JP2009141746A - 情報処理装置および方法、並びにプログラム - Google Patents

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Abstract

【課題】簡単に、ユーザの嗜好情報を共有することができるようにする。
【解決手段】クライアント機器111は、楽曲推薦サーバ121によって嗜好プロファイル(UP-1)に基づいて推薦された推薦楽曲リストから推薦楽曲IDリストを生成し、クライアント機器112に送信する。クライアント機器112は、受信した推薦楽曲IDリストから嗜好プロファイル(UP-2)を生成し、楽曲推薦サーバ122に送信し、楽曲推薦サーバ122は、受信した嗜好プロファイル(UP-2)から推薦楽曲リストを生成し、クライアント機器112に送信する。そして、クライアント機器112は、受信した推薦楽曲リストを提示する。本発明は、コンテンツ推薦システムに適用可能である。
【選択図】図1

Description

本発明は、情報処理装置および方法、プログラム、並びに情報処理システムに関し、特に、簡単に、ユーザの嗜好情報を共有することができるようにした情報処理装置および方法、プログラム、並びに情報処理システムに関する。
従来、利用者の嗜好に基づいてテレビジョン番組、楽曲等のコンテンツを検索して推薦する、いわゆるコンテンツパーソナライゼーションのための発明が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
コンテンツパーソナライゼーションには、協調フィルタリングと称される手法(以下、CF手法という)やコンテントベーストフィルタリングと称される手法(以下、CBF手法という)が広く使われている。
CF(Collaborative Filtering)手法は、各利用者の購入履歴を管理し、コンテンツを推薦しようとする利用者に対し、購入履歴が似ている他の利用者を検出して、当該他の利用者が購入しており、かつ、利用者が購入してないコンテンツを推薦するようにしたものであり、例えば、インターネット上の通信販売サイトにおいて利用されている。
CBF(Content Based Filtering)手法は、コンテンツに対して配信側や販売側によってあらかじめ付与されているメタデータが直接的に嗜好の抽出やコンテンツの推薦に利用されていた。すなわち、利用者の嗜好を示す特徴ベクトルと、候補となる各楽曲の特徴ベクトルとの距離(余弦相関等)を算出し、算出された距離の短い楽曲が利用者の嗜好に合致したものとして推薦されるようになされている。
特開2004−194107号公報
しかしながら、多くの機器で独自に嗜好情報が抽出されている現状では、ある機器でせっかく得たユーザの嗜好モデルが、別の機器では全く使用することができないという事態が発生し、問題となっている。
この問題に対して、嗜好表現のスキーマを統一するというアプローチが考えられるが、例えばテレビ番組と楽曲、映画等のコンテンツの種類により、メタデータの種類が異なり、さらに同じ種類でも機器毎に形式が異なるため、この手法を採用することは現実的であるとは言えない。
一方、コンテンツのメタデータを各機器で理解できるようにする、いわゆるメタ共有のアプローチも存在する。その場合には、各機器での理解のベースとなるオントロジー、あるいは辞書の共有が必須となり、さらに、そこから嗜好プロファイルを生成するためには他機器での操作の意味を理解することも必要となるため、操作オントロジーも必要になる。オントロジーの整備は、領域を区切っても困難を極めるため、それが扱えるメディア種類(楽曲、テレビ番組、映画、本等)の異なる機器間での共有となると、この手法を採用することも現実的であるとは言えない。
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、異なる機器間において、簡単に、ユーザの嗜好情報を共有することができるようにするものである。
本発明の第1の側面の情報処理装置は、第1のユーザに使用される情報処理装置において、前記第1のユーザの嗜好情報に基づいて推薦されたコンテンツを一意に識別するための識別子を少なくとも含んでいる推薦情報を生成する生成手段と、生成した前記推薦情報を、前記第1のユーザと同一または異なる第2のユーザに使用され、前記推薦情報に含まれる前記識別子に基づいて推薦されたコンテンツの提示を行う他の情報処理装置に送信する送信手段とを備える。
前記識別子は、所定の規格に準拠している標準体系または独自の規格である独自体系のいずれかの体系に属しており、前記生成手段は、前記識別子が前記標準体系である場合、前記標準体系の識別子に基づいて、前記推薦情報を生成する。
前記推薦情報には、前記識別子の他に、前記コンテンツを識別するための識別情報が含まれており、前記生成手段は、前記識別子が前記独自体系である場合、前記識別情報から前記標準体系の識別子の特定を行う管理装置に問い合せることで得られた前記識別情報に対応する前記標準体系の識別子に基づいて、前記推薦情報を生成する。
前記推薦情報には、前記第1のユーザの性質を表わす性質情報が含まれている。
前記送信手段は、前記推薦情報を前記管理装置に送信し、前記管理装置は、前記推薦情報を履歴として蓄積する。
前記コンテンツの種類は、楽曲、静止画、動画、または電子書籍であり、それらの種類ごとの体系で前記識別子が構築されている。
本発明の第1の側面の情報処理方法は、第1のユーザに使用される情報処理装置の情報処理方法において、前記第1のユーザの嗜好情報に基づいて推薦されたコンテンツを一意に識別するための識別子を少なくとも含んでいる推薦情報を生成し、生成した前記推薦情報を、前記第1のユーザと同一または異なる第2のユーザに使用され、前記推薦情報に含まれる前記識別子に基づいて推薦されたコンテンツの提示を行う他の情報処理装置に送信させる制御を行うステップを含む。
本発明の第1の側面のプログラムは、上述した本発明の第1の側面の情報処理方法に対応するプログラムである。
本発明の第1の側面の情報処理装置および方法、並びにプログラムにおいては、第1のユーザの嗜好情報に基づいて推薦されたコンテンツを一意に識別するための識別子を少なくとも含んでいる推薦情報が生成され、生成された推薦情報が、第1のユーザと同一または異なる第2のユーザに使用され、推薦情報に含まれる識別子に基づいて推薦されたコンテンツの提示を行う他の情報処理装置に送信される。
本発明の第2の側面の情報処理装置は、第1のユーザに使用される情報処理装置において、前記第1のユーザと同一または異なる第2のユーザに使用され、前記第2のユーザの嗜好情報に基づいて推薦されたコンテンツを一意に識別するための識別子を少なくとも含んでいる推薦情報を生成する他の情報処理装置から送信されてくる前記推薦情報を受信する受信手段と、受信した前記推薦情報に基づいて推薦されたコンテンツを前記第1のユーザに提示する提示手段とを備える。
前記識別子は、所定の規格に準拠している標準体系または独自の規格である独自体系のいずれかの体系に属しており、前記提示手段は、前記識別子が前記標準体系である場合、前記標準体系の識別子に基づいて推薦されたコンテンツを提示する。
前記推薦情報には、前記識別子の他に、前記コンテンツを識別するための識別情報が含まれており、前記提示手段は、前記識別子が前記独自体系である場合、少なくとも前記識別情報から前記独自体系の識別子に対応するコンテンツを特定して推薦する推薦装置に問い合せることで推薦された前記識別情報に対応するコンテンツを提示する。
前記推薦情報には、前記第2のユーザの性質を表わす性質情報が含まれている。
前記提示手段は、前記第1のユーザによる所望のコンテンツと、前記推薦情報に基づいて推薦されたコンテンツとの種類が異なる場合、前記推薦情報に基づいて所定の種類のコンテンツを推薦する管理装置に問い合せることで推薦された所望の種類のコンテンツを提示する。
前記管理装置は、前記推薦情報を蓄積するとともに、蓄積された前記推薦情報に基づいたコンテンツの推薦を行ない、前記提示手段は、前記管理装置から推薦されたコンテンツを提示する。
前記管理装置から推薦されたコンテンツに対する前記第1のユーザの嗜好に関する嗜好応答を前記管理装置に送信する送信手段をさらに備え、前記管理装置は、前記推薦情報とともに前記嗜好応答を蓄積し、蓄積された推薦情報および嗜好応答に基づいてコンテンツを推薦する。
前記コンテンツの種類は、楽曲、静止画、動画、または電子書籍であり、それらの種類ごとの体系で前記識別子が構築されている。
本発明の第2の側面の情報処理方法は、第1のユーザに使用される情報処理装置の情報処理方法において、前記第1のユーザと同一または異なる第2のユーザに使用され、前記第2のユーザの嗜好情報に基づいて推薦されたコンテンツを一意に識別するための識別子を少なくとも含んでいる推薦情報を生成する他の情報処理装置から送信されてくる前記推薦情報を受信させる制御を行ない、受信した前記推薦情報に基づいて推薦されたコンテンツを前記第1のユーザに提示するステップを含む。
本発明の第2の側面のプログラムは、上述した本発明の第2の側面の情報処理方法に対応するプログラムである。
本発明の第2の側面の情報処理装置および方法、並びにプログラムにおいては、第1のユーザと同一または異なる第2のユーザに使用され、第2のユーザの嗜好情報に基づいて推薦されたコンテンツを一意に識別するための識別子を少なくとも含んでいる推薦情報を生成する他の情報処理装置から送信されてくる推薦情報が受信され、受信された推薦情報に基づいて推薦されたコンテンツが第1のユーザに提示される。
本発明の第3の側面の情報処理システムは、第1のユーザにより使用される第1の情報処理装置と、前記第1のユーザと同一または異なる第2のユーザにより使用される第2の情報処理装置からなる情報処理システムにおいて、前記第1の情報処理装置は、前記第1のユーザの嗜好情報に基づいて推薦されたコンテンツを一意に識別するための識別子を少なくとも含んでいる推薦情報を生成する生成手段と、生成した前記推薦情報を前記第2の情報処理装置に送信する送信手段とを備え、前記第2の情報処理装置は、前記第1の情報処理装置から送信されてくる前記推薦情報を受信する受信手段と、受信した前記推薦情報に含まれる前記識別子に基づいて推薦されたコンテンツを前記第2のユーザに提示する提示手段とを備える。
本発明の第3の情報処理システムにおいては、第1の情報処理装置によって、第1のユーザの嗜好情報に基づいて推薦されたコンテンツを一意に識別するための識別子を少なくとも含んでいる推薦情報が生成され、生成された推薦情報が第2の情報処理装置に送信され、第2の情報処理装置によって、第1の情報処理装置から送信されてくる推薦情報が受信され、受信された推薦情報に含まれる識別子に基づいて推薦されたコンテンツが第2のユーザに提示される。
以上の如く、本発明によれば、簡単に、ユーザの嗜好情報を共有することができる。
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本発明を適用したコンテンツ推薦システムの一実施の形態の構成を示すブロック図である。
コンテンツ推薦システム1は、クライアント機器111、クライアント機器112、楽曲推薦サーバ121、楽曲推薦サーバ122、およびブローカサーバ13から構成される。
なお、図1の例のコンテンツ推薦システム1の取り扱うコンテンツの種類は、音楽(楽曲)であるとされている。換言すると、コンテンツ推薦システム1は、特に楽曲のダウンロードサービスにおける嗜好抽出を行うことが可能なシステムとされている。それ故、図1の例では、楽曲推薦サーバ121、楽曲推薦サーバ122、およびブローカサーバ13が設けられているのである。
また、以下、説明の簡略上、クライアント機器111にダウンロードされて再生された楽曲を、そのクライアント機器111を使用するユーザにとっての好みの楽曲(以下、嗜好楽曲と称する)として取り扱うものとする。
クライアント機器111は、例えば、携帯型音楽プレーヤやパーソナルコンピュータ、携帯電話機等の楽曲を再生可能な機器である。クライアント機器111は、楽曲推薦サーバ121から推薦された楽曲を再生する。
クライアント機器111は、制御部211、入力部221、通信部231、推薦提示部241、曲再生部251、履歴蓄積部261、嗜好抽出部271、初期登録部281、および嗜好プロファイル蓄積部291を含むようにして構成される。
制御部211は、入力部221から供給される操作信号に基づいて、クライアント機器111の各部の動作を制御する。このとき、入力部221は、ユーザによるクライアント機器111の操作に基づいて、操作信号を制御部211に供給する。
通信部231は、制御部211の制御にしたがって、クライアント機器112や楽曲推薦サーバ121等の他の機器との通信を行う。
推薦提示部241は、通信部231を介して楽曲推薦サーバ121から配信された、クライアント機器111を利用するユーザに推薦すべき楽曲(以下、推薦楽曲と称する)をユーザに提示する。より正確には、推薦楽曲の提示とは、推薦楽曲全体の再生による提示を意味する訳ではなく、例えば、楽曲推薦の一部分の再生による提示や、推薦楽曲のメタデータから生成される情報の提示、具体的には画像情報の表示による提示や、音声情報の音声出力による提示等を意味する。
ユーザが、この推薦を受け入れて、その推薦楽曲を視聴する指示を、入力部221を介して制御部211に与えると、曲再生部251は、指示された楽曲の再生を行う。
この曲再生部251により再生された楽曲、すなわち、ユーザが推薦を受け入れて視聴した楽曲が、本実施の形態では、ユーザの嗜好楽曲とみなされる。そこで、その嗜好楽曲に関する情報、例えば本実施の形態ではメタデータが、再生履歴情報として履歴蓄積部261に蓄積される。
なお、履歴蓄積部261に蓄積される再生履歴情報は、楽曲推薦サーバ121からの推薦を受け入れて視聴した楽曲に限らず、例えば、リッピングされた楽曲の再生や、他の機器から取得した楽曲の再生等の再生した楽曲に関する履歴であればよい。従って、履歴蓄積部261には、クライアント機器111を使用するユーザによって視聴された嗜好楽曲の再生履歴情報が蓄積される。
嗜好抽出部271は、履歴蓄積部261に蓄積された再生履歴情報から、ユーザの嗜好情報を抽出し、嗜好プロファイルとして、嗜好プロファイル蓄積部291に蓄積する。なお、ユーザの嗜好情報の抽出方法は、特に限定されず、例えば、コンテントベーストフィルタリング等の手法を適用することができる。
また、以下、説明を分かり易くするために、クライアント機器111を使用するユーザの嗜好プロファイルのことを、UP-1とも称して説明する。なお、本実施の形態において、プロファイルとは、ユーザの再生履歴情報から抽出した嗜好モデルおよびユーザ個人を特徴付けるモデルを意味する。
一方、初期登録部281には、他の機器から提供される、同一または他のユーザの嗜好情報を、初期登録データとして登録する。嗜好抽出部271は、初期登録部281に登録された初期登録データから、ユーザの嗜好情報を抽出し、嗜好プロファイル蓄積部291に蓄積する。
以上のようにクライアント機器111は構成される。
楽曲推薦サーバ121は、例えば、専用のサーバ等であり、かかるクライアント機器111からの要求に応じて、クライアント機器111を使用するユーザの嗜好に合った推薦楽曲を推薦する。
楽曲推薦サーバ121は、通信部311、楽曲推薦エンジン321、楽曲アイテムデータベース331、および楽曲登録ID管理部341を含むようにして構成される。
通信部311は、クライアント機器111等の他の機器と通信を行う。
楽曲アイテムデータベース331には、ダウンロード可能な複数の楽曲がそのメタデータと関連付けられて蓄積されている。
なお、本実施の形態では、楽曲推薦サーバ121は、楽曲のダウンロードサービス自体も行っているため、楽曲アイテムデータベース331には、ダウンロード対象の楽曲の実データ自体も蓄積されている。換言すると、楽曲のダウンロードサービスは、別のサーバが行ない、楽曲推薦サーバ121は、楽曲推薦のみを行うとした場合には、楽曲のメタデータのみを楽曲アイテムデータベース331に蓄積させることができる。
また、以下、説明の簡略上、特に断りのない限り、楽曲が伝達されると表現した場合には、楽曲の実データとともに、そのメタデータも伝達されることを意味するとする。
楽曲推薦エンジン321は、楽曲アイテムデータベース331に蓄積されている複数の楽曲のなかから、クライアント機器111を利用するユーザに推薦すべき推薦楽曲を選択し、通信部311を介して、クライアント機器111に提供する。このため、楽曲推薦エンジン321は、類似度演算部32A1を有している。
類似度演算部32A1は、クライアント機器111から送信されてくる嗜好プロファイル(UP-1)と類似する楽曲、すなわち、クライアント機器111のユーザの嗜好楽曲と類似する楽曲を、推薦楽曲の候補(以下、推薦楽曲候補と称する)として選択する。なお、類似度演算部32A1の類似度演算手法は特に限定されず、例えば、各楽曲のメタデータをベクトル化して、それらの各ベクトル間のコサイン距離等で類似度を演算する、といった手法を採用できる。
楽曲登録ID管理部341は、楽曲を一意に識別するIDに関係する処理を行う。
ここで、楽曲を一意に識別するIDには、複数のダウンロードサービスにおいて標準化された共通のIDである標準IDと、特定のダウンロードサービスにおいて独自に割り当てられたIDである独自IDの2種類のIDが存在する。すなわち、独自IDを割り当てているサービス(以下、独自ID体系と称する)においては、ある楽曲にIDを付与する際に標準IDを割り当てているサービス(以下、標準ID体系と称する)とは異なる独自IDで登録をするため、同じ楽曲であってもIDが異なることになる。
例えば、楽曲推薦サーバ121が独自ID体系となる楽曲のダウンロードサービスを提供している場合、楽曲アイテムデータベース331に蓄積されている楽曲には、独自IDが付与されている。楽曲登録ID管理部341は、クライアント機器111からある楽曲の標準IDに対応する独自IDの問い合せを受けた場合、例えば、楽曲のタイトルテキスト等の情報を用いて、楽曲アイテムデータベース331に蓄積されている楽曲に対して、テキスト曖昧検索処理を実行することで、標準IDを独自IDに翻訳(変換)する処理を行う。
また、楽曲登録ID管理部341は、新たな楽曲を楽曲アイテムデータベース331に登録する際に、その楽曲に対してIDを付与する。すなわち、楽曲登録ID管理部341は、新たな楽曲に対して、標準ID体系の場合には標準IDを付与し、独自ID体系の場合には独自IDを付与する。
以上のように楽曲推薦サーバ121は構成される。
クライアント機器112は、クライアント機器111と同様に、楽曲のダウンロードサービスを受けている楽曲推薦サーバ122から推薦された推薦楽曲をユーザに提示し、ユーザから視聴が指示された場合にその推薦楽曲を再生する。
クライアント機器112において、制御部212乃至嗜好プロファイル蓄積部292は、クライアント機器111の制御部211乃至嗜好プロファイル蓄積部291と同様であるので、その説明は省略する。但し、クライアント機器112を使用するユーザの嗜好プロファイルは、上記のUP-1と区別する目的で、以下UP-2と称して説明する。
なお、図1の例では、クライアント機器111とクライアント機器112の2台のクライアント機器を図示しているが、図1の例に限定されず、さらに多くのクライアント機器11n(nは自然数)を設けることも可能である。実際には、多数のユーザが存在し、また、取り扱うコンテンツの種類も様々であることから、多数のクライアント機器が存在することになろう。また、特に、クライアント機器111乃至11nを区別する必要がない場合には、単に、クライアント機器11と称して説明する。
楽曲推薦サーバ122は、楽曲推薦サーバ121と同様に、自身の提供する楽曲のダウンロードサービスを受けているクライアント機器112に対し、推薦楽曲を配信する。
楽曲推薦サーバ122において、通信部312乃至楽曲登録ID管理部342は、楽曲推薦サーバ121の通信部311乃至楽曲登録ID管理部341と同様であるので、その説明は省略する。
なお、図1の例では、楽曲推薦サーバ121と楽曲推薦サーバ122の2台の楽曲推薦サーバを図示しているが、図1の例に限定されず、さらに多くの楽曲推薦サーバ12n(nは自然数)を設けることも可能である。また、特に、楽曲推薦サーバ121乃至12nを区別する必要がない場合には、単に、楽曲推薦サーバ12と称して説明する。
さらに、説明の都合上、楽曲推薦サーバ121により提供される楽曲ダウンロードサービスであって、クライアント機器111の受けているサービスを、サービスS1と称し、楽曲推薦サーバ122により提供される楽曲ダウンロードサービスであって、クライアント機器112の受けているサービスを、サービスS2と称して説明する。
ブローカサーバ13は、例えば専用のサーバ等であり、クライアント機器11からの問い合せに応じて楽曲を同定し、標準IDと結び付ける。
ブローカサーバ13は、制御部41、通信部42、IDマッピングデータベース43、楽曲登録ID管理部44、およびログマイニング部45を含むようにして構成される。
制御部41は、ブローカサーバ13の各部の動作を制御する。
通信部42は、制御部41の制御にしたがって、クライアント機器11等の他の機器と通信を行う。
IDマッピングデータベース43には、複数の楽曲に関する情報が標準ID体系で構築されている。楽曲登録ID管理部44は、クライアント機器11からの問い合せに応じて、IDマッピングデータベース43を参照して、例えば、テキスト解析や特徴解析、フィンガープリント、12音解析等の楽曲を同定するための処理を行い、同定された楽曲に標準IDを結び付ける。
また、IDマッピングデータベース43には、クライアント機器11からの問い合せに応じて実行された処理に関するアクセス履歴等の各種履歴も蓄積される。ログマイニング部45は、IDマッピングデータベース43に蓄積された履歴を解析する処理を行う。
なお、IDマッピングデータベース43に、標準IDとメタデータとを関連付けて蓄積させることで、楽曲登録ID管理部44は、そのメタデータを参照して楽曲を同定することも可能となる。
以上のようにブローカサーバ13は構成される。
なお、図1の例では、説明を簡略化するため、あたかも各機器同士が直接データをやり取りするように図示しているが、実際には、各機器において直接データがやり取りされる以外にも、インターネットその他のネットワークを介して各機器間の通信が行われる意味も含んでいるのは言うまでもない。また、各機器同士が直接データをやり取りする場合には、例えば専用のドライブを取り付けて、光ディスクや半導体メモリ等からなるリムーバブルメディアを利用するようにしてもよい。
また、コンテンツ推薦システム1を構成するサーバは、図1の例では、楽曲推薦サーバ12とブローカサーバ13のみであるが、図1の例に限定されず、コンテンツ推薦システム1の用途や後述する性質情報に応じた他のサーバを採用することもできる。
以上のようにして、コンテンツ推薦システム1は構成される。
かかるコンテンツ推薦システム1においては、クライアント機器111とクライアント機器112との間でユーザの嗜好情報を共有する場合、楽曲(コンテンツ)のID体系が標準ID体系であるか、あるいは独自ID体系であるかにより、その共有方法が異なる。すなわち、サービスS1とサービスS2の両方とも標準ID体系に準拠している第1のケース、サービスS2が独自ID体系となる第2のケース、サービスS1が独自ID体系となる第3のケース、あるいはサービスS1とサービスS2の両方とも独自ID体系となる第4のケースのそれぞれのケースによって、嗜好情報の共有方法が異なる。
そこで、最初に、図2乃至図4を参照して、上記の第1のケース、すなわち、サービスS1とサービスS2の両方とも標準ID体系に準拠している場合に、コンテンツ推薦システム1で行われる、嗜好情報の共有処理について説明する。
なお、第1のケースにおいて、クライアント機器111とクライアント機器112は、同一のユーザにより使用される端末である。従って、かかる共有処理を実行することで、同じユーザにより使用される端末での嗜好情報が共有されることになる。また、以下の第1のケースの説明においては、クライアント機器112は、楽曲推薦サーバ122により提供されるサービスS2を受けているものの、まだサービス利用開始前であるために再生履歴情報等のログが存在せず、楽曲の推薦を受けられる状況にはないものとする。
ここでは、まず、図2のフローチャートを参照して、第1のケースにおいて、クライアント機器111、楽曲推薦サーバ121、およびブローカサーバ13により実行される嗜好情報の共有処理について説明し、その後、図4のフローチャートを参照して、クライアント機器112および楽曲推薦サーバ122により実行される嗜好情報の共有処理について説明する。すなわち、図2および図4のフローチャートで示される処理は、クライアント機器111で構築した嗜好プロファイル(UP-1)を、クライアント機器112でも利用可能にする際に実行される処理である。
クライアント機器111においては、嗜好抽出部271は、ステップS11において、履歴蓄積部261に蓄積された再生履歴情報から、クライアント機器111を使用するユーザの嗜好情報を抽出して、嗜好プロファイル(UP-1)を生成し、嗜好プロファイル蓄積部291に保存する。
ステップS12において、通信部231は、嗜好プロファイル蓄積部291に蓄積された嗜好プロファイル(UP-1)を、楽曲推薦サーバ121に送信する。すると、楽曲推薦サーバ121では、以下の処理が実行される。
ステップS21において、通信部311は、クライアント機器111から送信されてくる嗜好プロファイル(UP-1)を受信する。
ステップS22において、類似度演算部32A1は、受信した嗜好プロファイル(UP-1)に基づいて、クライアント機器111のユーザの嗜好楽曲と類似する楽曲を推薦楽曲候補として選択する。ステップS23において、楽曲推薦エンジン321は、類似度の演算結果に基づいて、推薦楽曲候補のなかから類似度の高い(ユーザの嗜好に近い)楽曲を選択し、推薦楽曲リストを生成する。つまり、推薦楽曲リストには、推薦楽曲候補のなかから選ばれたクライアント機器111のユーザの嗜好楽曲と類似する楽曲であって、ユーザに推薦すべき1または複数の推薦楽曲が含まれている。
ステップS23において、通信部311は、生成した推薦楽曲リストを、クライアント機器111に送信する。
そして、楽曲推薦サーバ121から推薦楽曲リストが送信されると、クライアント機器111では、ステップS13において、通信部231は、その推薦楽曲リストを受信する。これにより、クライアント機器111は、嗜好プロファイル(UP-1)に応じた推薦楽曲リストを受け取ったことになる。
ステップS14において、制御部211は、推薦楽曲リストをID列の形で表わしたリスト(以下、推薦楽曲IDリストと称する)を生成し、ステップS15において、通信部231は、その推薦楽曲IDリストを、ブローカサーバ13に送信する。
ここで、推薦楽曲IDリストのスキーマの例を示すと、図3のようになる。
図3の例で示すように、推薦楽曲IDリストの先頭には、“MUSIC”で表わされる要求するコンテンツの種類が配置される。コンテンツの種類の次には、“MUSIC”で表わされるリストのヘッダとしてコンテンツの種類を示すコードが配置される。つまり、図3の例では、要求するコンテンツ種類と、実際のコンテンツの種類が両方とも楽曲を示す“MUSIC”となっている。なお、コンテンツの種類には、図3の例で示すような“MUSIC”や、“MOVIE”等の一般名詞をアスキーコードで入れるのが望ましい。
コンテンツの種類の次にIDが標準であることを示す1ビットの“STD”が配置され、“STD”の次に、コンテンツのIDが配置され、コンテンツのIDに続いてコンテンツのタイトルが配置される。図3において、コンテンツのIDは、“S-ID”で表わされ、コンテンツのタイトルは、“Content Title”で表わされている。
続いて、“Content Title”の次には、“STD”、“S-ID”、“Content Title”の組み合わせが再度配置される。すなわち、推薦楽曲IDリストには、推薦するコンテンツの数だけ、“STD”、“S-ID”、“Content Title”の組み合わせが繰り返し配置されることになる。
以上のように構成される推薦楽曲IDリストは、例えば、マークアップ言語であるXML(extensible markup language)方式等により記述される。
なお、本実施の形態においては、クライアント機器111によって、推薦楽曲IDリストが生成されるとして説明するが、楽曲推薦サーバ121から送信されてくる推薦楽曲リストが既に図3に示すようなID列となっている場合には、その推薦楽曲リストを、そのまま推薦楽曲IDリストとして転送すればよい。
図2のフローチャートに戻り、クライアント機器111から推薦楽曲IDリストが送信されると、ブローカサーバ13では、ステップS31において、通信部42は、その推薦楽曲IDリストを受信する。ここで、第1のケースでは、クライアント機器111とクライアント機器112の両方とも標準ID体系に準拠しているため、IDをマッピングする必要がない。そこで、ステップS32において、通信部42は、制御部41の制御にしたがって、標準IDであることの確認の取れた推薦楽曲IDリストをそのままクライアント機器111に返信する。
ステップS33において、制御部41は、IDマッピングデータベース43に、クライアント機器111から受信した推薦楽曲IDリストを履歴として記録する。これにより、ブローカサーバ13は、例えばCF手法等を働かせることで、クライアント機器11に対して独自の推薦を行うことが可能となる。なお、ブローカサーバ13による推薦の詳細については後述する。
一方、ブローカサーバ13から推薦楽曲IDリストが返信されると、クライアント機器111では、ステップS16において、通信部231は、ブローカサーバ13からの推薦楽曲IDリストを受信し、ステップS17において、その推薦楽曲IDリストを、嗜好情報を共有するクライアント機器112に送信する。
図2のフローチャートにおいて、クライアント機器111により送信された推薦楽曲IDリストは、図4のフローチャートで示すように、クライアント機器112によって受信される。すなわち、ステップS41において、通信部232は、クライアント機器111から送信されてくる推薦楽曲IDリストを受信する。
制御部212は、ステップS42において、受信した推薦楽曲IDリストの“STD”(図3)を参照して、標準ID体系であることを認識し(第1のケースの場合、サービスS1とサービスS2の両方とも標準ID体系となるので、標準ID体系であると判定する)、ステップS43において、受信した推薦楽曲IDリストを、初期登録部282に登録する。
続いて、ステップS44において、嗜好抽出部272は、初期登録部282に登録された推薦楽曲IDリストから、クライアント機器111を使用するユーザの嗜好情報を抽出し、嗜好プロファイル(UP-2)として、嗜好プロファイル蓄積部292に蓄積する。
ステップS45において、通信部232は、嗜好プロファイル蓄積部292に蓄積された嗜好プロファイル(UP-2)を、楽曲推薦サーバ122に送信する。すると、楽曲推薦サーバ122では、クライアント機器111からの嗜好プロファイル(UP-1)を受け取った楽曲推薦サーバ121と同様に、嗜好プロファイル(UP-2)に基づいた推薦楽曲リストを生成する処理が行われる。
つまり、図4のステップS51乃至ステップS54においては、図2のステップS21乃至ステップS24の処理と同様に、クライアント機器112からの嗜好プロファイル(UP-2)に基づいた推薦楽曲リストが生成され、クライアント機器112に送信される。
そして、推薦楽曲リストが送信されると、クライアント機器112では、ステップS46において、通信部232は、楽曲推薦サーバ122から送信されてくる推薦楽曲リストを受信し、ステップS47において、推薦提示部242は、受信した推薦楽曲リストをユーザに提示する。これにより、クライアント機器112においても、クライアント機器111を使用するユーザの嗜好情報に基づいた楽曲の推薦を、楽曲推薦サーバ122から受けることが可能となる。
以上のように、嗜好情報を共有するサービスが共に標準ID体系に準拠している場合、推薦楽曲IDリストをマッピングせずに直接送信することができるので、その推薦楽曲IDリストを受信した受信側の機器では、受信した推薦楽曲IDリストに基づいて嗜好プロファイルを生成することで、楽曲を推薦するサーバからの推薦を受けることが可能となる。
なお、上記の第1のケースにおいては、クライアント機器111は、推薦楽曲IDリストをクライアント機器112に送信する前に、ブローカサーバ13に対しても推薦楽曲IDリストを送信する(図2のステップS15、ステップS16、およびステップS31乃至ステップS33の処理)として説明したが、ブローカサーバ13には推薦楽曲IDリストを送信しない簡略な構成とすることも可能である。その場合、ブローカサーバ13には、推薦楽曲IDリストの履歴は蓄積されないものの、クライアント機器間での嗜好情報の共有は実現できる。
次に、図5のフローチャートを参照して、上記の第2のケース、すなわち、サービスS2が独自ID体系である場合に、コンテンツ推薦システム1で行われる、嗜好情報の共有処理について説明する。
なお、サービスS2が独自ID体系である場合、サービスS1は標準ID体系となり、クライアント機器111、楽曲推薦サーバ121、およびブローカサーバ13のそれぞれで実行される処理は、図2のフローチャートで説明した処理と同様となるので、その説明は省略する。つまり、以下の第2のケースの説明は、クライアント機器111により推薦楽曲IDリストが送信される処理(図2のステップS17の処理)以降の処理の説明となる。
すなわち、図5のフローチャートで示すように、クライアント機器111から推薦楽曲IDリストが送信されると、クライアント機器112では、ステップS61において、通信部232は、クライアント機器111からの推薦楽曲IDリストを受信する。
ステップS62において、制御部212は、推薦楽曲IDリストの“STD”(図3)を参照して、独自ID体系であることを認識する(第2のケースの場合、サービスS2は独自ID体系となるので、独自ID体系であると判定する)。ステップS63において、通信部232は、制御部212の制御にしたがって、標準IDと、タイトルテキストのリスト(以下、標準ID付タイトルのリストと称する)を、楽曲推薦サーバ122に送信する。図3の例では、“S-ID”と、“Content Title”とが、楽曲推薦サーバ122に送信される。
クライアント機器112から標準ID付タイトルのリストが送信されると、楽曲推薦サーバ122では、ステップS71において、通信部312によって、その標準ID付タイトルのリストが受信される。
ステップS72において、楽曲登録ID管理部342は、受信した標準ID付タイトルのリストを用いて、楽曲アイテムデータベース332に蓄積されている楽曲に対して、テキスト曖昧検索処理等の処理を実行することで、クライアント機器111から受信した標準IDを、楽曲推薦サーバ122により提供されるサービスで使用されている独自IDに翻訳する。なお、この翻訳処理は、テキスト曖昧検索処理に限らず、楽曲とそのIDとを特定できる他の処理であっても勿論よい。例えば、クライアント機器112から推薦楽曲IDリストそのものを受信することで、楽曲登録ID管理部342は、そのリストに対して所定の信号処理を施して楽曲を同定し、自身の独自IDに翻訳することが可能となる。
ステップS73において、通信部232は、翻訳により得られた推薦楽曲リストを、クライアント機器111に送信する。
すると、クライアント機器112では、ステップS64において、通信部232は、楽曲推薦サーバ122から送信されてくる推薦楽曲リストを受信し、ステップS65において、推薦提示部242は、受信した推薦楽曲リストをユーザに提示する。これにより、標準ID体系とは異なる独自ID体系で楽曲の推薦を受けているクライアント機器112においても、クライアント機器111を使用するユーザの嗜好情報に基づいた楽曲の推薦を、楽曲推薦サーバ122から受けることが可能となる。
以上のように、嗜好情報の共有先の機器が独自ID体系である場合、受信側で標準ID体系を独自ID体系に翻訳することで、楽曲を推薦するサーバからの推薦を受けることが可能となる。
次に、図6のフローチャートを参照して、上記の第3のケース、すなわち、サービスS1が独自ID体系である場合に、コンテンツ推薦システム1で行われる、嗜好情報の共有処理について説明する。
なお、図6において、クライアント機器111により実行されるステップS81乃至ステップS83の処理と、楽曲推薦サーバ121により実行されるステップS91乃至ステップS94の処理は、それぞれ、図2のステップS11乃至ステップS13の処理と、ステップS21乃至ステップS24の処理と同様であるので、その説明は省略する。
従って、その後、クライアント機器111では、楽曲推薦サーバ121から推薦楽曲リストを受信すると、ステップS84において、制御部211は、例えば、受信した推薦楽曲リスト等に基づいて、自身が独自ID体系であることを認識する(第3のケースの場合、サービスS1は独自ID体系となるので、独自ID体系であると判定する)。
ステップS85において、通信部231は、制御部211の制御にしたがって、推薦楽曲リストに基づいた楽曲のタイトルテキストのリストを、ブローカサーバ13に送信する。なお、クライアント機器111は、タイトル等のテキストを送信することで、ブローカサーバ13に対して問い合せてもよいし、楽曲の一部の情報その他の情報を送信することで問い合せるようにしてもよい。
すると、ブローカサーバ13では、ステップS101において、通信部42は、クライアント機器111からのタイトルテキストのリストを受信し、ステップS102において、楽曲登録ID管理部44は、受信したタイトルテキストのリストに対して所定のテキスト解析処理を施すことで、楽曲を同定し、その楽曲の標準IDと結び付ける。
ステップS103において、通信部42は、制御部41の制御にしたがって、標準IDと結び付けられたタイトルテキストのリストである標準ID付タイトルリストを、クライアント機器111に返信する。
ステップS104において、制御部41は、IDマッピングデータベース43に、標準ID付タイトルリストを履歴として記録する。これにより、楽曲推薦サーバ121とクライアント機器111とが独自ID体系で動作している場合に、ブローカサーバ13側で標準IDとのマッピングの都度、標準ID付タイトルリストを蓄積することができるので、ブローカサーバ13は、例えば次回同じ問い合せがきたときに、同様の解析処理を繰り返すことなく、迅速に標準ID付タイトルリストを返信できる。
一方、ブローカサーバ13から標準ID付タイトルリストが送信されると、クライアント機器111では、ステップS86において、通信部231は、その標準ID付タイトルリストを受信する。
ステップS87において、制御部211は、受信した標準ID付タイトルリストに基づいて、推薦楽曲IDリストを生成し、ステップS88において、通信部231は、その推薦楽曲IDリストをクライアント機器112に送信する。なお、上述したように、ブローカサーバ13から送信されてくる標準ID付タイトルリストが既に図3に示すようなID列となっている場合には、その標準ID付タイトルリストを、そのまま推薦楽曲IDリストとして転送すればよい。
その後、クライアント機器111から送信された推薦楽曲IDリストを受信したクライアント機器112においては、標準ID体系に準拠している場合には、第1のケースと同様の処理が行われる。すなわち、図4のフローチャートに示したように、例えば、クライアント機器112によって、嗜好プロファイル(UP-2)が生成され、その嗜好プロファイル(UP-2)に基づいて生成された推薦楽曲リストが提示される。
以上のように、サービスS1が独自ID体系である場合、クライアント機器112に推薦楽曲IDリストを送信する前に、ブローカサーバ13に問い合せて、独自ID体系を標準ID体系に翻訳してから送信することで、サービスS2側では、標準ID体系のリストを受信することが可能となる。
最後に、上記の第4のケース、すなわち、サービスS1とサービスS2の両方とも独自ID体系である場合に、コンテンツ推薦システム1で行われる、嗜好情報の共有処理について説明する。
なお、サービスS1とサービスS2の両方とも独自ID体系である場合、クライアント機器111、楽曲推薦サーバ121、およびブローカサーバ13のそれぞれで実行される処理は、図6のフローチャートで説明した処理と同様となり、クライアント機器112および楽曲推薦サーバ122のそれぞれで実行される処理は、図5のフローチャートで説明した処理と同様である。
すなわち、図6を参照して説明したように、クライアント機器111は、ブローカサーバ13に問い合せることで、推薦楽曲IDリストを生成して、クライアント機器112に送信する。その後、図5を参照して説明したように、クライアント機器112は、標準ID付タイトルのリストを楽曲推薦サーバ122に送信することで、推薦楽曲リストを取得することができる。
以上のように、サービスS1とサービスS2の両方とも独自ID体系である場合、サービスS1側では、クライアント機器111は、ブローカサーバ13に問い合せて、サービスS1の独自ID体系を標準ID体系に翻訳してから推薦楽曲IDリストを送信し、サービスS2側では、クライアント機器112は、その推薦楽曲IDリストを受信し、楽曲推薦サーバ122に問い合せることで、サービスS2の独自ID体系となった推薦楽曲リストを提示することが可能となる。
このように、第1のケース乃至第4のケースにおいて、サービスS1とサービスS2は、独自ID体系または標準ID体系のいずれかのID体系となるが、本実施の形態においては、それらのID体系の違いを吸収できるようにすることで、ID体系と関係なく、ある機器で得られた楽曲に対する嗜好情報を、他の機器でも活用することができる。つまり、第1のケース乃至第4のケースのいずれであっても、メタデータやプロファイルの厳密な規格なしに、またそれゆえに機器独自の解釈と利用方法を許容するかたちで実現可能である。
ところで、上述した第1のケース乃至第4のケースにおいては、楽曲同士、すなわち、同種のコンテンツを機器間で共有する例について説明したが、コンテンツは同種に限らず、例えば楽曲と映画等、異種のコンテンツを機器間で共有することもできる。そこで、以下、第5のケースとして、異種コンテンツを共有する例について説明する。
図7は、本発明を適用したコンテンツ推薦システムの一実施の形態の他の構成を示すブロック図である。
図7のコンテンツ推薦システム51において、図1と同様の箇所には、同一の符号が付してあり、処理が同じ部分に関しては、その説明は繰り返しになるので省略する。すなわち、この例においては、図1のクライアント機器112と楽曲推薦サーバ122の代わりに、クライアント機器113と映画推薦サーバ123が設けられている。また、クライアント機器113は、映画推薦サーバ123により提供される映画ダウンロードサービス(以下、サービスS3と称する)を受けている。
クライアント機器113において、映画再生部253以外の構成は、図1のクライアント機器111およびクライアント機器112の構成と同様である。映画再生部253は、推薦提示部243に提示された、クライアント機器113を利用するユーザに推薦すべき映画(以下、推薦映画と称する)の視聴が指示された場合、指示された映画の再生を行う。
すなわち、クライアント機器113は、図1のクライアント機器111等と比較すると、楽曲の代わりに映画を再生する点を除けば、図1のクライアント機器111等と同様の機能を有している。但し、クライアント機器113を使用するユーザの嗜好プロファイルは、上記のUP-1およびUP-2と区別する目的で、UP-3と称して説明する。
一方、映画推薦サーバ123は、通信部313、映画推薦エンジン323、映画アイテムデータベース333、および映画登録ID管理部343を含むようにして構成される。映画推薦サーバ123は、図1の楽曲推薦サーバ121および楽曲推薦サーバ122と比較すると、楽曲の代わりに映画を推薦する点を除けば、図1の楽曲推薦サーバ121等と同様の機能を有している。
すなわち、映画推薦エンジン323は、映画アイテムデータベース333に蓄積されている複数の映画のなかから、クライアント機器113を利用するユーザに推薦すべき推薦映画を選択し、通信部313を介して、クライアント機器113に提供する。このため、映画推薦エンジン323は、類似度演算部32A3を有している。また、映画登録ID管理部343は、映画を一意に識別するIDに関する処理を行う。
また、ブローカサーバ13は、図1のブローカサーバ13の構成と基本的に同様の構成を有しているが、図7のIDマッピングデータベース43には、楽曲-映画嗜好対応マップも蓄積されている。
ここで、楽曲-映画嗜好対応マップとは、楽曲と映画の嗜好情報を対応させたリストである。従って、制御部41は、この楽曲-映画嗜好対応マップを参照することで、推薦楽曲IDリストから、推薦映画リストをID列の形で表わしたリスト(以下、推薦映画IDリストと称する)を生成することが可能となる。なお、楽曲-映画嗜好対応マップは、例えば、あらかじめ作成しておいてもよいし、あるいは、多数のユーザから異種パターン推薦リストが送られてくることになるので、そのログに基づいた情報を、いわゆるマイニングにより順次拡充するようにしてもよい。その際には、タイプの異なるユーザごとにグループ化(クラスタリング)することも可能である。
以上のようにコンテンツ推薦システム51は構成される。
次に、図8のフローチャートを参照して、かかるコンテンツ推薦システム51において行われる第5のケースの処理、すなわち、異種コンテンツを共有する処理について説明する。
なお、図8のフローチャートにおいては、異種コンテンツを共有する際に各機器で行われる処理として、クライアント機器113側で推薦映画IDリストがほしい場合に、クライアント機器111から推薦映画IDリストではなく、推薦楽曲IDリストが送られてきた場合の処理を一例にして説明する。従って、図8のフローチャートの処理は、上述した、第1のケース(図2のステップS17の処理)、あるいは第3のケース(図6のステップS88の処理)において、クライアント機器111によって推薦楽曲IDリストが送信された後の処理となる。また、以下の第5のケースの説明においては、クライアント機器113は、映画推薦サーバ123により提供されるサービスS3を受けているものの、まだサービス利用開始前であるために再生履歴情報等のログが存在せず、映画の推薦を受けられる状況にはないものとする。
すなわち、図8のフローチャートで示すように、クライアント機器111から推薦楽曲IDリストが送信されると、クライアント機器113では、ステップS111において、通信部233は、クライアント機器111からの推薦楽曲IDリストを受信する。
続いて、ステップS112において、制御部213は、受信した推薦楽曲IDリストのコンテンツの種類を示すコード(図3の例では、左から2番目に配置された“MUSIC”)を参照して、コンテンツの種類を確認する。制御部213は、要求していたコンテンツと種類が異なる場合、クライアント機器111から受信した推薦楽曲IDリストに要求するコンテンツの種類を示すヘッダを付加する。より具体的には、クライアント機器113側では、映画の推薦を受けたかったのに、楽曲の推薦が送られてきたので、制御部213は、例えば、図3の推薦楽曲IDリストの先頭に“MOVIE”、その次に“MUSIC”をそれぞれ配置する。
ステップS113において、通信部233は、ヘッダの付加された推薦楽曲IDリストを、ブローカサーバ13に送信する。
クライアント機器113から推薦楽曲IDリストが送信されると、ブローカサーバ13では、ステップS141において、通信部42は、その推薦楽曲IDリストを受信する。
ステップS142において、制御部41は、受信した推薦楽曲IDリストの先頭を参照して、クライアント機器113から要求されたコンテンツの種類を確認する。ステップS143において、制御部41は、推薦楽曲IDリストの先頭に“MOVIE”が配置されている場合には、映画が要求されているので、IDマッピングデータベース43に蓄積されている楽曲-映画嗜好対応マップを参照し、受信した推薦楽曲IDリストから、推薦映画IDリストを生成する。
ステップS144において、通信部42は、生成された推薦映画IDリストを、クライアント機器113に送信する。
ブローカサーバ13から推薦映画IDリストが送信されると、クライアント機器113では、ステップS114において、通信部233は、その推薦映画IDリストを受信する。
ステップS115において、推薦提示部243は、受信した推薦映画IDリストに対応する推薦映画をユーザに提示する。これにより、クライアント機器113において、クライアント機器111から推薦された楽曲に基づいた映画の推薦を受けることが可能となる。
このとき、ユーザは、推薦提示部243に提示された推薦映画を確認して、推薦された映画が、自分の見たかった映画であるか否かを判断し、投票できる。つまり、ステップS116において、制御部213は、ユーザによる入力部223への操作に応じて、ユーザの推薦映画の好みを取得する。
ステップS117において、通信部233は、制御部213の制御にしたがって、取得したユーザの好きな映画に対応するIDと、クライアント機器111から推薦された推薦楽曲IDリストを含むリスト(以下、楽曲映画嗜好リストと称する)を、ブローカサーバ13に送信する。
クライアント機器113から楽曲映画嗜好リストが送信されると、ブローカサーバ13では、ステップS145において、通信部42は、その楽曲映画嗜好リストを受信する。
ステップS146において、制御部41は、受信した楽曲映画嗜好リストを、IDマッピングデータベース43の楽曲-映画嗜好対応マップに蓄積する。これにより、ブローカサーバ13には、多くのユーザからの推薦映画の好き嫌いのフィードバックに基づいた異種パターンが集まることになり、そのマイニングによりマップを拡充精緻化していくことが可能となる。また、クライアント機器113としては、楽曲映画嗜好リストをブローカサーバ13に送ることで、拡充精緻化された楽曲-映画嗜好対応マップを有するブローカサーバ13による推薦が受けられることになる。言うなれば、コンテンツの人気度に応じた知的成長型のサーバを構築することが可能となる。
一方、クライアント機器113においては、その後、ステップS118において、受信した推薦映画IDリストを、初期登録部283に登録する。続いて、ステップS119において、嗜好抽出部273は、初期登録部283に登録された推薦映画IDリストから嗜好情報を抽出し、嗜好プロファイル(UP-3)として、嗜好プロファイル蓄積部293に蓄積する。
ステップS120において、通信部233は、嗜好プロファイル蓄積部293に蓄積された嗜好プロファイル(UP-3)を、映画推薦サーバ123に送信する。すると、映画推薦サーバ123では、クライアント機器111からの嗜好プロファイル(UP-1)を受け取った楽曲推薦サーバ121等と同様に、嗜好プロファイル(UP-3)に基づいた推薦映画リストを生成する処理が行われる。
つまり、ステップS131乃至ステップS134においては、図2のステップS21乃至ステップS24の処理等と同様に、映画推薦エンジン323によって、クライアント機器113からの嗜好プロファイル(UP-3)に基づいた推薦映画リストが生成され、通信部313によって、クライアント機器113に送信される。
そして、映画推薦サーバ123から推薦映画リストが送信されると、クライアント機器113では、通信部233は、ステップS121において、その推薦映画リストを受信する。
ステップS122において、推薦提示部243は、受信した推薦映画リストをユーザに提示する。これにより、クライアント機器113において、クライアント機器111を使用するユーザの嗜好情報に基づいた楽曲による映画の推薦を、映画推薦サーバ123から受けることが可能となる。
以上のように、クライアント機器113において、所望の種類のコンテンツの推薦リストが送信されなかった場合、ブローカサーバ13に問い合せることで、その推薦リストを取得し、異種コンテンツの機器間における嗜好プロファイルの共有を行うことができる。換言すれば、例えば楽曲から映画等、種類の異なるコンテンツの領域横断推薦を行うことが可能となる。
ところで、本実施の形態においては、上述した動作に加えて、各機器間において性質情報を授受するようにしてもよい。ここで、性質情報とは、所定の種類のコンテンツについてのユーザの性質を表わす情報であって、例えば志向性、広さ、または深さ等の属性により定義される情報である。従って、例えば、クライアント機器111で得られたユーザの性質を表わす性質情報を活用して、クライアント機器112やクライアント機器113等の別の機器において、同一または別の種類のコンテンツの推薦ができるようになる。
かかる性質情報を付加した場合における推薦楽曲IDリストのスキーマの例を示すと、図9のようになる。
なお、図9において、上段の「“MUSIC”,・・・,“Content Title”,・・・」は、上述した図3と同様であるため、その説明は省略する。
すなわち、図9の例において、繰り返し配置された“STD”、“S-ID”、“Content Title”の次には、“Major”、“Value”、“Wide”、“Value”、“Deep”、“Value”で表わされる性質情報の属性付き値が配置される。つまり、図9において、志向性は“Major”で表わされ、それに続く“Value”にはその値として例えば0.32が入れられる。同様にまた、広さは“Wide”、深さは“Deep”で表わされ、それらに続く“Value”には対応する値として、例えば0.21や0.54が入れられる。
なお、この性質情報はオプションの情報であって、推薦楽曲IDリストにおける必須の情報ではないため、性質情報を配置する構成とする場合には、これらの属性を機器側で処理可能な状態となるように事前に組み込んでおく必要がある。
以上のように、ユーザの性質を示す性質情報を、推薦楽曲IDリストに付加することで、一機器から得られた性質情報を活用して、別の機器において、同一または別の種類のコンテンツの推薦ができるようになる。
また、本実施の形態において、サービスS1が標準ID体系に準拠している場合、クライアント機器111は、推薦楽曲IDリストをクライアント機器112に送信する前に、ブローカサーバ13に対して、その推薦楽曲IDリストを送信している(図2のステップS15の処理)。つまり、ブローカサーバ13において、制御部41は、各クライアント機器11から送られてくるそれぞれの推薦楽曲IDリストを、IDマッピングデータベース43に履歴として残すことで(図2のステップS33の処理)、例えばCF手法を働かせて、各機器に対して独自の推薦を行うことが可能となる。
例えば、制御部41は、クライアント機器111からの推薦楽曲IDリスト(R-1)とパターンの似ている別のクライアント機器114からの推薦楽曲IDリスト(R-4)を、IDマッピングデータベース43に蓄積された履歴から検索し、推薦楽曲IDリスト(R-4)にあって、推薦楽曲IDリスト(R-1)にはないコンテンツIDを抽出して、推薦の対象とする。そして、ブローカサーバ13は、例えば、クライアント機器111からの推薦楽曲IDリスト(R-1)を受信したとき、上記の図9の推薦楽曲IDリストに続けて、下記の図10の推薦楽曲IDリストを、クライアント機器111に送信する(図2のステップS32の処理)。
図10は、ブローカサーバ13による推薦情報を付加した場合における、推薦楽曲IDリストのスキーマの例を示す図である。
なお、図10において、先頭のヘッダに配置される推薦情報を示す項目以外の項目については、上述した図9と同様であるため、その説明は省略する。
すなわち、図10の例において、先頭には、ブローカサーバ13からの推薦であることを示す“Recommend”が配置される。図10の例において、この“Recommend”以降に配置される項目は、図9と同様であり、例えばユーザの志向等の性質情報が付加される。この性質情報は、ブローカサーバ13に集まった履歴からマイニングにより求めることが可能となる。
一方、ブローカサーバ13から推薦楽曲IDリスト(図10)を受信したクライアント機器111は、先頭の“Recommend”を参照することで、そのリストがブローカサーバ13からの推薦であることを認識することになる。その後、クライアント機器111は、例えば、ブローカサーバ13からの推薦リストをユーザに提示することができる。
また、上記のCF手法は、異種のコンテンツに対しても働かせることが可能となるため、ブローカサーバ13は、上述した、楽曲映画嗜好リストに関しては、推薦楽曲IDリストおよび推薦映画リストの両方を送ることができる。なお、言うまでもないが、このブローカサーバ13による推薦のタイミングは、クライアント機器11の間で、嗜好プロファイルを交換するときだけでなく、任意のタイミングとすることができる。例えば、それぞれのクライアント機器11が、任意のタイミングで自身の推薦楽曲IDリスト、あるいは再生履歴情報等をブローカサーバ13に送信することで、ブローカサーバ13からのコンテンツの推薦を受けることが可能となる。
以上の如く、本発明によれば、簡単に、ユーザの嗜好情報を共有することができる。すなわち、ある機器で得られたコンテンツに対するユーザ嗜好情報を、他の機器でも活用することが可能となる。
また、ブローカサーバを設けることで、コンテンツの意味付けをすることなしに、IDによる一意性のみで、コンテンツの推薦を行うことができる。
さらに、クライアントとサーバ等の従来のサービスに手を加えることなく、そのまま活用することができるとともに、サービスの質の向上を図ることができる。
なお、本実施の形態においては、コンテンツの一例として、楽曲と映画について説明したが、それらのコンテンツに限らず、例えば、写真等の静止画、映画やテレビ番組等の動画、小説等の電子書籍等、その他のコンテンツにも適用することができる。その場合、楽曲、静止画、動画、電子書籍等のコンテンツの種類ごとにID体系が構築されることになる。
また、本実施の形態においては、クライアント機器111乃至クライアント機器11nを使用するユーザは同一のユーザであって、同一のユーザの機器間の嗜好プロファイルの交換の例を示したが、例えば恋人同士での嗜好情報のやり取り等、他のユーザとの交換であっても勿論よい。その場合、他人の嗜好を、自分の嗜好にマージした推薦を受けられるので、自分とは別の他の人と一緒にコンテンツを楽しむことができる。あるいは相手の嗜好による推薦コンテンツをひとり楽しむことができる等、マイニング次第で多様な適用ができる。
さらに、クライアント機器111は、クライアント機器112、あるいはクライアント機器113に対して嗜好プロファイルを受け渡す際に、事前にクライアント機器112等の要求しているコンテンツの種類を取得してから、ブローカサーバ13に問い合せるようにしてもよい。その際は、クライアント機器111とクライアント機器112、あるいはクライアント機器111とクライアント機器113との間で事前に、いわゆるネゴシエーションフェーズによって、ヘッダ付リスト転送を行うことで、送信側のクライアント機器11は、受信側のクライアント機器11で要求しているコンテンツの種類を取得することが可能となる。これにより、受信側のクライアント機器11で要求しているコンテンツのリストを迅速にかつ確実に送信することが可能となる。
また、本実施の形態においては、嗜好プロファイルは、クライアント機器11側で生成されるとして説明したが、例えば、クライアント機器111の再生履歴情報を楽曲推薦サーバ121に送信することで、楽曲推薦サーバ121側で生成するようにしてもよい。
ところで、上述した一連の処理は、ハードウェアにより実行させることもできるし、ソフトウェアにより実行させることもできる。一連の処理をソフトウェアにより実行させる場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータ、または、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能な、例えば汎用のパーソナルコンピュータ等に、プログラム記録媒体からインストールされる。
図11は、上述した一連の処理をプログラムにより実行するパーソナルコンピュータの構成の例を示すブロック図である。CPU(Central Processing Unit)111は、ROM(Read Only Memory)112、または記録部118に記録されているプログラムに従って各種の処理を実行する。RAM(Random Access Memory)113には、CPU111が実行するプログラムやデータ等が適宜記憶される。これらのCPU111、ROM112、およびRAM113は、バス114により相互に接続されている。
CPU111にはまた、バス114を介して入出力インターフェース115が接続されている。入出力インターフェース115には、マイクロホン等よりなる入力部116、ディスプレイ、スピーカ等よりなる出力部117が接続されている。CPU111は、入力部116から入力される指令に対応して各種の処理を実行する。そして、CPU111は、処理の結果を出力部117に出力する。
入出力インターフェース115に接続されている記録部118は、例えばハードディスクからなり、CPU111が実行するプログラムや各種のデータを記録する。通信部119は、インターネットやローカルエリアネットワーク等のネットワークを介して外部の装置と通信する。
また、通信部119を介してプログラムを取得し、記録部118に記録してもよい。
入出力インターフェース115に接続されているドライブ120は、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、或いは半導体メモリ等のリムーバブルメディア121が装着されたとき、それらを駆動し、そこに記録されているプログラムやデータ等を取得する。取得されたプログラムやデータは、必要に応じて記録部118に転送され、記録される。
コンピュータにインストールされ、コンピュータによって実行可能な状態とされるプログラムを格納するプログラム記録媒体は、図11に示すように、磁気ディスク(フレキシブルディスクを含む)、光ディスク(CD-ROM(Compact Disc-Read Only Memory),DVD(Digital Versatile Disc)を含む)、光磁気ディスク、もしくは半導体メモリ等よりなるパッケージメディアであるリムーバブルメディア121、または、プログラムが一時的もしくは永続的に格納されるROM112や、記録部118を構成するハードディスク等により構成される。プログラム記録媒体へのプログラムの格納は、必要に応じてルータ、モデム等のインターフェースである通信部119を介して、ローカルエリアネットワーク、インターネット、デジタル衛星放送といった、有線または無線の通信媒体を利用して行われる。
なお、本明細書において、記録媒体に格納されるプログラムを記述するステップは、記載された順序に沿って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的あるいは個別に実行される処理をも含むものである。
また、本明細書において、システムとは、複数の装置により構成される装置全体を表すものである。
さらに、本発明の実施の形態は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
本発明を適用したコンテンツ推薦システムの一実施の形態の構成を示すブロック図である。 第1のケースにおける嗜好情報の共有処理を説明するフローチャートである。 推薦楽曲IDリストのスキーマの例を示す図である。 第1のケースにおける嗜好情報の共有処理を説明するフローチャートである。 第2のケースにおける嗜好情報の共有処理を説明するフローチャートである。 第3のケースにおける嗜好情報の共有処理を説明するフローチャートである。 本発明を適用したコンテンツ推薦システムの一実施の形態の構成を示すブロック図である。 第5のケースにおける嗜好情報の共有処理を説明するフローチャートである。 推薦楽曲IDリストのスキーマの例を示す図である。 推薦楽曲IDリストのスキーマの例を示す図である。 本発明が適用される情報処理をソフトウェアで実行するコンピュータの構成例を示すブロック図である。
符号の説明
1 コンテンツ推薦システム, 111乃至11nおよび11 クライアント機器, 121乃至12nおよび12 楽曲推薦サーバ, 13 ブローカサーバ, 211乃至21n 制御部, 221乃至22n 入力部, 231乃至23n 通信部, 241乃至24n 推薦提示部, 251乃至25n 曲再生部, 261乃至26n 履歴蓄積部, 271乃至27n 嗜好抽出部, 281乃至28n 初期登録部, 291乃至29n 嗜好プロファイル蓄積部, 311乃至31n 通信部, 321乃至32n 楽曲推薦エンジン, 32A1乃至32An 類似度演算部, 331乃至33n 楽曲アイテムデータベース, 341乃至34n 楽曲登録ID管理部, 41 制御部, 42 通信部, 43 IDマッピングデータベース, 44 楽曲登録ID管理部, 45 ログマイニング部, 51 コンテンツ推薦システム

Claims (19)

  1. 第1のユーザに使用される情報処理装置において、
    前記第1のユーザの嗜好情報に基づいて推薦されたコンテンツを一意に識別するための識別子を少なくとも含んでいる推薦情報を生成する生成手段と、
    生成した前記推薦情報を、前記第1のユーザと同一または異なる第2のユーザに使用され、前記推薦情報に含まれる前記識別子に基づいて推薦されたコンテンツの提示を行う他の情報処理装置に送信する送信手段と
    を備える情報処理装置。
  2. 前記識別子は、所定の規格に準拠している標準体系または独自の規格である独自体系のいずれかの体系に属しており、
    前記生成手段は、前記識別子が前記標準体系である場合、前記標準体系の識別子に基づいて、前記推薦情報を生成する
    請求項1に記載の情報処理装置。
  3. 前記推薦情報には、前記識別子の他に、前記コンテンツを識別するための識別情報が含まれており、
    前記生成手段は、前記識別子が前記独自体系である場合、前記識別情報から前記標準体系の識別子の特定を行う管理装置に問い合せることで得られた前記識別情報に対応する前記標準体系の識別子に基づいて、前記推薦情報を生成する
    請求項2に記載の情報処理装置。
  4. 前記推薦情報には、前記第1のユーザの性質を表わす性質情報が含まれている
    請求項3に記載の情報処理装置。
  5. 前記送信手段は、前記推薦情報を前記管理装置に送信し、
    前記管理装置は、前記推薦情報を履歴として蓄積する
    請求項3に記載の情報処理装置。
  6. 前記コンテンツの種類は、楽曲、静止画、動画、または電子書籍であり、それらの種類ごとの体系で前記識別子が構築されている
    請求項1に記載の情報処理装置。
  7. 第1のユーザに使用される情報処理装置の情報処理方法において、
    前記第1のユーザの嗜好情報に基づいて推薦されたコンテンツを一意に識別するための識別子を少なくとも含んでいる推薦情報を生成し、
    生成した前記推薦情報を、前記第1のユーザと同一または異なる第2のユーザに使用され、前記推薦情報に含まれる前記識別子に基づいて推薦されたコンテンツの提示を行う他の情報処理装置に送信させる制御を行う
    ステップを含む情報処理方法。
  8. 第1のユーザに使用される機器を制御するコンピュータに実行させるプログラムであって、
    前記第1のユーザの嗜好情報に基づいて推薦されたコンテンツを一意に識別するための識別子を少なくとも含んでいる推薦情報を生成し、
    生成した前記推薦情報を、前記第1のユーザと同一または異なる第2のユーザに使用され、前記推薦情報に含まれる前記識別子に基づいて推薦されたコンテンツの提示を行う他の情報処理装置に送信させる制御を行う
    ステップを含むプログラム。
  9. 第1のユーザに使用される情報処理装置において、
    前記第1のユーザと同一または異なる第2のユーザに使用され、前記第2のユーザの嗜好情報に基づいて推薦されたコンテンツを一意に識別するための識別子を少なくとも含んでいる推薦情報を生成する他の情報処理装置から送信されてくる前記推薦情報を受信する受信手段と、
    受信した前記推薦情報に基づいて推薦されたコンテンツを前記第1のユーザに提示する提示手段と
    を備える情報処理装置。
  10. 前記識別子は、所定の規格に準拠している標準体系または独自の規格である独自体系のいずれかの体系に属しており、
    前記提示手段は、前記識別子が前記標準体系である場合、前記標準体系の識別子に基づいて推薦されたコンテンツを提示する
    請求項9に記載の情報処理装置。
  11. 前記推薦情報には、前記識別子の他に、前記コンテンツを識別するための識別情報が含まれており、
    前記提示手段は、前記識別子が前記独自体系である場合、少なくとも前記識別情報から前記独自体系の識別子に対応するコンテンツを特定して推薦する推薦装置に問い合せることで推薦された前記識別情報に対応するコンテンツを提示する
    請求項10に記載の情報処理装置。
  12. 前記推薦情報には、前記第2のユーザの性質を表わす性質情報が含まれている
    請求項11に記載の情報処理装置。
  13. 前記提示手段は、前記第1のユーザによる所望のコンテンツと、前記推薦情報に基づいて推薦されたコンテンツとの種類が異なる場合、前記推薦情報に基づいて所定の種類のコンテンツを推薦する管理装置に問い合せることで推薦された所望の種類のコンテンツを提示する
    請求項9に記載の情報処理装置。
  14. 前記管理装置は、前記推薦情報を蓄積するとともに、蓄積された前記推薦情報に基づいたコンテンツの推薦を行ない、
    前記提示手段は、前記管理装置から推薦されたコンテンツを提示する
    請求項13に記載の情報処理装置。
  15. 前記管理装置から推薦されたコンテンツに対する前記第1のユーザの嗜好に関する嗜好応答を前記管理装置に送信する送信手段をさらに備え、
    前記管理装置は、前記推薦情報とともに前記嗜好応答を蓄積し、蓄積された推薦情報および嗜好応答に基づいてコンテンツを推薦する
    請求項14に記載の情報処理装置。
  16. 前記コンテンツの種類は、楽曲、静止画、動画、または電子書籍であり、それらの種類ごとの体系で前記識別子が構築されている
    請求項13に記載の情報処理装置。
  17. 第1のユーザに使用される情報処理装置の情報処理方法において、
    前記第1のユーザと同一または異なる第2のユーザに使用され、前記第2のユーザの嗜好情報に基づいて推薦されたコンテンツを一意に識別するための識別子を少なくとも含んでいる推薦情報を生成する他の情報処理装置から送信されてくる前記推薦情報を受信させる制御を行ない、
    受信した前記推薦情報に基づいて推薦されたコンテンツを前記第1のユーザに提示する
    ステップを含む情報処理方法。
  18. 第1のユーザに使用される機器を制御するコンピュータに実行させるプログラムであって、
    前記第1のユーザと同一または異なる第2のユーザに使用され、前記第2のユーザの嗜好情報に基づいて推薦されたコンテンツを一意に識別するための識別子を少なくとも含んでいる推薦情報を生成する他の情報処理装置から送信されてくる前記推薦情報を受信させる制御を行ない、
    受信した前記推薦情報に基づいて推薦されたコンテンツを前記第1のユーザに提示する
    ステップを含むプログラム。
  19. 第1のユーザにより使用される第1の情報処理装置と、前記第1のユーザと同一または異なる第2のユーザにより使用される第2の情報処理装置からなる情報処理システムにおいて、
    前記第1の情報処理装置は、
    前記第1のユーザの嗜好情報に基づいて推薦されたコンテンツを一意に識別するための識別子を少なくとも含んでいる推薦情報を生成する生成手段と、
    生成した前記推薦情報を前記第2の情報処理装置に送信する送信手段と
    を備え、
    前記第2の情報処理装置は、
    前記第1の情報処理装置から送信されてくる前記推薦情報を受信する受信手段と、
    受信した前記推薦情報に含まれる前記識別子に基づいて推薦されたコンテンツを前記第2のユーザに提示する提示手段と
    を備える情報処理システム。
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