JP2009135608A - 半導体装置 - Google Patents

半導体装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2009135608A
JP2009135608A JP2007307919A JP2007307919A JP2009135608A JP 2009135608 A JP2009135608 A JP 2009135608A JP 2007307919 A JP2007307919 A JP 2007307919A JP 2007307919 A JP2007307919 A JP 2007307919A JP 2009135608 A JP2009135608 A JP 2009135608A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
output
amplifier
power amplifier
transistor
distributed constant
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2007307919A
Other languages
English (en)
Inventor
Masaaki Nishijima
将明 西嶋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Corp
Original Assignee
Panasonic Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Panasonic Corp filed Critical Panasonic Corp
Priority to JP2007307919A priority Critical patent/JP2009135608A/ja
Publication of JP2009135608A publication Critical patent/JP2009135608A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Amplifiers (AREA)
  • Microwave Amplifiers (AREA)

Abstract

【課題】高周波数帯で高出力及び高効率な特性並びに低消費電力の半導体装置を提供する。
【解決手段】高周波電力増幅器であって、III−V族窒化物半導体から構成された高周波電力を増幅するFETを有する最終段パワーアンプ101及びドライバー段アンプ103と、商用電源105から供給される交流電圧を直流電圧に変換する整流回路106を有し、直流電圧を最終段パワーアンプ101及びドライバー段アンプ103のFETのドレインに印加するドレイン電圧源102とを備える。
【選択図】図1A

Description

本発明は、半導体装置に関し、特に電子レンジなどの加熱に用いられるマイクロ波の電力源としての高周波電力増幅器に関連する。
誘電率を有する被加熱体を加熱する方法として、マイクロ波の電磁波を利用することが一般的に行われる。このマイクロ波の電磁波を利用した加熱では、電子管のマグネトロンを発振させ、その発振出力をキャビティーに輻射して、被加熱体の加熱が行われる。例えば、電子レンジでは上記のキャビティーは、オーブンと称する被加熱体を挿入する空間に相当する。マグネトロンは陽極電圧が高く、陽極電圧には数千ボルトの電圧が印加される。通常、上記のような加熱装置では一台のマグネトロンが使用される。
マイクロ波の電磁波の被加熱体への浸透の程度及び加熱効率は、マイクロ波の周波数に依存する。周波数が低い程、内部に浸透し、加熱の効率は周波数が高い程、高くなる。
従来のマグネトロンでは単数のマグネトロンを使用することもあり、被加熱体の均一な温度上昇の実現と、マイクロ波の出力電力及び周波数を変えることは容易でない。マグネトロンは電圧と磁界との相互関係で動作しているため、電子レンジの出力を変えることは難しい。さらに、発振周波数はマグネトロンの電極構造に依存するため、電子レンジに搭載された単体のマグネトロンで発振周波数を変えることは困難である。
そこで、電子レンジのキャビティー内に複数の照射用アンテナを配置し、各アンテナに対してマイクロ波電力供給装置としてマグネトロンの代わりに固体素子であるトランジスタ発振器及び増幅器を適用した構成が用いられる。これにより電子レンジの出力及び発信周波数を可変にすることが可能となる。特許文献1では、従来の形態におけるシリコンカーバイド(SiC)材料から構成されるトランジスタ増幅器を用いた高周波電力増幅器が述べられている。図6は、この高周波電力増幅器の構成を示す上面図である。
この高周波電力増幅器は、増幅段14、16、18及び20と、信号分離装置28と、信号分離装置28を介して各増幅段と接続され、各増幅段を駆動する駆動段12と、各増幅段の信号を結合する信号結合装置48とを備える。この高周波電力増幅器では、周波数600MHz、ドレイン電圧95Vで1000Wクラスの出力電力が得られる。
米国特許第5726605号明細書
しかしながら、従来のシリコンカーバイド(SiC)材料を用いた高周波電力増幅器では、例えば2.45GHz帯のより高い動作周波数で、高出力及び高効率な特性並びに低消費電力を実現することが難しいという課題がある。
そこで、本発明は、上記課題に鑑み、高周波数帯で高出力及び高効率な特性並びに低消費電力の半導体装置を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明に係る半導体装置は、III-V族窒化物半導体から構成された高周波電力を増幅するトランジスタを有するアンプと、商用電源から供給される交流電圧を直流電圧に変換する整流回路を有し、前記直流電圧を前記トランジスタのドレインに供給する電圧供給回路とを備えることを特徴とする。
ここで、前記半導体装置は、さらに、2.4〜2.5GHz帯の高周波電力を発生し、前記アンプに供給する発振器を備えてもよい。
これにより、アンプのトランジスタ増幅器には高耐圧のIII−V族窒化物半導体が用いられることとなる。従って、変圧回路を介さずに商用電源を用いてアンプにドレイン電圧を供給できるので、高周波電力増幅器の小型化、低コスト化及び低消費電力化を実現できる。
また、アンプにはIII−V族窒化物半導体から構成されるトランジスタ増幅器が用いられる。III−V族窒化物半導体はその物性により、Si、GaAs、SiCなどの材料系に比べて、高周波特性に優れた材料である。従って、高周波数帯で高出力及び高効率な特性並びに低消費電力の高周波電力増幅器を実現できる。
ここで、前記アンプは、さらに、前記トランジスタの出力側と接続された出力インピーダンス整合回路を有し、前記出力インピーダンス整合回路は、特性インピーダンスが50オーム以上の第一の分布定数線路と、前記第一の分布定数線路の一端と接続された特性インピーダンスが50オーム未満の第二の分布定数線路と、前記第一の分布定数線路の他端及び前記トランジスタの出力側を接続するボンディングワイヤとを有してもよい。
また、前記出力インピーダンス整合回路の前記トランジスタからみたインピーダンスは、前記トランジスタの出力電力が最大となるときの前記トランジスタの出力インピーダンスに略等しくてもよい。
また、前記第一の分布定数線路の幅は、前記第二の分布定数線路の幅より狭くてもよい。
これにより、基板上に分布定数線路を形成した形で出力インピーダンス整合回路が構成される。従って、アンプのトランジスタ近傍に高誘電率基板を用いた整合回路を設ける必要がなくなるので、低コスト化とともに、高周波損失の低減及び回路小型化を図ることができる。
本発明の半導体装置は、2.4〜2.5GHz帯の高周波数帯で動作する、高出力及び高効率な特性並びに低消費電力の高周波電力増幅器を実現することができる。また、高周波電力増幅器の小型化、低コスト化及び低消費電力化を実現することができる。また、出力インピーダンス整合回路での高周波損失の低減及び回路小型化を実現することができる。
以下、本発明の実施の形態に係る高周波電力増幅器について、図面を参照しながら詳細に説明する。
図1Aは本実施の形態の高周波電力増幅器の概略構成を示す図である。
この高周波電力増幅器は、本発明の半導体装置の一例であり、最終段パワーアンプ101、ドレイン電圧源102、ドライバー段アンプ103及び発振段104から構成される。
例えば最終段パワーアンプ101はゲート幅36mm、ゲート長0.5ミクロンでマルチフィンガータイプのデプレッション型FETを有する。このFETは、III−V族窒化物半導体、例えばガリウムナイトライド(GaN)から構成され、発振段104からの高周波電力を増幅する。ドレイン電圧源102は、最終段パワーアンプ101及びドライバー段アンプ103におけるFETのドレインに、抵抗を介して140Vの直流電圧を供給する。最終段パワーアンプ101及びドライバー段アンプ103におけるFETのゲートには、DC−DCコンバータ等を介して例えば−2V又は−3Vの負電圧が供給される。発振段104は、2.4〜2.5GHz帯の高周波電力を発生し、発生した高周波電力をドライバー段アンプ103に供給する周波数可変の発振器を有する。
図1Bは、ドレイン電圧源102の構成を示す回路図である。
このドレイン電圧源102は、本発明の電圧供給回路の一例であり、商用電源105と接続される整流回路106から構成される。ドレイン電圧源102は、ダイオードから構成される整流回路106により商用電源105から供給される交流電圧を140Vの直流電圧に変換し、直流電圧を最終段パワーアンプ101及びドライバー段アンプ103のFETのドレインに供給する。
現在の電子レンジで用いられるマグネトロンは陽極電圧が高く、マグネトロンの陽極電極には数千ボルトを印加する必要があり、このようなマグネトロンを用いた電子レンジでは昇圧回路が必要とされる。しかしながら、本実施の形態の高周波電力増幅器によれば、マグネトロンの代わりにトランジスタ発振器が用いられるため、昇圧が不要となり、電子レンジの小型化及び低消費電力化を実現できる。
また、本実施の形態の高周波電力増幅器によれば、最終段パワーアンプ101及びドライバー段アンプ103のトランジスタ増幅器には高耐圧のIII−V族窒化物半導体が用いられる。従って、変圧回路を介さずに商用電源105を利用して最終段パワーアンプ101及びドライバー段アンプ103にドレイン電圧を供給できるので、さらなる高周波電力増幅器の小型化及び低消費電力化を実現できる。
また、本実施の形態の高周波電力増幅器によれば、最終段パワーアンプ101及びドライバー段アンプ103にはIII−V族窒化物半導体から構成されるトランジスタ増幅器が用いられる。III−V族窒化物半導体はその物性により、Si、GaAs、SiCなどの材料系に比べて、高周波特性に優れた材料である。従って、例えば2.45GHz帯の高い動作周波数で高出力及び高効率な特性並びに低消費電力の高周波電力増幅器を実現できる。
また、本実施の形態の高周波電力増幅器によれば、2.4〜2.5GHz帯の高周波電力を発生する発振段を有する。従って、電子レンジ用の高周波電力増幅器を実現できる。
図2Aは本実施の形態の高周波電力増幅器の最終段パワーアンプ101の構成を示す回路図である。図2Bは、最終段パワーアンプ101のFETの電流電圧特性を示す図である。図2Cは、同FETの出力インピーダンスのスミスチャートを示す図である。なお、図2Bにおいて点線は電源電圧Vddが30Vの場合の負荷線を示し、一点鎖線は電源電圧Vddが140Vの場合の負荷線を示している。それぞれの負荷線の傾きは、FETの負荷インピーダンスをRL1及びRL2とした場合、1/RL1及び1/RL2と表せる。
最終段パワーアンプ101は、III−V族窒化物半導体、例えばガリウムナイトライド製のFET201、出力インピーダンス整合回路204、入力インピーダンス整合回路205、第三の分布定数線路206、バイパスコンデンサ207、入力端子208及び出力端子209から構成される。
出力インピーダンス整合回路204は、ボンディングワイヤ200、第一の分布定数線路202及び第二の分布定数線路203から構成される。出力インピーダンス整合回路204は、FET201のパワー(出力電力)が最大となるFET201の負荷インピーダンスを実現するための回路であり、出力インピーダンス整合回路204のFET201からみたインピーダンスはFET201の出力電力が最大となるときのFET201の出力インピーダンスに略等しい。出力インピーダンス整合回路204は、FET201の出力側(ドレイン)と接続され、FET201の出力インピーダンスを変換する。入力インピーダンス整合回路205は、段間整合回路であり、ドライバー段アンプ103の出力インピーダンスとFET201の入力インピーダンスとのインピーダンス整合を行う。
第一の分布定数線路202は、マイクロストリップ線路であり、誘電率3.45の厚さ1.0mmの基板上に形成され、50Ω以上、例えば50Ωの特性インピーダンスを有する。第一の分布定数線路202の一端は、ボンディングワイヤ200を介してFET201の出力側と接続されている。第二の分布定数線路203は、マイクロストリップ線路であり、誘電率3.45の厚さ1.0mmの基板上に形成され、50Ω未満、例えば35Ωの特性インピーダンスを有する。第二の分布定数線路203の一端は、第一の分布定数線路202の他端と接続されている。第一の分布定数線路202及び第二の分布定数線路203はグラウンドプレーンと対向する導電性の線路パターンであり、第一の分布定数線路202の線路パターンの幅は第二の分布定数線路203の線路パターンの幅よりも狭くなるように構成されている。バイパスコンデンサ207は、FET201のドレインの高周波電力がドレイン電圧源102に回り込むのを防止する。
例えば、第一の分布定数線路202の線路パターン、および第二の分布定数線路203の線路パターンの幅は、それぞれ、4mm、14mm、長さはそれぞれ3.4mm、7mmに設定することができる。
図2Bより、FET201の電源電圧を30Vから140V程度に昇圧することにより、FET201のパワーが最大となる(Vdsの振れ幅が最大となる)負荷線の傾きが大きくなる(FETの負荷インピーダンスが大きくなる)ことがわかる。従って、FET201のパワーが最大となる高周波的な出力インピーダンス整合回路204の入力インピーダンスは、電源電圧が30Vにおける1Ω以下の低インピーダンス値に対して6Ω程度に高くなる。
図2Cから、FET201の出力インピーダンスが6Ω程度と高くなるが、出力インピーダンス整合回路204により、出力端子209から出力される高周波電力の出力インピーダンス(50Ω)に、ガリウムナイトライド製FET201の出力インピーダンスが変換されていることがわかる。
以上のように本実施の形態の高周波電力増幅器によれば、基板上に分布定数線路を形成した形で出力インピーダンス整合回路204が構成される。
図3Aは、最終段パワーアンプ101の構成を示す外観図である。図3Bは、最終段パワーアンプ101が実装される様子を示す断面図である。図3Cは最終段パワーアンプ101の構成を示す図である。図3Dは、最終段パワーアンプ101のGaNチップの構成を示す上面図である。なお、ドライバー段アンプ103は図3A〜3Dに示した構成と同様の構成を有する。
最終段パワーアンプ101は、図3Aに示されるように、出力リード301、入力リード302、ボンディングワイヤ303、セラミック基板304、メタルフランジ305、GaNチップ306、メタライズフレーム307、入力インピーダンス変換用基板308及び出力インピーダンス変換用基板309から構成される。
最終段パワーアンプ101つまりメタライズフレーム307は、図3Bに示されるように、誘電体基板312に挟み込まれる形で金属ベース311上に配設される。
メタルフランジ305には、実装用ねじ止め穴305aが設けられている。
入力インピーダンス変換用基板308の上面には、入力インピーダンス整合回路205が形成されている。具体的には、図3Cに示されるように、異なる線路幅の分布定数線路308a及び308bが形成されている。
出力インピーダンス変換用基板309の上面には、異なる線路幅の第一の分布定数線路202及び第二の分布定数線路203、並びに第三の分布定数線路206及びバイパスコンデンサ207が形成されている。
GaNチップ306はトランジスタチップであり、その上面にはFET201が形成されている。具体的には、図3Dに示されるように、ワイヤボンディング用ドレインパッド401、ワイヤボンディング用ゲートパッド402、ワイヤボンディング用ソースパッド403、ゲート電極404、ソース電極405及びドレイン電極406が形成されている。
上記のように出力インピーダンスが6Ω程度であれば、FETの近傍に高誘電率基板を用いた整合回路を設ける必要がなくなるので、低コスト化とともに、高周波損失の低減及び回路小型化を図ることができる。
しかしながら、デバイスのゲート幅などによっては、図2CのZoutのインピーダンスがさらに低くなってしまう(実抵抗成分が低くなってしまう)場合がある。その場合には、上記分布定数線路のみで出力インピーダンス整合回路を形成することは困難となる。その際はFETの近傍に高誘電率基板を用いた整合回路を設ける必要があり、これにより高周波損失の低減及び回路小型化による低コスト化を図ることができる。
図4Aは、最終段パワーアンプ101の構成の詳細を示す外観図である。
セラミック基板ベースのパッケージ530中に、ゲート幅36mmのGaNチップ500、入力内部整合基板510及び出力内部整合基板520が実装されている。GaNチップ500、入力内部整合基板510及び出力内部整合基板520は、ゲートワイヤ560及びドレインワイヤ570で接続されている。入力内部整合基板510、出力内部整合基板520の誘電率はそれぞれ、38、20であり、厚さはそれぞれ0.2mm、0.6mmである。入力内部整合基板510及び出力内部整合基板520上には、インピーダンス変成を行うためのパターンがメッキ厚8μmの金メッキで形成されている。
入力内部整合基板510の長さは2.8mm、幅は5.7mmであり、出力内部整合基板520の長さは4.2mm、幅は5.7mmである。入力内部整合基板510の主要線路幅は0.5mm、出力内部整合基板520の主要線路幅は1.5mmである。ここで主要線路は、2.4〜2.5GHz帯の高周波信号が伝送する線路に相当する。
GaNチップ306はトランジスタチップであり、その上面にはFET201が形成されている。具体的には、図4Bに示されるように、ワイヤボンディング用ドレインパッド601、ワイヤボンディング用ゲートパッド602、ワイヤボンディング用ソースパッド603、ゲート電極604、ソース電極605及びドレイン電極606が形成されている。
ゲート幅36mmのトランジスタでは、入出力インピーダンスは、低インピーダンスとなる。ここでのインピーダンスの基準面は、図4Bに示されるように、トランジスタが形成されているGaNチップ500上のワイヤボンディング用ゲートパッド602、ワイヤボンディング用ドレインパッド601端である。例えば、図4Cのスミスチャートの拡大図に示されるように、入力インピーダンスの実抵抗成分は、2.4〜2.5GHz帯で1Ω以下、出力インピーダンスの実抵抗成分は、2.4〜2.5GHz帯で2〜3Ωである。
このような、低インピーダンスのトランジスタを入出力50Ωに整合させるためには、インピーダンス変成を行う回路が必要である。その際に、図4Aに示されている入力プリマッチング回路540及び出力プリマッチング回路550を構成すると、トランジスタの近傍で、できるだけインピーダンスを高くすることが可能となる。これにより、高周波伝送損失の低減、回路面積の小型化が実現できる。
入力プリマッチング回路540及び出力プリマッチング回路550は、ボンディング用金ワイヤ(直径25μm)と上記入力内部整合基板510及び出力内部整合基板520上のパターンを用いて構成される。図4Aの破線部がその部分を表している。入力内部整合基板510上では長方形型のパターン、出力内部整合基板520上では正方形型のパターンとしてプリマッチング回路が形成されている。このパターンは、整合基板を誘電体とし基板裏面を接地面とした容量性素子と、基板裏面を接地面としたマイクロストリップラインによる誘導性素子とを等価回路上の集中定数素子とする分布定数線路として動作する。
入力プリマッチング回路540のパターンの長さ、幅は、それぞれ2.0mm、0.3mmであり、ボンディング用金ワイヤ(直径25μm)の長さは、約0.5mmである。出力プリマッチング回路550のパターンの長さ、幅は、それぞれ0.2mm、0.2mmである。
図4Cに示されるように、入出力にプリマッチング回路を挿入することにより、トランジスタのパッド端でのインピーダンスを高く変成することができる。入力インピーダンスZinに対しては、プリマッチング回路無しではZin=(0.75−j*0.25)ohmに対して、プリマッチング回路の挿入によりZin=(1.05−j*1.1)ohmとなる。出力インピーダンスZoutに対しては、プリマッチング回路無しではZout=(2.4−j*2.4)ohmに対して、プリマッチング回路の挿入によりZout=(3.15−j*2.05)ohmとなる。このように、プリマッチング回路の挿入により、挿入無しの場合に比べて、Zin及びZoutの実抵抗成分が高くなっていることがわかる。Zinでは0.75ohmが1.05ohm、Zoutでは2.4ohmが3.15ohmとなる。
トランジスタの上記パッド端のインピーダンスが低い状態のまま、つまりプリマッチング回路を用いない状態でトランジスタのパッドに、損失を有する回路素子が直列接続されると、高周波の伝送時に大きな高周波損失を引き起こす。例えば、パッドに接続されるワイヤが長くなり過ぎる場合には、図4Cのマーカで示したインピーダンスを基点として、インピーダンスがスミスチャート上の等リアクタンス円に沿って時計周りに動くため、この段階では50Ωへインピーダンス整合することは困難となる。この場合、マイクロストリップラインなどを用いて、スミスチャート上でインピーダンスをほぼ一周回転させる必要があり、それに要するマイクロストリップライン自体の抵抗損失分が、上記の高周波伝送損失の増加をもたらす。
図4Dは図4Aに示された構成の等価回路を示している。この等価回路は、上記で説明した整合基板上のパターンとボンディングワイヤの接続部分の構成に相当する。図4Aのように入力内部整合基板510上では長方形型の金メッキパターン、出力内部整合基板520上では正方形型の金メッキパターンとしてプリマッチング回路が形成されている。このパターンは、整合基板を誘電体とし基板裏面を接地面とした容量性素子と、基板裏面を接地面としたマイクロストリップラインによる誘導性素子とを等価回路上の集中定数素子とする分布定数線路として動作する。従って、入力プリマッチング回路540では、入力内部整合基板510上のパターンと、ワイヤのインダクタンス及びキャパシタの直列素子として等価回路を記述でき、これら全体としては、容量性素子となるようにパターン設計される。出力プリマッチング回路550では、ワイヤのインダクタンスとキャパシタの直列素子として等価回路を記述でき、これら全体としては、誘導性素子となるようにパターン設計される。
図4Eは、最終段パワーアンプ101の変形例の構成の詳細を示す外観図を示している。
セラミック基板ベースのパッケージ530中に、ゲート幅36mmのGaNチップ500が2チップ並行して実装され、さらに入力内部整合基板510及び出力内部整合基板520が実装されている。この場合も、各GaNチップ500に対して、入力プリマッチング回路540及び出力プリマッチング回路550が図4A及び4Cに示した要領で形成される。
入力内部整合基板510の長さは2.8mm、幅は11.4mmであり、出力内部整合基板520の長さは4.2mm、幅は11.4mmである。入力内部整合回路510の主要線路幅は0.3mmであり、出力内部整合回路520の主要線路幅は0.9mmである。ここで主要線路は、2.4〜2.5GHz帯の高周波信号が伝送する線路に相当する。
入力プリマッチング回路540のパターンの長さ、幅は、それぞれ2.0mm、0.3mmであり、出力プリマッチング回路550のパターンの長さ、幅は、それぞれ0.2mm、0.2mmである。
以上、本発明の半導体装置について、実施の形態に基づいて説明したが、本発明は、この実施の形態に限定されるものではない。本発明の要旨を逸脱しない範囲内で当業者が思いつく各種変形を施したものも本発明の範囲内に含まれる。
例えば、上記実施の形態において、金属ベース上にはメタライズフレームが配設されるとした。しかし、図5に示されるように、金属ベース311上にはメタライズフレームを介さずに直接、GaNチップ306、入力インピーダンス変換用基板308及び出力インピーダンス変換用基板309が配設されてもよい。
また、上記実施の形態において、最終段パワーアンプ及びドライバー段アンプはFETにより高周波電力を増幅するとした。しかし、最終段パワーアンプ及びドライバー段アンプはIII−V族窒化物半導体から構成されるバイポーラトランジスタ等の他のトランジスタにより高周波電力を増幅してもよい。
本発明は、高周波電力増幅器に利用でき、特に電子レンジなどの加熱応用に用いられるマイクロ波の電力源として用いられる高周波電力増幅器に利用できる。
本発明の実施の形態に係る高周波電力増幅器の概略構成を示す図である。 同実施の形態に係る高周波電力増幅器のドレイン電圧源の回路図である。 同実施の形態に係る高周波電力増幅器の最終段パワーアンプの構成を示す回路図である。 同実施の形態に係る高周波電力増幅器の最終段パワーアンプのFETの電流電圧特性を示す図である。 同実施の形態に係る高周波電力増幅器の最終段パワーアンプのFETの出力インピーダンスのスミスチャートを示す図である。 同実施の形態に係る高周波電力増幅器のドライバー段アンプの構成を示す外観図である。 同実施の形態に係る高周波電力増幅器のドライバー段アンプが実装される様子を示す断面図である。 同実施の形態に係る高周波電力増幅器のドライバー段アンプの構成を示す図である。 同実施の形態に係る高周波電力増幅器のGaNチップの構成を示す上面図である。 同実施の形態に係る高周波電力増幅器の最終段パワーアンプの構成の詳細を示す外観図である。 同実施の形態に係る高周波電力増幅器のGaNチップの構成を示す上面図である。 スミスチャートの拡大図である。 同実施の形態に係る高周波電力増幅器の最終段パワーアンプの等価回路を示す図である。 同実施の形態に係る高周波電力増幅器の最終段パワーアンプの変形例の構成の詳細を示す外観図である。 同実施の形態に係る高周波電力増幅器のドライバー段アンプが実装される様子を示す断面図である。 特許文献1に記載の高周波電力増幅器の構成を示す図である。
符号の説明
12 駆動段
14、16、18、20 増幅段
28 信号分離装置
48 信号結合装置
101 最終段パワーアンプ
102 ドレイン電圧源
103 ドライバー段アンプ
104 発振段
105 商用電源
106 整流回路
201 FET
202 第一の分布定数線路
203 第二の分布定数線路
204 出力インピーダンス整合回路
205 入力インピーダンス整合回路
206 第三の分布定数線路
207 バイパスコンデンサ
208 入力端子
209 出力端子
301 出力リード
302 入力リード
303 ボンディングワイヤ
304 セラミック基板
305 メタルフランジ
305a 実装用ねじ止め穴
306、500 GaNチップ
307 メタライズフレーム
308 入力インピーダンス変換用基板
308a、308b 分布定数線路
309 出力インピーダンス変換用基板
311 金属ベース
312 誘電体基板
401、601 ワイヤボンディング用ドレインパッド
402、602 ワイヤボンディング用ゲートパッド
403、603 ワイヤボンディング用ソースパッド
404、604 ゲート電極
405、605 ソース電極
406、606 ドレイン電極
510 入力内部整合基板
520 出力内部整合基板
530 パッケージ
560 ゲートワイヤ
570 ドレインワイヤ

Claims (5)

  1. III-V族窒化物半導体から構成された高周波電力を増幅するトランジスタを有するアンプと、
    商用電源から供給される交流電圧を直流電圧に変換する整流回路を有し、前記直流電圧を前記トランジスタのドレインに供給する電圧供給回路とを備える
    ことを特徴とする半導体装置。
  2. 前記アンプは、さらに、前記トランジスタの出力側と接続された出力インピーダンス整合回路を有し、
    前記出力インピーダンス整合回路11は、特性インピーダンスが50オーム以上の第一の分布定数線路と、前記第一の分布定数線路の一端と接続された特性インピーダンスが50オーム未満の第二の分布定数線路と、前記第一の分布定数線路の他端及び前記トランジスタの出力側を接続するボンディングワイヤとを有する
    ことを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
  3. 前記出力インピーダンス整合回路の前記トランジスタからみたインピーダンスは、前記トランジスタの出力電力が最大となるときの前記トランジスタの出力インピーダンスに略等しい
    ことを特徴とする請求項2に記載の半導体装置。
  4. 前記第一の分布定数線路の幅は、前記第二の分布定数線路の幅より狭い
    ことを特徴とする請求項2又は3に記載の半導体装置。
  5. 前記半導体装置は、さらに、2.4〜2.5GHz帯の高周波電力を発生し、前記アンプに供給する発振器を備える
    ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の半導体装置。
JP2007307919A 2007-11-28 2007-11-28 半導体装置 Pending JP2009135608A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007307919A JP2009135608A (ja) 2007-11-28 2007-11-28 半導体装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007307919A JP2009135608A (ja) 2007-11-28 2007-11-28 半導体装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2009135608A true JP2009135608A (ja) 2009-06-18

Family

ID=40867090

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007307919A Pending JP2009135608A (ja) 2007-11-28 2007-11-28 半導体装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2009135608A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013187773A (ja) * 2012-03-08 2013-09-19 Toshiba Corp 高周波半導体増幅器
CN109756200A (zh) * 2017-11-06 2019-05-14 恩智浦美国有限公司 以多种半导体技术实施的多级功率放大器
WO2019202631A1 (ja) * 2018-04-16 2019-10-24 三菱電機株式会社 高周波電力増幅器
US10763792B2 (en) 2017-11-06 2020-09-01 Nxp Usa, Inc. Multiple-stage power amplifiers implemented with multiple semiconductor technologies

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013187773A (ja) * 2012-03-08 2013-09-19 Toshiba Corp 高周波半導体増幅器
CN109756200A (zh) * 2017-11-06 2019-05-14 恩智浦美国有限公司 以多种半导体技术实施的多级功率放大器
JP2019087992A (ja) * 2017-11-06 2019-06-06 エヌエックスピー ユーエスエイ インコーポレイテッドNXP USA,Inc. 複数半導体技術で実装された多段電力増幅器
US10763792B2 (en) 2017-11-06 2020-09-01 Nxp Usa, Inc. Multiple-stage power amplifiers implemented with multiple semiconductor technologies
CN109756200B (zh) * 2017-11-06 2023-11-17 恩智浦美国有限公司 以多种半导体技术实施的多级功率放大器
WO2019202631A1 (ja) * 2018-04-16 2019-10-24 三菱電機株式会社 高周波電力増幅器
JPWO2019202631A1 (ja) * 2018-04-16 2020-12-17 三菱電機株式会社 高周波電力増幅器

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7372334B2 (en) Output match transistor
Pornpromlikit et al. A watt-level stacked-FET linear power amplifier in silicon-on-insulator CMOS
US6177834B1 (en) Output matched LDMOS power transistor device
Theeuwen et al. LDMOS technology for RF power amplifiers
US10700023B2 (en) High-power amplifier package
US9685915B2 (en) Amplification stage and wideband power amplifier
WO2011007529A1 (ja) 高周波電力増幅器
Shukla et al. GaN-on-Si switched mode RF power amplifiers for non-constant envelope signals
TW201931764A (zh) 以多種半導體技術實施的多級功率放大器
US9503030B2 (en) Radio frequency power amplifier
CN108206677B (zh) 用于具有增强视频带宽的rf功率放大器的多基带终端组件
TW201832461A (zh) 90度集總與分散式杜赫阻抗反相器
Ghavidel et al. GaN widening possibilties for PAs: Wide-band GaN power amplifiers utilize the technology's special properties
CN110581690A (zh) 具有短截线电路的放大器和放大器模块
JP2009135608A (ja) 半導体装置
JP2018085613A (ja) 半導体装置
WO2022235535A1 (en) Output-integrated transistor amplifier device packages incorporating internal connections
Wentzel et al. A GaN voltage-mode class-D MMIC with improved overall efficiency for future RRH applications
CN116317989A (zh) 具有偏置控制和谐波终止的集成功率放大器
JP2021118483A (ja) 無線装置
KR102224203B1 (ko) IMFET를 이용한 광대역 Class-J 전력증폭기
KR102056915B1 (ko) 펄스드 파워 앰프
US11967936B2 (en) Output-integrated transistor device packages
Walker et al. 1kW GaN S band radar transistor
KR200383629Y1 (ko) 알루미늄 질화물 세라믹 기판을 이용하여 단일 바이어스 전압으로 동작하는 고출력 증폭기용 갈륨나이트라이드 고전자이동 트랜지스터 구조