JP2009142468A - 自律神経調整システム - Google Patents

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雅之 三井
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文宏 西尾
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Abstract

【課題】被験者の現在の自律神経バランスを評価して、自律神経バランスを安定させるために被験者に与える非可聴音を制御することができる自律神経調整システムを提供する。
【解決手段】制御装置1は、被験者の生体情報(例えば脳波)を取得するセンサ部11と、センサ部11により取得された生体情報に基づいて被験者の自律神経バランスを評価する自律神経バランス評価機能部14と、その評価結果に基づいて自律神経バランスを安定させるように音響機器2の出力を制御する制御信号を生成する音響機器制御機能部15と、制御信号を音響機器2に送信する無線通信部13とを備える。音響機器2は、制御装置1から送信された制御信号を受信する無線通信部21と、音出力部22と、無線通信部21の受信した制御信号に基づいて音出力部22を制御することによって、音出力部22から可聴音と共に出力される非可聴音を変化させる演算処理部20とを備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、自律神経調整システムに関するものである。
近年、社会環境や生活環境の急激な変化などによって、人間には精神的あるいは肉体的な多くのストレスが加わっている。人間の様々な身体機能は、自律神経系を構成する交感神経と副交感神経とが拮抗することによって支配されているが、ストレスによって緊張状態が続くと、交感神経が刺激されて交感神経が有意に働く状態となり、その結果、交感神経と副交感神経とのバランスが崩れて、身体機能に変調を来す虞があった。
このように自律神経バランスが崩れた場合は、身体の緊張状態を解きほぐし、副交感神経を高めることで、自律神経バランスを整えれば良く、様々な方法が提案されている。例えば特許文献1に示されるバランス回復方法では、自律神経バランスの回復効果を有する芳香成分をシャンプー、ボディソープ、台所用洗剤のような基材に混合することで、これらの基材から自律神経バランスの回復効果を有する芳香成分を放出させ、自律神経バランスの回復を図っていた。
特開2003−160791号公報
上述した自律神経バランスの回復方法では、自律神経バランスの回復効果を有する芳香剤を基材に混合させているだけであり、被験者の現在の自律神経バランスを評価し、その評価結果に基づいて自律神経バランスを回復させるような手段を備えたシステムは従来提供されていなかった。
本発明は上記問題点に鑑みて為されたものであり、その目的とするところは、被験者の現在の自律神経バランスを評価して、自律神経バランスを安定させるために被験者に与える非可聴音を制御することができる自律神経調整システムを提供することにある。
ところで、図4は人間に暗騒音、非可聴音を含まない音(HCS)、非可聴音(超音波)を多く含む音(FRS)をそれぞれ聴かせた場合のα波活性度を示しており、本発明者らは、非可聴音を含まない音(HCS)を聴いている場合に比べて、非可聴音(超音波)を多く含む音(FRS)を聴いている場合の方がα波が増加して、緊張状態が緩和されることに着目し、非可聴音を含む音を出力することで、被験者の自律神経バランスを改善する自律神経調整システムを発明した。
すなわち請求項1の発明は、被験者の生体情報を取得する生体情報取得手段と、生体情報取得手段により取得された生体情報に基づいて被験者の自律神経バランスを評価する評価手段と、可聴域よりも高周波の非可聴音を含んだ音を出力する音出力手段と、評価手段の評価結果に基づいて自律神経バランスを安定させるように音出力手段の出力を制御する制御手段とを備えたことを特徴とする。
請求項2の発明は、請求項1の発明において、生体情報取得手段が、生体情報として被験者の脳波を測定する測定手段からなることを特徴とする。
請求項3の発明は、請求項1の発明において、生体情報取得手段が、生体情報として被験者の皮膚の微弱振動を測定する測定手段からなることを特徴とする。
請求項4の発明は、請求項1の発明において、生体情報取得手段が、生体情報として被験者の血管内の血流を測定する測定手段からなることを特徴とする。
請求項1の発明によれば、評価手段が、生体情報取得手段によって取得された情報に基づいて自律神経バランスを評価し、その評価結果に基づいて制御手段が音出力手段から非可聴音を含む音を出力させており、被験者の自律神経バランスに合わせた非可聴音を出力することによって、被験者の自律神経バランスの改善を図ることができる。
請求項2の発明は生体情報として被験者の脳波を、請求項3の発明は生体情報として被験者の皮膚の微弱振動を、請求項4の発明は生体情報として被験者の血管内の血流をそれぞれ測定しており、これらの生体情報をもとに被験者の自律神経バランスを評価することができる。
以下に本発明の実施の形態を図1〜図3に基づいて説明する。
図1は本発明に係る自律神経調整システムの概略的なシステム構成図であり、本システムは制御装置1と音響機器2とを主要な構成として備えている。
音響機器2は、マイクロコンピュータからなり各部の全般的な制御を行う演算処理部20と、赤外線通信やブルートゥースなどの通信方式により近距離の無線通信を行う無線通信部21と、可聴音とともに人間の可聴域よりも高周波の非可聴音を出力する音出力部22(音出力手段)とを備えている。そして、無線通信部21が制御装置1から無線信号で送信された制御信号を受信すると、この制御信号に基づいて演算処理部20が音出力部22から出力させる非可聴音の周波数や音圧を調整するようになっている。
一方、制御装置1は、マイクロコンピュータからなる演算処理部10と、被験者の生体情報を取得するセンサ部11(生体情報取得手段)と、ROMやRAMなどからなりセンサ部11の測定データなどを記憶する記憶部12と、赤外線通信やブルートゥースなどの通信方式により近距離の無線通信を行う無線通信部13とを備えている。
また演算処理部10は、センサ部11により取得された生体情報に基づいて被験者の自律神経バランスを評価する自律神経バランス評価機能部14(評価手段)と、自律神経バランス評価機能部14の評価結果に基づいて自律神経バランスを安定させるように、音響機器2の出力を制御する音響機器制御機能部15(制御手段)とを備えている。これら自律神経バランス評価機能部14および音響機器制御機能部15は、演算処理部10が自律神経バランスの調整用プログラムを実行することによって実現されている。
センサ部11により取得される生体情報としては種々のものがあるが、本実施形態では生体情報として脳波を測定する脳波センサを用いている。
センサ部11は、図2に示すように被験者Aの耳に引っ掛けることによって頭部に装着される耳掛け式のフレーム32を備え、本体部32の頭部側の表面であって、耳付近の皮膚と接触する部位には脳波検出用の電極33が取り付けられている。センサ部11では、電極33を介して取り込まれた微弱電流をもとに脳波を検出しており、検出結果を演算処理部10に出力する。
なおセンサ部11以外の他の回路要素を収納した器体30は、例えばベルト31を用いて被験者Aの胴体に装着されており、センサ部11と器体30内に収納された回路要素との間では有線又は無線によって信号の授受が行われている。
この自律神経調整システムでは、制御装置1のセンサ部11が生体情報として脳波を検出すると、自律神経バランス評価機能部14がセンサ部11による脳波の検出結果をもとに、α波の出現度合いから被験者Aの自律神経バランスを評価しており、α波の出現度合いが所定の基準値以上の場合は自律神経バランスが良好と判定し、α波の出現度合いが基準値よりも少ない場合は自律神経バランスが悪いと判定する。
そして、制御装置1の音響機器制御機能部15が、自律神経バランス評価機能部14の評価結果に基づいて、自律神経バランスが改善されるように、音響機器2から出力させる非可聴音の周波数あるいは音圧の何れか一方を変化させるための制御信号を、無線通信部13から音響機器2へ送信させる。
このとき音響機器2では、無線通信部13から送信された制御信号を無線通信部21が受信し、この制御信号に基づいて演算処理部20が音出力部22を制御し、可聴音に重畳して出力させる非可聴音の周波数あるいは音圧の何れか一方を変化させており、被験者の自律神経バランスに応じた非可聴音を可聴音とともに被験者に聴かせることで、自律神経バランスの回復を図っている。
このように本実施形態の自律神経調整システムでは、制御装置1の自律神経バランス評価機能部14が、センサ部11によって取得された情報に基づいて自律神経バランスを評価し、その評価結果に基づいて音響機器制御機能部15が音響機器2から可聴音とともに出力される非可聴音の出力を制御しており、被験者の自律神経バランスに合わせた非可聴音を出力することによって、被験者の自律神経バランスを確実に回復させることができる。
なお本実施形態では、制御装置1の音響機器制御機能部15が、自律神経バランスの評価結果に基づいて、音響機器2から出力させる非可聴音の周波数または音圧の何れか一方を変化させているが、非可聴音の周波数と音圧を両方共に変化させても良く、被験者の自律神経バランスが回復するように非可聴音を変化させてやれば良い。
また音響機器2から非可聴音を出力する際に、被験者の好みに合わせた音楽と一緒に非可聴音を出力するようにしても良く、被験者の緊張状態を解きほぐす効果をより一層高めることができる。
また本実施形態では生体情報として脳波を測定する場合について説明したが、センサ部11により測定される生体情報を脳波に限定する趣旨のものではなく、例えば被験者Aの体表、特に緊張状態によって微弱振動(マイクロバイブレーション)が現れやすい部位に装着される加速度センサを備え、当該加速度センサによって被験者Aの皮膚の微弱振動を生体情報として検出するセンサ部を用い、被験者Aの皮膚の微弱振動に基づいて自律神経バランス評価機能部14が被験者Aの自律神経バランスを評価しても良い。
またセンサ部11により、生体情報として被験者の血管内の血流や脈拍を測定することも好ましい。図3は血流や脈拍を検出するセンサ部11の一例を示しており、手40の指41に装着される指サック34を備え、指サック34における人体との接触部位に発光素子と受光素子とを配置してある。センサ部11では、発光素子から被験者Aの指に照射された光を受光素子で受光しており、血管の容積変化に応じて発生する光吸収量の変化に基づいて血流を計測し、その検出結果を演算処理部10に出力する。そして、自律神経バランス評価機能部14では、センサ部11により測定された血流、または、血流の時間的な変化から求めた脈拍に基づいて被験者Aの自律神経バランスを評価する。なおセンサ部11が被験者の指の血流を測定する代わりに、被験者の手首に装着されるリストバンド34に発光素子と受光素子とを組み込み、手首の血管の血流を測定するようにしても良い。また血流の測定方法としては、発光素子と受光素子とを用いた測定方法に限定されるものではなく、例えば掌の温度から血流状態を測定するようにしても良い。
また本実施形態では、制御装置1が被験者の自律神経バランスを評価した結果に基づいて音響機器2の出力を制御しているが、被験者に作用して被験者の自律神経バランスを改善させる機能を有した対処機器を制御することも考えられる。このような対処機器としては、例えば被験者の肩や腰などを指圧したり揉みほぐすことによって被験者の緊張状態を緩和するマッサージ機や、例えば被験者の足の指先に取り付けられ、足指に微振動を加えることによって抹消関節を揺らしてマッサージを行うマッサージ機や、椅子全体を揺らすことによって被験者の全身に揺らぎを与えたり、被験者の下半身が乗っている部分のみを横方向に揺らすことで、被験者の下半身に揺らぎを与えるリクライニングチェアのような回復関連機器を用いても良いし、例えば乗馬を模した運動をユーザに行わせる乗馬型の他動運動機器のように、被験者に運動を行わせることで健康増進を図る運動関連機器を用いても良い。
本実施形態の自律神経調整システムの概略的なシステム構成図である。 同上に用いるセンサ部の一例を示す説明図である。 同上に用いるセンサ部の他の例を示す説明図である。 人に聴かせる音とα波の関係を説明する説明図である。
符号の説明
1 制御装置
2 音響機器
11 センサ部(生体情報取得手段)
13 無線通信部
14 自律神経バランス評価機能部(評価手段)
15 音響機器制御機能部(制御手段)
20 演算処理部
21 無線通信部
22 音出力部(音出力手段)

Claims (4)

  1. 被験者の生体情報を取得する生体情報取得手段と、生体情報取得手段により取得された生体情報に基づいて被験者の自律神経バランスを評価する評価手段と、可聴域よりも高周波の非可聴音を含んだ音を出力する音出力手段と、評価手段の評価結果に基づいて自律神経バランスを安定させるように音出力手段の出力を制御する制御手段とを備えたことを特徴とする自律神経調整システム。
  2. 生体情報取得手段が、前記生体情報として被験者の脳波を測定する測定手段からなることを特徴とする請求項1記載の自律神経調整システム。
  3. 生体情報取得手段が、前記生体情報として被験者の皮膚の微弱振動を測定する測定手段からなることを特徴とする請求項1記載の自律神経調整システム。
  4. 生体情報取得手段が、前記生体情報として被験者の血管内の血流を測定する測定手段からなることを特徴とする請求項1記載の自律神経調整システム。
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