JP2009139936A - スクリーン構造体、スクリーン構造体を用いた表示パネル及び電子機器およびスクリーン構造体の製造方法 - Google Patents

スクリーン構造体、スクリーン構造体を用いた表示パネル及び電子機器およびスクリーン構造体の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明はカラーフィルター層の膜厚分布による光の干渉を抑制することで、表示ムラ、視野角依存を改善した表示パネルを提供することを目的とする。
【解決手段】本発明のスクリーン構造体は、透明基板と、該透明基板上にカラーフィルターとを有し、発光源からの光が前記カラーフィルターと前記透明基板とを透過するスクリーン構造体であって、前記カラーフィルターは複数の領域に細分化されており、前記透明基板が前記カラーフィルターとの界面を形成する領域のほぼ全域に渡って、前記細分化された該領域における前記カラーフィルターとの界面に、R=(m+1/2)λp/|Ncf−Ng|の式で表される値Rの高低差を有することを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、カラーフィルター層(色選択透過層)を具備したスクリーン構造体、表示パネル及び電子機器及びスクリーン構造体の製造方法に関する。
電子放出素子を用い、ブラックマトリクス(遮光層)、カラーフィルター層(光選択透過層)、及び、蛍光体層を具備した平面型の画像表示装置の製造方法が特許文献1に開示されている。特許文献1には、透明基板1上にからフィルタ2及び蛍光体3がこの順に積層された構造が開示されている。
また、特許文献2には、外光反射の低減を目的として、パネル内面の表面に凹凸を設けた陰極線管の構造が開示されている。
また、特許文献3には、電子放出素子を用い、蛍光体と基板の接着力の向上を目的として蛍光体及びブラックマトリクスの下部の基板表面に凹凸が形成されたフラットパネルディスプレイの構造及び製造方法が開示されている。
また、特許文献4には、屈折率の異なる媒質間の境界面に凹凸を設けた反射防止構造体が開示されている。
また、特許文献5には、凹凸を有するガラス基板の表面の、凹凸を抑える緩衝層をカラーフィルターとしたガラス基板の構造が開示されている。
特開2006−107738号公報 特開平07−153386号公報 特開2005−251725号公報 特開2002−286906号公報 特開2003−109523号公報
特許文献1に記載されている画像表示装置は、カラーフィルター層の上下界面は平滑である。そのため、図6のように、蛍光体から発光した光が薄いカラーフィルター層の下面及び上面で反射し、その反射光の位相がずれることによって、直接透過した光と干渉する。一般的に言われているように、光路差Δによる光の干渉は以下の関係であると、強めあったり、弱めあったりする(簡単に考えるために、透過及び反射光の角度は0°とした)。
Δ=2DNcf=lλp・・・強めあう
Δ=2DNcf=(l+1/2)λp・・・弱めあう
(ここで、Dは、カラーフィルターの膜厚、Ncfは、カラーフィルターの屈折率、lは零を含む自然数、λpは、蛍光体の発光波長を示す)
従来のようにカラーフィルターの上下界面が平滑の場合、ある一点の極狭い視点(ミクロ領域)で見るとカラーフィルターの膜厚は一定となる。しかし、スクリーンの表示画面内(マクロ領域)では多少のカラーフィルター膜厚分布が存在する。そのため、画面内で光路差が異なり、光を強めあう部分や弱めあう部分が存在する。そのため観察者である人間の目には透過する光の光路差によって干渉が生じているように見える場合がある。つまり、波長により色の強さが異なり、画面内で色ムラ発生する場合がある。また、透過及び反射した光の光路長は画面を見る角度によって異なるため、干渉光は強めあったり、弱めあったり、様々な部分が存在し、色の視野角依存が発生する場合がある。
本発明はカラーフィルター層の膜厚分布による光の干渉を抑制することで、表示ムラ、視野角依存を改善した表示パネルを提供することを目的とする。
上記の課題を解決するため、本発明のスクリーン構造体は、透明基板と、該透明基板上にカラーフィルターとを有するスクリーン構造体であって、前記カラーフィルターは複数の領域に細分化されており、前記透明基板が前記カラーフィルターとの界面を形成する領域のほぼ全域に渡って、前記細分化された該領域における前記カラーフィルターとの界面に、下記の式で表される値Rの高低差を有することを特徴とする。
R=(m+1/2)λp/|Ncf−Ng|・・・(1)
ここで、mは零を含む自然数、λpは前記発光源からの光の波長のうちカラーフィルターを透過する光の主波長、Ncfは前記カラーフィルターの屈折率、Ngは前記透明基板の屈折率、を示している。
本発明を適用することで、表示ムラ、視野角依存が改善される。
本発明のスクリーン構造体は、透明基板と、該透明基板上にカラーフィルターとを有し、発光源からの光が前記カラーフィルターと前記透明基板とを透過するスクリーン構造体である。
そして、上述のカラーフィルターは複数の領域に細分化されており、透明基板がカラーフィルターとの界面を形成する領域のほぼ全域に渡って、細分化された領域におけるカラーフィルターとの界面に、下記の式で表される値Rの高低差を有することが好ましい。
R=(m+1/2)λp/|Ncf−Ng|・・・(1)
(ここで、mは自然数(以下、自然数は零を含むものとする。)、λpは発光源からの光の波長のうちカラーフィルターを透過する光の主波長(ドミナント波長)、Ncfは前記カラーフィルターの屈折率、Ngは前記透明基板の屈折率、を示している)
透明基板は、カラーフィルターとの界面に凹凸を有していることが好ましい。そして、凹凸の十点平均粗さが、下記の式によって表される値Rz以上であることが好ましい。
Rz=λp/2|Ncf−Ng|・・・(2)
(ここで、λpは前記発光源からの光の波長のうちカラーフィルターを透過する光の主波長、Ncfは前記カラーフィルターの屈折率、Ngは前記透明基板の屈折率、を示している。)
前記凹凸の十点平均粗さが、下記の式によって表される値Rz’以上であることがさらに好ましい。
Rz’=λp/|Ncf−Ng|・・・(3)
尚、十点平均粗さは、JIS B0601:1994で定義されるRzである。十点平均粗さの基準長さは0.8mm以下とすることが好ましい。
本発明のスクリーン構造体は、液晶表示装置、又は、プラズマ表示装置、EL表示装置、又は、電子線表示装置の表示パネルを構成している表示面側の基板(フェイスプレート)として採用することができる。
発光源からの光としては、液晶を透過するバックライトの光、エレクトロルニミネセンスによる光、プラズマ励起され発光する蛍光体の光、又は、電子線励起され発光する蛍光体の光等が挙げられる。
透明基板上には、複数の開口部を有している遮光層を備えていることが好ましい。
また、透過する光の主波長が異なる複数種類のカラーフィルターを有する場合には、複数種類のカラーフィルターのパラメーターNcf,λpによって求められるRzのうち、最大となるRzとすることが好ましい。そして、そのRzをもとに、上記式を満足する凹凸を、透明基板の、カラーフィルターとの界面に設けることが好ましい。
ここで遮光層としては、例えば、ストライプ状やマトリクス状に配置された、所謂ブラックストライプ、ブラックマトリクスと称される、黒色部材を用いることができる。開口部は、円形や楕円形や長方形の場合がある。また、開口部は、スリット状であっても良い。そのような場合は、遮光層が複数の遮光層から構成されていると言うこともできる。
更に、上記凹凸は透明基板の表面全てに設ける必要はなく、遮光層の開口部内に位置する、透明基板の表面の一部にのみ設けられていることが好ましい。言い換えれば、上記凹凸は、透明基板の、遮光層との界面には設けられていないことが好ましい。このようにすることで、外光の反射を抑制できる。
また、複数の開口部を有する遮光層を有する場合には、カラーフィルターは、この開口部内に配置されていることが好ましい。
また、発光源が蛍光体である場合には、この蛍光体は、プラズマ表示装置の表示パネルのように、透明基板と対向して配置された基板上に配置されてあっても良い。又、フィールドエミッションディスプレイなどの電子線表示装置の表示パネルのように、透明基板上に配置されてあっても良い。
電子線表示装置の表示パネルのように、蛍光体が透明基板上に配置される場合、蛍光体はカラーフィルター上に配置されることが好ましい。
また、電子線表示装置の表示パネルの場合には、蛍光体は、遮光層の上記開口部に配置されていることが好ましい。
以上述べたスクリーン構造体は、液晶表示装置やプラズマ表示装置の表示パネルのように、発光源が配置された基板と対向配置されて表示パネルを構成することができる。
又は、以上述べたスクリーン構造体は、電子線表示装置の表示パネルのように、電子放出素子が配置された基板と対向配置されて表示パネルを構成することができる。
上述の、表示パネルは、テレビジョン、パーソナルコンピュータ用の画像表示装置、携帯用のパーソナルコンピュータ、あるいは、携帯電話等の電子機器に搭載することができる。
図1は、本発明の実施の形態を示したスクリーン構造体の原理を説明するための模式的な断面図である。
図1に示す、スクリーン構造体は、透明基板1、透明基板1上のカラーフィルター2から構成されている。
透明基板1としては、プラスチック基板やガラス基板を用いることができる。ガラス基板としては、例えばPD−200(旭硝子(株)社製)、PP−8(日本電気硝子(株)社製)などの高ひずみ点ガラスを用いることが、熱プロセスによる安定性を有する点で好ましい。透明基板は、可視光に対して光学的に透明な基板である。
カラーフィルター2は、無機顔料や金属コロイドからなる微粒子を含む膜であって、可視光の赤、又は緑、又は青を透過する特性をもつものが好ましい。微粒子の材料としては、例えば、酸化コバルト、酸化マンガン、酸化鉄などが挙げられる。微粒子の粒径は、前記凹凸の十点平均粗さの値より小さいことが好ましい。
カラーフィルター2はインクジェット法、フォトリソグラフィ法、スクリーン印刷法などによって形成することが出来る。カラーフィルター2の膜厚はその材料毎の透過特性に応じて決定され、具体的には輝度、コントラストへの作用を考慮して数百nm〜数μmの厚さが好ましい。
本発明のスクリーン構造体では、透明基板1とカラーフィルター2との界面(以下、単に界面と呼ぶ場合は、この界面を指す)である、透明基板1の表面に高低差Rとなる部分を備える。高低差Rの詳細ついては後述する。
「透明基板1の表面」とは、透明基板1の対向する2つの表面のうち、カラーフィルター2との界面をなす面のことである。「カラーフィルター2の表面」は、カラーフィルター2の対向する2つの表面のうち、透明基板1との界面をなす面と対向する面である。換言すると、「カラーフィルター2の表面」は、カラーフィルター2の対向する2つの表面のうち、透明基板1側の面とは反対側の面である。
ミクロ領域(後述)における膜厚を定義するために、「カラーフィルター2の膜厚D」を、ミクロ領域における透明基板1の表面の最も高い位置からカラーフィルター2の表面までの距離と定義する。
一方で、「実際の膜厚」を、界面の任意の点からカラーフィルター2の表面までの距離と定義する。例えば、透明基板2の表面の最も高い部分に対して高低差Rとなる、透明基板1の表面の低い部分から、カラーフィルター2の表面までの距離が「実際の膜厚」であり、D+Rで表される。
そして、透明基板1の屈折率はNg,カラーフィルター2の屈折率はNcfである。
以下、「高低差」、「膜厚」「凹凸」、「高い部分」、「低い部分」、について説明する場合は、透明基板1の対向する2つの表面のうち、カラーフィルター2との界面をなす面とは反対側の面に対して垂直な方向であって、透明基板1からカラーフィルター2に向かう方向を上として説明する。
例えば「高い部分」、「凸」とは「低い部分」、「凹」に対して透明基板1の表面がカラーフィルター2側に突出した部分を示す。なお、ここでいう方向は、説明を簡潔にするための便宜的な表現であり、スクリーン構造体自体の方向を限定するものではない。また、ここでは、簡単に考えるために、透過及び反射光としてはは透明基板1の対向する2つの表面のうち、カラーフィルター2との界面をなす面とは反対側の面に対して垂直な方向の光を考える。
図6に、平滑な表面を有する透明基板1上に、カラーフィルター2を設けた場合の模式図を示す。図6では、カラーフィルター2の膜厚が厚く形成された領域(図6の右側の領域)とカラーフィルター2の膜厚が薄く形成された領域(図6の左側の領域)とを抜き出して模式的に示している。また、カラーフィルター2を透過する光の光路を矢印で表している。実際には、光路S1とS2、光路S3とS4はそれぞれ同じ部分を透過、反射するが、図面上で区別するために、分離して示している。図6に示す光路(S1、S3)を通った光は、光路(S2、S4)を通った光よりも強い。光路(S1、S3)を通る光は透明基板1とカラーフィルター2との界面を反射せずに透過する光である。光路(S2、S4)を通る光は、カラーフィルターに入射した後、界面で反射し、カラーフィルターの表面でさらに反射してから、界面を透過する光である。これらの光路(S1、S2、S3、S4)を通った光の明るさ(強さ)は、少なくとも、界面とカラーフィルター2の表面での透過率(反射率)に依存する。そして、前述した光路差を表す式(Δ=2DNcf)に基づいて、S1(S3)を通った光とS2(S4)を通った光が干渉する条件は、
Δ1=2d1cf=l1’λp・・・(A)
Δ2=2d2cf=(l2’+1/2)λp・・・(B)
で表される。
ここで、d1,d2はカラーフィルター2の膜厚、l1’は零を除く自然数、l2’は自然数、λpはカラーフィルター2を透過する光の主波長である。
従って、平滑な透明基板上にカラーフィルターを設けた場合、上記式(A)、(B)から、干渉はカラーフィルター2の膜厚と屈折率によって決まる。
カラーフィルター2の膜厚Dがd1となる領域と、d2となる領域が透明基板の表示画面内に存在して、D=d1が式(A)を満たせばその領域の透過光は強めあい、D=d2が式(B)を満たせばその領域の透過光は弱めあうことになる。
膜厚Dが透明基板の表示画面内(マクロ領域)内において上記のような分布を持つと、マクロ領域で、光が強い領域と弱い領域が生じることになり、明るさのムラとして観察される。フルカラー表示であれば、透過光の強さがカラーフィルター2の膜厚によって変化すると、特定の波長が強くなったり、弱くなったりして、色相がずれてしまい、色むらが生じる。
このようなムラを低減するためには、マクロ領域よりも狭い領域であって、カラーフィルター2の表面が平滑とみなせる領域(これをミクロ領域と呼ぶ)に、透過光が強めあう部分と弱めあう部分を設ければよい。そして、マクロ領域のほぼ全域に渡ってこのようなミクロ領域が設けられる。マクロ領域よりも狭い領域であるミクロ領域とは、カラーフィルターを有する領域全体を細分化した複数の領域各々である。
スクリーン構造体が複数(多数)のサブピクセルを備える場合には、上記ミクロ領域としては、典型的には、1つのサブピクセルとみなすことができる。フルカラー用のスクリーン構造体の場合には、上記サブピクセルは、赤色、青色、緑色のいずれかの色を呈するカラーフィルターを備える、黒色部材で囲まれた領域を指す。
本発明のスクリーン構造体は、透明基板1とカラーフィルター2との界面に高低差を有している。即ち、フルカラー用のスクリーン構造体の場合には、典型的には、各サブピクセル内に位置する透明基板1とカラーフィルター2との界面に高低差を有している。本発明の原理を説明するための、模式図を図1に示す。図1では光の光路を矢印で表している。
ミクロ領域内で、透明基板1とカラーフィルター2との界面に高低差がある場合に次の干渉が生じ得る。透明基板1とカラーフィルター2との界面の低い部分を透過する光(光路S5を通る光)と高い部分を透過する光(光路S1を通る光)とが干渉する。従って、この干渉光が弱くなるように高低差を設ければよい。Rの高低差がある時の、干渉する光(光路S1を通る光と光路S5を通る光)の光路差ΔはΔ=|(D+R)Ncf−(DNcf+RNg)|=|Ncf−Ng|×Rである。
ここで、Ngは透明基板1の屈折率、Dはカラーフィルター2の膜厚であり、透明基板1の最も高い部分からカラーフィルター2の表面までの厚み、Ncfはカラーフィルター2の屈折率、Rは界面の光が透過する点の高低差を示している。
干渉する光(光路S1を通る光と光路S5を通る光)が弱くなるようにするには、光路差を半波長とすればよい。したがって、位相が半波長分ずれて干渉する光路差Δ3の条件は、R=R3とした時、
Δ3=|Ncf−Ng|×R3=(m+1/2)λp・・・(C)
で表される。ここで、mは自然数である。したがって、ミクロ領域に設けられた高低差が以下のような値Rを持っていれば良い。すなわち、
R=(m+1/2)λp/|Ncf−Ng|・・・(D)
と表すことができる。
このようにすれば、膜厚Dが式(A)を満たすミクロ領域においては、高い部分を透過する位相が揃った干渉光(光路S1を通る光と光路S2を通る光)に対して、低い部分を透過する光(光路S5を通る光)の位相が半波長分ずれる。そのため、弱めあう干渉光が得られるので透過光の明るさが低下する。
図1には示さないが、膜厚Dが式(B)を満たす図6のミクロ領域に高低差Rを設けた場合、高い部分を透過する、位相が半波長ずれた干渉光(光路S3を通る光と光路S4を通る光)に対して、低い部分を透過する光(光路S5を通る光)位相がさらに半波長分ずれる。そのため、位相が揃う光同士(光路S4を通る光と光路S5を通る光)が強めあう干渉光が得られるので透過光の明るさが向上する。したがって、マクロ領域では、膜厚Dによらず、より均一な明るさを得ることができる。
ここでは膜厚Dが式(A)または式(B)を満たす場合を説明したが、それ以外の場合でも、低い部分を透過する光は高いところを透過する光に対して、位相が半波長分ずれる。
また、図1には示さないが、低い部分を透過する光と、高い部分で反射して低い部分を透過する光の光路差は、
Δ3’=(2D+R)Ncf−RNg=2DNcf+R×|Ncf−Ng
で表される。このR×|Ncf−Ng|の部分は、(m+1/2)λpとなるので、ミクロ領域内で、位相が半波長分ずれた干渉光を得ることができる。
このように、ミクロ領域で高低差がRである高い部分と低い部分を透過する光同士が干渉するとき、光路差Δは少なくとも、R×|Ncf−Ng|に依存することが理解され、それらの光の位相が半波長分ずれた干渉光を得ることができる。
以上述べてきたように、透明基板1とカラーフィルターとの界面に、上記式(D)で定義される高低差を有するように構成することで、膜厚Dの分布に対して明るさのムラを改善できることが分かる。
なお、図1に示すように、高い部分を透過する光(光路S1を通る光)と低い部分を透過する光(光路S6を通る光)とが同位相となるような光路差の条件は、
Δ4=|Ncf−Ng|×R4=m’λp・・・式(E)
で表される。ここでm’は零を除く自然数である。したがって、ミクロ領域に設けられた高低差R’が下記式(F)
R’=m’λp/|Ncf−Ng|・・・式(F)
で表されるように設けると、高い部分を透過する光と低い部分を透過する光とが位相がそろい、明るくなる。
一般的に、上記式(D)で表される高低差Rを、高低差を制御した凹凸として、透明基板に設ける製造プロセスは複雑になる。
従って、ミクロ領域でこのような高低差が生じるように、連続的に高さが変化する凹凸を設けることが好ましい。連続的であれば、式(D)を満たす高低差が得られると同時に、位相差が半波長分以外となる干渉光を生じる高低差を得ることができる。連続的に高さが変化する凹凸は周期的な凹凸であってもよいし、ランダムな凹凸であってよい。特に、ランダムな凹凸を設けることは、高低差の形成をより簡単に実現できるので好ましい。
具体的には、凹凸の十点平均粗さを、式(D)で表される値Rのうち、m=0とした値R以上とすることが好ましい。すなわち、凹凸の十点平均粗さRzを、
Rz≧λp/2|Ncf−Ng|・・・(G)
とする。
図2に連続的に高さが変化する凹凸であって且つランダムな凹凸を設けた例の模式的な断面図を示す。連続的に高さが変化する凹凸の十点平均粗さRzが式(G)を満たせば、その領域内で、必ず、高低差Rが(D)式のm=0とした値となる部分が存在することになる。また、干渉し得る光の位相差が半波長分より大きい範囲でランダムになる。
ここで、十点平均粗さとは、JIS B0601:1994で定義される十点平均粗さである。これは、粗さ曲線からその平均線の方向に基準長さLだけを抜き取る。この抜き取り部分の平均線から、最も高い部分から5番目までの高い部分の絶対値の平均値を求める。そして、抜き取り部分の平均線から、最も低い部分から5番目までの低い部分の低さの絶対値の平均値を求める。これらの平均値の和を求め、この値をマイクロメートル(μm)で表したものをいう。
凹凸の十点平均粗さを測定するための、透明基板1に平行な方向の基準長さLは、カラーフィルター2の表面が平滑であるミクロ領域の幅であると考えることができる。基準長さLは、マクロ領域である表示面の面積や膜厚分布の度合いによって適宜選ぶことができるが、マクロ領域の大きさに対して、より小さい方が好ましい。具体的には、JIS B0601:1994の規定から、基準長さLを0.8mm以下とすることが好ましい。即ち、0.8mm以下の基準長さLを取って、5点の高い部分と5点の低い部分があり、その十点平均粗さが上記式(G)を満たせば本発明は成立する。基準長さ0.8mm以下での十点平均粗さとすれば、ミクロ領域での干渉のムラは人間の眼の分解能では識別することが極めて困難になる。
図3を用いて後述するように、表示領域を複数の画素(サブピクセル)を有するように区分けする場合には、1画素領域のカラーフィルター2の表面は平滑であると考えることができる。ここで、1画素領域とは、透明基板1とカラーフィルター2との界面が連続して存在する領域である。したがって1画素領域をミクロ領域と考え、十点平均粗さの基準長さLを、1画素領域の幅以下とすることが望ましい。特に長手方向の幅にして、画素領域の中心部分を通るように取ることが好ましい。
1画素領域の長手方向を基準長さLとしたとき、この基準長さLでのカラーフィルター2の表面の十点平均粗さが、界面の凹凸の十点平均粗さより大きくなることもありうる。その場合には、カラーフィルター2の表面の十点平均粗さが、界面の凹凸の十点平均粗さより小さくなるような基準長さL’を選んで、この基準長さL’で、式(G)を満たすような凹凸を1画素領域に設けることが好ましい。当然、凹凸は、スクリーン構造体のほぼ全域、つまりほぼ全てのサブピクセルに渡って設ける必要がある。ほぼ全てのサブピクセルとは、全サブピクセルの80%以上であり、この80%に中央部に位置するサブピクセルが含まれていることがより好ましい。
カラーフィルター2を前述のような、インクジェット法、フォトリソグラフィ法、スクリーン印刷法等の液状の材料を用いる方法によって、高低差を有する透明基板1上に形成すれば、界面の粗さに対して、カラーフィルター2の表面の粗さは小さくなる。本発明は、マクロ領域である表示面内でのカラーフィルターの膜厚Dの分布に起因する表示ムラを、画像表示面内より小さいミクロ領域、例えば1画素領域内でカラーフィルターの実際の膜厚に分布を持たせることにより低減しているとも言える。ミクロ領域でカラーフィルターの実際の膜厚が、λp/2|Ncf−Ng|以上でばらつき、上記式(A)、(B)を満たすような部分がミクロ領域で生じることになり、表示ムラを低減できるのである。
また、凹凸の十点平均粗さRzを式(F)で表される値R’のうち、m’=1とした値R’以上にする、即ち、
Rz≧λp/|Ncf−Ng|・・・(H)
とすることがさらに好ましい。このようにすれば、干渉し得る光の光路差が0〜1波長の範囲でランダムになるので、マクロ領域での明るさのムラを低減するとともに、明るさの低下を抑制することができる。凹凸の十点平均粗さを大きくしていくと、上記式(D)、(F)の値を複数の値のm、m’とした高低差を多く有することになるのでより高い精度でムラを低減できる。
スクリーン構造体において、フルカラー表示させるためには、透過する光の主波長が異なる複数種類のカラーフィルターを2次元マトリックス状に配置する。透過光の主波長が複数種類となる場合には、透過光の強さがカラーフィルター2の膜厚によって変化すると、特定の波長が強くなったり、弱くなったりして、色相がずれてしまい、色むらが生じる。そこで、スクリーン構造体が、各種類のカラーフィルター2を透過する光の主波長λpと屈折率Ncfが前記式(D)で表される値Rを満たす高低差を有する必要がある。
そのためには、前述したように、各々の種類のカラーフィルター2のλp、Ncfが前記式(G)、を満たすように凹凸を設ける必要がある。一方で、透明基板1と各カラーフィルター2との界面の凹凸の十点平均粗さを、カラーフィルター毎に異ならせることは製造プロセスを複雑にし得る。そこで、透明基板1と各カラーフィルター2との界面のランダムな凹凸の十点平均粗さRzを、複数種類のカラーフィルターが前記式(G)を満たすm=0とした値Rのうちの最大の値以上とすることが好ましい。
例えば、3種類のカラーフィルターを用いると、3通りのRが求められるが、全ての種類カラーフィルター2と透明基板1との界面のランダムな凹凸の平均粗さを、前記3通りのRのうちの最大のR以上とするのである。
ここまで、スクリーン面内のカラーフィルターの膜厚のバラツキ、および、透過光の角度として透明基板1に対して垂直な方向の光を考えてきた。一方で、表示画面を見る角度によっても光が透過するカラーフィルターの厚みは異なることになる。そのため明るさの視野角依存が発生する。複数種類のカラーフィルターを用いる場合には、明るさのみならず、色の視野角依存も発生する。この問題を改善するためには、これまで述べてきたことと同様の原理によって、透明基板1とカラーフィルターとの界面に、式(G)を満たすようなランダムな凹凸を設けることによって、解決することができる。
透明基板1とカラーフィルター2との界面のランダムな凹凸は透明基板1の表面を荒らすことで形成することができる。例えば、サンドブラスト法やフッ酸などによるウエットエッチング法、反応性ガスによるドライエッチング法、シリカ微粒子膜を塗布する方法、等がある。
凹凸の粗さの上限は、いくつかの要因によって決められる。たとえば、凹凸の粗さは、凹凸の形成方法に制限を受ける場合が多い。また、凹凸を極端に大きくすることは、意図した膜厚Dに対して凹凸の凹の部分の厚みが大きくなり、カラーフィルターの光透過率を低下させる要因になる。また、凹凸が大きくなってくると、干渉の影響は次第に小さくなってきて、乱反射が支配的になってくる。これも光透過率を低下させる要因となりうる。また、透明基板自体の厚みが薄い場合には、凹凸が大きいと、透明基板の強度を弱める。これらの点から、実用上、凹凸の十点平均粗さの上限は10μmであることが好ましく、5μm以下であることが更に好ましい。
特に、サンドブラスト法はブラスト条件を制御することで所望の粗さを得ることができ、またフッ酸、反応性ガスなどを使用しないため、安全で環境にやさしいという点で好ましい。
次に、発光源として蛍光体を用いる場合を、図3を用いて説明する。
蛍光体3は、例えば電子線励起により発光する粒径1μmから十数μm(20μm以下)の多数の蛍光体粒子からなり、特に硫化亜鉛、酸化イットリウムを母体としたP22蛍光体は、表示装置の3原色として色純度がよく発光特性が適している点で好ましい。
蛍光体3はフォトリソグラフィ法、スクリーン印刷法などによって形成することが出来る。蛍光体3は、多数の蛍光体粒子から構成されているため、蛍光体層3と言い換えることもできる。
蛍光体3はカラーフィルター2上に形成されている。蛍光体3の発光スペクトルの中から、効率的に必要な波長領域のみを透過させるカラーフィルター2を蛍光体3の発光色に応じて配置する。蛍光体3の膜厚は輝度・発光効率から決定され、具体的には数μmから数十μmが好ましい。
図3は、本発明のスクリーン構造体の図1よりも詳細な模式的な断面図である。図3に示される、スクリーン構造体は、透明基板1、カラーフィルター2、蛍光体3、メタルバック4、及び、遮光層であるブラックマトリクス5とから構成されている。
透明基板1上に設けられた、開口部を有するブラックマトリクス5により画定された開口領域にカラーフィルター2と蛍光体3とがこの順に積層され、メタルバック4は、蛍光体3及びブラックマトリクス5を覆うように形成されている。従って、透明基板1とカラーフィルター2との界面が連続して存在する領域、即ち1画素領域は、ブラックマトリックス5により画定された開口領域であるといえる。
遮光層であるブラックマトリクス5は、例えば黒濃度がよく、パターンのキレが鮮鋭であることが好ましい。ブラックマトリクス5は通常感光性黒色顔料ペーストなどを用いてフォトリソグラフィ法などを用いて形成することができる。
メタルバック4は蛍光体3の発光を前面へ反射させるためにあり、例えば膜厚数十〜数百nmのアルミニウム膜である。メタルバック4は、ブラウン管の分野では公知であるフィルミング工程により樹脂中間層の上に蒸着法やスパッタ法によって成膜し、樹脂成分を焼成することによって形成することができる。
透明基板1のカラーフィルター2が設けられた領域の表面(透明基板1とカラーフィルタ2との界面)にはランダムな凹凸が設けられている。透明基板1の表面の凹凸は、透明基板1の表面全域に形成しても色ムラ及び色の視野角依存は改善される。しかしながら、透明基板1の表面の凹凸はカラーフィルター2部分のみが好ましく、ブラックマトリクス5の部分は荒れていないことが好ましい。その理由は、ブラックマトリクス5と透明基板1の界面が荒れている、と、外光が拡散反射し明所コントラストを劣化させてしまう場合がある。また、表面が荒れた透明基板1に対しブラックマトリクス5を形成すると、そのパターンのキレが悪く、ざらざらした画質になってしまう場合がある。
そこで、ブラックマトリクス5を形成後に、ブラックマトリクスで覆われていない(遮光層の開口部に位置する)透明基板1の表面を、ブラックトマトリクス5をマスクにして、サンドブラストなどにより荒らす。このようにすることにより、ブラックマトリクス5と透明基板1との界面は荒れておらず、拡散反射の少ない鮮鋭なブラックマトリクス5を得ることが出来る。
図4は、本発明のスクリーン構造体を用い、画像信号の入力により、表示面に画像が表示される、表面伝導型放出素子を用いた表示パネルの斜視図である。
表示パネルは、フェイスプレート1006、リアプレート1004及び側壁1005から構成されている。側壁1005には、高圧電源1012と接続する高圧端子1011、端子Dx1からDxn、及び、端子Dy1からDynを有している。端子Dx1からDxnは、後述する、列方向配線1002と接続され、端子Dy1からDynは、後述する、行方向配線1003と接続されている。
フェイスプレート1006は、本発明のスクリーン構造体(透明基板1とカラーフィルター2)と、ブラックマトリクス1007、メタルバック1008、蛍光体1009を具備している。
リアプレートは、透明基板、行方向配線1003、列方向配線1002及び表面伝導型放出素子1001とから構成されている。行方向配線1003と列方向配線1002とは基板上に絶縁膜(不図示)を介して互いに絶縁された状態で直交する様に配され、行方向配線1003と列方向配線1002との交点に表面伝導型放出素子1001が配されている。表面伝導型放出素子1001は、一端が、行方向配線1003に、他端が、列方向配線1002に接続されている。
表示パネルは、フェイスプレート1006、リアプレート1004及び側壁1005を用い、表示パネル内部を気密容器にする必要がある。
側壁1005の接合部に、例えば、フリットガラスを塗布し、大気中あるいは窒素雰囲気中で、摂氏400〜500度で10分以上焼成することにより封着を達成できる。気密容器内部を真空に排気するには、気密容器を組み立てた後、不図示の排気管と真空ポンプとを接続し、気密容器内を1.33×10-5(Pa)程度の真空度まで排気する。その後、排気管を封止するが、気密容器内の真空度を維持するために、封止の直前あるいは封止後に気密容器内の所定の位置にゲッター膜(不図示)を形成する。ゲッター膜とは、たとえばBaを主成分とするゲッター材料をヒーターもしくは高周波加熱により加熱し蒸着して形成することができる。ゲッター膜を気密容器内に設けることでゲッター膜の吸着作用により気密容器内を1.33×10-3Paから1.33×10-5Paの真空度に維持することができる。
以上、本発明実施の形態の表示パネルの基本構成と製法を説明した。
(実施例)
以下、具体的な実施例を挙げて本発明を詳しく説明する。
(実施例1)
本実施例は、図2及び図3に示されるスクリーン構造体の例である。
透明基板1は、厚さ2.8mmのガラス基板(PD−200(旭硝子(株)社製))を用いた。透明基板1を洗浄・乾燥させた後、ブラックマトリクスとして、ガラスフリットおよび黒色顔料を含んだ感光性黒色顔料ペースト(本実施例では酸化ルテニウム含有感光性ペースト)を用い、基板全面に5μmの厚さでスクリーン印刷法により塗布、乾燥させた。その後、所定のパターンとなるよう、露光、現像を行い、ガラス基板を露出させた開口を形成した後、540℃にて焼成し、ブラックマトリクスパターンを形成した。このとき、開口の形状は縦長の八角形で、長手方向の幅は320μm、短手方向の幅は155μmとした。
次に、サンドブラスト装置を用い、所望の粗さになるように研磨材、及び噴射圧を調整して形成したブラックマトリクス付きのガラス基板表面に対しブラスト処理を行った。所望の粗さとは、式(G)の範囲の粗さである。
本実施例では、波長が長く、発光波長が基線スペクトルである赤色において最もカラーフィルターでの光の干渉が発生しやすくなる。そこで、赤色のカラーフィルターの屈折率及び赤色蛍光体の発光波長を基準に算出するための各パラメーターの測定を行い、算出した。
今回赤色のカラーフィルターとして用いた酸化鉄(ベンガラ)の屈折率はアッベ屈折計で測定した結果2.8であった。また、ガラス基板の屈折率は1.5であった。カラーフィルターの膜厚は輝度、コントラストを考慮し、1.5μmとした。また、赤色蛍光体Y22S:Euの発光波長を分光測色計で測定すると、波長は基線スペクトルであり、ピーク波長は627nmであった。これらの数値を式(D)にあてはめてm=0として算出した結果R=0.24μmであり、式(F)にあてはめて、m’=0として算出した結果R’=0.48μmであった。したがって、式(G)によれば、ガラス基板の表面は0.24μm以上の十点平均粗さ(Rz)が必要であった。
複数の種類のカラーフィルターを透明基板1上に設ける場合には、このように、最も波長の長い光(この場合は赤色のカラーフィルターの主波長)を、式(G)におけるλpに適用して表面粗さを決定することが好ましい。そしてこのようにして決定された表面粗さを、ブラックマトリクス(遮光層)の全ての開口部に位置する透明基板の表面に適用することが好ましい。尚、式(G)におけるλpは、詳細には、発光源からの光の波長のうち、カラーフィルターを透過する光の主波長(ドミナント波長)ではあるが、特に、発光源が蛍光体である場合には、簡易的に、蛍光体からの光の波長のピーク波長とみなせる。
ガラス製の透明基板1の表面を算出した粗さ以上にするブラスト条件としては、硬度350HV、比重9g/cm3の研磨材を用い、噴射圧0.05MPaにて処理した。その結果、カラーフィルターとの界面となるガラス基板表面の十点平均粗さは、開口の中心部の長手方向において基準長さLを0.25mmとして計測したところ、Rzは約2.2μmとなり、式(G)で表される所望の粗さ以上の表面粗さを得た。また、同時に、式(H)で表される粗さ以上の表面粗さも得た。
次にカラーフィルター2をスクリーン印刷法で塗布した。本実施の形態ではCRTの分野で用いられているカラーフィルター材料とし、粒径0.05〜0.5μmの赤色(ベンガラ)、青色(コバルトブルー)、緑色(コバルトグリーン)顔料を分散させたインクを用いた。まず、スクリーン印刷で緑色からパターン印刷し、乾燥させた。その後青色、赤色の順に印刷乾燥を繰り返し、所定の位置に所定の色を塗布した。カラーフィルター2の厚さは顔料の濃度とスクリーン版のメッシュの開口率で制御し、赤色の膜厚を約1.5μm、青色の膜厚を約3μm、及び、緑色の膜厚を約1.5μmとした。
次に蛍光体3をカラーフィルター同様、スクリーン印刷法で塗布した。本実施の形態で蛍光体は、CRTの分野で用いられている、市販のP22の蛍光体とした。赤色として、P22−RE3(Y22S:Eu3+)、青色としてP22−B2(ZnS:Ag,Al)、緑色としてP22−GN4(ZnS:Cu,Al)を用いた。平均粒径はメジアン径Dmで6μmのものを用いた。これらの蛍光体粉末をビヒクルに分散させたペーストを、まず、スクリーン印刷で緑色からパターン印刷し、乾燥させる。その後青色、赤色の順に印刷乾燥を繰り返し、所定の位置に所定の色を塗布し、その後450℃で焼成した。
蛍光体3の厚さはビヒクル中の蛍光体濃度とスクリーン版のメッシュ開口率で制御し、3色とも約15μmとした。
次に、ブラウン管の分野では公知であるフィルミング工程により、樹脂中間膜を作製し、その上部にAl膜をEB蒸着法で成膜する。最後に樹脂中間膜を熱分解除去させることにより、図3のように厚さ100nmのメタルバック4を形成した。
以上のように作製された図3に示される電子線表示装置のフェイスプレートはカラーフィルター層の上下界面での反射光による光の干渉が回避され、色ムラ及び色の視野角依存が改善された。
(実施例2)
本実施例は、図5に示されるスクリーン構造体の例である。実施例1と同様のガラス製の透明基板1に対し、シリカ微粒子含有水溶液(日産化学工業(株)製、スノーテックス)をスプレー塗布機にて画像表示部に塗布し、乾燥させ微粒子シリカ層6を形成した。乾燥後のガラス製の透明基板1の表面粗さはシリカ粒子の粒径、溶液中の濃度及びスプレー噴霧量にて制御し、式(G)で示される範囲とした。即ち、微粒子シリカ層6の表面の十点平均粗さは基準長さLを0.8mmとして、Rzは約3.0μmであった。
次にブラックマトリクス5をスクリーン印刷にて格子状及び表示部周囲のブラックマトリクスパターンにパターン印刷し、乾燥、焼成を行った。
その後、実施例1におけるカラーフィルター2以降の工程は同様の方法にて製造した。
以上のように作製された図5に示されるスクリーン構造体はブラックマトリクス5とガラス基板1の界面での拡散反射の増加により、明所コントラストが僅かに劣化するものの、実施例1と同様の色ムラ及び色の視野角依存は改善された。
(比較例)
一方、カラーフィルターと透明基板の界面が平滑な点が異なる以外は実施例1と同様のスクリーン構造体を同様の方法で作製した。サンドブラストで処理を行なわないガラス製の透明基板(PD−200)の表面粗さRzは式(G)の範囲外であった。このフェイスプレートを用いて作製した画像表示装置は、画面内に色ムラが確認された。また見る角度によっては若干の色相の違いがみられた。これらは、カラーフィルターの膜厚分布により、発生したと考えられる。
本発明の実施の形態を示したスクリーン構造体の原理を説明するための模式的な断面図である。 本発明の実施例1で示したランダムな凹凸を有するスクリーン構造体の模式的な断面図である。 本発明の実施例1のスクリーン構造体の模式的な断面図である。 本発明の実施例1のスクリーン構造体を用いた表示パネルの模式的な斜視図である。 本発明の実施例2で示したスクリーン構造体の模式的な断面図である。 従来のスクリーン構造体を説明するための模式的な断面図である。
符号の説明
1 透明基板
2 カラーフィルター
3 蛍光体
4 メタルバック
5 ブラックマトリクス
6 微粒子シリカ層

Claims (14)

  1. 透明基板と、該透明基板の上にカラーフィルターとを有するスクリーン構造体であって、
    前記カラーフィルターは複数の領域に細分化されており、前記透明基板が前記カラーフィルターとの界面を形成する領域のほぼ全域に渡って、前記細分化された該領域における前記カラーフィルターとの界面に、下記の式で表される値Rの高低差を有することを特徴とするスクリーン構造体。
    R=(m+1/2)λp/|Ncf−Ng|・・・(1)
    (ここで、mは零を含む自然数、λpは前記カラーフィルターを透過する光の主波長、Ncfは前記カラーフィルターの屈折率、Ngは前記透明基板の屈折率、を示している。)
  2. 透明基板と、該透明基板の上にカラーフィルターとを有するスクリーン構造体であって、
    前記透明基板が、前記カラーフィルターとの界面を形成する領域のほぼ全域に渡って、前記カラーフィルターとの界面に凹凸を有しており、基準長さを0.8mm以下とした前記凹凸の十点平均粗さが、下記の式(2)によって表される値Rz以上であることを特徴とするスクリーン構造体。
    Rz=λp/2|Ncf−Ng|・・・(2)
    (ここで、λpはカラーフィルターを透過する光の主波長、Ncfは前記カラーフィルターの屈折率、Ngは前記透明基板の屈折率、を示している。)
  3. 前記凹凸の十点平均粗さが、下記の式で表される値Rz’以上であることを特徴とする請求項2に記載のスクリーン構造体。
    Rz’=λp/|Ncf−Ng|・・・(3)
  4. 前記凹凸の十点平均粗さが、前記カラーフィルターの表面の十点平均粗さより大きいことを特徴とする請求項2又は3に記載のスクリーン構造体。
  5. 前記スクリーン構造体は、透過する光の主波長が異なる複数種類のカラーフィルターを有しており、前記透明基板と前記複数種類のカラーフィルターの各々との界面の凹凸の十点平均粗さが、前記式(2)によって表される値Rzの複数のうちの最大の値以上であることを特徴とする請求項2乃至4のいずれか1項に記載のスクリーン構造体。
  6. 前記最大の値となる種類のカラーフィルターを透過する光の主波長が赤色の波長であることを特徴とする請求項5に記載のスクリーン構造体。
  7. 前記透明基板上に、複数の開口部を有する遮光層を備え、
    前記透明基板上の、前記複数の開口部によって露出した領域に、前記カラーフィルターを有していることを特徴とする請求項2乃至6のいずれか1項に記載のスクリーン構造体。
  8. 前記凹凸の十点平均粗さの基準長さが、
    前記複数の開口部の各々の幅以下であることを特徴とする請求項7に記載のスクリーン構造体。
  9. 前記透明基板が、前記複数の開口部によって露出した領域にのみ前記凹凸を有していることを特徴とする請求項7又は8に記載のスクリーン構造体。
  10. 請求項1乃至9のいずれか1項に記載のスクリーン構造体と、発光源とを備えることを特徴とする表示パネル。
  11. 前記発光源が、蛍光体であることを特徴とする請求項10に記載の表示パネル。
  12. 前記蛍光体を前記スクリーン構造体の前記カラーフィルター上に備え、
    電子放出素子を基板上に備え、前記スクリーン構造体と前記基板とを対向配置したことを特徴とする請求項11に記載の表示パネル。
  13. 請求項10乃至12のいずれか1項に記載の表示パネルを搭載した電子機器。
  14. 請求項9に記載のスクリーン構造体の製造方法であって、
    前記透明基板の一方の面に複数の開口部を有する前記遮光層を設けた後に、 前記複数の開口部によって露出した前記透明基板の表面に、前記遮光層をマスクとして前記凹凸を設ける工程と、
    前記透明基板の表面の前記凹凸を設けた部分に前記カラーフィルターを設ける工程と、を有することを特徴とするスクリーン構造体の製造方法。
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