JP2009133293A - バルブ駆動装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 補助動力装置を追加することで、動力源(主動力装置)であるモータ6の出力の増強および駆動力の増加を抑えることを課題とする。
【解決手段】 モータシャフト11およびロータリバルブ15は、トーションバー12を介してバルブシャフト13およびベーンロータ16に連結している。そして、モータシャフト11およびロータリバルブ15とバルブシャフト13およびベーンロータ16との間に位相差が生じた時、その位相差を解消する方向に第1〜第4バルブ5を駆動する補助動力を発生する。この補助動力として、第1〜第4バルブ5よりも下流側の第1〜第4吸気ポート3内の吸気圧力とエンジンの周囲環境の大気圧力との圧力差を利用している。これにより、第1〜第4バルブ5に開弁作動方向への曲げモーメントが加わった場合であっても、動力源であるモータ6の出力の増強および駆動力の増加を抑えることができる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、スロットル弁としての機能と気流制御弁としての機能とを併せ持つ吸気制御バルブを開弁作動方向または閉弁作動方向に駆動するバルブ駆動装置に関するものである。
[従来の技術]
従来より、内燃機関(エンジン)の燃焼室に供給される吸入空気量を調整するスロットル弁と、このスロットル弁よりも下流側の吸気通路を開閉してエンジンの燃焼室内に旋回流を発生させる気流制御弁とを備えた内燃機関の吸気制御装置が公知である。
ここで、スロットル弁は、その回転軸を介して、バルブ駆動装置に駆動されるように構成されている。また、気流制御弁は、その回転軸を介して、バルブ駆動装置に駆動されるように構成されている。
したがって、スロットル弁は、エンジンの燃焼室への吸入空気量の調整のため、吸気通路の開口率をスロットル全閉位置からスロットル全開位置に至るまでのバルブ作動範囲内において連続的に変化させる必要がある。これに対し、気流制御弁のバルブは、単純に吸気通路を全開する全開操作と吸気通路を全閉する全閉操作とを行う場合が多い。このため、一般的に、スロットル弁のアクチュエータおよび気流制御弁のアクチュエータは、各々独立して配設されている。
ここで、気流制御弁の弁軸の一端上に設けられるアクチュエータの蛇腹状の可撓部材内に形成される負圧室の負圧に応じて可撓部材が周方向に伸縮することでプレートが回転され、プレートと共に弁軸が回転することで、気流制御弁のバルブが開閉される吸気制御弁装置が公知である(例えば、特許文献1参照)。
また、気流制御弁は、エンジンの始動時やアイドル運転時等の、スロットル弁の開度が比較的に小さい時、つまりスロットル全閉位置近傍期間のみ、エンジンの燃焼室内に旋回流を生成するように構成されている。
ところで、気流制御弁がスロットル全閉位置近傍期間のみで作動すれば良いことを利用し、スロットル弁としての機能と気流制御弁としての機能とを併せ持つバルブとすれば、各々のバルブ駆動装置を共通化できるので、バルブ駆動装置の部品点数を削減でき、低コスト化を図ることができる。
[従来の技術の不具合]
ところが、スロットル弁としての機能と気流制御弁としての機能とを併せ持つバルブと、このバルブの回転軸を駆動するバルブ駆動装置とを備えたシステムにおいては、エンジンの運転中に、スロットル全閉位置よりバルブを僅かに開いたスロットル全閉位置近傍の時、バルブ表面に吸気負圧が作用すると、バルブの回転軸を中心とする開弁作動方向への負荷トルク(曲げモーメント)が加わる。これにより、バルブの回転軸に負荷トルクの大きさに対応した捩じれが発生する。この捩じれは、バルブに作用する吸気通路内の空力中心から離れたところに回転軸が配設された片持ち式のバルブの場合に、より顕著に表れる。
すなわち、片持ち式のバルブを、スロットル弁としての機能と気流制御弁としての機能とを併せ持つバルブに採用した場合に、スロットル全閉位置近傍期間でエンジンの燃焼室内に旋回流を発生させるために吸気通路の通路断面積を絞ると、バルブの前後に圧力差が生じ、空力中心と回転軸との距離に応じて曲げモーメントが生じ、捩じれが発生するので、バルブ駆動装置の動力源(例えばモータ等)の駆動力を増加させる必要があった。
また、スロットル全閉位置よりバルブを少しだけ開いたスロットル全閉位置近傍(微小開度の状態)では、急激にバルブの前後の圧力差が増大するのに対し、バルブを半開きした時およびバルブを全開した時の圧力差は小さい。このため、通常は使用する期間が短い、あるいは頻度が少ないスロットル全閉位置近傍に合わせてバルブ駆動装置の動力源の出力を増強したり、動力源の駆動力を増加したりする必要がある。これは、明らかに無駄である。
特開2000−008884号公報
本発明の目的は、バルブを全閉位置より少しだけ開いた微小開度の時にバルブに吸気負圧が作用してバルブに開弁作動方向への負荷トルク(曲げモーメント)が加わった場合であっても、動力源であるモータの出力の増強および駆動力の増加を抑えることのできるバルブ駆動装置を提供することにある。
請求項1に記載の発明によれば、モータの回転軸とバルブの回転軸との間に、トーションバーおよび補助動力装置を設けている。
そして、スロットル弁としての機能と気流制御弁としての機能とを併せ持つバルブを全閉位置より少しだけ開いた微小開度で保持するように、モータへの供給電力を制御すると、バルブに吸気負圧が作用してバルブに開弁作動方向への負荷トルク(曲げモーメント)が加わる。これにより、バルブの回転軸に負荷トルクの大きさに対応した捩じれが発生する。
ここで、バルブの回転軸とモータの回転軸とを同軸的に連結するトーションバーを設けているので、バルブの回転軸に捩じれが発生すると、トーションバーが撓み、モータの回転軸とバルブの回転軸との間に位相差が生じる。そして、モータの回転軸とバルブの回転軸との間に位相差が生じると、補助動力装置によってモータの回転軸とバルブの回転軸との間の位相差を解消する方向にバルブの回転軸が駆動される。
したがって、バルブに吸気負圧が作用してバルブに開弁作動方向への負荷トルク(曲げモーメント)が加わった場合であっても、補助動力装置の補助動力によりバルブを全閉位置より少しだけ開いた微小開度で保持することが可能となるので、バルブを駆動する駆動力を発生する動力源であるモータの出力の増強および駆動力の増加を抑えることができる。
請求項2に記載の発明によれば、補助動力装置は、トーションバーよりもモータ側に配設されて、モータの回転軸と一体的に回転する第1回転体、およびトーションバーよりもバルブ側に配設されて、バルブの回転軸と一体的に回転する第2回転体を有している。そして、第1回転体と第2回転体との間に位相差が生じた時に、その位相差を解消する方向にバルブの回転軸を駆動する補助動力を発生する。これにより、動力源であるモータの出力の増強および駆動力の増加を図る必要がない。
請求項3に記載の発明によれば、バルブよりも下流側の吸気通路内の吸気圧力と内燃機関の周囲環境における大気圧力との圧力差をバルブの回転軸を駆動する補助動力に利用することにより、動力源であるモータの出力の増強および駆動力の増加を図る必要がない。 請求項4に記載の発明によれば、バルブの回転軸は、吸気通路内における空力中心から離れた位置に配設されている。
本発明を実施するための最良の形態は、バルブを全閉位置より少しだけ開いた微小開度の時にバルブに吸気負圧が作用してバルブに開弁作動方向への負荷トルク(曲げモーメント)が加わった場合であっても、動力源であるモータの出力の増強および駆動力の増加を抑えるという目的を、モータの回転軸とバルブの回転軸との間に、トーションバーおよび補助動力装置を設けることで実現した。
[実施例1の構成]
図1ないし図5は本発明の実施例1を示したもので、図1は内燃機関の吸気制御装置を示した図で、図2は内燃機関を示した図で、図3ないし図5は内燃機関のシリンダヘッドに取り付けられた補助駆動装置を示した図である。
本実施例の内燃機関の制御装置(エンジン制御システム)は、複数の気筒(第1〜第4気筒#1〜#4)を有する内燃機関(例えば4気筒ガソリンエンジン:以下エンジンと言う)の各気筒(シリンダ)に吸入される吸入空気を制御する内燃機関の吸気制御装置として使用されるものである。
この内燃機関の吸気制御装置は、エンジンの各気筒の燃焼室に供給する吸入空気の流量(吸入空気量)を制御する電子スロットル装置を備えている。この電子スロットル装置は、エンジンの各気筒内において混合気の燃焼を促進させるための旋回流(吸気渦流)を発生させる吸気渦流発生装置を兼ねている。そして、電子スロットル装置(吸気渦流発生装置)は、自動車等の車両のエンジンルーム内に搭載されて、エンジンの吸気系統に組み込まれている。
ここで、エンジンは、吸入空気と燃料との混合気を燃焼室内で燃焼させて得られる熱エネルギーにより出力を発生する水冷式のガソリンエンジンで、吸気行程、圧縮行程、膨張(燃焼)行程、排気行程の4つの行程(ストローク)を周期(サイクル)として繰り返す4サイクルエンジンが採用されている。このエンジンは、エンジンの各気筒毎の燃焼室内に吸入空気(吸気)を導入するための吸気管(図示せず)と、エンジンの各気筒毎の燃焼室より流出する排気ガスを外部に排出するための排気管(図示せず)とを備えている。
エンジンの吸気管は、エンジンの各気筒毎の燃焼室に吸入空気を供給するための吸気通路を形成するケーシング(インテークダクト、吸気導入ダクト)である。この吸気管は、エアクリーナケース、インテークパイプ、サージタンクおよびインテークマニホールド等を有している。
エンジンの排気管は、エンジンの各気筒毎の燃焼室より流出する排気ガスを排気浄化装置を経由して外部に排出するための排気通路を形成するケーシング(エキゾーストダクト、排気導出ダクト)である。この排気管は、エキゾーストマニホールドおよびエキゾーストパイプ等を有している。
エンジン本体は、シリンダヘッド1およびシリンダブロック2等によって構成されている。シリンダヘッド1は、内部に気筒数分のインテークポートおよびエキゾーストポートが形成された吸気導入ダクトを構成している。
シリンダヘッド1の一方側には、複数のインテークポート(各気筒毎の吸気ポート:以下第1〜第4吸気ポートと呼ぶ)3が形成されている。これらの第1〜第4吸気ポート3は、エンジンの各気筒毎の燃焼室内に吸入空気を供給するための吸気通路(内燃機関の吸気通路)を構成するものである。
各第1〜第4吸気ポート3の吸気流方向の上流側には、インテークマニホールドの各分岐管部が気密的に接続する1つの共通吸気ポートが設けられている。また、各第1〜第4吸気ポート3の吸気流方向の下流側には、1つの共通吸気ポートに対して2つの分岐吸気ポートが設けられている。そして、2つの分岐吸気ポートの各バルブシートのスロート部には、それぞれ円形状の吸気ポート開口部(吸気弁口)が形成されている。2つの分岐吸気ポートの各吸気ポート開口部は、それぞれ対応したポペット型のインテークバルブ(各気筒毎の吸気バルブ:以下吸気バルブと略す)21によって開閉される。
一方、シリンダヘッド1の他方側には、複数のエキゾーストポート(各気筒毎の排気ポート:以下第1〜第4排気ポートと呼ぶ)4が形成されている。これらの第1〜第4排気ポート4は、1つの燃焼室に対して2つの分岐排気ポート、およびこれらの分岐排気ポートに対して1つの共通排気ポート等を有している。そして、2つの分岐排気ポートの各バルブシートのスロート部には、それぞれ円形状の排気ポート開口部(排気弁口)が形成されている。2つの分岐排気ポートの各排気ポート開口部は、それぞれ対応したポペット型のエキゾーストバルブ(各気筒毎の排気バルブ:以下排気バルブと略す)22によって開閉される。そして、第1〜第4排気ポート4の各共通排気ポートの吸気流方向の下流端には、エキゾーストマニホールドの各分岐管部が気密的に接続されている。
そして、シリンダヘッド1には、先端部が各気筒毎の燃焼室内に露出するようにスパークプラグ(図示せず)が取り付けられている。また、シリンダヘッド1には、第1〜第4吸気ポート3内に最適なタイミングで噴射するインジェクタ23が取り付けられている。また、シリンダブロック2の内部に形成される複数のシリンダボア内には、ピストン24が、それぞれ図示上下方向に摺動自在に支持されている。また、シリンダブロック2には、エンジン冷却水の温度(冷却水温)を検出する冷却水温センサが搭載されている。また、エンジンのクランクシャフト25の近傍には、所定のクランク角度毎にクランク角度信号(NEパルス信号)を出力するクランク角度センサが取り付けられている。
本実施例の電子スロットル装置(吸気渦流発生装置)は、エンジン本体(シリンダヘッド1、シリンダブロック2)またはインテークマニホールドに形成される複数の吸気通路(第1〜第4吸気ポート3)毎に設置された第1〜第4吸気制御バルブ(以下第1〜第4バルブと略す)5と、これらの第1〜第4バルブ5を駆動するアクチュエータを備えている。このアクチュエータは、1本のバルブシャフト13を介して、複数の第1〜第4バルブ5のバルブ開度(バルブ角度)を一括変更することが可能な1つのバルブ駆動装置を構成している。
ここで、シリンダヘッド1は、各第1〜第4吸気ポート3を隔てて対向する対向壁部に、バルブシャフト13を支持する軸受けをそれぞれ有している。複数の軸受けの軸受け孔(シャフト貫通孔)26の内部には、バルブシャフト13が回転自在に支持されている。
第1〜第4バルブ5は、スロットル弁としての機能と気流制御弁としての機能とを併せ持つ吸気制御弁の弁体であって、エンジンの各気筒毎に独立して接続される第1〜第4吸気ポート(特に共通吸気ポート)3毎にそれぞれ開閉自在に設置されている。また、第1〜第4バルブ5は、第1〜第4吸気ポート3の流路方向(吸気流方向)に対して垂直な水平方向に真っ直ぐに延びる1本のバルブシャフト(バルブの回転軸)13を有している。このバルブシャフト13は、トーションバー12を介して、モータ6のモータシャフト11に駆動連結されている。
第1〜第4バルブ5は、エンジン本体のシリンダヘッド1に形成された複数の軸受け孔26を貫通するバルブシャフト13の各バルブ保持部に支持固定(あるいは一体成形)されている。また、各第1〜第4バルブ5は、各第1〜第4吸気ポート(特に共通吸気ポート)3の空力中心から第1〜第4吸気ポート3の重力方向における下方側に離れた位置近傍に回転中心軸線を有するように構成された片持ち式のバルブである。つまり各第1〜第4バルブ5は、空力中心とバルブシャフト13および回転中心とが離れた蝶番弁である。
また、第1〜第4バルブ5は、シリンダヘッド1の内部に開閉自在に設置されて、シリンダヘッド1に対して相対回転する回転型のバルブで、バルブシャフト13の中心軸線周りを回転して第1〜第4吸気ポート3を開閉する。
そして、第1〜第4バルブ5は、エンジン運転時にエンジン制御ユニット(ECU)からの制御信号(モータ印加電圧またはPWM信号のデューティ比等)に基づいて、スロットル全閉位置からスロットル全開位置に至るまでの作動可能範囲で回転動作(回転角度を変更)することで、第1〜第4吸気ポート3の開口面積(第1〜第4吸気ポート3の開口率)を変更して吸入空気量を可変制御する(スロットル弁としての機能)。
また、第1〜第4バルブ5は、エンジンの始動時やアイドル運転時に、ECUからの制御信号(モータ印加電圧またはPWM信号のデューティ比等)に基づいて、スロットル全閉位置より僅かに開いた微小開度に保持される。このとき、第1〜第4バルブ5のバルブ上端部とシリンダヘッド1の上壁面との間に隙間が形成される。これにより、隙間を通過する吸気流が強化されるため、エンジンの各気筒の燃焼室内に縦方向の旋回流(吸気渦流、タンブル流)を生成できる(気流制御弁としての機能)。つまり第1〜第4バルブ5は、スロットル全閉位置より僅かに開いたスロットル全閉位置近傍期間でタンブル流を発生する。
ここで、スロットル弁としての機能および気流制御弁としての機能を併せ持つ第1〜第4バルブ5を駆動するアクチュエータは、電力の供給を受けると第1〜第4バルブ5を駆動する駆動力を発生する動力源であるモータ(主動力装置)6と、このモータ6のモータシャフト11と第1〜第4バルブ5のバルブシャフト13とを同軸的に連結するトーションバー12と、モータ6のモータシャフト11と第1〜第4バルブ5のバルブシャフト13との間に位相差が生じた時、その位相差を解消する方向に第1〜第4バルブ5のバルブシャフト13を駆動する補助動力装置とを備えている。
モータ6は、ECUによって電子制御されるモータ駆動回路を介して、自動車等の車両に搭載されたバッテリにそれぞれ電気的に接続されている。このモータ6は、そのモータシャフト(モータの回転軸)11に一体化されたロータ(アーマチャ)、およびこのロータの外周側に対向配置されたステータ(フィールド)等によって構成されたブラシ付きの直流(DC)モータである。そして、モータ6のロータは、コイル27が巻装されたコア29を有している。また、モータ6のステータは、内周に複数の永久磁石(マグネット)を保持したモータヨークまたはモータフレームを有している。なお、ブラシ付きのDCモータの代わりに、ブラシレスDCモータや、誘導電動機または同期電動機等の交流(AC)モータを用いても良い。
ここで、モータ6は、ECUによって駆動(通電制御)されるように構成されている。
モータ6のモータシャフト11に連結するトーションバー12は、モータ6のモータシャフト11の出力部(トーションバー12の入力部)に一体的に設けられるロータリバルブ15と、第1〜第4バルブ5のバルブシャフト13の入力部(トーションバー12の出力部)に一体的に設けられるベーンロータ16との間に配設されて、モータシャフト11およびロータリバルブ15とバルブシャフト13およびベーンロータ16との間の位相差を中立させる(解消する)ように弾性変形する。
補助動力装置は、第1〜第4バルブ5よりも下流側の第1〜第4吸気ポート3内の吸気圧力とエンジンの周囲環境(または自動車等の車両の使用環境)における大気圧力との圧力差を第1〜第4バルブ5を駆動する補助動力に利用している。この補助動力装置は、エンジン本体のシリンダヘッド1に一体的に設けられたケーシング14と、モータ6のモータシャフト11の出力部に一体的に設けられるロータリバルブ(第1回転体、位相差弁)15と、第1〜第4バルブ5のバルブシャフト13の入力部に一体的に設けられるベーンロータ(第2回転体)16とによって構成されている。そして、補助動力装置は、モータシャフト11およびロータリバルブ15とバルブシャフト13およびベーンロータ16との間に位相差が生じた時、その位相差を解消する方向に第1〜第4バルブ5を駆動する補助動力を発生する。
ケーシング14は、2つの第1、第2内部空間を有している。第1内部空間は、ベーンロータ16のベーン17によって2つの第1、第2密閉室(L室、R室)31、32に区画されている。また、第2内部空間は、ベーンロータ16のベーン18によって2つの第3、第4密閉室(L室、R室)33、34に区画されている。これらの第3、第4密閉室33、34は、2つの第1、第2密閉室31、32にそれぞれ対向して配設されている。 ロータリバルブ15は、トーションバー12よりもモータ側に配設されている。このロータリバルブ15は、トーションバー12の周囲を取り囲むように円筒部(スリーブ部)を有している。このロータリバルブ15は、モータ6のモータシャフト11の出力部およびトーションバー12の入力部に一体的に設けられて、モータ6のモータシャフト11と一体的に回転する。
ロータリバルブ15の円筒部の外周には、第1〜第4バルブ5よりも下流側の第1〜第4吸気ポート3に連通する2つの第1、第2外周凹部41、42が外周面より内周側に凹むように形成されている。なお、2つの第1、第2外周凹部41、42は、ベーンロータ16に形成された2つの第1、第2流体流路43、44、ケーシング14に形成された環状の流体流路45、流体流路46、逆止弁47、流体流路49を経由して、第1〜第4バルブ5よりも下流側の第1〜第4吸気ポート3に連通している。
また、ロータリバルブ15の円筒部の外周には、大気と連通する4つの第1〜第4外周凹部51〜54が外周面より内周側に凹むように形成されている。
逆止弁47は、吸気行程中の気筒に他の気筒から空気が引かれてしまうと、補助動力装置の方から空気を引けなくなるので、吸気行程中の気筒に他の気筒から空気が引かれるのを防止するための逆流防止弁である。
また、ロータリバルブ15の円筒部の外周には、ベーンロータ16との間に所定の位相差を許容するように、ベーンロータ16の内周に形成される2つのストッパ溝55内に嵌め合わされる2つの嵌合凸部(係合部)56が設けられている。
ここで、ロータリバルブ15は、ベーンロータ16との位相差に応じて、第1連通状態、中立位置(中立状態)および第2連通状態を切り替える位相差切替弁を構成する。
第1連通状態では、2つの第1、第2外周凹部41、42とベーンロータ16の内周に形成される2つの第1、第3内周凹部61、63とを連通する2つの第1、第2負圧導入流路、および2つの第2、第4外周凹部52、54とベーンロータ16の内周に形成される2つの第2、第4内周凹部62、64とを連通する2つの第1、第2大気圧導入流路が形成される。この第1連通状態は、モータ6のモータシャフト11が正転方向に回転し、ロータリバルブ15が開弁作動方向に駆動されて、ロータリバルブ15とベーンロータ16との間に位相差が生じている時に形成される。
また、中立状態では、2つの第1、第2外周凹部41、42または4つの第1〜第4外周凹部51〜54と4つの第1〜第4内周凹部61〜64との連通状態が遮断される。この中立状態は、補助動力装置による補助動力によってロータリバルブ15とベーンロータ16との間の位相差が解消された時に形成される。
また、第2連通状態では、2つの第1、第2外周凹部41、42と2つの第2、第4内周凹部62、64とを連通する2つの第1、第2負圧導入流路、および2つの第1、第3外周凹部51、53と2つの第1、第3内周凹部61、63とを連通する2つの第1、第2大気圧導入流路が形成される。この第2連通状態は、モータ6のモータシャフト11が逆転方向に回転し、ロータリバルブ15が閉弁作動方向に駆動されて、ロータリバルブ15とベーンロータ16との間に位相差が生じている時に形成される。
ベーンロータ16は、トーションバー12よりもバルブ側に配設されている。このベーンロータ16は、ロータリバルブ15の周囲を取り囲むように円筒部(スリーブ部)を有している。このベーンロータ16の円筒部には、ベーンロータ16の円筒部より半径方向に突出するように2つのベーン17、18が設けられている。
ベーンロータ16は、第1〜第4バルブ5のバルブシャフト13の入力部およびトーションバー12の出力部に一体的に設けられて、第1〜第4バルブ5のバルブシャフト13と一体的に回転する。このベーンロータ16は、ト−ションバー12の撓み量に応じて、ロータリバルブ15に対して相対的な回転方向の位置関係(位相差)が変化する。
また、ベーンロータ16の円筒部の内周には、対向するように2つのストッパ溝(被係合部)55が開口している。
2つのストッパ溝55の左回転方向の第1溝側面(L側面)は、モータ6のモータシャフト11が開弁作動方向に回転した際に、ト−ションバー12が撓むと、ロータリバルブ15の2つの嵌合凸部56が当接する第1当接面として機能する。ロータリバルブ15の2つの嵌合凸部56が2つのストッパ溝55の第1当接面に当接した際の、ロータリバルブ15とベーンロータ16との間の位相差は、最大位相差(θ=+α°)となる。
また、2つのストッパ溝55の右回転方向の第2溝側面(R側面)は、モータ6のモータシャフト11が閉弁作動方向に回転した際に、ト−ションバー12が撓むと、ロータリバルブ15の2つの嵌合凸部56が当接する第2当接面として機能する。ロータリバルブ15の2つの嵌合凸部56が2つのストッパ溝55の第2当接面に当接した際の、ロータリバルブ15とベーンロータ16との間の位相差は、最大位相差(θ=−α°)となる。
ここで、図4に示した位置関係の時には、ロータリバルブ15に対してベーンロータ16が中立位置(位相差ゼロ)となる。
また、ベーンロータ16の円筒部の内周には、2つの第1、第2密閉室31、32に連通する2つの第1、第2内周凹部61、62、および2つの第3、第4密閉室33、34に連通する2つの第3、第4内周凹部63、64が形成されている。また、ベーンロータ16の円筒部には、4つの第1〜第4ポート71〜74が形成されている。2つの第1、第2ポート71、72は、ベーンロータ16のベーン17の根元部の周方向の両側に形成されている。また、2つの第3、第4ポート73、74は、ベーンロータ16のベーン18の根元部の周方向の両側に形成されている。
ここで、例えばロータのコイル27が電力の供給を受けると、第1〜第4バルブ5のバルブシャフト13を駆動する駆動力を発生するモータ6は、ECUによって通電制御(駆動)されるように構成されている。このECUには、マイクロコンピュータ、A/D変換器およびモータ駆動回路が設けられている。
マイクロコンピュータは、制御処理や演算処理を行うCPU、制御プログラムまたは制御ロジックや各種データを保存する記憶装置(RAMやROM等のメモリ)、入力回路(入力部)、出力回路(出力部)、電源回路、タイマー等の機能を含んで構成される周知の構造を備えている。
また、マイクロコンピュータは、イグニッションスイッチがオン(IG・ON)されると、メモリ内に格納された制御プログラムまたは制御ロジックに基づいて、点火装置(イグニッションコイル、スパークプラグ等)および燃料噴射装置(電動フューエルポンプ、インジェクタ23等)を電子制御する。また、マイクロコンピュータは、イグニッションスイッチがオン(IG・ON)されると、メモリ内に格納された制御プログラムまたは制御ロジックに基づいて、電子スロットル装置(吸気渦流発生装置)のモータ6を制御する制御量としての駆動デューティ比(DUTY比)を算出する。
また、マイクロコンピュータは、第1〜第4バルブ5があるバルブ開度(バルブ角度)で停止状態にあるとき、その停止状態を保持するために必要なDUTY比を算出する。そして、マイクロコンピュータは、算出されたDUTY比に対応した制御信号(PWM信号:パルス幅変調信号)を、モータ駆動回路を介して、電子スロットル装置(吸気渦流発生装置)のモータ6に出力する。これにより、モータ6のロータのコイル27を流れるモータ駆動電流が制御されるため、モータ6が駆動されてモータシャフト11が回転し、トーションバー12を介してバルブシャフト13にモータ6の駆動力が伝わる。このため、第1〜第4バルブ5が制御指令値(制御目標値)となるように制御される。
ここで、モータ駆動回路は、マイクロコンピュータで算出されるDUTY比に基づいて、モータ6のロータのコイル27に印加するモータ印加電圧を変更し、モータ6のロータのコイル27を流れるモータ駆動電流を変化させるようにしたPWM方式の駆動回路が使用されている。なお、DUTY比が増加する程、モータ駆動電流も増加する。
また、マイクロコンピュータは、イグニッションスイッチがオフ(IG・OFF)されると、メモリ内に格納された制御プログラムまたは制御ロジックに基づく上記のスロットルバルブ開度制御(吸気流制御バルブ開度制御)、点火制御や燃料噴射制御等を含むエンジン制御等が強制的に終了されるように構成されている。
また、ECUは、エアフローメータ、クランク角度センサ、アクセル開度センサ、バルブ開度センサ、吸気温センサ、吸気圧センサおよび冷却水温センサ等の各種センサからのセンサ信号が、A/D変換器によってA/D変換された後に、マイクロコンピュータに入力されるように構成されている。
ここで、ECUは、エアフローメータより出力される吸入空気量信号、あるいは吸気圧センサより出力される第1〜第4吸気ポート圧力信号に基づいて、インジェクタ23を電子制御している。また、ECUは、アクセル開度センサより出力されるアクセル開度信号に基づいて、モータ6を電子制御している。あるいは、第1〜第4バルブ5のバルブ開度を検出するバルブ開度センサをエンジン本体に装着して、アクセル開度センサより出力されるアクセル開度信号とバルブ開度センサより出力されるバルブ開度信号との偏差に基づいて、モータ6を電子制御しても良い。
[実施例1の作用]
次に、本実施例の電子スロットル装置(吸気渦流発生装置)の作用を図1ないし図5に基づいて簡単に説明する。
モータ6のロータのコイル27に電力が供給されていない場合には、図4に示したように、モータシャフト11およびロータリバルブ15とバルブシャフト13およびベーンロータ16との間の位相差が零(ゼロ)であるので、トーションバー12の復元力(弾性変形力)によって、ロータリバルブ15に対してベーンロータ16が中立位置に保持される。このため、2つの第1、第2密閉室31、32内の流体圧力(空気圧)、および2つの第3、第4密閉室33、34内の流体圧力(空位圧)は等しく、ベーンロータ16に動力が生じないので、ロータリバルブ15とベーンロータ16との間に位相ずれが生じない。
次に、ECUは、イグニッションスイッチがオン(IG・ON)されると、モータ6のロータのコイル27に電力を供給すると共に、点火装置(イグニッションコイル、スパークプラグ等)および燃料噴射装置(電動フューエルポンプ、インジェクタ23等)を駆動する。これにより、エンジンが運転される。
ここで、運転者がアクセルペダルを踏み込むと、アクセル開度センサより出力されたアクセル開度信号がECUに入力される。
そして、ECUによって第1〜第4バルブ5が、アクセル開度に対応した所定のスロットル開度(バルブ角度)となるようにモータ6のロータのコイル27への電力の供給が成されて、モータシャフト11が回転すると、トーションバー12が撓み、ロータリバルブ15が中立位置から外れる。そして、ロータリバルブ15がベーンロータ16に対してある回転角度(最大位相差:θ=+α°)分だけ相対回転した後に、ロータリバルブ15の外周の2つの嵌合凸部56が2つのストッパ溝55の第1当接面(L側面)に当接する。これにより、ロータリバルブ15とベーンロータ16とが係合状態となり、ロータリバルブ15の回転に伴ってベーンロータ16もロータリバルブ15に追従して回転する(図5参照)。
そして、ロータリバルブ15の回転によりバルブシャフト13も回転し、第1〜第4バルブ5があるバルブ開度で停止状態に保持される。このとき、ロータリバルブ15が中立位置から外れているので、2つの第1、第2外周凹部41、42と第1、第3内周凹部61、63とが連通し、2つの第2、第4外周凹部52、54と第2、第4内周凹部62、64とが連通する第1連通状態となる。
この結果、図5に示したように、第1、第3密閉室31、33に吸気負圧(第1〜第4バルブ5よりも下流側の第1〜第4吸気ポート3内の吸気圧力)が導かれ、第2、第4密閉室32、34に大気圧力が導かれ、ロータリバルブ15に対して中立になるように、つまりロータリバルブ15に対する相対的な回転方向の位相差を解消する方向にベーンロータ16に駆動力が働く。このため、ベーンロータ16がロータリバルブ15に追従するように回転する。これにより、補助動力装置によってモータシャフト11とバルブシャフト13との間の位相差を解消する方向にバルブシャフト13が駆動される。よって、ロータリバルブ15に対してベーンロータ16が中立位置に保持される。これにより、モータ6のモータシャフト11とバルブシャフト13との間の相対的な回転方向の位相差が解消される。
これによって、トーションバー12を介して、モータ6のモータシャフト11に駆動連結されたバルブシャフト13が、アクセルペダルの踏み込み量(アクセル操作量)に対応したバルブ角度分だけ回転する。
したがって、モータ6のモータシャフト11の回転角度分だけバルブシャフト13が回転するので、バルブシャフト13の各バルブ保持部に支持固定された第1〜第4バルブ5が、スロットル全閉位置近傍よりスロットル全開位置側へ開く方向(開弁作動方向)に駆動される。
そして、エンジンの特定気筒(例えば第1気筒#1)が、排気行程から、吸気バルブ21が開弁し、ピストン24が下降する吸気行程に移行すると、ピストン24の下降に従って当該気筒の燃焼室内の吸気負圧(大気圧力よりも低い圧力)が大きくなり、開弁している第1〜第4吸気ポート3から燃焼室に混合気が吸い込まれる。このとき、シリンダヘッド1の内部に形成される第1〜第4吸気ポート3が所定のバルブ角度だけ開かれるので、エンジン回転速度がアクセルペダルの踏み込み量(アクセル操作量)に対応した速度に変更される。
また、運転者がアクセルペダルより足を離すと、モータ6のロータのコイル27への供給電力が所定値(第1〜第4バルブ5をスロットル全閉位置近傍に停止状態で保持することが可能な供給電力)に変更される。そして、モータ6のロータのコイル27への供給電力を所定値に保持することによってモータシャフト11が逆回転する。すると、トーションバー12が撓み、ロータリバルブ15が中立位置から外れる。そして、ロータリバルブ15がベーンロータ16に対してある回転角度(最大位相差:θ=−α°)分だけ相対回転した後に、ロータリバルブ15の外周の2つの嵌合凸部56が2つのストッパ溝55の第2当接面(R側面)に当接する。これにより、ロータリバルブ15とベーンロータ16とが係合状態となり、ロータリバルブ15の回転に伴ってベーンロータ16もロータリバルブ15に追従して回転する。
そして、ロータリバルブ15の回転によりバルブシャフト13も回転し、第1〜第4バルブ5がスロットル全閉位置近傍で停止状態に保持される。このとき、ロータリバルブ15が中立位置から外れているので、2つの第1、第2外周凹部41、42と第2、第4内周凹部62、64とが連通し、2つの第1、第3外周凹部51、53と第1、第3内周凹部61、63とが連通する第2連通状態となる。
この結果、第1、第3密閉室31、33に大気圧力が導かれ、第2、第4密閉室32、34に吸気負圧が導かれ、ロータリバルブ15に対して中立になるように、つまりロータリバルブ15に対する相対的な回転方向の位相差を解消する方向にベーンロータ16に駆動力が働く。このため、ベーンロータ16がロータリバルブ15に追従するように回転する。これにより、補助動力装置によってモータシャフト11とバルブシャフト13との間の位相差を解消する方向にバルブシャフト13が駆動される。よって、ロータリバルブ15に対してベーンロータ16が中立位置に保持される。これにより、モータ6のモータシャフト11とバルブシャフト13との間の相対的な回転方向の位相差が解消される。
これによって、トーションバー12を介して、モータ6のモータシャフト11に駆動連結されたバルブシャフト13が、スロットル全閉位置(アイドル位置)近傍まで戻される(図4参照)。これにより、第1〜第4バルブ5が、スロットル全閉位置近傍に戻されるため、第1〜第4バルブ5の半径方向の外周端部と第1〜第4吸気ポート3のポート壁面との間の隙間が、アイドル回転速度を維持することが可能な大きさとなる。
したがって、シリンダヘッド1の内部に形成される第1〜第4吸気ポート3を経由してエンジンの各気筒の燃焼室内に吸入される吸入空気量が最小となり、エンジン回転速度がアイドル回転速度となる。
ここで、ECUは、エンジン始動時またはアイドル運転時に、第1〜第4バルブ5がスロットル全閉位置近傍で保持できるようにモータ6のロータのコイル27への供給電力を所定値に保持している。
この場合、エンジンの吸気管、特にインテークマニホールドの各分岐管部から、第1〜第4吸気ポート3の共通吸気ポート内に流入した吸気流は、図2に白抜き矢印で示したように、第1〜第4吸気ポート3の重力方向における上部側に偏って形成され、共通吸気ポートから2つの分岐吸気ポート内に流れ込む。
そして、第1〜第4吸気ポート3の2つの分岐吸気ポート内に流れ込んだ吸気流は、2つの分岐吸気ポートの各バルブシートのスロート部を通過して、吸気バルブ21に到達し、2つの分岐吸気ポートの各吸気ポート開口部から燃焼室内に流れ込む。
このとき、2つの分岐吸気ポートの各吸気ポート開口部から燃焼室内に流れ込んだ吸気流は、その第1〜第4吸気ポート形状(円弧状に滑らかに屈曲した第1〜第4吸気ポート形状)および吸気バルブ21の開弁状態によって燃焼室内を縦方向に旋回するタンブル流となる。
そして、2つの分岐吸気ポートの各吸気ポート開口部から燃焼室内に流れ込んだ吸気流は、適度なタンブル流を燃焼室内で形成できるため、エンジン始動時またはアイドル運転時における燃焼室内での燃焼効率を向上させることができる。
以上のように、第1〜第4バルブ5をあるバルブ開度(スロットル全閉位置近傍)で停止状態に保持している場合、第1〜第4バルブ5の開口率は0に近く、第1〜第4バルブ5よりも下流側の第1〜第4吸気ポート3内の吸気圧力(吸気負圧)と大気圧力との間に大きな圧力差が生じる。ここで、モータ6のロータのコイル27に電力を供給してモータ6を駆動することで、第1〜第4バルブ5をスロットル全閉位置近傍で停止状態に保持すると、第1〜第4バルブ5に吸気負圧が作用して第1〜第4バルブ5に開弁作動方向への負荷トルク(曲げモーメント)が加わる。これにより、第1〜第4バルブ5のバルブシャフト13に負荷トルクの大きさに対応した捩じれが発生する。
ここで、本実施例の電子スロットル装置(吸気渦流発生装置)においては、ロータリバルブ15とベーンロータ16との間に、モータシャフト11とバルブシャフト13とを同軸的に連結するトーションバー12を配設している。これにより、バルブシャフト13に捩じれが発生すると、モータシャフト11とバルブシャフト13との間に位相差が生じる。そして、モータシャフト11とバルブシャフト13との間に位相差が生じると、トーションバー12が撓み、ロータリバルブ15が中立位置から外れ、図5に示したように、2つの第1、第2外周凹部41、42と第1、第3内周凹部61、63とが連通し、2つの第2、第4外周凹部52、54と第2、第4内周凹部62、64とが連通する。
この結果、第1、第3密閉室31、33に吸気負圧(第1〜第4バルブ5よりも下流側の第1〜第4吸気ポート3内の吸気圧力)が導かれ、第2、第4密閉室32、34に大気圧力が導かれ、ロータリバルブ15に対して中立になるように、つまりロータリバルブ15に対する相対的な回転方向の位相差を解消する方向にベーンロータ16に駆動力が働く。このため、ベーンロータ16がロータリバルブ15に追従するように回転する。これにより、補助動力装置によってモータシャフト11とバルブシャフト13との間の位相差を解消する方向にバルブシャフト13が駆動される。よって、ロータリバルブ15に対してベーンロータ16が中立位置に保持される。これにより、モータ6のモータシャフト11とバルブシャフト13との間の相対的な回転方向の位相差が解消される。
このため、ベーンロータ16は、ロータリバルブ15に対して中立位置に保持されるので、第1〜第4バルブ5の前後に大きな圧力差があっても、第1〜第4バルブ5をスロットル全閉位置近傍に保持することができる。
[実施例1の効果]
以上のように、本実施例の電子スロットル装置(吸気渦流発生装置)においては、第1〜第4バルブ5が、スロットル全閉位置より少しだけ開いたスロットル全閉位置近傍で停止状態となると、第1〜第4バルブ5に吸気負圧が作用する。このとき、第1〜第4バルブ5に開弁作動方向への負荷トルク(曲げモーメント)が加わった場合であっても、補助動力装置の補助動力、つまりロータリバルブ15に対する相対的な回転方向の位相差を解消する方向に作用するベーンロータ16の駆動力により第1〜第4バルブ5をスロットル全閉位置近傍で保持することが可能となる。
この結果、第1〜第4バルブ5を駆動する駆動力を発生する動力源(主動力装置)であるモータ6の出力の増強および駆動力の増加を抑えることができる。つまりモータ6の駆動力を小さくすることができる。
図6は本発明の実施例2を示したもので、エンジンのシリンダヘッドに取り付けられた補助駆動装置を示した図である。
本実施例の補助動力装置は、ケーシング(第1ケーシング)14とベーンロータ16との間に、連れ回り箱(第2ケーシング)19を有している。この連れ回り箱19は、ケーシング14に対して相対回転が可能で、ベーンロータ16に対して回転角度範囲内で相対回転が可能で、その回転角度範囲外でベーンロータ16と同期して一体的に回転する。連れ回り箱19は、2つの第1、第2内部空間を有している。
第1内部空間は、ベーンロータ16のベーン17によって2つの第1、第2密閉室(L室、R室)31、32に区画されている。また、第2内部空間は、ベーンロータ16のベーン18によって2つの第3、第4密閉室(L室、R室)33、34に区画されている。これらの第3、第4密閉室33、34は、2つの第1、第2密閉室31、32にそれぞれ対向して配設されている。
これによって、連れ回り箱19によりベーンロータ16のパワー作用角を小さくすることができるので、ロータリバルブ15に対する相対的な回転方向の位相差を解消する方向に作用するベーンロータ16の応答性(レスポンス)、つまりロータリバルブ15に対する追従性を向上することができる。
[変形例]
本実施例では、本発明を、エンジン本体の第1〜第4吸気ポート(エンジンの燃焼室に連通する吸気通路)3の開口率を連続的に変化させて吸入空気量を調整する電子スロットル装置に適用しているが、本発明を、エンジンの燃焼室に連通する吸気通路の通路断面積を連続的に変化させて吸入空気量を調整する電子スロットル装置に適用しても良い。
本実施例では、吸気渦流発生装置を、エンジンの各気筒毎の燃焼室内に縦方向の旋回流(吸気渦流、タンブル流)を発生させるように構成したが、吸気渦流発生装置を、エンジンの各気筒毎の燃焼室内に横方向の旋回流(吸気渦流、スワール流)を発生させるように構成しても良い。また、吸気渦流発生装置を、エンジンの燃焼を促進させるためのスキッシュ渦を発生させるように構成しても良い。
本実施例では、本発明を、1つの燃焼室に対して2つの分岐吸気ポートを有する内燃機関(エンジン)に適用したが、1つの燃焼室に対して1つの第1〜第4吸気ポート、あるいは3つ以上の分岐吸気ポートを有する内燃機関(エンジン)に適用しても良い。1つの燃焼室に連通する吸気ポートと排気ポートとのポート数が異なっても良い。
なお、第1〜第4バルブ5のバルブシャフト(バルブの回転軸)13を開弁作動方向または閉弁作動方向に付勢するスプリング等のバルブ付勢手段を設置しても良く、あるいは設置しなくても良い。
また、バルブを、インテークマニホールド内、あるいはインテークマニホールドを除く他の吸気管内に組み込んでも良い。
また、モータ(主動力装置)、トーションバーおよび補助動力装置を有するアクチュエータ(バルブ駆動装置)を複数のバルブ毎に独立して配設しても良い。
本実施例では、第1〜第4バルブ5よりも下流側の第1〜第4吸気ポート(吸気通路)3内の吸気圧力とエンジンの周囲環境における大気圧力との圧力差を第1〜第4バルブ5を駆動する補助動力に利用しているが、オイルポンプで発生する高圧の油圧力とオイルパン(リザーバ)にオイルを戻す油路内の低圧の油圧力との圧力差を第1〜第4バルブ5を駆動する補助動力に利用しても良い。この場合には、ロータリバルブ15の外周に形成される2つの第1、第2外周凹部41、42をオイルパン(リザーバ)にオイルを戻す油路と連通させ、4つの第1〜第4外周凹部51〜54をオイルポンプより高圧のオイルが圧送される油路と連通させる。
また、補助動力として、空気圧、油圧だけでなく、水圧、ガス圧等の他の流体圧を使用しても良い。
内燃機関の吸気制御装置を示した概略図である(実施例1)。 エンジンを示した概略図である(実施例1)。 エンジンのシリンダヘッドに取り付けられた補助駆動装置を示した断面図である(実施例1)。 エンジンのシリンダヘッドに取り付けられた補助駆動装置を示した断面図である(実施例1)。 エンジンのシリンダヘッドに取り付けられた補助駆動装置を示した断面図である(実施例1)。 エンジンのシリンダヘッドに取り付けられた補助駆動装置を示した断面図である(実施例2)。
符号の説明
1 シリンダヘッド(ダクト)
3 第1〜第4吸気ポート(吸気通路)
5 第1〜第4バルブ
6 モータ(主動力装置、動力源)
11 モータシャフト(モータの回転軸)
12 トーションバー
13 バルブシャフト(バルブの回転軸)
14 ケーシング(補助動力装置)
15 ロータリバルブ(補助動力装置、第1回転体)
16 ベーンロータ(補助動力装置、第2回転体)
17 ベーン
18 ベーン
19 連れ回り箱

Claims (4)

  1. 内燃機関の燃焼室への吸入空気量を調整するスロットル弁としての機能、および前記内燃機関の燃焼室内に旋回流を発生させる気流制御弁としての機能を併せ持つバルブを駆動するバルブ駆動装置において、
    前記バルブを駆動する駆動力を発生するモータと、
    前記バルブの回転軸と前記モータの回転軸とを同軸的に連結するトーションバーと、
    前記モータの回転軸と前記バルブの回転軸との間に位相差が生じた時、その位相差を解消する方向に前記バルブの回転軸を駆動する補助動力装置と
    を備えたことを特徴とするバルブ駆動装置。
  2. 請求項1に記載のバルブ駆動装置において、
    前記補助動力装置は、
    前記トーションバーよりもモータ側に配設されて、前記モータの回転軸と一体的に回転する第1回転体、および前記トーションバーよりもバルブ側に配設されて、前記バルブの回転軸と一体的に回転する第2回転体を有し、
    前記第1回転体と前記第2回転体との間に位相差が生じた時、その位相差を解消する方向に前記バルブの回転軸を駆動する補助動力を発生することを特徴とするバルブ駆動装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載のバルブ駆動装置において、
    前記補助動力装置は、
    前記バルブよりも下流側の吸気通路内の吸気圧力と前記内燃機関の周囲環境における大気圧力との圧力差を前記バルブの回転軸を駆動する補助動力に利用していることを特徴とするバルブ駆動装置。
  4. 請求項1ないし請求項3のうちのいずれか1つに記載のバルブ駆動装置において、
    前記バルブの回転軸は、前記内燃機関の燃焼室に吸入空気を供給するための吸気通路内における空力中心から離れた位置に配設されていることを特徴とするバルブ駆動装置。
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