JP2009137752A - 鑑識対象物の採取装置、採取テープおよび採取方法 - Google Patents

鑑識対象物の採取装置、採取テープおよび採取方法 Download PDF

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Abstract

【課題】多数の採取シールを貼着保持する採取テープが繰出し供給可能に装填され、採取シールに直接手を触れることなく鑑識対象物を採取できる採取装置を提供する。
【解決手段】片手による手持ち操作可能な装置ケース2内に、採取シールSを貼着保持した採取テープTが繰出し供給可能に装填され、装置ケース2の先端部2aに、採取テープTから採取シールSを剥離する剥離ヘッドHが設けられてなり、剥離ヘッドHにより仮剥離状態で保持された採取シールSの粘着面Saが、毛髪等の鑑識対象物を貼着採取する採取面として機能する。これにより、採取シールSを剥離ヘッドHにより仮剥離した状態で保持して、採取シールSの採取面Saにより鑑識対象物を貼着して採取することができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、鑑識対象物の採取装置、採取テープおよび採取方法に関し、さらに詳細には、殺人現場等の犯罪現場における証拠物件を採取して科学的に鑑定する鑑識において、証拠物件である鑑識対象物を採取する採取技術に関する。
近年、殺人事件等の凶悪犯罪が多発しており、鑑識はこのような犯罪現場における毛髪、指紋、血痕、筆跡等の証拠物件を採取して科学的に鑑定する作業で、犯人特定に重要な役割・威力を発揮している。
この鑑識の一連の手続において、最初でかつ最重要な作業が、証拠物件の採取作業である。例えば、犯罪現場に残された毛髪を採取する作業は、警察の鑑識係官が、粘着テープを用いて、犯罪現場の床等に落ちている毛髪を貼着させて採取し、この採取した毛髪を粘着テープごと所定の鑑識用台紙に貼着固定させ、さらには、他の鑑識用台紙へ貼り替える。
これらの一連の採取作業は、粘着テープを用いた手作業であるところ、粘着テープの粘着面を手指にて直接触れて持つことになるため、その取り扱いが面倒であるばかりか、粘着面に採取対象物である毛髪以外に、作業者の手指の付着物や汗、油等も付着する可能性が高く、高精度な鑑識を行うためには決して好ましい方法ではなかった。
また、従来は、鑑識専用の粘着テープは存在せず、鑑識係官等の作業者が、自身で一般市販の粘着テープを鑑識用台紙のサイズに合わせて切断して使用するという方法がとられており、この事前準備作業も非常に時間と労力を要する仕事で、きわめて効率が悪かった。
なお、本出願人の知る限りにおいて、このような従来の問題点に着目・改良した先行技術はまだ存在しない。
なし
この発明はかかる従来の問題点に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、所定の形状寸法の採取シールを多数枚貼着保持してなる採取テープが繰出し供給可能に装填されて、これらの採取シールに直接手を触れることなく鑑識対象物を採取することが可能な構造を備えた鑑識対象物の採取装置を提供することにある。
また、この発明の他の目的とするところは、上記採取装置を用いた鑑識対象物の採取方法を提供することにある。
上記目的を達成するため本発明の第1の採取装置は、犯罪現場における証拠物件を採取して科学的に鑑定する鑑識において、鑑識対象物を採取するものであって、片手による手持ち操作可能な装置ケース内に、採取シールを貼着保持してなる採取テープが繰出し供給可能に装填されるとともに、上記装置ケースの先端部に、上記採取テープの基材テープから上記採取シールを剥離供給する剥離ヘッドが設けられてなり、上記剥離ヘッドにより仮剥離状態で保持された採取シールの粘着面が、鑑識対象物を貼着採取する採取面として機能する構成とされていることを特徴とする。
好適な実施態様として、上記装置ケースの外部から手動で上記採取テープを繰出し操作するためのテープ繰出し手段を備え、このテープ繰出し手段の繰出し操作により、上記採取テープが所定量繰出されて、採取テープ上に貼着保持される最前部の採取シールが、上記剥離ヘッドにより一部剥離されて仮剥離状態で保持される。
また、本発明の第2の採取装置は、犯罪現場における証拠物件を採取して科学的に鑑定する鑑識において、鑑識対象物を採取するものであって、片手による手持ち操作可能な装置ケースと、この装置ケース内に回転可能に装着されて、採取シールを貼付保持してなる採取テープを巻装した繰出リールと、上記装置ケース内に回転可能に装着されて、使用後の上記採取テープを巻取り回収する巻取リールと、上記装置ケースの先端部分に配設されて、上記繰出リールから繰出される採取テープに貼付保持される上記採取シールを剥離供給する剥離ヘッドとを備えてなり、上記剥離ヘッドにより仮剥離状態で保持された採取シールの粘着面が、鑑識対象物を貼着採取する採取面として機能する構成とされていることを特徴とする。
好適な実施態様として、以下の構成が採用される。
(1)上記剥離ヘッドは、上記採取テープを採取物貼付用台紙上に加圧する直線状の先端加圧部を有する。
(2)上記装置ケースの外部から手動で上記採取テープを繰出し操作するためのテープ繰出し手段を備え、このテープ繰出し手段の繰出し操作により、上記繰出リール上の採取テープが所定量繰出されて、採取テープ上に貼着保持される最前部の採取シールが、上記剥離ヘッドにより一部剥離されて仮剥離状態で保持される。
(3)上記装置ケースは、上記繰出リールまたは巻取リールの一部が外部に臨む開口を備え、この開口が上記繰出リールまたは巻取リールを回転操作する操作窓として機能して、上記テープ繰出し手段が構成される。
(4)上記操作窓に、上記繰出リールまたは巻取リールの軸部が外部に臨むとともに、この操作窓から外部に望む上記軸部の部位に、操作ダイヤルと回転係合する係合部が設けられてなり、上記操作ダイヤルは、円板状の回転操作部と、この回転操作部の回転中心位置に一体的に設けられ、上記軸部の係合部に軸部と同軸状にかつ係脱可能に回転係合する回転軸とからなり、上記軸部に回転係合された上記操作ダイヤルの回転操作により、上記採取テープが装置ケースから繰出される構成とされる。
(5)上記操作窓に、上記繰出リールまたは巻取リールと一体に設けられた回転操作部が臨み、この回転操作部は、上記一体に設けられたリールと同心の円板状に形成された操作フランジの形態とされ、この操作フランジの回転操作により、上記採取テープが装置ケースから繰出される構成とされる。
(6)上記採取テープは、基材テープの表面に、多数の採取シールが所定間隔をもって剥離可能に貼着保持されてなり、この採取シールは、採取した鑑識対象物を貼着する鑑識用台紙の貼付面積に対応した形状寸法を有する矩形短冊状の粘着シールの形態とされる。
(7)上記採取シールは、透明性材料からなる本体シートの一部に感圧粘着剤層が一体的に積層形成されてなり、この感圧粘着材層部分が上記採取面を形成する。
(8)上記感圧接着剤層の粘着力は、上記基材テープに対する貼着保持力よりも大きく設定される。
(9)感圧粘着剤層からなる採取面とされるとともに、この採取面以外の部位が非粘着面とされる。
(10)上記採取シールの一部に彩色が施されて、採取シールの所定部位を目視表示する目印マークが形成される。
(11)上記採取シールの先端部位に上記目印マークが形成されて、採取シール先端部位を目視表示する構成とされる。
(12)上記採取シールにおける上記非粘着面部位に上記目印マークが形成されて、非粘着面部位を目視表示する構成とされる。
また、本発明の採取テープは、上記鑑識対象物の採取装置に装填使用される採取テープであって、基材テープの表面に、多数の採取シールが所定間隔をもって剥離可能に貼着保持されてなり、この採取シールは、採取した鑑識対象物を貼着する鑑識用台紙の貼付面積に対応した形状寸法を有する矩形短冊状の粘着シールの形態とされていることを特徴とする。
好適な実施態様として、以下の構成が採用される。
(1)上記採取シールは、透明性材料からなる本体シートの一部に感圧粘着剤層が一体的に積層形成されてなるとともに、この感圧粘着材層部分が上記採取面を形成し、この採取シールが、上記基材テープの表面に、上記本体シートを介して剥離可能に貼着保持される。
(2)上記感圧接着剤層の粘着力は、上記基材テープに対する貼着保持力よりも大きく設定される。
(3)上記採取シールは、その先端縁から所定の長さ方向部位が、上記感圧粘着剤層からなる採取面とされるとともに、この採取面以外の部位が非粘着面とされる。
(4)上記採取シールの一部に彩色が施されて、採取シールの所定部位を目視表示する目印マークが形成される。
(5)上記採取シールの先端部位に上記目印マークが形成されて、採取シール先端部位を目視表示する構成とされる。
(6)上記採取シールにおける上記非粘着面部位に上記目印マークが形成されて、非粘着面部位を目視表示する構成とされる。
さらに、本発明の採取方法は、犯罪現場における証拠物件を採取して科学的に鑑定する鑑識において、上記採取装置により鑑識対象物を採取する方法であって、(A)上記装置ケースから上記採取テープを繰出し供給して、この採取テープの最先端に貼着保持される採取シールを、上記剥離ヘッドにより仮剥離するとともに、この仮剥離状態のまま保持する工程と、(B)上記剥離ヘッドに仮剥離状態で保持された採取シールの採取面により、鑑識対象物を貼着して採取する工程と、(C)上記採取テープ上の鑑識対象物を貼着採取した採取シールを、上記採取テープから剥離して、採取物貼付用台紙上に位置決めしながら貼付して、この採取シールにより上記鑑識対象物を採取物貼付用台紙上に貼着固定する工程とを備えてなることを特徴とする。
好適な実施態様として、以下の構成が採用される。
(1)上記採取シールが上記剥離ヘッドに仮剥離状態で保持されたとき、上記採取シールの採取面が上記剥離ヘッドの先端縁から前方に突出している。
(2)上記剥離ヘッドは、上記採取テープを採取物貼付用台紙上に加圧する直線状の先端加圧部を有し、上記(C)の工程において、上記採取シールの採取面により鑑識対象物を貼着して採取した後、上記剥離ヘッドの先端加圧部により、上記採取テープ上の鑑識対象物を貼着採取した採取シールを採取物貼付用台紙上に位置決めしながら加圧して、上記採取シールを採取物貼付用台紙に転写貼付するとともに、上記採取物貼付用台紙上の上記採取シールの表面を手指にて押圧して、この採取シールにより上記鑑識対象物を採取物貼付用台紙上に貼着固定する。
(3)上記剥離ヘッドの先端加圧部により、上記採取シールを採取物貼付用台紙上に加圧して転写貼付するに際して、上記採取シールの採取面の粘着力を利用する。
(4)上記採取装置は、上記装置ケースの外部から手動で上記採取テープを繰出し操作するためのテープ繰出し手段を備え、上記(A)の工程において、上記テープ繰出し手段の繰出し操作により、上記繰出リール上の採取テープを所定量繰出して、採取テープ上に貼着保持される最前部の採取シールを、上記剥離ヘッドにより一部剥離させて仮剥離状態で保持する。
(5)上記採取装置は、上記装置ケース内に、採取シールを貼付保持してなる採取テープを巻装した繰出リールと、使用後の上記採取テープを巻取り回収する巻取リールとが回転可能に装着されてなるとともに、上記装置ケースに、上記繰出リールまたは巻取リールの一部が外部に臨む開口を備え、この開口が上記繰出リールまたは巻取リールを回転操作する操作窓として機能して、上記テープ繰出し手段が構成され、上記(A)の工程において、上記操作窓を介して上記繰出リールまたは巻取リールを回転操作することにより、上記繰出リール上の採取テープを所定量繰出して、採取テープ上に貼着保持される最前部の採取シールを、上記剥離ヘッドにより一部剥離させて仮剥離状態で保持する。
(6)上記操作窓に、上記繰出リールまたは巻取リールの軸部が外部に臨むとともに、この操作窓から外部に望む上記軸部の部位に、操作ダイヤルと係脱可能に回転係合する係合部が設けられてなり、上記(A)の工程において、上記操作ダイヤルを上記軸部に回転係合させた状態で、この操作ダイヤルを回転操作することにより、上記採取テープを装置ケースから繰出し供給する。
(7)上記操作窓に、上記繰出リールまたは巻取リールと一体に設けられた回転操作部が臨み、この回転操作部は、上記一体に設けられたリールと同心の円板状に形成された操作フランジの形態とされ、上記(A)の工程において、上記操作フランジを回転操作することにより、上記採取テープを装置ケースから繰出し供給する。
(8)上記採取シールは、その先端部位に彩色が施されて、採取シール先端部位を目視表示する目印マークが形成され、上記(A)の工程において、上記採取シール先端部位の目印マークを、上記採取テープを装置ケースから繰出し供給する際の目印とする。
(9)上記採取シールは、その先端縁から所定の長さ方向部位が、上記感圧粘着剤層からなる採取面とされるとともに、この採取面以外の部位が非粘着面とされてなり、上記(C)の工程により上記鑑識対象物を採取物貼付用台紙上に貼着固定した後、上記採取シールの非粘着面部位を手指にて摘んで採取シールを上記採取物貼付用台紙から剥離させることにより、上記鑑識対象物を他の採取物貼付用台紙に移転貼着固定する。
本発明の採取装置によれば、片手による手持ち操作可能な装置ケース内に、採取シールを貼着保持してなる採取テープが繰出し供給可能に装填されるとともに、上記装置ケースの先端部に、上記採取テープの基材テープから上記採取シールを剥離供給する剥離ヘッドが設けられてなり、上記剥離ヘッドにより仮剥離状態で保持された採取シールの粘着面が、鑑識対象物を貼着採取する採取面として機能する構成とされているから、繰出し供給される上記採取テープの最先端に貼着保持される採取シールを、上記剥離ヘッドにより仮剥離した状態のまま保持して、この採取シールの採取面により鑑識対象物例えば毛髪を貼着して採取することができる。
したがって、鑑識係官等の作業者は、採取シールに直接手を触れることなく鑑識対象物である毛髪を採取することができ、その取り扱いが簡単容易であるとともに、採取シールの採取面に採取対象物である毛髪以外の、例えば作業者の手指の付着物や汗、油等の鑑識作業に弊害となる物が付着する可能性が低く、高精度な鑑識を行うことができる。
また、上記採取テープが、基材テープの表面に、多数の採取シールが所定間隔をもって剥離可能に貼着保持されてなり、この採取シールが、採取した鑑識対象物を貼着する鑑識用台紙例えば台紙の貼付面積に対応した形状寸法を有する矩形短冊状の粘着シールの形態とされることにより、従来のような、鑑識係官等の作業者による鑑識用粘着テープの事前準備作業がまったく不要で、仕事効率が良く、また、採取テープは装置ケース内に装填されているので、持ち運びや取り扱いが容易で、採取テープの採取面も有効に保護され得る。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、図面全体にわたって同一の符号は同一の構成部材または要素を示している。
本実施例に係る鑑識対象物の採取装置が図1〜図7に示されており、この採取装置1は、具体的には、犯罪現場における証拠物件を採取して科学的に鑑定する鑑識において、毛髪、指紋、血痕、筆跡等の鑑識対象物Oを採取するものであって、図1に示すような外観形状を呈する装置ケース2内に、採取シールSを貼着保持してなる採取テープTが繰出し供給可能に装填されるとともに、装置ケース2の先端部2aに、上記採取シールSを剥離供給する剥離ヘッドHが設けられてなる。
図示の採取装置1は、装置ケース2内に、採取テープTを巻装した繰出リール5と、使用後の採取テープT´を巻取り回収する巻取リール6とが回転可能に設けられるとともに、装置ケース2の先端部分に、上記剥離ヘッドHが設けられてなる。
装置ケース2は片手による手持ち操作可能な形状寸法を備え、具体的には、図1および図2に示すように、上記繰出リール5および巻取リール6を内装し得る正面輪郭形状寸法と幅寸法を備えるほぼ直方体形状とされている。この装置ケース2は、射出成形等により一体成形されたケース本体7とキャップ本体8からなる二分割構造のプラスチック製のものであって、装置ケース2の先端部2aには、剥離ヘッドHを内外に挿通するヘッド挿通開口9が開設されるとともに、この剥離ヘッドHを被覆保護する保護キャップ10が取外し可能に嵌着される構造とされている。
上記繰出リール5および巻取リール6は、装置ケース2のケース本体7に回転可能に装着されるとともに、これら両者にはテープ連動手段である環状ゴム部材11が弾発的に巻き掛けられて、両リール5、6が連動回転するように構成されている。
また、これに関連して、装置ケース2は、上記繰出リール5または巻取リール6の一部が外部に臨む開口2bを備える。この開口2bは、上記繰出リール5または巻取リール6を回転操作する操作窓として機能して、装置ケース2の外部から手動で採取テープTを繰出し操作するためのテープ繰出し手段を構成する。
この操作窓2bは、具体的には、後述する操作ダイヤル12の接続用開口とされ、図示の実施形態においては、繰出リール5の軸部5aに対応して設けられている。これにより、繰出リール5の軸部5aが操作窓2bを介して装置ケース2の外部に臨んでおり、後述するように、上記操作ダイヤル12がこの軸部5aに回転係合可能することで、手動による繰出し操作が可能な構造とされている。
繰出リール5に巻装された採取テープTは、図2(b)に示すように、ケース本体7に起立状に設けられた案内ピン13、14を介して、上記剥離ヘッドHに導かれ、この剥離ヘッドHの先端縁Haで折り返された後、ケース本体7に起立状に設けられた案内ピン15を介して、上記巻取リール6に巻回されている。
剥離ヘッドHは、上記繰出リール5から繰り出される採取テープTを案内するとともに、この採取テープT上の採取シールSを剥離供給する剥離機能、この採取シールSを仮剥離状態で保持する機能、採取シールSを採取物貼付用台紙P(図7(d)、(e)参照)上に位置決めする機能、および採取シールSを上記採取物貼付用台紙P上に加圧転写する機能(選択的機能)を兼備するもので、上記装置ケース2の先端部2aに設けられている。
剥離ヘッドHの具体的構造は、図2〜図4に示されるように、ヘッド本体20の両側縁に、採取テープTの走行を案内するガイドフランジ21、21が形成されてなり、その基部が装置ケース2に取付け固定されている。
ヘッド本体20は、上記3つ(または4つ)の機能を有効に発揮するのに適した形状とされ、具体的には、その先端がある程度尖ったいわゆる尖頭形とされて、これにより剥離ヘッドHが尖頭形ヘッドの形態とされている。
図示の実施例のヘッド本体20は、採取テープTよりも若干幅広の矩形状を有する薄肉の板状体とされるとともに、側面から見てある程度尖った形状、つまり先端に向けて次第に薄くなるような先細形状断面、より具体的には下側面2aが先端に向けて上方へ傾斜した先細形状断面を有してなる。
ヘッド本体20は、その平坦な上下両側面20a、20bがテープ走行面を形成するとともに、その先端縁が剥離ヘッドHの先端縁Haを形成している。この先端縁Haは、採取テープTを折返し案内して採取シールSの剥離機能(図3(a)参照)を発揮するとともに、採取テープTを採取物貼付用台紙P上に加圧する先端加圧部としての機能を兼備し、この目的のため、先端加圧部Haは、上記テープ走行面20a、20bにおけるテープ走行方向に直交する直線縁の形態とされている。また、ヘッド本体20の両側縁には、上述したようにガイドフランジ21、21が形成されており、これにより、採取テープTは、これらガイドフランジ21、21により案内されながら、上記テープ走行面20a、20b上を走行することになる。
なお、ヘッド本体20自体の材質特性は、その先端加圧部Haによる採取テープTの加圧作用も考慮して設定されるのが望ましく、目的に応じて弾性ヘッドの形態または硬質ヘッドの形態のいずれも採用可能である。
採取テープTは、採取シールSを連続供給するもので、基材テープ25の表面に、多数の感圧粘着性を有する採取シールS、S、…が所定間隔をもって剥離可能に貼着保持されている。
図示の実施例においては、採取テープTは、図5に示すような断面構造を有し、基材テープ25の表面(図5(b)および図5(c)においては下面)側に、多数の採取シールS、S、…が剥離可能に粘着保持されてなる。なお、図面は理解を容易にすることを主眼として、模式的にかつ厚さ方向に大幅に拡大して描かれているが、実際には、採取テープTの厚さは薄肉のフィルム状のもので、かつ各層の境界も図示のものほど明確ではない。
基材テープ25は、採取シールSが剥離ヘッドHにより剥離されるまでの間の支持基材として機能するものであって、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのプラスチック材料や、あるいは紙材料等からなるフィルム状テープの形態とされ、伸縮のない可撓性フィルムが好適に採用される。基材テープ25の厚さ寸法t25は、約6〜38μmに設定される。
図示の実施形態の基材テープ25は、ポリエチレンテレフタレートフィルムからなり、その厚さ寸法t25が12μmで、またその幅寸法W25が10mmに設定されている。
また、基材テープ25の表面には、軽粘着処理層26が形成された表面処理が施されるとともに、基材テープ25の裏面には、剥離処理層27が形成された表面処理が施されている。
軽粘着処理層26は、上記支持基材としての機能を担保するもので、より具体的には、採取テープTの保存時において、基材テープ25に対して採取シールSを安定的に貼着固定するとともに、採取シール剥離時において、採取シールSが基材テープ25から容易に剥離できるようにするためのものである。この軽粘着処理層26の構成材料としては、アクリル系粘着剤等の軽粘着剤組成物が好適に使用され、例えば、この軽粘着剤塑性物が基材テープ25に塗布後乾燥処理され、あるいはサンドブラスト加工により表面処理されることで、軽粘着処理層26が形成される。図示の実施形態の軽粘着処理層26は、その厚さ寸法t25が13μmに設定されている。
剥離処理層27は、重なり合う隣接の層または材料との分離または剥離性を付与するもので、より具体的には、採取テープTをロールに巻いて保存する際に、採取シールSとの粘着を防止するとともに、採取シールSが基材テープ25から容易に剥離して転写されるようにするためのものである。この剥離処理層27の構成材料としては、シリコーン系離型剤、フッ素系離型剤等の離型剤が好適に使用され、例えば、この離型剤が基材テープ25に塗布後乾燥処理されることで、剥離処理層27が形成される。
採取シールSは、矩形短冊状の粘着シールの形態とされてなり、具体的には、採取した鑑識対象物Oを貼着する採取物貼付用台紙Pの貼付面積に対応した形状寸法を有する矩形短冊状に形成されている。
図示の実施形態における採取シールSの形状寸法は、厚さ寸法tSが53.5μm、長さ寸法LSが20mm、幅寸法WSが4mmに設定されている。
採取シールSの構成は、図5に示すように、本体シート28の一部に感圧粘着剤層29が一体的に積層形成されてなるとともに、この感圧粘着剤層29の部分が後述する採取シールSの採取面Saを形成している。
本体シート28は、採取シールSの表面を形成する表面層30と、目印用のマークが形成されたマーク層31とが一体的に積層形成されてなる。
表面層30は、図示の実施例においては、採取シールSにシール体としての特性を付与するとともに、転写後に採取シールSの表面層を形成するものである。
この表面層30の構成材料としては、シール体としての強靭性を保持し得るとともに、透視可能な透明性を有する一種以上の合成樹脂または天然樹脂材料、あるいはこれら樹脂材料または紙材料等からなる極薄フィルムが好適に使用され、より好ましくは、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム、あるいは、ゴム状樹脂とガラス状樹脂との樹脂混合物フィルムが使用される。このようにゴム状樹脂とガラス状樹脂とを併用することにより、シール体としての特性を表面層30に付与することができる。
上記ゴム状樹脂としては、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(SBS)、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロック共重合体(SEBS)、スチレン−ブタジエンゴム、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体(SIS)、スチレン−エチレン/プロピレンブロック共重合体(SEP)、ウレタンゴム、フッ素ゴム、アクリロニトリル‐ブタジエンゴム、エチレン‐酢酸ビニル共重合体、エチレン‐エチルアクリレート共重合体、クロロスルホン化ポリエチレン、環化ゴムなど通常の合成ゴムないしゴム状樹脂などの1種または2種以上があげられる。なお、可塑剤を必要に応じて併用してもよい。
上記ガラス状樹脂としては、融点又は軟化点が100℃以上で、高い硬度を有するものが好ましく、例えば、飽和または不飽和の脂環式炭化水素系樹脂、スチレン−アクリル系共重合体樹脂、ケトン樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂、またはポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂などを使用することができる。
また、表面層30に光拡散剤や着色剤(顔料や染料)を配合し、表面層30を半透明化もしくは着色してもよいが、表面層30全体として無色透明であることが、鑑識対象物Oを貼着採取する際の視認性およびマーク層31の視認性を確保する意味からも好ましい。
この表面層30の層厚は、25〜50μmに設定される。表面層30の層厚がこのような範囲に設定されるのは、適度な厚みがないと(25μmより薄いと)、採取シールSに腰がなく、後述するように、採取テープTが剥離ヘッドHの先端縁Haで折り返し案内される際の、採取シールS自体の平板状態への弾性復帰作用が不十分となり、基材テープ25からの剥離が確実に行われず、また、シール体としての特性も十分に付与することができず、鑑識対象物Oを貼着採取する際に軟らか過ぎて作業性が悪いからである。一方、表面層30の層厚が50μmより大きくなると(厚みが有り過ぎると)、採取シールSの腰が強過ぎて、しかも採取テープT自体の厚みが増してしまい、採取テープTの繰出リール5への巻装が困難になる。図示の実施形態の表面層30の層厚は38μmに設定されている。
マーク層31は採取シールSの目印マークを形成する層であり、具体的には、採取シールSの一部に彩色が施されて、採取シールSの所定部位を目視表示する目印マークが形成される。図示の実施例においては、二つの目印マークMa、Mbを形成されている。
一方の目印マークMaは、採取シールSの先端部位に形成されて、採取シールSの先端部位を目視表示するとともに、他方の目印マークMbは、採取シールSにおける後述する非粘着面部位に形成されて、非粘着面部位を目視表示する構成とされる。
マーク層31は、具体的には上記表面層30上に従来公知の印刷技術により形成されている。このマーク層31の印刷方法としては、従来公知の各種印刷技術、具体的には、活版(凸版)印刷、オフセット印刷、グラビア(凹版)印刷、シルクスクリーン印刷、タンポ印刷等の伝統的な印刷技術をはじめ、リバースロールコート、ダイレクトコート等の各種コーター、スプレー塗装、静電塗装、流し塗り、ローラー塗り、浸漬塗装等、さらに、レーザプリンタ方式、熱転写方式、インクジェットプリンタ方式等の新印刷技術も採用可能で、形成対象部分(図示の場合は上記表面層30)の性状等に対応して適宜選択採用される。また、マーク層形成用インクとしては、樹脂と着色剤を必要に応じて溶媒中に溶解または分散されてなるものが使用される。
上記樹脂としては、上述したゴム状樹脂を好ましく挙げることができ、つまり、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(SBS)、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロック共重合体(SEBS)、スチレン−ブタジエンゴム、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体(SIS)、スチレン−エチレン/プロピレンブロック共重合体(SEP)、ウレタンゴム、フッ素ゴム、アクリロニトリル‐ブタジエンゴム、エチレン‐酢酸ビニル共重合体、エチレン‐エチルアクリレート共重合体、クロロスルホン化ポリエチレン、環化ゴムなど通常の合成ゴムないしゴム状樹脂などの1種または2種以上があげられる。可塑剤を必要に応じて併用してもよい。
また、上記着色剤としては、一般的な印刷インキに用いられている公知の着色剤を適宜使用することができる。
そして、このような印刷層形成用インクを、上記表面層30上に印刷した後乾燥することにより、上記マーク層31が形成される。なお、マーク層31の印刷箇所は、図示のように上記表面層30の裏面側(図5(b)および図5(c)において下面側)でも、表面側でも良い。また、マーク層31の層厚は、通常0.1〜5μmであり、図示の実施形態においては0.5μmとされている。
感圧粘着剤層29は、採取シールSに、その本来的機能である鑑識対象物Oを貼着採取する機能と、この採取した鑑識対象物Oを採取物貼付用台紙P上に貼着固定する機能を付与するものであり、上記本体シート28の一部、具体的には、その先端縁から所定の長さ方向部位に上記感圧粘着剤層29が形成されて、採取シールSの採取面Saが形成される。
図示の実施形態においては、図5(a)および(b)に示すように、本体シート28の長さ方向において、その先端から2/3の長さ範囲L1(=14mm)に上記感圧粘着剤層29が積層形成されている。これにより、採取シールSは、この感圧粘着剤層29部分が採取シールSの採取面Saを形成するとともに、この採取面Saよりも後側部分(感圧粘着剤層29の後端から採取シールSの後端まで)が感圧粘着剤層29のない非粘着面Sbとされている。
これに関連して、採取シールSの先端部位に形成される上記目印マークMaは、採取シールSの先端からL2=1mmの範囲に、また、採取シールSにおける後述する非粘着面部位に形成される上記目印マークMbは、採取シールSの後端からL3=6mmの範囲(非粘着面Sb部位)にそれぞれ形成されている。
上記感圧粘着剤層29を構成する粘着剤としては、好ましくはゴム系粘着剤やアクリル系粘着剤等の従来公知の粘着剤が使用され、例えば、天然ゴム、イソプレンゴム、スチレンブタジエンゴム等に、粘着付与剤(ロジン系樹脂、テルペン系樹脂、テルペンフェノール系樹脂等)を配合したゴム系粘着剤や(メタ)アクリル系エステルを主成分とするアクリル系粘着剤が使用される。
そして、この粘着剤を、従来公知の手法で上記マーク層31が設けられた表面層30上に塗工することにより、上記感圧粘着剤層29が本体シート28に一体的に積層形成されて、採取シールSの採取面Saが形成される。感圧粘着剤層29の層厚は、通常10〜20μmに設定され、図示の実施形態においては15μmに設定されている。
また、感圧粘着剤層29の粘着力は、採取シールSの基材テープ25に対する貼着保持力よりも大きく設定されている。具体的な感圧粘着剤層29の粘着力は、上記条件を満たす範囲内で、採取すべき鑑識対象物Oの種類に対応して適宜設定される。例えば、鑑識対象物Oが毛髪である場合、感圧粘着剤層29は、その粘着力が650g/25mmで、その傾斜式ボールタックが8ボールタック(いずれもJIS Z 0237に準ずる)に設定されている。
このような積層構造とされた採取シールSは、図5(a)〜図5(c)に示すように、基材テープ25の剥離処理された表面(図5(b)および図5(c)において、剥離処理層27が形成された下面)に、所定間隔Iをもって上記本体シート28の表面層30を介して剥離可能に粘着保持されている。換言すれば、採取シールSは、その採取面Saを外側にした状態で、上記基材テープ25に剥離可能に粘着保持される。図示の実施形態においては、上記所定間隔Iは7mmに設定されている。
以上のように構成された採取テープTは、上記採取シールS、S、…が貼着保持された側の面を外側にして繰出リール5に巻装されており、この繰出リール5から繰出された採取テープTは、そのままの状態で上記案内ピン13、14を介して上記剥離ヘッドHに導かれ、この剥離ヘッドHの先端加圧部Haで折り返された後に、上記案内ピン15を介して上記巻取リール6に巻回されている。
そして、採取テープTが上記剥離ヘッドHの先端縁Haを通過して折り返し案内される際に、採取テープTの基材テープ25上に貼着保持される採取シールSがそれ自体の平板状態への弾性復帰作用により上記基材テープ25から剥離されるのであるが、採取シールSが基材テープ25から完全に剥離する前の仮剥離状態において、採取シールSは、図4に示すごとく剥離ヘッドHにより保持されることとなり、この仮剥離状態において、採取シールSの粘着面つまり採取面Saが図示のごとく下側を向いて、鑑識対象物Oを貼着採取するのに適した姿勢になる。
また、採取シールSは、基材テープ25と共に繰出リール5に巻装されていることから、基材テープ25から剥離しても図示のごとく若干の巻き癖が残っていて完全には平板状態に復帰しないが、この円弧状に湾曲した状態は、むしろ鑑識対象物Oを貼着採取するのに適した姿勢となり、好適である。
上記操作ダイヤル12は、採取装置1の構成部品として、装置ケース2の外部から手動で採取テープTを繰出し操作するためのテープ繰出し手段を構成するものであるが、装置本体(装置ケース2)とは別体品とされており、鑑識対象物Oの採取時にこの装置本体と組み合わせて使用される構成とされている。
操作ダイヤル12は、図6に示すように、回転操作部40と回転軸41とからなる一体成形品である。
回転操作部40は、図示のごとく円板状のもので、その外周部を手指にて掴んで回転操作可能な形状寸法とされている。また、回転軸41は、上記回転操作部40の回転中心位置に垂直状にかつ一体的に設けられるとともに、装置ケース2の操作窓2bを介して外部に臨む繰出リール5の軸部5aに、回転係合する構造とされている。
すなわち、上記回転軸41は、上記繰出リール5の軸部5aの中心穴45に挿入可能な径寸法および長さ寸法を有するとともに、回転軸41の基端部つまり回転操作部40との境界部に係合凸部42が設けられてなる。これに対応して、上記操作窓2bから外部に望む上記軸部5aの部位、つまり軸部5aの端面には、図示のごとく一直径線上に延びる係合凹部46が設けられ、この係合凹部46に上記係合凸部42が係合可能とされている。
そして、操作ダイヤル12の回転軸41を上記繰出リール5の軸部5aの中心穴45に挿入させるとともに、上記係合凸部42を上記軸部5aの係合凹部46に係合させることで、操作ダイヤル12は繰出リール5と同軸状に一体結合(回転係合)される。よって、この操作ダイヤル12を繰出し方向Xへ回転操作することにより、繰出リール5が回転して、繰出リール5上の採取テープTが装置ケース2から繰出されることとなる。
このように操作ダイヤル12を装置本体(装置ケース2)と分離可能な別体品とすることにより、鑑識対象物Oの採取装置1としての携帯利便性と、操作ダイヤル12を複数の採取装置1、1、…に共用できる利便性、さらには使いきりの消耗品である装置本体(装置ケース2)に対して、繰返し使用可能な経済性を確保することが可能となる。
しかして、以上のように構成された採取装置1により、犯罪現場における証拠物件である鑑識対象物Oを採取する方法を以下に説明する(図7参照)。ここでは、鑑識対象物Oとして人体の毛髪を例にとる。
(1)分離携帯と組合せ使用:
事件現場への移動の際など、採取装置1の携帯時(不使用時)には、図7(a)の左図のように、装置本体(装置ケース2)と操作ダイヤル12を分離することで嵩張らず、また事件現場での毛髪Oの採取時には、図7(a)の右図のように、装置本体(装置ケース2)の繰出リール5に、操作ダイヤル12を回転係合させて組み合わせて、採取装置1を完成させ、この完成状態で使用する。
(2)毛髪Oの採取準備:
図7(b)の左図に示すように、手指により操作ダイヤル12を繰出し方向Xへ回転操作することにより、採取テープTを装置ケース2から所定量繰出し供給して、この採取テープTの最先端に貼着保持される採取シールSを、図7(b)の右図に示すように、剥離ヘッドHの先端縁Haにより一部だけ剥離させて仮剥離状態とするとともに、この仮剥離状態のまま保持させる。この仮剥離状態において、採取シールSの採取面Saが、図示のごとく剥離ヘッドHの先端縁Haから前方に突出するとともに下側を向いて、毛髪Oを貼着採取するのに適した姿勢となる。
また、採取シールSが剥離された使用後の採取テープTつまり基材テープ25は巻取リール6に巻取り回収される。
なお、上記繰出し操作の際、採取シールSの先端部位が目印マークMaにより目視表示されているので、この目印マークMaを目印として、さらにはこの目印マークMaに続く透明な採取面Sa部位を見ながら、剥離ヘッドHの先端縁Haからの採取シールSの張出し長さ、つまり採取面Saの張出し長さを適宜調整する。
(3)毛髪Oの貼着採取:
採取シールSが剥離ヘッドHに仮剥離状態で保持された状態で、装置ケース2を手指にて持って、採取シールSの採取面Saにより、毛髪Oを貼着して採取する(図7(c)参照)。
この際、採取シールSの採取面Saが透明であることから、採取対象物である毛髪Oを採取シールSの上側から目視にて確認でき、これにより毛髪Oに対する採取シールSの採取面Saの位置決めおよび貼着採取作業が容易かつ確実に行うことができる。
(4)毛髪Oの貼着固定:
毛髪Oを貼着採取した仮剥離状態の採取シールSを、上記採取テープTから剥離して、採取物貼付用台紙P上に位置決めしながら貼付して、この採取シールSにより上記毛髪Oを採取物貼付用台紙P上に貼着固定する(図7(d)参照)。
上記採取シールSの採取テープTからの剥離作業は、手指により直接行う他、手指により操作ダイヤル12を回転操作して、剥離ヘッドHの先端縁Haによる剥離作用を利用して行う。
また、採取シールSの採取物貼付用台紙P上への貼付固定作業は、図7(d)の左図に示すように、手指により採取シールSの採取面Saの表面を押圧して行うが、その前提となる採取シールSの採取物貼付用台紙P上への位置決め作業は、そのまま手指にて直接行う他、剥離ヘッドHの先端縁Haを先端加圧部として利用して、剥離ヘッドHに仮剥離状態の採取シールSを採取物貼付用台紙P上に位置決めする(図示省略)。
さらに、上記(2)の採取準備に際して、採取シールSの採取面Saが先端縁Haに対応位置する仮剥離状態で保持させておけば、採取シールSを採取物貼付用台紙P上に位置決め貼付する際に、剥離ヘッドHの先端縁Haを先端加圧部として利用することで、採取シールSの採取物貼付用台紙Pへの位置決め貼付に採取面Saの粘着力を利用しての転写貼付が可能となる。
(5)毛髪Oの移転貼着:
図示の実施形態の採取シールSは、上記採取面Sa以外の部位が非粘着面Sbとされているので、上記(4)の貼着固定作業により毛髪Oを一旦採取物貼付用台紙P上に貼着固定した後に、他の採取物貼付用台紙(図示省略)に移転貼着固定する際も、図7(e)に示すように、上記採取シールSの非粘着面Sb部位を手指にて摘んで持ち上げることで、採取シールSを上記採取物貼付用台紙Pから容易に剥がすことができ、これにより、毛髪Oの他の採取物貼付用台紙への移転貼着固定や上記採取物貼付用台紙Pに対する貼り直しが容易かつ迅速に行える。
なお、上記移転貼着または貼り直しの際、採取シールSの非粘着面Sb部位が目印マークMbにより目視表示されているので、この目印マークMbを目印として、非粘着面Sb部位を手指にて摘むことができる。
以上詳述したように、本実施形態の採取装置1によれば、片手による手持ち操作可能な装置ケース2内に、採取シールS、S、…を貼着保持してなる採取テープTが繰出し供給可能に装填されるとともに、上記装置ケース2の先端部2aに、上記採取テープTの基材テープ25から採取シールSを剥離供給する剥離ヘッドHが設けられてなり、この剥離ヘッドHにより仮剥離状態で保持された採取シールSの粘着面Saが、毛髪(鑑識対象物)Oを貼着採取する採取面として機能する構成とされているから、繰出し供給される上記採取テープTの最先端に貼着保持される採取シールSを、上記剥離ヘッドHにより仮剥離した状態のまま保持して、この採取シールSの採取面Saにより毛髪Oを貼着して採取することができる。
したがって、鑑識係官等の作業者は、採取シールSに直接手を触れることなく鑑識対象物である毛髪Oを採取することができ、その取り扱いが簡単容易であるとともに、採取シールSの採取面Saに採取対象物である毛髪O以外の、例えば作業者の手指の付着物や汗、油等の鑑識作業に弊害となる物が付着する可能性が低く、高精度な鑑識を行うことができる。
また、上記採取テープSが、基材テープ25の表面に、多数の採取シールS、S、…が所定間隔をもって剥離可能に貼着保持されてなり、この採取シールSが、採取した毛髪Oを貼着する採取物貼付用台紙(鑑識用台紙)P、例えば台紙の貼付面積に対応した形状寸法を有する矩形短冊状の粘着シールSの形態とされることにより、従来のような、鑑識係官等の作業者による鑑識用粘着テープの事前準備作業がまったく不要で、仕事効率が良く、また、採取テープTは装置ケース2内に装填されているので、持ち運びや取り扱いが容易で、採取シールSの採取面Saも有効に保護され得る。
実施形態2
本実施形態は図8に示されており、実施形態1における採取テープTを装置ケース2から繰り出すためのテープ繰出し手段の構造が改変されたものである。
すなわち、本実施形態の装置ケース2においては、操作窓2bが装置ケース2の頂部、より具体的には、キャップ本体8の頂部における繰出リール5の配設位置に上向き開放状に設けられて、テープ繰出し手段が構成されている。
これに対応して、繰出リール5における環状ゴム部材11の巻き掛け部位の外側位置に回転操作部50が一体形成されてなり、この回転操作部50は、繰出リール5と同心の円板状に形成された操作フランジの形態とされ、上記操作窓2bと協働して、テープ繰出し手段を構成している。この操作フランジ50の外周部50aは、上記操作窓2bから装置ケース2の外部に臨んでおり、手指により操作窓2bを介して操作フランジ50を直接回転操作することができる構成とされている。この目的のため、操作フランジ50の外周には、滑り止め用のセレーション51が形成されている。
しかして、以上のように構成された採取装置1においては、実施形態1のような操作ダイヤル12が不要なため、事件現場への移動の際など、採取装置1のみ携帯すればよく、操作ダイヤル12の破損、紛失等による使用困難な状況は生じない。
また、採取装置1の使用に際しても、手指により操作フランジ50を繰出し方向Xへ回転操作することにより、採取テープTを装置ケース2から所定量繰出し供給して、この採取テープTの最先端に貼着保持される採取シールSを、剥離ヘッドHの先端縁Haにより一部剥離した仮剥離状態とさせることができる。
その他の構成および作用は実施形態1と同様である。
なお、上述した実施形態はあくまでも本発明の好適な実施態様を示すものであって、本発明はこれに限定されることなく、その範囲内で種々の設計変更が可能である。
例えば、剥離ヘッドHや、採取テープTあるいは採取シールSなどの具体的な構造は、前述した実施形態1および2のものに限定されず、同様な機能を有する範囲内において種々設計変更可能である。
また、図示の実施形態1および2のいずれにおいても、採取テープTを繰出し操作するためのテープ繰出し手段が繰出リール5側に設けられているが、巻取リール6側に設けられても良い。
本発明の実施形態1である鑑識対象物の採取装置の全体構成を示す斜視図である。 同じく同採取装置の全体構成を示し、図2(a)は正面図、図2(b)は同採取装置の装置ケース内部を示す正面図である。 同採取装置の剥離ヘッドの部位を拡大して示し、図3(a)は採取シールの仮剥離状態を示す斜視図、図3(b)は同じく同採取シールの仮剥離状態を示す平面図である。 同じく同採取装置の剥離ヘッドにおける採取シールの仮剥離状態を拡大して示す正面断面図である。 同採取装置の採取テープを示し、図5(a)は平面図、図(b)は基材テープと採取シールの積層状態を示す断面図、図5(c)は基材テープと採取シールが剥離する状態を示す断面図である。 同採取装置のテープ繰出し手段を示し、図6(a)は繰出リールと操作ダイヤルの関係を非係合状態で示す斜視図、図6(b)は同操作ダイヤルの係合部の構造を示す斜視図である。 同採取装置による鑑識対象物の採取方法を説明するための採取作業説明図である。 本発明の実施形態2である鑑識対象物の採取装置を示し、図8(a)は採取テープを繰出し操作するためのテープ繰出し手段を示す正面図、図8(b)は同軸同テープ繰出し手段を示す平面図である。
符号の説明
S 採取シール
Sa 採取シールの採取面(粘着面)
Sb 採取シールの非粘着面
Ma、Mb 採取シールの目印マーク
T 採取テープ
H 剥離ヘッド
Ha 剥離ヘッドの先端縁(先端加圧部)
O 毛髪(鑑識対象物)
P 採取物貼付用台紙(鑑識用台紙)
1 採取装置
2 装置ケース
2b 装置ケースの操作窓(テープ繰出し手段)
5 繰出リール
5a 繰出リールの軸部(テープ繰出し手段)
6 巻取リール
10 保護キャップ
11 環状ゴム部材(テープ連動手段)
12 操作ダイヤル(テープ繰出し手段)
25 基材テープ
28 本体シート
29 感圧粘着剤層
40 操作ダイヤルの回転操作部
41 操作ダイヤルの回転軸
42 繰出リールの操作ダイヤルの係合凸部
45 繰出リールの回転軸の中心穴
46 繰出リールの回転軸の係合凹部
50 操作フランジ(テープ繰出し手段)

Claims (32)

  1. 犯罪現場における証拠物件を採取して科学的に鑑定する鑑識において、鑑識対象物を採取するものであって、
    片手による手持ち操作可能な装置ケース内に、採取シールを貼着保持してなる採取テープが繰出し供給可能に装填されるとともに、前記装置ケースの先端部に、前記採取テープの基材テープから前記採取シールを剥離供給する剥離ヘッドが設けられてなり、
    前記剥離ヘッドにより仮剥離状態で保持された採取シールの粘着面が、鑑識対象物を貼着採取する採取面として機能する構成とされている
    ことを特徴とする鑑識対象物の採取装置。
  2. 前記装置ケースの外部から手動で前記採取テープを繰出し操作するためのテープ繰出し手段を備え、
    このテープ繰出し手段の繰出し操作により、前記採取テープが所定量繰出されて、採取テープ上に貼着保持される最前部の採取シールが、前記剥離ヘッドにより一部剥離されて仮剥離状態で保持される
    ことを特徴とする請求項1に記載の鑑識対象物の採取装置。
  3. 犯罪現場における証拠物件を採取して科学的に鑑定する鑑識において、鑑識対象物を採取するものであって、
    片手による手持ち操作可能な装置ケースと、
    この装置ケース内に回転可能に装着されて、採取シールを貼付保持してなる採取テープを巻装した繰出リールと、
    前記装置ケース内に回転可能に装着されて、使用後の前記採取テープを巻取り回収する巻取リールと、
    前記装置ケースの先端部分に配設されて、前記繰出リールから繰出される採取テープに貼付保持される前記採取シールを剥離供給する剥離ヘッドとを備えてなり、
    前記剥離ヘッドにより仮剥離状態で保持された採取シールの粘着面が、鑑識対象物を貼着採取する採取面として機能する構成とされている
    ことを特徴とする鑑識対象物の採取装置。
  4. 前記剥離ヘッドは、前記採取テープを採取物貼付用台紙上に加圧する直線状の先端加圧部を有する
    ことを特徴とする請求項1または3に記載の鑑識対象物の採取装置。
  5. 前記装置ケースの外部から手動で前記採取テープを繰出し操作するためのテープ繰出し手段を備え、
    このテープ繰出し手段の繰出し操作により、前記繰出リール上の採取テープが所定量繰出されて、採取テープ上に貼着保持される最前部の採取シールが、前記剥離ヘッドにより一部剥離されて仮剥離状態で保持される
    ことを特徴とする請求項3に記載の鑑識対象物の採取装置。
  6. 前記装置ケースは、前記繰出リールまたは巻取リールの一部が外部に臨む開口を備え、
    この開口が前記繰出リールまたは巻取リールを回転操作する操作窓として機能して、前記テープ繰出し手段が構成されている
    ことを特徴とする請求項5に記載の鑑識対象物の採取装置。
  7. 前記操作窓に、前記繰出リールまたは巻取リールの軸部が外部に臨むとともに、この操作窓から外部に望む前記軸部の部位に、操作ダイヤルと回転係合する係合部が設けられてなり、
    前記操作ダイヤルは、円板状の回転操作部と、この回転操作部の回転中心位置に一体的に設けられ、前記軸部の係合部に軸部と同軸状にかつ係脱可能に回転係合する回転軸とからなり、
    前記軸部に回転係合された前記操作ダイヤルの回転操作により、前記採取テープが装置ケースから繰出される構成とされている
    ことを特徴とする請求項6に記載の鑑識対象物の採取装置。
  8. 前記操作窓に、前記繰出リールまたは巻取リールと一体に設けられた回転操作部が臨み、
    この回転操作部は、前記一体に設けられたリールと同心の円板状に形成された操作フランジの形態とされ、
    この操作フランジの回転操作により、前記採取テープが装置ケースから繰出される構成とされている
    ことを特徴とする請求項6に記載の鑑識対象物の採取装置。
  9. 前記採取テープは、基材テープの表面に、多数の採取シールが所定間隔をもって剥離可能に貼着保持されてなり、
    この採取シールは、採取した鑑識対象物を貼着する鑑識用台紙の貼付面積に対応した形状寸法を有する矩形短冊状の粘着シールの形態とされている
    ことを特徴とする請求項1または3に記載の鑑識対象物の採取装置。
  10. 前記採取シールは、透明性材料からなる本体シートの一部に感圧粘着剤層が一体的に積層形成されてなり、この感圧粘着材層部分が前記採取面を形成している
    ことを特徴とする請求項9に記載の鑑識対象物の採取装置。
  11. 前記感圧接着剤層の粘着力は、前記基材テープに対する貼着保持力よりも大きく設定されている
    ことを特徴とする請求項9または10に記載の鑑識対象物の採取装置。
  12. 前記採取シールは、その先端縁から所定の長さ方向部位が、前記感圧粘着剤層からなる採取面とされるとともに、この採取面以外の部位が非粘着面とされている
    ことを特徴とする請求項9から11のいずれか一つに記載の鑑識対象物の採取装置。
  13. 前記採取シールの一部に彩色が施されて、採取シールの所定部位を目視表示する目印マークが形成されている
    ことを特徴とする請求項9から12のいずれか一つに記載の鑑識対象物の採取装置。
  14. 前記採取シールの先端部位に前記目印マークが形成されて、採取シール先端部位を目視表示する構成とされている。
    ことを特徴とする請求項13に記載の鑑識対象物の採取装置。
  15. 前記採取シールにおける前記非粘着面部位に前記目印マークが形成されて、非粘着面部位を目視表示する構成とされている
    ことを特徴とする請求項13に記載の鑑識対象物の採取装置。
  16. 請求項1から7のいずれか一つに記載の鑑識対象物の採取装置に装填使用される採取テープであって、
    基材テープの表面に、多数の採取シールが所定間隔をもって剥離可能に貼着保持されてなり、
    この採取シールは、採取した鑑識対象物を貼着する鑑識用台紙の貼付面積に対応した形状寸法を有する矩形短冊状の粘着シールの形態とされている
    ことを特徴とする鑑識対象物の採取テープ。
  17. 前記採取シールは、透明性材料からなる本体シートの一部に感圧粘着剤層が一体的に積層形成されてなるとともに、この感圧粘着材層部分が前記採取面を形成し、
    この採取シールが、前記基材テープの表面に、前記本体シートを介して剥離可能に貼着保持されている
    ことを特徴とする請求項16に記載の鑑識対象物の採取テープ。
  18. 前記感圧接着剤層の粘着力は、前記基材テープに対する貼着保持力よりも大きく設定されている
    ことを特徴とする請求項16または17に記載の鑑識対象物の採取テープ。
  19. 前記採取シールは、その先端縁から所定の長さ方向部位が、前記感圧粘着剤層からなる採取面とされるとともに、この採取面以外の部位が非粘着面とされている
    ことを特徴とする請求項16から18のいずれか一つに記載の鑑識対象物の採取テープ。
  20. 前記採取シールの一部に彩色が施されて、採取シールの所定部位を目視表示する目印マークが形成されている
    ことを特徴とする請求項16から19のいずれか一つに記載の鑑識対象物の採取テープ。
  21. 前記採取シールの先端部位に前記目印マークが形成されて、採取シール先端部位を目視表示する構成とされている。
    ことを特徴とする請求項20に記載の鑑識対象物の採取テープ。
  22. 前記採取シールにおける前記非粘着面部位に前記目印マークが形成されて、非粘着面部位を目視表示する構成とされている
    ことを特徴とする請求項18に記載の鑑識対象物の採取テープ。
  23. 犯罪現場における証拠物件を採取して科学的に鑑定する鑑識において、請求項1または3に記載の採取装置により鑑識対象物を採取する方法であって、
    (1)前記装置ケースから前記採取テープを繰出し供給して、この採取テープの最先端に貼着保持される採取シールを、前記剥離ヘッドにより仮剥離するとともに、この仮剥離状態のまま保持する工程と、
    (2)前記剥離ヘッドに仮剥離状態で保持された採取シールの採取面により、鑑識対象物を貼着して採取する工程と、
    (3)前記採取テープ上の鑑識対象物を貼着採取した採取シールを、前記採取テープから剥離して、採取物貼付用台紙上に位置決めしながら貼付して、この採取シールにより前記鑑識対象物を採取物貼付用台紙上に貼着固定する工程とを備えてなる
    ことを特徴とする鑑識対象物の採取方法。
  24. 前記採取シールが前記剥離ヘッドに仮剥離状態で保持されたとき、前記採取シールの採取面が前記剥離ヘッドの先端縁から前方に突出している
    ことを特徴とする請求項23に記載の鑑識対象物の採取方法。
  25. 前記剥離ヘッドは、前記採取テープを採取物貼付用台紙上に加圧する直線状の先端加圧部を有し、
    前記(3)の工程において、前記採取シールの採取面により鑑識対象物を貼着して採取した後、前記剥離ヘッドの先端加圧部により、前記採取テープ上の鑑識対象物を貼着採取した採取シールを採取物貼付用台紙上に位置決めしながら加圧して、前記採取シールを採取物貼付用台紙に転写貼付するとともに、前記採取物貼付用台紙上の前記採取シールの表面を手指にて押圧して、この採取シールにより前記鑑識対象物を採取物貼付用台紙上に貼着固定する
    ことを特徴とする請求項23に記載の鑑識対象物の採取方法。
  26. 前記剥離ヘッドの先端加圧部により、前記採取シールを採取物貼付用台紙上に加圧して転写貼付するに際して、前記採取シールの採取面の粘着力を利用する
    ことを特徴とする請求項25に記載の鑑識対象物の採取方法。
  27. 前記採取装置は、前記装置ケースの外部から手動で前記採取テープを繰出し操作するためのテープ繰出し手段を備え、
    前記(1)の工程において、前記テープ繰出し手段の繰出し操作により、前記繰出リール上の採取テープを所定量繰出して、採取テープ上に貼着保持される最前部の採取シールを、前記剥離ヘッドにより一部剥離させて仮剥離状態で保持する
    ことを特徴とする請求項23に記載の鑑識対象物の採取方法。
  28. 前記採取装置は、前記装置ケース内に、採取シールを貼付保持してなる採取テープを巻装した繰出リールと、使用後の前記採取テープを巻取り回収する巻取リールとが回転可能に装着されてなるとともに、前記装置ケースに、前記繰出リールまたは巻取リールの一部が外部に臨む開口を備え、この開口が前記繰出リールまたは巻取リールを回転操作する操作窓として機能して、前記テープ繰出し手段が構成され、
    前記(1)の工程において、前記操作窓を介して前記繰出リールまたは巻取リールを回転操作することにより、前記繰出リール上の採取テープを所定量繰出して、採取テープ上に貼着保持される最前部の採取シールを、前記剥離ヘッドにより一部剥離させて仮剥離状態で保持する
    ことを特徴とする請求項27に記載の鑑識対象物の採取方法。
  29. 前記操作窓に、前記繰出リールまたは巻取リールの軸部が外部に臨むとともに、この操作窓から外部に望む前記軸部の部位に、操作ダイヤルと係脱可能に回転係合する係合部が設けられてなり、
    前記(1)の工程において、前記操作ダイヤルを前記軸部に回転係合させた状態で、この操作ダイヤルを回転操作することにより、前記採取テープを装置ケースから繰出し供給する
    ことを特徴とする請求項28に記載の鑑識対象物の採取方法。
  30. 前記操作窓に、前記繰出リールまたは巻取リールと一体に設けられた回転操作部が臨み、この回転操作部は、前記一体に設けられたリールと同心の円板状に形成された操作フランジの形態とされ、
    前記(1)の工程において、前記操作フランジを回転操作することにより、前記採取テープを装置ケースから繰出し供給する
    ことを特徴とする請求項28に記載の鑑識対象物の採取方法。
  31. 前記採取シールは、その先端部位に彩色が施されて、採取シール先端部位を目視表示する目印マークが形成され、
    前記(1)の工程において、前記採取シール先端部位の目印マークを、前記採取テープを装置ケースから繰出し供給する際の目印とする
    ことを特徴とする請求項23に記載の鑑識対象物の採取方法。
  32. 前記採取シールは、その先端縁から所定の長さ方向部位が、前記感圧粘着剤層からなる採取面とされるとともに、この採取面以外の部位が非粘着面とされてなり、
    前記(3)の工程により前記鑑識対象物を採取物貼付用台紙上に貼着固定した後、前記採取シールの非粘着面部位を手指にて摘んで採取シールを前記採取物貼付用台紙から剥離させることにより、前記鑑識対象物を他の採取物貼付用台紙に移転貼着固定する
    ことを特徴とする請求項23に記載の鑑識対象物の採取方法。
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