JP2009144702A - 燃焼圧センサ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】燃焼圧センサ1は、先端側が燃焼室61側に位置するように内燃機関に取り付けられる中空状のハウジング2と、先端受圧部31をハウジング2の先端部から露出させるようにハウジング2の軸孔22にスライド可能に挿通配置され、燃焼室61の燃焼圧を伝達するための伝達部材3と、ハウジング2と伝達部材3との間に配設され、ハウジング2と伝達部材3との間に作用する荷重の変化を検出する荷重検出部4と、ハウジング2と伝達部材3との間の隙間11を塞ぐシール部材5とを有する。ハウジング2は、内燃機関に固定するための締結部241を備えた固定機能部24と、シール部材5を取り付ける封止機能部25とからなる。固定機能部24と封止機能部25とは、軸方向の伸縮が互いに規制されないような状態で連結部26において連結されている。
【選択図】図1
Description
この燃焼圧センサ9は、伝達部材91がハウジング92に対して軸方向にスライドすることにより、燃焼室に発生した圧力を、基端部に配設された圧力センサ93に伝達し、燃焼室における燃焼圧を検出している。
そこで、図10に示すごとく、膜95の形状をベローズ形状として軸方向に伸縮可能な状態とすることにより、伝達部材91とハウジング92との間の相対移動を吸収する構造とした燃焼圧センサ90がある(特許文献2参照)。
しかしながら、ベローズ形状の膜95を形成することは、コストアップになり、安価な燃焼圧センサを得ることが困難となるおそれがある。
先端側が上記燃焼室側に位置するように上記内燃機関に取り付けられる中空状のハウジングと、
先端受圧部を上記ハウジングの先端部から露出させるように上記ハウジングの軸孔にスライド可能に挿通配置され、上記燃焼室の燃焼圧を伝達するための伝達部材と、
上記ハウジングと上記伝達部材との間に配設され、上記ハウジングと上記伝達部材との間に作用する荷重の変化を検出する荷重検出部と、
該荷重検出部よりも先端側において上記ハウジングと上記伝達部材との間の隙間を塞ぐシール部材とを有し、
上記ハウジングは、上記内燃機関に固定するための締結部を備えた固定機能部と、該固定機能部の内側に配されると共に上記シール部材を取り付ける封止機能部とからなり、
上記固定機能部と上記封止機能部とは、軸方向の伸縮が互いに規制されないような状態で連結部において連結されていることを特徴とする燃焼圧センサにある(請求項1)。
上記燃焼圧センサは、上記ハウジングと上記伝達部材との間の隙間を塞ぐシール部材を有する。これにより、燃焼室における燃焼ガスがハウジングと伝達部材との間の隙間に侵入することを防ぐことができ、ハウジング内の温度上昇を抑制することができる。それ故、ハウジングと伝達部材との間に配設された荷重検出部への熱負荷を低減することができる。
その結果、耐久性に優れた燃焼圧センサを得ることができる。
また、本発明(請求項1)において、上記固定機能部と上記封止機能部との間には、クリアランス部が形成されていることが好ましい(請求項2)。
この場合には、上記固定機能部と上記封止機能部とが互いに干渉することをより確実に防ぐことができる。例えば、上記固定機能部に軸方向の圧縮力がかかったとき、固定機能部が径方向内側へ変形することもありうる。かかる場合において、上記クリアランス部が形成されていることにより、固定機能部と封止機能部とが互いに干渉し合うことを防ぐことができる。
この場合には、上記クリアランス部に、燃焼室における燃焼ガスが侵入することを防ぐことができ、ハウジング内の温度上昇を抑制することができる。それ故、上記ハウジングと伝達部材との間に配設された荷重検出部への熱負荷を抑制することができる。
また、上記クリアランス部へ充填材を設けることにより、燃焼圧センサにおけるクリアランス部よりも内側の部分の固有振動を抑制することができる。
なお、上記充填材としては、例えば、カーボングラファイト、メタルメッシュなどを用いることができる。
この場合には、上記固定機能部の圧縮変形による応力が、シール部材や伝達部材に伝わることを充分に抑制することができる。すなわち、燃焼圧センサを内燃機関に取り付ける際に圧縮力が作用する部分は、主に固定機能部における締結部よりも先端側の部分である。それ故、この締結部よりも先端側の部分において固定機能部と封止機能部とが分離していれば、固定機能部に作用する圧縮力が封止機能部に伝わることを防ぐことができる。それ故、固定機能部と封止機能部との連結部を、上記締結部の先端と同等もしくはそれよりも基端側に配置することにより、シール部材や伝達部材に固定機能部の圧縮変形による応力が加わることを防ぐことができる。
この場合には、上記固定機能部の圧縮変形による応力が、シール部材や伝達部材に伝わることをより確実に防ぐことができる。すなわち、燃焼圧センサを内燃機関に取り付ける際に、場合によっては、上記締結部においても軸方向の変形が若干生じることがある。そこで、上記連結部を上記固定機能部の基端に形成することにより、上記締結部における変形の影響も排除することができる。
この場合には、上記固定機能部と上記封止機能部との形成を容易に行うことができ、製造容易な燃焼圧センサを得ることができる。
この場合には、燃焼圧検出機能とグロープラグ機能とを一つの部品に集約することができるため、低コスト化、省スペース化、組み付け性の向上を図ることができる。
この場合には、伝達部材の変位に対する封止部全体の変位を十分に小さくして、燃焼圧の検出精度を向上させることができる。
その結果、測定される燃焼圧にばらつきが生じることを抑制することができ、燃焼圧の検出精度を十分に向上させることができる。
この場合には、上記バネ定数比を十分に大きくすることができる。これにより、伝達部材の変位に対して、封止部全体の変位を一層小さくすることでき、燃焼圧の検出精度を一層向上させることができる。
この場合には、封止部と伝達部材とを比較すると、前者の方がバネ定数が大きい。そのため、伝達部材の変位に対して封止部の変位をより一層小さくすることができる。その結果、測定される燃焼圧にばらつきが生じることを抑制することができ、燃焼圧の検出精度をより一層向上させることができる。
本発明の実施例にかかる燃焼圧センサにつき、図1、図2を用いて説明する。
本例の燃焼圧センサ1は、図1に示すごとく、内燃機関の燃焼室61内における燃焼圧を検出するためのセンサであって、以下のハウジング2と伝達部材3と荷重検出部4とシール部材5とを有する。
ハウジング2は、先端側が燃焼室61側に位置するように内燃機関に取り付けられる中空状の部材である。
伝達部材3は、先端受圧部31をハウジング2の先端部21から露出させるようにハウジング2の軸孔22にスライド可能に挿通配置され、燃焼室61の燃焼圧を伝達する部材である。
シール部材5は、荷重検出部4よりも先端側においてハウジング2と伝達部材3との間の隙間11を塞ぐ。
固定機能部24と封止機能部25とは、軸方向の伸縮が互いに規制されないような状態で連結部26において連結されている。
固定機能部24は、略円筒形状を有すると共にその基端部付近の外周面に、雄ネジを形成した締結部241を有する。
封止機能部25は、固定機能部24の内径よりも小さい外径の略円筒形状を有すると共に、その基端部に荷重検出部4を搭載する搭載部251を有する。
なお、本例においては、荷重検出部4に歪みゲージを用いる例を示したが、荷重検出部としては、圧電素子等、他の手段を用いることもできる。
かかる構成により、グロープラグに通電して発熱部材を発熱させ、先端受圧部31を通じて燃焼室61内の雰囲気温度を上昇させることができる。
前述したとおり、本例の燃焼圧センサ1は、ディーゼルエンジン等の内燃機関のエンジンヘッド部62に挿通固定されている。
そして、燃焼室61内の燃焼圧は、伝達部材3の先端受圧部31にて受圧されて伝達部材3の基端側へと伝達される。このとき、伝達部材3には、軸方向の変位が生じる。
そして、この伝達部材3の軸方向の変位が、前述したとおり歪みゲージからなる検出素子41によって検出されて、燃焼圧が測定される。
その結果、上記封止部の変位を検出素子41が検出することによって、測定される燃焼圧にばらつきが生じてしまう可能性がある。
すなわち、燃焼圧センサ1においては、封止機能部25及びシール部材5の軸方向の変形がともに弾性範囲内である場合において、封止機能部25のバネ定数K1とシール部材5のバネ定数K2との比である第一バネ定数比K1/K2を、K1/K2≧1.5とした。
なお、上記封止部のバネ定数K3は、K1・K2/(K1+K2)である。
本例の燃焼圧センサ1は、ハウジング2と伝達部材3との間の隙間11を塞ぐシール部材5を有する。これにより、燃焼室61における燃焼ガスがハウジング2と伝達部材3との間の隙間11に侵入することを防ぐことができ、ハウジング2内の温度上昇を抑制することができる。それ故、ハウジング2と伝達部材3との間に配設された荷重検出部4への熱負荷を低減することができる。
その結果、耐久性に優れた燃焼圧センサ1を得ることができる。
また、伝達部材3の先端受圧部31はグロープラグを構成している。これにより、燃焼圧検出機能とグロープラグ機能とを一つの部品に集約することができるため、低コスト化、省スペース化、組み付け性の向上を図ることができる。
すなわち、本例においては、ハウジング2は封止機能部25と固定機能部24とに分かれている。このため、従来のものに比べてハウジング2の剛性が低くなっており、伝達部材3のみならず、封止機能部25とシール部材5とからなる封止部にも軸方向の変位が生じることとなる。そして、燃焼圧センサ1においては、この封止部の変位のうち、特にシール部材5の変位が顕著に検知されてしまう。このように、封止部における変位が燃焼圧センサ1にて検知されると、伝達部材3以外で検出された変位までもが検知されることとなるため、場合によっては測定される燃焼圧にばらつきが生じ燃焼圧の検出精度が低下してしまう可能性がある。したがって、本例の構成において、燃焼圧の検出精度のさらなる向上を図るためには、伝達部材3の変位に対して、封止部の変位を十分に小さくする必要がある。
その結果、測定される燃焼圧にばらつきが生じることを抑制することができ、燃焼圧の検出精度を一層向上させることができる。
本例は、図3、図4に示すごとく、クリアランス部27に充填材271を配設した燃焼圧センサ1の例である。
充填材271としては、例えば、カーボングラファイト、メタルメッシュなどを用いることができる。
また、本例においては、充填材271は、クリアランス部27の全体に充填しているが、例えばクリアランス部27の先端部付近のみなど、クリアランス部27の一部に充填材を配設してもよい。
その他は、実施例1と同様である。
また、充填材271を設けることにより、伝達部材3における先端受圧部31からエンジンヘッド62への放熱経路を短縮することができる。すなわち、充填材271をクリアランス部27に設けることにより、先端受圧部31からシール部材5、封止機能部25、充填材271、及び固定機能部25を介してエンジンヘッド62へ放熱することができる。
また、クリアランス部27へ充填材271を設けることにより、燃焼圧センサ1におけるクリアランス部27よりも内側の部分の固有振動を抑制することができる。
その他、実施例1と同様の作用効果を有する。
本例は、図5に示すごとく、ハウジング2における固定機能部24と封止機能部25との連結部26を、固定機能部24に設けた締結部241と同等の軸方向位置に形成した例である。
そして、連結部26の先端262は、締結部241の先端242よりも基端側であり、固定機能部24の基端249よりも先端側に配されている。
その他は、実施例1と同様である。
その他、実施例1と同様の作用効果を有する。
なお、本例の燃焼圧センサ1において、クリアランス部27に上記実施例2において示した充填材271を充填することもできる。
本例は、図6に示すごとく、固定機能部24と封止機能部25との間にクリアランス部(実施例1(図1、図2)における符号27参照)を設けない例である。
すなわち、固定機能部24の内周面244に、封止機能部25の外周面254が接触した状態にある。ただし、固定機能部24の内周面244と、封止機能部25の外周面254とは、互いに接合されず、互いの軸方向の伸縮を規制することはない。
そして、固定機能部24と封止機能部25とは、固定機能部24の基端における連結部26においてのみ接合されている。
その他は、実施例1と同様である。
また、伝達部材3における先端受圧部31からエンジンヘッド62への放熱経路を短縮することができる。
その他、実施例1と同様の作用効果を有する。
本例は、図7に示すごとく、固定機能部24と封止機能部25との間のクリアランス部27を、ハウジング2の先端部21から締結部241の先端242よりも基端側かつ固定機能部24の後端よりも先端側にまで設けた例である。
すなわち、クリアランス部27の基端部279が、締結部241の先端242よりも基端側かつ固定機能部25の後端よりも先端側に配置している。そして、クリアランス部27の基端部279よりも基端側においては、実施例4と同様に、固定機能部24の内周面244に、封止機能部25の外周面254が接触した状態にある。
また、固定機能部24と封止機能部25との連結部26は、固定機能部25の基端のみである。この点において、実施例3と本例とは異なる。
その他は、実施例1と同様である。
その他、実施例1と同様の作用効果を有する。
本例は、図8に示すごとく、封止機能部のバネ定数K1とシール部材のバネ定数K2との比である第一バネ定数比K1/K2と、燃焼圧の検出精度との関係を調べた例である。
すなわち、上記第一バネ定数比を種々変更した燃焼圧センサを試料として作製するとともに、それぞれの試料における燃焼圧の検出精度を調べた。本例においては、測定される燃焼圧の時間のずれ量からヒステリシスを算出し、その絶対値の大小をもってそれぞれの試料における燃焼圧の検出精度を評価した。
同図から、上記第一バネ定数比を1以上とすれば、ヒステリシスを十分に小さくしていくことができ、さらには、上記第一バネ定数比を1.5以上とすればヒステリシスを安定的に小さくできることがわかる。すなわち、第一バネ定数比を1.5以上とすれば、ヒステリシスは±2%程度でほぼ一定となり、測定される燃焼圧にばらつきが生じることを抑制することができ、燃焼圧の検出精度を一層向上させることができることがわかる。
一方、上記第一バネ定数比が1未満である場合には、ヒステリシスが急激に大きくなってしまい、燃焼圧のばらつきを十分に抑制できないことがわかる。
11 隙間
2 ハウジング
21 先端部
22 軸孔
24 固定機能部
241 締結部
25 封止機能部
26 連結部
3 伝達部材
31 先端受圧部
4 荷重検出部
5 シール部材
61 燃焼室
Claims (10)
- 内燃機関の燃焼室内における燃焼圧を検出するための燃焼圧センサであって、
先端側が上記燃焼室側に位置するように上記内燃機関に取り付けられる中空状のハウジングと、
先端受圧部を上記ハウジングの先端部から露出させるように上記ハウジングの軸孔にスライド可能に挿通配置され、上記燃焼室の燃焼圧を伝達するための伝達部材と、
上記ハウジングと上記伝達部材との間に配設され、上記ハウジングと上記伝達部材との間に作用する荷重の変化を検出する荷重検出部と、
該荷重検出部よりも先端側において上記ハウジングと上記伝達部材との間の隙間を塞ぐシール部材とを有し、
上記ハウジングは、上記内燃機関に固定するための締結部を備えた固定機能部と、該固定機能部の内側に配されると共に上記シール部材を取り付ける封止機能部とからなり、
上記固定機能部と上記封止機能部とは、軸方向の伸縮が互いに規制されないような状態で連結部において連結されていることを特徴とする燃焼圧センサ。 - 請求項1において、上記固定機能部と上記封止機能部との間には、クリアランス部が形成されていることを特徴とする燃焼圧センサ。
- 請求項2において、上記クリアランス部には、充填材が配設されていることを特徴とする燃焼圧センサ。
- 請求項1〜3のいずれか一項において、上記固定機能部と上記封止機能部との上記連結部は、上記締結部の先端と同等の軸方向位置もしくはそれよりも基端側に配置されていることを特徴とする燃焼圧センサ。
- 請求項4において、上記連結部は、上記固定機能部の基端に形成されていることを特徴とする燃焼圧センサ。
- 請求項1〜5のいずれか一項において、上記固定機能部と上記封止機能部とは、互いに別部材によって構成されていると共に上記連結部において互いに接合されていることを特徴とする燃焼圧センサ。
- 請求項1〜6のいずれか一項において、上記伝達部材の先端受圧部は、通電により発熱する発熱部材と該発熱部材に通電する電気的導通手段とを有するグロープラグを構成していることを特徴とする燃焼圧センサ。
- 請求項1〜7のいずれか一項において、上記軸方向における上記封止機能部のバネ定数をK1、上記軸方向における上記シール部材のバネ定数をK2としたとき、上記封止機能部のバネ定数K1と上記シール部材のバネ定数K2との比である第一バネ定数比K1/K2は、K1/K2≧1であることを特徴とする燃焼圧センサ。
- 請求項8において、上記第一バネ定数比は、K1/K2≧1.5であることを特徴とする燃焼圧センサ。
- 請求項8又は9において、上記軸方向における上記伝達部材のバネ定数をK4、上記封止機能部と上記シール部材とからなる系である封止部のバネ定数をK3としたとき、上記封止部のバネ定数K3と上記伝達部材のバネ定数K4との比である第二バネ定数比K3/K4は、K3/K4≧1であることを特徴とする燃焼圧センサ。
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