JP2009139668A - 電子写真用転写シート - Google Patents

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滋呂 清水
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智文 時吉
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方彦 佐藤
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Abstract

【課題】 両面出力が可能であり、出力前に予めミシン目が入っているため、出力後所望の形状に容易に切り取ることができ、しかも、表(おもて)面出力時にプリンターの分離爪、送りロールによる押し傷が出力面の裏面に入ることがなく、さらに鉛筆などによる筆記性に優れ、画像部の耐久性があり、POP、会員証、棚札を作成するのに適した電子写真用転写シートを提供する。
【解決手段】 紙基材または熱可塑性樹脂基材からなる芯材層(C)と、その一面上に、熱可塑性フィルム層(B1)と、バインダー樹脂に対する質量部数比率(顔料質量部数/樹脂質量部数)が(5/5)〜(9/1)で顔料を含有する受像層(A1)とを順次積層したシート状構造を有し、前記シート状構造は切り取り線加工が施されていることを特徴とするものである。
【選択図】 なし

Description

本発明は、電子写真用転写シートに関する。より具体的には、本発明は、耐久性に優れ、しかも、メンバーズカード、棚札、POP、値札などの好みの形状や大きさに切り取りやすくするために、予めミシン目による切り取り線の入った電子写真用転写シートに関する。
フルカラーの電子写真方式のプリンターが、高速化、安価、小型化、高画質化していくに従い、顧客のニーズも多様化してきている。その一つとして、即時作製、簡易作製、少量作製等が可能という電子写真方式の特徴を生かして、メンバーズカード、棚札、POP、値札などの印刷物を作成するニーズが高まっている。
しかしながら、これらの印刷物は、多くの場合、予め所定の絵柄・画像を印刷した用紙を電子写真方式により印刷後、断裁加工を行う必要があるにもかかわらず、断裁の工程は、必ずしも即時作製、簡易作製、少量作製等のニーズに十分に応え得るものではなかった。
ところで、電子写真方式での印刷物で、より耐水性、耐久性が求められる用途に対して、紙基材または熱可塑性ポリエステル樹脂フィルムからなる芯材層に、熱可塑性フィルム層を接着・積層した電子写真用転写シートは、特開2002−258509号公報(特許文献1)、特開2006−058403公報(特許文献2)、特開2007−033871公報(特許文献3)に開示されている。また、紙基材または熱可塑性ポリエステル樹脂フィルムからなる芯材層に、熱可塑性フィルム層を接着・積層し、さらにその表層にトナー受像層を有した電子写真用転写シートは、特開2001−337478号公報(特許文献4)、特開2004−252438号公報(特許文献5)などに開示されている。しかしながら、いずれも、優れた耐久性、耐水性を有する電子写真用転写シートとしては、十分な実用性を有しているとしても、断裁工程についての提案は、顧客のニーズに十分に応え得るものではなかった。
大サイズの用紙から、名刺やハガキ等小サイズのプリントを作製するために、プリント後の裁断を容易にする方法として、予めミシン目加工を施した用紙にプリントし、プリント後に所望のサイズに切り離すことが行われている。その公知の技術をしては、特開2002−229243公報(特許文献6)に、少なくとも、支持体の少なくとも片面に、1層または2層以上の樹脂層が設けられて構成される電子写真用受像材料であって、該電子写真用受像材料を少なくとも裁断加工または折り曲げ加工することにより立体構造物を形成し得る、切り取り線加工および/または折り曲げ線加工が施されてなることを特徴とする電子写真用受像材料が提案されている。しかしながら前記の主として樹脂成分からなる受像層を用紙の両面にもうけた場合、メンバーズカードやPOPなど両面印刷が求められる用途には、プリンター機種によっては、表面を印刷中にプリンター内部の用紙を走行させるための送り歯車や定着ロールから用紙をはがしやすくするための分離爪により裏面の受像層(樹脂層)に美観を損ねるレベルのキズが入る場合があり、実用上、主として樹脂からなるトナー受像層は、用紙の片面にしか設けることができなかった。またトナー受像層が、主として樹脂層からなるとメンバーズカード、病院診察券など鉛筆、水性ペンなどでの筆記性が求められる用途にも必ずしも適していない場合があった。
さらに、特開2002−229243公報(特許文献6)、予め入れておく切り取り線をプリントの際に用紙搬送経路の途中で曲げの力が用紙にかかったときに、ミシン目の部分に力が集中して破断し、ジャミングを起こしてしまう等の問題があった。また一方、ミシン目を短く、ミシン目同士の間隔を広げることで、用紙搬送時の破断を生じにくくする、裁断が困難であり、あるいはきれいに裁断できなくなってしまうという問題があり、その解決手段として、ミシン目の孔の幅、長さ、隣り合う孔の間隔について、それぞれ、孔の幅が、15〜260μmの範囲、長さが50〜1000μmの範囲、隣あう孔同士の間隔が30〜600μmが好ましいとされているが、受像層の組成による違いにより、主として顔料からなる受像層の場合には、この範囲に含まれるミシン目加工条件であっても、場合によっては、プリンターでジャミングを発生させ場合があったり、切り離しが容易ではない場合があったりする場合があった。
特開2002−258509号公報 特開2006−058403号公報 特開2007−033871号公報 特開2001−337478号公報 特開2004−252438号公報 特開2002−229243号公報
本発明の課題は、両面出力が可能であり、出力前に予めミシン目が入っているため、出力後所望の形状に容易に切り取ることができ、しかも、表(おもて)面出力時にプリンターの分離爪、送りロールによる押し傷が出力面の裏面に入ることがなく、さらに鉛筆などによる筆記性に優れ、画像部の耐久性があり、POP、会員証、棚札を作成するのに適した電子写真用転写シートを提供することにある。
本発明に係る電子写真用転写シートは、紙基材または熱可塑性樹脂基材からなる芯材層(C)と、その一面上に、熱可塑性フィルム層(B1)と、バインダー樹脂に対する質量部数比率(顔料質量部数/樹脂質量部数)が(5/5)〜(9/1)で顔料を含有する受像層(A1)とを順次積層したシート状構造を有し、前記シート状構造は切り取り線加工が施されていることを特徴とするものである。
前記切り取り線加工によるミシン目部分が、JIS P 8114付属書1に規定される「連続伝票のミシン目強さの試験方法」で定義される引張り強度20〜80N/15mmであることが好ましく、前記ミシン目の、孔の長さが250〜450μm、かつ孔の幅が50〜250μmであることがより好ましい。
隣り合うミシン目の孔と孔の間隔が100〜200μmであることが好ましく、前記ミシン目の、{孔の長さ/(孔の長さ+孔の間隔)}比率が、0.6〜0.8であることがより好ましい。また前記芯材層(C)の他の一面上に、熱可塑性フィルム層(B2)および受像層(A2)を順次積層したものであることが好ましい。
本発明に係る電子写真用転写シートは、両面出力が可能であり、出力前に予めミシン目が入っているため、出力後所望の形状に容易に切り取ることができ、しかも、表(おもて)面出力時にプリンターの分離爪、送りロールによる押し傷が出力面の裏面に入ることがなく、さらに鉛筆などによる筆記性に優れ、画像部の耐久性があり、POP、会員証、棚札を作成するのに適するものが得られる。
以下に本発明の好適な態様を詳細に説明する。
(A)受像層
本発明の受像層(A1)および/または受像層(A2)は、モース硬度2〜8の無機顔料、及びASTM D 1525にて測定されたビカット軟化点が70℃以上、好ましくは100℃以上の有機顔料から選ばれた少なくとも1種の顔料を含有する。
無機顔料は、モース硬度が2〜8、好ましくは2〜6のものである。例として石膏、岩塩、カオリン、雲母、大理石、炭酸カルシウム、蛍石、アパタイト、クレーなどを挙げることができる。モース硬度が2未満の無機顔料では、搬送傷防止効果が得られないことがある。モース硬度が8を超えると、印刷中にプリンターの感光体、転写ベルト、定着ロールなどの部材を傷める可能性あり、好ましくない。一方、有機顔料の場合は、ASTM D 1525に基づき測定されたビカット軟化点が70℃以上、好ましくは100℃以上のものから選ばれる。ビカット軟化点が、70℃未満の場合は、定着ロールにおいて熱履歴を受けたときに有機顔料自体が熱変形しやすくなるため、搬送傷の防止効果が低下することがある。本発明に好ましい有機顔料の例としては、ナイロン−6、ナイロン−12等のポリアミド系樹脂類、ポリアセタール、ポリカーボネート、ポリフェニレンオキサイドポリサルフォン、ポリフェニルサルファイド、ポリアリルサルフォン、ポリアリレート、ポリフェニレンエーテル、ポリエーテルサルフォン、ポリエーテルケトン、ポリイミド、フェノール樹脂、ポリエステル樹脂などが挙げられる。これら有機および無機顔料の中でもコストならびに白色度の観点から、炭酸カルシウムまたはポリアミド系樹脂類のような顔料が、特に好ましい。
有機顔料または無機顔料の粒径が、0.1〜10μmであることが好ましい。粒径が0.1μm未満の場合には、搬送傷を防止する効果が十分でないことがある。また10μmより大きい場合、電子写真用転写シートの表面がざらつき、質感が低下するため好ましくない。なお、顔料の形状については特に制限が無いが、球状、紡錘状、扁平状などが例示される。
本発明の受像層中の顔料の含有量は、顔料が5g/m以上含有している通常の印刷用塗工層と比較し、少量で搬送傷防止効果が発現する。具体的に0.1〜2g/mが好ましく、0.3〜1g/mがより好ましい。前記含有量が、0.1g/m未満のときは、搬送傷防止効果が発現しにくくなり、2g/mを超えると、表面がざらつき、質感が低下するため好ましくない。
バインダー樹脂は、例えばポリエステル樹脂、ポルアミド樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、アミノ樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリカーボネート樹脂、酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、スチレン樹脂、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体、アクリル酸エステル樹脂、メタクリル酸エステル樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、スチレン−醋酸ビニル共重合体、アルキッド樹脂、塩化ゴム、ブチラール樹脂、塩化ビニリデン樹脂、塩素化オレフィン樹脂、アルキッドフェノール樹脂、スチレン−アクリルニトリル共重合体等の1種またはそれ以上の中から選ぶことができる。熱可塑性フィルムへの接着性強化のための添加樹脂としてはポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂等のバインダー樹脂が好ましい。バインダー樹脂の配合量は、(顔料/バインダー樹脂)の質量部数比率として(5/5)〜(9/1)が好ましく、より好ましくは、(6/4)〜(8/2)である。顔料比率の少ない質量部数比率が(5/5)未満の場合は、筆記性が低下するので好ましくない。一方、顔料比率の多い質量部数比率が(9/1)を越える場合は、顔料を熱可塑性フィルムへ接着することが出来なくなり、好ましくない。
受像層に、安定剤を添加する場合は、通常0.001〜1質量%の範囲内で添加する。具体的には立体障害フェノール系、リン系、アミン系の安定剤を使用することができる。光安定剤を添加する場合は、通常0.001〜1質量%の範囲内で添加する。具体的には立体障害アミン系、ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系の光安定剤等を使用することができる。分散剤や滑剤は、顔料を分散させる目的で使用することもでき、その添加量は通常0.01〜4質量%の範囲内である。具体的にはシランカップリング剤、オレイン酸やステアリン酸等の高級脂肪酸、金属石鹸、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸及びこれらの塩等を使用することができる。これらは、表面電気抵抗を調整する目的で、品質を損なわない範囲で添加することも可能である。
(B)熱可塑性フィルム層(B1またはB2)
本発明で熱可塑性フィルム層に使用する熱可塑性フィルムとしては、例えば高密度ポリエチレンや中密度ポリエチレン等のエチレン系樹脂、プロピレン系樹脂、ポリメチル−1−ペンテン、エチレン−環状オレフィン共重合体等のポリオレフィン系樹脂、ナイロン−6、ナイロン−6,6等のポリアミド系樹脂、ポリエチレンテレフタレートやその共重合体、ポリブチレンテレフタレートやその共重合体、脂肪族ポリエステル等の熱可塑性ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート、アタクティックポリスチレン、シンジオタクティックポリスチレン等が挙げることができる。なかでもポリオレフィン系樹脂を用いることが好ましい。
前記ポリオレフィン系樹脂のなかでは、耐薬品性及びコストの面からプロピレン系樹脂を用いることが好ましい。プロピレン系樹脂としては、プロピレンを単独重合させたアイソタクティック重合体やシンジオタクティック重合体等がある。またエチレン、1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン等のα−オレフィンとプロピレンとを共重合させた、様々な立体規則性を有するプロピレンを主成分とする共重合体を使用することもできる。このような共重合体は2元系でも、3元系以上の多元系でも良く、またランダム共重合体でもブロック共重合体でも良い。プロピレン系樹脂には、プロピレン単独重合体よりも融点が低い樹脂を2〜25質量%配合して使用することが好ましい。そのような融点が低い樹脂として、高密度または低密度のポリエチレンが例示される。熱可塑性フィルム層には、上記のポロオレフィン系樹脂のなかから1種を選択して単独で使用しても良いし、2種以上を選択して組み合わせて使用しても良い。
前記熱可塑性樹脂には、必要に応じて無機フィラー、有機フィラー、安定剤、光安定剤、分散剤、滑剤等を添加することができる。無機フィラーを添加する場合には、粒径0.01〜5μmのものが好ましく使用される。具体的には、炭酸カルシウム、焼成クレー、シリカ、タルク、酸化チタン、硫酸バリウム、アルミナ等を使用することができる。有機フィラーを添加する場合は、主成分である熱可塑性樹脂とは異なる種類の樹脂を選択することが好ましい。例えば熱可塑性樹脂がポリオレフィン系樹脂の場合には、有機フィラーとしてポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ナイロン−6、ナイロン−6,6、環状オレフィン、ポリスチレン、ポリメタクリレート等の重合体であって、ポリオレフィン系樹脂の融点より、高い融点ないしはガラス転移温度を持つ重合体を使用することができる。無機フィラー及び/または有機フィラーを添加する場合は、好ましくは3〜50質量%の範囲内で添加する。
安定剤を添加する場合は、通常0.001〜1質量%の範囲内で添加する。具体的には立体障害フェノール系、リン系、アミン系の安定剤を使用することができる。光安定剤を添加する場合は、通常0.001〜1質量%の範囲内で添加する。具体的には立体障害アミン系、ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系の光安定剤等を使用することができる。分散剤や滑剤は、例えば無機フィラーを分散させる目的で使用する。添加量は通常0.01〜4質量%の範囲内とする。具体的にはシランカップリング剤、オレイン酸やステアリン酸等の高級脂肪酸、金属石鹸、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸及びこれらの塩等を使用することができる。
熱可塑性フィルムの成形方法は、特に限定されるものではなく、公知の方法のなかから適宜選択して成形することができる。例えばスクリュ−型押出機に接続された単層または多層のTダイやIダイを使用して溶融樹脂をシート状に押し出すキャスト成形、カレンダー成形、圧延成形、インフレーション成形方法等を用いて成形することができる。
熱可塑性フィルムは一軸または二軸延伸したものが好ましい。延伸は通常用いられる種々の方法のいずれかによって行うことができる。延伸の温度は、非結晶性樹脂の場合に使用する熱可塑性樹脂のガラス転移温度以上、結晶性樹脂の場合に非結晶部分のガラス転移温度以上から結晶部の融点以下の熱可塑性樹脂に好適な温度範囲で行うことができる。具体的には熱可塑性樹脂の融点より2〜50℃低い温度が好ましい。延伸方法としては、ロール群の周速差を利用した縦延伸、テンターオーブンを利用した横延伸、テンターオーブンとリニアモーターの組み合わせによる同時2軸延伸等の方法を用いることができる。
延伸倍率は用いる合成樹脂の特性等を考慮して適宜決定する。例えば合成樹脂としてプロピレン単独重合体ないしその共重合体を使用するときには、一方向に延伸するときには2〜10倍が好ましく、二軸延伸の場合は、面積倍率で10〜50倍であることが好ましい。
無機フィラーや有機フィラーを含有する合成樹脂を延伸すれば、内部に微細な空孔を有する多孔性樹脂延伸フィルムを得ることができる。また延伸した熱可塑性フィルムは単層からなるものであっても良いし、多層構造を有するものであっても良い。
熱可塑性フィルムの厚みは、通常、10〜50μmであり、好ましくは20〜40μmである。熱可塑性フィルムの厚みが10μm未満では機械的強度が不十分となり、熱によるカールを十分に防止できないことがあり、一方、厚みが50μmを超えると、静電容量の低下によりトナー転写効率が低下し、画像品質が低下することがあり、好ましくない。熱可塑性フィルムの密度は0.5〜0.9g/mが好ましい。熱可塑性フィルムの密度が0.5g/m未満では機械的強度が不十分となることがあり、0.9g/mを超えるとトナーの密着性が低下することがあり、好ましくない。
(C)芯材層
本発明で用いる芯材層には、セルロースパルプを主成分とする上質紙、コート紙、アート紙、キャスト塗被紙等の紙基材、その少なくとも一方に熱可塑性樹脂層を設けたラミネート紙等の加工紙が好ましく用いられる。また芯材層として、ポリエチレンテレフタレートやその共重合体、ポリブチレンテレフタレートやその共重合体、脂肪族ポリエステル等の熱可塑性ポリエステル系樹脂から製造したフィルム状支持体は、耐熱性があり、表面が平滑で凹凸が小さいために、印画後の画質が良好であるので、好ましく用いられる。
本発明に用いる芯材層の厚みは、特に限定されないが、一般には50〜200μmの厚さである。厚さが50μm未満であると、得られる電子写真用転写シートの機械的強度が不十分となる場合があり、且つ変形に対する反発力が不十分となり、印刷または印字の際に生じる電子写真用転写シートのカールを十分に防止できないことがある。また厚さが200μmを超えると、得られた電子写真用転写シートの厚みが過大となり、プリンターの用紙供給部に供給される枚数が減少する不都合や、芯材層の凸凹による画質の低下や転写シートの風合いが劣ることがあり、好ましくない。
本発明では、熱可塑性フィルム層(B)は芯材層(C)の片面もしくは両面に接着することが出来る。芯材層(C)の片面にのみ熱可塑性フィルム(B)を接着する場合には、芯材層(C)の接着面と反対面に、合成樹脂層、顔料と接着剤などからなる塗布層を設けてカール防止処理をすることが好ましい。塗布層には、さらに、印刷適性、給排紙適性、ブロッキング防止性を付与することが可能であり、また耐水性、耐油性、防滑性を付与することや、感熱記録、熱転写記録やインクジェット記録などの各種記録適性などを付与することも勿論可能である。
ミシン目加工とは、裁断加工が為される直線状もしくは曲線状の箇所に、断続的に孔が設けられてなる加工であって、ここでいう「孔」とは、貫通孔であっても、非貫通孔であってもかまわない。また、ミシン目を施す手段は、公知のいかなる方法を用いることが可能である。
JIS P8114付属書1に規定される「連続伝票のミシン目強さの試験方法」で定義されるミシン目部分の引張り強度が、20〜80N/15mmが好ましい。引張り強度が20N/15mm未満の場合、プリンター出力時にジャミングが発生しやすくなるため好ましくなく、一方、それが80N/15mmを超える場合、鋏、カッターナイフなどの切断器具を用いず手作業のみによる切り離しが困難になることがある。
ミシン目の孔の長さは、250〜450μmの範囲が好ましく。250μm未満の場合は手作業のみによる切り離しが困難になるため好ましくなく、450μmを超える場合は、プリンター出力時にジャミングが発生しやすくなるため好ましくない。
ミシン目の孔の幅が50〜250μmが好ましい。50μm未満の場合は、手作業のみによる切り離しが困難になるため好ましくなく、250μmを超える場合は、プリンター転写部、電子写真用転写シートへトナーを転写させるときに、孔周辺にて、画像欠陥を生じる虞があるので好ましくない。
ミシン目の孔の長さ/(孔の長さ+孔の間隔)の比率は、0.6〜0.8が好ましい。0.6未満の場合は、手作業のみによる切り離しが困難になるため好ましくなく、0.8を超える場合は、プリンター出力時にジャミングが発生しやすくなるため好ましくない。
以下に実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、勿論本発明はこれによって限定されるものではない。
実施例1
<主として無機顔料からなる受像層を有する電子写真用転写シート>
<芯材層>
紙基材として、坪量157g/mの塗工紙(商品名:OKトップコート、王子製紙社製)を用いた。
<熱可塑性フィルム>
2軸延伸PPフィルム(#35)(商品名:OP N−2、東セロ社製、密度0.72g/cm)を用いた。
<トナー受像層>
トナー受像層用塗料の調製(顔料/バインダ樹脂比率=70/30)
無機顔料:炭酸カルシウム微粒子 70質量部
(商品名:TP−121、奥多摩工業社製)
バインダー樹脂:ポリウレタンアイオノマー 30質量部
(商品名:ハイドランAP40、大日本インキ化学工業社製)
帯電防止剤(商品名:エレクトロストリッパー F、花王社製) 5質量部
分散剤(商品名:アロンA−9、東亜合成社製) 1質量部
固形分濃度が6%になるように配合し、攪拌機を用いて分散を行った。
塗工
前記トナー受像層用塗料をバーコーターで乾燥後の塗布量が0.8g/mとなるように熱可塑性フィルム上に塗布、乾燥し、トナー受像層付き熱可塑性フィルムを得た。
<電子写真用転写シートの作成>
前記トナー受像層付き熱可塑性フィルムと、芯材層となる塗工紙を、{トナー受像層/熱可塑性フィルム/塗工紙/熱可塑性フィルム/トナー受像層}の構成になるように、ポリウレタン系接着剤(商標:AD−593、東洋モートン社製)を用いて、接着剤塗工量5g/mで、ドライラミネート方式で接着・積層して電子写真用転写シートを得た。
<長辺軸ミシン目の形成>
得られた電子写真用転写シートをA4サイズ(短辺21cm×長辺29.7cm)に断裁し、市販のミシン目加工機によって表1に示す孔長さ、孔と孔の間隔長さ、孔の幅になるように、かつ切り離し後の形状が長辺21cm×短辺14.85cmの四角形のシートが2枚となる2等分される位置(長辺軸ミシン目)にミシン目加工を行い、ミシン目の入った電子写真用転写シートを得た。
実施例2
<短辺軸ミシン目の形成>
実施例1で得られた電子写真用転写シートを、さらに、切り離し後の形状が短辺10.5cm×長辺29.5cmの四角形のシートが2枚となるように2等分される位置(短辺軸ミシン目)にミシン目加工を行い、ミシン目の入った電子写真用転写シートを得た。
実施例3
<長辺軸/短辺軸ミシン目の形成>
実施例1で得られたミシン目の入った電子写真用転写シートに、ミシン目にそって切り切り離したあとの形状が、切り離し後の形状が短辺10.5cm×長辺14.85cmの四角形のシートが4枚となるように位置(長辺軸/短辺軸ミシン目)にミシン目加工を行い、ミシン目の入った電子写真用転写シートを得た。
実施例4
<主として有機顔料からなる受像層を有する電子写真用転写シート>
トナー受像層用塗料を、下記のようにPMMA樹脂微粒子(商品名:テクポリマー MBX−5、積水化成品工業製)(直径5μm)を用いた以外は、実施例1と同様にして電子写真用転写シートを得た。
<トナー受像層>
トナー受像層用塗料の調製(顔料/バインダ樹脂比率=70/30)
PMMA樹脂微粒子(直径5μm) 70質量部
(商品名:テクポリマー MBX−5、積水化成品工業製)
バインダー樹脂:ポリウレタンアイオノマー 30質量部
(商品名:ハイドランAP40、大日本インキ化学工業社製)
帯電防止剤(商品名:エレクトロストリッパー F、花王社製) 5質量部
分散剤(商品名:アロンA−9、東亜合成社製) 1質量部
比較例1
トナー受像層用塗料の調製(顔料/バインダ樹脂比率=30/70)
無機顔料:炭酸カルシウム微粒子 30質量部
(商品名:TP−121、奥多摩工業社製)
バインダー樹脂:ポリウレタンアイオノマー 70質量部
(商品名:ハイドランAP40、大日本インキ化学工業社製)
帯電防止剤(商品名:エレクトロストリッパー F、花王社製) 5質量部
分散剤(商品名:アロンA−9、東亜合成社製) 1質量部
固形分濃度が6%になるように配合し、市販の攪拌機を用いて分散を行った。
前記トナー受像層用塗料以外、実施例1と同様に電子写真用転写シートの作成し、ミシン目の形成(長辺軸ミシン目)を行った。
比較例2
トナー受像層用塗料の調製(顔料/バインダ樹脂比率=95/5)
無機顔料:炭酸カルシウム微粒子 95質量部
(商品名:TP−121、奥多摩工業社製)
バインダー樹脂:ポリウレタンアイオノマー 5質量部
(商品名:ハイドランAP40、大日本インキ化学工業社製)
帯電防止剤(商品名:エレクトロストリッパー F、花王社製) 5質量部
分散剤(商品名:アロンA−9、東亜合成社製) 1質量部
前記トナー受像層用塗料以外、実施例1と同様に電子写真用転写シートを作成した。
比較例3
<芯材層>
150μmの上質紙(LB KP/NBSP=6/4、密度1.053g/cm)を用いた。
<熱可塑性フィルム層>
芯材層の両面に20μm(片面あたり)の中密度ポリエチレン(密度0.93g/cm、融点120℃)を用いて押し出しラミネート加工により設けた。
<トナー受像層>
(下塗り処理)
市販ゼラチンを固形分濃度が、5%になるように調薬をおこない、バーコーターにて乾燥後片面塗工量0.1g/mなるように、芯材層に積層された熱可塑性フィルム層両面に塗工したのちコロナ放電処理を行った。
(トナー受像層)
無機顔料:二酸化チタン 14質量部
(商品名:タイペークA−220、石原産業製)
ポリエステル樹脂 86質量部
(商品名:タフトンU−5、花王製)
メチルエチルケトンにて希釈をおこない。下塗り層の上面にバーコーターにて片面塗工量10g/mとなる様に両面に塗工した。実施例1と同様にしてミシン目(長辺軸ミシン目)のはいった電子写真用転写シートを作成した。
<評価>
ミシン目強度
JIS P8114付属書1に規定される「連続伝票のミシン目強さの試験方法」で定義される方法によってミシン目部分の引張強度を測定した。
断裁適性
ミシン目の入った電子写真用転写シートを、ミシン目を挟むように両手で持ち、ミシン目に沿って、印刷面が表面になるように山折にて完全に折りたたみ、逆面に谷折にて完全に折りたたむ。この作業により、ミシン目が不完全に切断されるものを不良(×)、完全に切断されるものを良好(○)とした。
プリンター走行性
乾式電子写真プリンター(カシオ社製 スピーディアN6000)を使用し、ミシン目を有した電子写真用転写シートを給紙の方向が短辺(21cm辺)及び長辺(29.7cm辺)それぞれ各10枚連続印刷を行った。このうち1枚でも、プリンター内部で紙詰まり等の走行不良のあったもの、または印字後にミシン目が外れかかっていた場合は、不良(×)した。前述の問題がない場合は、良好(○)とした。なお、プリンターの印字モードは、厚紙モードとして、A4サイズに画像の大きさを調整したISO/JIS−SCID画像(N3a 果物かご)を印刷した。
画質
乾式電子写真プリンター(カシオ社製 スピーディアN6000)での印刷をプリンターの印字モードは、厚紙モードとして、A4サイズに画像の大きさを調整したISO/JIS−SCID画像(N3a 果物かご)を印刷したときミシン目周辺などで画像欠陥が発生した場合を不良(×)、画像欠陥が発生しなかった場合を良好(○)とした。
受像層搬送キズ
前記(3)プリンター走行性の評価において、印刷面の反対面(裏面)のトナー受像層表面を観察し、搬送ロールやギアによる押しキズなどの入り具合を目視により評価した。押しキズ等の発生がなければ(○)、押しキズ等が目立つ場合は(×)とした。
鉛筆筆記性
三菱鉛筆製鉛筆(鉛筆硬度:B)によって、筆記したとき上質紙上への筆記性(かすれおよび筆記部部分の濃度の濃さ)と同等な場合は良好(○)、劣る場合は不良(×)とした。
実施例1〜4および比較例1〜3で作成したミシン目を有する電子写真用転写シートの評価結果を表1〜2に示す。表1に示すように、実施例1〜4で得た電子写真用転写シートは、ミシン目断裁適性、プリンター走行性、画質とも良好である。
一方、表2に示すように、ミシン目強度が、20N/mm未満である比較例3では、プリンター走行性が劣り、ミシン目強度が、80N/mmを超える比較例1では、ミシン目の断裁適性が劣る。
Figure 2009139668
Figure 2009139668
本発明に係る電子写真用転写シートは、安定したプリンター走行性を有し、ミシン断裁適性を有し画質も良好であるため、耐水性やトナー密着性が優れているのみならず、POP、値札を印刷に適しており、実用上極めて有用であり、その産業界に寄与するところ大である。

Claims (6)

  1. 紙基材または熱可塑性樹脂基材からなる芯材層(C)と、その一面上に、熱可塑性フィルム層(B1)と、バインダー樹脂に対する質量部数比率(顔料質量部数/樹脂質量部数)が(5/5)〜(9/1)で顔料を含有する受像層(A1)とを順次積層したシート状構造を有し、前記シート状構造は切り取り線加工が施されていることを特徴とする電子写真用転写シート。
  2. 前記切り取り線加工によるミシン目部分が、JIS P 8114付属書1に規定される「連続伝票のミシン目強さの試験方法」で定義される引張り強度20〜80N/15mmである請求項1記載の電子写真用転写シート。
  3. 前記ミシン目の、孔の長さが250〜450μm、かつ孔の幅が50〜250μmである請求項2記載の電子写真用転写シート。
  4. 隣り合うミシン目の孔と孔の間隔が100〜200μmである請求項2または3記載の電子写真用転写シート。
  5. 前記ミシン目の、{孔の長さ/(孔の長さ+孔の間隔)}比率が、0.6〜0.8である請求項2〜4記載の電子写真用転写シート。
  6. 前記芯材層(C)の他の一面上に、熱可塑性フィルム層(B2)および受像層(A2)を順次積層したものである請求項1〜5記載の電子写真用転写シート。
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