JP2009129783A - 燃料電池システム - Google Patents

燃料電池システム Download PDF

Info

Publication number
JP2009129783A
JP2009129783A JP2007304918A JP2007304918A JP2009129783A JP 2009129783 A JP2009129783 A JP 2009129783A JP 2007304918 A JP2007304918 A JP 2007304918A JP 2007304918 A JP2007304918 A JP 2007304918A JP 2009129783 A JP2009129783 A JP 2009129783A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
current
fuel cell
value
cell voltage
cell
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2007304918A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4320686B2 (ja
Inventor
Hiroyuki Imanishi
啓之 今西
Kota Manabe
晃太 真鍋
Tomoya Ogawa
朋也 小川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP2007304918A priority Critical patent/JP4320686B2/ja
Priority to US12/744,521 priority patent/US9184456B2/en
Priority to CN200880104714XA priority patent/CN101790814B/zh
Priority to PCT/JP2008/070869 priority patent/WO2009069492A1/ja
Priority to DE112008003004.9T priority patent/DE112008003004B4/de
Publication of JP2009129783A publication Critical patent/JP2009129783A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4320686B2 publication Critical patent/JP4320686B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01MPROCESSES OR MEANS, e.g. BATTERIES, FOR THE DIRECT CONVERSION OF CHEMICAL ENERGY INTO ELECTRICAL ENERGY
    • H01M8/00Fuel cells; Manufacture thereof
    • H01M8/04Auxiliary arrangements, e.g. for control of pressure or for circulation of fluids
    • H01M8/04298Processes for controlling fuel cells or fuel cell systems
    • H01M8/04694Processes for controlling fuel cells or fuel cell systems characterised by variables to be controlled
    • H01M8/04858Electric variables
    • H01M8/04895Current
    • H01M8/0491Current of fuel cell stacks
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01MPROCESSES OR MEANS, e.g. BATTERIES, FOR THE DIRECT CONVERSION OF CHEMICAL ENERGY INTO ELECTRICAL ENERGY
    • H01M8/00Fuel cells; Manufacture thereof
    • H01M8/04Auxiliary arrangements, e.g. for control of pressure or for circulation of fluids
    • H01M8/04298Processes for controlling fuel cells or fuel cell systems
    • H01M8/04313Processes for controlling fuel cells or fuel cell systems characterised by the detection or assessment of variables; characterised by the detection or assessment of failure or abnormal function
    • H01M8/04537Electric variables
    • H01M8/04544Voltage
    • H01M8/04552Voltage of the individual fuel cell
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01MPROCESSES OR MEANS, e.g. BATTERIES, FOR THE DIRECT CONVERSION OF CHEMICAL ENERGY INTO ELECTRICAL ENERGY
    • H01M8/00Fuel cells; Manufacture thereof
    • H01M8/04Auxiliary arrangements, e.g. for control of pressure or for circulation of fluids
    • H01M8/04298Processes for controlling fuel cells or fuel cell systems
    • H01M8/04313Processes for controlling fuel cells or fuel cell systems characterised by the detection or assessment of variables; characterised by the detection or assessment of failure or abnormal function
    • H01M8/04537Electric variables
    • H01M8/04574Current
    • H01M8/04582Current of the individual fuel cell
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/30Hydrogen technology
    • Y02E60/50Fuel cells

Landscapes

  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Manufacturing & Machinery (AREA)
  • Sustainable Development (AREA)
  • Sustainable Energy (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Electrochemistry (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Fuel Cell (AREA)

Abstract

【課題】どのような運転状態においてもシステム要求電流の制限を確実にし、かつ、供給電流を電流制限時に迅速に応答しつつ電流回復時に安定して収束させる。
【解決手段】複数のセルを有する燃料電池を備え、システムに要求されるシステム要求電力に対応したシステム要求電流に対してセルの最低セル電圧Vmに基づいた補償演算を行うことにより負荷への供給電流を制限する処理を行う燃料電池システムにおいて、最低セル電圧Vmが所定の最低セル電圧許容値Vthを下回った時のシステム要求電流I0の電流値を基準値としてPI補償により供給電流I1を制限するための補償演算を行うものであって、供給電流I1を制限する場合のPI補償のゲインと、供給電流を回復する場合のPI補償のゲインとを異なる値とする。
【選択図】図4

Description

本発明は、複数のセルを有する燃料電池を備えた燃料電池システムに係り、特にシステム要求電流制御時の電流制限処理と電流回復処理に関する。
水素と酸素との電気化学反応を利用して発電する燃料電池としては、例えば、固体高分子型燃料電池がある。この固体高分子型燃料電池は、複数のセルを積層して構成されたスタックを備えている。スタックを構成するセルは、アノード(燃料極)とカソード(空気極)とを備えており、これらのアノードとカソードとの間には、イオン交換基としてスルフォンサン基を有する固体高分子電解質膜が介在している。
アノードには燃料ガス(水素ガスまたは炭化水素を改質して水素リッチにした改質水素)を含む燃料ガスが供給され、カソードには酸化剤として酸素を含むガス(酸化剤ガス)、一例として、空気が供給される。アノードに燃料ガスが供給されることで、燃料ガスに含まれる水素がアノードを構成する触媒層の触媒と反応し、これによって水素イオンが発生する。発生した水素イオンは固体高分子電解質膜を通過して、カソードで酸素と電気反応を起こす。この電気化学反応によって発電が行われる構成となっている。
ここで、複数のセルを有する燃料電池を用いた場合、複数のセルの中の1つでも発電不能になると、燃料電池全体が発電不能になることがある。そこで、例えば、特開2003−187842号公報では、各セルの電圧を測定し、測定されたセル電圧の中の最低値である最低セル電圧に基づいて、燃料電池スタックで出力可能な電力量を算出するとともに、出力可能な電力量以下の電力量を燃料電池スタックに発生させ、任意の1つのセルの性能が低下したときにも、燃料電池スタックをこれに応じて適切な運転状態で運転させるようにした発明が提案されている(特許文献1参照)。
さらに、特開2005−197008号公報では、最低セル電圧VLOWに応じて燃料電池から取り出す発電電流を制限するための電流目標制限値を設定し、実際の電流制限値と発電電流との差が所定値を下回った時に電流制限値を前記電流目標電流値に置き換えることを要旨とする発明が提案されている(特許文献2参照)。
特開2003−187842号公報 特開2005−197008号公報
しかしながら、従来の燃料電池システムにあっては、ある条件において燃料電池の発電電力を制御したり負荷への供給電流を制限したりすると、制限演算の基準となる燃料電池のシステム要求電力が上昇し、発電電力や供給電力の制限処理が結局できなくなる場合があった。例えば、燃料電池システムが搭載されている自動車において、運転者が加速しようとしている場合に発電電力や供給電流が制限されるような場合が考えられる。発電電力や供給電力が制限されると、モータ出力が不足していると運転者が感じ、さらにアクセルを踏み込む等の操作を行う。この操作によりシステム要求電力が上昇する結果、発電電力や供給電流も上昇してしまい、結局、必要な制限処理が行えなくなるのである。
また、従来の燃料電池システムでは、供給電流を減少させる電流制限処理と制限された供給電流を上昇させる電流回復処理とにおいて求められる応答性に違いがあるにも拘わらず、それが考慮されず、同じ応答性が設定されていた。すなわち、いずれかのセル電圧が最低セル電圧許容値以下に低下した場合には、実際の供給電流の電流値が制限される。その後、セル電圧が許容値に上昇するまで制限状態が維持され、許容値に達した後は供給電流値をシステム要求電流にまで回復される。このとき、電流制限処理は迅速に電流を制限することが要求されるところ、電流回復処理においても電流制限処理と同じ応答性で制御されていたために、電流回復処理における供給電流がオーバーシュートする可能性があった。一方、電流回復処理においてオーバーシュートをしないような応答性を設定したとすれば、電流制限処理における応答性が悪くなってしまうことが予想される。
そこで、本発明の目的は、前記従来技術の課題に鑑みたものであり、どのような運転状態においてもシステム要求電流の制限を確実にし、かつ、供給電流を電流制限時に迅速に応答しつつ電流回復時に安定して収束させることが可能な燃料電池システムを提供することにある。
前記課題を解決するために、本発明の燃料電池システムは、複数のセルを有する燃料電池を備え、システムに要求されるシステム要求電力に対応したシステム要求電流に対して該セルの最低セル電圧に基づいた補償演算を行うことにより負荷への供給電流を制限する処理を行う燃料電池システムにおいて、該最低セル電圧が所定の最低セル電圧許容値を下回った時の該システム要求電流の電流値を基準値としてPI補償により該供給電流を制限するための該補償演算を行うものであって、該供給電流を制限する場合の該PI補償のゲインと該供給電流を回復する場合の該PI補償のゲインとを異なる値とすることを特徴とする。
係る構成によれば、セルの最低セル電圧が所定の最低セル電圧許容値を下回った時には、この時のシステム要求の電流値を基準値としてPI補償演算がされるので、電流制限処理時に供給電流低下に対応してシステム要求電力が上昇してしまうことを抑制でき、確実な電流制限処理が可能となる。例えば、燃料電池システムを搭載した自動車において電流制限を出力不足であると運転者が感じてアクセル操作を行ったとしても、供給電流の演算の基準値が電流制限処理開始時の電流値に固定されるので、セル電圧が回復するまで確実に電流制限を行うことが可能である。
また係る構成によれば、供給電流の制限時におけるゲインと回復時におけるゲインとをそれぞれの状況に適合して設定することにより、迅速な電流制限を確保するとともに収束する供給電流のオーバーシュートの発生を抑制することができる。
また、前記燃料電池システムにおいて、前記電流制限処理の最中に、前記燃料電池全体の目標出力電圧が変更された場合には、変更された該目標出力電圧が安定するまで制限された供給電流の電流値を保持してから前記電流制限処理を再開することは好ましい。
燃料電池システムでは運転モードに応じて燃料電池の目標出力電圧を変更する場合があるが、上記のように構成することにより、目標出力電圧の変更時にPI補償による電流制限が不安定になることを防止することができるので、燃料電池が出力する供給電流を目標電流値にするための安定性の良い制御が可能となる。
さらに、前記燃料電池システムにおいて、総ての前記セル電圧が前記最低セル電圧許容値を上回り、かつ、前記システム要求電流の電流値が制限された供給電流の電流値を下回った場合に、前記電流制限処理を解除するように処理することは好ましい。
このように構成することにより、セル電圧が最低セル電圧許容値以上に回復し、かつ、供給電流が回復して始めて電流回復処理を含む電流制限処理が解除されるので、燃料電池システムに生じる不都合を確実に回避することが可能である。
また、前記燃料電池システムにおいて、該燃料電池の各セルにおけるセル電圧を検出するセル電圧検出部と、該セル電圧検出部により検出される該セル電圧から得られる前記最低セル電圧に基づいて前記システム要求電流を前記PI補償する制御演算部と、を備え、該制御演算部は、前記最低セル電圧許容値からの前記最低セル電圧の偏差をΔV、比例ゲインをKp、積分ゲインをKiとした場合に、前記供給電流の制限のための補正値ΔIを、Kp×ΔV+Ki×ΣΔVという関係に従って演算するものであり、該供給電流を制限する場合と該供給電流を回復する場合とで、前記の比例ゲインKpおよび積分ゲインKiを共に異ならせることを特徴とする。
このように構成することにより、セル電圧のうち最低セル電圧が所定の最低セル電圧許容値を下回った時には、最低セル電圧許容値からの最低セル電圧の偏差ΔVを変数とし、比例ゲインKpをP制御の係数、積分ゲインKiをI制御の係数としたPI補償演算が行われる。
そして、このとき供給電流の制限時と回復時とで比例ゲインKpおよび積分ゲインKiを相応しい適切な値に変更するので、電流制限時期には素早く電流制限することが可能となり、また、電流回復時期では、急速な電流回復を避けてオーバーシュートの発生を抑制するように、応答性を向上させることができる。
また、前記燃料電池システムにおいて、前記供給電流を制限する場合の前記PI補償の前記ゲインよりも、前記供給電流を回復する場合の前記PI補償の前記ゲインを小さくすることを要旨とする。
このように構成することにより、電流制限時期ではPI補償のゲインを大きくして迅速な電流制限を行うことが可能となり、また、電流回復時期では、PI補償のゲインを小さくしてオーバーシュートの発生を抑制した電流回復が可能となるので、燃料電池が出力する供給電流を目標電流値にするための制御性を高めることができる。
本発明によれば、セルの最低セル電圧が所定の最低セル電圧許容値を下回った時のシステム要求の電流値が基準値としてPI補償演算がされるので、電流制限処理時に供給電流低下に対応してシステム要求電力が上昇してしまうことを抑制でき、セル電圧が回復するまで確実に電流制限が可能である。また、本発明によれば、供給電流の制限時におけるゲインと回復時におけるゲインとがそれぞれの状況に適合して変更されるので、迅速な電流制限を確保するとともに収束する供給電流のオーバーシュートの発生を抑制することができる。
図1は、本発明が適用された燃料電池システムのシステム構成図である。
図1において、燃料電池システム10は、燃料電池20に燃料ガス(水素ガス)を供給するための燃料ガス供給系統4と、燃料電池20に酸化ガス(空気)を供給するための酸化ガス供給系統7と、燃料電池20を冷却するための冷却液供給系統3と、燃料電池20からの発電電力を充放電する電力系統9とを備えて構成されている。
燃料電池20は、フッ素系樹脂などにより形成されたプロトン伝導性のイオン交換膜などから成る高分子電解質膜21の両面にアノード極22とカソード極23をスクリーン印刷などで形成した膜・電極接合体(MEA)24を備えている。膜・電極接合体24の両面は、燃料ガス、酸化ガス、冷却水の流路を有するセパレータ(図示せず)によってサンドイッチされ、このセパレータとアノード極22およびカソード極23との間に、それぞれ溝状のアノードガスチャンネル25およびカソードガスチャンネル26を形成している。アノード極22は、燃料極用触媒層を多孔質支持層上に設けて構成され、カソード極23は、空気極用触媒層を多孔質支持層上に設けて構成されている。これら電極の触媒層は、例えば、白金粒子を付着して構成されている。
アノード極22では、次の(1)式の酸化反応が生じ、カソード極23では、次の(2)式の還元反応が生じる。燃料電池20全体としては、次の(3)式の起電反応が生じる。
2→2H++2e-・・・(1)
(1/2)O2+2H++2e-→H2O・・・(2)
2+(1/2)O2→H2O・・・(3)
なお、図1では説明の便宜上、膜・電極接合体24、アノードガスチャンネル25およびカソードガスチャンネル26からなる単位セルの構造を模式的に図示しているが、実際には、上述したセパレータを介して複数の単位セル(セル群)が直列に接続したスタック構造を備えている。
燃料電池システム10の冷却液供給系統3には、冷却液を循環させる冷却路31、燃料電池20から排水される冷却液の温度を検出する温度センサ32、冷却液の熱を外部に放熱するラジエータ(熱交換器)33、ラジエータ33へ流入する冷却液の水量を調整するバルブ34、冷却液を加圧して循環させる冷却液ポンプ35、燃料電池20に供給される冷却液の温度を検出する温度センサ36などが設けられている。
燃料電池システム10の燃料ガス供給系統4には、燃料ガス(アノードガス)、例えば、水素ガスを貯蔵する燃料ガス供給装置42、当該燃料ガス供給装置42からの燃料ガスをアノードガスチャンネル25に供給するための燃料ガス流路40、アノードガスチャンネル25から排気される燃料オフガスを燃料ガス流路40に循環させるための循環流路(循環経路)51が配管されており、これらのガス流路によって燃料ガス循環系統が構成されている。
燃料ガス供給装置42は、例えば、高圧水素タンク、水素吸蔵合金、改質器などより構成される。燃料ガス流路40には、燃料ガス供給装置42からの燃料ガス流出を制御する遮断弁(元弁)43、燃料ガスの圧力を検出する圧力センサ44、循環経路51の燃料ガス圧力を調整する調整弁(エジェクタ)45、燃料電池20への燃料ガス供給を制御する遮断弁46が設置されている。
循環流路51には、燃料電池20から循環流路51への燃料オフガス供給を制御する遮断弁52、燃料オフガスに含まれる水分を除去する気液分離器53および排出弁54、アノードガスチャンネル25を通過する際に、圧力損失を受けた燃料オフガスを圧縮して適度なガス圧まで昇圧させて、燃料ガス流路40に還流させる水素ポンプ(循環ポンプ)55、燃料ガス流路40の燃料ガスが循環流路51側に逆流するのを防止する逆流阻止弁56が設置されている。水素ポンプ55をモータによって駆動することで、水素ポンプ55の駆動による燃料オフガスは、燃料ガス流路40で燃料ガス供給装置42から供給される燃料ガスと合流した後、燃料電池20に供給されて再利用される。なお、水素ポンプ55には、水素ポンプ55の回転数を検出する回転数センサ57および水素ポンプ55前後の循環経路圧力を検出する圧力センサ58・59が設置されている。
また、循環流路51には、燃料電池20から排気された燃料オフガスを、希釈器(例えば水素濃度低減装置)62を介して車外に排気するための排気流路61が分岐して配管されている。排気流路61にはパージ弁63が設置されており、燃料オフガスの排気制御を行えるように構成されている。パージ弁63を開閉することで、燃料電池20内の循環を繰り返して、不純濃度が増加した燃料オフガスを外部に排出し、新規の燃料ガスを導入してセル電圧の低下を防止することができる。また、循環流路51の内圧に脈動を起こし、ガス流路に蓄積した水分を除去することもできる。
一方、燃料電池システム10の酸化ガス供給系統7には、カソードガスチャンネル26に酸化ガス(カソードガス)を供給するための酸化ガス流路71、およびカソードガスチャンネル26から排気されるカソードオフガスを排気するためのカソードオフガス流路72が配管されている。酸化ガス流路71には、大気からエアを取り込むエアクリーナ74、および、取り込んだエアを圧縮し、圧縮したエアを酸化剤ガスとしてカソードガスチャンネル26に送給するエアコンプレッサ75が設定されており、エアコンプレッサ75には、エアコンプレッサ75のエア供給圧力を検出する圧力センサ73が設置されている。酸化ガス流路71とカソードオフガス流路72との間には湿度交換を行う加湿器76が設けられている。カソードオフガス流路72には、カソードオフガス流路72の排気圧力を調整する調圧弁77、カソードオフガス中の水分を除去する気液分離器64、カソードオフガスの排気音を吸収するマフラー65が設けられている。気液分離器64から排出されたカソードオフガスは分流され、一方は、希釈器62に流れ込み、希釈器62内に滞留する燃料オフガスと混合希釈され、また分流された他方のカソードオフガスは、マフラー65にて吸音され、希釈器62により混合希釈されたガスと混合されて、車外に排出される。
また、燃料電池システム10の電力系統9には、一次側にバッテリ91の出力端子が接続され、二次側に燃料電池20の出力端子が接続されたDC−DCコンバータ90、二次電池として余剰電力を蓄電するバッテリ91、バッテリ91の充電状況を監視するバッテリコンピュータ92、燃料電池20の負荷または駆動対象となる車両走行用モータ94に交流電力を供給するインバータ93、燃料電池システム10の各種高圧補機96に交流電力を供給するインバータ95、燃料電池20の出力電圧を測定する電圧センサ97、および出力電流を測定する電流センサ98が接続されている。
さらに、燃料電池20には、燃料電池20の各セルにおける電圧を検出するセルモニタ101が燃料電池20に接続されている。セルモニタ101は、各セルのセル電圧を検出するようになっており、さらにセル電圧の最低値である最低セル電圧も検出するものであり、本発明の最低セル電圧検出部として機能するものである。
DC−DCコンバータ90は、燃料電池20の余剰電力または車両走行用モータ94への制動動作により発生する回生電力を電圧変換してバッテリ91に供給して充電させる。また、車両走行用モータ94の要求電力に対する、燃料電池20の発電電力の不足分を補填するため、DC−DCコンバータ90は、バッテリ91からの放電電力を電圧変換して二次側に出力する。
インバータ93および95は、直流電流を三相交流電流に変換して、車両走行用モータ94および高圧補機96にそれぞれ出力する。車両走行用モータ94には、モータ94の回転数を検出する回転数センサ99が設置されている。モータ94は、ディファレンシャルを介して車輪100が機械的に結合されており、モータ94の回転力を車両の推進力に変換可能となっている。
電圧センサ97および電流センサ98は、電力系統9に重畳された交流信号の電圧に対する電流の位相と振幅とに基づいて交流インピーダンスを測定するためのものである。交流インピーダンスは、燃料電池20の含水量に対応している。
さらに、燃料電池システム10には、燃料電池12の発電を制御するための制御部80が設置されている。制御部80は、例えば、CPU(中央処理装置)、RAM、ROM、インターフェイス回路などを備えた汎用コンピュータで構成されており、温度センサ32、36、圧力センサ44、58、59、回転数センサ57、99からのセンサ信号や電圧センサ97、電流センサ98、イグニッションスイッチ82からの信号を取り込み、電池運転の状態、例えば、電力負荷に応じて各モータを駆動して、水素ポンプ55およびエアコンプレッサ75の回転数を調整し、さらに、各種の弁(バルブ)の開閉制御または弁開度の調整などを行うようになっている。
制御部80は、燃料電池システム10の出力電力を制御するに際して、例えば、急速暖機中(走行用モータ94の動作がない状態)では、車両用補機損失パワー、バッテリ充電量、高圧補機96のパワー制限率に基づいて、車両システム要求パワー(システムに要求されるシステム要求電力)Preqを演算し、DC−DCコンバータ90の出力する二次側電圧でシステム要求パワーPreqを除して車両システム要求電流Ireqを演算する。その際、セルモニタ101が検出した最低セル電圧に基づく電流制限処理を行う。
特に本実施形態においては、制御部80は、最低セル電圧が最低セル電圧許容値を下回った時点から開始される電流制限期間と、最低セル電圧が許容値を回復した時点以降、制限された供給の電流回復期間とに分けて、それぞれ供給電流を演算し、この演算により得られた供給電流に基づいて、DC−DCコンバータ90に対して指令する電圧値を演算し、この演算結果にしたがってDC−DCコンバータ90を駆動する制御演算部としての機能を備えている。
図2に、制御部80が所定のコンピュータプログラムを実行することにより実現される本実施形態の機能ブロック図を示す。
図2に示すように、制御部80は、制御演算部として、要求電流算出部80aと、第1の減算器80bと、電力分配計算部80cと、電流・電圧指令値計算部80dと、第2の減算器80eと、PI演算部80fとを備えて構成されている。
要求電流算出部80aは、システム要求電力Preqに基づいて要求電流(車両システム要求電流)I0を算出し、算出した要求電流I0を第1の減算器80bに出力する。具体的には、システム要求電力Preqを燃料電池20の出力電力VFCで除して、要求電流I0を演算する。
第2の減算器80eは、最低セル電圧許容値としてのしきい値Vthとセルモニタ101が検出した最低セル電圧Vmとの偏差ΔV=Vth−Vmを算出し、算出した偏差ΔVをPI演算部80fに出力する。
図3に温度に対応した最低セル電圧許容値特性を示す。
最低セル電圧許容値とは、燃料電池の保護のため、低温時にセル電圧として許容できる逆電圧であり、水素ガス欠乏時の逆電位と抵抗値によるカソード電位減少量から算出される値である。制御部80は、予め図3に示すような最低セル電圧許容値特性を最低セル電圧許容値マップ103としてメモリに保持している。
第2の減算器80eは、燃料電池20の出力電流IFCおよび燃料電池20の温度に基づき最低セル電圧許容値特性マップ103を参照する。すなわち、第2の減算器80eは、偏差ΔVを算出するに際し、電流センサ98によって検出された検出電流と、温度センサ32等によって検出された燃料電池20の内部温度または温度センサ102によって検出されたシステムの環境温度を基に、図3のような、制御部80のメモリに格納された最低セル電圧許容値マップ103を検索し、検出温度に対応した最低セル電圧許容値を示すしきい値Vthを選択する。しきい値Vthは温度と電流に依存するところから、検出温度に応じて検出電流に対応した変化率が変化する。例えば、図3において、しきい値Vth1、Vth2、Vth3は、それぞれ温度異なる温度における最低セル電圧許容値を示し、各最低セル電圧許容値は温度が高い程傾きが緩い直線の特性となっている。
PI演算部80fは、第2の減算器80eが算出した偏差ΔVに基づいて、次の(4)式にしたがって、要求電流I0に対する電流制限値ΔIを演算するようになっている。
電流制限値ΔI=最低セル電圧偏差ΔV×比例ゲインKp+最低セル電圧積分値ΣΔV×積分ゲインKi・・・(4)。
PI演算部80fは、電流制限値ΔIを要求電流I0の補正量として算出し、この算出値を第1の減算器80bに出力する。第1の減算器80bは、要求電流I0と電流制限値ΔIとの偏差から、今回の目標電流値I1を算出し、算出した目標電流値I1を電力分配計算部80cに出力する。
ここで、PI演算部80fおよび第1の減算器80bは、最低セル電圧Vmが最低セル電圧許容値Vthを下回り、電流制限処理に入った場合は、車両システム要求電流I0を電流制限値ΔIにしたがって補正して目標電流である供給電流I1を算出する。このとき、最低セル電圧Vmが最低セル電圧許容値Vth以上になり、かつ供給電流I1が電流制限処理に入った時の要求電流I0を上回った時に、電流制限を禁止すること、すなわち、電流制限値ΔIによる要求電流の補償をせずに供給電流I1(=I0)を算出するように制御している。
また、PI演算部80fおよび第1の減算器80bは、電源制限処理の最中に燃料電池20の目標出力電圧が変更された場合には、目標出力電圧の変更に伴う燃料電池20の出力電圧が安定するまで、目標出力電圧変更時の供給電流I1を維持するようになっている。この目標出力電圧は、燃料電池20の出力電圧の目標値であり、燃料電池の運転モードが例えば低効率運転であるか否かに応じて変更されうる値である。
以上のような処理を経て得られた供給電流I1に基づいて、電力分配計算部80cは、燃料電池20に対する電力指令値の上下限を算出し、算出結果Pcを電流・電圧指令値計算部80dに出力する。この電力指令値に対する上下限は、スタックの容量成分等によって充放電が発生することによる出力精度の悪化、エア供給量変動に起因するシステム要求パワーのハンチングの発生を防止するためである。
電流・電圧指令値計算部80dは、電力分配計算部80cの算出結果を基に、DC−DCコンバータ90に電流指令値および電圧指令値を出力する。この電流指令値および電圧指令値は、燃料電池20における実際の出力電流・出力電圧を規定する制御信号となる。
図4に、電流制限処理の動作を説明するためのタイミングチャートを示す。図4では、縦軸に燃料電池20の電圧、電流(車両システム要求電流I0)、セル電圧、およびアクセル開度が示され、横軸に経過時間が示される。
以下、図1および2を参照しながら、図4のタイミングチャートを参照して、制御部80の処理動作のシーケンスを説明する。
図4に示すように、燃料電池20の目標出力電圧は、最初、低電圧Vlを示している。時刻t0において、車両システムのアクセルが踏み込まれると、DC−DCコンバータ90の二次側の電圧が制御され、各セルのセル電圧は降下を示す一方、燃料電池20の電流はI−V特性に従って増加を示す。これにより燃料電池の発電電力が増加する。いま、時刻t1において、セル電圧のうち最低セル電圧Vmが最低セル電圧許容値Vthを下回ったものとする。PI演算部80fは、セル電圧のうち最低セル電圧が最低セル電圧許容値を下回った時点から、PI補償による電流制限処理を開始させ、供給電流が減少するように制御することによってセル電圧の回復を図る。
なお、このPI補償では、セル電圧が許容値を下回った時点(時刻t1)における車両システム要求電流I0の電流値が第1の減算器80bによって基準値として記憶され、電流制限処理の終了まで保持される。電流制限処理の期間中は、この電流の基準値に対して、PI演算部80fがPI補償演算で算出した電流制限値ΔIが減算される。
ここで、PI演算部80fは、このPI補償演算を上記(4)式に基づいて行うが、供給電流I1を制限する電流制限期間中(時刻t1〜t2)に適用するPI補償のゲインを相対的に大きくし、供給電流I1を回復する電流回復期間中(時刻t3〜t5)に適用するPI補償のゲインを相対的に小さくする。
上記PI補償演算の結果として、電流制限開始直後から供給電流I1は減少を開始するが、セル電圧の回復は緩慢であり、若干遅れてセル電圧が増加に転じ、セル電圧が許容値まで回復する。セル電圧が最低セル電圧許容値に達した時点(図4では時刻t3が相当)から、PI演算部80fは、電流回復を図る電流回復処理のためのPI補償を(4)式に基づいて行う。ただし、この電流回復期間では、PI演算部80fは、ゲインKpおよびゲインKiの値として、共に上記の電流制限期間のゲイン値よりも小さな値を使用する。PI補償のゲインが小さくなることにより、補正量である電流制限値ΔIの急激な変動が抑制され、結果として供給電流I1にオーバーシュートが発生することが抑止される。セル電圧が最低セル電圧許容値Vth以上になり、かつ、車両システム要求電流I0が制限された供給電流I1に達したら、電流制限処理は解除される。
なお、電流回復期間中においても、セル電圧についての最低セル電圧が許容値を上回っているか否かの監視は継続され、万一、最低セル電圧が再び許容値を下回った場合には、電流制限処理が再開される。
ここで、上述したように、PI演算部80fおよび第1の減算器80bは、電源制限処理の最中に燃料電池20の目標出力電圧が変更された場合には、目標出力電圧の変更に伴う燃料電池20の出力電圧が安定するまで、目標出力電圧変更時の供給電流I1を維持するようになっている。図4では、時刻2に達した時に燃料電池の目標出力電圧が低電圧Vlから高電圧Vhに変更されている。よって、この目標出力電圧が低電圧Vlから変更された時刻t2から燃料電池20の出力電圧が高電圧Vhで安定する時刻t3までの期間、供給電流I1は維持されている。すなわちこの保持期間においては、PI演算部80fは、(4)式に基づくPI補償演算を行わず、供給電流I1の値として直前のPI補償演算で算出された値を使用する。
電流回復期間において、アクセル操作が中断されると、制限されない車両システム要求電流I0が急激に低下する。この要求電流I0の電流値が供給電流I1を下回った(同一値を含む)時点(時刻t5)において、最低セル電圧が許容値Vth以上であることを条件に電流回復期間が終了し、電流制限処理全体が解除される。
図5に、上記電流制限処理を説明するためのフローチャートを示す。以下、図1および2を参照しながら、図5のフローチャートを使用して、制御部80の処理動作の流れを説明する。
まず、ステップS1において、制御部80の要求電流算出部80aは、状態フラグを参照することで、電流制御の初回のタイミングであるか否かを検証する。その結果、初回のタイミングであれば(YES)、ステップS2に進み、初回のタイミングでなければ(NO)、ステップS14に移る。
ステップS14では、制御部80の要求電流算出部80aは、内部領域に記憶していた要求電流I0の値を取り出し、ステップS4に移る。
ステップS2では、制御部80の要求電流算出部80aは、タイミングを非初回に設定する。
ステップS3において、制御部80の要求電流算出部80aは、燃料電池システム10の出力電力を制御するに際して、システム要求電力Preqを算出し、システム要求電力Preqから燃料電池20に対する要求電流I0を算出する。
次いでステップS4において、制御部80の第2の減算器80eは、セルモニタ101が検出したセル電圧のうち最低の値を示す最低セル電圧Vmを取得する。
ステップS5において、第2の減算器80eは、燃料電池20の温度および出力電流を検出し、検出温度に対応した最低セル電圧許容値マップ103を参照し、検出電流に対応する最低セル電圧許容値Vthを読み出す。
ステップS6において、第2の減算器80eは、最低セル電圧Vmが最低セル電圧許容値Vth以上であるか否かを判定し、この判定の結果、最低セル電圧Vmが最低セル電圧基準値以上であるときには(YES)、ステップS15に移り、一方、最低セル電圧Vmが最低セル電圧基準値よりも小さいときには(NO)、ステップS7に進んで、以下、本発明の主たる電流制限処理を実施する。
ステップS7において、制御部80の第2の減算器80eは、最低セル電圧基準マップ103から得られたしきい値(最低セル電圧許容値)Vthと、検出されたセル電圧Vmとの偏差ΔVを算出する。
そしてステップS8において、制御部80のPI演算部80fは、(4)式の比例ゲインKpと積分ゲインKiとにそれぞれ電流制限時のために予め定められたゲイン値を設定する。
次いでステップS9において、制御部80のPI演算部80fは、算出した偏差ΔVと、設定された比例ゲインKpおよび積分ゲインKiとから、(4)式にしたがって要求電流I0の補正量として電流制限値ΔIを算出する。
次いでステップS10において、制御部80の第1の減算器80bは、要求電流I0と電流制限値ΔIとの偏差を求め、この偏差を今回の供給電流(目標電流値)I1とするために出力する。
そしてステップS11では、制御部80の第1の減算器80bは、要求電流I0と目標電流値I1とを内部領域に記憶する。
次いでステップS12では、制御部80の電力分配計算部80cは、要求電流I0を電流制限値ΔIで補正して得られた供給電流I1にしたがって電力指令値の上下限を算出する。
ステップS13では、制御部80の電流・電圧指令値計算部80dは、算出された電力指令値を基にDC−DCコンバータ90を制御するための駆動信号である電圧指令値および電流指令値を出力する。すなわち、セル電圧Vmがしきい値(最低セル電圧許容値)Vth以下にならないようにするための供給電流I1にしたがって燃料電池20の発電量および出力電力を制御し、このルーチンでの処理を終了する。
一方、ステップS6において、最低セル電圧が最低セル電圧許容値以上であった場合(YES)、ステップS15に移行し、制御部80のPI演算部80fは、供給電流I1がステップS10において算出済であるか否かを検証する。供給電流I1がステップS10において算出済である場合(YES)、ステップS16に進み、供給電流I1がステップS10において算出済でない場合(NO)、即ち、制御の流れがステップS10を通過しなかった場合)には、ステップS20に移る。
ステップS16において、制御部80のPI演算部80fは、内部領域に記憶していた供給電流I1の値を取り出す。
次いでステップS17に移行し、制御部80のPI演算部80fは、燃料電池20の目標出力電圧が安定しているか否かを現在設定されている目標出力電圧と電圧センサ97等で検出される実際の出力電圧とを比較して検証する。燃料電池20の目標出力電圧が安定していると判定された場合(YES)、ステップS18に進み、燃料電池20の目標出力電圧が安定していないと判定された場合(NO)、ステップS12に移る。
ステップS18では、制御部80のPI演算部80fは、供給電流I1が電流制限を開始した時の要求電流I0を上回っているか否かを検証する。そして供給電流I1が電流制限を開始した時の要求電流I0を上回っていない場合は(NO)、電流制限を継続すべきとしてステップS19に進む。一方、供給電流I1が電流制限を開始した時の要求電流I0を上回っている場合は(YES)、電流制限処理を終了すべきとしてステップS20に移る。
ステップS19において、制御部80のPI演算部80fは、(4)式の比例ゲインKpと積分ゲインKiとにそれぞれ電流回復時ために予め定められたゲイン値を設定し、ステップS9に移る。
ステップS20では、制御部80の要求電流算出部80aは、タイミングを初回に設定する。
以上、本実施形態によれば、最低セル電圧Vmが最低セル電圧許容値Vthを下回った時には、この時のシステム要求の電流値I0が基準値としてPI補償演算がされるので、電流制限処理時に供給電流低下に対応してシステム要求電力が上昇してしまうことを抑制でき、確実な電流制限処理が可能となる。例えば、燃料電池システムを搭載した自動車において電流制限を出力不足であると運転者が感じてアクセル操作を行ったとしても、供給電流の演算の基準値が電流制限処理開始時の電流値に固定されるので、セル電圧が回復するまで確実に電流制限を行うことが可能である。
また本発明によれば、供給電流I1の制限時におけるゲインKp・Kiと回復時におけるゲインKp・Kiとをそれぞれの状況に適合して設定するので、迅速な電流制限を確保するとともに収束する供給電流のオーバーシュートの発生を抑制することができる。
また、電流制限期間では、燃料電池全体の目標出力電圧が変更された場合には、変更された該目標出力電圧が安定するまで制限された電流の電流値を保持してから前記電流制限処理を再開するので、PI補償による電流制限が不安定になることが防止可能となる。
さらに供給電流I1、最低セル電圧Vmが共に回復し、要求電力Preqの供給が可能となった状態で電流回復処理を含む電流制限処理を解除するので、燃料電池の保全が図れると共に、システムの運転に支障の無い制御が可能となる。
(その他の変形例)
本発明は、上記実施形態に限定されることなく、種々に変更して適用することが可能である。
例えば、上記実施形態では、PI補償を式(4)に基づくものとして例示していたが、これの関係式に限定されない。燃料電池システムの応答制御として適する関係式に本発明し、電流制限期間におけるゲインと電流回復期間におけるゲインとを変更するように構成することができる。要は、電流制限時には迅速に電流を制限し、電流回復時にはオーバーシュート等の不安定な制御とならないように過渡応答を制御できればよい。
また上記実施形態では、電流制限値ΔIを演算し、基準値となる電流値I0から減算するように演算したが、これに限定されない。例えば、基準値を直接的に変更するような演算をしても構わない。
本発明に係る燃料電池システムのシステム構成図である。 制御部のブロック構成図である。 最低セル電圧許容値マップの特性図である。 電流制限処理の動作を説明するためのタイミングチャートである。 制御部による処理を説明するためのフローチャートである。
符号の説明
10 燃料電池システム、20 燃料電池、40 燃料ガス流路、55 水素ポンプ、75 エアコンプレッサ、80 制御部、80a 要求電流算出部、80b 第1の加算部、80c 電力分配計算部、80d 電流・電圧指令値計算部、80e 第2の加算部、80f PI演算部、101 セルモニタ、102 温度センサ。

Claims (5)

  1. 複数のセルを有する燃料電池を備え、システムに要求されるシステム要求電力に対応したシステム要求電流に対して該セルの最低セル電圧に基づいた補償演算を行うことにより負荷への供給電流を制限する処理を行う燃料電池システムにおいて、
    該最低セル電圧が所定の最低セル電圧許容値を下回った時の該システム要求電流の電流値を基準値としてPI補償により該供給電流を制限するための該補償演算を行うものであって、
    該供給電流を制限する場合の該PI補償のゲインと該供給電流を回復する場合の該PI補償のゲインとを異なる値とすること、
    を特徴とする燃料電池システム。
  2. 前記電流制限処理の最中に、前記燃料電池全体の目標出力電圧が変更された場合には、変更された該目標出力電圧が安定するまで制限された供給電流の電流値を保持してから前記電流制限処理を再開する、請求項1に記載の燃料電池システム。
  3. 総ての前記セル電圧が前記最低セル電圧許容値を上回り、かつ、前記システム要求電流の電流値が前記制限された供給電流の電流値を下回った場合に、前記電流制限処理を解除する、請求項1または2に記載の燃料電池システム。
  4. 該燃料電池の各セルにおけるセル電圧を検出するセル電圧検出部と、
    該セル電圧検出部により検出される該セル電圧から得られる前記最低セル電圧に基づいて前記システム要求電流を前記PI補償する制御演算部と、を備え、
    該制御演算部は、
    前記最低セル電圧許容値からの前記最低セル電圧の偏差をΔV、比例ゲインをKp、積分ゲインをKiとした場合に、前記供給電流の制限のための補正値ΔIを、
    Kp×ΔV+Ki×ΣΔV
    という関係に従って演算するものであり、
    該供給電流を制限する場合と該供給電流を回復する場合とで、前記の比例ゲインKpおよび積分ゲインKiを共に異ならせる、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の燃料電池システム。
  5. 前記供給電流を制限する場合の前記PI補償の前記ゲインよりも、前記供給電流を回復する場合の前記PI補償の前記ゲインを小さくする、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の燃料電池システム。
JP2007304918A 2007-11-26 2007-11-26 燃料電池システムおよびその電流制限方法 Active JP4320686B2 (ja)

Priority Applications (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007304918A JP4320686B2 (ja) 2007-11-26 2007-11-26 燃料電池システムおよびその電流制限方法
US12/744,521 US9184456B2 (en) 2007-11-26 2008-11-17 Fuel cell system and method for limiting current thereof
CN200880104714XA CN101790814B (zh) 2007-11-26 2008-11-17 燃料电池系统及其电流限制方法
PCT/JP2008/070869 WO2009069492A1 (ja) 2007-11-26 2008-11-17 燃料電池システムおよびその電流制限方法
DE112008003004.9T DE112008003004B4 (de) 2007-11-26 2008-11-17 Brennstoffzellensystem und Verfahren zur Verringerung des Stroms derselben

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007304918A JP4320686B2 (ja) 2007-11-26 2007-11-26 燃料電池システムおよびその電流制限方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2009129783A true JP2009129783A (ja) 2009-06-11
JP4320686B2 JP4320686B2 (ja) 2009-08-26

Family

ID=40678394

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007304918A Active JP4320686B2 (ja) 2007-11-26 2007-11-26 燃料電池システムおよびその電流制限方法

Country Status (5)

Country Link
US (1) US9184456B2 (ja)
JP (1) JP4320686B2 (ja)
CN (1) CN101790814B (ja)
DE (1) DE112008003004B4 (ja)
WO (1) WO2009069492A1 (ja)

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP2393117A1 (en) 2008-10-22 2011-12-07 Sony Corporation Solid state image sensor, imaging apparatus, and electronic device
JP2015201407A (ja) * 2014-04-10 2015-11-12 トヨタ自動車株式会社 燃料電池システム
US9455466B2 (en) 2009-07-08 2016-09-27 Convion Oy Method and arrangement for improved controllability of fuel cell stacks
KR20160116498A (ko) * 2015-03-30 2016-10-10 현대자동차주식회사 연료전지 운전 제어 방법
JP2017199508A (ja) * 2016-04-26 2017-11-02 スズキ株式会社 燃料電池の制御方法
KR101947888B1 (ko) 2017-01-09 2019-02-14 현대자동차주식회사 연료전지 차량의 에너지 공급 제어방법 및 제어시스템
CN116053537A (zh) * 2023-01-28 2023-05-02 深圳市氢蓝时代动力科技有限公司 燃料电池运行控制方法、装置、设备及存储介质

Families Citing this family (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101637771B1 (ko) * 2014-12-11 2016-07-08 현대자동차주식회사 전자식 진공 펌프의 제어 방법
JP6519281B2 (ja) * 2015-03-31 2019-05-29 株式会社ジェイテクト 電動パワーステアリング装置
DE102017220562A1 (de) * 2017-11-17 2019-05-23 Audi Ag Diagnosesystem, Brennstoffzellensystem mit einem Diagnosesystem und Verfahren zur Bestimmung einer Kathodengasverschmutzung
JP6958419B2 (ja) * 2018-02-22 2021-11-02 トヨタ自動車株式会社 燃料電池システムおよびその制御方法
US11251449B2 (en) * 2018-07-30 2022-02-15 Sumitomo Electric Industries, Ltd. Redox flow battery system
JP7119918B2 (ja) * 2018-11-05 2022-08-17 トヨタ自動車株式会社 燃料電池システム
CN112187046A (zh) * 2020-08-24 2021-01-05 深圳国氢新能源科技有限公司 燃料电池dc-dc控制方法、装置、系统及存储介质
CN114050295B (zh) * 2021-11-11 2022-04-29 金华氢途科技有限公司 一种燃料电池发动机快速低温关机方法

Family Cites Families (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6379826B1 (en) 1999-11-18 2002-04-30 Plug Power Inc. Regulating a fuel cell powered heating system
US6428917B1 (en) * 1999-12-27 2002-08-06 Plug Power Inc. Regulating the maximum output current of a fuel cell stack
JP3982255B2 (ja) * 2001-12-20 2007-09-26 トヨタ自動車株式会社 燃料電池の発電量制御
JP3915569B2 (ja) * 2002-03-27 2007-05-16 トヨタ自動車株式会社 燃料電池の不具合判定装置および方法
JP2003346849A (ja) * 2002-05-23 2003-12-05 Denso Corp 燃料電池の発電制御装置およびこれを備えた燃料電池システム
CN1306675C (zh) * 2002-12-26 2007-03-21 北京机电研究所 用于电动汽车动力蓄电池组的管理装置
JP4171412B2 (ja) * 2003-12-26 2008-10-22 本田技研工業株式会社 燃料電池システムにおける電流制限装置
JP2007115442A (ja) * 2005-10-18 2007-05-10 Mitsumi Electric Co Ltd 燃料電池制御回路
JP4877656B2 (ja) 2007-07-02 2012-02-15 トヨタ自動車株式会社 燃料電池システムおよびその電流制御方法

Cited By (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP2393117A1 (en) 2008-10-22 2011-12-07 Sony Corporation Solid state image sensor, imaging apparatus, and electronic device
US9455466B2 (en) 2009-07-08 2016-09-27 Convion Oy Method and arrangement for improved controllability of fuel cell stacks
JP2015201407A (ja) * 2014-04-10 2015-11-12 トヨタ自動車株式会社 燃料電池システム
KR20160116498A (ko) * 2015-03-30 2016-10-10 현대자동차주식회사 연료전지 운전 제어 방법
KR101673754B1 (ko) * 2015-03-30 2016-11-07 현대자동차주식회사 연료전지 운전 제어 방법
US10340541B2 (en) 2015-03-30 2019-07-02 Hyundai Motor Company Operation control method and system of fuel cell
JP2017199508A (ja) * 2016-04-26 2017-11-02 スズキ株式会社 燃料電池の制御方法
KR101947888B1 (ko) 2017-01-09 2019-02-14 현대자동차주식회사 연료전지 차량의 에너지 공급 제어방법 및 제어시스템
US10367216B2 (en) 2017-01-09 2019-07-30 Hyundai Motor Company Method and system for controlling energy supply in fuel cell vehicle
CN116053537A (zh) * 2023-01-28 2023-05-02 深圳市氢蓝时代动力科技有限公司 燃料电池运行控制方法、装置、设备及存储介质
CN116053537B (zh) * 2023-01-28 2023-06-20 深圳市氢蓝时代动力科技有限公司 燃料电池运行控制方法、装置、设备及存储介质

Also Published As

Publication number Publication date
JP4320686B2 (ja) 2009-08-26
US20100248055A1 (en) 2010-09-30
CN101790814A (zh) 2010-07-28
DE112008003004B4 (de) 2019-04-25
DE112008003004T5 (de) 2010-10-14
CN101790814B (zh) 2013-10-02
US9184456B2 (en) 2015-11-10
WO2009069492A1 (ja) 2009-06-04

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4320686B2 (ja) 燃料電池システムおよびその電流制限方法
JP4877656B2 (ja) 燃料電池システムおよびその電流制御方法
JP4424419B2 (ja) 燃料電池システム
JP5126480B2 (ja) 燃料電池システム
JP5120594B2 (ja) 燃料電池システム及びその運転方法
US8546033B2 (en) Fuel cell apparatus comprising a high potential avoidance voltage setting device
JP5003980B2 (ja) 燃料電池システム
US8088527B2 (en) Fuel cell system
JP4831417B2 (ja) 燃料電池システム
JP5435320B2 (ja) 燃料電池システムおよび燃料電池システムの制御方法
JP5155734B2 (ja) 燃料電池システム及びその運転方法
JP2009158209A (ja) 燃料電池システム
JP2010055927A (ja) 燃料電池システム
JP2008270047A (ja) 燃料電池システム
WO2013105590A1 (ja) 燃料電池システム
JP6052245B2 (ja) 燃料電池システム
US8092947B1 (en) Fuel cell system
JP6225957B2 (ja) 燃料電池システム
JP2014002844A (ja) 燃料電池システム
JP2005063801A (ja) 燃料電池システムおよび移動体
JP2006190571A (ja) 燃料電池の制御装置
JP5344271B2 (ja) 燃料電池システム

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090410

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20090507

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20090520

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 4320686

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120612

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120612

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130612

Year of fee payment: 4