JP2009141521A - 磁気ギャップ構造及びダイナミックスピーカ - Google Patents

磁気ギャップ構造及びダイナミックスピーカ Download PDF

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Abstract

【課題】振動板が振動振幅の最上点に達した時でも安定した駆動力を与えることができ、薄型化を可能とする磁気ギャップ構造及びダイナミックスピーカを提供する。
【解決手段】磁気回路を構成するトッププレート9とヨーク8のそれぞれに設けたボイスコイル12に対する磁気ギャップを構成する複数の突起と、前記複数の突起を貫通する孔が形成された振動板10と、を備える。
【選択図】図4

Description

本発明は磁気ギャップ構造及びダイナミックスピーカに関する。
本発明の関連技術のダイナミックスピーカについて説明する。
図12は本発明の関連技術のダイナミックスピーカを示す断面図である。また、図13は同ダイナミックスピーカの正面図であり、図14は同ダイナミックスピーカの側面図である。本ダイナミックススピーカは、ヨークの内側にマグネットを設けた内磁型磁気回路を使用して構成されたダイナミックスピーカである。
図12に示すように、本ダイナミックスピーカは、本体フレーム6の底部に配置された椀状のヨーク8と、マグネット7と、該マグネット7の上面に配置されたトッププレート9とで磁気回路を構成し、ヨーク8とトッププレート9の間隙に磁気ギャップを形成している。
また、本体フレーム6の上部には振動板10を配置し、振動板10の底部(下部)には磁気ギャップに位置するボイスコイル12を巻回したボイスコイルボビン13が固定される。更に、本体フレーム6の端部にはボイスコイルに電気信号を供給する端子3が形成された端子フレーム5を備え、端子3からコイルリード線4を介してボイスコイル12に電気信号が供給される。
また、図13、図14に示すようにスピーカの上面には前面音孔2が設けられたスピーカプロテクタ1で覆われており、図12に示すように本体フレーム6にも複数の後面音孔11が設けられている。
以上の構成により端子3からボビンコイル13に可聴信号を供給してボビンコイル13に磁界を発生し、マグネット7によるヨーク8とトッププレート9の磁気ギャップで生じる磁力線との作用によりボビンコイル13(ボイスコイルボビン13)に駆動力を発生させて振動板10を振動させて音響を発生する。
このように前記関連技術のダイナミックスピーカは、磁気回路の磁気ギャップに配置されるボイスコイル12に生じる駆動力により振動板の前後(上下)の振動により音を発生する原理に基づくものである。このため、振動板が振動する振幅の範囲で安定した駆動力が発生するように、ボイスコイル12の長さに対して、磁気回路のギャップの厚み(前後方向の幅)を十分大きくする必要があった。さらに振動板10が振動する振幅に応じて振動板10と磁気回路のトッププレート及びアーム上面等との間にクリアランスが必要であり、ボイスコイル12は振動板10に対してある程度距離をあけて配置することが必要であった。
前述のように関連技術のダイナミックスピーカでは、振動する振動板の振幅の頂点(最下点、最上点)で安定した駆動力を発生させるためには、磁気ギャップの厚みと振動板の振動時の振幅に対するクリアランスが必要であることから、構造上薄型化が困難であった。
特に、振動板が最上点に達した時でも、ボイスコイルは磁気ギャップ内に位置している必要があるため、ボイスコイルは振動板から離れた位置に配置する必要があり、ダイナミックスピーカの薄型化を一層困難にしている。
また、このようなダイナミックスピーカを薄型化するために磁気回路を構成するヨークやトッププレートを薄型化すると、マグネットの磁力に対して飽和しやすくなり磁気ギャップに磁束密度をある程度高める必要があるから、この方法による薄型化にも限界があった。
また、ダイナミックスピーカでは電気信号が増大するとボイスコイル等から発熱が生じ、その熱はボイスコイルや磁気ギャップから放熱されにくいので、熱が滞留しやすいという点でも問題があった。
(目的)
本発明は、以上の問題に鑑みてなされたものであり、その目的は振動板が振動振幅の頂点でも安定した駆動力を与えることができ、薄型化を可能とする磁気ギャップ構造及びダイナミックスピーカを提供することにある。
本発明の他の目的は、振動板の振動に対するクリアランス確保が薄型化を阻害しない磁気ギャップ構造及びダイナミックスピーカを提供することにある。
本発明の第1の磁気ギャップ構造は、ダイナミックスピーカ用の磁気ギャップ構造であって、磁気回路を構成するトッププレートとヨークのそれぞれに、振動板に形成した複数の穴を貫通する複数の突起を備え、それぞれの突起から磁力線を放射するボイスコイルに対する磁気ギャップを構成したことを特徴とする。
本発明の第1のダイナミックスピーカは、磁気回路を構成するトッププレートとヨークのそれぞれに設けたボイスコイルに対する磁気ギャップを構成する複数の突起と、前記複数の突起を貫通する孔が形成された振動板と、を備えることを特徴とする。
本発明の磁気ギャップ構造及びダイナミックスピーカによれば、振動板が振動振幅の最上点に達した時でも、振動板に安定した駆動力を与えることができるとともに、振動板の振動振幅に対するクリアランス確保が薄型化を阻害しないという効果を奏する。
(第1の実施形態)
(構成)
本発明の磁気ギャップ構造及びダイナミックスピーカの第1の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
本ダイナミックスピーカにおいては、ヨークとトッププレートに設けた複数の突起により構成した磁気ギャップ構造を備える。そこで、本実施形態のヨークとトッププレートによる磁気ギャップ構造について、内磁型磁気回路を用いた構成例により以下説明する。
図1は本実施形態のトッププレートの構成例を示す図である。本実施の形態のトッププレート9は、プレート上面の周囲に、第1のトッププレート突起14、第2のトッププレート突起15、第3のトッププレート突起16及び第4のトッププレート突起17からなる4つの突起が形成された構造を備える。
図2は本実施形態のヨークの構成例を示す図である。ヨーク8は、内部のマグネット7上に配置される前記トッププレート9の4つのトッププレート突起のそれぞれに対向する位置に、第1のヨーク突起18、第2のヨーク突起19、第3のヨーク突起20及び第4のヨーク突起21の4つの突起が形成された構造を備える。
図3はトッププレート9をヨーク8の内部のマグネット7上に配置した状態を示す正面側の概観図である。図3から分かるように、ヨーク8には内側にドラム状のマグネットが配置され、該マグネット上にトッププレート9が配置される。この状態ではヨーク8とトッププレート9に設けられた各突起は、それぞれ同じ向きに対向して配置され、対向する突起の間隙は磁気ギャップを構成する。つまり、トッププレート突起14とヨーク突起18は同じ向きに対向して配置され、磁気ギャップを構成する。同様に、トッププレート突起15、トッププレート突起16及びトッププレート突起17は、それぞれヨーク突起19、ヨーク突起20及びヨーク突起21と同じ向きに対向して配置され、それぞれ磁気ギャップを構成する。以上により本実施形態のダイナミックスピーカ用の磁気ギャップ構造が構成される。
次に、前記磁気ギャップ構造を備えるダイナミックスピーカについて詳細に説明する。
図4は本実施形態のダイナミックスピーカを示す断面図である。前記磁気ギャップ構造を備えるダイナミックスピーカにおけるトッププレート9の突起15、16及びヨーク8の突起19、20を横切る部分の断面図である。
本ダイナミックスピーカは、図4に示すように、複数の後部音孔11を有する本体フレーム6、本体フレーム6の底部に配置された椀状のヨーク8と、ヨーク8内部に配置されたマグネット7と、マグネット7の上面に配置され、ヨーク8とで内磁型磁気回路の磁気ギャップAの間隙を形成するトッププレート9とからなる磁気ギャップ構造、前記本体フレーム6の上部に配置された振動板10と、その上面を覆う前面音孔2を有するスピーカプロテクタ1を備える。
また、振動板10の底部にはヨーク8とトッププレート9の磁気ギャップAに位置するボイスコイル12を巻回したボイスコイルボビン13を備え、本体フレーム6の端部には、ボイスコイル12に電気信号を供給するコイルリード線4と接続された端子3を有する端子フレーム5を備える。
図5は本実施形態のダイナミックスピーカの振動板10を取り除いた正面側の外観図であり、図6は本実施形態のダイナミックスピーカの振動板10を有する正面側の外観図である。
図5、図6から分かるように、振動板10には、ヨーク8とトッププレート9に設けられた各突起の位置に合わせて、各突起と接触しないように突起より僅かに大きい形状の8個の孔が設けられている。
つまり、ヨーク8に設けた第1のヨーク突起18、第2のヨーク突起19、第3のヨーク突起20、第4のヨーク突起21に合わせて、振動板10にそれぞれ第1の振動板孔22、第2の振動板孔23、第3の振動板孔24、第4の振動板孔25を設け、トッププレート9に設けた第1のトッププレート突起14、第2のトッププレート突起15、第3のトッププレート突起16、第4のトッププレート突起17に合わせて、振動板10にそれぞれ第1の振動板孔26、第2の振動板孔27、第3の振動板孔28、第4の振動板孔29を設けている。また、ヨーク8及びトッププレート9の各突起は振動板10のそれぞれの振動板孔を貫通している。
以上の構成により、本実施形態のヨーク8にマグネット7及びトッププレート9を取り付けた状態では、突起を含む断面は図4に示すように、磁気ギャップAの厚み(上下の幅)は突起の高さにより充分に確保できるとともに、前記突起は振動板10に形成した孔を貫通するため、ボイスコイル12(ボイスコイルボビン13)は振動板10の底部の近く(近傍)に取り付けることが可能であり、ボイスコイル12は磁気ギャップの厚みの範囲内で振動するような設定が可能となる。
また、非駆動状態での振動板の底部をヨーク突起及びプレート突起の上面より下側に位置させることが可能であり、振動板10の最上点に位置する場合にもボイスコイル12が各突起で形成される磁気ギャップAに位置するように構成することが可能である。つまり、磁気ギャップはヨーク8とトッププレート9とそれぞれの突起によって構成され、この磁気ギャップの中にボイスコイル12とボイスコイルボビン13が配置され、ボイスコイル12に流れる信号電流と磁気ギャップの磁界とによりフレミングの法則によって振動板10を動かす駆動力が供給される。
(動作)
次に、本実施形態の磁気ギャップ及びダイナミックスピーカの動作を図7〜図8を用いて詳細に説明する。
図7は振動板10の動作時の振動振幅の最上点に位置する状態を示す断面図であり、図8は振動板10の動作時の振動振幅の最下点に位置する状態を示す断面図である。
図7に示す状態は、端子3からコイルリード線4を介してボイスコイル12に一方向に流れる信号電流と、ヨーク8とトッププレート9の突起で構成される磁気ギャップAの磁力線との作用により、ボイスコイルボビン13を介して振動板10に駆動力が発生し、振動板10がヨーク8とトッププレート9に設けられた突起の上端に位置し、図8に示す状態は、同様にボイスコイル12に他方向に流れる信号電流と、ヨーク8とトッププレート9の突起で構成される磁気ギャップAの磁力線との作用により、ボイスコイルボビン13を介して振動板10に駆動力が発生し、振動板10がヨーク8とトッププレート9に設けられた突起の下端に位置している。
また、ヨーク8とトッププレート9のそれぞれの突起は、対応する振動板10に設けられた孔を貫通する為、振動板10の最下点への動きを妨げることが無なく、ボイスコイル12は振動板10の最下点及び最上点でも磁気ギャップA内に位置し、振動板10のストロークに対して常にボイスコイル12に駆動力を与えることができる。
また、図7に示す位置でも振動板10は磁気ギャップAにある為、ボイスコイル12とボイスコイルボビン13は、図12〜図14に示す関連技術のダイナミックスピーカと比べても振動板10のそばにボイスコイル12を配置することができる。
このことから振動板10とボイスコイル12とボイスコイルボビン13による厚みを薄くすることができ、磁気回路を薄型化することと、磁気回路をより振動板に近い部分に配置することでスピーカの薄型化が可能である。
また、ヨーク8とトッププレート9の端面から放射される磁気ギャップAの磁力線は、それぞれヨーク8とトッププレート9の突起からも放射される為、ヨーク8とトッププレート9を薄くしても、ヨーク8とトッププレート9内部を通る磁束の断面積とそれぞれの突起からの磁束の断面積は同等に保つことができるので、磁気飽和が発生しづらい、つまり、ポールピースとトッププレートを薄型化しても磁気ギャップが飽和しづらいという利点を有する。
以上のように、本実施形態の磁気ギャップ構造及びダイナミックスピーカによれば、振動板のストロークに対して磁気ギャップの高さを十分確保できるから、磁気回路を薄型化しても振動板のストロークに対してボイスコイルが常に磁気ギャップ内に存在させることができ、振動板に対し振動振幅の最上点に達した時でも安定した駆動力を与えることができ、入力信号に対してリニアリティの良い音響出力を得ることが可能である。
また、トッププレートとヨークの突起によって磁気ギャップを振動板に近い位置に配置でき、且つ突起を貫通する振動板に設けた孔によって振動板が下限にストロークすることを可能としたから、ボイスコイルを振動板に対してより近い位置に配置でき、ボイスコイルボビンを短くでき、スピーカを薄型化することが可能である。
更に、トッププレートとヨークに設けた突起が振動板に設けた穴を貫通する為、磁気回路を振動板に近い位置に配置しても振動板のストロークを阻害せず、スピーカの薄型化を可能とする。
また、振動板が前後に振幅する時のクリアランス確保が可能であるから、振動板の近くにボイスコイルを配置することが可能となり、振動板の薄型化も可能である。
また、磁気ギャップからの磁力線としては、トッププレートとヨークとそれぞれの突起からの広い面積から放射されるから、磁気回路を薄型化しても磁気ギャップの磁束の飽和を抑制でき、この点からも入力信号に対してリニアリティの良い音響出力を得ることが可能である。
(第2の実施形態)
次に、本発明の磁気ギャップ構造及びダイナミックスピーカの第2の実施形態を図9、図10を用いて説明する。
図9は本発明の第2の実施形態のダイナミックスピーカを示す正面図であり、(a)は振動板を取り除いた外観図、(b)は振動板を備える外観図である。
第2の実施形態では、ヨーク8に設けた第1のヨーク突起18、第2のヨーク突起19、第3のヨーク突起20、第4のヨーク突起21のボイスコイル12の振動方向と直角な断面積に対して、それぞれ第1の振動板孔22、第2の振動板孔23、第3の振動板孔24、第4の振動板孔25をボイスコイル12の円周方向に大きめのサイズとし、トッププレート9に設けた第1のトッププレート突起14、第2のトッププレート突起15、第3のトッププレート突起16、第4のトッププレート突起17のボイスコイル12の振動方向と直角な断面積に対して、それぞれ第1の振動板孔26、第2の振動板孔27、第3の振動板孔28、第4の振動板孔29をボイスコイル12の円周方向に大きめのサイズとしたものである。その他の構成は第1の実施形態と同様の構成とすることができる。
図10は図9(b)のa’−aでカットした状態を示すダイナミックスピーカの断面図である。振動板10が最上点に位置する状態の断面を示しており、a’−aの断面ではヨーク8とトッププレート9の突起が存在しないので、ボイスコイル12で発生する熱は、ヨーク8とトッププレート9のそれぞれの突起の間から振動板10の孔を経由して放熱される。すなわち、ボイスコイル12で発生する熱は振動板10が上方に変位する過程で外部に放熱されるので、磁気ギャップ内部に熱が滞留せず、冷却効率が向上する。
以上のように第2の実施形態によれば、第1の実施形態に関して述べた前記作用効果に加えて、振動板の孔形状により振動板が最上点に達した状態等において、トッププレートとヨークに設けた複数の突起と突起の間の空間が振動板に設けた孔により外部への放熱可能な開口となるから、ボイスコイルから発生する熱は前記開口を介して放射され、ボイスコイルの冷却効率を高めることができる。
(第3の実施形態)
本発明のダイナミックスピーカとして第1、第2の実施形態により内磁型磁気回路を使用した構成例を説明したが、本発明は外磁型磁気回路を使用したダイナミックスピーカにおいても同様に実施することが可能である。本ダイナミックスピーカにおいても、ヨーク及びトッププレートには第1及び第2の実施形態と同様の突起形状を形成し、振動板には前記突起を貫通する孔が設置される。
図11は本発明の第3の実施形態のダイナミックスピーカを示す図である。同図はヨーク及びトッププレートの突起が設置された角度でカットした断面図を示している。
本体フレーム6に設けられた磁気ギャップ構造は、ヨーク38と円筒状等のマグネット27とトッププレート39とから構成され、ヨーク38を構成するセンターポール部38b及びトッププレート39の上面側の円周に沿ってそれぞれ複数の突起38a、39aが対向して配置され、対向する突起の間隙で磁気ギャップが形成される。
また、振動板10は、ヨーク38を構成するセンターポール部38b及びトッププレート39の上面側の複数の突起38a、39aに対応する位置に、各突起が貫通するように孔が形成され、ボイスコイル12が巻回されたボイスコイルボビン13が振動板10の底部(下部)の近くに固定される。その他、本体フレーム6の背面音孔2、前面音孔5を有するスピーカプロテクタ1、コイルリード線4及び端子3が形成された端子フレーム5等は第1、2の実施形態の構成と同様である。第3の実施形態のスピーカ前面側の外観は図5、6に示す外観図と同様である。
以上の構成により、第3の実施形態のヨーク38にマグネット27及びトッププレート39を取り付けた状態で、突起を含む断面は図11に示すように、磁気ギャップの厚み(上下の幅)が突起の高さにより充分に確保されるとともに、前記突起は振動板10に形成した孔を貫通するため、ボイスコイル12(ボイスコイルボビン13)は振動板10の底部の近く(近傍)に取り付けることが可能であり、ボイスコイル12は磁気ギャップの厚みの範囲内で振動するような設定が可能となる。
本発明の実施形態の磁気ギャップ構造及びダイナミックスピーカでは、振動板10の底部がヨーク突起38a及びプレート突起39aの上面より下側に位置させることが可能であり、振動板10が最上点に位置する場合にもボイスコイル12が各突起で形成される磁気ギャップに位置するように構成することが可能である。つまり、磁気ギャップはヨーク38とトッププレート39とそれぞれの突起によって構成され、この磁気ギャップの中にボイスコイル12とボイスコイルボビン13が配置され、ボイスコイル12に流れる信号電流と磁気ギャップの磁界とによりフレミングの法則によって振動板10を動かす駆動力が供給される。
また、第3の実施形態においても第2の実施形態と同様に、振動板10の孔を突起の断面より円周方向等に拡張することが可能であり、このように構成した場合は、図10に示す放熱動作と同様にボイスコイル12の発熱による温度上昇を抑制可能となる。
従って、外磁型磁気回路を備える実施形態においても、第1及び第2の実施形態と同様に前述のような作用効果を奏することは明らかである。
以上説明した各実施形態においては、ヨーク突起及びプレート突起に4つの突起を形成した場合について説明したが、突起は任意の複数個で構成することが可能である。また、この場合も振動板10には当該個数の対応する孔が設けられる。
また、振動板10に設けるボイスコイル12の円周方向の大きめのサイズの穴は、全てに設ける必要が無く、ヨーク突起に対応する孔、プレート突起に対応する孔又は直線状に並んだヨーク突起とプレート突起に対応する孔等、必要な冷却効果を考慮して選択的に決定することが可能である。
以上のように、本発明の実施形態による磁気ギャップ構造及びダイナミックスピーカは、磁気回路であるトッププレートの上部に突出する突起とヨークの上部に突出する突起とで磁気ギャップを構成し、それぞれの突起を貫通する様に振動板に孔が設けられ、この孔によって振動板の振幅時にそれぞれの突起が干渉しない様に構成されている。
この突起によって構成される磁気ギャップは、振動板が最上点に達した時もボイスコイルに駆動力を与える働きをする。振動板に設けられた孔は、振動板が最下点に達しても振動板が磁気回路の突起を貫通する働きをする。
また、磁気ギャップは磁気回路のトッププレートとヨーク及びそれぞれの突起から磁力線が放射される。また、ボイスコイルはより振動板に近い位置に配置され、ボイスコイルボビンの長さは短くすることが可能である。
本発明の実施形態による磁気ギャップ構造及びダイナミックスピーカは、磁気回路であるトッププレートの上部に突出する突起とヨークの上部に突出する突起で磁気ギャップを構成し、それぞれの突起を貫通する様に振動板に孔が設けられ、この孔によって振動板の振幅時にそれぞれの突起が干渉しない様に構成されている。この突起によって構成される磁気ギャップは、振動板が最上点に達した時もボイスコイルに駆動力を与える働きをするのでリニアリティを確保できる。振動板に設けられた孔は、振動板が最下点に達しても振動板が磁気回路の突起を貫通する働きをするので、振動板により近い位置に磁気回路を配置でき、スピーカを薄型化する効果がある。また、ボイスコイルも振動板に近い位置に配置でき、ボイスコイルボビンの長さは短くできることで、薄型化の効果がある。また、磁気ギャップは磁気回路のヨークとトッププレートとそれぞれの突起から磁力線が放射されるので、ヨークとトッププレートを薄型化しても磁力線が飽和しづらい効果がある。
本発明の第1の実施形態のトッププレートの構成を示す図である。 第1の実施形態のヨークの構成を示す図である。 第1の実施形態の磁気ギャップ構造を示す正面側の概観図である。 第1の実施形態のダイナミックスピーカを示す断面図である。 第1の実施形態のダイナミックスピーカの振動板10を取り除いた正面側の外観図である。 第1の実施形態のダイナミックスピーカの振動板10を有する正面側の外観図である。 振動板10の動作時の振動振幅の最上点に位置する状態を示す断面図である。 振動板10の動作時の振動振幅の最下点に位置する状態を示す断面図である。 本発明の第2の実施形態のダイナミックスピーカを示す正面図であり、(a)は振動板を取り除いた外観図、(b)は振動板を備える外観図である。 第2の実施形態のダイナミックスピーカの断面図である。 本発明の第3の実施形態のダイナミックスピーカを示す図である。 本発明の関連技術のダイナミックスピーカを示す断面図である。 同ダイナミックスピーカの正面図であり、 同ダイナミックスピーカの側面図である。
符号の説明
1 スピーカプロテクタ
2 スピーカ前面音孔(前面音孔)
3 端子
4 コイルリード線
5 端子フレーム
6 本体フレーム
7 マグネット(円柱状磁石等)
8、38 ヨーク
9、39 トッププレート
10 振動板
11 背面音孔
12 ボイスコイル
13 ボイスコイルボビン
14、15、16、17、39a トッププレート突起
18、19、20、21、38a ヨーク突起
22、23、24、25、26、27、28、29 振動板孔(孔)
27 マグネット(円筒状磁石等)
38b センターポール部
A 磁気ギャップ

Claims (12)

  1. ダイナミックスピーカ用の磁気ギャップ構造であって、磁気回路を構成するトッププレートとヨークのそれぞれに、振動板に形成した複数の穴を貫通する複数の突起を備え、それぞれの突起から磁力線を放射するボイスコイルに対する磁気ギャップを構成したことを特徴とする磁気ギャップ構造。
  2. 前記振動板が最上点に変位しても、それぞれに突起から放射される磁力線によってボイスコイルに駆動力を与えることを可能とする請求項1に記載の磁気ギャップ構造。
  3. 前記ボイスコイルが振動板の近くに配置したことを特徴とする請求項1又は2に記載の磁気ギャップ構造。
  4. 前記複数の突起は、トッププレートとヨークの円周方向に所定の間隔で対向配置し、ヨークとトッププレート内部を通る磁束の断面積と複数の突起を通る磁束の断面積が等しくなるようにヨークとトッププレートを振動板の振動方向に薄型化したことを特徴とする請求項1、2又は3に記載の磁気ギャップ構造。
  5. 前記磁気回路を振動板の近傍に配置し、スピーカの磁気回路による突出を抑制したこと特徴とする請求項1ないし4の何れかの請求項に記載の磁気ギャップ構造。
  6. 磁気回路を構成するトッププレートとヨークのそれぞれに設けたボイスコイルに対する磁気ギャップを構成する複数の突起と、前記複数の突起を貫通する孔が形成された振動板と、を備えることを特徴とするダイナミックスピーカ。
  7. 前記振動板の変位の最上点においても、前記磁気ギャップの磁力線により前記ボイスコイルに駆動力を与えることを可能とする請求項6に記載のダイナミックスピーカ。
  8. 前記ボイスコイルは振動板の近傍に配置することによりボイスコイルボビンの短縮化を可能とすることを特徴とする請求項6又は7に記載のダイナミックスピーカ。
  9. 前記複数の突起は、トッププレートとヨークの円周方向に所定の間隔で対向配置し、ヨークとトッププレート内部を通る磁束の断面積と複数の突起を通る磁束の断面積が等しくなるようにヨークとトッププレートを振動板の振動方向に薄型化したことを特徴とする請求項6、7又は8に記載のダイナミックスピーカ。
  10. 前記磁気回路を振動板の近傍に配置し、スピーカの磁気回路による突出を抑制したこと特徴とする請求項6ないし9の何れかの請求項に記載のダイナミックスピーカ。
  11. 前記トッププレート及びヨークのそれぞれの突起の断面積に対して、前記振動板の孔の面積を大きくし、前記孔からボイスコイルの発熱の放熱を可能としたことを特徴とする請求項6ないし10の何れか請求項に記載のダイナミックスピーカ。
  12. 前記振動板の孔は、突起の断面形状がボイスコイルの直径方向より同円周方向が大きいことを特徴とする請求項11記載のダイナミックスピーカ。
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