JP2009141118A - 太陽電池モジュールおよび太陽電池モジュール用透明放熱性基板 - Google Patents
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Abstract
【課題】日射量が多い場合であっても、太陽電池セルに歪みを生じさせることや受光量を減らすことがなく、太陽電池モジュールにこもる熱を効率よく外部に放散させて、太陽電池セルや太陽電池モジュールの温度上昇を抑制することにより、光電変換の変換効率の低下を抑制することができる太陽電池モジュールおよび太陽電池モジュール用透明放熱性基板を提供する。
【解決手段】太陽電池モジュールを構成する光透過性放熱部材として、スピネル、MgO、透明ZnS、YAG、サファイアのいずれかよりなる透明放熱性基板を用いる太陽電池モジュール。透明放熱性基板が、太陽電池セルの受光面側に配設された透光性保護部材である太陽電池モジュール。透明放熱性基板の片面または両面に、少なくとも1層の反射防止コーティング層が形成されている太陽電池モジュール。
【選択図】 図1
【解決手段】太陽電池モジュールを構成する光透過性放熱部材として、スピネル、MgO、透明ZnS、YAG、サファイアのいずれかよりなる透明放熱性基板を用いる太陽電池モジュール。透明放熱性基板が、太陽電池セルの受光面側に配設された透光性保護部材である太陽電池モジュール。透明放熱性基板の片面または両面に、少なくとも1層の反射防止コーティング層が形成されている太陽電池モジュール。
【選択図】 図1
Description
本発明は、太陽電池モジュールおよび太陽電池モジュール用透明放熱性基板に関し、詳しくは、温度上昇に起因する光変換効率の低下を抑制することができる太陽電池モジュールおよび太陽電池モジュール用透明放熱性基板に関する。
太陽電池モジュールは、通常、光電変換素子である太陽電池セル、その受光面側に配設されるガラス等の透光性保護部材、受光面とは反対の面側に配設される支持部材等から構成されている。
前記太陽電池モジュールにおいては、太陽電池セルが太陽光線を受光して光電変換し発電する。当然日射量が多いほど受光量が多くなり、出力電流が増す。しかし、日射量のすべてが光電変換されるわけではなく、光電変換されないエネルギーの一部は熱エネルギーに変換される。そして、変換された熱エネルギーを外部に放散することができない場合、太陽電池セルの温度が上昇し、全体として太陽電池モジュールの温度が上昇する。
前記したように、受光量の増加は出力電流の増加をもたらすが、その一方、太陽電池セルの温度が上昇するに伴って、出力電圧の低下をもたらす。そして、出力電圧の低下の程度は出力電流の増加の程度よりも大きいため、結果として最大出力の低下を招き、太陽電池セルの変換効率を低下させる。即ち、太陽電池モジュールとしての出力が低下する。
そこで、このような太陽電池セルや太陽電池モジュールの温度上昇による光電変換の変換効率の低下を防ぐために、太陽電池モジュールの放熱性を高めて、こもった熱を外部に放散することにより、太陽電池セルや太陽電池モジュールの温度上昇を抑制することが種々提案されている。
例えば、第1番目の技術として、太陽電池セルや太陽電池モジュールの裏面にヒートシンクを貼り合わせることにより、裏面側から冷却して、温度上昇を抑制することが提案されている(特許文献1)。
また、第2番目の技術として、太陽電池セルの光入力側に赤外線反射性および/または赤外線吸収性の膜を設けることにより、熱となる部分の光を遮断して、太陽電池セルの温度上昇を防ぐことが提案されている(特許文献2)。
特開2000−68539号公報
特開平10−190017号公報
また、第2番目の技術として、太陽電池セルの光入力側に赤外線反射性および/または赤外線吸収性の膜を設けることにより、熱となる部分の光を遮断して、太陽電池セルの温度上昇を防ぐことが提案されている(特許文献2)。
しかしながら、第1番目の技術においては、太陽電池セルに封止を施した際に、太陽電池セルの表面側と裏面側に、温度差を生じてしまうことが避けられない。このような温度差は、太陽電池セルに歪みを生じさせる場合があり、歪みの状態によっては、太陽電池セルが壊れてしまう恐れがある。
また、第2番目の技術においては、太陽電池セルは、赤外部分の光にも感度を有する場合が多いため、赤外光の受光量が減少する分だけ変換効率の低下を招く恐れがある。
また、第2番目の技術においては、太陽電池セルは、赤外部分の光にも感度を有する場合が多いため、赤外光の受光量が減少する分だけ変換効率の低下を招く恐れがある。
そこで、本発明は、日射量が多い場合であっても、太陽電池セルに歪みを生じさせることや受光量を減らすことがなく、太陽電池モジュールにこもる熱を効率よく外部に放散させて、太陽電池セルや太陽電池モジュールの温度上昇を抑制することにより、光電変換の変換効率の低下を抑制することができる太陽電池モジュールおよび太陽電池モジュール用透明放熱性基板を提供することを課題とする。
本発明者は、上記の課題に鑑み鋭意研究の結果、熱伝導率が高く、光透過性に優れた材料を太陽電池モジュールを構成する光透過性放熱部材として用いることにより、太陽電池モジュールにこもる熱を効率よく外部に放熱し、太陽電池セルの温度上昇を抑制することができ、その結果変換効率の低下を抑制することができることを見出し、本発明を完成するに至った。
以下、各請求項の発明について説明する。
以下、各請求項の発明について説明する。
請求項1に記載の発明は、
太陽電池モジュールを構成する光透過性放熱部材として、スピネル、MgO、透明ZnS、YAG、サファイアのいずれかよりなる透明放熱性基板を用いることを特徴とする太陽電池モジュールである。
太陽電池モジュールを構成する光透過性放熱部材として、スピネル、MgO、透明ZnS、YAG、サファイアのいずれかよりなる透明放熱性基板を用いることを特徴とする太陽電池モジュールである。
請求項1に記載の発明においては、太陽電池モジュールを構成する光透過性放熱部材として、熱伝導率が高く、しかも透明で光透過率が高い材料であるスピネル、MgO、透明ZnS、YAG、サファイアのいずれかよりなる透明放熱性基板を用いるため、太陽電池セルに歪みを生じさせることや受光量を減らすことがなく、太陽電池モジュールにこもる熱を効率よく外部に放散させて、太陽電池セルや太陽電池モジュールの温度上昇を抑制して、光電変換の変換効率の低下を抑制することができる太陽電池モジュールを提供することができる。
例えば、従来、太陽電池モジュールの主要な構成部材である透光性保護部材としては、ガラスが一般的に用いられてきた。しかし、ガラスの熱伝導率は、約1.30W/mKと低いために、放熱性が不十分であり、太陽電池モジュールにこもる熱を充分には放散させることができず、太陽電池セルや太陽電池モジュールの温度上昇を抑制することが困難であった。
上記ガラスの熱伝導率に対して、スピネルの熱伝導率は、約17W/mK、MgOの熱伝導率は、約59W/mK、透明ZnSの熱伝導率は、約21W/mK、YAGの熱伝導率は、約14W/mK、サファイアの熱伝導率は、約42W/mKであって、ガラスに比べてはるかに高い熱伝導率を有している。この高い熱伝導率により、太陽電池セルに発生する熱を良好に放散して、温度上昇を抑制することができる。
また、高い変換効率を確保するためには、特に、可視光域である波長400〜800nmにおいて、光透過率が50%以上であることが必須である。好ましくは70%以上であり、80%以上であればさらに好ましい。
スピネル、MgO、透明ZnS、YAG、サファイアは、いずれも上記の条件を満たしており、ガラスに近い光透過率を有している。これにより、高い受光量を確保することができ、高い変換効率を確保することができる。
スピネル、MgO、透明ZnS、YAG、サファイアは、いずれも上記の条件を満たしており、ガラスに近い光透過率を有している。これにより、高い受光量を確保することができ、高い変換効率を確保することができる。
さらに、太陽電池モジュールの構成部材として必要な強度や絶縁性等の物性についても、スピネル、MgO、透明ZnS、YAG、サファイアは、ガラスに劣らない物性を有している。
このように、スピネル、MgO、透明ZnS、YAG、サファイアのいずれかよりなる透明放熱性基板は、透光性保護部材等に用いることにより好適な光透過性放熱部材として使用することができる。
このように、スピネル、MgO、透明ZnS、YAG、サファイアのいずれかよりなる透明放熱性基板は、透光性保護部材等に用いることにより好適な光透過性放熱部材として使用することができる。
なお、サファイアは、熱伝導率、光透過率がともに高い材料であるが、高価で、異方性があることや、熱膨張係数がc軸に対する方向(垂直、または平行)により異なる等、取り扱いに注意を要する。しかし、太陽電池モジュールの部材の中で、熱伝導率と光透過率への要求が極めて高い場所では用いることができる。
これに対して、スピネル、MgO、透明ZnSは、多結晶体であって、異方性もなく、また、工業的に生産できるため、安価であり、汎用品として使用することができ好ましい。YAGは、単結晶体又は多結晶体であるが、工業的に生産でき、適宜選択して使用することができる。
これに対して、スピネル、MgO、透明ZnSは、多結晶体であって、異方性もなく、また、工業的に生産できるため、安価であり、汎用品として使用することができ好ましい。YAGは、単結晶体又は多結晶体であるが、工業的に生産でき、適宜選択して使用することができる。
スピネルは、分子式をMgO・nAl2O3と表示したときに、nは1〜3であり、本発明においては1.05〜1.30が好ましく、1.07〜1.125がより好ましく、1.08〜1.09であることが特に好ましい。製造方法としては、MgOおよびAl2O3粉末、あるいはスピネル粉末を用いて、公知の粉末焼結法により製造することができる。
MgO、YAGは、公知の粉末焼結法により製造することができる。
透明ZnSは、Zn粉末とH2Sを原料として、CVD(化学気相堆積法)により焼結体とした後に、HIP(熱間等方圧プレス)することにより、製造することができる。
これらの焼結体を所定の寸法に調整することにより、太陽電池モジュール用透明放熱性基板とすることができる。なお、サファイアよりなる太陽電池モジュール用透明放熱性基板は、サファイア単結晶を所定の寸法に切り出し、加工することにより得られる。
MgO、YAGは、公知の粉末焼結法により製造することができる。
透明ZnSは、Zn粉末とH2Sを原料として、CVD(化学気相堆積法)により焼結体とした後に、HIP(熱間等方圧プレス)することにより、製造することができる。
これらの焼結体を所定の寸法に調整することにより、太陽電池モジュール用透明放熱性基板とすることができる。なお、サファイアよりなる太陽電池モジュール用透明放熱性基板は、サファイア単結晶を所定の寸法に切り出し、加工することにより得られる。
なお、これらの太陽電池モジュール用透明放熱性基板を太陽電池モジュールに配設することに、位置的に特別な制限はなく、太陽電池モジュールにこもる熱を放散させることができる箇所であれば、請求項2に示すように太陽電池セルの受光面側に配設される他に、太陽電池セルの裏面側に配設されてもよく、また太陽電池モジュールの側面側に配設されてもよい。
さらに、太陽電池セルでは、太陽電池セルの受光面上に反射防止膜が設けられている場合があるが、本発明にかかる太陽電池モジュール用透明放熱性基板がその代替として配設されてもよい。
さらに、太陽電池セルでは、太陽電池セルの受光面上に反射防止膜が設けられている場合があるが、本発明にかかる太陽電池モジュール用透明放熱性基板がその代替として配設されてもよい。
請求項2に記載の発明は、
前記透明放熱性基板が、太陽電池セルの受光面側に配設された透光性保護部材であることを特徴とする請求項1に記載の太陽電池モジュールである。
前記透明放熱性基板が、太陽電池セルの受光面側に配設された透光性保護部材であることを特徴とする請求項1に記載の太陽電池モジュールである。
請求項2に記載の発明においては、透明放熱性基板が、太陽電池セルの受光面側に配設された透光性保護部材であるため、前記したように、従来のガラスによる透光性保護部材を用いた場合と異なり、太陽電池セルや太陽電池モジュールの温度上昇を抑制して、光電変換の変換効率の低下を抑制できる太陽電池モジュールを提供することができる。
なお、太陽電池セルの受光面側に配設されているとは、太陽電池セルの受光面と接して配設されていることに限定されず、太陽電池セルの受光面と離れて配設されていてもよい。また、太陽電池モジュールの外側パネルを兼用するように配設されていてもよい。
なお、太陽電池セルの受光面側に配設されているとは、太陽電池セルの受光面と接して配設されていることに限定されず、太陽電池セルの受光面と離れて配設されていてもよい。また、太陽電池モジュールの外側パネルを兼用するように配設されていてもよい。
請求項3に記載の発明は、
前記透明放熱性基板の片面または両面に、少なくとも1層の反射防止コーティング層が形成されていることを特徴とする請求項2に記載の太陽電池モジュールである。
前記透明放熱性基板の片面または両面に、少なくとも1層の反射防止コーティング層が形成されていることを特徴とする請求項2に記載の太陽電池モジュールである。
請求項3に記載の発明においては、透明放熱性基板の片面または両面に、少なくとも1層の反射防止コーティング層が形成されているため、透明放熱性基板の光透過性をより向上させて、受光量を増加させることにより、光電変換の変換効率をより向上させることができる。
さらに、反射防止コーティング層を2層以上の複層とすることにより、透明放熱性基板の光透過性をさらに向上させることができ、光電変換の変換効率をさらに向上させることができる。
さらに、反射防止コーティング層を2層以上の複層とすることにより、透明放熱性基板の光透過性をさらに向上させることができ、光電変換の変換効率をさらに向上させることができる。
反射防止コーティング層の形成方法としては、従来公知のPVD法(物理蒸着法)、スパッタリング法、イオンプレーティング法、真空蒸着法等を用いることができる。特に、イオンアシスト、プラズマアシストを併用すると層の膜性能が向上する。
また、2層以上の複層の層数については、特に限定されない。
また、2層以上の複層の層数については、特に限定されない。
請求項4に記載の発明は、
前記反射防止コーティング層が、金属酸化物層および/または金属弗化物層により形成された1または2以上の層であることを特徴とする請求項3に記載の太陽電池モジュールである。
前記反射防止コーティング層が、金属酸化物層および/または金属弗化物層により形成された1または2以上の層であることを特徴とする請求項3に記載の太陽電池モジュールである。
請求項4に記載の発明においては、反射防止コーティング層が、金属酸化物層および/または金属弗化物層により形成された1または2以上の層であるため、透明放熱性基板との密着性も良く、環境安定性に優れた透明放熱性基板とすることができ好ましい。
金属酸化物としては、例えば、SiO2、TiO2、Al2O3、Y2O3、Ta2O5、ZrO2、Ta2O5、LaO3等が、金属弗化物としては、例えば、MgF2、YF3、LaF3、CeF3、BaF2等を好ましく使用することができる。
請求項5に記載の発明は、
スピネル、MgO、透明ZnS、YAG、サファイアのいずれかよりなることを特徴とする太陽電池モジュール用透明放熱性基板である。
スピネル、MgO、透明ZnS、YAG、サファイアのいずれかよりなることを特徴とする太陽電池モジュール用透明放熱性基板である。
請求項5に記載の発明は、請求項1に記載の発明を、太陽電池モジュール用透明放熱性基板の面より捉えたものであり、その効果については、既に述べた通りである。
本発明によれば、日射量が多い場合であっても、太陽電池セルに歪みを生じさせることや受光量を減らすことがなく、太陽電池モジュールにこもる熱を効率よく外部に放散させて、太陽電池セルや太陽電池モジュールの温度上昇を抑制することにより、光電変換の変換効率の低下を抑制することができる太陽電池モジュールおよび太陽電池モジュール用透明放熱性基板を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態につき、図を用いて説明する。なお、本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではない。本発明と同一および均等の範囲内において、以下の実施の形態に対して種々の変更を加えることが可能である。
(実施例1)
本実施例は、透光性保護部材として、スピネルを用いた実施例である。
図1に示すように、P型半導体2、N型半導体3がこの順で積層された太陽電池セル7の上に、表面に反射防止コーティング層4が形成された透光性保護部材(スピネル)5を積層し、その両側(反射防止コーティング層4、P型半導体2)に電極6a、6bを設けて太陽電池モジュール1を作製した。大きさ、厚さは従来の太陽電池モジュールと同様にした。
本実施例は、透光性保護部材として、スピネルを用いた実施例である。
図1に示すように、P型半導体2、N型半導体3がこの順で積層された太陽電池セル7の上に、表面に反射防止コーティング層4が形成された透光性保護部材(スピネル)5を積層し、その両側(反射防止コーティング層4、P型半導体2)に電極6a、6bを設けて太陽電池モジュール1を作製した。大きさ、厚さは従来の太陽電池モジュールと同様にした。
(スピネルの製造)
透光性保護部材5としてのスピネルは、以下に示す方法で製造した。
純度99.9%以上のスピネル(MgO・nAl2O3:n=1.05〜1.30)粉末を、圧力147.5MPaで予備成形し、できた成形体をグラファイト製の容器に入れ、真空中、温度1500℃、圧力34.3MPaの条件で、加圧焼結した。得られたスピネル焼結体を、HIPを用いて、温度1650℃、圧力196MPaおよびアルゴンガス雰囲気の条件で多結晶化した。得られたスピネル多結晶体は、無色透明であった。このスピネル多結晶体を厚さ1mmの板に加工し、光透過率を測定したところ、波長400〜800nmにおいては84%以上であり、良好な光透過率を示した。なお、測定結果を図2に「コーティングなし」として示す。
また、熱伝導率を測定したところ16.9W/mKであった。
透光性保護部材5としてのスピネルは、以下に示す方法で製造した。
純度99.9%以上のスピネル(MgO・nAl2O3:n=1.05〜1.30)粉末を、圧力147.5MPaで予備成形し、できた成形体をグラファイト製の容器に入れ、真空中、温度1500℃、圧力34.3MPaの条件で、加圧焼結した。得られたスピネル焼結体を、HIPを用いて、温度1650℃、圧力196MPaおよびアルゴンガス雰囲気の条件で多結晶化した。得られたスピネル多結晶体は、無色透明であった。このスピネル多結晶体を厚さ1mmの板に加工し、光透過率を測定したところ、波長400〜800nmにおいては84%以上であり、良好な光透過率を示した。なお、測定結果を図2に「コーティングなし」として示す。
また、熱伝導率を測定したところ16.9W/mKであった。
(反射防止コーティング層の形成)
得られた板状のスピネル多結晶体の光透過率を向上させるために、スピネル多結晶体の片面(受光面側)に、MgF2を用いて、厚さ200nmの反射防止コーティング層を形成した。なお、コーティング層の形成方法としては、PVDおよび抵抗加熱を用いた。
片面コーティング後のスピネル多結晶体の光透過率を測定したところ、波長400〜800nmにおいては88%以上であり、より良好な光透過率を示した。なお、測定結果を図2に「片面コーティング」として示す。
得られた板状のスピネル多結晶体の光透過率を向上させるために、スピネル多結晶体の片面(受光面側)に、MgF2を用いて、厚さ200nmの反射防止コーティング層を形成した。なお、コーティング層の形成方法としては、PVDおよび抵抗加熱を用いた。
片面コーティング後のスピネル多結晶体の光透過率を測定したところ、波長400〜800nmにおいては88%以上であり、より良好な光透過率を示した。なお、測定結果を図2に「片面コーティング」として示す。
さらに、残る片面にも、MgF2を用いて、厚さ200nmの反射防止コーティング層を形成させて、両面コーティングのスピネル多結晶体とした。
両面コーティング後のスピネル多結晶体の光透過率を測定したところ、波長400〜800nmにおいては92%以上であり、さらに良好な光透過率を示した。なお、測定結果を図2に「両面コーティング」として示す。
このように、両面に反射防止コーティング層を形成させることにより、光透過率が、反射防止コーティング形成前に比べて、約10%上昇した。
両面コーティング後のスピネル多結晶体の光透過率を測定したところ、波長400〜800nmにおいては92%以上であり、さらに良好な光透過率を示した。なお、測定結果を図2に「両面コーティング」として示す。
このように、両面に反射防止コーティング層を形成させることにより、光透過率が、反射防止コーティング形成前に比べて、約10%上昇した。
(実施例2)
本実施例は、透光性保護部材として、透明ZnSを用いた実施例である。
実施例1のスピネルに替えて、透明ZnSを用い、実施例1と同様の太陽電池モジュール1を作製した。
本実施例は、透光性保護部材として、透明ZnSを用いた実施例である。
実施例1のスピネルに替えて、透明ZnSを用い、実施例1と同様の太陽電池モジュール1を作製した。
(透明ZnSの製造)
透光性保護部材5としての透明ZnSは、以下に示す方法で製造した。
純度99.9%以上のZnとH2Sを、CVD装置を用いて高純度のZnSバルクとした。CVDにおける反応条件は、基板温度700℃、坩堝温度700℃、炉内圧力1333Paとし、アルゴンガス雰囲気中で反応させた。得られたZnSバルクは、半透明の黄色を呈していた。このバルクを、HIPを用いて、温度1000℃、圧力196MPaおよびアルゴンガス雰囲気の条件で多結晶化した。得られたZnS多結晶体は、無色透明になった。この透明ZnS多結晶体を厚さ1mmの板に加工し、光透過率を測定したところ、波長400〜800nmにおいては67%以上であった。なお、測定結果を図3に「コーティングなし」として示す。
また、熱伝導率を測定したところ20.9W/mKであった。
透光性保護部材5としての透明ZnSは、以下に示す方法で製造した。
純度99.9%以上のZnとH2Sを、CVD装置を用いて高純度のZnSバルクとした。CVDにおける反応条件は、基板温度700℃、坩堝温度700℃、炉内圧力1333Paとし、アルゴンガス雰囲気中で反応させた。得られたZnSバルクは、半透明の黄色を呈していた。このバルクを、HIPを用いて、温度1000℃、圧力196MPaおよびアルゴンガス雰囲気の条件で多結晶化した。得られたZnS多結晶体は、無色透明になった。この透明ZnS多結晶体を厚さ1mmの板に加工し、光透過率を測定したところ、波長400〜800nmにおいては67%以上であった。なお、測定結果を図3に「コーティングなし」として示す。
また、熱伝導率を測定したところ20.9W/mKであった。
(反射防止コーティング層の形成)
得られた板状の透明ZnS多結晶体の光透過率を向上させるために、透明ZnS多結晶体の片面(受光面側)に、MgF2を用いて、厚さ200nmの反射防止コーティング層を形成した。なお、コーティング層の形成方法としては、PVDおよび抵抗加熱を用いた。
片面コーティング後の透明ZnS多結晶体の光透過率を測定したところ、波長400〜800nmにおいては77%以上であり、より良好な光透過率を示した。なお、測定結果を図3に「片面コーティング」として示す。
得られた板状の透明ZnS多結晶体の光透過率を向上させるために、透明ZnS多結晶体の片面(受光面側)に、MgF2を用いて、厚さ200nmの反射防止コーティング層を形成した。なお、コーティング層の形成方法としては、PVDおよび抵抗加熱を用いた。
片面コーティング後の透明ZnS多結晶体の光透過率を測定したところ、波長400〜800nmにおいては77%以上であり、より良好な光透過率を示した。なお、測定結果を図3に「片面コーティング」として示す。
さらに、残る片面にも、Al2O3を用いて、厚さ200nmの反射防止コーティング層を形成させて、両面コーティングの透明ZnS多結晶体とした。
両面コーティング後の透明ZnS多結晶体の光透過率を測定したところ、波長400〜800nmにおいては90%以上であり、さらに良好な光透過率を示した。なお、測定結果を図3に「両面コーティング」として示す。
このように、両面に反射防止コーティング層を形成させることにより、光透過率が、反射防止コーティング形成前に比べて、約30%上昇した。
両面コーティング後の透明ZnS多結晶体の光透過率を測定したところ、波長400〜800nmにおいては90%以上であり、さらに良好な光透過率を示した。なお、測定結果を図3に「両面コーティング」として示す。
このように、両面に反射防止コーティング層を形成させることにより、光透過率が、反射防止コーティング形成前に比べて、約30%上昇した。
(比較例1)
比較のために、透光性保護部材5として、スピネル、透明ZnSに替えて、ガラスを用い、実施例1と同様の太陽電池モジュール1を作成した。なお、ガラス基板としては、従来から用いられているものを用い、反射防止コーティング層4は形成させなかった。
比較のために、透光性保護部材5として、スピネル、透明ZnSに替えて、ガラスを用い、実施例1と同様の太陽電池モジュール1を作成した。なお、ガラス基板としては、従来から用いられているものを用い、反射防止コーティング層4は形成させなかった。
(評価)
実施例1、実施例2および比較例1で得られた各太陽電池モジュールを用いて、ソーラーパネルを製造し、所定の時間、直射日光に当てた後、各太陽電池モジュールの表面温度と変換効率について比較したところ、実施例1および実施例2は、比較例1と比べ、表面温度の上昇が抑制されており、変換効率も向上していることが確認できた。
実施例1、実施例2および比較例1で得られた各太陽電池モジュールを用いて、ソーラーパネルを製造し、所定の時間、直射日光に当てた後、各太陽電池モジュールの表面温度と変換効率について比較したところ、実施例1および実施例2は、比較例1と比べ、表面温度の上昇が抑制されており、変換効率も向上していることが確認できた。
1 太陽電池モジュール
2 P型半導体
3 N型半導体
4 反射防止コーティング層
5 透光性保護部材
6a、6b 電極
7 太陽電池セル
8 太陽光入射部
2 P型半導体
3 N型半導体
4 反射防止コーティング層
5 透光性保護部材
6a、6b 電極
7 太陽電池セル
8 太陽光入射部
Claims (5)
- 太陽電池モジュールを構成する光透過性放熱部材として、スピネル、MgO、透明ZnS、YAG、サファイアのいずれかよりなる透明放熱性基板を用いることを特徴とする太陽電池モジュール。
- 前記透明放熱性基板が、太陽電池セルの受光面側に配設された透光性保護部材であることを特徴とする請求項1に記載の太陽電池モジュール。
- 前記透明放熱性基板の片面または両面に、少なくとも1層の反射防止コーティング層が形成されていることを特徴とする請求項2に記載の太陽電池モジュール。
- 前記反射防止コーティング層が、金属酸化物層および/または金属弗化物層により形成された1または2以上の層であることを特徴とする請求項3に記載の太陽電池モジュール。
- スピネル、MgO、透明ZnS、YAG、サファイアのいずれかよりなることを特徴とする太陽電池モジュール用透明放熱性基板。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007315872A JP2009141118A (ja) | 2007-12-06 | 2007-12-06 | 太陽電池モジュールおよび太陽電池モジュール用透明放熱性基板 |
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JP2007315872A JP2009141118A (ja) | 2007-12-06 | 2007-12-06 | 太陽電池モジュールおよび太陽電池モジュール用透明放熱性基板 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2016207751A (ja) * | 2015-04-17 | 2016-12-08 | 日本電信電話株式会社 | イットリウム・アルミニウム・ガーネット単結晶ファイバ導波路およびレーザ |
-
2007
- 2007-12-06 JP JP2007315872A patent/JP2009141118A/ja active Pending
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JP2016207751A (ja) * | 2015-04-17 | 2016-12-08 | 日本電信電話株式会社 | イットリウム・アルミニウム・ガーネット単結晶ファイバ導波路およびレーザ |
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