JP2009138235A - パルススパッタ装置およびパルススパッタ方法 - Google Patents

パルススパッタ装置およびパルススパッタ方法 Download PDF

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Abstract

【課題】イオン化したスパッタ粒子を負電位にバイアスした基材に堆積させ成膜するに際し、基材あるいはその周辺部材にアーク放電が発生した場合でも成膜品質を劣化させることなく成膜することができるパルススパッタ装置および方法を提供する。
【解決手段】 真空チャンバ1内にカソードを構成するターゲット2とバイアス電源5から電圧が印加されて負の電位にバイアスされた基材Wを設ける。前記ターゲット2にスパッタ電源3からパルス状のスパッタ電力を供給し、真空チャンバ1内に供給されたスパッタガスのプラズマを形成し、前記スパッタガスのイオンを前記ターゲット2に衝突させてスパッタ粒子を放出させ、このスパッタ粒子をイオン化して前記基材に堆積させる。この際、前記基材およびその周辺にアーク放電が発生したときにバイアス電圧あるいはバイアス電流の時間的変化を基にこれを検出してスパッタ電力及びバイアス電力の供給を停止する。
【選択図】図1

Description

本発明は、ターゲットの表面から蒸発させたスパッタ粒子を基材に堆積させるスパッタ装置および方法であって、特に直流パルス電源からスパッタ電力を供給し、スパッタ粒子をイオン化させ、このイオン化したスパッタ粒子を負電位にバイアスした基材に堆積させ、成膜するものに関する。
半導体、FPD、光学薄膜などにおいて使用される成膜プロセスとして種々のスパッタ法が利用されている。スパッタ法は、真空チャンバに供給したAr、He、Xeなどのスパッタガスをプラズマ雰囲気中でイオン化し、そのイオンを成膜材料(ターゲット材)で形成されたターゲットに衝突させ、ターゲットからスパッタ粒子(主にターゲット材の原子)を放出させ、放出したスパッタ粒子を基材の表面に堆積させて薄膜を形成する方法である。スパッタ法において、カソードを構成するターゲットに供給するスパッタ電力として、パルス状のスパッタ電力を用いるものをパルススパッタという。
近年、パルス化した大電力をターゲットに投入することによりスパッタ粒子を高イオン化するパルススパッタが実用化されてきている。このようなパルス化した大電力を用いてスパッタリングを行うパルススパッタ法は、ハイパワーパルススパッタやHIPIMSと呼ばれている。ターゲットにパルス化した大電力を投入することにより、ターゲットから放出したスパッタ粒子を高率でイオン化することができるため、イオン化が寄与する成膜プロセスに効力を発揮する。例えば、表面摩擦の小さなトライボ膜などの緻密性や結晶性に優れた薄膜の成膜、トレンチ(溝)構造や凹面への回り込みのよい成膜に好適に用いられ、また成膜前の基板前処理用のメタルボンバードイオン源としても好適である。
このようなハイパワーパルススパッタ法や装置として、例えば、特表2004−501279号公報(特許文献1)には、マグネトロン型のターゲットにハイパワーパルススパッタ電源を接続し、ターゲットから飛散したターゲット材の原子をイオン化し、そのイオンをコイルによって形成された磁場を用いて、0〜100Vの負電位にバイアスされた基材に誘引するパルススパッタ方法及び装置が記載されている。また、特開平2004−131839号公報(特許文献2)には、300kW以上のピーク出力を有する直流パルス電圧をターゲットに印加するとともに基材にペデスタルを介して1000W〜10kWのピーク出力を有するパルス電力を印加するパルススパッタ方法及び装置が記載されている。また、スパッタ粒子の生成、イオン化に高周波スパッタ電力を用いるものであるが、基材に負電位のバイアスを与えて、イオン化したスパッタ粒子を基材に効率よく入射させるスパッタ法及び装置が特開2000−256845号公報(特許文献3)に記載されている。
ところで、カソードを構成するターゲット表面において局所的にアーク放電が生じると、パーティクルやスプラッシュが発生するなどの問題が生じ、成膜品質が低下する。このため、ハイパワーパルススパッタ法において、スパッタ電力をパルス化してアーク放電の発生を抑制している。さらに、パルススパッタ法におけるアーク放電を解消する技術として、特開平9−137271号公報(特許文献4)には、ターゲットへ印加した負のパルス電圧がアーク放電発生に特徴的な範囲まで落ちることを検知し、スパッタ電力の供給を停止することが記載されている。また特開2007−186724号公報(特許文献5)には、スパッタ電源として交流電源を用い、一対のターゲットに交流スパッタ電圧を印加し、その極性を交互に切り替えるスパッタ法及び装置において、各ターゲットとグランドレベルとの間の電圧を検出し、検出した電圧がアーク放電の発生を規定する基準値を超えたとき、交流電源からターゲットへの出力を停止することが記載されている。これらのアーク放電を検出する技術は、いずれもスパッタ電源側でアーク放電を検出したときにスパッタ電源自身を停止することにより、カソードに発生したアーク放電を停止、抑制する技術である。
特表2004−501279号公報 特開平2004−131839号公報 特開2000−256845号公報 特開平9−137271号公報 特開2007−186724号公報
上記のようにハイパワーパルススパッタにおいても、ターゲット側でアーク放電の発生を検出し、スパッタ電力の供給を停止すること(スパッタ電源を停止すること)によりアーク放電の発生を防止する手段が講じられている。しかし、ハイパワーパルススパッタでは、ターゲット材を高度にイオン化できることが特徴であるが、瞬時に大量のイオンが形成され、バイアス電圧で引き込まれ、イオン化したスパッタ粒子が負電位にバイアスされた基材あるいは基材を保持する基材ホルダなどの周辺部材を通してアーク放電が発生しやすくなり、一般のスパッタに比べて、基材側でのアーク放電発生の頻度が増大する。基材側でアーク放電が生じても、ターゲット側でアーク放電が生じた場合と同様、成膜品質が低下する。
このような問題に対して、バイアス電源側でアーク放電の発生を検出し、バイアス電源から基材側への電力の供給を停止すること(バイアス電源を停止すること)により、アーク放電を解消させることが考えられるが、以下の(1) 、(2) の問題がある。
(1) バイアス電源のみを停止しても、スパッタ電源が動作したままであると、スパッタによる成膜は継続される。このため、バイアス電圧が印加されていない状態で成膜され、バイアスが不十分な状態で成膜された膜が堆積し、成膜品質が劣化する。
(2) また、基板側のアーク放電を検出することによってバイアス電源を停止したときもスパッタ電源が停止していないので、プラズマやイオンが基板側に供給され続ける。このため、バイアス電圧の印加を再開させて給電を始めたとき、アーク放電が再発するおそれがある。
本発明はかかる問題に鑑みなされてもので、イオン化したスパッタ粒子を負電位にバイアスした基材に堆積させて成膜するに際し、基材あるいはその周辺部材にアーク放電が発生した場合でも成膜品質を劣化させることなく成膜することができるパルススパッタ装置および方法を提供することを目的とする。
本発明のパルススパッタ装置は、真空チャンバと、前記真空チャンバ内に設けたターゲットと、前記ターゲットをカソードとしてパルス状のスパッタ電力を供給するスパッタ電源と、成膜対象である基材を負電位としてバイアス電力を供給するバイアス電源を設け、前記ターゲットにスパッタ電力を供給して真空チャンバ内に供給されたスパッタガスのプラズマを形成し、前記スパッタガスのイオンを前記ターゲットに衝突させてスパッタ粒子を放出させ、このスパッタ粒子をイオン化して前記基材に堆積させるパルススパッタ装置であって、前記基材およびその周辺部材にアーク放電が発生したことを検出し、アーク放電を検出したときにアーク放電検出信号を出力するアーク放電検出部を設け、前記アーク放電検出部から出力されたアーク放電検出信号に基づいて、スパッタ電力の供給を停止するスパッタ電源制御部を前記スパッタ電源に設けると共にバイアス電力の供給を停止するバイアス電源制御部を前記バイアス電源に設けた。
このパルススパッタ装置によると、負電位にバイアスされた基材及びその周辺部材にアーク放電が発生した際に、これを検出してバイアス電源およびスパッタ電源からの電力の供給を停止するので、発生したアーク放電を速やかに消失させることができ、またバイアス電圧がかからない状態で基材が成膜されることを回避することができ、さらにイオン化されたスパッタ粒子やプラズマの密度が低下ないし無くなるため、短時間でバイアス電力の供給を再開してもアーク放電の再発生を有効に防止することができる。
上記パルススパッタ装置において、前記アーク放電検出部は、バイアス電圧あるいはバイアス電流の時間的変化からアーク放電の発生を容易に検出することができる。また、前記スパッタ電源制御部およびバイアス電源制御部は、それぞれ前記アーク放電検出信号を受信してから1ms〜1000msの停止時間が経過した後にスパッタ電力およびバイアス電力の供給を再開するようにすることができる。前記停止時間を取ることにより、電力再開時におけるアーク放電の発生を防止することができる。
また、スパッタ電源制御部によるスパッタ電力の再開については、停止時間が経過した後、まずバイアス電力の供給を再開し、次いでバイアス電力の供給が再開された後、アーク放電検出信号を受信しないときにスパッタ電力の供給を再開するようにすることができる。これにより、電源復帰時におけるアーク放電の発生を確実に防止することができる。
また、前記バイアス電源制御部は、直流電源からの出力電圧をパルス化するスイッチング素子を有し、パルス化したバイアス電圧を前記スパッタ電源から出力されるパルス状のスパッタ電圧に同期させて前記基材に印加するようにすることができる。このようにバイアスに給電する時間を短く断続することにより、アーク放電の発生を事前に予防することができる。
バイアス電源制御部における直流電源からの出力電圧のパルス化に際しては、直流電源によって充電されるコンデンサを設け、前記コンデンサに充電された電荷によって生じた電圧を前記スイッチング素子によってパルス化し、これを基材に印加することが好ましい。このようなコンデンサを設けることにより、パルス電圧が印加される瞬時的な期間において、コンデンサに蓄えられた電荷の放電電流をバイアス電流として利用することができる。このため、比較的大きい電流供給能力を有しながら、直流電源の容量を小さく抑えることができ、経済的なバイアス電源を提供することができる。
また、本発明の方法は、真空チャンバ内にカソードを構成するターゲットと負の電位にバイアスされた基材を設け、前記ターゲットにパルス状のスパッタ電力を供給して真空チャンバ内に供給されたスパッタガスのプラズマを形成し、前記スパッタガスのイオンを前記ターゲットに衝突させてスパッタ粒子を放出させ、このスパッタ粒子をイオン化して前記基材に堆積させるパルススパッタ方法であって、前記基材およびその周辺にアーク放電が発生したときにこれを検出してスパッタ電力及びバイアス電力の供給を両方とも停止する。
アーク放電は、パイアス電圧あるいはバイアス電流の時間的変化からその発生を容易に検出することができる。また、スパッタ電力及びバイアス電力の供給を停止してから1ms〜1000msの停止時間が経過した後、スパッタ電力及びバイアス電力の供給を再開するようにすることができる。アーク放電の再発を確実に防止するには、停止時間が経過した後、まずバイアス電力の供給を再開し、その後アーク放電が検出されないときにスパッタ電力の供給を再開するようにするのがよい。
また、バイアス電圧の印加については、直流電源からの出力電圧をスイッチング素子によりパルス化し、パルス化したバイアス電圧をパルス状のスパッタ電圧に同期させて基材に印加するようにすることが好ましい。バイアス電圧をパルス化することにより、アーク放電の成長を抑制することができ、アーク放電の発生を未然に防止することができる。
本発明のパルススパッタ装置及び方法によれば、負電位にバイアスされた基材及びその周辺部材に発生したアーク放電を検出し、これによってバイアス電源およびスパッタ電源からの電力の供給を停止するので、発生したアーク放電を速やかに消失させることができ、またバイアス電圧がかからない状態で基材が成膜されることを回避することができ、さらにイオン化されたスパッタ粒子やプラズマの密度が低下ないし無くなるため、短時間でバイアス電力の供給を再開してもアーク放電の再発生を有効に防止することができる。これらにより、基材あるいはその周辺部材にアーク放電が発生した場合でも成膜品質を劣化させることなく成膜することができる。
以下、本発明に係るパルススパッタ装置の実施形態を図を参照して説明する。
図1は第1実施形態に係るパルススパッタ装置を示しており、真空チャンバ1と、該真空チャンバ1内に設けられたターゲット2と、前記ターゲット2にパルス状のパッタ電力を供給するスパッタ電源3と、前記真空チャンバ1内に設けられた基材ホルダ4と、前記基材ホルダ4に保持される基材(成膜対象)Wに負電位のバイアス電圧を印加するバイアス電源5と、基材Wあるいは基材ホルダ4などの周辺部材にアーク放電が発生したときにこれを検出するアーク放電検出部6を備える。
前記真空チャンバ1には、該真空チャンバ1内を所定のガス圧に維持するための減圧装置とスパッタガス供給装置とが接続されているが、いずれも周知な機構であるため図示省略されている。スパッタリングの際には、前記真空チャンバ1に、Arガス、Heガスなどのスパッタガス(放電ガス)を通常0.01〜10Pa程度導入する。また、前記ターゲット2の材料としては、Ti、Cu、Al、Zn、Cr、Ag、Feなどの金属材の他、C、Si、ITOなども利用することができる。
前記スパッタ電源5は、直流電源31と、該直流電源31からの直流出力をスイッチング素子の開閉によりパルス化するパルス発生回路32と、前記スイッチング素子の開閉タイミングを制御することによりパルスの周期、パルス幅を制御し、また前記スイッチング素子の開閉によりスパッタ電力の供給、停止を行うパルス制御回路33を備える。前記パルス制御回路33には、スパッタ電力の停止時間を調整するためのタイマーが設けられる。前記パルス発生回路32の陰極側出力端がターゲット2に接続され、その陽極側出力端が導電材で形成された真空チャンバ1に接続される。すなわち、前記ターゲット2はカソードを構成し、前記真空チャンバ1はアノードを構成する。また、スパッタ電源5は、スパッタ粒子がイオン化するように、投入電力をターゲット2の表面積(スパッタ面積)で除した面積電力密度は0.3kW/cm2 以上になるようにスパッタ電力を供給する。なお、前記パルス発生回路32およびパルス制御回路33は、スパッタ電源制御部に相当する。
前記パルス発生回路32から出力される電圧パルスの最大電圧Vmは、一般的に600〜1700V程度の範囲に設定される。600V未満ではスパッタ粒子のイオン化が困難になり、一方1700Vを超えると、スイッチング素子の耐圧が問題となり、またターゲット側でアーク放電が発生し易くなる。前記パルス発生回路32に設けられるスイッチング素子は、MOS−FETやトランジスタでもよいが、高電圧大電流をスイッチングするに適したIGBTが好ましい。電圧パルスの最大電圧は、できるだけ高いほうが電流の立ち上がりが速くなり、大きな電力を短い時間で供給できるようになるため望ましいが、IGBTなどのスイッチング素子の耐電圧の関係で1700V程度が実用的な上限となる。
スパッタ電圧パルスの周波数、パルス幅は、通常、数kWまでの平均電力になるように設定されるが、パルス幅は数μ秒〜百μ秒程度に設定される。導電性の優れないターゲットでは、数百μ秒程度の電圧印加時間でアーク放電が顕著に生じる傾向があるので、アーク放電の発生頻度が少ない数μ〜百μ秒の間でパルス幅を可変できるようにしておくことが好ましい。パルス幅は短いほどアーク放電の発生を抑制することができるが、使用するIGBTなどのスイッチング素子のスイッチング速度やターゲット材のイオン化に要する時間などを考慮して設定される。もっとも、ターゲットやプロセス条件によっては、パルス幅を数百μ秒以上に設定してもアーキングが発生しないこともあるので、パルス幅を数百μ秒以上に設定できるようにすることがより好ましい。また、前記パルス発生回路32のスイッチング素子を開閉することで、スパッタ電力の供給、停止(スパッタ電源の停止、復帰)が行われる。
前記基材ホルダ4としては、基材が平板状や曲面状の場合、通常、載置面が平板や曲面のテーブルが用いられる。前記テーブルは、自転させてもよく、また遊星機構を用いて自転させながら公転させるようにしてもよい。また、基材がシート状の場合、基材ホルダとしては基材をロール状に巻き取る巻取ロールのような形態としてもよい。前記基板ホルダ4は、バイアス電源5を接続してバイアス電圧を基材Wに与えることができるように、真空チャンバ1から電気的に絶縁される。なお、基材Wが導電性の場合、基材に直接、バイアス電圧を印加するようにしてもよいが、一般的には、基板ホルダ4に基材Wを保持し、基材ホルダWを介してバイアス電圧を印加する。
前記バイアス電源5は、直流電源51と、該直流電源51の直流出力を開閉するスイッチング素子を有するスイッチング回路52と、前記スイッチング素子を制御するスイッチング制御回路53を備える。前記スイッチング制御回路53には、バイアス電力の停止時間を調整するためのタイマーが設けられる。前記直流電源51の陰極側出力端がスイッチング素子52、前記基材ホルダ4を介して基材Wに接続され、その陽極側出力端が真空チャンバ1に接続され、接地される。前記スイッチング回路52のスイッチング素子を開閉することで、バイアス電力の供給、停止(バイアス電源の停止、復帰)が行われる。なお、スイッチング回路52およびスイッチング制御回路53は、バイアス電源制御部に相当する。
バイアス電源5によるバイアス電力の供給、停止に対しても、スパッタ電源3と同様、半導体スイッチング素子によるバイアス電流線路の開閉が遮断速度、信頼性の点で好ましい。特に高電圧大電流を開閉する場合はIGBTが好適である。IGBTを用いることで、高速かつ信頼性よくバイアス電流を遮断することができる。
前記バイアス電源5は、基材に0〜−200V程度のポテンシャルを与えられるものが好ましい。ハイパワーパルススパッタの用途では、一般のスパッタに比べて、大きな電流容量を必要とする。ハイパワーパルススパッタによって発生した高密度のプラズマ中のイオンが、瞬時に負電位にバイアスされた基材Wや基材ホルダ4に流入するのを許容することができる容量が必要となる。このため、バイアス電源5の直流電源51は、ターゲットの大きさやイオン化率などプロセスパラメータにもよるが、数十A〜数100A程度の瞬時電流を供給できるものが好ましい。
前記アーク放電検出部6は、グランドと基材ホルダ4との間のバイアス電圧を測定し、測定した電圧に基づいて所定経過時間におけるバイアス電圧の低下量を検出し、その電圧低下量とアーク放電が発生したものと認められる所定の基準値とを比較回路61にて比較し、電圧低下量が基準値よりも大きいときにアーク放電が発生したものと判断し、単一パルス状のアーク放電検出信号を出力する。真空チャンバ1などのグランド電位の部材と負電位にバイアスされた基材Wあるいは基材ホルダ4などの周辺部材との間でアーク放電が発生すると、バイアス電圧が低下するので、上記のようにバイアス電圧の時間的な低下量を検出することにより、アーク放電の発生を検出することができる。前記アーク放電検出信号のパルス幅は、後述する停止時間Tより短い時間とすればよい。バイアス電圧が高い場合、図3に示すように、グランドと基材ホルダ4との間に抵抗R1、R2を直列に接続してバイアス電圧を分圧し、分圧した電圧を測定し、この電圧を用いて、アーク放電の発生を検出するようにしてもよい。
前記アーク放電検出信号は、前記スパッタ電源3のパルス制御回路33および前記バイアス電源5のスイッチング制御回路53に入力され、この信号によりスイッチング素子を制御してスパッタ電力およびバイアス電力の供給を停止する。前記パルス制御回路33および前記スイッチング制御回路53は、アーク放電検出信号を受信後、所定の停止時間Tを経過した後、スパッタ電源3およびバイアス電源5を復帰させ、スパッタ電力およびバイアス電力の供給を再開する。
前記スパッタ電源3、バイアス電源5の停止時間Tは、通常、1ms〜1000ms程度に設定すればよい。停止時間が1ms程度未満では、アーク放電によって形成されたイオンや電子が消滅し難いため、停止時間後にバイアス電源を復帰した際にアーク放電を再発するおそれがある。一方、1000ms程度を越えると、成膜が休止している時間が必要以上に長くなり、成膜効率が低下する。停止時間を厳格に設定する必要はないので、実用上はアーク放電が再発しないように停止時間を長め設定すればよく、一般的には10msから200ms程度に設定される。なお、停止時間は、前記範囲内のある時間に固定して設定してもよいが、種々のプロセスにより停止時間を調整することできるように、調整可能にすることが望ましい。
図2は、前記第1実施形態に係るパルススパッタ装置を用いたスパッタリングにおいて、基材Wあるいは基材ホルダ4などにアーク放電が発生した際のスパッタ電圧、バイアス電圧の波形を示している。スパッタ電源3およびバイアス電源5は、アーク放電検出部6から出力されたアーク放電検出信号を受け、速やかにバイアス電力、スパッタ電力の供給を停止する。この制御によって、スパッタプラズマを停止せしめ、速やかにアークを解消する。そして、停止時間Tが経過した後、スパッタ電源3、バイアス電源5を復帰させる。
第1実施形態に係るパルススパッタ装置によれば、アーク放電を検出したとき、バイアス電源5およびスパッタ電源3が停止するので、基材Wにバイアスがかかっておらず、バイアスが不十分な状態でイオン化されたスパッタ粒子が基材に堆積するのを防止することができる。また、バイアス電力の供給が停止されているとき、ターゲット2から基材Wへのイオンやプラズマの供給が停止されるため、基材Wおよびその周辺のイオンやプラズマの密度を弱め、あるいはこれらを解消することができ、バイアス電源5を復帰したとき、アーク放電の再発を未然に防ぐことができる。
次に、本発明の第2実施形態に係るパルススパッタ装置を図3を参照して説明する。第2実施形態は、第1実施形態と比較して、バイアス電圧として直流パルス電圧を用いる点が異なっているので、これに関係するバイアス電源を中心に説明することとし、他の部材については、第1実施形態と同部材は同符号を付し、その説明は省略する。
第2実施形態に係るパルススパッタ装置では、バイアス電源5Aは、直流電源51と、該直流電源51からの直流出力をスイッチング素子の開閉により電圧パルスを発生させるパルス発生部54と、前記スイッチング素子の開閉タイミングを制御してパルス発生部54から出力される電圧パルスの周期、パルス幅およびスパッタ電源3から出力される電圧パルスに対する位相差(進み、遅れ)を制御し、さらに前記スイッチング素子の開閉によりバイアス電力の供給、停止を行うパルス制御回路55を備える。なお、前記パルス発生回路54およびパルス制御回路55は、バイアス電源制御部に相当する。第2実施形態のように、バイアス電源をパルス化することで、アーク放電の成長過程の途中でバイアス給電を停止できるので、アーク放電の成長を抑制することができる。
バイアス電源5Aの直流電源51からの出力をパルス化する場合も、半導体スイッチング素子によるバイアス電流線路の開閉が遮断速度、信頼性の点で好ましい。特に高電圧大電流を開閉する場合はIGBTが好適である。IGBTを用いることで、高速かつ信頼性よくバイアス電流を遮断することができる。
バイアス電源5Aから出力される電圧パルスの繰り返し周波数は、スパッタ電源3と同じ周波数とし、またこれに同期させるようにする。もっとも、バイアス電圧パルスの立ち上がりのタイミング、立ち下りのタイミング(あるいはパルス幅)については、パルス制御回路55を設け、図4に示すように、スパッタ電圧パルスに対して位相を遅らせ、また進めることができるようにすることが好ましい。図例では、バイアス電圧パルスに遅れの位相差(Ton、Toff)を与えた場合を示す。
一般的にスパッタ電圧パルスが印加されて発生するプラズマがバイアス電流として検出されるには、スパッタ電圧パルスの印加から遅れ、またスパッタ電圧パルスの立ち下がりから遅れてバイアス電流が減少する。このため、バイアス電圧パルスの立ち上がりや立ち下りのタイミングはスパッタ電圧パルスの立ち上がりや立ち下がりよりも遅らせることが好ましい。もっとも、プロセスによっては、バイアス電圧パルスの位相を進むようにすることが望ましい場合もある。このため、パルス制御回路55は、バイアス電圧パルスの位相を遅らせたり、進めたりできるようにすることが好ましい。バイアス電圧パルスの位相調整のポイントは、少なくともターゲットで発生したイオンが基材に到達する間はバイアス電圧が印加できるようにすることである。
第2実施形態に係るパルススパッタ装置のアーク放電検出部6は、基本的に第1実施形態と同様であるが、第2実施形態ではバイアス電源の出力をパルス化したので、前記バイアス電圧の時間変化量と基準値との比較は、バイアス電圧パルスのパルス幅の期間(アーク放電が発生しない場合の電圧パルスの電圧印加時間)において行われる。図3において示したアーク放電検出部6は、バイアス電圧を抵抗R1およびR2によって分圧し、バイアス電圧に比例する電圧を用いてアーク放電の発生を検出するものである。
第2実施形態においても、図4に示すように、アーク放電検出部6がアーク放電を検出し、スパッタ電源3およびバイアス電源5Aがアーク放電検出信号を受信すると、スパッタ電源3、バイアス電源5Aからの給電を停止する。そして、1ms〜1000ms程度の範囲内で設定した停止時間Tが経過した後、スパッタ電源3、バイアス電源5Aを復帰し、給電を再開させる。
成膜条件が何らかの原因で変動して、スパッタ電源3、バイアス電源5Aの停止時間Tが不適当になり、給電を再開した時にアーク放電が完全に消滅していない場合が生じる。このような状態ではバイアス電圧を印加すると同時にアーク放電が再発する。アーク放電の再発を確実に防止するには、図5に示すように、停止時間Tが経過した後、まずバイアス電源5Aを復帰させて、バイアス電圧の印加を再開すると共にアーク放電の発生の有無を検出し、バイアス電源5Aが復帰した後の最初のバイアス電圧パルスのパルス幅の期間にわたってアーク放電の発生が検出されない場合、すなわち最初のバイアス電圧パルスが立ち上がり、立ち下がるまでアーク放電検出信号の受信がない場合、スパッタ電源3を復帰させ、スパッタ電力を供給するようにするとよい。この場合、最初のバイアス電圧パルスのパルス幅の時間が経過する時(パルスの立ち下がる時)まで、アーク放電検出信号の出力がないときにバイアス電圧正常復帰信号をスパッタ電源3に出力して、これによってスパッタ電源3を復帰させるようにしてもよい。バイアス電源5Aの復帰後、再度、アーク放電が検出された場合は、再び停止時間が経過するまでスパッタ電源3、バイアス電源5を停止する。
このような電源復帰制御を行うことにより、基材Wに安定したバイアス電圧が印加されてからスパッタが開始されるため、確実にバイアス電圧が印加された状態で成膜することができ、バイアス電圧がかかることなく成膜された不良な膜が堆積することを防ぐことができる。なお、このようなスパッタ電源3の復帰方法は、前記第1実施形態のパルススパッタ装置においても適用することができる。第1実施形態では、バイアス電源5から直流電圧を基材に印加するため、バイアス電源5を復帰後、スパッタ電圧パルスのパルス幅程度の時間が経過した後、アーク放電検出信号の出力がないことを確認してスパッタ電源3を復帰させるようにすればよい。
上記第2実施形態では、バイアス電源5Aは直流電源51からの出力をパルス発生回路54のスイッチング素子によってパルス化したが、図6に示すように、直流電源51とパルス発生回路54の間にコンデンサ56を電源51に並列に接続することが好ましい。ハイパワーパルススパッタでは、一般のスパッタに比べて、瞬間的に大きなバイアス電流が流れるが、パルスのデュティ比に応じて、平均電流としては小さな電流で良い場合が多い。そこで、小さな容量の直流電源51で大容量のコンデンサ56を充電しておき、コンデンサ56に充電された電荷の放電電流をパルス発生回路のスイッチング素子で基材側に供給するようにする。これにより瞬間的にはコンデンサ56の放電電流に対応する大電流を供給できる能力を持ちながら、直流電源51の容量は小さく抑えることができ、経済的に優れたハイパワーパルススパッタ装置のバイアス電源5Aを提供することができる。
前記コンデンサ56を構成する部品としては、具体的には大容量の電界コンデンサを直並列に接続したコンデンサバンクのようなものが代表的である。高速応答性や耐サージ性が要求されることから、これらの特性に優れたものを選択する。概ね数百ナノ秒からマイクロ秒オーダの高速な放電特性が要求される。フィルムコンデンサは極性がない上、高周波特性も優れることから、本用途に適したコンデンサであるが、電界コンデンサに比べて容量が小さいので、大きな体積となり、取り付けスペースも大きくなる。一方、セラミックコンデンサは、高周波特性が非常に良いが、ハイパワーパルススパッタの大電流を蓄えるためには極端に大きな体積を必要とし、装置の大型化につながるため、単独で使用するのは実用的ではない。
一方、電界コンデンサは高周波特性に優れてはいるものの、10μ秒以下の応答速度には優れているとはいえない。そこで、放電初期の電流を補うため、高周波特性のよいフィルムコンデンサやセラミックコンデンサを電界コンデンサに並列に接続するという構成が効果的である。また、高周波特性の優れたコンデンサを電界コンデンサに並列に接続しておくことは、アーク放電発生時のバイアス電流遮断のときにスイッチングOFF時のサージなどのノイズを高周波特性の優れたコンデンサで吸収することができ、高電圧大電流のハイパワーパルススパッタにおいては電界コンデンサなどの電気部品を保護することができるので有用である。
上記第1、第2実施形態では、グランドに接地された部材と基材Wあるいは基材ホルダ4などの周辺部材との間でアーク放電が発生したときに、バイアス電圧が低下することに着目して、バイアス電圧の時間的変化に基づきアーク放電の発生を検出したが、アーク放電の検出はかかる方法に限らない。アーク放電が発生したときには、バイアス電流が増加するため、バイアス電流を検出する電流検出回路を設け、バイアス電流の時間的増加量を求め、これに基づいてアーク放電の発生を検出してもよい。前記バイアス電流の測定は、バイアス電流給電線に直列に接続したシャント抵抗、CT、ホール素子などによって測定することができる。特に、高周波特性の良好な透磁率の高いヨークをバイアス電流給電線の周りに配置し、ヨークに設けられた磁気ギャップにホール素子を配置して、給電線の周囲に発生する磁界の変化を検出することにより、電流増加量を検出することができる。この検出方法は、直流から高周波にわたる電流の検出性能やリニアリティが高く、さらに電流検出回路を高電圧パルス電圧から容易に絶縁することができるので好ましい。
また、アーク放電の検出は、バイアス電圧やバイアス電流のどちらか一方に基づいて行ってもよいが、両者に基づいて行ってもよい。また、アーク放電検出部6では、基準値を比較的小さな値に採って、アーク放電の予兆(微小なアーク放電の発生)が現れた段階でアーク放電検出信号を出力するようにしてもよい。
また、上記第1、第2実施形態のパルススパッタ装置では、スパッタ電源3の負極をターゲット2に接続してカソードとし、スパッタ電源3の正極を真空チャンバ1に接続してアノードとし、真空チャンバ1をグランドに接地するようにしたが、真空チャンバ1とは絶縁された状態でアノード専用の電極を真空チャンバ内に設けてもよい。また、ターゲット2の背面側がN極、S極となる一対の磁石を設け、ターゲット2の表面を貫き前記N極からS極にまたがる磁力線が形成される磁場を形成し、前記磁場にスパッタ用プラズマを閉じ込めるようにしてもよい。
第1実施形態に係るパルススパッタ装置の説明図である。 第1実施形態に係るパルススパッタ装置の時間−波形図であり、アーク放電が発生した際のスパッタ電源、バイアス電源の電圧印加状態を示す。 第2実施形態に係るパルススパッタ装置の説明図である。 第2実施形態に係るパルススパッタ装置の時間−波形図であり、アーク放電が発生した際のスパッタ電源、バイアス電源の電圧印加状態を示す。 第2実施形態に係るパルススパッタ装置の時間−波形図であり、アーク放電が発生した際の他のスパッタ電源、バイアス電源の停止、復帰状態を示す。 第2実施形態に係るパルススパッタ装置のバイアス電源の変形例を示す説明図である。
符号の説明
1 真空チャンバ
2 ターゲット
3 スパッタ電源
4 基材ホルダ
5、5A バイアス電源
6 アーク放電検出部
51 (バイアス用)直流電源
52 スイッチング回路
53 スイッチング制御回路
54 パルス発生回路
55 パルス制御回路
56 コンデンサ
W 基材

Claims (11)

  1. 真空チャンバと、前記真空チャンバ内に設けたターゲットと、前記ターゲットをカソードとしてパルス状のスパッタ電力を供給するスパッタ電源と、成膜対象である基材を負電位としてバイアス電力を供給するバイアス電源を設け、前記ターゲットにスパッタ電力を供給して真空チャンバ内に供給されたスパッタガスのプラズマを形成し、前記スパッタガスのイオンを前記ターゲットに衝突させてスパッタ粒子を放出させ、このスパッタ粒子をイオン化して前記基材に堆積させるパルススパッタ装置であって、
    前記基材およびその周辺部材にアーク放電が発生したことを検出し、アーク放電を検出したときにアーク放電検出信号を出力するアーク放電検出部を設け、
    前記アーク放電検出部から出力されたアーク放電検出信号に基づいて、スパッタ電力の供給を停止するスパッタ電源制御部を前記スパッタ電源に設けると共にバイアス電力の供給を停止するバイアス電源制御部を前記バイアス電源に設けた、パルススパッタ装置。
  2. 前記アーク放電検出部は、バイアス電圧あるいはバイアス電流の時間的変化からアーク放電の発生を検出する、請求項1に記載したパルススパッタ装置。
  3. 前記スパッタ電源制御部およびバイアス電源制御部は、それぞれ前記アーク放電検出信号を受信してから1ms〜1000msの停止時間が経過した後にスパッタ電力およびバイアス電力の供給を再開する、請求項1または2に記載したパルススパッタ装置。
  4. 前記バイアス電源制御部は、前記アーク放電検出信号を受信してから1ms〜1000msの停止時間が経過した後にバイアス電力の供給を再開し、前記スパッタ電源制御部はバイアス電力の供給が再開された後、アーク放電検出信号を受信しないときにスパッタ電力の供給を再開する、請求項1または2に記載したパルススパッタ装置。
  5. 前記バイアス電源制御部は、直流電源からの出力電圧をパルス化するスイッチング素子を有し、パルス化したバイアス電圧を前記スパッタ電源から出力されるパルス状のスパッタ電圧に同期させて前記基材に印加する、請求項1から4のいずれか1項に記載したパルススパッタ装置。
  6. 前記バイアス電源制御部は、前記直流電源によって充電されるコンデンサが設けられ、前記コンデンサに充電された電荷によって生じた電圧を前記スイッチング素子によってパルス化して前記基材に印加する、請求項5に記載したパルススパッタ装置。
  7. 真空チャンバ内にカソードを構成するターゲットと負の電位にバイアスされた基材を設け、前記ターゲットにパルス状のスパッタ電力を供給して真空チャンバ内に供給されたスパッタガスのプラズマを形成し、前記スパッタガスのイオンを前記ターゲットに衝突させてスパッタ粒子を放出させ、このスパッタ粒子をイオン化して前記基材に堆積させるパルススパッタ方法であって、
    前記基材およびその周辺にアーク放電が発生したときにこれを検出してスパッタ電力及びバイアス電力の供給を両方とも停止する、パルススパッタ方法。
  8. パイアス電圧あるいはバイアス電流の時間的変化からアーク放電の発生を検出する、請求項7に記載したパルススパッタ方法。
  9. スパッタ電力及びバイアス電力の供給を停止してから1ms〜1000msの停止時間が経過した後、スパッタ電力及びバイアス電力の供給を再開する、請求項7または8に記載したパルススパッタ装置。
  10. スパッタ電力及びバイアス電力の供給を停止してから1ms〜1000msの停止時間が経過した後、バイアス電力の供給を再開し、その後アーク放電が検出されないときにスパッタ電力の供給を再開する、請求項7または8に記載したパルススパッタ装置。
  11. 直流電源からの出力電圧をスイッチング素子によりパルス化し、パルス化したバイアス電圧をパルス状のスパッタ電圧に同期させて前記基材に印加する、請求項7から10のいずれか1項に記載したパルススパッタ方法。
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