JP2009138674A - 圧縮機翼及びその製造方法、並びに、火力発電用ガスタービン - Google Patents

圧縮機翼及びその製造方法、並びに、火力発電用ガスタービン Download PDF

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Abstract

【課題】表面で発生する腐食・エロージョン損傷の抑制に加え、粉じん類の付着堆積にともなう圧縮機の性能低下を抑制する圧縮機翼と、その製造方法と、この圧縮機翼を備えた火力発電用ガスタービンを提供する。
【解決手段】圧縮機翼1の表面付近の一部拡大部分11は、金属製の基材12と、この基材12の表面に形成された炭素と水素とを主成分とし、金属又は半金属の酸化物の超微粒子を分散含有しているアモルファス状膜13とを備えてなる。アモルファス状膜13は、厚さが1μm〜50μmの範囲、硬さがHV800〜2200の範囲、表面の算術平均粗さRaが0.5μm以下、且つ、十点平均粗さRzが2.0μm以下であることが好ましい。また、アモルファス状膜13における水素原子の割合が15〜31原子%の範囲、超微粒子の割合が3〜35原子%、残りが炭素原子で組成されているものであることが好ましい。
【選択図】図2

Description

本発明は、火力発電用ガスタービンや航空機用ジェットエンジンなどの圧縮機に装着される圧縮機翼(動静翼・翼根部を含む)およびその製造方法、並びに、この圧縮機翼を備えた火力発電用ガスタービンに関するものである。
ガスタービンは、軸流圧縮機、タービン軸、タービン動静翼および燃焼機器などを基本構成要素とし、これらを保持する軸受け、ケーシングなどが一体となっている回転構造物である。このうち、軸流圧縮機は空気を圧縮するための圧縮機翼を有しており、この圧縮機翼は、ガスタービンの運転に必要な空気を外部から吸入して圧縮する。これにより、最終的には0.8〜1.5MPaの圧縮空気を発生させ、これを燃焼器へ送り出し、燃料の燃焼に用いるとともに、燃焼器およびその付属部材や動翼・静翼などの冷却用空気としても使用する。
上述のような軸流圧縮機の回転軸の周囲には、回転にともなって吸入空気が次第に圧縮されるように、流体力学的に工夫された形状を有する多数の圧縮機翼が最適な角度で取り付けられている。現在採用されている圧縮機翼には、運転にともなう高い機械的応力に耐えるとともに長期間安定した運転を維持する材料、具体的には高強度、疲れ強さ、減衰率が大きい特性を有する12%Cr鋼に属するSUS403、SUS410、Lapelloy合金鋼(12%Cr−2.75%Mo)、Greek Ascoloy合金鋼(13%Cr−3%W−2%Ni)、析出硬化型二層ステンレス鋼(17%Cr−4%Ni−3%Cu)などが使用されている。また圧縮機翼後段の空気温度の高いところでは、A−286(26%Ni−15%Cr−2%Ti−1%Mo)、Inconel 718(16%Crを含むNi基合金)などが適用されている。また、小型のガスタービン用圧縮機翼には、Ti合金が適用されることもある。
なお、ガスタービンの高温部、とくにNi基合金やCo基合金などで製造されている動静翼に対しては、特許文献1〜5に示されるような各種耐熱金属および合金皮膜の施工による耐高温酸化性の向上をはじめ、特許文献6〜10に代表されるような熱遮蔽皮膜の適用が提案されている。
特公昭51−4941号公報 特公昭61−10034号公報 特開平9−195049号公報 特開平11−061439号公報 特開2005−042186号公報 特開平4−36454号公報 特開2003−201803号公報 特開2004−169558号公報 特開2005−343107号公報 特開2005−42186号公報 特開2005−273538号公報 特開2007−231781号公報
軸流圧縮機の入口空気の温度はほぼ外気温に等しい低温であるが、加圧・圧縮空気の温度は300℃〜600℃となるので、圧縮機翼全体全体としては大気温度(−5℃〜600℃程度の温度域にさらされることとなる。したがって、圧縮機の入口付近では、吸入空気中に含まれている水分(湿度)は軸流圧縮機入口近傍に配置されている低段の圧縮機翼面では凝縮水となって付着し、空気中に含まれている海塩粒子(海水が飛沫となって空気中を浮遊中、水分のみが蒸発し、NaCl、MgClなどの塩類などが微細な粒子となっているもの)、油煙(主にディーゼルエンジンの排気ガス中に含まれている未燃焼物)、SO、SO、NOなどの腐食性ガス成分などが共存して圧縮機翼面が腐食される環境にある。また、吸入空気中にふくまれる固形粉じん(砂埃)は圧縮機翼に付着してその効率を低下させるほか、圧縮機翼に接触してエロージョン損傷の原因となるなどの問題がある。さらに重要なことは圧縮機翼の腐食が孔食となって現れると、圧縮機翼の折損を招いて大きな事故を誘発する。また、さびの発生、異物の付着、エロージョン損傷などにおいては、圧縮機翼の形状を変化させて圧縮効率を低下させることが予想されるので、以上の問題点を解決することは、ガスタービンプラント全体の発電効率の向上にも寄与する重要な研究課題となっている。また、昨今では、このガスタービンプラント全体の発電効率の向上が、地球温暖化対策としても注目されている。
以上のような圧縮機翼の課題を解決するため、従来から種々の技術が提案されているが、それぞれ下記のような問題点がある。
(1) 圧縮機翼表面にCrめっき、Niめっきなどの皮膜を施工した際、めっき膜に存在するピンホールを通って圧縮機翼の基材面に浸入した水分および海塩粒子、SOx、NOxなどの環境汚染ガスによって、基材が優先的に腐食されて孔食が発生し、圧縮機翼の折損を誘発する。
(2) 現行のAlを含むクロム酸化物の皮膜では、無処理の圧縮機翼に比較すると耐食性は向上するものの、吸入空気中に含まれている微細な粉じん類の付着は依然として防げず、しばしば圧縮機の水による洗浄を余儀なくされている。
(3) 無処理の圧縮機翼をはじめ上記(1)〜(2)などの既存技術によって施工された表面処理皮膜の形成翼においても、ガスタービンの運転に伴って圧縮機翼表面に粉じん類が堆積して、圧縮効率が低下してくる。この対策として、ガスタービンの運転中に硬質の木の実あるいは殻の粉砕片を吸入空気中に投入し、圧縮機翼と機械的に接触させることによって除去する方法があるが、粉砕片による圧縮機翼の損傷とともに、圧縮空気とともにタービン部へ搬送された粉砕片が冷却用空気孔を閉塞してタービン翼などの高温部材を過熱損傷させる可能性がある。
(4) 吸入空気中に含まれている微細な粉じんを除去するために設置されている多段式の空気フィルターは、それなりに効果は認められるものの、設備費が大となるほか、あまり完全な空気フィルターの設置では吸入空気の抵抗が大きくなるためその効果には一定の限界がある。
(5) 圧縮機翼表面で発生する腐食、粉じんによるエロージョン損傷の発生は、圧縮機翼表面を粗面化したり、圧縮機翼形状の変化を伴うことが多くなったりするとともに、圧縮効率の低下の原因となっている。
(6) 上記(1)〜(5)が原因となる障害の早期発見、及び、その保守点検を行うために実施する作業時間の短縮化とともに、長期間無点検で使用できる信頼性の高い圧縮機翼が要望されている。
しかし、圧縮機翼に対しては、前述のような課題があるにも拘らず、ガスタービンの高温部に比べると環境温度が低く、腐食およびエロージョン損傷の程度が軽微なこともあって、新しい対策技術の提案は殆どない状況にある。僅かに特許文献11において圧縮機翼のディスクへの植込部に対し、軟質のCu−Ni−In合金を形成してディスクとの焼き付きを防ぐ技術が開示されている程度である。これに対して、本発明者は、上記特許文献12に開示したように、圧縮機翼の表面に炭素と水素とを主成分とするアモルファス状態の皮膜を形成して、耐食性、耐エロージョン性に加え、異物付着を抑制して、圧縮機の性能低下を抑制する技術を提案した。しかしながら、現在は、特許文献12に開示したものの効果よりもさらに高い効果が得られるものが要求されている。
そこで、本発明は、上記特許文献12のものよりもさらに圧縮機の性能低下を抑制する圧縮機翼と、その製造方法と、この圧縮機翼を備えた圧縮機を有している火力発電用ガスタービンを提供するものである。
本発明の圧縮機翼は、基材の表面に、直接または下塗り膜を介して、炭素と水素とを主成分とし、金属酸化物又は半金属酸化物の超微粒子を分散含有しているアモルファス状膜を被覆したものである。
本発明の圧縮機翼においては、前記アモルファス状膜の厚さが1μm〜50μmの範囲にあることが好ましい。
本発明の圧縮機翼においては、前記アモルファス状膜の硬さがHV800〜2200の範囲にあることが好ましい。
本発明の圧縮機翼においては、前記アモルファス状膜の表面の算術平均粗さRaが0.5μm以下、且つ、十点平均粗さRzが2.0μm以下であることが好ましい。
本発明の圧縮機翼においては、前記アモルファス状膜における炭素原子の割合が85原子%〜69原子%、水素原子の割合が15原子%〜31原子%の範囲で組成されているものであるとともに、前記アモルファス状膜に対する該炭素原子及び該水素原子の組成割合が100原子%未満であることが好ましい。
本発明の圧縮機翼においては、前記超微粒子が、Si、Al、Y、Mg、Crから選ばれる一種類以上のものの酸化物であり、前記アモルファス状膜における前記超微粒子の割合が、3原子%〜35原子%であることが好ましい。
本発明の圧縮機翼においては、前記超微粒子の粒子径が、5Å(5×10−10m)未満であることが好ましい。
本発明の圧縮機翼においては、前記基材が、Ti、Alの単体およびその合金、炭素を含み、クロムを必須成分とする構造用鋼、並びにNiとCrとを必須成分とするステンレス鋼およびNi基合金のうちから選ばれる1種の金属材料であることが好ましい。
本発明の圧縮機翼においては、前記下塗り膜が、Ti、W、Nb、Ta、Cr、Al、Siの単体またはそれらの合金から選ばれる1種以上の膜厚0.1〜3μmの膜であることが好ましい。
本発明の圧縮機翼においては、C、Ti、W、Nb、Ta、Cr、Al、Siから選ばれる1種以上の元素を、前記基材の表面部に注入することによって形成された注入層をさらに有することが好ましい。
本発明の圧縮機翼においては、前記基材の表面の算術平均粗さRaが0.5μm以下、十点平均粗さRzが2.0μmであることが好ましい。
本発明の圧縮機翼の製造方法は、基材の表面の算術平均粗さRaが0.5μm以下、十点平均粗さRzが2.0μm以下となるように加工する基材表面加工工程と、前記基材上に、炭素と水素とを主成分とし、Si、Al、Y、Mg、Crから選ばれる一種類以上のものの酸化物からなる超微粒子を分散含有しているアモルファス状膜を被覆形成するアモルファス状膜被覆工程とを有する。
本発明の圧縮機翼の製造方法においては、加工された前記基材の表面部に、C、Ti、W、Nb、Ta、Cr、Al、Siから選ばれる元素の注入層を形成する工程を、前記基材表面加工工程と前記アモルファス状膜被覆工程との間に有することが好ましい。
別の観点として、本発明の圧縮機翼の製造方法は、基材の表面の算術平均粗さRaが0.5μm以下、十点平均粗さRzが2.0μm以下となるように加工する基材表面加工工程と、加工された前記基材の表面上に、Ti、W、Nb、Ta、Cr、Al、Siから選ばれる単体またはそれらの合金からなる下塗り膜を被覆形成する下塗り膜被覆工程と、前記下塗り膜の表面上に、炭素と水素を主成分し、Si、Al、Y、Mg、Crから選ばれる一種類以上のものの酸化物からなる超微粒子を分散含有しているアモルファス状膜を被覆形成するアモルファス状膜被覆工程とを有するものであってもよい。
ここで、上述のアモルファス状膜被覆工程においては、高周波プラズマCVD法を用いることが好ましい。また、上述の下塗り膜被覆工程においては、電気めっき法、CVD法またはPVD法から選ばれる1種以上の方法を用いることが好ましい。また、上述の注入層を形成する工程においては、イオン注入法を用いることが好ましい。
本発明の火力発電用ガスタービンは、上述した圧縮機翼のうちいずれか1つを備えた圧縮機を有しているものである。
本発明における炭素と水素とを主成分とし、金属酸化物又は半金属酸化物の超微粒子を分散含有しているアモルファス状膜は、緻密で化学的に安定な性質によって優れた耐摩耗性、耐食性、及び耐熱性を発揮し、鏡面のような平滑性や適度に高い硬さなどの性状を有する。また、本発明におけるアモルファス状膜は、基材の変形に追随できるほどの硬さ及び厚さで均一に形成される。したがって、本発明によると、異物の付着を防ぎつつ、耐エロージョン性に著しい効果を発揮するとともに、衝撃や曲げ応力に強いので、破壊されたり剥離したりしにくいアモルファス状膜を有する圧縮機翼及びその製造方法を提供できる。また、下塗り膜又は注入層を介して基材にアモルファス状膜が形成されている場合には、単に基材表面に形成するよりもアモルファス状膜の密着性が増すことになる。したがって、特許文献12のものより破壊されたり剥離したりしにくいアモルファス状膜を有する圧縮機翼及びその製造方法を提供できる。
また、上述の圧縮機翼を用いた圧縮機翼を備えた圧縮機を有している本発明の火力発電用ガスタービンによると、吸入空気中に含まれている水分、海塩粒子、SO、NO及び油煙などに起因する腐食、エロージョン損傷をはじめ異物の付着に伴う性能低下を特許文献12のものより抑制することができる。この結果、特許文献12のものに比べて、火力発電用ガスタービンの圧縮機翼の保守点検およびその補修工程が軽減短縮されるほか、火力発電用ガスタービン全体の発電効率の低下を抑制して化石燃料の消費を節減する一方、単位発電量あたりのCO発生量を少なくし、地球温暖化対策としても貢献することが期待できる。
以下に本発明の実施形態に係る圧縮機翼及びその製造方法、並びに火力発電用ガスタービンを説明する。
<第1実施形態>
図1は、本発明の第1実施形態に係る圧縮機翼を示す断面図である。図2は、図1の圧縮機翼の表面付近の一部拡大図である。
圧縮機翼1は、図示しないが、一般的な圧縮機翼と同様の外形をしている。圧縮機翼1の表面付近の一部拡大部分11は、金属製の基材12と、この基材12の表面に形成されたアモルファス状膜13とを備えてなる。
基材12としては、Ti、Alの単体およびその合金、炭素を含み、クロムを必須成分とする構造用鋼、NiとCrとを必須成分とするステンレス鋼およびNi基合金等が挙げられる。また、基材12の表面の算術平均粗さRaは0.5μm以下、十点平均粗さRzは2.0μmである。
アモルファス状膜13は、炭素と水素とを主成分とし、金属酸化物又は半金属酸化物の超微粒子(粒子径が、5Å(5×10−10m)未満)を分散含有しているものであり、厚さが1μm〜50μmの範囲にある。特に5〜20μmが好適である。1μmより薄い膜では耐食性、耐エロージョン性が十分ではなく、また50μmより厚い皮膜では、圧縮機の運転環境などで翼が変形した場合、皮膜にひび割れが発生するおそれがある。金属酸化物又は半金属酸化物の超微粒子の例としては、Si、Al、Y、Mg、Crを酸化してなる粒子が挙げられる。なお、超微粒子は、1種類の金属酸化物又は半金属酸化物に限られず、複数種からなるものであってもよいし、金属酸化物と半金属酸化物とが混合しているものであってもよい。
また、アモルファス状膜13の硬さは、マイクロビッカース硬さでHV800〜2200の範囲にある。12mass%Cr鋼の硬さ(HV200〜250)に比較すると格段に硬く、優れた耐エロージョン性を発揮する。また、アモルファス状膜13に含まれる金属酸化物又は半金属酸化物の超微粒子は、硬質であり且つ耐食性をも有しているので、耐摩耗性、耐熱性も良好である。
さらに、アモルファス状膜13においては、炭素原子の割合が85〜69原子%、水素原子の割合が15〜31原子%の範囲で組成されているものであるとともに、アモルファス状膜13に対する該炭素原子及び該水素原子の組成割合が100原子%未満となるように調整されているが、より好ましくは、アモルファス状膜13における超微粒子の割合を、3原子%〜35原子%ととし、アモルファス状膜13に対する炭素原子、水素原子、及び超微粒子の組成割合を100原子%とすることである。なお、水素原子含有量が15%未満のアモルファス状膜13は硬質であるものの、延性に乏しいため基材12の熱膨張や変形に追随できず、またアモルファス状膜13の形成時に大きな内部応力を潜在するようになるので、圧縮機の運転環境では、はく離しやすいという欠点がある。一方、水素原子含有量が31%より大きくなると、アモルファス状膜13の硬さおよび機械的強度が低下するので好ましくない。また、アモルファス状膜13中の金属酸化物又は半金属酸化物の超微粒子の含有量が3原子%未満では、該超微粒子の添加効果が少なく、一方、35原子%を超えている場合には、アモルファス状膜13が環境によっては割れやすくなることがあるので好ましくない。
また、アモルファス状膜13の表面の算術平均粗さRaは0.5μm以下、且つ、十点平均粗さRzは2.0μm以下である。
このようなアモルファス状膜13は、緻密であるうえ、酸、アルカリ、などの水溶液中に浸漬してもまったく腐食されず、気孔が無いため、気孔部分のみが優先的に腐食されて顕在化する孔食の発生がない。また、基材12表面に形成されるアモルファス状膜13は比重が約2.0前後であるので、圧縮機が運転中に何らかの原因で圧縮機翼1のアモルファス状膜13がはく離しても、後段に配設されている他の翼などに障害を与えず、また550℃以上の温度では二酸化炭素(CO)、水蒸気(HO)に分解されてしまうので、タービン部の冷却孔などの閉塞原因にならない。さらに、アモルファス状膜13中に含まれている金属酸化物又は半金属酸化物の超微粒子の直径は極めて小さい(5Å(5×10−10m)未満)ので、該超微粒子も上記冷却孔などの閉塞原因にならない。
次に、圧縮機翼1の製造方法について工程ごとに説明する。
(1:基材表面の仕上げ工程)
アモルファス状膜13を形成するための基材12表面においては、機械的、化学的および電気化学的方法によって、算術平均粗さRaが0.5μm以下、十点平均粗さRzが2.0μm以下の鏡面状態となるように仕上げる。このような表面仕上げを行わないと、基材12表面は粗いので、突起物などが存在する場合がある。従って、基材12表面に形成するアモルファス状膜13の厚さが10μmと比較的薄い場合、突起物のある部分のアモルファス状膜13が早期に破壊されたり、腐食発生の起点となったりすることがある。
機械的に研磨する場合は細粒の#600の研磨ベルトを用いて算術平均粗さRaを1〜3μm程度にしたあと、ラッピング加工やバフ研磨によって表面の突起物を除去し、十点平均粗さRzを0.8以下に仕上げることができる。また、細粒の研磨ベルト加工を終えた面を化学研磨法(例えば硝酸、塩酸、リン酸などの混合液)またはこれらの研磨液中で基材12を陽極として電解研磨法を適用すれば、算術平均粗さRaが0.1μm、十点平均粗さRzが0.5μm以下の程度の鏡面が得られ、特に好適な前処理面を形成できる。ただし、アモルファス状膜13の厚さが10μm〜50μmの場合には、機械的研磨(算術平均粗さRaが1〜3μm)だけでも密着性および性能のよいアモルファス状膜13が形成されるとともに、アモルファス状膜の表面粗さが、基材の粗さの影響を受けがたくなって、平滑化する傾向があるので、特に仕上げ程度を規定しなくともよい。
(2:金属酸化物又は半金属酸化物の超微粒子を分散含有してなるアモルファス状膜の形成工程)
次に、上述の仕上げ工程を経た基材12表面に、金属酸化物又は半金属酸化物の超微粒子を分散含有してなるアモルファス状膜を形成する工程について説明する。まず、金属酸化物又は半金属酸化物の超微粒子を形成する前工程である、所定の超微粒子(Si、Al、Y、Mg、Crなどから選ばれる一種類以上のもの)を分散含有してなるアモルファス状膜の形成工程について説明し、その後に、上記所定の超微粒子を酸化する工程について説明する。
(2−1:所定の超微粒子を分散含有してなるアモルファス状膜の形成工程)
図3は、上記所定の超微粒子を分散含有してなるアモルファス状膜を形成するための装置の概略構成図である。この装置は、接地された反応容器2と、この反応容器2内部空間とそれぞれバルブ7a、バルブ7bを介して接続されている成膜用の有機系ガス導入装置(図示せず)及び反応容器を真空引きする真空装置(図示せず)と、反応容器2内の所定の位置に配設される圧縮機翼1の基材12に接続する導体3に導入端子9を介して高電圧パルスを印加するための高電圧パルス発生電源4と、高電圧導入部9を介して導体3に高周波を印加し、圧縮機翼1の基材12周囲にプラズマを発生させるプラズマ発生用電源5と、パルスおよび高周波の印加を一つの導体3で共用するために、高電圧パルス発生電源4及びプラズマ発生用電源5との間に設けられるとともに、高電圧導入部9と電気的に接続されている重乗装置6と、反応容器2及び地表と電気的に接続されているアース線8とを備えている。
上述の構成の装置を用いてアモルファス状膜13を基材12表面に形成するには、被処理体としての基材12を所定の位置に設置し、真空装置を稼動させ、バルブ7bを介して反応容器2中の空気を排出させたあと、ガス導入装置によってバルブ7aを介して有機化合物ガスを反応容器2に導入する。
ここで、本実施形態において使用できる有機化合物ガスの種類について説明する。反応容器2内に導入するガスの種類は、炭素と水素とからなる炭化水素およびこれに所定の元素(Si、Al、Y、Mg、Crなどから選ばれる一種類以上のもの)を結合させた有機化合物ガスである。
有機化合物ガスの例としては、例えば、Siの微粒子を析出させたい場合には、(CO)Si、(CHO)Si、[(CHSi]などが好適である。なお、他のAl、Y、Mg、Crなどを析出させるには、前記有機化合物ガス中のSiの代わりに、Al、Y、Mg、Crを付加した組成のガスを使用すればよい。また、(C1119)基又は(C1221)基に、Si、Al、Y、Mg、Crなどの元素を付加した有機化合物を使用しても、炭素と水素とを主成分とし、Si、Al、Y、Mg、Crなどの元素を分散含有したアモルファス状膜を形成できる。なお、常温で気相状態の有機化合物ガスは、そのままの状態で反応容器2に導入できるが、液相状態の化合物はこれを加熱してガス化させ、この蒸気を反応容器2中へ供給する。有機Si化合物を用いてアモルファス状膜を形成すると、この膜中にSiが混入し、その一部のSiは炭素と強く結合し、SiCを生成している可能性があるが、本実施形態において使用するための妨げとはならない。
上述のような有機金属化合物ガスを反応容器2に導入後、プラズマ発生用電源5からの高周波電力を基材12に印加する。反応容器2は、アース線8によって電気的に中性状態にあるため、基材12は、相対的に負の電位を有することとなる。このため印加によって発生する、導入ガスのプラズマ中の+イオンは負に帯電した基材12の形状に沿って発生する特徴がある。さらに高電圧パルス発生源4からの高電圧パルス(負の高電圧パルス)を基材12に印加しプラズマ中の+イオンを基材12の表面に衝撃的に誘引させることができる。この操作によって基材12の表面に均等な厚さのアモルファス状膜13を形成することができる。このプラズマ中では下記(1)〜(4)に示すような現象が発生し、最終的には炭素と水素を主成分とする固形状態のアモルファス状膜中に、Si、Al、Y、Mg、Crなどの超微粒子が共析する。なお、これらの超微粒子は、粒子径が、Si=1.34Å(1.34×10−10m)、Al=2.86Å(2.86×10−10m)、Y=3.64Å(3.64×10−10m)、Mg=3.20Å(3.20×10−10m)、Cr=2.50Å(2.50×10−10m)であるため、光学顕微鏡はもとより、電子顕微鏡でさえも判別困難なほどである。
(1)導入されたガス(炭化水素)のイオン化(ラジカルと呼ばれる活性な中性粒子も存在する)。
(2)ガスから変化したイオンおよびラジカルは、負の電圧が印加された翼面に衝撃的に衝突する。
(3)衝突時の衝撃によって結合エネルギーの小さいC−H間が切断されHがスパッタされる。
(4)翼表面に水素を含んだアモルファス状膜が形成される。
なお、パルス幅を1μSec〜10mSec、パルス数を1〜複数回としたパルスの繰り返しも可能である。また、プラズマ発生用電源5の高周波電力の出力周波数は数十kHz〜数GHzの範囲で変化させることができる。以上のような方針でアモルファス状膜を形成する方法を、ここでは高周波プラズマCVD法と呼ぶこととする。
(2−2:アモルファス状膜中の所定の超微粒子を酸化する工程)
アモルファス状膜中の所定の超微粒子を酸化するには、(a)酸素ガスを含む雰囲気中で加熱する、(b)酸素ガスプラズマによって酸化させる、のいずれかの方法を用いることができる。これらの方法を順次、説明する。
〔(a)酸素ガスを含む雰囲気中で加熱する〕
所定の超微粒子(Si、Al、Y、Mg、Crなどから選ばれる一種類以上のもの)を含むアモルファス状膜を空気中または酸素ガスを含む雰囲気路などの環境で加熱すると、このアモルファス状膜に含まれている超微粒子は、膜の表面から酸化して酸化物に変化する。具体的には、Si→Si0,Al→Al,Y→Yなど化学的に安定な酸化物に変化して、耐食性と耐プラズマ性とを発揮することとなる。この場合の加熱温度は、上限を500℃とする。500℃以上に加熱すると、炭素と水素とを主成分とするアモルファス状膜が劣化するからである。加熱時間はアモルファス状膜に含まれている微粒子の酸化物の変化速度に応じて決定されるが、たとえば0.1hr〜10hr程度である。なお、アモルファス状膜に含まれている超微粒子がすべて酸化物に変化している場合は、それ以上加熱時間を長くするとアモルファス状膜が熱的に劣化するおそれがある。
〔(b)酸素ガスプラズマによって酸化させる〕
たとえば図3のプラズマCVD装置を用い、雰囲気ガスとして、酸素ガスまたはAr,Heなどに酸素ガスを含ませたガスを導入し、所定の超微粒子(Si、Al、Y、Mg、Crなどから選ばれる一種類以上のもの)を含むアモルファス状膜を有する基材を負に帯電させてプラズマを発生させるとアモルファス状膜に含まれる超微粒子は、励起された酸素イオンの衝撃を受け、表面から次第に酸化物へと変化する。この方法はアモルファス膜の形成後、直ぐに製品に実施できるうえアモルファス状膜が加熱されるおそれがないため、加熱酸化法に比較すると品質が安定しており、また生産性の向上につながるので有利である。
上記構成によれば、従来よりも、異物の付着を防ぎつつ、耐エロージョン性に著しい効果を発揮するとともに、衝撃や曲げ応力に強いので、破壊されたり剥離したりしにくいアモルファス状膜13を有する圧縮機翼1及びその製造方法を提供できる。
<第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態に係る圧縮機翼について説明する。なお、第1実施形態の符合11、13の部位と、本実施形態の符合21、23の部位とは順に同様のものであり、その説明を省略することがある。図4は、本発明の第2実施形態に係る圧縮機翼の表面付近の一部拡大断面図である。
本実施形態の圧縮機翼は、図示しないが、一般的な圧縮機翼と同様の外形をしている。圧縮機翼の表面付近の一部拡大部分21は、基材22と、この基材22の表面に形成されたアモルファス状膜23とを備えてなる。
基材22は、基材主部22aと、基材主部32aの表面上(基材32の表面部)に形成された注入層22bとを有する。注入層22bは、C、Ti、W、Nb、Ta、Cr、Al、Siから選ばれる1種以上の元素を、基材22の表面部に注入することによって形成されたものである。なお、一変形例として、注入層22bとアモルファス状膜23との間に金属薄膜を形成してもよい。
次に、本実施形態に係る圧縮機翼の製造方法について説明する。なお、基材22表面の仕上げ工程及びアモルファス状膜23の形成工程は、第1実施形態と同様であるので簡略化した説明とし、基材22の注入層22bの形成工程について詳細に説明する。
まず、第1実施形態において説明した図3の装置を用いて、高電圧パルス発生源4の出力電圧を変化させることによって、基材22表面に対して金属をふくめたイオン注入を実施して注入層22bを形成する。そして、注入層22bの表面に第1実施形態と同様にしてアモルファス状膜23を形成する。
なお、上述した一変形例において、注入層22bとアモルファス状膜23との間に金属薄膜を形成する場合にも、図3の装置は用いることができる。例えば、以下の(1)〜(4)の条件で、基材22表面部又は表面上の各層の形成に使用できる。
(1)基材22表面部にイオン注入を重点的に行う場合:10〜40kV
(2)イオン注入と金属薄膜形成とを行う場合:5〜20kV
(3)基材22上に金属薄膜形成を行う場合:数百V〜数kV
(4)基材22上にスパッタリングなどで金属薄膜形成を重点的に行う場合:数百V〜数kV
したがって基材22表面部又は表面上にCr、Si、Ta、Nb、Tiなどの炭素と化学的親和力の強い金属イオン注入や金属の薄膜を形成した後、その上にアモルファス状膜23を積層させることが可能である。
上記構成によれば、第1実施形態と同様の効果を奏すると共に、注入層22bを介して基材22上にアモルファス状膜23が形成されているので、単に基材22表面に形成するよりもアモルファス状膜23の密着性が増す。したがって、より破壊されたり剥離したりしにくいアモルファス状膜23を有する圧縮機翼及びその製造方法を提供できる。
<第3実施形態>
次に、本発明の第3実施形態に係る圧縮機翼について説明する。なお、第1実施形態の符合11〜13の部位と、本実施形態の符合31〜33の部位とは順に対応しており、その説明を省略することがある。図5は、本発明の第3実施形態に係る圧縮機翼の表面付近の一部拡大断面図である。
本実施形態の圧縮機翼は、図示しないが、一般的な圧縮機翼と同様の外形をしている。圧縮機翼の表面付近の一部拡大部分31は、金属製の基材32と、この基材32の表面に形成されたアンダーコート34(下塗り膜)と、このアンダーコート34の表面に形成されたアモルファス状膜33とを備えてなる。
アンダーコート34は、Ti、W、Nb、Ta、Cr、Al、Siの単体またはそれらの合金から選ばれる1種以上の膜厚0.1〜3μmの膜である。
次に、本実施形態に係る圧縮機翼の製造方法について説明する。なお、基材32表面の仕上げ工程及びアモルファス状膜33の形成工程は、第1実施形態と同様であるので簡略化した説明とし、アンダーコート34の形成工程について詳細に説明する。
まず、第1実施形態と同様にして基材32表面を仕上げ処理し、この基材32表面に、電気めっき法、CVD法またはPVD法から選ばれる1種以上の方法を用いて、アンダーコート34を形成する。そして、アンダーコート34の表面に第1実施形態と同様にしてアモルファス状膜33を形成する。
上記構成によれば、第1実施形態と同様の効果を奏すると共に、アンダーコート34を介して基材32上にアモルファス状膜33が形成されているので、単に基材32表面に形成するよりもアモルファス状膜33の密着性が増す。したがって、より破壊されたり剥離したりしにくいアモルファス状膜33を有する圧縮機翼及びその製造方法を提供できる。
以下、実施例を示しながら、本発明を具体的に説明する。
(実施例1)
この実施例では、上記第1実施形態と同様の構成で、表面粗さの異なる各炭素鋼基材の表面に、厚さを0.05μmから最大で70μmの範囲に制御したアモルファス状膜(SiOの超微粒子を全体に対して18.2原子%分散含有しているもの)をコーティングした試験片を作成し、JISZ2371規定の塩水噴霧試験方法を連続96時間実施して、各試験片の外観を目視観察して赤錆の発生状況を調査した。なお、炭素鋼基材の寸法は幅25mm×長さ60mm×厚さ1.0μmである。また、該炭素鋼基材の表面粗さは、Ra 1μm〜10μmのものについては砥粒の大きさを変えたエメリー紙による研磨によって調製し、Ra 0.3μm以下の表面粗さのものについては、#1000エメリー紙による研磨後電解研磨によって仕上げた。またRa 10μm以上の表面粗さの炭素鋼基材については、Al粒子を用いたブラスト処理によって調製した。下記表1は以上の内容及び試験結果を要約したものである。
表1の結果から明らかなように、SiOの超微粒子を分散含有しているアモルファス状膜の厚さが0.90μm以下では、炭素鋼基材の表面粗さを鏡面状態(0.01μm以下)に仕上げても赤錆の発生が多く、耐食性に乏しいことが確認された。しかし、該アモルファス状膜の厚さを1.0μm以上にすると耐食性は向上し、厚さを60〜70μmにすると炭素鋼基材の表面粗さがRa 10〜15μmに達しても、優れた耐食性を発揮した。これらの結果から、本発明に係るアモルファス状膜の耐食性はその膜厚及び基材表面粗さに大きな影響を受けることがわかった。
(実施例2)
実施例1と同じ試験片をそれぞれ用いて、中央部を90°に曲げたあとJISZ2371規定の塩水噴霧試験方法によって連続96時間の試験をおこなった。試験後の各試験片の外観、特に曲げ部における赤錆の発生の有無について調査した。下記表2は以上の内容及び試験結果を要約したものである。
表2の結果から明らかなように、炭素鋼基材表面のRaを0.3μm以下、アモルファス状膜の厚さを1μm(No.3)から50μm(No.6)のもので曲げ加工を行ったが、赤錆の発生は認められなかった。すなわち、この条件を満足する、SiOの超微粒子を分散含有しているアモルファス状膜であれば、曲げ加工を行っても試験片表面にひび割れなどの欠陥が発生せず優れた耐食性を維持していることが確認された。一方、該アモルファス状膜が60〜70μm(No.7)の厚さでは炭素鋼基材の表面粗さが0.1μm未満であっても曲げ加工によってアモルファス状膜にひび割れが発生し、この欠陥部を通して浸入した塩水によって試験片が腐食されつつある状況が観察された。
以上の実施例1及び2の結果から、軸流圧縮機のように運転中に大きな曲げモーメントが付加される部材に対しては、炭素鋼基材のRaが0.5μm以下、Rzが0.8μm以下となるように仕上げれば、SiOの超微粒子を分散含有しているアモルファス状膜の厚さが1μmでも優れた耐食性を発揮することが判明するとともに、該アモルファス状膜の厚さが25〜50μmになると、炭素鋼基材の表面粗さを特に規定しなくても十分な耐食性を保持することが確認された。
(実施例3)
この実施例では、第2実施形態と同様の構成で、基材として、実施例1で使用した炭素鋼基材と同一寸法のSS400鋼板(Ra=0.12μm、Rz=0.88μm)を用い、その片面に対して高周波プラズマCVD法により各種の元素を注入した後、その表面に形成したSiOの超微粒子を分散含有しているアモルファス状膜を15μmの棒鋼を支点にして90°に曲げた状態でアモルファス状膜の表面を拡大鏡で観察記録した。その後、さらにこの試験片を180°に曲げ同じ位置を拡大鏡で観察記録し、SS400鋼板の表面部への注入層形成によるアモルファス状膜の密着性向上の有無を調査した。なお、この実施例の注入層に注入された元素は、C、Cと化学的親和力の高いN、Ti、Nb、Ta、Cr、Al、Si、の9種類で注入濃度は1×1012〜1×1014イオン濃度である。なお、比較例としてCとの化学的親和力の小さいCu、Ni、Snを同濃度の注入処理を施した。また、それぞれの注入層の上に形成したアモルファス状膜中のSiO超微粒子の含有量は13原子%、水素量は12原子%、残りは炭素の主要組織を有するものである。下記表3は以上の内容及び試験結果を要約したものである。
表3の結果から明らかなように、比較例のCu、Ni、Sn(No.9、10、11)を注入した試験片では90°曲げただけでも完全にはく離したが、CおよびCと化学的親和力の強い金属イオンを注入して注入層を形成した試験片(No.1〜8)では、180°曲げてもアモルファス状膜にはく離が認められなかった。したがって、SS400鋼板基材の表面部に注入層を形成することによって、SS400鋼板基材へのアモルファス状膜の密着力が大きく向上するという効果が認められた。
(実施例4)
この実施例では、炭素鋼、SUS410鋼(寸法:幅50mm×長さ100mm×厚さ3.2mm)の試験片の表面に、SiOの超微粒子を30原子%の割合で分散含有しているアモルファス状膜を15μmの厚さで形成した後、このアモルファス状膜表面に対し、高さ100mmの距離から60メッシュのAl粉末を含む0.5MPaの空気を30°の角度で吹き付けアモルファス状膜の耐エロージョン性を調査した。図6は、本実施例に用いたエロージョン装置の概略構成図である。このエロージョン装置の使用方法は以下の通りである。試験片49を試験片ホルダー41に固定した後、この直上に設置したノズル42から60メッシュのAl粉末を含む5kg・cm−2気圧の圧縮空気を試験片の表面にAl種として500gを吹き付け、試験後のアモルファス状膜表面を目視(拡大鏡観察を含む)およびエロージョン部の触針式表面粗さ計によってエロージョンによる表面形態の変化を測定することによって侵食深さを推定した。なお図6における43は空気式の圧縮機、44は水分除去機、45は圧力調整機、46は空気流量調製機、47はAl粉末の供給用ホッパー、48はAl粉末を搬送するための空気孔である。この実施例では比較用の試験片として、無処理のSS400、SUS410とともに硬度の高いアモルファス状膜を用いた。下記表4は以上の内容及び試験結果を要約したものである。
表4の結果から明らかなように、比較例の無処理(No.1)とSUS410鋼(No.2)は目視で判別可能なほど摩耗痕が認められた。一方、SiOの超微粒子を分散含有しているアモルファス状膜でも硬度が高いもの(No.3、4、7、8)ではAl粉末の衝撃エネルギーによって、皮膜が破壊され、基材が露出するとともに基材にもエロージョンの発生が認められた。これに対し、本発明に係るアモルファス状の皮膜(No.5、6)はいずれも皮膜は残存するとともに、表面粗さ計によるエロージョン深さは2μm以下を示し、優れた耐エロージョン性を示した。以上の結果から、硬質のアモルファス状膜は成膜時に高い残留応力を有しているため、衝撃が連続して付加される環境では破壊されやすいことが判明した。
(実施例5)
この実施例では、上記第3実施形態と同構成で、基材として、SS400鋼(寸法:幅10mm×長さ50mm×厚さ1.5mm)の試験片を用い、その表面に電気めっき法、CVD法およびPVD法によって各種の金属の薄膜をアンダーコートとして施工した後、その表面に本発明にかかるSiOの超微粒子を分散含有しているアモルファス状膜を15μm厚で形成した後、この試験片を実施例3と同じように180°の曲げ試験を行って、該アモルファス状膜の密着性について拡大鏡を使って調査した。アンダーコートの形成法及び金属薄膜の種類は下記の通りである。
電気めっき法 :Cr、Cu−Ni
CVD法 :Cr、Al、Si
PVD法 :Ti、W、Nb、Ta、Cr、Al
下記表5は以上の内容及び試験結果を要約したものである。
この結果から明らかなように、Ti、W、Cr、Al、Siのように炭素との化学的親和力の強い金属薄膜をアンダーコートとして形成した試験片では、電気めっき法、CVD法、PVD法のいずれの方法で施工しても、SiOの超微粒子を分散含有しているアモルファス状膜ははく離せず、優れた密着力をしめした。これに対して、比較例の電気めっき法で形成したCu(No.8)、およびNi(No.9)はアモルファス状膜との密着性が弱く、完全にはく離した。
(実施例6)
この実施例では2種類の酸化物粒子を含むアモルファス状膜の耐熱衝撃性とその試験後の試験片を用いて塩水噴霧試験を行い熱衝撃後の耐食性を調査した。
(1)供試基材と供試膜
供試基材として実施例4と同じSUS410を用い、この試験片の全面に下記表6に記載した2種類の酸化物粒子を含むアモルファス状膜(12μm)を形成した試験片(表6のNo.1〜6のもの)を準備した。
(2)試験方法と条件
350℃×15分加熱の後、20℃水道水で冷却するという工程を5回繰り返す熱衝撃試験を実施した試験片を外観観察したのち、同じ試験片をJISZ2371規定の塩水噴霧試験を96時間実施し、その耐食性を比較した。
(3)試験結果
試験結果を表6に示した。この結果から金属酸化物又は半金属酸化物の超微粒子を含まないアモルファス状膜(No.1)は熱衝撃試験によって膜の一部が割れているため、塩水噴霧試験によって多量の赤さびを発生した。しかし、金属酸化物又は半金属酸化物の超微粒子を含むアモルファス状膜(No.2〜6)は、熱衝撃試験後も優れた耐食性を維持していることが確認された。したがって、上記特許文献12のものより優れた耐食性を有していることがわかった。
(実施例7)
この実施例では、下記表7に示した試験片における金属酸化物又は半金属酸化物の超微粒子を含むアモルファス状膜の耐熱衝撃性を調査した後、耐熱試験後の試験片について、JISZ2371規定の塩水噴霧試験を実施し、アモルファス状膜の耐食性も調べた。
(1)供試基材と供試膜
供試基材としてSUS410(寸法:幅25mm×長さ50mm×厚さ1.5mm)を用い、この全表面に表7の金属酸化物又は半金属酸化物の超微粒子を分散含有しているアモルファス皮膜を8μmの厚さで形成し、各試験片(表7のNo.1〜26のもの)を作製した。ここで、No.1の試験片におけるアモルファス状膜中の炭素含有量は84原子%、水素含有量は16原子%である。No.2〜26の試験片においては、水素含有量が17原子%、超微粒子の含有量が下記表7の通りであり、残りが炭素の含有量となっている。
(2)試験方法と条件
熱衝撃試験は、電気を用いて各試験片を下記(a)、(b)の条件で行った。塩水噴霧試験については、下記(c)の条件で行った。
(a)「200℃×15分加熱→20℃水中投入」を5回繰り返し
(b)「350℃×15分加熱→20℃水中投入」を5回繰り返し
(c)(b)の熱衝撃試験後の試験片について、JISZ2371規定の塩水噴霧試験を48時間行った。
(3)試験結果
試験結果を表7に示した。この結果から明らかなように、比較例の酸化物粒子を含まないアモルファス状膜(No.1)は200℃−20℃間の熱衝撃試験には耐えるが、350℃−20℃間の熱衝撃試験ではアモルファス状膜に割れが発生した。これに対して金属酸化物又は半金属酸化物の超微粒子(全体に対して3〜35%のいずれかの割合)を含むアモルファス状膜(No.3〜5、8〜10、13〜15、18〜20、23〜25)には、200℃−20℃間及び350℃−20℃間の両条件の熱衝撃試験に耐え、優れた耐熱衝撃性を示した。この原因は比較例のアモルファス状膜が成膜時に大きい残留応力を有するのに対して、金属酸化物又は半金属酸化物の超微粒子を分散含有しているアモルファス状膜は残留応力が比較的低いうえに、共存するSiO,Y,Al,MgO,Crがそれぞれ耐酸化物であるので、耐酸化性を十分に発揮したためと考えられる。これに対して、金属酸化物又は半金属酸化物の超微粒子の含有量が3原子%未満のアモルファス状膜(No.2、7、12、17、22)は、200℃−20℃間の熱衝撃試験には耐えるが、350℃−20℃間の熱衝撃試験ではアモルファス状膜に微細な割れが発生し、熱衝撃性が十分でなかった。一方、金属酸化物又は半金属酸化物の超微粒子を、35原子%を超えて含むアモルファス状膜(No.6、11、16、21、26)も、200℃−20℃間の熱衝撃試験には耐えるものの、350℃−20℃間の熱衝撃試験ではアモルファス状膜に比較的大きな割れが発生した。また、350℃−20℃間の熱衝撃試験後の試験片について行った塩水噴霧試験の結果、アモルファス状膜に割れが発生したものについては、すべて赤錆が発生し、耐食性が劣化していることが認められた。これらの結果から、本発明は、従来の圧縮機翼と同等以上の耐熱性及び防食効果を有するものであることがわかった。
(実施例8)
ここで、実際に作製した圧縮機翼表面部の断面を撮影した電子顕微鏡写真を図7に示す。具体的に説明すると、図7の写真は、SUS410基材の表面に中間層として絶縁性を有する炭素と水素とを主成分とするアモルファス状膜(金属酸化物又は半金属酸化物の超微粒子は含有していない)を形成したのち、その上に超微粒子のSiOをアモルファス状膜中に共析(分散含有)させた層を形成してなる圧縮機翼表面部の断面を示したものである。なお、本実施例のアモルファス状膜の炭素含有量は62原子%、水素含有量は18原子%、SiO超微粒子の含有量は20原子%である。
図7の写真から、中間層である通常のアモルファス状膜とSiOの微粒子を含む酸化粒子含有のアモルファス状間膜の接合部分は、ほとんど確認できないほどよく密着していることがわかる。また、SiO粒子の大きさは、高倍率の電子顕微鏡で観察しても明らかではないほど微細(文献値として直径3.57×10−10m)であり、これらの粒子が無数に層状に集合して耐食性を発揮している状況が分かる。
なお、本発明は、特許請求の範囲を逸脱しない範囲で設計変更できるものであり、上記実施形態や実施例に限定されるものではない。例えば、本発明のアモルファス状膜は、親油性(疎水性)に属するが、酸化処理工程後にプラズマCVD法によってアモルファス状の膜の表面にOH基を注入したり、Siを混在させたりすると親水性になるので、目的によって変化させることができる。また、本発明は、上記実施形態や実施例において示された圧縮機翼を軸流圧縮機などに用いた火力発電用ガスタービンを提供できる。この火力発電用ガスタービンであれば、吸入空気中に含まれている水分、海塩粒子、SO、NO及び油煙などに起因する腐食、エロージョン損傷をはじめ異物の付着に伴う性能低下を抑制することができる。この結果、火力発電用ガスタービンの圧縮機翼の保守点検およびその補修工程が軽減短縮されるほか、火力発電用ガスタービン全体の発電効率の低下を抑制して化石燃料の消費を節減する一方、単位発電量あたりのCO発生量を少なくし、地球温暖化対策としても貢献することが期待できる。
本発明の技術は、ジェットエンジンの圧縮機翼又は最先端に取り付けられているファンブレードをはじめ、石油・石炭などの燃焼ガス、化石燃料を原料とする炭化水素系の分解ガスなどを搬送したり、排気したりするための送風機及び排気ファンなどの翼表面、並びに、その付属部材にも適用できるとともに、水蒸気タービンの低段翼についても利用することができる。さらに地熱タービン翼などへの耐食性の付与および、付着物の堆積防止策としても使用することができる。その他、微量の腐食性ガスを含む排気用の真空系のポンプインペラー及びその付属部材にも適用可能である。
本発明の第1実施形態に係る圧縮機翼を示す断面図である。 図1の圧縮機翼の表面付近の一部拡大断面図である。 図1の圧縮機翼の製造工程において使用する装置の概略構成図である。 本発明の第2実施形態に係る圧縮機翼の表面付近の一部拡大断面図である。 本発明の第3実施形態に係る圧縮機翼の表面付近の一部拡大断面図である。 実施例4の試験に用いたエロージョン装置の概略構成図である。 実施例8に係る圧縮機翼表面部の断面を撮影した電子顕微鏡写真である。
符号の説明
1 圧縮機翼
2 反応容器
3 導体
4 高電圧パルス発生源
5 プラズマ発生用電源
6 重乗装置
7a、7b バルブ
8 アース線
9 導入端子
12、22、32 基材
11、21、31 (圧縮機翼の表面付近の)一部拡大部分
13、23、33 アモルファス状膜
41 試験片ホルダー
42 ノズル
43 圧縮機
44 水分除去機
45 圧力調整機
46 空気流量調製機
47 供給用ホッパー
48 空気孔
49 試験片

Claims (15)

  1. 基材の表面に、直接または下塗り膜を介して、炭素と水素とを主成分とし、金属酸化物又は半金属酸化物の超微粒子を分散含有しているアモルファス状膜を被覆したことを特徴とする圧縮機翼。
  2. 前記アモルファス状膜の厚さが1μm〜50μmの範囲にあることを特徴とする請求項1に記載の圧縮機翼。
  3. 前記アモルファス状膜の硬さがHV800〜2200の範囲にあることを特徴とする請求項1又は2に記載の圧縮機翼。
  4. 前記アモルファス状膜の表面の算術平均粗さRaが0.5μm以下、且つ、十点平均粗さRzが2.0μm以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の圧縮機翼。
  5. 前記アモルファス状膜における炭素原子の割合が85原子%〜69原子%、水素原子の割合が15原子%〜31原子%の範囲で組成されているものであるとともに、前記アモルファス状膜に対する該炭素原子及び該水素原子の組成割合が100原子%未満であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の圧縮機翼。
  6. 前記超微粒子が、Si、Al、Y、Mg、Crから選ばれる一種類以上のものの酸化物であり、
    前記アモルファス状膜における前記超微粒子の割合が、3原子%〜35原子%であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の圧縮機翼。
  7. 前記超微粒子の粒子径が、5Å(5×10−10m)未満であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の圧縮機翼。
  8. 前記基材が、Ti、Alの単体およびその合金、炭素を含み、クロムを必須成分とする構造用鋼、並びにNiとCrとを必須成分とするステンレス鋼およびNi基合金のうちから選ばれる1種の金属材料であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の圧縮機翼。
  9. 前記下塗り膜が、Ti、W、Nb、Ta、Cr、Al、Siの単体またはそれらの合金から選ばれる1種以上の膜厚0.1〜3μmの膜であることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の圧縮機翼。
  10. C、Ti、W、Nb、Ta、Cr、Al、Siから選ばれる1種以上の元素を、前記基材の表面部に注入することによって形成された注入層をさらに有することを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の圧縮翼部材。
  11. 前記基材の表面の算術平均粗さRaが0.5μm以下、十点平均粗さRzが2.0μmであることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の圧縮機翼。
  12. 基材の表面の算術平均粗さRaが0.5μm以下、十点平均粗さRzが2.0μm以下となるように加工する基材表面加工工程と、
    前記基材上に、炭素と水素とを主成分とし、Si、Al、Y、Mg、Crから選ばれる一種類以上のものの酸化物からなる超微粒子を分散含有しているアモルファス状膜を被覆形成するアモルファス状膜被覆工程とを有することを特徴とする圧縮機翼の製造方法。
  13. 加工された前記基材の表面部に、C、Ti、W、Nb、Ta、Cr、Al、Siから選ばれる元素の注入層を形成する工程を、前記基材表面加工工程と前記アモルファス状膜被覆工程との間に有することを特徴とする請求項12記載の圧縮機翼の製造方法。
  14. 基材の表面の算術平均粗さRaが0.5μm以下、十点平均粗さRzが2.0μm以下となるように加工する基材表面加工工程と、
    加工された前記基材の表面上に、Ti、W、Nb、Ta、Cr、Al、Siから選ばれる単体またはそれらの合金からなる下塗り膜を被覆形成する下塗り膜被覆工程と、
    前記下塗り膜の表面上に、炭素と水素とを主成分とし、Si、Al、Y、Mg、Crから選ばれる一種類以上のものの酸化物からなる超微粒子を分散含有しているアモルファス状膜を被覆形成するアモルファス状膜被覆工程とを有することを特徴とする圧縮機翼の製造方法。
  15. 請求項1〜11のいずれか1項に記載の圧縮機翼を備えた圧縮機を有していることを特徴とする火力発電用ガスタービン。
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