれか1項記載のトロイダル式無段変速装置の油圧制御装置。
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