JP2009128302A - 電極形成基板及びそれを用いた光学的測定装置 - Google Patents

電極形成基板及びそれを用いた光学的測定装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 ウェスやブラシ等を摺動する洗浄にも電極の表面に傷がつかない耐久性の高い電極形成基板及びそれを用いた光学的測定装置を提供する。
【解決手段】 容器10内の流動体試料中に浸漬され、電圧が印加されることにより容器10内に電界分布を発生させる電極2が基板20の表面に形成された電極形成基板30と、電極形成基板30の電極2に電圧を印加する電源41と、容器10に光を照射する光源15と、容器10内の流動体試料による回折光の強度を検出する光検出器19と、電極2への電圧の印加と電圧印加の停止又は変調とを制御することによって生じる回折光の強度変化から粒子群に関する評価を行う制御部40とを備える光学的測定装置において使用される電極形成基板30であって、電極2の最上層23、25は、Pt、Pd、Mo、W、Ru、Os、Rh、Ir又はこれらの合金で形成されていることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、光学的手法を用いて、媒体中で粒子群が移動可能に分散された流動体試料中における粒子群に関する評価を計測する光学的測定装置及びそれに使用される電極形成基板に関し、更に詳しくは、液体若しくはゲル中で形成した粒子群の粒子密度分布による過渡的な回折格子を利用して、粒子の拡散係数を算出し、さらには拡散係数から粒子群の粒子径を算出する光学的測定装置及びそれに使用される電極が形成された基板に関する。
媒体(例えば、水等の液体やゲル等)に粒子群を分散させた流動体試料中の粒子の粒子径の測定は、製薬や化学や研磨剤やセラミックスや顔料等の粒子径が品質に影響を与える製品について行われている。
さらに、粒子径が100nm以下である粒子は、一般にナノ粒子と称され、同じ材質であっても通常のバルク物質とは異なる性質を表すことから、さまざまな分野で利用され始めている。
このような粒子径を測定する方法として、まず、媒体に粒子群を分散させた流動体試料中に、空間周期パターンを有する電界分布を発生させることによって、粒子群を誘電泳動作用若しくは電気泳動作用で移動させ、流動体試料中に粒子群の密な領域と疎な領域とが周期的に並ぶ密度回折格子を形成させて、次に、この密度回折格子にレーザ光を照射することによって、回折光の強度を検出して、次に、密度回折格子を形成させた流動体試料中に、電界分布を発生させることを停止若しくは変調することによって、粒子群を拡散させ、ぼやけていく密度回折格子による回折光の強度の経時的変化を測定することにより、粒子群の拡散係数を算出し、さらには拡散係数から粒子径を算出する測定方法がある(例えば、特許文献1及び2参照)。
ここで、このような測定方法で使用される光学的測定装置について説明する。図3は、光学的測定装置の全体構造の一例を示す図である。
光学的測定装置は、レーザ光を水平方向に照射するレーザ光源15と、集光レンズ16と、流動体試料が収容されるサンプルキュベット(容器)10と、集光レンズ17と、アパーチャ18と、光検出器19と、電極2がガラス基板20の表面に形成された電極形成基板50と、電極2に電圧を印加する交流電源41と、電極2への電圧の印加と電圧印加の停止又は変調とを制御することによって生じる回折光の強度変化から粒子群に関する評価を行う制御装置40とを備える。
サンプルキュベット10は、長方形状の底面と、4個の側壁とを有するガラス製のものであり、光透過性を有する。そして、サンプルキュベット10の内部には、媒体に粒子群を分散させた流動体試料が収容されることになる。
次に、電界分布を発生させる電極2について説明する。図2は、ガラス基板20の表面上に電極2が形成された電極形成基板の一例を示す平面図であり、図4は、図2に示すA−A線の断面の一部を示す断面図である。
ガラス基板20は、平板形状であり、その一面には左側電極21及び右側電極22(電極)が形成されている。
左側電極21は、幅L、厚さD(例えば、200nm)の直線状の電極片21aが間隔を空けて平行に並べられるとともに、これらの電極片21aの外側の片側端どうしを電気的に接続する直線状の接続部21bが設けられ、いわゆる櫛型電極を形成している。
右側電極22についても同様であり、幅L、厚さD(例えば、200nm)の直線状の電極片22が間隔を空けて平行に並べられるとともに、これらの電極片22aの外側の片側端どうしを電気的に接続する直線状の接続部22bが設けられ、いわゆる櫛型電極を形成している。
そして、電極片21aと電極片22aとの各間隔が、それぞれ一定距離S(例えば、20μm)を空けて配置される。
また、接続部21bの上端部と接続部22bの上端部とには、交流電源41が接続される。
粒子径を測定する際には、このような電極2が形成された電極形成基板50を、サンプルキュベット10内の流動体試料中に浸漬する。そして、左側電極21及び右側電極22に電圧を印加することにより、流動体試料中に電界分布を発生させることにより、流動体試料中に粒子群の密な領域Pと疎な領域とが周期的に並ぶ密度回折格子を形成して、その後、左側電極21及び右側電極22に電圧を印加することを停止若しくは変調することによって、密な領域Pの粒子群を拡散することになる。
ところで、左側電極21及び右側電極22の材質が電気的、化学的に不安定であると、粒子径を測定する際に、粒子群と反応し、気泡や副生成物が生じ、その結果、測定データにノイズが含まれることになる。さらには、左側電極21及び右側電極22が破壊されたり、変性したりすることになる。このため、左側電極21及び右側電極22の材質として、電気的、化学的に安定である金属が選定される必要がある。
さらに、左側電極21及び右側電極22の電気抵抗値が高いと、電圧が印加されたときに発熱を起こし、媒体の粘度を変化させ、その結果、粒子群に関する評価(拡散係数の算出等)を正確に行うことができなくなる。このため、電気抵抗が低い金属が選定される必要もある。
よって、左側電極21及び右側電極22は、電気的、化学的に安定であり、かつ、電気抵抗が低いAuで形成されていた。
特開2006−84207号公報 特開2006−64659号公報
ところで、一の流動体試料について測定が終了すると、新たな流動体試料について測定を行うことになるが、新たな流動体試料について測定を行う前には、左側電極21及び右側電極22を洗浄することになる。このとき、左側電極21及び右側電極22の洗浄作業では、左側電極21及び右側電極22の表面に付着した付着物(一の流動体試料中の粒子群等)が新たな流動体試料に紛れないように、ウェスやブラシ等を摺動することで付着物を完全に除去する必要がある。
しかしながら、左側電極21及び右側電極22がAuで形成されている場合、Auはモース硬度が低いため、洗浄時に左側電極21及び右側電極22の表面に傷がつきやすく、左側電極21及び右側電極22が破損することがあり、電極形成基板50の寿命が短かったという問題点があった。また、洗浄時に左側電極21及び右側電極22の表面に傷がつきやすいため、測定中に、剥離したAu粒子が粒子群に紛れ、その結果、測定データにノイズが含まれることもあった。
また、洗浄時に左側電極21及び右側電極22の表面に傷がつかないように、ウェスやブラシ等を弱く摺動すると、左側電極21及び右側電極22の表面に付着した付着物が完全に除去しきれず、その結果、測定データにノイズが含まれることがあった。
上記課題を解決するために、本件発明者らは電極の材質について検討を行った。そこで、電極の最上層を、Pt、Pd、Mo、W、Ru、Os、Rh、Ir、又は、これらの合金で形成すれば、上述したような測定方法において、Auで形成された電極と同様に、電気的、化学的、電気抵抗にも問題なく、さらにAuで形成された電極と比較して、ウェスやブラシ等を摺動する洗浄時に電極の表面に傷がつきにくくなるということを見出した。
従来、Pt、Pd、Mo、W、Ru、Os、Rh、Ir又はこれらの合金は、Auと比較して高い電気抵抗を有するので、電圧印加の際にわずかに流れる電流によって発生する発熱によって媒体の粘度を変化させて粒子群に関する評価を正確に行うことができなくなると考えられていたが、最上層がPt、Pd、Mo、W、Ru、Os、Rh、Ir又はこれらの合金で形成された電極で実験を実際に行った結果、粒子群に関する評価を正確に行うことができなくなるような問題は生じなかった。つまり、上述したような測定方法においては、電極間の流動体試料も抵抗体として働くので、電極の電気抵抗値として電極間の流動体試料の電気伝導度が支配することになる。よって、Pt、Pd、Mo、W、Ru、Os、Rh、Ir又はこれらの合金の電気抵抗は10×10−8Ω/m以下であり、Auの電気抵抗と比較して高い数値ではあるが、10×10−8Ω/m程度の電気抵抗であれば、上述したような測定方法で粒子群に関する評価を行うのに問題がないことがわかった。
ここで、10×10−8Ω/mの電気抵抗を有するPtで形成された電極で実験を行った結果について説明する。
実験として、まず、媒体に平均粒子径が製造業者の表示値として5nm,および8nmのシリカ群(粒子群)を分散させた流動体試料中に、電圧印加時間(Von-Time)で電圧を電極に印加することにより、電界分布を発生させることによって、シリカ群を誘電泳動作用で移動させ、流動体試料中にシリカ群の密な領域と疎な領域とが周期的に並ぶ密度回折格子を形成させた。そして、この密度回折格子にレーザ光を照射することによって、回折光の強度を検出した。
次に、密度回折格子を形成させた流動体試料中に、電圧印加時間(Von-Time)後に電圧を電極に印加することを停止することによって、シリカ群を拡散させ、拡散していく密度回折格子による回折光の強度の経時的変化を測定することにより、シリカ群の拡散係数を算出し、さらには拡散係数から粒子径を算出した。
その結果を図5に示す。図5は、電圧印加時間(Von-Time)と平均粒子径(Measured Diameter)との関係を示すグラフである。なお、図5中には、平均粒子径5nmのシリカ群ならびに平均粒子径8nmのシリカ群に変更して実験を行った測定結果を併記して示す。
図5に示すように、電圧を0.05秒印加した場合、電圧を0.10秒印加した場合、さらに電圧を0.20秒印加した場合における粒子径の測定結果は計測誤差範囲内で変動していた。この実験結果は,すなわち電極に対する電圧印加による熱量が媒質の粘度を変化させ粒径の解析結果に影響を与えることがないことを示している。したがって、10×10−8Ω/m以下を有する電極での発熱は、上述したような測定方法では無視できることがわかった。
また、最上層がPt、Pd、Mo、W、Ru、Os、Rh、Ir又はこれらの合金で形成された電極においては、Pt、Pd、Mo、W、Ru、Os、Rh、Ir又はこれらの合金のモース硬度は、Auのモース硬度より高いため、ウェスやブラシ等を300回以上摺動しても、電極の表面に傷がつくことはなかった。
さらに、Pt、Pd、Mo、W、Ru、Os、Rh、Ir又はこれらの合金は、Auと比較して化学的に不安定であるが、上述したような測定方法において使用される水や酸やアルカリに対しては高い耐食性を有する。最上層がPt、Pd、Mo、W、Ru、Os、Rh、Ir又はこれらの合金で形成された電極で実験を実際に行った結果、最大18Vに及ぶ電圧振幅印加時にも、粒子群と反応し、気泡や副生成物が生じるような問題は生じなかった。
すなわち、本発明の電極形成基板は、粒子群が分散された流動体試料が内部に収容される容器と、前記容器内の流動体試料中に浸漬され、電圧が印加されることにより容器内に空間周期パターンを有する電界分布を発生させる電極が基板の表面に形成された電極形成基板と、前記電極形成基板の電極に電圧を印加する電源と、前記容器に光を照射する光源と、前記容器内の流動体試料による回折光の強度を検出する光検出器と、前記電極への電圧の印加と電圧印加の停止又は変調とを制御することによって生じる回折光の強度変化から粒子群に関する評価を行う制御部とを備える光学的測定装置において使用される電極形成基板であって、前記電極の最上層は、Pt、Pd、Mo、W、Ru、Os、Rh、Irのいずれか、又は、これらの合金で形成されているようにしている。
本発明の電極形成基板によれば、光学的測定装置による測定方法において、Auで形成された電極と同様に、電気的、化学的、電気抵抗にも問題ない。さらに、Auで形成された電極と比較して、ウェスやブラシ等を摺動する洗浄時にも電極の表面に傷がつかない。したがって、本発明の電極形成基板によれば、耐久性の高い電極形成基板を得ることができる。
(他の課題を解決するための手段および効果)
また、上記の発明において、前記電極は、前記基板の一面に形成された左側電極と右側電極とからなり、前記左側電極は、直線状の電極片が間隔を空けて平行に並べられるとともに、これらの電極片の外側の片側端どうしを電気的に接続する直線状の接続部が設けられ、前記右側電極は、直線状の電極片が間隔を空けて平行に並べられるとともに、これらの電極片の外側の片側端どうしを電気的に接続する直線状の接続部が設けられ、前記左側電極の電極片と右側電極の電極片との各間隔が、それぞれ一定距離を空けて配置され、前記一定距離は、20μm以下であるようにしてもよい。
本発明によれば、Auで形成された電極と比較して、ウェスやブラシ等を摺動する洗浄時にも電極の表面に傷がつかないため、左側電極の電極片と右側電極の電極片との各間隔を小さくしても、電極が破損するような問題が生じることはない。
また、上記の発明において、前記基板の材質は、ガラスもしくは透明性結晶であるようにしてもよい。
また、上記の発明において、前記基板の表面に形成された電極は、最上層となる第一層と、当該第一層と基板との間に形成された第二層とからなり、前記第一層は、Pt、Pd、Ru、Os、Rh、又は、Irで形成されているとともに、前記第二層は、TiまたはCrで形成されているようにしてもよい。
本発明によれば、ウェスやブラシ等を摺動する洗浄時に電極の表面に傷がつかなくても、基板と電極との付着性が悪いと、基板から電極自体が剥離することがあるが、基板から電極が剥離することを防止することができる。
そして、上記の発明において、前記第二層の厚さは、50nm以下であるようにしてもよい。
本発明によれば、第二層の材料のモース硬度は低くなるが、第二層の厚さが薄いため、ウェスやブラシ等を摺動する洗浄時に第二層に傷がつかないようにすることができる。
さらに、本発明の光学的測定装置は、上述したような電極形成基板と、粒子群が分散された流動体試料が内部に収容される容器と、前記電極形成基板の電極に電圧を印加する電源と、前記容器に光を照射する光源と、前記容器内の流動体試料による回折光の強度を検出する光検出器と、前記電極への電圧の印加と電圧印加の停止又は変調とを制御することによって生じる回折光の強度変化から粒子群に関する評価を行う制御部とを備えるようにしている。
以下、本発明の実施形態について図面を用いて説明する。なお、本発明は、以下に説明するような実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の態様が含まれることはいうまでもない。
光学的測定装置は、図3に示す従来の光学的測定装置とほぼ同様の構成であり、レーザ光を水平方向に照射するレーザ光源15と、集光レンズ16と、流動体試料が収容されるサンプルキュベット(容器)10と、集光レンズ17と、アパーチャ18と、光検出器19と、電極2がガラス基板20の表面に形成された電極形成基板30と、電極2に電圧を印加する交流電源41と、電極2への電圧の印加と電圧印加の停止又は変調とを制御することによって生じる回折光の強度変化から粒子群に関する評価を行う制御装置40とを備える。なお、上述した粒子測定装置と同様のものについては、同じ符号を付している。
レーザ光源15は、測定対象となる流動体試料に応じて種類を選択すればよいが、例えば、He−Neレーザ光源(波長633nm)である。そして、サンプルキュベット10にレーザ光が照射されるように、レーザ光の光軸が調整されている。
光検出器19は、例えば、回折角を測定するための角度調整機構(図示せず)が設けられており、回折光の強度とともに回折角が検出できるようにしたものである。なお、角度調整機構を設ける代わりに、複数の素子を並べたアレイセンサを用いて、回折角が計測できるようにしてもよい。
サンプルキュベット10は、長方形状の底面と、4個の側壁とを有するガラス製のものであり、光透過性を有する。そして、サンプルキュベット10の内部には、媒体に粒子群を分散させた流動体試料が収容されることになる。
交流電源41には、流動体試料中の粒子群に誘電泳動を引き起こすことができる電圧、周波数の交流電源が用いられる。具体的には、1〜100V、10kHz〜10MHz程度の交流電圧が印加できる交流電源を使用する。
制御装置40は、いわゆるCPU、ROM、RAM等からなるコンピュータにより構成され、予め記憶されたプログラムにより、電極2に対して、過渡回折格子を形成するために必要な交流電圧を、必要な時間だけ印加し、その後、交流電圧の印加を停止して粒子郡の拡散を引き起こすことによって生じる光の強度変化から粒子群に関する評価(拡散係数、粒子径)を行う制御を実行する。
ここで、電界分布を発生させる電極2について説明する。図2は、ガラス基板20の表面上に電極2が形成された電極形成基板の一例を示す平面図であり、図1は、図2に示すA- A線の断面の一部を示す断面図である。ガラス基板20はガラスの代わりに透明な結晶板でもよい。
ガラス基板20は、平板形状であり、その一面には左側電極21及び右側電極22(電極)が形成されている。
左側電極21は、幅L(例えば、1μm)、厚さD(例えば、200nm)の直線状の電極片21aが間隔を空けて平行に並べられるとともに、これらの電極片21aの外側の片側端どうしを電気的に接続する直線状の接続部21bが設けられ、いわゆる櫛型電極を形成している。
右側電極22についても同様であり、幅L(例えば、1μm)、厚さD(例えば、200nm)の直線状の電極片22が間隔を空けて平行に並べられるとともに、これらの電極片22aの外側の片側端どうしを電気的に接続する直線状の接続部22bが設けられ、いわゆる櫛型電極を形成している。
そして、電極片21aと電極片22aとの各間隔が、それぞれ一定距離S(例えば、10μm)を空けて配置される。
また、接続部21bの上端部と接続部22bの上端部とには、交流電源41が接続される。
左側電極21は、最上層となる左側電極第一層23と、左側電極第一層23とガラス基板20との間に形成された左側電極第二層24とからなる。
左側電極第一層23は、Pt、Pd、Ru、Os、Rh、又は、Irで形成されている。また、左側電極第一層23の厚さD1は、例えば、150nmである。
左側電極第二層24は、TiまたはCrで形成されている。また、左側電極第二層24の厚さD2は、例えば、50nmである。
右側電極22も、左側電極21と同様に、最上層となる右側電極第一層25と、右側電極第一層25とガラス基板20との間に形成された右側電極第二層26とからなる。
右側電極第一層25は、Pt、Pd、Ru、Os、Rh、又は、Irで形成されている。また、右側電極第一層25の厚さD1は、例えば、150nmである。
右側電極第二層26は、TiまたはCrで形成されている。また、右側電極第二層26の厚さD2は、例えば、50nmである。
次に、電極形成基板30の製造方法について説明する。ここでは、左側電極第一層23及び右側電極第一層25をPtで形成し、左側電極第二層24及び右側電極第二層26をTiで形成する場合について説明する。
まず、スパッタリング法を用いて、平板形状のガラス基板20の一面の全面上に、厚さ約50nmのTi層24、26を形成する。Ti層24、26を形成した後、同様にスパッタリング法を用いて、Ti層24、26上に、厚さ約150nmのPt層23、25を形成する。
次に、Pt層23、25上にフォトレジストを塗布した後、フォトレジスト手法によりフォトレジストに電極マスクパターンを記録して現像する。
次に、現像されたフォトレジストをマスクとして、物理的エッチング手法により、電極2の形成に不要なPt層23、25とTi層24、26とを除去する。このとき、物理的エッチング手法としては、反応性イオンエッチング等の様々な手法を適用できるが、ガラス基板20への化学的ダメージがほとんど発生しないArイオンビームミリング法が好適である。なお、わずかにガラス基板20までエッチングすることで、不要なPt層23、25とTi層24、26とを完全に除去することが好ましい。
最後に、フォトレジストを除去することで、図2に示すような電極2がガラス基板20の表面に形成された電極形成基板30を得る。
なお、上述したような二層構造の左側電極21及び右側電極21に代えて、一層構造の左側電極及び右側電極が形成されている構成としてもよい。
このような左側電極及ぶ右側電極(最上層)は、W又はMoで形成されている。また、左側電極及び右側電極の厚さDは、例えば、200nmである。
(1)実施例に係る電極形成基板30の製造
まず、スパッタリング法を用いて、平板形状のガラス基板20の一面の全面上に、厚さ約50nmのTi層24、26を形成した。Ti層24、26を形成した後、同様にスパッタリング法を用いて、Ti層24、26上に、厚さ約150nmのPt層23、25を形成した。
次に、Pt層23、25上にフォトレジストを塗布した後、フォトレジスト手法によりフォトレジストに電極マスクパターンを記録して現像した。
次に、現像されたフォトレジストをマスクとして、物理的エッチング手法により、電極2の形成に不要なPt層23、25とTi層24、26とを除去した。
最後に、フォトレジストを除去することで、電極2がガラス基板20の表面に形成された電極形成基板30を得た。なお、電極2として、幅1μm、厚さ200nmの直線状の電極片21a、22aが間隔を空けて平行に並べられるとともに、これらの電極片21a、22aの外側の片側端どうしを電気的に接続する直線状の接続部21b、22bが設けられた左側電極21及び右側電極22を形成した。
(2)比較例に係る電極形成基板50の製造
まず、スパッタリング法を用いて、平板形状のガラス基板20の一面の全面上に、厚さ約50nmのCr層(図示せず)を形成した上で200nmのAu層21、22を形成した。
次に、Au層21、22上にフォトレジストを塗布した後、フォトレジスト手法によりフォトレジストに電極マスクパターンを記録して現像した。
次に、現像されたフォトレジストをマスクとして、化学的エッチング手法により、電極2の形成に不要なAu層21、22を除去した。
最後に、フォトレジストを除去することで、電極2がガラス基板20の表面に形成された電極形成基板50を得た。なお、電極2として、幅10μm、厚さ200nmの直線状の電極片21a、22aが間隔を空けて平行に並べられるとともに、これらの電極片21a、22aの外側の片側端どうしを電気的に接続する直線状の接続部21b、22bが設けられた左側電極21及び右側電極22を形成した。
<電極の表面の評価>
実施例に係る電極形成基板30及び比較例に係る電極形成基板50を用いて、シリカ群が分散された流動体試料について測定して、ウェスやブラシ等を摺動することで付着物を除去するという洗浄作業を複数回繰り返した。その前後の電極形成基板を電子顕微鏡で撮影した。
図6(a)は、実施例に係る電極形成基板の洗浄作業前の電子顕微鏡写真であり、図6(b)は、実施例に係る電極形成基板の洗浄作業後の電子顕微鏡写真である。また、図7(a)は、比較例に係る電極形成基板の洗浄作業前の電子顕微鏡写真であり、図7(b)は、比較例に係る電極形成基板の洗浄作業後の電子顕微鏡写真である。
図6に示すように、実施例に係る電極形成基板30は、電極片21a、22aの幅が1μmであるにもかかわらず、損傷が全く発生していない。一方、図7に示すように、比較例に係る電極形成基板50は、損傷が確認された。
以上のように、実施例に係る電極形成基板30によれば、Auで形成された電極と比較して、ウェスやブラシ等を摺動する洗浄時にも電極2の表面に傷がつかない。したがって、耐久性の高い電極形成基板30を得ることができた。
本発明の電極形成基板は、例えば、液体若しくはゲル中で形成した粒子群の粒子密度分布による過渡的な回折格子を利用して、粒子の拡散係数を算出し、さらには拡散係数から粒子群の粒子径を算出する光学的測定装置に使用することができる。
電極形成基板の断面の一部を示す断面図である。 ガラス基板の表面上に電極が積層されて形成された電極形成基板の一例を示す平面図である。 光学的測定装置の全体構造の一例を示す図である。 図2に示すA- A線の断面の一部を示す断面図である。 電圧印加時間と平均粒子径との関係を示すグラフである。 実施例に係る電極形成基板の洗浄作業前後の電子顕微鏡写真である。 比較例に係る電極形成基板の洗浄作業前後の電子顕微鏡写真である。
符号の説明
2 電極
10 サンプルキュベット(容器)
15 レーザ光源
19 光検出器
20 ガラス基板
23 左側電極第一層(最上層)
25 左側電極第一層(最上層)
30、50 電極形成基板
40 制御装置(制御部)
41 交流電源

Claims (6)

  1. 粒子群が分散された流動体試料が内部に収容される容器と、前記容器内の流動体試料中に浸漬され、電圧が印加されることにより容器内に空間周期パターンを有する電界分布を発生させる電極が基板の表面に形成された電極形成基板と、前記電極形成基板の電極に電圧を印加する電源と、前記容器に光を照射する光源と、前記容器内の流動体試料による回折光の強度を検出する光検出器と、前記電極への電圧の印加と電圧印加の停止又は変調とを制御することによって生じる回折光の強度変化から粒子群に関する評価を行う制御部とを備える光学的測定装置において使用される電極形成基板であって、
    前記電極の最上層は、Pt、Pd、Mo、W、Ru、Os、Rh、Irのいずれか、又は、これらの合金で形成されていることを特徴とする電極形成基板。
  2. 前記電極は、前記基板の一面に形成された左側電極と右側電極とからなり、
    前記左側電極は、直線状の電極片が間隔を空けて平行に並べられるとともに、これらの電極片の外側の片側端どうしを電気的に接続する直線状の接続部が設けられ、
    前記右側電極は、直線状の電極片が間隔を空けて平行に並べられるとともに、これらの電極片の外側の片側端どうしを電気的に接続する直線状の接続部が設けられ、
    前記左側電極の電極片と右側電極の電極片との各間隔が、それぞれ一定距離を空けて配置され、
    前記一定距離は、20μm以下であることを特徴とする請求項1に記載の電極形成基板。
  3. 前記基板の材質は、ガラスもしくは透明性結晶であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の電極形成基板。
  4. 前記基板の表面に形成された電極は、最上層となる第一層と、当該第一層と基板との間に形成された第二層とからなり、
    前記第一層は、Pt、Pd、Ru、Os、Rh、又は、Irで形成されているとともに、
    前記第二層は、TiまたはCrで形成されていることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の電極形成基板。
  5. 前記第二層の厚さは、50nm以下であることを特徴とする請求項4に記載の電極形成基板。
  6. 請求項1〜請求項5のいずれかに記載の電極形成基板と、
    粒子群が分散された流動体試料が内部に収容される容器と、
    前記電極形成基板の電極に電圧を印加する電源と、
    前記容器に光を照射する光源と、
    前記容器内の流動体試料による回折光の強度を検出する光検出器と、
    前記電極への電圧の印加と電圧印加の停止又は変調とを制御することによって生じる回折光の強度変化から粒子群に関する評価を行う制御部とを備えることを特徴とする光学的測定装置。
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