JP2009135323A - 第4級アンモニウム塩電解質を用いた電解液および電気化学素子 - Google Patents

第4級アンモニウム塩電解質を用いた電解液および電気化学素子 Download PDF

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Abstract

【課題】電気化学素子の経時的な性能劣化を更に改善し、かつ低温環境下(−20℃)で析出、固化することなく、しかも電気伝導度も高い電解液を提供する。
【解決手段】一般式(1)で表される4級アンモニウム塩化合物(A)を含有してなる電解質(B)、及びジメチルカーボネートとジメチルカーボネート以外の非水溶媒(G)との混合溶媒(H)からなる溶媒を含有する電気化学素子用電解液であって、混合溶媒(H)の重量に対するジメチルカーボネートの重量が5〜50重量%であることを特徴とする電気化学素子用電解液。
Figure 2009135323

は対アニオンを表し、該対アニオンの第一原理分子軌道計算によるHOMOエネルギーが、−0.60〜−0.20a.u.である。
【選択図】図1

Description

本発明は第4級アンモニウム塩電解質を用いた電気化学素子用電解液に関する。
電気化学素子とは、電気化学的エネルギーを素子内部に蓄えるものであり、具体的には、素子内部に蓄えられた化学エネルギーを電気エネルギーとして外部に取り出すための電池、素子内部に蓄えられた静電エネルギーを電気エネルギーとして外部に取り出すためのキャパシタ、及び色素増感太陽電池等をいう。
従来、キャパシタの電解質にはテトラエチルアンモニウムのBF塩、トリエチルメチルアンモニウムのBF塩、または1−エチル−3−メチルイミダゾリウムのBF塩等が電解質として用いられている。特に過酷な条件下で、しかも大電流で使用されるハイブリッド電気自動車等の新しい用途分野では、さらに長期信頼性に優れ、耐電圧が高く(電位窓が広く)、低温環境下においても析出することがなく、しかも高い電気伝導性を有する電解質の開発が急務となっている。
こうした状況の中、経時的な性能劣化が改善されたスピロ型アンモニウム電解質を用いた電気化学キャパシタ用非水電解液、さらには用いる溶媒組成を工夫することによって電気伝導性を改良する技術が知られている(例えば、特許文献1、2)。しかしながら、特許文献1、2記載の非水電解液を用いても耐電圧がまだ十分でない場合があるため、低温環境下において電解質が析出することなく、かつ電気伝導性が良好であっても、これらの電解液を用いる電気化学キャパシタには経時的な性能劣化が生じる場合があった。
一方、高い電気伝導性を有し、電解コンデンサ用電解液として経時的な性能劣化の改善を目的として、特定の環状構造を有するカチオン基と脂肪族飽和ジカルボン酸のアニオン基からなる電解コンデンサ用電解液が知られている(例えば、特許文献3、4)。しかしながら、特許文献3、4記載の非水電解液を用いても、アニオン基が電気化学的安定性の低いカルボン酸アニオンに限定されているため、耐電圧がまだ十分でなく、これらの電解液を用いる電気化学キャパシタは経時的な性能劣化が生じるものであった。また、電気伝導度が十分でないため、該電解液を用いた電気化学キャパシタは電気抵抗が大きいものであった。
特開2005−175239 特開2006−49447 特開平2−69913 特開平2−69921
すなわち、本発明の目的は、電気化学素子の経時的な性能劣化を更に改善し、かつ低温環境下(−20℃)で析出、固化することなく、しかも電気伝導度も高い電解液を提供することである。
本発明者らは前記課題を解決すべく鋭意検討した結果、本発明に到達した。すなわち本発明は、一般式(1)で表される化合物(A)からなる電解質(B)、及びジメチルカーボネートとジメチルカーボネート以外の非水溶媒(G)との混合溶媒(H)からなる溶媒を含有する電気化学素子用電解液であって、混合溶媒(H)の重量に対するジメチルカーボネートの重量が5〜50重量%である電解液、および該電解液を用いた電気化学素子を要旨とする。
Figure 2009135323
[Rはハロゲン原子、水酸基、ニトロ基、シアノ基及びエーテル結合を有する基からなる群より選ばれる少なくとも1種の基を有していてもよい炭素数1〜10の1価炭化水素基である。R2はハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基及びエーテル結合を有する基からなる群より選ばれる少なくとも1種の基を有していてもよい炭素数1〜10の1価炭化水素基、水素原子、又はハロゲン原子である。R3〜R14は、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜5のフルオロアルキル基、水素原子、又はハロゲン原子である。R3〜R14は同じでも異なっていてもよい。h、i、j、x、y及びzは0〜6の整数であり、同じでも異なっていてもよい。h+xは0〜6の整数、i+y及びj+zは1〜6の整数である。Xは対アニオンを表し、該対アニオンの第一原理分子軌道計算によるHOMOエネルギーが、−0.60〜−0.20a.u.である。]
本発明の電気化学素子用電解液を用いた電気化学素子は、経時劣化が少なく、かつ低温環境下においても析出することなく、電気伝導度も高い。
以下に本発明を詳細に説明する。
一般式(1)で表される化合物(A)はカチオン中心の窒素が立体的にアルキル基で保護されている特定の環構造を有するカチオン基と、酸化電位の高いアニオン基からなる第4級アンモニウム塩であるため、従来技術の電解質と比較して分子軌道計算においてLUMOエネルギーが高く、かつアニオン基のHOMOエネルギーが高いため、酸化還元を受けにくい。その結果、酸化電位と還元電位の差が大きく、電気化学的に安定であり、電解液として耐電圧が非常に高いという特徴を有している。
一般式(1)で示される化合物(A)を含有してなる電解質(B)について説明する。
一般式(1)で示される化合物(A)のカチオン種(a)において、Rはハロゲン原子、水酸基、ニトロ基、シアノ基及びエーテル結合を有する基(以下、官能基Yと記す。) からなる群より選ばれる少なくとも1種の基を有していてもよい炭素数1〜10の1価炭化水素基であり、炭化水素基としては、直鎖脂肪族炭化水素基、分岐脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基、芳香族炭化水素基等が含まれる。Rの具体例を以下に挙げる。
炭化水素基が直鎖脂肪族炭化水素基の場合:メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基及びn−デシル基、並びに官能基Yを有する基としてはヒドロキシメチル基、1−ヒドロキシエチル基及び2−ヒドロキシエチル基、ニトロメチル基、ニトロエチル基、シアノメチル基、シアノエチル基、メトキシメチル基、及びメトキシエチル基等が挙げられる。
炭化水素基が分岐脂肪族炭化水素基の場合:iso−プロピル基、2−メチルプロピル基、2−ブチル基、2−ペンチル基、2−メチルブチル基、3−メチルブチル基、3−ペンチル基、2−メチルブチル基、1−メチルペンチル基、2−メチルペンチル基、3−メチルペンチル基、4−メチルペンチル基、3−ヘプチル基、2−エチルブチル基、3−メチルペンチル基、3−ヘキシル基、2−エチルヘキシル基、1,2−ジメチルブチル、1,3−ジメチルブチル基、2,3−ジメチルブチル基及び2−エチルオクチル基、並びに官能基Yを有する基としては2−ヒドロキシ−iso−プロピル基、1−ヒドロキシ−2−メチルプロピル基、2−アミノ−iso−プロピル基、2−ニトロ−iso−プロピル基、1−ニトロ−2−メチルプロピル基、2−シアノ−iso−プロピル基、1−シアノ−2−メチルプロピル基、2−メトキシ−iso−プロピル基及び1−メトキシ−2−メチルプロピル基等が挙げられる。
炭化水素基が環式炭化水素基の場合:シクロヘキシル基、1−メチルシクロヘキシル基、2−メチルシクロヘキシル基、3−メチルシクロヘキシル基及び4−メチルシクロヘキシル基、並びに官能基Yを有する基としては1−ヒドロキシシクロヘキシル基、2−ヒドロキシシクロヘキシル基、3−ヒドロキシシクロヘキシル基及び4−ヒドロキシシクロヘキシル基、1−メトキシシクロヘキシル基、2−メトキシシクロヘキシル基、3−メトキシシクロヘキシル基及び4−メトキシシクロヘキシル基等が挙げられる。
炭化水素基が芳香族炭化水素基の場合:フェニル基、トルオイル基及びベンジル基等が挙げられる。
ハロゲン原子を有する炭化水素基としてはフルオロアルキル基が好ましく、フルオロアルキル基としては、C2n+1(nは10以下の整数)で表される基であり、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、ヘプタフルオロプロピル基等が挙げられる。
これらRのうち直鎖又は分岐脂肪族炭化水素基、エーテル結合を有する基を有する脂肪族炭化水素基及びフルオロアルキル基が好ましい。さらに好ましくはメチル基、エチル基、メトキシエチル基、トリフルオロメチル基及びペンタフルオロエチル基である。特に好ましくは、メチル基、エチル基子、トリフルオロメチル基及びペンタフルオロエチル基である。極めて好ましくは、メチル基である。
一般式(1)において、Rはハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基及びエーテル結合を有する基からなる群より選ばれる少なくとも1種の基を有していてもよい炭素数1〜10の1価炭化水素基、水素原子、又はハロゲン原子であり、Rと同様の官能基、水素原子及びハロゲン原子等が挙げられる。
これらRのうち水素原子、直鎖又は分岐脂肪族炭化水素基及びフルオロアルキル基が好ましい。さらに好ましくは水素原子、メチル基、エチル基、メトキシエチル基、トリフルオロメチル基及びペンタフルオロエチル基である。特に好ましくは、水素原子、メチル基、エチル基子、トリフルオロメチル基及びペンタフルオロエチル基である。極めて好ましくは水素原子である。
一般式(1)においてR3〜R14は、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜5のフルオロアルキル基、水素原子、又はハロゲン原子であり、炭素数1〜5のアルキル基には直鎖脂肪族炭化水素基、分岐脂肪族炭化水素基が含まれる。R3〜R14は同じでも異なっていてもよい。
3〜R14の具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、iso−プロピル基、2−メチルプロピル基、2−ブチル基、2−ペンチル基、2−メチルブチル基、3−メチルブチル基、3−ペンチル基、2−メチルブチル基、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、n−ヘプタフルオロプロピル基、水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられる。これらのうち、好ましいものは、メチル基、エチル基、n−プロピル基、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、ヘプタフルオロプロピル、水素原子、フッ素原子である。さらに好ましくは、メチル基、トリフルオロメチル基、水素原子、フッ素原子である。特に好ましくは、水素原子、フッ素原子である。極めて好ましくは水素原子である。
一般式(1)において、h、i、j、x、y及びzは0〜6の整数であり、同じでも異なっていてもよい。h+xは0〜6の整数、i+y及びj+zは1〜6の整数である。好ましくは、i+y及びj+zが2又は3の整数であり、h+xが2又は1又は0である。さらに好ましくは、x、y及びzが0であり、i及びjが2又は3の整数であり、hが2又は1又は0である。
一般式(1)で示される化合物(A)のカチオン種(a)として好ましいものを表1〜表5に挙げる。化合物(A)は2種以上を併用することが可能である。
Figure 2009135323
Figure 2009135323
Figure 2009135323
Figure 2009135323
Figure 2009135323
上記カチオン種(a)のうちで、電気化学的安定性の観点から(a−1)、(a−3)、(a−14)が特に好ましい。
一般式(1)で示される化合物(A)のアニオン成分(対アニオンX)について説明する。Xは、第一原理分子軌道計算によるHOMOエネルギー(以下、HOMOエネルギーと略記する。) が、−0.60〜−0.20a.u.の範囲であり、好ましくは−0.60〜−0.25a.u.の範囲である対アニオンである。ここで、第一原理分子軌道計算によるHOMO(最高占有分子軌道;highe st occupied molecular orbital)エネルギーは、計算するアニオンに対して力場計算により配座解析を行い、半経験的分子軌道法であるAM1により構造最適化ののち、基底関数を6−31G(d)としてHartreeFock法で計算される値である。計算を行うプログラムは、Gaussian03(ガウシアン社製)が用いられる(参考文献1:「電子構造論による化学の探求(第二版)James B.Foresman、AEleen Frisch共著、田崎健三訳、ガウシアン社」)。
以下に、Gaussian03を使用してHOMOエネルギーを計算する具体的な操作手順を示す。まず、Gauss View画面にて構造式を作成したのち、Calculate画面にて、Job Type「Energy」、Method「Ground State、Mechanics、UFF」、Charge「−1」、Spin「Singlet」をそれぞれ選択または入力し、作成した構造式について分子構造の最適化を行う。次に、同じCalculate画面にてJob Type「Optimization」、Method「Ground State、Semi−empirical、Default Spin、AM1」、Charge「−1」、Spin「Singlet」をそれぞれ選択または入力し、さらに最適化を行う。続いて、JobType「Optimization」、Method「Ground State、Hartree−Fock、Restricted」、Basis Set「6−31G、d」、Charge「−1」、Spin「Singlet」、Solvation「None」、Additional Keywords「Pop=Reg」をそれぞれ選択し、最適化された分子構造における真空時の分子軌道エネルギーを計算する。得られた計算結果のうち、最高占有分子軌道に対応する数値がHOMOエネルギーである。例えば、アニオンBF について計算すると、HOMOエネルギー=−0.35a.u.が得られる。ここで、a.u.は量子力学におけるHartree−Fock法で用いられる原子単位であり、エネルギー単位はhartreeで表される(1hartree=2625.5kj・mol−1=27.2eV)。HOMOエネルギーは、電気化学的には酸化電位の大きさを表すものであり、HOMOエネルギーが小さい(マイナスの数値が大きい)アニオンからなる第4級アンモニウム塩は電気化学的安定性が高いことを意味する。
上記の方法によって、計算されるHOMOエネルギーが、−0.60〜−0.20a.u.の範囲である対アニオンXの具体例としては、BF 、PF 、AsF 、PCl 、BCl 、AsCl 、SbCl 、TaCl 、NbCl 、PBr 、BBr 、AsBr 、AlBr 、TaBr 、NbBr 、SbF 、AlF 、ClO 、AlCl 、TaF 、NbF 、CN、F(HF) (当該式中、nは1以上4以下の数値を表す)、N(RfSO 、C(RfSO 、RfSO 、RfCO2 等が挙げられる。
N(RfSO 、C(RfSO 、RfSO 又はRfCO2 で表されるアニオンに含まれるRfは、炭素数1〜12のフルオロアルキル基を表し、トリフルオロメチル、ペンタフルオロエチル、ヘプタフルオロプロピル及びノナフルオロブチルなどが挙げられる。これらのうち、トリフルオロメチル、ペンタフルオロエチル及びヘプタフルオロプロピルが好ましく、さらに好ましくはトリフルオロメチル及びペンタフルオロエチル、特に好ましくはトリフルオロメチルである。
以上の対アニオンのうち、電気化学的安定性の観点等から、第一原理分子軌道計算によるHOMOエネルギーが小さい対アニオンが好ましくBF 、PF 又はN(RfSO で表される対アニオン、さらに好ましくはPF 又はBF で表される対アニオン、特に好ましくはBF で表される対アニオンである。
対アニオンは、HOMOエネルギーが小さいほうが好ましいが、−0.60a.u.(以下、a.u.を省略して記載することがある。) を下回る化合物は知られておらず、実質的に、PF6−(HOMOエネルギー=−0.39)、BF (HOMOエネルギー=−0.35)、CFSO (HOMOエネルギー=−0.27)が好ましい。逆に、HOMOエネルギーが−0.20a.u.より大きい(マイナスの数値が小さい)対アニオン、例えば、蟻酸、酢酸、安息香酸(HOMOエネルギー=−0.18)、フタル酸、コハク酸(HOMOエネルギー=−0.18)などのカルボン酸アニオン、I(HOMOエネルギー=−0.16)、Cl(HOMOエネルギー=−0.12)、F(HOMOエネルギー=−0.08)などの無機アニオンでは、電解質の電気化学的安定性が低いため、電解液として用いた場合、耐電圧が低く、長期信頼性に劣り、電気化学素子として有用ではない。
化合物(A)(カチオン成分+アニオン成分)の好ましい例としては、カチオン種(a−1)のBF塩、カチオン種(a−2)のBF塩、カチオン種(a−3)のBF塩、カチオン種(a−4)のBF塩、カチオン種(a−5)のBF塩、カチオン種(a−6)のBF塩、カチオン種(a−7)のBF塩、カチオン種(a−8)のBF塩、カチオン種(a−9)のBF塩、カチオン種(a−10)のBF塩、カチオン種(a−11)のBF塩、カチオン種(a−12)のBF塩、カチオン種(a−13)のBF塩、カチオン種(a−14)のBF塩、カチオン種(a−15)のBF塩、カチオン種(a−16)のBF塩、カチオン種(a−17)のBF塩、カチオン種(a−18)のBF塩、カチオン種(a−19)のBF塩、カチオン種(a−20)のBF塩、カチオン種(a−21)のBF塩、カチオン種(a−22)のBF塩、カチオン種(a−23)のBF塩、カチオン種(a−25)のBF塩、カチオン種(a−1)のPF塩、カチオン種(a−2)のPF塩、カチオン種(a−3)のPF塩、カチオン種(a−4)のPF塩、カチオン種(a−5)のPF塩、カチオン種(a−6)のPF塩、カチオン種(a−7)のPF塩、カチオン種(a−8)のPF塩、カチオン種(a−9)のPF塩、カチオン種(a−10)のPF塩、カチオン種(a−11)のPF塩、カチオン種(a−12)のPF塩、カチオン種(a−13)のPF塩、カチオン種(a−14)のPF塩、カチオン種(a−15)のPF塩、カチオン種(a−16)のPF塩、カチオン種(a−17)のPF塩、カチオン種(a−18)のPF塩、カチオン種(a−19)のPF塩、カチオン種(a−20)のPF塩、カチオン種(a−21)のPF塩、カチオン種(a−22)のPF塩、カチオン種(a−23)のPF塩、カチオン種(a−25)のPF塩である。
これらのなかで、特に好ましいものは、電気化学的安定性の観点から、カチオン種(a−1)のBF塩、カチオン種(a−3)のBF塩、カチオン種(a−14)のBF塩、カチオン種(a−1)のPF塩、カチオン種(a−3)のPF塩、カチオン種(a−14)のPF塩である。
化合物(A)の原料となる3級アミンは公知の方法にて合成できる。一般には、
(1)ヒドロキシルアルキル基を有するテトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン等の環状エーテルを臭化水素により臭素化して得られた、トリブロムアルキル化合物をメタノール性アンモニアと封管中で130〜150℃に加熱することにより、HBrを脱離させ環化させる方法、
(2)アミノアルキル基を有するテトラヒドロフラン、テトラヒドロピランなどの環状エーテルにハロゲン化水素を反応させて得られる、ジハロゲン化第1級アミン化合物を0.1Nの水酸化ナトリウム水溶液に滴下して、ハロゲン化水素の脱離により分子内環化反応を行う方法、
(3)カルボキシアルキル基を有するピペリジン、ピロリジンなどの環状第2級アミンを水素化アルミニウムリチウム等で還元、あるいはカルボキシアルキル基を有するピリジンなどの芳香族アミンをナトリウムとエタノールなどにより還元することによりヒドロキシアルキル基を有する環状第2級アミンを得る。さらに、臭化水素、ヨウ化水素酸等のハロゲン化水素酸を反応させることにより水酸基を置換しハロゲン化物を得る。このハロゲン化環状第2級アミン化合物を0.1Nの水酸化ナトリウム水溶液に滴下して、ハロゲン化水素の脱離により分子内環化反応を行い、第3級アミンを合成する方法、
などが知られている(V.Prelog、Ann.,545,229(1940))。
化合物(A)は、公知の製造方法、例えば、上記第3級アミン化合物をジアルキル炭酸のような炭酸エステルで4級化し、得られた炭酸エステル塩を対アニオン(X)に塩交換する方法(例えば特開昭61−239616)によって得られる。また3級アミンをアルキルハライドで4級化し、得られたハライド塩をアニオン交換する方法によっても得られる。
電解質(B)は化合物(A)を好ましくは50〜100重量%、より好ましくは70〜98重量%含有する。
電解質(B)は化合物(A)の他に、化合物(A)と異なる他の有機塩化合物(D)等を含有していてもよい。他の有機塩化合物(D)としては、アルキルアンモニウム塩、アミジニウム塩(イミダゾリウム塩等)等である。具体的には、例えば、アルキルアンモニウムのBF塩及びPF塩、イミダゾリウムのBF塩及びPF塩等である。例えばテトラエチルアンモニウムBF塩、トリエチルメチルアンモニウムBF塩、1,2,3−トリメチルイミダゾリウムBF塩及び1−エチル−2,3−ジメチルイミダゾリウムBF塩、1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリウムBF塩等が挙げられる。他の有機塩化合物(D)の量は、電解質(B)の重量に対して好ましくは0〜50重量%、より好ましくは5〜25重量%である。
また、電解質(B)は種々の添加剤(E)を含有してもよい。添加剤(E)としては、LiBF、LiPF、リン酸類及びその誘導体(リン酸、亜リン酸、リン酸エステル類、ホスホン酸類等)、ホウ酸類及びその誘導体(ホウ酸、酸化ホウ酸、ホウ酸エステル類、ホウ素と水酸基及び/又はカルボキシル基を有する化合物との錯体等)、硝酸塩(硝酸リチウム等)及びニトロ化合物(ニトロ安息香酸、ニトロフェノール、ニトロフェネトール、ニトロアセトフェノン、芳香族ニトロ化合物等)等があげられる。電気化学的安定性と導電性の観点から、添加剤(E)量は、好ましくは電解質(B)の重量に対して50重量%以下であり、さらに好ましくは20重量%以下である。
化合物(A)の化学構造は、通常の有機化学的手法で特定することができ、例えば、1H−NMR(例えば機器:AVANCE300(日本ブルカー株式会社製)、溶媒:重水素化ジメチルスルホキシド、周波数:300MHz)、19F−NMR(例えば機器:AL−300(日本電子製)、溶媒:重水素化ジメチルスルホキシド、周波数:300MHz)及び13C−NMR(例えば機器:AL−300(日本電子製)、溶媒:重水素化ジメチルスルホキシド、周波数:300MHz)等によって特定することができる。また、化合物(A)の純度は1H−NMRで測定できる。
本発明の電気化学素子用電解液(F)は電解質(B)、及びジメチルカーボネートとジメチルカーボネート以外の非水溶媒(G)との混合溶媒(H)からなる溶媒を含有する。
電解液(F)中の電解質(B)の含有量(重量%)は、電解液(F)の電気伝導度及び電気化学キャパシタの内部抵抗の観点から、電解液(F)の重量に基づいて3〜90が好ましく、さらに好ましくは5〜80、特に好ましくは10〜50、最も好ましくは15〜40である。
電解液(F)を構成する混合溶媒(H)の中で、必須成分であるジメチルカーボネートの含有量(重量%)は、混合溶媒(H)の重量に基づいて5〜50である。ジメチルカーボネートの含有量(重量%)が5より小さい場合、電解液(F)の電気伝導度が低いため、該電解液を用いた電気化学キャパシタの内部抵抗が高くなってしまう。
また、50より大きい場合、電解液(F)の電気伝導度は高くなるが、ジメチルカーボネートは融点が高いため(ジメチルカーボネートの融点=4℃)、たとえ融点の低いその他の溶媒と混合して作成した電解液であっても、該電解液を用いた電気化学キャパシタは、−20℃以下において該電解液が固化、もしくは、電解質が析出するため使用できなくなってしまう。電解液(F)の電気伝導度を高くして、電気化学キャパシタの内部抵抗を小さくする、及び電気化学キャパシタを−20℃以下の低温環境下で使用できるようにする観点から、混合溶媒(H)の重量に基づいてジメチルカーボネートの含有量(重量%)は10〜45が好ましく、さらに好ましくは15〜42、特に好ましくは20〜40、最も好ましくは25〜35である。
ジメチルカーボネート以外の非水溶媒(G)の具体例としては以下のものが挙げられる。これらの溶媒を使用して製造される電解液(F)は、低温環境下(例えば−20℃以下)において該電解液が固化、もしくは、電解質が析出しないものが好ましい。
・エーテル類:鎖状エーテル[炭素数2〜6(ジエチルエーテル、メチルイソプロピルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテルなど);炭素数7〜12(ジエチレングリコールジエチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテルなど)]、環状エーテル[炭素数2〜4(テトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン、1,4−ジオキサンなど);炭素数5〜18(4−ブチルジオキソラン、クラウンエーテルなど)]。
・アミド類:N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルプロピオンアミド、ヘキサメチルホスホリルアミド、N−メチルピロリドンなど。
・カルボン酸エステル類:酢酸メチル、プロピオン酸メチルなど。
・ラクトン類:γ−ブチロラクトン、α−アセチル−γ−ブチロラクトン、β−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、δ−バレロラクトンなど。
・ニトリル類:アセトニトリル、グルタロニトリル、アジポニトリル、メトキシアセトニトリル、3−メトキシプロピオニトリル、アクリロニトリル、ベンゾニトリルなど。
・炭酸エステル類:エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ビニレンカーボネート、メチルエチルカーボネート、ジエチルカーボネートなど。
・スルホキシド類:ジメチルスルホキシド、スルホラン、3−メチルスルホラン、2,4−ジメチルスルホランなど。
・ニトロ化合物:ニトロメタン、ニトロエタンなど。
・ベンゼン類:トルエン、キシレン、クロロベンゼン、1,2−ジクロロベンゼン、1,3−ジクロロベンゼン、1,4−ジクロロベンゼンなど。
・複素環式溶媒:N−メチル−2−オキサゾリジノン、3,5−ジメチル−2−オキサゾリジノン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、N−メチルピロリジノンなど。
・ケトン類:アセトン、2,5−ヘキサンジオン、シクロヘキサノンなど。
・リン酸エステル類:トリメチルリン酸、トリエチルリン酸、トリプロピルリン酸など。
これらのうち好ましくは、ニトリル類、ラクトン類、炭酸エステル類、スルホキシド類及びベンゼン類であり、特に好ましくは炭酸エステル類であり、最も好ましくは、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネートである。
混合溶媒(H)の好ましい例としては以下の例が挙げられる。
(1)ジメチルカーボネート(DMC)とプロピレンカーボネート(PC)の混合溶媒。
重量比は、DMC:PCが5:95〜50:50、好ましくは10:90〜45:55の混合溶媒。
(2)ジメチルカーボネート(DMC)とプロピレンカーボネート(PC)とエチレンカーボネート(EC)の混合溶媒。
重量比は、DMC:PC:ECが5〜50:10〜90:5〜50、好ましくは、10〜45:30〜80:10〜45の混合溶媒。
(3)ジメチルカーボネート(DMC)とγ−ブチロラクトン(γBL)の混合溶媒。
重量比は、DMC:γBLが5:95〜50:50、好ましくは10:90〜45:55の混合溶媒。
本発明の電解液中の含水量は、電気化学的安定性の観点から、電解液の重量に基づいて300ppm以下が好ましく、さらに好ましくは100ppm以下、特に好ましくは50ppm以下である。この範囲であると、電気化学キャパシタの経時的な性能低下を抑制できる。
電解液中の含水量はカールフィッシャー法(JIS K0113−1997、電量滴定方法)で測定することができる。
電解液中の水分を上記の範囲にする方法としては、あらかじめ十分に乾燥した電解質(B)と、あらかじめ十分に脱水した非水溶媒とを使用する方法等が挙げられる。
乾燥方法としては、減圧下加熱乾燥(例えば20Torr減圧下、150℃で加熱)して、含有されている微量の水を蒸発させて除去する方法、再結晶等が挙げられる。
脱水方法としては、減圧下加熱脱水(例えば100Torrで加熱)して、含有されている微量の水を蒸発させて除去する方法、モレキュラーシーブ(ナカライテスク製、3A 1/16等)、活性アルミナ粉末などの脱水剤を使用する方法等が挙げられる。
また、これらの他に、電解液を減圧下加熱脱水(例えば100Torr減圧下、100℃で加熱)して、含有されている微量の水を蒸発させて除去する方法、モレキュラーシーブ、活性アルミナ粉末などの除水剤を使用する方法等が挙げられる。これらの方法は、それぞれ単独で行ってもよいし、組み合わせて行ってもよい。これらのうち、再結晶で電解質(B)を高純度化した後に、さらに(B)を減圧下加熱乾燥する方法、非水溶媒(C)又は電解液にモレキュラーシーブを加える方法が好ましい。
本発明の電解液は電気化学素子に用いることができる。電気化学素子とは電気化学キャパシタ、二次電池、色素増感太陽電池等を示す。電気化学キャパシタは、基本構成物品として、電極、集電体、セパレーターを備えるとともに、キャパシタに通常用いられるケース、ガスケットなどを任意に備えるものである。電解液は、例えばアルゴンガス雰囲気(露点−50℃)のグローブボックス内等で電極及びセパレーターに含浸される。本発明の電解液は、電気化学キャパシタのうち、電気二重層キャパシタ(電極に分極性電極、例えば活性炭等を使用するもの)に好適である。
電気二重層キャパシタの基本構造としては、2つの分極性電極の間にセパレーターを挟み、電解液を含浸させたものである。分極性電極の主成分は、電解液に対して電気化学的に不活性で、かつ、適度な電気伝導度を有することから活性炭、グラファイト、ポリアセン系有機半導体などの炭素質物質が好ましく、上記のように、正極と負極の少なくとも一方は炭素質物質である。電荷が蓄積する電極界面が大きい点から、窒素吸着法によるBET法により求めた比表面積が10m2/g以上の多孔性炭素物質(例えば活性炭)がさらに好ましい。多孔性炭素物質の比表面積は、目的とする単位面積あたりの静電容量(F/m2)と、高比表面積化に伴う嵩密度の低下を勘案して選択されるが、窒素吸着法によるBET法により求めた比表面積が30〜2,500m2/gのものが好ましく、体積あたりの静電容量が大きいことから、比表面積が300〜2,300m2/gの活性炭が特に好ましい。
本発明の電気化学キャパシタ用電解液は、アルミ電解コンデンサにも用いることができる。アルミ電解コンデンサの基本構造としては、電極となるアルミ箔の表面に電気化学処理で酸化膜をつくってこれを誘電体とし、もう一方の電極となるアルミ箔との間に電解液を含浸させた電解紙を挟んだものである。
本発明の電気化学キャパシタの態様としては、コイン型、捲回型、角形のものがあげられる。本発明の電気化学キャパシタ用電解液は、いずれの電気二重層キャパシタ又はいずれのアルミ電解コンデンサにも適用できる。
実施例
次に本発明の具体的な実施例について説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。以下、特に記載のないかぎり、「部」は「重量部」を意味する。
以下の実施例において、1H−NMR、19F−NMR及び13C−NMRの測定は、下記の方法で行った。
1H−NMRの測定条件 機器:AVANCE300(日本ブルカー株式会社製)、溶媒:重水素化ジメチルスルホキシド、周波数:300MHz。
19F−NMRの測定条件 機器:AL−300(日本電子製)、溶媒:重水素化ジメチルスルホキシド、周波数:300MHz
13C−NMRの測定条件 機器:AL−300(日本電子製)、溶媒:重水素化ジメチルスルホキシド、周波数:300MHz
<製造例1>
電解質(A−1)の製造
・ヨウ化物塩の合成
1−アザビシクロ[2,2,2]オクタン(シグマアルドリッチジャパン(株)製)113部、アセトン339部をガラスビーカーに仕込み均一に溶解させた。溶液を攪拌しながらヨウ化メチル156部をゆっくりと滴下した後、30℃で3時間攪拌を続けた。析出した白色固体を濾過し、80℃減圧にて乾燥を行い、上記表1のカチオン種(a−1)のヨウ化物塩を255部得た。
・AgBF溶液の作成
酸化銀116部、42重量%のホウフッ化水素酸水溶液209部を混合した溶液を100℃減圧脱水して得られた固体に、メタノール550部を加えて溶解しAgBFメタノール溶液を得た。
・BF塩の作成
上記のAgBF溶液745部を(a−1)のヨウ化物塩253部とメタノール253部の混合溶液に対してゆっくりと滴下、混合した後、濾過し濾液を回収した。濾液中にAgBF溶液あるいはヨウ化物塩溶液を少しずつ添加することで、溶液中の銀イオン含量を10ppm以下に、ヨウ素イオン含量を5ppm以下に微調整した後、濾過し濾液を回収した。80℃減圧で濾液の脱溶媒を行い、白色結晶206部を得た。メタノール600部を加えて30℃で溶解させた後、−5℃に冷却し12時間静置して再結晶を行った。析出した結晶を濾過し、80℃減圧乾燥を行い電解質(A−1)を147部得た。1H−NMR、19F−NMR及び13C−NMRで分析した結果、電解質(A−1)はカチオン種(a−1)のBF塩であった。1H−NMRの積分値から、純度は99%であった。
<製造例2>
電解質(A−2)の製造
・AgPF溶液の作成
実施例1において42重量%ホウフッ化水素酸水溶液の代わりに60重量%のHPF水溶液243部を酸化銀116部と混合し、100℃減圧脱水を行った後、メタノール550部を加え溶解させ、AgPFのメタノール溶液を得た。
・PF塩の作成
上記のAgPF溶液803部を(a−1)のヨウ化物塩253部とメタノール255部の混合溶液に対して、徐々に混合した後、濾過し濾液を回収した。濾液中にAgBF溶液あるいはヨウ化物塩溶液を少しずつ添加することで、溶液中の銀イオン含量を10ppm以下に、ヨウ素イオン含量を5ppm以下に微調整した後、濾過し濾液を回収した。濾液を80℃減圧で脱溶媒を行い、白色結晶262部を得た。得られた固体にメタノール600部を加えた後−5℃に冷却し12時間静置して再結晶を行った。析出した結晶を濾過し、80℃減圧乾燥することによって電解質(A−2)を194部得た。1H−NMR、19F−NMR及び13C−NMRで分析した結果、電解質(A−2)はカチオン種(a−1)のPF塩であった。1H−NMRの積分値から、純度は99%であった。
<製造例3>
電解質(A−3)の製造
・AgCFSO溶液の作成
実施例1において42重量%ホウフッ化水素酸水溶液の代わりに60重量%のCFSOH水溶液250部を酸化銀116部と混合し、減圧脱水を行った後メタノール550部を加えて溶解させAgCFSOメタノール溶液を得た。
・CFSO塩の作成
上記のAgCFSO溶液807部をカチオン種(a−1)のヨウ化物塩253部とメタノールの混合溶液に対して、徐々に混合した後、濾過し濾液を回収した。濾液中にAgBF溶液あるいはヨウ化物塩溶液を少しずつ添加することで、溶液中の銀イオン含量を10ppm以下に、ヨウ素イオン含量を5ppm以下に微調整した後、濾過し濾液を回収した。濾液を80℃減圧脱溶媒で行い、白色結晶265部を得た。得られた固体にメタノール600部を加えた後−5℃に冷却し12時間静置して再結晶を行った。析出した結晶を濾過し、80℃減圧脱溶媒することによって電解質(A−3)を196部得た。1H−NMR、19F−NMR及び13C−NMRで分析した結果、電解質(A−3)はカチオン種(a−1)のCFSO塩であった。1H−NMRの積分値から、純度は99%であった。
<製造例4>
電解質(A−4)の製造
・1−アザビシクロ[2,2,1]ヘプタンの合成
4−ピリジンメタノール(シグマアルドリッチジャパン(株)製)110部とエタノール1000部を混合し、ナトリウム250部を徐々に加えて6時間還流した。溶液を冷却し、水250部を加えた。減圧下でエタノールを蒸発させ、残留物にジエチルエーテル200部を加えて抽出した。30℃減圧脱溶媒を行い、無色粘性溶液を得た。この溶液114部に濃ヨウ化水素酸250部を徐々に滴下し、さらに3時間還流を行った。この溶液に50%水酸化ナトリウム350部を添加した後、50℃で3時間加熱した。その後30℃に冷却し、この溶液にジエチルエーテル800部を加えて抽出を行った。炭酸ナトリウムを添加して脱水し、10℃減圧でジエチルエーテルを除去した後、蒸留を行った。留分を1H−NMRで分析した結果、原料が消失し、1−アザビシクロ[2,2,1]ヘプタンが生成していることがわかった。収率は40%であった。
・ヨウ化物塩の合成
得られた1−アザビシクロ[2,2,1]ヘプタン100部、アセトン300部をガラスビーカーに仕込み均一に溶解させた。溶液を攪拌しながらヨウ化メチル156部をゆっくり滴下した後、30℃で3時間攪拌を続けた。析出した白色固体を濾過し80℃減圧にて乾燥を行い、上記表1のカチオン種(a−3)のヨウ化物塩を242部得た。
・AgBF溶液の作成
実施例1と同様にAgBFのメタノール溶液を得た。
・BF塩の作成
上記のAgBF溶液745部を(a−3)のヨウ化物塩239部とメタノール239部の混合溶液に対して、ゆっくりと滴下、混合した後、濾過し濾液を回収した。濾液中にAgBF溶液あるいはヨウ化物塩溶液を少しずつ添加することで、溶液中の銀イオン含量を10ppm以下に、ヨウ素イオン含量を5ppm以下に微調整した後、濾過し濾液を回収した。80℃減圧で濾液の脱溶媒を行い、白色結晶を194部得た。結晶にメタノール600部を加えて30℃で溶解させた後、−5℃に冷却し12時間静置して再結晶を行った。析出した結晶を濾過し、80℃減圧乾燥を行い電解質(A−4)を138部得た。1H−NMR、19F−NMR及び13C−NMRで分析した結果、電解質(A−4)はカチオン種(a−3)のBF塩であった。1H−NMRの積分値から、純度は99%であった。
<製造例5>
電解質(A−5)の製造
・AgPF溶液の作成
実施例9において42重量%ホウフッ化水素酸水溶液の代わりに60重量%のHPF水溶液243部を酸化銀116部と混合し、100℃減圧脱水を行った後、メタノール550部を加え溶解させ、AgPFのメタノール溶液を得た。
・PF塩の作成
上記のAgPF溶液803部を(a−3)のヨウ化物塩253部とメタノール255部の混合溶液に対して、徐々に混合した後、濾過し濾液を回収した。濾液中にAgBF溶液あるいはヨウ化物塩溶液を少しずつ添加することで、溶液中の銀イオン含量を10ppm以下に、ヨウ素イオン含量を5ppm以下に微調整した後、濾過し濾液を回収した。濾液を80℃減圧で脱溶媒を行い、白色結晶262部を得た。得られた固体にメタノール600部を加えた後−5℃に冷却し12時間静置して再結晶を行った。析出した結晶を濾過し、80℃減圧乾燥することによって電解質(A−5)を194部得た。1H−NMR、19F−NMR及び13C−NMRで分析した結果、電解質(A−5)はカチオン種(a−3)のPF塩であった。1H−NMRの積分値から、純度は99%であった。
<製造例6>
・電解液溶媒の脱水
ジメチルカーボネート100部とプロピレンカーボネート100部とγ−ブチロラクトン100部とエチレンカーボネート100部にそれぞれモレキュラーシーブ3部を加えて25℃で60時間放置して乾燥を行った後、モレキュラーシーブを濾別し、それぞれ脱水ジメチルカーボネートと脱水プロピレンカーボネートと脱水γ−ブチロラクトンと脱水エチレンカーボネートを得た。
<実施例1>
製造例6の方法で脱水したジメチルカーボネート4部と脱水したプロピレンカーボネート76部と、電解質(A−1)20部を25℃にて均一に混合溶解させて、電解液を得た。電解液の水分は17ppmであった。
<実施例2>
製造例6の方法で脱水したジメチルカーボネート40部とプロピレンカーボネート40部と、電解質(A−1)20部を均一混合し電解液を得た。電解液の水分は20ppmであった。
<実施例3>
製造例6の方法で脱水したジメチルカーボネート20部とγ−ブチロラクトン60部と、電解質(A−1)20部を均一混合し電解液を得た。電解液の水分は22ppmであった。
<実施例4>
製造例6の方法で脱水したジメチルカーボネート24部とプロピレンカーボネート40部とエチレンカーボネート16部と電解質(A−1)20部を25℃にて均一に混合溶解させて、電解液を得た。電解液の水分は23ppmであった。
<実施例5>
製造例6の方法で脱水したジメチルカーボネート20部、プロピレンカーボネート40部、エチレンカーボネート20部と、電解質(A−1)20部を均一混合し電解液を得た。電解液の水分は17ppmであった。
<実施例6>
製造例6の方法で脱水したジメチルカーボネート24部、プロピレンカーボネート32部、エチレンカーボネート24部と、電解質(A−1)20部を均一混合し電解液を得た。電解液の水分は22ppmであった。
<実施例7>
製造例6の方法で脱水したジメチルカーボネート24部とプロピレンカーボネート56部と電解質(A−2)20部を25℃にて均一に混合溶解させて、電解液を得た。電解液の水分は27ppmであった。
<実施例8>
製造例6の方法で脱水したジメチルカーボネート24部とプロピレンカーボネート56部と電解質(A−3)20部を25℃にて均一に混合溶解させて、電解液を得た。電解液の水分は33ppmであった。
<実施例9>
製造例6の方法で脱水したジメチルカーボネート40部とプロピレンカーボネート40部と電解質(A−4)20部を25℃にて均一に混合溶解させて、電解液を得た。電解液の水分は29ppmであった。
<実施例10>
製造例6の方法で脱水したジメチルカーボネート20部とプロピレンカーボネート40部とエチレンカーボネート20部と電解質(A−4)20部を均一混合し電解液を得た。電解液の水分は24ppmであった。
<実施例11>
製造例6の方法で脱水したジメチルカーボネート20部とプロピレンカーボネート40部とエチレンカーボネート20部と電解質(A−5)20部を25℃にて均一に混合溶解させて、電解液を得た。電解液の水分は23ppmであった。
<比較製造例1>
・1−メチル−1−アザビシクロ[2,2,2]オクタン−イウム炭酸塩の合成
1−アザビシクロ[2,2,2]オクタン(シグマアルドリッチジャパン(株)製)220部、ジメチル炭酸270部、及びメタノール376部を還流コンデンサ付きステンレス製のオートクレーブに仕込み均一に溶解させた。ついで、130℃まで昇温した後、圧力0.8MPaで80時間反応させた。反応物の1H−NMR分析により、1−メチル−1−アザビシクロ[2,2,2]オクタン−イウム炭酸塩が生成していることを確認した。
・安息香酸塩の作成
得られた反応液のうち、375部をフラスコに仕込み、攪拌下において、安息香酸メタノール溶液155部(純度40%)を50℃にて約3時間かけて徐々に滴下した。炭酸ガスの発生がおさまった後、反応液をロータリーエバポレーターに移し、溶剤を全量除去した。フラスコ内には、淡黄白色の固体136部が残った。1H−NMR分析により、主成分は、1−メチル−1−アザビシクロ[2,2,2]オクタン−イウム安息香酸塩であることを確認した。次に、得られた白色固体物130部とエタノール1400部をステンレス製オートクレーブに仕込み、30℃で溶解させた後、−5℃に冷却し12時間静置して再結晶を行った。析出した結晶を濾過し、80℃で減圧乾燥して電解質1−メチル−1−アザビシクロ[2,2,2]オクタン−イウム安息香酸塩(以下、「MAOIA」と略記する)を80部得た。1H−NMRから、電解質の純度は99%であった。
<比較製造例2>
・1−メチル−1−アザビシクロ[2,2,2]オクタン−イウムコハク酸塩の作成
比較製造例1で合成した1−メチル−1−アザビシクロ[2,2,2]オクタン−イウム炭酸塩370部をフラスコに仕込み、攪拌下において、コハク酸メタノール溶液175部(純度32%)を50℃にて約3時間かけて徐々に滴下した。炭酸ガスの発生がおさまった後、反応液をロータリーエバポレーターに移し、溶剤を全量除去した。フラスコ内には、淡黄白色の固体126部が残った。1H−NMR分析により、主成分は、1−メチル−1−アザビシクロ[2,2,2]オクタン−イウムコハク酸塩(以下、「MAOIC」と略記する)であることを確認した。次に、得られた白色固体物130部とエタノール1400部をステンレス製オートクレーブに仕込み、30℃で溶解させた後、−5℃に冷却し12時間静置して再結晶を行った。析出した結晶を濾過し、80℃で減圧乾燥して電解質1−メチル−1−アザビシクロ[2,2,2]オクタン−イウムコハク酸塩(以下、「MAOIC」と略記する)を76部得た。1H−NMRから、電解質の純度は99%であった。
<比較例1>
製造例6の方法で脱水したジメチルカーボネート24部とプロピレンカーボネート40部とエチレンカーボネート16部と、第4級スピロアンモニウム塩として、テトラフルオロホウ酸スピロ−(1,1’)−ビピペリジニウムBF塩(以下、「SPR」と略記する。)20部とを25℃にて均一に混合溶解させて、電解液を得た。電解液の水分は35ppmであった。
<比較例2>
製造例6の方法で脱水したジメチルカーボネート24部とプロピレンカーボネート40部とエチレンカーボネート16部と、テトラエチルアンモニウムBF塩(以下、「TEA」と略記する)20部とを25℃にて均一に混合溶解させて、電解液を得た。電解液の水分は30ppmであった。
<比較例3>
製造例6の方法で脱水したジメチルカーボネート24部とプロピレンカーボネート40部とエチレンカーボネート16部と、MAOIA、20部とを25℃にて均一に混合溶解させて、電解液を得た。電解液の水分は29ppmであった。
<比較例4>
製造例6の方法で脱水したジメチルカーボネート24部とプロピレンカーボネート40部とエチレンカーボネート16部と、MAOIC20部とを25℃にて均一に混合溶解させて、電解液を得た。電解液の水分は39ppmであった。
<比較例5>
製造例6の方法で脱水したプロピレンカーボネート80部と、電解質(A−1)20部とを25℃にて均一に混合溶解させて、電解液を得た。電解液の水分は28ppmであった。
<比較例6>
製造例6の方法で脱水したジメチルカーボネート2.4部とプロピレンカーボネート77.6部と、電解質(A−1)20部とを25℃にて均一に混合溶解させて、電解液を得た。電解液の水分は33ppmであった。
<比較例7>
製造例6の方法で脱水したジメチルカーボネート41.6部とプロピレンカーボネート38.4部と、電解質(A−1)20部とを25℃にて均一に混合溶解させて、電解液を得た。電解液の水分は37ppmであった。
<比較例8>
製造例6の方法で脱水したジメチルカーボネート80部と、電解質(A−1)20部とを25℃にて均一に混合溶解させて、電解液を得た。電解液の水分は31ppmであった。
<比較例9>
製造例6の方法で脱水したプロピレンカーボネート80部と、電解質(A−5)20部とを25℃にて均一に混合溶解させて、電解液を得た。電解液の水分は25ppmであった。
<比較例10>
製造例6の方法で脱水したジメチルカーボネート2.4部とプロピレンカーボネート77.6部と、電解質(A−5)20部とを25℃にて均一に混合溶解させて、電解液を得た。電解液の水分は36ppmであった。
<比較例11>
製造例6の方法で脱水したジメチルカーボネート41.6部とプロピレンカーボネート38.4部と、電解質(A−5)20部とを25℃にて均一に混合溶解させて、電解液を得た。電解液の水分は39ppmであった。
<比較例12>
製造例6の方法で脱水したジメチルカーボネート80部と、電解質(A−5)20部とを25℃にて均一に混合溶解させて、電解液を得た。電解液の水分は31ppmであった。
上記実施例1〜11の電解液、及び比較例1〜12の電解液について、以下の測定方法により特性の評価を行い、その結果を表6に示した。
<電導度の測定方法>
温度−20℃において、電導度を測定した。使用機器は、EC−METER(型式;CM−40G、東亜電波工業株式会社製)を使用した。なお、電導度の測定において、−20℃で電解液が固化、もしくは析出物の発生が目視で観察されたものは、「測定不可」と表記した。
Figure 2009135323
<活性炭電極の作成>
粉状の活性炭(関西熱化学(株)製 「MSP−20」)をカーボンブラックおよびポリテトラフルオロエチレン粉(PTFE)と混合した。重量比は、10:1:1とした。
得られた混合物を乳鉢にて5分程度練り、これをロールプレスで圧延して活性炭シートを得た。活性炭シートの厚さは、400μmとした。この活性炭シートを20mmΦのディスク状に打ち抜き、活性炭電極を得た。
<3電極式電気二重層キャパシタの作成>
得られた活性炭電極(正極、負極及び参照極)を用いて、3電極式電気二重層キャパシタ(パワーシステム(株)社製、図1)を組み立てた後、真空中170℃で7時間乾燥し、30℃まで冷却した。乾燥雰囲気中で<実施例1〜11>、<比較例1〜12>の電解液をセルに注入し、ついで真空含浸を行い、電気二重層キャパシタを作製した。
<充放電サイクル試験>
このキャパシタを用いて充放電サイクル試験を行い容量、抵抗及び漏れ電流について評価した。
作成した電気二重層キャパシタに充放電試験装置(パワーシステム(株)製、「CDT-5R2-4」)を接続し、設定電圧まで25mAにて定電流充電を行い、充電開始から7200秒後に25mAにて定電流放電を行った。これを設定電圧3.3V、45℃で50サイクル実施し、セルの初期及び50サイクル後の静電容量値と静電容量の保持率(%)、初期及び50サイクル後の内部抵抗及び内部抵抗の増加率(%)を求めた。また50サイクル時の定電圧充電時の漏れ電流を測定し、耐電圧の指標とした。試験結果を表7に示した。
Figure 2009135323
表6に示す電解液の特性評価結果(電導度(−20℃)、電位窓)から、本発明の実施例1〜11の電解液は、比較例1〜12の電解液に比べ、−20℃の低温において固化もしくは析出物の発生がなく、電気伝導度が高い電解液であることがわかった。また表7に示すキャパシタを用いた充放電サイクル試験結果(試験前後の容量保持率、内部抵抗増加率、及び漏れ電流)から、実施例1〜11の電解液は、比較例1〜4に比べ、キャパシタの充放電サイクル試験後の容量保持率が高く、内部抵抗増加率が低いことから耐電圧が高いことが示された。さらに漏れ電流が大幅に低いことから、電解液の電気化学的な安定性の高さが示された。
一方、比較例5〜12は、キャパシタを用いた充放電サイクル試験結果において実施例とほぼ同程度に良好であるか、又は実施例より劣っていることがわかった。比較例5、6、及び比較例9、10は、初期の内部抵抗が高い点、実施例にくらべ性能が劣っていることがわかった。
よって、本発明の電解液は電気化学キャパシタの経時的な性能劣化を飛躍的に改善し、高信頼性の電気化学素子を構成できることが明らかである。
本発明の電気化学素子用電解液は、電気化学キャパシタ(具体的には、電気二重層キャパシタ、アルミニウム電解コンデンサなど)、二次電池、色素増感太陽電池等に適用可能である。また、電気二重層キャパシタは、−20℃の低温環境下においても作動可能なため、寒冷地で使用する産業機械用途、自動車アシスト電源用途等に使用可能である。
3電極式電気二重層キャパシタ

Claims (8)

  1. 一般式(1)で表される化合物(A)からなる電解質(B)、及びジメチルカーボネートとジメチルカーボネート以外の非水溶媒(G)との混合溶媒(H)からなる溶媒を含有する電気化学素子用電解液であって、混合溶媒(H)の重量に対するジメチルカーボネートの重量が5〜50重量%であることを特徴とする電気化学素子用電解液。
    Figure 2009135323
    [Rはハロゲン原子、水酸基、ニトロ基、シアノ基及びエーテル結合を有する基からなる群より選ばれる少なくとも1種の基を有していてもよい炭素数1〜10の1価炭化水素基である。R2はハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基及びエーテル結合を有する基からなる群より選ばれる少なくとも1種の基を有していてもよい炭素数1〜10の1価炭化水素基、水素原子、又はハロゲン原子である。R3〜R14は、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜5のフルオロアルキル基、水素原子、又はハロゲン原子である。R3〜R14は同じでも異なっていてもよい。h、i、j、x、y及びzは0〜6の整数であり、同じでも異なっていてもよい。h+xは0〜6の整数、i+y及びj+zは1〜6の整数である。Xは対アニオンを表し、該対アニオンの第一原理分子軌道計算によるHOMOエネルギーが、−0.60〜−0.20a.u.である。]
  2. 一般式(1)において、対アニオンXが、BF 、PF 、AsF 、SbF 、N(RfSO 、C(RfSO およびRfSO (Rfは炭素数1〜12のフルオロアルキル基)からなる群より選ばれる少なくとも1種である請求項1に記載の電解液。
  3. 混合溶媒(H)が、ジメチルカーボネートとジメチルカーボネート以外の炭酸エステル(G1)との混合溶媒である請求項1又は2に記載の電解液。
  4. 混合溶媒(H)が、ジメチルカーボネートと、プロピレンカーボネートと、ジメチルカーボネートとプロピレンカーボネート以外の非水溶媒(G2)との混合溶媒である請求項1〜3のいずれか1項に記載の電解液。
  5. 混合溶媒(H)が、ジメチルカーボネートとプロピレンカーボネートとエチレンカーボネートとの混合溶媒である請求項1〜4のいずれか1項に記載の電解液。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の電解液を用いることを特徴とする電気化学素子。
  7. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の電解液を用いることを特徴とする電気化学キャパシタ。
  8. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の電解液を用いることを特徴とする電気二重層キャパシタ。
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