JP2009132029A - プラスチックペレット形成装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】押し出し手段10から押し出された溶融プラスチック20をダイス40によりストランド50に形成して、垂直に起立する筒状ガイド60内側を通過させた後、そのストランド50をカッター90により一定長さに順次切り揃えてペレットを形成する。筒状ガイド60内側を通過中のストランド50周囲には、ストランドの冷却手段100により、空冷用の冷媒を、外気中に漏れ出させぬようにして、循環させる。
【選択図】図1
Description
そのうち、いわゆる精密安定成形と呼ばれるプラスチック成形の分野においては、上記のように、プラスチック廃材を単に粉砕しただけでは、その粉砕材中に微粉や大小不揃いの粉砕粒が混在していて、その粉砕材をそのままプラスチィック成形に使用した場合には、上記のプラスチックの精密安定成形が阻害される恐れがある。
従って、上記のプラスチックの精密安定成形を行う場合は、その一旦粉砕された粉砕材を、一定大きさにペレット化するペレット形成装置が必要となる。
そのため、通常のペレット形成装置には、ダイスから押し出される溶融状態にあるストランドを冷却、固化させるための、冷却水が貯留された水槽が備えられている。そして、ダイスから押し出されるストランドを、その水槽内を通して、冷却して固化させている。その後、その冷却、固化させたストランドを、ピンチローラに巻き取る等して、そのストランドを、カッターにより、一定長さに順次切り揃えて、ペレット化している。
従って、設置面積の狭いプラスチック射出成形現場での使用には、不向きである。
そのため、この装置においては、特開平9−193158号公報の段落番号0002に記載されたように、未冷却の溶融状態にあるストランドが、ダイスから押し出された直後に冷却されない軟弱状態のまま、ガイド用グループ内をガイドされることになって、その際に、そのガイド用グループ内をガイドされるストランドの径が、均一にならずに、不安定となってしまった。
また、この装置においては、ブッシュ・メカエレメント内側を通過中の溶融状態にあるストランド周囲に空気を送り込んで、ストランドを冷却する際の冷却効率が悪く、ストランドが十分に冷却、固化されないまま、ブッシュ・メカエレメント外部に排出されてしまう状況が多発した。
その原因は、ブッシュ・メカエレメント内側に送り込んだ冷却用の空気の多くが、ブッシュ・メカエレメント内側を通過中のストランド周囲を循環せずに、ブッシュ・メカエレメントの広く開口した上端開口部や下端開口部からブッシュ・メカエレメント外部に漏れ出してしまうからである。また、常温状態の空気を用いて冷却するため、大気温度が高いと、ストランドが十分に冷却、固化されない事態に陥るからである。
さらに、この装置においては、ダイス温度が低い状態からストランド形成を行おうとすると、そのダイスのストランド形成路から押し出された未冷却の軟弱状態のストランド先端がダイス端面に付着して、リング状に曲ってしまった。そして、そのリング状に曲ったストランド先端が、ガイド用グループ内を通してブッシュ・メカエレメント内側に円滑に導入されずに、ブッシュ・メカエレメントの上端開口部を塞いでしまった。そして、ペレット形成装置を継続して稼働させることが不可能となってしまった。
この装置では、その送風機から送り出される冷却用の空気の多くが、未冷却の軟弱状態にあるストランドに確実に接触して、そのストランド周囲を循環せずに、そのストランドから離れた部分を金網側へと無駄に通過してしまう。そのため、ストランドが効率よく十分に冷却、固化されない難点がある。
従って、この装置においては、その送風機から冷却用の空気を送り出して未冷却の軟弱状態にあるストランドを通過させる通路を長く設定して、そのストランドを距離長く長時間冷却し続ける必要があった。そのため、その軟弱状態にあるストランドがダイス下方に長く垂下した状態となって、その長く垂下したストランドの自重を受けて、ダイス近くに位置するストランドが、長く引き伸ばされた状態となった。そして、そのダイスから押し出されたストランドの外径が大きく狂う難点があった。
また、この装置においては、溶融状態にあるストランドを常温状態の空気により冷却する方式のため、大気温度の変動の影響を受けて、ストランドが十分に冷却、固化されない事態が生じた。
この装置においては、その稼働開始時に、ダイスから押し出された溶融状態にあるストランドを、ガイドローラ周囲に巻掛ける等の面倒で手数の掛かるセッティング作業が必要であった。また、ガイドローラが付加された分、装置が大型化して、設置面積を狭く抑えたいプラスチック成形現場に置いて使用するには、不向きであった。
そして、前記ストランドの冷却手段が、空冷用の冷媒を、外気中に漏れ出させぬようにして、前記筒状ガイドの上端開口部から筒状ガイド内側に送り込んで、その筒状ガイド内側を通過中のストランド周囲を循環させた後、その筒状ガイドの下端開口部から筒状ガイド外部に排出する構造をしている。
また、前記筒状ガイドが、前記複数のストランド形成路下端の直下にそれぞれ垂直に起立する複数の筒状ガイドであって、そのストランド形成路下端から垂直下方に押し出されるストランドを、その上端開口部から導入して、その筒状ガイド内側を通過させた後、その下端開口部から筒状ガイド外部に排出する複数の筒状ガイドからなるものであることを好適としている。
また、そのようにして短時間のうちに同時形成した複数本のストランドのそれぞれは、ダイスの複数のストランド形成路下端の直下にそれぞれ垂直に起立する複数の筒状ガイド内側のそれぞれに、その上端開口部から導入できる。そして、その複数の筒状ガイド内側をそれぞれ通過させるストランド周囲に、前記冷却手段により空冷用の冷媒を循環させて、その複数本のストランドを同時に冷却、固化させることができる。固化させたストランドは、ストランド切断用のカッターにより一定長さに順次切り揃えて、ペレットに形成できる。そして、多数のペレットを、短時間のうちに同時形成できる。
また、押し出し手段から押し出される溶融プラスチックを、ダイスにより複数本のストランドに分岐させて形成し、その複数本のストランドを複数の筒状ガイド内側をそれぞれ別々に通過させることにより、その複数の筒状ガイド内側のそれぞれを通過中の溶融状態にあるストランドを空冷式の冷却手段により冷却する効率を向上させることができる。そして、ペレット形成用の冷却、固化させた複数本のストランドを、短時間のうちに効率よく同時形成できる。
空冷用の冷媒が、冷却空気である場合は、常温空気に比べて、筒状ガイド内側を通過中のストランドを冷却手段により冷却する際の冷却効率を確実に向上させることができる。また、空冷用の冷媒が、冷却空気である場合は、筒状ガイド内側を通過中のストランドを、大気温度の変化の影響を受けさせずに、冷却手段により、安定して、確実に冷却、固化させることができる。
その際には、絞りノズルの先端が、筒状ガイドの上端開口部内側に筒状ガイド内壁と非接触の中吊り状態で導入されているため、その絞りノズル先端から押し出される粘着力を持つ溶融状態にあるストランドを、筒状ガイド内壁に付着させずに、筒状ガイド内側のほぼ中央に引っ掛かり抵抗なく円滑に導入できる。
また、空冷式のため、ストランドを冷却する水冷式の大掛かりな水槽や、面倒で手数の掛かるストランドのセッティング作業が不要となり、設置面積の狭いプラスチック形成現場に置いて手軽に使用するのに好適な、プラスチックペレット形成装置を提供できる。
図1と図2は本発明のプラスチックペレット形成装置の好適な実施の形態を示し、図1はその正面断面図、図2はそのカッターが設けられた箇所の底面図である。以下に、このプラスチックペレット形成装置を説明する。
押し出し手段10は、水平方向に回転する円柱状の回転体(円盤スクリュー)12の下端面に、その中央からその周辺に向けて、渦巻き状の溝14が刻設されている。そして、その回転体12を減速ギヤ付き電動モータ(ギヤドモータ)16により回転させるのに伴い、回転体12外側に設けられたホッパー18から、回転体12下端面の周囲に送り込まれたペレット形成用のプラスチック材20が、電気ヒータ30により、加熱シリンダー32及び回転体12を介して、漸次加熱、溶融され続けながら、回転体下端面の渦巻き状の溝14内側に沿って、回転体12下端面中央へと圧送され続ける構造をしている。回転体12下端面中央に圧送された溶融プラスチックは、回転体12下端面の中央に設けられた押し出し口19から回転体12下方に連続して順次押し出される構造をしている。
この押し出し手段10は、円柱状の回転体12下端面に渦巻き状の溝14が刻設された縦型構造をしていて、プラスチックペレット形成装置の設置面積を狭めるのに好適なものである。この押し出し手段10は、特許第3418639号公報記載の射出成形装置にも、用いられている。
その際には、変速電動モータ96の回転速度を調整して、固定刃94下端面に沿って回転させる回転刃94の回転速度を、穴93を通して固定刃92下方に排出されるストランド50の排出速度に応じて、遅速に調整できる構造をしている。そして、その固定刃92及び回転刃94からなるカッター90によりストランド50から切断形成されるペレットの長さを、所望の一定長さに調整できる構造をしている。
具体的には、図1に示したように、筒状ガイド60上端を支持する装置フレーム上端(筒状パイプ保持板)72に、その中央下面に設けられた冷媒導入口74を通して、空冷用の冷媒を、外気中に漏れ出させぬようにして、筒状ガイドの上端開口部62から筒状ガイド60内側に送り込む、冷媒通路76が、装置フレーム70及び筒状ガイド60の外部と気密性を持たせて設けられている。
装置フレーム上端72に設けられた冷媒導入口74には、図1に示したように、空冷用の冷媒(空気)を装置フレーム上端72に設けられた冷媒通路76に連続して送り込む冷媒送給手段110が連結されている。
冷媒送給手段110は、送風ファン(図示せず)と、該ファンから送り出される空気冷媒を冷媒導入口74へと送り込む冷媒導入路112とから構成されている。そして、冷却用の空気(冷媒)を、外気中に漏れ出させぬようにして、冷媒導入路112、冷媒通路76を通して、筒状ガイドの上端開口部62に連続して送り込む構造をしている。
回転体12下方に連続して押し出される溶融プラスチックは、ダイス中央に設けられた導入口42を通して、ダイスのストランド形成路44に連続して順次押し込んで、ストランド50に連続形成できる。ストランド形成路44に押し込まれて連続形成されるストランド50は、ダイス下端面のストランド形成路下端46から、重力の作用方向に当たるダイス40下方に垂直に連続して押し出すことができる。
ダイスのストランド形成路下端46から押し出され続ける未冷却の溶融状態にあるストランド50は、ストランド形成路下端46の直下に配置された筒状ガイド60に、その上端開口部62から導入して、その筒状ガイド60内側を通過させることができる。
その際には、ストランド50が、ストランド形成路下端46から、重力の作用方向に当たる、垂直下方に排出されるため、その粘着力を持つストランド50を、ストランド形成路下端46の直下に垂直に起立させて配置された筒状ガイド60内側のほぼ中央に、その上端開口部62から、筒状ガイド60内壁に付着等させずに円滑に導入できる。
筒状ガイド60内側を通過させたストランド50は、その筒状ガイドの下端開口部64から筒状ガイド60下方に連続して排出できる。
それと共に、筒状ガイド60が、図1に示したように、ダイス40に設けられた複数のストランド形成路のストランド形成路下端46の直下にそれぞれ垂直に起立する複数の筒状ガイド60からなるものであることが好ましい。そして、その複数のストランド形成路下端46から垂直下方にそれぞれ押し出される複数本のストランド50を、その直下の筒状ガイドの上端開口部62から導入して、その筒状ガイド60内側を通過させた後、その筒状ガイドの下端開口部64から筒状ガイド60下方に排出する複数の筒状ガイド60からなるものであることが好ましい。
それと共に、そのようにして短時間のうちに同時形成した複数本のストランド50のそれぞれを、ダイスの複数のストランド形成路下端46の直下にそれぞれ垂直に起立する複数の筒状ガイド60内側に、その筒状ガイドの上端開口部62から導入すると良い。そして、その複数の筒状ガイド60内側をそれぞれ通過させるストランド50の周囲に、冷媒送給手段110から送り込んだ冷却用の空気を循環させて、その複数本のストランド50のそれぞれを短時間のうちに効率よく同時に冷却、固化させると良い。筒状ガイドの下端開口部64から筒状ガイド60下方に排出する固化させたストランド50は、カッター90により一定長さに順次切り揃えて、ペレットに形成すると良い。そして、多数のペレットを、短時間のうちに効率よく同時形成可能とすると良い。
また、押し出し手段10から押し出される溶融プラスチックを、ダイスにより複数本のストランド50に分岐させて形成し、その複数本のストランド50を複数の筒状ガイド60内側をそれぞれ別々に通過させることにより、その複数の筒状ガイド60内側のそれぞれを通過中の溶融状態にあるストランド50を空冷式の冷却手段100により冷却する効率を向上させると良い。そして、ペレット形成用の冷却、固化させた複数本のストランド50を、短時間のうちに効率よく同時形成可能とすると良い。
そして、その空冷用の冷媒である冷却空気により、筒状ガイド60内側を通過中のストランド50の冷却手段100による冷却効率を確実に大幅に向上させても良い。それと共に、筒状ガイド60内側を通過中のストランド50を、大気温度の変化の影響を受けさせずに、冷却手段100により、安定して、確実に冷却、固化可能としても良い。
この場合の冷媒送給手段110には、例えば、コンプレッサから送られた空気を超低温状態に冷却する、ボルテックス・チューブと呼ばれる超低温空気発生器等を用いると良い。
そして、そのストランド形成路下端46に設けられたストランド形成用の絞りノズル120内側を、ダイス40から押し出される溶融状態にあるストランド50を通過させて、そのストランド50の外径を、筒状ガイド60の内径よりも小径の絞りノズル120先端の内径まで小径に絞り込むと良い。そして、その小径に絞り込んだストランド50を、それよりも内径が大径の筒状ガイド60内側にその上端開口部62から引っ掛かりなく円滑に導入可能とすると良い。
それと共に、そのダイス40から押し出される粘着力を持つ溶融状態にあるストランド50を、筒状ガイドの上端開口部62内側に筒状ガイド60内壁と非接触の中吊り状態で導入された絞りノズル120先端から、筒状ガイド60内壁に付着させずに、筒状ガイド60内側のほぼ中央に引っ掛かり抵抗なく円滑に導入可能とすると良い。
空冷用の冷媒は、冷媒送給手段110から、筒状ガイドの上端開口部62内壁と、筒状ガイドの上端開口部内側に中吊り状態で導入された絞りノズル120先端外壁との間の隙間を通して、筒状ガイド60内側に送り込む構造とすると良い。
12 回転体
14 渦巻き状の溝
16 減速ギヤ付き電動モータ
18 ホッパー
20 プラスチック材
30 電気ヒータ
32 加熱シリンダー
40 ダイス
44 ストランド形成路
46 ストランド形成路下端
50 ストランド
60 筒状ガイド
62 筒状ガイドの上端開口部
64 筒状ガイドの下端開口部
70 装置フレーム
72 装置フレーム上端
76 冷媒通路
80 断熱板
90 カッター
92 固定刃
94 回転刃
96 変速電動モータ
100 ストランドの冷却手段
110 冷媒送給手段
112 冷媒導入路
120 ノズル
Claims (6)
- ペレット形成用のプラスチック材を溶融して押し出す溶融プラスチックの押し出し手段と、
該押し出し手段から押し出された溶融プラスチックをストランド形成路に導入して、ストランドを形成し、そのストランドをストランド形成路下端から垂直下方に押し出すダイスと、
該ダイスのストランド形成路下端の直下に垂直に起立する筒状ガイドであって、前記ダイスから押し出されたストランドを、その上端開口部から導入して、その内側を通過させた後、その下端開口部から排出する筒状ガイドと、
該筒状ガイドの下端開口部から排出されるストランドを一定長さに順次切り揃えるストランド切断用のカッターとを持ち、
前記ストランドの冷却手段が、空冷用の冷媒を、外気中に漏れ出させぬようにして、前記筒状ガイドの上端開口部から筒状ガイド内側に送り込んで、その筒状ガイド内側を通過中のストランド周囲を循環させた後、その筒状ガイドの下端開口部から筒状ガイド外部に排出するものであることを特徴とするプラスチックペレット形成装置。 - 前記ダイスが、前記押し出し手段から押し出された溶融プラスチックを、複数のストランド形成路に分岐させて導入して、その複数のストランド形成路に連なる複数のストランド形成路下端からストランドを垂直下方にそれぞれ押し出すものであり、
前記筒状ガイドが、前記複数のストランド形成路下端の直下にそれぞれ垂直に起立する複数の筒状ガイドであって、そのストランド形成路下端から垂直下方に押し出されたストランドを、その上端開口部から導入して、その筒状ガイド内側を通過させた後、その下端開口部から筒状ガイド外部に排出する複数の筒状ガイドからなることを特徴とする請求項1記載のプラスチックペレット形成装置。 - 前記空冷用の冷媒が、冷却空気であることを特徴とする請求項1記載のプラスチックペレット形成装置。
- 前記空冷用の冷媒が、常温空気であることを特徴とする請求項1記載のプラスチックペレット形成装置。
- 前記ダイスのストランド形成路下端に、先端内径が前記筒状ガイドの内径よりも小径のストランド形成用の絞りノズルがストランド形成路に連通させて設けられて、その絞りノズルの先端が前記筒状ガイドの上端開口部内側に筒状ガイド内壁と非接触の中吊り状態で導入されたことを特徴とする請求項1記載のプラスチックペレット形成装置。
- 前記筒状ガイドの内径が、前記絞りノズルの先端内径の1.5〜3.0倍であり、好ましくは2.0倍であることを特徴とする請求項5記載のプラスチックペレット形成装置。
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- 2007-11-30 JP JP2007309869A patent/JP4824003B2/ja active Active
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