JP2009141298A - 多層配線板及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、接続信頼性の高い、銅配線層の微細化に最適な、生産性に優れる層間接続部を有する多層配線板及びその製造方法を提供することを目的とする。
【解決手段】絶縁層2と、絶縁層2の両面に積層された銅配線上層3,銅配線下層4と、絶縁層2と少なくとも片方の銅配線層とを貫通する貫通孔5と、貫通孔5に充填され銅配線上層3、銅配線下層4間を接続導通する半田導電体6とからなる多層配線板1であって、半田導電体6の一部が銅配線層銅配線上層3,銅配線下層4と接し最外表面に露出している半田露出表面と銅配線上層3、銅配線下層4の表面とが銅めっき膜8にて被覆一体化され接合しており、且つ銅めっき膜8は、アルカリ性銅めっきによって電析されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、各種の表面実装型電子部品を搭載する配線板であり、特に高い接続信頼性をもつ多層配線板及びその製造方法に関する。
近年、電子機器の小型軽量化及び高機能化に伴い、使用される配線板の配線密度もさらに増加する傾向にある。この配線板の配線密度を増加させる手段としては、銅配線層の微細化だけでは限界がある。そこで、銅配線層を積層し、銅配線層間にある絶縁層に層間接続部を設け、銅配線層を立体的に接続させ、配線密度をさらに増加させた多層配線板が注目されている。
従来、多層配線板は、用いられる絶縁層の違いにより異なる特徴をもつ。例えば、絶縁層として、最も普及しているガラスクロス含浸エポキシ樹脂基材(以下ガラエポ基材と略)を用いた場合は、低コスト化が図れ、また、ポリイミドに代表される電気絶縁性フィルムを用いた場合は、薄型軽量化が可能となる。この絶縁層の違いにより多様な特徴をもつ多層配線板であるが、層間接続方法に関しては基本的に同じ技術が用いられている。この層間接続方法について、ポリイミドフィルムを用いた多層配線板を例に挙げて以下に説明する。
その方法は、ポリイミドフィルムからなる絶縁層の両面に銅箔を積層した銅張両面基板に貫通孔であるスルーホールを設け、このスルーホール壁面に銅めっき膜を形成し、絶縁層の両面にある銅箔を立体的に層間接続している(例えば特許文献1参照。)。
この層間接続方法は、めっきスルーホール法と呼ばれ、最も一般的な層間接続方法である。この製造方法は、絶縁性であるスルーホール壁面を無電解めっきで導体化処理する工程と、電解めっきにより銅の厚付けめっきを行う工程との二つの大きな工程からなる。特徴としては、スルーホール内の銅めっき膜とポリイミドフィルムからなる絶縁層との熱膨張率が略同一であるが故に、熱に対する接続信頼性に優れている。
しかしながら、銅の厚付けめっきを施すと、スルーホール内の銅めっき膜の厚みだけでなく、絶縁層の両面に形成された銅箔の厚みも増加させてしまい、その後のエッチング処理による銅配線層の微細化が難しくなる。また、プロセスが長大となり、生産性にも問題が残る方法であった。
これらの問題を解決する層間接続の方法として、スルーホール内に半田ペーストを印刷し溶融固化する方法(例えば特許文献2参照。)等が提案されている。この方法の特徴としては、上記めっきスルーホール法と比較し簡単なプロセスで作製できるので、生産性が高く、また、銅配線層形成後に層間接続を施すので、プロセス上銅箔の厚みに関し何ら影響を与えず、銅配線層の微細化を阻害するものでない。
しかしながら、半田の熱膨張率がポリイミドフィルムからなる絶縁層と比較し大きく、加熱するとスルーホール内の半田が絶縁層以上に膨張し、絶縁層表面の銅配線層と半田との接合界面が剥離する危険性がある。このように、半田を用いた方法は、熱による接続信頼性が十分でないという問題があった。
以上の課題は、同じ層間接続方法にて得られるガラエポ基材の多層配線板においても共通の課題であった。
特開平5−175636号公報 特開平7−176847号公報
以上のように、従来のめっきスルーホール法による多層配線板の層間接続は、接続信頼性に優れるものの、銅配線層の微細化と生産性の向上に課題があり、また、半田を用いた方法は、上記課題である銅配線層の微細化と生産性の向上は図れるものの、接続信頼性に課題があった。
したがって、多層配線板の層間接続においては、高い接続信頼性と銅配線層の微細化との両立が可能な高い生産性をもつ多層配線板が要求されていた。
上記の問題に鑑み、本発明は、接続信頼性の高い、銅配線層の微細化に最適な、生産性に優れる層間接続部を有する多層配線板及びその製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために本発明の多層配線板は、絶縁層と、前記絶縁層の両面に積層された銅配線層と、前記絶縁層と少なくとも片方の前記銅配線層とを貫通する貫通孔と、前記貫通孔に充填され前記銅配線層間を接続導通する半田導電体とからなる多層配線板であって、前記半田導電体の一部が前記銅配線層と接し最外表面に露出している半田露出表面と前記銅配線層表面とが銅めっき膜にて被覆一体化され接合しており、且つ前記銅めっき膜は、アルカリ性銅めっきによって電析されていることを備えたものである。
また、上記課題を解決するために本発明の多層配線板の製造方法は、絶縁層の両面に銅箔が積層された両面銅張積層板の所定の層間接続位置に前記銅箔と前記絶縁層とを貫通する貫通孔を形成した後、前記貫通孔内に前記貫通孔径より小さな銅片をコア部に有し、表面を半田金属層で被覆された略球状の1個の銅コア半田ボールを圧入充填することで半田導電体を形成し、前記半田導電体の一部が前記銅箔と接し最外表面に露出している半田露出表面と前記銅箔全面にアルカリ性電解銅めっきによって銅めっき膜を電析した後、前記銅めっき膜が被覆された前記銅箔を所定の形状にパターンエッチング処理することで層間接続された銅配線層をえることを備えたものである。
ここで、この銅めっき膜は、半田と銅というイオン化傾向の異なる金属表面への電析であるため、硫酸銅等の通常の酸性銅めっき液中に浸漬すると直ぐに半田と銅との間で局部電池を構成する。この電池の起電力を駆動力として、イオン化傾向のより大きな半田がイオン化し液中に溶解、半田の腐食が進行していく。この腐食していく半田表面に銅めっき膜を形成することは、非常に難しい。ここでの半田とは錫もしくは錫を主成分とする錫合金である。
したがって、本発明者らはこのイオン化傾向の異なる金属表面への電析について鋭意研究を重ね、銅めっき膜として、アルカリ性銅めっき液中にて電析する手段を選択することで実現可能であることを見出すに至った。つまり、この半田腐食を抑制するため、アルカリ性の銅めっき液中にて電析を行うことで、半田のイオン化による腐食を防ぎつつ表面に銅めっき膜が形成可能となり、結果、アルカリ性銅めっきの電析でのみ被覆一体化され接合が可能となった。
これにより、層間接続部に用いる半田導電体と銅配線層との表面を銅めっき膜にて被覆した一体構造が実現でき、この銅めっき膜が加熱時に膨張する半田導電体を規制し、熱応力が抑制できるため、半田導電体と銅配線層との接合が十分に確保でき、高い接続信頼性が得られる。
また、この銅めっき膜は、従来のめっきスルーホール法の様な電気配線としての役割でなく、熱膨張した半田導電体の規制を主な目的としているため、めっきスルーホール法に比べ銅めっき膜の膜厚を薄くすることができる。したがって、本発明の製造方法においては、半田導電体表面を含む銅箔全面に銅めっき膜を薄く形成することから、その後のエッチングにて形成される銅配線層の影響は少なく、銅配線層の微細化に適している。さらに、銅箔全面に同一金属である銅めっき膜が形成されることから、一度のエッチングプロセスにて銅配線層形成が行なえ、また、半田導電体の充填と銅めっきという非常にシンプルなプロセスで層間接続が行なえ、これらによって高い生産性が確保できる。
本発明の請求項1に記載の多層配線板によれば、充填した半田導電体の一部が前記銅配線層と接し最外表面に露出している半田露出表面と銅配線層表面とを、アルカリ性銅めっきの電析を用いた銅めっき膜にて被覆された一体構造を層間接続部に有するため、半田表面と銅配線層表面に銅めっき膜を被覆一体化が可能となり、さらにこの銅めっき膜が熱膨張による半田導電体の応力を抑制し、高い接続信頼性をもつ多層配線板が得られるという効果がある。
本発明の請求項2に記載の多層配線板によれば、絶縁層との熱膨張率の整合性が良好な銅を半田導電体のコア部に含むため、半田導電体全体の熱膨張率に最適化され、さらに高接続信頼性を有する多層配線板が得られるという効果がある。
本発明の請求項3に記載の多層配線板によれば、層間接続部含んだ領域のみに銅めっき膜を部分めっきしているため、他の銅配線層表面に銅めっき膜が形成されず、プロセス上銅配線層に何ら影響を与えないため、銅配線層の微細化に優れた高接続信頼性の多層配線板が得られるという効果がある。
本発明の請求項4に記載の多層配線板の製造方法によれば、半田導電体表面を含む銅箔全面に層間接続用として薄く銅めっき膜を形成することから、その後のエッチングにて形成される銅配線層への影響が少なく、さらに、銅箔全面に同一金属である銅めっき膜が形成されることから、一度のエッチングプロセスにて銅配線層形成が行なえ、また、半田導電体の充填と銅めっきという非常にシンプルなプロセスを用いることから、微細な銅配線層をもつ多層配線板が高い生産性で製造できるという効果がある。
本発明の請求項5に記載の多層配線板の製造方法によれば、銅配線層形成後に層間接続用として薄く銅めっき膜を形成し、銅配線層を包み込むように銅配線層側面にも銅めっき膜が形成されることから、密着面積の増加に伴い銅めっき膜の密着強度が向上し、熱膨張による半田導電体を確実に抑制可能となるため、さらに高接続信頼性を有する多層配線板が製造できるという効果がある。
本発明の請求項6に記載の多層配線板の製造方法によれば、非常に微細な銅配線層をもつ片面配線板をプロセス材として用いるため、さらに微細な銅配線層をもつ多層配線板が製造できるという効果がある。
本発明の請求項7に記載の多層配線板の製造方法によれば、層間接続用にブラインドバイアホールを用いるため、さらに高い接続信頼性をもつ多層配線板が製造できるという効果がある。
本発明の請求項8に記載の多層配線板の製造方法によれば、貫通孔並びブラインドビアホールに充填され層間接続用の半田導電体となる銅コア半田ボールの代わりとして半田ボールを用いることで、軟質金属である半田のみで構成されている半田ボールは容易に充填でき、作業性よくタクトを短縮することが可能となり、さらに生産性よく多層配線板が製造できるという効果がある。
本発明の請求項1に記載の多層配線板は、絶縁層と、前記絶縁層の両面に積層された銅配線層と、前記絶縁層と少なくとも片方の前記銅配線層とを貫通する貫通孔と、前記貫通孔に充填され前記銅配線層間を接続導通する半田導電体とからなる多層配線板であって、前記半田導電体の一部が前記銅配線層と接し最外表面に露出している半田露出表面と前記銅配線層表面とが銅めっき膜にて被覆一体化され接合しており、且つ前記銅めっき膜は、アルカリ性銅めっきによって電析されていることを備えたものである。この構成により、銅めっき膜の電析にアルカリ性銅めっきを用いるため、半田腐食することなく銅めっき膜の形成が可能であり、さらにこの銅めっき膜が熱膨張した半田導電体の応力を抑制できるという作用を有する。
本発明の請求項2に記載の多層配線板は、請求項1記載の多層配線板であって、前記半田導電体は、前記貫通孔径より小さな銅片をコア部に有し、表面を半田金属層で被覆されていることを備えたものである。この構成により、絶縁層との熱膨張率の整合性が良好な銅を半田導電体のコア部に含むため、半田導電体全体の熱膨張率の最適化が図れ、熱膨張差にて生じる熱応力を緩和することができるという作用を有する。
本発明の請求項3に記載の多層配線板は、請求項1及び2記載の多層配線板であって、少なくとも半田導電体が充填された範囲を含んだ領域のみに前記銅めっき膜を部分めっきされていることを備えたものである。この構成により、層間接続部を含んだ領域のみに銅めっき膜を被覆しているため、他の銅配線層の微細化に何ら影響を与えないという作用を有する。
本発明の請求項4に記載の多層配線板の製造方法は、絶縁層の両面に銅箔が積層された両面銅張積層板の所定の層間接続位置に前記銅箔と前記絶縁層とを貫通する貫通孔を形成した後、前記貫通孔内に前記貫通孔径より小さな銅片をコア部に有し、表面を半田金属層で被覆された略球状の1個の銅コア半田ボールを圧入充填することで半田導電体を形成し、前記半田導電体の一部が前記銅箔と接し最外表面に露出している半田露出表面と前記銅箔全面にアルカリ性電解銅めっきによって銅めっき膜を電析した後、前記銅めっき膜が被覆された前記銅箔を所定の形状にパターンエッチング処理することで層間接続された銅配線層をえることを備えたものである。この構成により、半田導電体表面を含む銅箔全面に薄く銅めっき膜を形成することから、その後のエッチングにて形成される銅配線層への影響が少なく、さらに、銅箔全面に同一金属である銅めっき膜が形成されることから、一度のエッチングプロセスにて銅配線層形成が行なえ、また、半田導電体の充填と銅めっきという非常にシンプルなプロセスで層間接続が可能であるという作用を有する。
本発明の請求項5に記載の多層配線板の製造方法は、絶縁層の両面に銅配線層が形成された両面配線板の所定の層間接続位置に前記銅配線層と前記絶縁層とを貫通する貫通孔を形成した後、前記貫通孔内に前記貫通孔径より小さな銅片をコア部に有し、表面を半田金属層で被覆された略球状の1個の銅コア半田ボールを圧入充填することで半田導電体を形成し、前記半田導電体の一部が前記銅配線層と接し最外表面に露出している半田露出表面と前記銅配線層表面とをアルカリ性電解銅めっきによって銅めっき膜を電析することで前記銅配線層間の導通をとることを備えたものである。この構成により、銅配線層形成後に薄く銅めっき膜を形成し、銅配線層を包み込むように銅配線層側面にも銅めっき膜が形成されることから、銅めっき膜の密着面積が増加し、銅配線層に対する銅めっき膜の密着強度が向上するという作用を有する。
本発明の請求項6に記載の多層配線板の製造方法は、請求項5記載の多層配線板の製造方法であって、絶縁層の片面に銅配線層が形成された2枚の片面配線板を前記銅配線層が最外層になる向きに接着層を介して貼り合わせ前記両面配線板を形成することを備えたものである。この構成により、両面配線板より片面配線板の方が銅配線層の微細化が可能であり、この片面配線板を貼り合わせて両面配線板をえるため、銅配線層がさらに微細である多層配線板が得られるという作用を有する。
本発明の請求項7に記載の多層配線板の製造方法は、絶縁層の片面に銅配線層が形成された片面配線板の所定の層間接続位置に前記銅配線層と前記絶縁層とを貫通する貫通孔を形成し、前記片面配線板の前記銅配線層が最外層になる向きに他の片面配線板の銅配線層表面に接着層を介して積層しブラインドバイアホールを形成した後、前記ブラインドバイアホール内に前記貫通孔径より小さな銅片をコア部に有し、表面を半田金属層で被覆された略球状の1個の銅コア半田ボールを圧入充填することで半田導電体を形成し、前記半田導電体の一部が前記銅配線層と接し最外表面に露出している半田露出表面と前記銅配線層表面とをアルカリ性電解銅めっきによって銅めっき膜を電析することで前記銅配線層間の導通をとることを備えたものである。この構成により、非貫通であり、底面に配線層をもつブラインドバイアホールに銅コア半田ボールを圧入して、表面の金属層を変形させ層間導通をとるため、上記貫通孔と比較して半田導電体と銅配線層との接合面積が増加し両者の密着強度が増加するという作用を有する。
本発明の請求項8に記載の多層配線板の製造方法は、請求項4から7記載の多層配線板の製造方法であって、前記銅コア半田ボールが銅コア材を含まない略球状の1個の半田ボールであることを備えたものである。この構成により、銅コア半田ボールの代わりに軟質金属である半田のみで構成されている半田ボールを用いるため、貫通孔並びブラインドビアホールに充填する際に、配線層を変形させることなく容易に充填可能であるという作用を有する。
以下本発明の一実施の形態について図1から図5を用いて説明する。なお、これらの図面において同一の部材には同一の符号を付しており、重複した説明は省略させている。また、実施の形態において示されている数値は種々選択しえる中の一例であり、これに限定されるものではない。
(実施の形態)
以下に本発明の一実施の形態の多層配線板について説明する。まず、本発明の多層配線板について図1で説明する。図1は本発明の一実施の形態における多層配線板の要部断面図である。なお、本発明の一実施の形態においては、電気絶縁性フィルムを用いた多層配線板について主に説明を行っているが、ガラエポ基材の多層配線板についても基本的に同一であるためここでは詳しい説明を省略する。
図1において、1はポリイミドフィルムからなる絶縁層2の両面に銅配線上層3及び銅配線下層4を形成した多層配線板であり、貫通孔5内部に充填された半田導電体6にて各銅配線層の層間接続を行っている。ここで半田導電体6は、略球状の1個の半田ボール7を貫通孔5に圧入変形させて隙間なく充填させたものである。さらに、充填させた半田導電体6の表面と各銅配線層の表面を銅めっき膜8にて被覆一体化し接合させている。
図1に示すように、多層配線板1の層間接続を行う半田導電体6は、半田ボール7を圧入変形させることによって、半田ボール7が貫通孔5内に隙間なく密着した状態で形成でき、銅配線上層3及び銅配線下層4と接合される。さらに、半田導電体6の表面と各銅配線層の表面は、銅めっき膜8にて被覆一体化され、この銅めっき膜8が加熱時に膨張する半田導電体6を規制し、熱応力が抑制できる構造となっている。
ここで、この銅めっき膜8は、アルカリ性銅めっきによって電析された銅めっき膜8からなっている。半田と銅というイオン化傾向の異なる金属表面への電析では、硫酸銅等の通常の酸性銅めっき液中に浸漬すると直ぐに半田と銅との間で局部電池を構成し、イオン化傾向のより大きな半田が溶解、半田の腐食が進行していく。この半田腐食を抑制するため、アルカリ性の銅めっき液中にて電析を行うことで、半田のイオン化による腐食を防ぎつつ表面に銅めっき膜8を形成させることが可能となり、結果、アルカリ性銅めっきの電析でのみ被覆一体化され接合が可能となっている。
これにより、層間接続に半田を用いる最大の課題であった、半田だけで構成されている導電体を加熱すると貫通孔内の半田が絶縁層以上に膨張し、絶縁層表面の銅配線層と半田との接合界面が剥離し、熱による接続信頼性が確保できないという課題が解決できる。したがって本構造により、高い接続信頼性が得られる。
なお、半田導電体6としては、貫通孔5より小さな銅片をコア部に有し、表面を半田金属層で被覆された銅コア半田ボールを充填してもよい。これは、絶縁層2との熱膨張率の整合性ができる銅を半田導電体6のコア部に含むため、半田導電体6全体の熱膨張率の最適化が図れ、熱膨張差にて生じる熱応力を緩和することができ、さらに高い接続信頼性が得られる。適宜好適に応じどちらを使用してもよい。また、半田導電体6の半田組成は、共晶はんだ、高温半田、鉛フリー半田等、適宜好適に応じどれを使用してもよい。
また、絶縁層2としては、電気絶縁性フィルムであるポリイミドフィルム、PET(ポリエチレンテレフタレート)フィルム、PEN(ポリエチレンナフタレート)フィルム、ポリエステルフィルム、ポリアミドイミドフィルム、PEI(ポリエーテルイミド)フィルム、PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)フィルム、PES(ポリエーテルサルフォン)フィルム、PPS(ポリフェニレンサルファイド)フィルム、アラミドフィルム、LCPフィルム、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)フィルム等が使用でき、適宜好適に応じどれを使用してもよい。なかでも耐熱性、寸法安定性、機械特性に優れるポリイミドフィルムを用いることが最も好ましい。さらに、絶縁層2としてガラエポ基材を用いる場合は、熱硬化性樹脂としてフェノール樹脂、メラミン樹脂、ポリエステル樹脂、ジアチルフタレート樹脂、エポキシ樹脂及びこれらの変性樹脂を含む樹脂材料が使用でき、また、この熱硬化樹脂内に紙、布、ガラス布、不織布(合成、天然、無機、有機のどの材質の繊維を用いてもよい)を用いることができ、適宜好適に応じどれを使用してもよい。
また、アルカリ性めっき液中にて電析されるめっき膜としては、金、銀、パラジウム、銅、スズ、亜鉛、及びこれらの合金が挙げられるが、銅もしくは銅合金を用いることが最も好ましい。これは、後述する製造方法のエッチングプロセスにおいて、銅箔全面に同一金属である銅めっき膜が形成されることから、一度のエッチングプロセスにて銅配線層形成が行なえ、高い生産性が確保されるからである。
さらに、層間接続部を含んだ領域のみに銅めっき膜8を部分めっきしてもよい。この範囲を限定した銅めっき膜8の被覆は、他の銅配線層の表面に銅めっき膜8が形成されないので、プロセス上銅配線層に何ら影響を与えず、銅配線層の微細化に好適な構造となる。したがって、さらに銅配線層の微細化に優れた、高い接続信頼性をもつ多層配線板が得られる。
次に、この様な高い接続信頼性をもつ多層配線板の製造方法について銅コア半田ボールの場合について、図2から図5でさらに詳しく説明する。なお、図1と同じ符号のものは図2から図5においても基本的に同一であるためここでは説明を省略する。
最初に、本発明の一実施の形態における多層配線板の製造方法について図2を用いて説明する。図2(a)は本発明の一実施の形態における原材料である両面銅張積層板の要部断面図、図2(b)は本発明の一実施の形態における貫通孔が形成された両面銅張積層板の要部断面図、図2(c)は本発明の一実施の形態における銅コア半田ボールが圧入前の両面銅張積層板の要部断面図、図2(d)は本発明の一実施の形態における銅コア半田ボールが圧入変形後の両面銅張積層板の要部断面図、図2(e)は本発明の一実施の形態における銅めっき膜を形成中の両面銅張積層板の要部断面図、図2(f)は本発明の一実施の形態における層間接続された銅配線層が形成された多層配線板の要部断面図である。
図2において、9は絶縁層2の両面に銅箔10が直接形成された両面銅張積層板であり、11は貫通孔加工用のパンチング金型である。12は銅片13をコア部に有す略球状の1個の銅コア半田ボールである。14及び15は銅コア半田ボール12を圧入変形させるための加圧上プレートと加圧下プレートである。16は銅めっき膜8を形成するためのアルカリ性銅めっき浴、17は銅めっき用の対向電極である。
まず、図2(a)に示すように、絶縁層2の両面に銅箔10が直接形成された両面銅張積層板9を準備する。なお、本発明の一実施の形態においては、絶縁層2と銅箔10の間に接着層が無い二層タイプを挙げているが、接着層のある三層タイプを用いることも可能であり、適宜好適に応じどちらを使用してもよく、これに限定されるものではない。
次に、図2(b)に示すように、パンチング金型11を用いたパンチング加工により、貫通孔5を形成する。なお、本発明の一実施の形態においては、パンチング加工を挙げているが、絶縁層2の種類及び貫通孔のサイズや精度に応じてドリル加工、レーザー加工、エッチング加工を用いることも可能であり、適宜好適に応じどれを使用してもよく、これに限定されるものではない。
さらに、図2(c)に示すように、貫通孔5の位置に銅片13をコア部に有する略球状の1個の銅コア半田ボール12を配置した後、銅コア半田ボール12は加圧上プレート14と加圧下プレート15にて、貫通孔5への圧入変形が開始される。銅コア半田ボール12の配置方法としては、BGAと呼ばれる半導体パッケージに半田ボールを搭載する従来から知られている方法を転用することもできる。具体的には、貫通孔5と対応する位置に銅コア半田ボールより小径の吸引孔を設けた吸着プレートを準備し、吸引孔内の圧力調整用に真空ポンプと接続しておく。この吸着プレートを用い銅コア半田ボールを吸引孔に吸着し、貫通孔5上部に位置合せし、銅コア半田ボールを落下させ、銅コア半田ボールを貫通孔位置に配置する。以上の様な操作を行うボールマウンターと呼ばれる設備を使用することも可能である。ここでは真空吸着による銅コア半田ボールの搭載例を示したが、他に静電吸着などの方法を用いてもよい。
さらに、図2(d)に示すように、加圧上プレート14と加圧下プレート15によって貫通孔5内に銅コア半田ボール12が圧入変形され、貫通孔5内に充填された半田導電体6が形成される。ここで、銅コア半田ボール12の表層は、半田合金からなる軟質金属にて構成されているため、圧入と伴に順次変形し貫通孔5内壁に沿って変形し、貫通孔5内が隙間ない状態で半田導電体6によって完全に充填できる。この充填された半田導電体6によって銅箔10間の導通が確保される。なお、ここでは銅コア半田ボールを貫通孔へ充填し半田導電体6を形成する製法を挙げているが銅コア材を含まない略球状の半田ボールを充填してもよい。この場合、半田ボールが軟質金属である半田のみで構成されているため、貫通孔への充填が容易にでき、作業性よくタクトを短縮することも可能となり、さらに配線層を変形させることなく生産性よく製造することができる。適宜好適に応じどちらを使用してもよく、これに限定されるものではない。
さらに、図2(e)に示すように、半田導電体6が充填された両面銅張積層板9をアルカリ性銅めっき浴16中に浸漬し、対向電極17を用いて通電を行い、銅めっき膜8を半田導電体6の一部が最外表面に露出している半田露出表面と銅箔10表面とに電析する。なお、ここで用いるアルカリ性銅めっき浴16としては、アルカリ性を示すピロリン酸系銅めっき液やシアン系銅めっき液を用いることができる。適宜好適に応じどちらを使用してもよく、これに限定されるものではない。
ここで、この銅めっき膜8は、従来のめっきスルーホール法の様な電気配線としての役割でなく、熱膨張した半田導電体の規制を主な目的としているため、めっきスルーホール法に比べ銅めっき膜の膜厚を薄くすることができる。したがって、製造方法においては、半田導電体の表面を含む銅箔全面に薄く銅めっき膜を形成することから、この後のエッチングにて形成される銅配線層への影響が少なく、銅配線層の微細化に適している。さらに、銅箔全面に同一金属である銅めっき膜が形成されることから、一度のエッチングプロセスで銅配線層形成が行なえ、高い生産性も確保できる。
最後に、図2(f)に示すように、マスク材を銅箔10の表面に形成し、塩化鉄、塩化銅等の銅のエッチング液を用いてエッチング処理を行い、貫通孔5に充填された半田導電体6と半田導電体の表面と銅配線層の表面を被覆一体化した銅めっき膜にて表裏の銅配線層間が導通され、銅片13をコア部に有する半田導電体6の表面と各銅配線層の表面とをめっき膜8にて被覆一体化した、高接続信頼性をもつ多層配線板1が得られる。
なお、本製法の生産形態は、フープ状もしくはシート状の原材料へ製品を複数個配置し、各工程の処理を行い、最終工程にて製品外形を切り出すことができる。なかでもフープ処理は生産性良好な生産形態であり最も望ましい。
以上の様にして得られた本発明の一実施の形態における多層配線板の製造方法は、以下の特徴をもつ。まず、層間接続の半田導電体の表面と銅配線層が銅めっき膜にて被覆され一体構造を有しているため、熱膨張差にて生じる応力を抑制でき高い接続信頼性が得られる。さらに、半田導電体の表面を含む銅箔全面に層間接続用として薄く銅めっき膜を形成することから、その後のエッチングにて形成される銅配線層への影響も少なく、銅配線層の微細化に適している。最後に、銅箔全面に同一金属である銅めっき膜が形成されることから、一度のエッチングプロセスにて銅配線層形成が行なえ、また、銅コア半田ボールの充填と銅めっきという非常にシンプルなプロセスで層間接続が行えることから、他の層間接続方法と比較し工程数が少なく、生産性は格段に向上する。したがって、本発明により、接続信頼性の高い、銅配線層の微細化に最適な、生産性に優れる層間接続を有する多層配線板が得られる。
次に、さらに高い接続信頼性をもつ本発明の一実施の形態における多層配線板の製造方法について図3を用いて説明する。図3(a)は本発明の一実施の形態における原材料である両面銅張積層板の要部断面図、図3(b)は本発明の一実施の形態における銅配線層が形成された両面配線板の要部断面図、図3(c)は本発明の一実施の形態における貫通孔が形成された両面配線板の要部断面図、図3(d)は本発明の一実施の形態における銅コア半田ボールが圧入変形後の両面配線板の要部断面図、図3(e)は本発明の一実施の形態における銅めっき膜を形成した層間接続後の多層配線板の要部断面図である。
図3において、18は両面積層板9をエッチング処理し銅配線層を形成した両面配線板である。
まず、図3(a)に示すように、絶縁層2の両面に銅箔10が直接形成された両面銅張積層板9を準備し、図3(b)に示すように、マスク材を銅箔10の表面に形成し、塩化鉄、塩化銅等の銅のエッチング液を用いてエッチング処理を行い、銅配線上層3及び銅配線下層4が形成された両面配線板18をえる。
らに、図3(c)に示すように、パンチング金型11を用いたパンチング加工により、貫通孔5を形成し、図3(d)に示すように、加圧上プレート14と加圧下プレート15によって貫通孔5内に銅コア半田ボールを圧入変形し、貫通孔5内に充填された半田導電体6が形成される。この半田導電体6によって銅配線上層3と銅配線下層4とが導通されている。
最後に、図3(e)に示すように、アルカリ性銅めっき浴の電析にて銅めっき膜8を半田導電体6の表面と各銅配線層の表面とに形成し、貫通孔5に充填された半田導電体6にて銅配線層間が導通され、銅片13をコア部に有する半田導電体6の表面と各銅配線層の表面とを銅めっき膜8にて被覆一体化した、多層配線板1が得られる。この多層配線板1は、銅配線層形成後に銅めっき膜8を形成し各銅配線層側面にも銅めっき膜が被覆しているため、銅めっき膜8の密着面積が増加し、銅めっき膜8の各銅配線層に対する密着強度が向上できる。したがって、層間接続部において熱膨張した半田導電体6を確実に抑制可能となるため、さらに高い接続信頼性を有する。
なお、ここでは銅めっき膜8を形成する前に層間接続部の近傍を露出させためっきマスキングを行い、他の銅配線層の表面に銅めっき膜を形成させない部分めっき法を用いることもできる。この方法によれば、他の銅配線層の表面に銅めっき膜が形成されないので、さらに銅配線層の微細化に適した製法となる。
以上のようにして得られた本発明の一実施の形態における多層配線板の製造方法は、銅配線層形成後に形成された銅めっき膜が銅配線層側面にも被覆されるため、銅めっき膜の密着強度が向上でき、層間接続部の半田導電体6を確実に規制可能となり、さらに高い接続信頼性をもつ多層配線板が得られる。したがって、本発明によっても、接続信頼性の高い、銅配線層の微細化に最適な、生産性に優れる層間接続を有する多層配線板が得られる。
次に、さらに接続信頼性及び銅配線層の微細化に優れる本発明の一実施の形態における多層配線板の製造方法について図4を用いて説明する。図4(a)は本発明の一実施の形態における原材料である接着層付き片面銅張積層板の要部断面図、図4(b)は本発明の一実施の形態における銅配線層が形成された接着層付き片面配線板の要部断面図、図4(c)は本発明の一実施の形態における貫通孔が形成された接着層付き片面配線板の要部断面図、図4(d)は本発明の一実施の形態におけるブラインドバイアホールが形成された多層配線板の要部断面図、図4(e)は本発明の一実施の形態における銅コア半田ボールが圧入変形後の両面配線板の要部断面図、図4(f)は本発明の一実施の形態における銅めっき膜を形成した層間接続後の多層配線板の要部断面図である。
図4において、19は絶縁層2の片面に銅箔10、他方の面に接着層20が形成された接着層付き片面銅張積層板である。また、21は接着層付き片面銅張積層板19をエッチング処理し銅配線上層3を形成した接着層付き片面配線板である。23は接着層付き片面配線板21と積層する他の片面配線板である。24は接着層付き片面配線板21及び23を積層し、層間接続用にブラインドバイアホール22を形成した多層配線板である。25はブラインドバイアホール22に充填された半田導電体6を有し、この半田導電体6の表面と銅配線上層3の表面とを銅めっき膜8にて被覆一体化した多層配線板である。
まず、図4(a)に示すように、絶縁層2の片面に銅箔10が直接形成され、他方の面に接着層20が形成された接着層付き片面銅張積層板19を準備し、図4(b)に示すように、エッチング処理にて銅配線上層3を形成し、接着層付き片面配線板21をえる。ここで得られた接着層付き片面配線板21の銅配線上層3は、上記両面配線板の銅配線層と比較し、微細化に適した片面エッチングが可能であることから更なる微細化が可能となっている。
その理由を以下に述べる。通常、両面配線板の銅配線層形成においては、両面銅張積層板の両面にある銅箔を同時にエッチング処理するため、エッチング液を両面銅張積層板の上下方向からムラなく均一にあてる必要がある。しかしながら、両面銅張積層板の上下方向からエッチング液を加圧噴霧した場合、上面に噴霧された後のエッチング液が上面に液だまりつくりエッチング均一性が保てないという問題がある。したがって、両面配線板においてはエッチング条件が不安定となり、非常に微細な銅配線層を形成することが難しい。一方、片面配線板の銅配線層形成においては、下側からの噴霧でよいため、エッチング液の液だまりができないため、エッチング条件の最適範囲が広くとれ、銅配線層の微細化に適している。
次に、図4(c)に示すように、パンチング金型11を用いたパンチング加工を接着層付き片面配線板21に施し、貫通孔5を形成し、図4(d)に示すように、接着層付き片面配線板21と銅配線下層4の形成された他の片面配線板23とを接着層20を介して接着させ、層間接続用のブラインドバイアホール22が形成された多層配線板24をえる。ここで得られた多層配線板24は、銅配線層が微細である片面配線板を積層しているため、上記両面配線板の配線層と比較し、銅配線層がさらに微細となる。なお、本発明の一実施の形態における片面配線板の積層方法としては、多層配線板24を挙げているが、2枚の片面配線板を銅配線層が最外層になる向きに接着層を介して貼り合わせ両面配線板を形成しても、銅配線層の微細化が図れる。適宜好適に応じどちらの積層方法を使用してもよく、これに限定されるものではない。
さらに、図4(e)に示すように、ブラインドバイアホール22に銅コア半田ボールを圧入変形し半田導電体6を形成する。ここで得られた半田導電体6は、底面に銅配線下層4をもつブラインドバイアホール22に充填されているため、貫通孔と比較して半田導電体6と銅配線下層4との接合面積が増加し、両者の密着強度も増加する。よって、様々な外部ストレスが加わっても、銅配線下層4と半田導電体6との接合界面が剥離することなく、さらに高い接続信頼性が得られる。
最後に、図4(f)に示すように、アルカリ性銅めっき浴の電析にて銅めっき膜8を半田導電体6の表面と銅配線上層3の表面とに形成し、ブラインドバイアホール22に充填された半田導電体6の一部が最外表面に露出している半田露出表面にて銅配線層間が導通され、銅片13をコア部に有する半田導電体6の表面と各銅配線層の表面とを銅めっき膜8にて被覆一体化した、多層配線板25が得られる。
以上のようにして得られた本発明の一実施の形態における多層配線板の製造方法は、片面配線板を積層するため、両面配線板の銅配線層と比較し、銅配線層がより微細となる。さらに、銅コア半田ボールを圧入変形してブラインドバイアホール内に半田導電体を充填するため、貫通孔と比較し、より高い接続信頼性が得られる。したがって、本発明によっても、接続信頼性の高い、銅配線層の微細化に最適な、生産性に優れる層間接続を有する多層配線板が得られる。
最後に、前述した多層配線板をさらに積層化する本発明の一実施の形態における多層配線板について図5を用いて説明する。図5(a)は本発明の一実施の形態における積層後の多層配線板の要部断面図、図5(b)は本発明の一実施の形態における積層後の他の多層配線板の要部断面図である。
図5において、26は多層配線板1と多層配線板25を接着層20を介して積層した多層配線板である。まず、図5(a)に示すように、前述した本発明の一実施の形態によって製造された多層配線板1と多層配線板25を接着層20を介してさらに積層し、銅配線層数を増加させた多層配線板26が得られる。ここで得られた多層配線板26は、構成材料である多層配線板1と多層配線板25が高接続信頼性で、微細な銅配線層をもつため、接続信頼性が高く、銅配線層の微細化に優れたものとなる。
また、図5(b)に示すように、前述した多層配線板1と多層配線板25の銅めっき膜8が接触する様に積層し、多層配線板27を得ている。ここで銅めっき膜8は金属層であるため、各配線層の導通が可能となる。さらに銅めっき膜8の表面に半田めっき膜を積層した場合は、この半田めっき膜を互いに接触させ加熱冷却を行うと、半田めっき膜が溶融固化し、互いに簡単に接合され接続信頼性が向上する。
以上の様にして得られた本発明の一実施の形態における多層配線板は、高接続信頼性で、微細な銅配線層をもつ多層配線板同士をさらに積層し形成を行うため、接続信頼性が高く、銅配線層の微細化に優れる。したがって、本発明によっても、接続信頼性の高い、銅配線層の微細化に最適な、生産性に優れる層間接続を有する多層配線板が得られる。
本発明により、接続信頼性の高い、銅配線層の微細化に最適な、生産性に優れる層間接続を有する多層配線板及びその製造方法が提供できる。
本発明の一実施の形態における多層配線板の要部断面図 (a)本発明の一実施の形態における原材料である両面銅張積層板の要部断面図、(b)本発明の一実施の形態における貫通孔が形成された両面銅張積層板の要部断面図、(c)本発明の一実施の形態における銅コア半田ボールが圧入前の両面銅張積層板の要部断面図、(d)本発明の一実施の形態における銅コア半田ボールが圧入変形後の両面銅張積層板の要部断面図、(e)本発明の一実施の形態における銅めっき膜を形成中の両面銅張積層板の要部断面図、(f)本発明の一実施の形態における層間接続された銅配線層が形成された多層配線板の要部断面図 (a)本発明の一実施の形態における原材料である両面銅張積層板の要部断面図、(b)本発明の一実施の形態における銅配線層が形成された両面配線板の要部断面図、(c)本発明の一実施の形態における貫通孔が形成された両面配線板の要部断面図、(d)本発明の一実施の形態における銅コア半田ボールが圧入変形後の両面配線板の要部断面図、(e)本発明の一実施の形態における銅めっき膜を形成した層間接続後の多層配線板の要部断面図 (a)本発明の一実施の形態における原材料である接着層付き片面銅張積層板の要部断面図、(b)本発明の一実施の形態における銅配線層が形成された接着層付き片面配線板の要部断面図、(c)本発明の一実施の形態における貫通孔が形成された接着層付き片面配線板の要部断面図、(d)本発明の一実施の形態におけるブラインドバイアホールが形成された多層配線板の要部断面図、(e)本発明の一実施の形態における銅コア半田ボールが圧入変形後の両面配線板の要部断面図、(f)本発明の一実施の形態における銅めっき膜を形成した層間接続後の多層配線板の要部断面図 (a)本発明の一実施の形態における積層後の多層配線板の要部断面図、(b)本発明の一実施の形態における積層後の他の多層配線板の要部断面図
符号の説明
1 多層配線板
2 絶縁層
3 銅配線上層
4 銅配線下層
5 貫通孔
6 半田導電体
7 半田ボール
8 銅めっき膜
9 両面銅張積層板
10 銅箔
11 パンチング金型
12 銅コア半田ボール
13 銅片
14 加圧上プレート
15 加圧下プレート
16 アルカリ性銅めっき浴
17 対向電極
18 両面配線板
19 接着層付き片面銅張積層板
20 接着層
21 接着層付き片面配線板
22 ブラインドバイアホール
23 他の片面配線板
24 多層配線板
25 多層配線板
26 多層配線板
27 多層配線板

Claims (8)

  1. 絶縁層と、前記絶縁層の両面に積層された銅配線層と、前記絶縁層と少なくとも片方の前記銅配線層とを貫通する貫通孔と、前記貫通孔に充填され前記銅配線層間を接続導通する半田導電体とからなる多層配線板であって、前記半田導電体の一部が前記銅配線層と接し最外表面に露出している半田露出表面と前記銅配線層表面とが銅めっき膜にて被覆一体化され接合しており、且つ前記銅めっき膜は、アルカリ性銅めっきによって電析されていることを特徴とする多層配線板。
  2. 前記半田導電体は、前記貫通孔径より小さな銅片をコア部に有し、表面を半田金属層で被覆されていることを特徴とする請求項1記載の多層配線板。
  3. 少なくとも半田導電体が充填された範囲を含んだ領域のみに前記銅めっき膜を部分めっきされていることを特徴とする請求項1及び2記載の多層配線板。
  4. 絶縁層の両面に銅箔が積層された両面銅張積層板の所定の層間接続位置に前記銅箔と前記絶縁層とを貫通する貫通孔を形成した後、前記貫通孔内に前記貫通孔径より小さな銅片をコア部に有し、表面を半田金属層で被覆された略球状の1個の銅コア半田ボールを圧入充填することで半田導電体を形成し、前記半田導電体の一部が前記銅箔と接し最外表面に露出している半田露出表面と前記銅箔全面にアルカリ性電解銅めっきによって銅めっき膜を電析した後、前記銅めっき膜が被覆された前記銅箔を所定の形状にパターンエッチング処理することで層間接続された銅配線層をえることを特徴とする多層配線板の製造方法。
  5. 絶縁層の両面に銅配線層が形成された両面配線板の所定の層間接続位置に前記銅配線層と前記絶縁層とを貫通する貫通孔を形成した後、前記貫通孔内に前記貫通孔径より小さな銅片をコア部に有し、表面を半田金属層で被覆された略球状の1個の銅コア半田ボールを圧入充填することで半田導電体を形成し、前記半田導電体の一部が前記銅配線層と接し最外表面に露出している半田露出表面と前記銅配線層表面とをアルカリ性電解銅めっきによって銅めっき膜を電析することで前記銅配線層間の導通をとることを特徴とする多層配線板の製造方法。
  6. 絶縁層の片面に銅配線層が形成された2枚の片面配線板を前記銅配線層が最外層になる向きに接着層を介して貼り合わせ前記両面配線板を形成することを特徴とする請求項5記載の多層配線板の製造方法。
  7. 絶縁層の片面に銅配線層が形成された片面配線板の所定の層間接続位置に前記銅配線層と前記絶縁層とを貫通する貫通孔を形成し、前記片面配線板の前記銅配線層が最外層になる向きに他の片面配線板の銅配線層表面に接着層を介して積層しブラインドバイアホールを形成した後、前記ブラインドバイアホール内に前記貫通孔径より小さな銅片をコア部に有し、表面を半田金属層で被覆された略球状の1個の銅コア半田ボールを圧入充填することで半田導電体を形成し、前記半田導電体の一部が前記銅配線層と接し最外表面に露出している半田露出表面と前記銅配線層表面とをアルカリ性電解銅めっきによって銅めっき膜を電析することで前記銅配線層間の導通をとることを特徴とする多層配線板の製造方法。
  8. 請求項4から7記載の多層配線板の製造方法であって、前記銅コア半田ボールが銅コア材を含まない略球状の1個の半田ボールであること特徴とする多層配線板の製造方法。
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