JP2009133203A - ロータリピストンエンジンの燃料噴射装置 - Google Patents

ロータリピストンエンジンの燃料噴射装置 Download PDF

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Abstract

【課題】燃料噴射タイミングを可及的に早期化して燃料の微粒化及び気化、霧化を促進することができるロータリピストンエンジンの燃料噴射装置を提供する。
【解決手段】吸気マニホールド21と排気マニホールド22との間で且つ吸気ポート11よりもトレーリング側にインジェクタ15を配設し、吸気ポート11を指向して燃料を噴射するように噴射口を設ける。
【選択図】図2

Description

本発明は、いわゆる直噴型のロータリピストンエンジンに関し、特に、その燃焼安定性を向上するための燃焼噴射技術に関する。
従来より、直噴型のロータリピストンエンジンにおいて、噴射した燃料が点火時に点火プラグの近傍に集中するようにしたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。そこでは、ロータの回転に伴って吸気行程の後半から圧縮行程にかけてロータの回転方向に旋回するように発生する渦流の流れに沿うように燃料を噴射している。そうすることで、安定した成層化燃焼を実現でき、作動室の内周面への燃料の付着も軽減することができる。
特開平6−288249号公報
ここで、直噴型のロータリピストンエンジンの燃料噴射装置では、作動室内に均一な混合気を形成して燃焼させるために、噴射した燃料を確実に気化、霧化させて均一に拡散させることが重要である。しかしながら、従来のロータリピストンエンジンの燃料噴射装置では、点火プラグに向けて燃料を噴射する構成としているため、噴射した燃料を気化、霧化させる時間を十分に長く確保することが難しいという問題がある。
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、燃料噴射タイミングを可及的に早期化して燃料の微粒化及び気化、霧化を促進することができるロータリピストンエンジンの燃料噴射装置を提供することにある。
上述した目的を達成するため、本発明では、燃料噴射弁を吸気ポートよりもトレーリング側に配設して、燃料噴射タイミングを可及的に早期化できるようにした。
具体的に、本発明は、吸気行程にある作動室内に直接燃料を噴射する燃料噴射弁を備えたロータリピストンエンジンの燃料噴射装置を対象とし、次のような解決手段を講じた。
すなわち、請求項1の発明は、前記燃料噴射弁は、前記作動室に面して開口する吸気ポートよりもトレーリング側に配設され、
前記燃料噴射弁の噴射口は、前記吸気ポートを指向して燃料を噴射するように形成されていることを特徴とするものである。
この構成によれば、燃料噴射弁を吸気ポートよりもトレーリング側に配設し、吸気ポートを指向して燃料を噴射するようにしたから、燃料噴射タイミングを可及的に早期化できる。すなわち、吸気作動室が拡がっていくタイミングで燃料噴射を行うことで、噴射した燃料を気化、霧化させる時間をできる限り長く確保して、作動室内に均一に拡散させることができる。さらに、吸気作動室内におけるリーディング側の空燃比を濃くしてリーディング側での燃焼性を向上することができ、優れた燃焼性能を発揮するロータリピストンエンジンを実現することができる。また、吸気ポートを指向して燃料を噴射することで、吸気の運動エネルギーを効率良く利用して、燃料の拡散を促進できる。
さらに、吸気ポートから吸気された空気で吸気作動室内の温度が低下する前に、燃料噴射弁により燃料を噴射するようにすれば、排気作動室から吸気作動室へ流入するダイリューションガスの熱により、噴射された燃料は瞬時に気化、霧化されることとなり、作動室内に均一な混合気を形成する上で有利となる。
請求項2の発明は、請求項1において、
前記吸気ポートを指向して噴射された燃料のペネトレーションが、前記燃料噴射弁の噴射口から前記作動室における噴射方向に対向する内周面までの距離よりも短く設定されていることを特徴とするものである。
この構成によれば、吸気ポートを指向して噴射された燃料のペネトレーションを、噴射口から作動室における噴射方向に対向する内周面までの距離よりも短く設定したから、ロータハウジングの内周面への燃料付着を抑制でき、燃料の均一拡散を安定して実現することができる。
請求項3の発明は、請求項1において、
前記吸気ポートに接続され、ロータハウジング外方に延設された吸気マニホールドを備え、
前記燃料噴射弁は、前記吸気マニホールドの下方に配設されるとともに、その周囲が遮蔽部材で覆われていることを特徴とするものである。
この構成によれば、燃料噴射弁の周囲が遮蔽部材で覆われているから、燃料噴射弁の下方に高温の燃焼ガスを流通させる排気マニホールドが配設されていたとしても、排気マニホールドから放射される放射熱が遮蔽部材で断熱され、燃料噴射弁が熱の影響を受けることを抑制できて信頼性を確保することができる。
請求項4の発明は、請求項1において、
前記燃料噴射弁の先端部は、略水平又は後端部よりも下方に位置するように傾斜して配設されていることを特徴とするものである。
この構成によれば、燃料噴射弁の先端部を略水平又は後端部よりも下方に位置するように傾斜して配設したから、噴射した燃料が燃料噴射弁の噴射口に溜まることなく下方に流れ落ちるようになり、高温のダイリューションガスにより燃料が燃焼して生成されるカーボンデポジットが噴射口周りに付着してしまうことを抑制できる。
請求項5の発明は、請求項1において、
前記吸気ポートに接続され、ロータハウジング外方に延設された吸気マニホールドと、
前記排気ポートに接続され、前記吸気マニホールドの下方に配設されるとともに前記ロータハウジング外方に延設された排気マニホールドとを備え、
前記燃料噴射弁は、前記吸気マニホールドと前記排気マニホールドとの間で且つ両マニホールドよりも延設方向の内側に配設されていることを特徴とするものである。
この構成によれば、吸気マニホールドと排気マニホールドとの間で且つ両マニホールドよりも延設方向の内側に燃料噴射弁を配設したから、吸気マニホールドと排気マニホールドとを車両側面方向に延設させれば、車両の側面衝突時に吸気マニホールドと排気マニホールドとで外部からの衝撃を緩和できて燃料噴射弁を保護することができ、安全性を確保することができる。
以上のように、本発明によれば、吸気作動室が拡がっていくタイミングで燃料噴射を行えば、噴射した燃料を気化、霧化させる時間をできる限り長く確保して、作動室内に均一に拡散させることができ、優れた燃焼性能を発揮するロータリピストンエンジンを実現することができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものではない。
(エンジンの全体構成)
図1及び図2に、本発明の燃料噴射装置を適用したロータリピストンエンジン1(以下、単にエンジン1という)を示す。
図1に示すように、このエンジン1は、2つのロータ2,2を備えた2ロータタイプであり、2つのロータハウジング3,3が、インターミディエイトハウジング4をその間に挟んだ状態で、これらの両側からさらに2つのサイドハウジング5,5で挟み込むようにして一体化されている。なお、図1では、その右側の一部は切り欠いて内部を示すとともに、左側のサイドハウジング5も内部を示すために分離してある。また、図中の符号Xはエキセントリックシャフト6の軸心となる回転軸である。
そして、各ロータハウジング3,3の、平行トロコイド曲線で描かれるトロコイド内周面3a,3aと、これらロータハウジング3,3を両側から挟むサイドハウジング5,5の内側面5a,5aと、インターミディエイトハウジング4の両側の内側面4a,4aとで、図2に示すように、回転軸Xの方向から見て繭のような略楕円形状をしたロータ収容室7が2つ横並びに区画されており、これらロータ収容室7にそれぞれロータ2が1つずつ収容されている。各ロータ収容室7,7は、インターミディエイトハウジング4に対して対称状に配置されており、ロータ2の位置、位相が異なっている点を除けば構成は同じであるため、以下、1つのロータ収容室7について説明する。
前記ロータ2は、回転軸Xの方向から見て各辺の中央部が膨出する略三角形状をしたブロック体からなり、その外周には、各頂部間に3つの略長方形をしたフランク面2a,2a,2aが備えられている。各フランク面2aの中央部分には、その長軸方向に延びるリセス2bが形成されている。
前記ロータ2の各頂部には、アペックスシール16が設けられている。このアペックスシール16は、ロータ2の厚み方向に延びていて、その厚さとほぼ同じ長さを持つ細長い部材で構成されている。アペックスシール16は、ロータ2の各頂部に設けられたシール溝17にスプリング18を介して埋め込まれている。このスプリング18は、アペックスシール16を径方向外側に向かって押し出している。そして、各アペックスシール16は、ロータ2の回転時は、遠心力によってロータハウジング3のトロコイド内周面3aに押し付けられ、そのトロコイド内周面3aを摺動する(つまり、接触しながら移動する)ようになっている。
これにより、ロータ2の各頂部とロータハウジング3のトロコイド内周面3aとの間が封止され、このロータハウジング3のトロコイド内周面3aと、インターミディエイトハウジング4の内側面4aと、サイドハウジング5の内側面5aと、ロータ2のフランク面2aとで、ロータ収容室7の内部にそれぞれ3つの作動室8,8,8が区画形成されている。
また、ロータ2の内側には図示しない位相ギアが設けられている。すなわち、ロータ2の内側の内歯車(ロータギア)とサイドハウジング5側の外歯車(固定ギア)とが噛合するとともに、ロータ2は、インターミディエイトハウジング4及びサイドハウジング5を貫通するエキセントリックシャフト6に対して、遊星回転運動をするように支持されている。
すなわち、ロータ2の回転運動は内歯車と外歯車との噛み合いによって規定され、ロータ2は、3つのシール部が各々ロータハウジング3のトロコイド内周面3aに摺接しつつ、エキセントリックシャフト6の偏心輪6aの周りを自転しながら、回転軸Xの周りに自転と同方向に公転する(この自転、公転を含め、広い意味で単にロータの回転という)。そして、ロータ2が1回転する間に3つの作動室8,8,8が周方向に移動し、それぞれで吸気、圧縮、膨張(燃焼)及び排気の各行程が行われて、これにより発生する回転力がロータ2を介してエキセントリックシャフト6から出力される。
より具体的に、図2において、ロータ2は矢印で示すように、時計回りに回転しており、回転軸Xを通るロータ収容室7の長軸Yを境に分けられるロータ収容室7の左側が概ね吸気及び排気行程の領域となり、右側が概ね圧縮及び膨張行程の領域となっている。
そして、図2の左上側の作動室8に着目すると、これは吸気と噴射された燃料とで混合気を形成する吸気行程を示しており、この作動室8がロータ2の回転に連れて圧縮行程に移行すると、その内部にて混合気が圧縮される。その後、図2の右側に示す作動室8のように圧縮行程の終盤から膨張行程にかけて所定のタイミングにて点火プラグ9,9により点火されて、燃焼・膨張行程が行われる。そして、最後に図2の下側の作動室8のような排気行程に至ると、燃焼ガスが排気ポート10から排気された後、再び吸気行程に戻って各行程が繰り返されるようになっている。本発明の燃料噴射装置は、前記各行程のうち、吸気行程を対象としているため、その吸気行程にある作動室8(以下、吸気作動室8という)についてさらに詳しく説明する。
(燃料噴射装置の構成)
吸気作動室8は、先に説明したようにロータ2の回転に伴ってロータ収容室7の長軸Y方向の一端側(図2の上側)において形成されており、この吸気作動室8内に直接燃料を噴射するようにインジェクタ15(燃料噴射弁)が配設されている。このインジェクタ15の配設位置に関しては後述する。
図1及び図2に示すように、この吸気作動室8には、複数の吸気ポート11,12,13が連通している。すなわち、吸気作動室8に面するインターミディエイトハウジング4の内側面4aには、ロータ収容室7の外周側の短軸Z寄りに第1吸気ポート11が開口している。また、吸気作動室8に面するサイドハウジング5の内側面5aには、第1吸気ポート11に対向するように、そのロータ収容室7の外周側の短軸Z寄りに第2吸気ポート12及び第3吸気ポート13が開口している。
前記吸気ポート11,12,13は、インターミディエイトハウジング4及びサイドハウジング5における短軸Z方向の一端面(図2では左側面)に連通するように開口しており、各吸気ポート11,12,13には吸気マニホールド21が接続されている。この吸気マニホールド21は、ロータハウジング3外方に延設されてさらに上方に延び、図示しない吸気管に接続されて各吸気ポート11,12,13に対してエアを吸気する吸気流路を形成している。
また、前記排気ポート10についても同様に、インターミディエイトハウジング4及びサイドハウジング5における短軸Z方向の一端面(図2では左側面)に連通するように開口しており、この排気ポート10には排気マニホールド22が接続されている。この排気マニホールド22は、吸気マニホールド21よりも下方に配設されるとともに、ロータハウジング3外方に延設されて後述する図3の左方向に延び、図示しない排気管に接続されて排気ポート10から排気された燃焼ガスを外部に排気する排気流路を形成している。
ここで、例えば、エンジン1の低回転域では、第1吸気ポート11のみから吸気され、吸気量が不足するようになると第2吸気ポート12からも吸気され(中回転域)、さらに吸気量が不足するようになると第3吸気ポート13からも吸気されて(高回転域)、吸気量が変化しても最適な吸気流速を維持して、エンジン1の低負荷低回転から高負荷高回転までの全運転領域にわたって効率良く吸気できるようになっている。
図3は、本発明の燃料噴射装置を適用したロータリピストンエンジン1の構成を一部省略して示す図2におけるA矢視図である。図3において仮想線で描いた円で囲った部分は、インジェクタ15の取付構造を見やすく示すために一部断面図としたものである。
図2及び図3に示すように、前記インジェクタ15は、吸気マニホールド21と排気マニホールド22との間で且つ吸気ポート11よりもトレーリング側に配設されている。このインジェクタ15は、取付ブラケット24によりロータハウジング3の左側面に取付固定されている。
また、前記インジェクタ15の周囲は、吸気マニホールド21に一体に形成された遮蔽部材23で覆われている。このように、インジェクタ15の周囲を遮蔽部材23で覆うことで、インジェクタ15の下方に高温の燃料ガスが流通する排気マニホールド22が配設されていたとしても、排気マニホールド22から放射される放射熱が遮蔽部材23で断熱され、インジェクタ15が熱の影響を受けることを抑制できて信頼性を確保することができる。
前記インジェクタ15の噴射口は、吸気ポート11を指向して燃料を噴射するように形成されている。具体的に、このインジェクタ15の先端部には、燃料を噴射する複数の噴孔(図示せず)が形成されたマルチホール型の噴射口が設けられており、燃料を広範囲に噴射可能な広角タイプに形成されている。ここで、各噴孔は、それぞれ噴孔径(断面積)やその長さ、角度の設定によって噴霧量やその噴霧方向を調整できるようになっており、最適な燃料の噴射が行えるように、これら噴孔の噴射方向及び噴射位置に工夫が凝らされている。
なお、このようなマルチホール型のインジェクタ15の他にも、電圧をかけると伸張するピエゾ素子をバルブ制御に用いて応答性を高くしたピエゾインジェクタを使用することで、噴射期間を短くして噴霧粒子をさらに微粒化するようにしてもよい。
このように、前記インジェクタ15を吸気ポート11よりもトレーリング側に配設し、吸気ポート11を指向して燃料を噴射すれば、燃料噴射タイミングを可及的に早期化できる。すなわち、吸気作動室8が拡がっていくタイミングで燃料噴射を行うことで、噴射した燃料を気化、霧化させる時間をできる限り長く確保して、吸気作動室8内に均一に拡散させることができ、優れた燃焼性能を発揮するロータリピストンエンジン1を実現することができる。また、吸気ポート11を指向して燃料を噴射することで、吸気の運動エネルギーを効率良く利用して、燃料の拡散を促進できる。
ここで、前記インジェクタ15の先端部は、略水平又は後端部よりも下方に位置するように傾斜して配設されている。このようにすれば、噴射した燃料がインジェクタ15の噴射口に溜まることなく下方に流れ落ちるようになり、高温のダイリューションガスにより燃料が燃焼して生成されるカーボンデポジットが噴射口周りに付着してしまうことを抑制できる。
また、前記インジェクタ15は、吸気マニホールド21と排気マニホールド22との間で両マニホールド21,22よりも延設方向の内側に配設されている。インジェクタ15をこのように配設すれば、吸気マニホールド21と排気マニホールド22とを車両側面方向に延設させたときに、車両の側面衝突時に吸気マニホールド21と排気マニホールド22とで外部からの衝撃を緩和できてインジェクタ15を保護することができ、安全性を確保することができる。
さらに、本実施形態では、吸気ポート11を指向してインジェクタ15から噴射された燃料のペネトレーションを、噴射口から吸気作動室8における噴射方向に対向するトロコイド内周面3aまでの距離よりも短く設定している。このようにすれば、ロータハウジング3のトロコイド内周面3aへの燃料付着を抑制でき、燃料の均一拡散を安定して実現することができる。
また、このロータリピストンエンジン1には、アペックスシール16や図示しないサイドシール等によるガスシール部に対して、潤滑のためのオイル(エンジンオイル)を直接、供給する潤滑装置(図示せず)が設けられており、潤滑装置から送り出されたオイルが、ロータハウジング3のトロコイド内周面3aに臨むオイル供給弁25から吸気作動室8内に供給されるようになっている。
前記オイル供給弁25は、インジェクタ15よりもリーディング側で、且つロータハウジング3においてロータ幅方向(エンジン前後方向)の両側寄りと、ロータ幅方向の略中央とに各々配置されている。
(燃料噴射時期について)
次に、インジェクタ15から噴射した燃料を効率良く拡散させるための、インジェクタ15の燃料噴射時期について説明する。具体的には、吸気による燃料の拡散性が最適となるように、燃料噴射時期が、吸気行程前半の吸気流速が所定値以上となる期間内に設定されている。換言すれば、吸気作動室8が、エキセン角で下死点後−150°(−150°ABDC(After Bottom Dead Center))となるタイミングを中心とした期間内に、燃料噴射時期が設定されている。
なお、ここでいうエキセン角とは、図2に仮想線で示すように、ロータ2の頂部が下端に位置し、吸気作動室8の容積が最大になる状態(下死点:BDC)を基準(0°ABDC)とし、これに対するエキセントリックシャフト6の回転方向側への回転角であり、実線で示すように、ロータ2が逆方向に約80°戻った状態が−150°ABDCに相当している。
吸気行程における−210°〜−60°ABDCの範囲で、吸気作動室8内での吸気の運動エネルギーを比較した結果を図4のグラフに示す。このグラフに示すように、−150°ABDCをピークに吸気の運動エネルギーが大きくて、吸気流速も大きく、激しい吸気流の流動が形成されていることが分かる。従って、吸気行程前半の−150°ABDCを中心にして、−170°〜−130°ABDCの範囲、さらに好ましくは−160°〜−140°ABDCの期間内で燃料を噴射すれば、効率よく燃料を拡散させることができる。
このようにすれば、吸気の運動エネルギーを効率良く利用して、燃料の拡散を促進できる。さらに、吸気作動室8が拡がっていくタイミングでの燃料噴射が可能となり、ロータハウジング3の内周面への燃料付着を抑制でき、燃料の均一拡散を安定して実現することができる。
なお、この燃料噴射時期は、排気行程で生じたダイリューションガスを利用して燃料の気化、霧化を促進させるように設定してもよい。すなわち、吸気ポート11から吸気された空気で吸気作動室8内の温度が低下する前に、インジェクタ15により燃料を噴射するようにすれば、排気側の作動室8から吸気作動室8へ流入するダイリューションガスの熱により、噴射された燃料は瞬時に気化、霧化されることとなり、作動室8内に均一な混合気を形成する上で有利となる。
以上説明したように、ロータリピストンエンジンに本発明の燃料供給装置を適用すれば、インジェクタ15を吸気ポート11よりもトレーリング側に配設し、吸気ポート11を指向して燃料を噴射するようにしたから、燃料噴射タイミングを可及的に早期化できる。すなわち、吸気作動室8が拡がっていくタイミングで燃料噴射を行うことで、噴射した燃料を気化、霧化させる時間をできる限り長く確保して、作動室8内に均一に拡散させることができ、優れた燃焼性能を発揮するロータリピストンエンジンを実現することができる。また、吸気ポート11を指向して燃料を噴射することで、吸気の運動エネルギーを効率良く利用して、燃料の拡散を促進できる。
なお、本発明の構成は、前記実施形態のものに限定されることはなく、その他の種々の構成を包含する。すなわち、前記実施形態では、2ロータタイプのエンジン1を示したが、これに限るものではない。また、吸気ポートの数も3つに限られず、2つであってもよい。
以上説明したように、本発明は、燃料噴射タイミングを可及的に早期化して燃料の微粒化及び気化、霧化を促進することができるロータリピストンエンジンの燃料噴射装置を提供することができるという実用性の高い効果が得られることから、きわめて有用で産業上の利用可能性は高い。
本発明の実施形態に係るロータリピストンエンジンの概要を示す斜視図である。 同エンジンの要部の示す、一部を簡略化した断面図である。 同エンジンの構成を示す図2におけるA矢視図である。 吸気作動室内の温度と燃料の噴射タイミングとの関係を示すグラフ図である。
符号の説明
1 ロータリピストンエンジン
3 ロータハウジング
3a トロコイド内周面
8 作動室(吸気作動室)
10 排気ポート
11 吸気ポート
15 インジェクタ(燃料噴射弁)
21 吸気マニホールド
22 排気マニホールド
23 遮蔽部材

Claims (5)

  1. 吸気行程にある作動室内に直接燃料を噴射する燃料噴射弁を備えたロータリピストンエンジンの燃料噴射装置であって、
    前記燃料噴射弁は、前記作動室に面して開口する吸気ポートよりもトレーリング側に配設され、
    前記燃料噴射弁の噴射口は、前記吸気ポートを指向して燃料を噴射するように形成されていることを特徴とするロータリピストンエンジンの燃料噴射装置。
  2. 請求項1において、
    前記吸気ポートを指向して噴射された燃料のペネトレーションが、前記燃料噴射弁の噴射口から前記作動室における噴射方向に対向する内周面までの距離よりも短く設定されていることを特徴とするロータリピストンエンジンの燃料噴射装置。
  3. 請求項1において、
    前記吸気ポートに接続され、ロータハウジング外方に延設された吸気マニホールドを備え、
    前記燃料噴射弁は、前記吸気マニホールドの下方に配設されるとともに、その周囲が遮蔽部材で覆われていることを特徴とするロータリピストンエンジンの燃料噴射装置。
  4. 請求項1において、
    前記燃料噴射弁の先端部は、略水平又は後端部よりも下方に位置するように傾斜して配設されていることを特徴とするロータリピストンエンジンの燃料噴射装置。
  5. 請求項1において、
    前記吸気ポートに接続され、ロータハウジング外方に延設された吸気マニホールドと、
    前記排気ポートに接続され、前記吸気マニホールドの下方に配設されるとともに前記ロータハウジング外方に延設された排気マニホールドとを備え、
    前記燃料噴射弁は、前記吸気マニホールドと前記排気マニホールドとの間で且つ両マニホールドよりも延設方向の内側に配設されていることを特徴とするロータリピストンエンジンの燃料噴射装置。
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