JP2009128235A - 光ポンピング磁力計 - Google Patents

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Abstract

【課題】光ポンピング磁力計のS/N比を向上させることにより、磁場検出感度を向上させることを目的とする。
【解決手段】エネルギ遷移が異なる2種類のレーザであるD1レーザ130と、D2レーザ131との混合レーザであるD1+D2レーザ132をガスセル118内のアルカリ金属に照射し、D1+D2レーザ132から、D1レーザ130およびD2レーザ131のうち、どちらか一方のレーザを磁気測定のための信号として、光検出器122で検出することを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、光ポンピング磁力計の技術に関する。
従来の光ポンピング磁力計の光源には、ガスセル内に封入されたアルカリ金属の吸収線であるD1線もしくはD2線のいずれか一つを波長に含むレーザもしくはランプが利用される。
セシウムガスセルを内蔵した吸収ガスセルにセシウムランプを照射することで、ガスセル内のセシウム原子を励起させる技術が提示されている(例えば、特許文献1、特許文献2および非特許文献1参照)。
さらに、セシウムガスセルに半導体レーザの波長をD1線における基底準位(F4)から励起準位(F3’)のエネルギ遷移に固定してガスセル内のセシウム原子を励起させる技術が提示されている(例えば、非特許文献1参照)。
特開2002−296334号公報 特開2006−126110号公報 APPLIED PHYSICS B 80, 645 (2005)
ランプを光源に使用した場合、ガスセルに照射される光は、ガスセル内のアルカリ金属の各エネルギ遷移を生じさせる吸収線がすべて含まれた光である。例えば、セシウムのD1線のランプでは基底準位(F3)から励起準位(F’3)のエネルギ遷移、基底準位(F3)から励起準位(F’4)のエネルギ遷移、基底準位(F4)から励起準位(F’3)のエネルギ遷移、基底準位(F4)から励起準位(F’4)のエネルギ遷移の4本のエネルギ遷移を生じさせる吸収線がすべて含まれている。光ポンピング磁力計では、ガスセル内のアルカリ金属原子を、同じエネルギ状態に揃えることが望ましい。ランプでは、ガスセル内のアルカリ金属原子が各エネルギ遷移で励起されるため、光ポンピングによる同じエネルギ状態のアルカリ金属原子を集める効率が悪い。すなわち、ガスセル内には、さまざまなエネルギ準位のアルカリ金属原子が存在することになり、磁力計の検出感度向上の妨げとなる。
半導体レーザを光源に使用した場合、ランプを光源に使用した場合とは異なり、ガスセル内のアルカリ金属の吸収線における特定のエネルギ遷移を使用することができる。すなわち、特定の波長を有しているレーザを用いることができるため、ガスセル内のアルカリ金属原子を同じエネルギ遷移に励起することができる。従って、ランプに比べて光ポンピングによる同じエネルギ状態のアルカリ金属原子を集める効率がよい。ここで、あるエネルギ準位に励起したアルカリ金属原子は、熱などを放出しながら基底準位へ遷移する。このとき、アルカリ金属原子に複数の基底準位が存在する場合、励起状態にあるアルカリ金属原子が、それぞれの基底準位に遷移する確率は、ほぼ等確率となる。例えば、セシウム原子の場合、基底準位は、F4またはF3の2つが存在するが、励起準位にあるセシウム原子が基底状態のF4およびF3に遷移する確率は、それぞれ50%である。
一般的に、半導体レーザによる励起は、特定の基底準位から特定の励起準位への励起である。例えば、セシウム原子のD1線(波長:894nm)の半導体レーザは、セシウム原子を、基底準位F4から、励起準位F’3へ励起させる。従って、セシウム原子のD1線の半導体レーザを光源とした場合、基底状態F3の状態に遷移してしまったセシウム原子を再び励起状態にすることは不可能である。すなわち、半導体レーザで使用しないエネルギ遷移に存在するアルカリ金属原子は使用されない。そのため、光ポンピングによる同じエネルギ状態のアルカリ金属原子はガスセル内のすべてのアルカリ金属原子の一部のみである。
このような背景に鑑みて本発明がなされたのであり、本発明は、光ポンピング磁力計の磁場検出感度を向上させることを目的とする。
前記課題を解決するため、本発明は、エネルギ遷移が異なる2種類のレーザをガスセル内のアルカリ金属に照射し、前記2種類のレーザのうち、どちらかのレーザを磁気測定のための信号として検出することを特徴とする。
本発明によれば、光ポンピング磁力計の磁場検出感度を向上させることが可能となる。
次に、本発明を実施するための最良の形態(「実施形態」という)について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本実施形態に係る光ポンピング磁力計の構成例を示す図である。
図1に示す光ポンピング磁力計1a(1)は、位相安定タイプである。
光ポンピング磁力計1aのガスセル118は、耐熱ガラス製または石英ガラス製であり、かつ高真空引きされており、中にアルカリ金属ガスが封入されて封じきられている。アルカリ金属ガスにはD1線とD2線と呼ばれる2本の特定の波長の吸収線が存在する。図1に示す例では、光源の波長として、D1線とD2線の両方を利用する。図1に示すように、光ポンピング磁力計1aは、ガスセル118の光源としてD1線およびD2線のそれぞれ波長を持つレーザ(D1レーザ130(第1レーザ)およびD2レーザ131(第2レーザ))を発振する第1レーザ発振器111と第2レーザ発振器117の2台を有する。ここで、D1レーザ130の発光スペクトルとD2レーザ131の発光スペクトルが重なることがないよう、どちらのレーザとも線幅の狭いシングルモードのレーザとして第1レーザ発振器111および第2レーザ発振器117を設定しておく。また、D1レーザ130およびD2レーザ131は、波長の調整が容易な外部共振器型半導体レーザやDFBレーザなどの波長可変レーザであることが好ましい。
第1レーザ発振器111と第2レーザ発振器117から発振されたD1レーザ130およびD2レーザ131は、各レーザの波長に合った偏光子112a,112bとλ/4波長板113a,113bとによって直線偏光から円偏光に変換される。円偏光の向きは、左回りおよび右回りのどちらでもよい。D1レーザ130(円偏光)と、D2レーザ131(円偏光)は、それぞれND(neutral Density)フィルタ114a,114bによって、パワーが微調整されて、混合部であるハーフミラー116に入る。このとき、D1レーザ130は、ハーフミラー116に入射されるようミラー115で反射されてもよい。ハーフミラー116は、円偏光に変換されたD1レーザ130と、D2レーザ131とが同一方向に重なるよう、角度が微調整される。すなわち、ハーフミラー116で、D1レーザ130(円偏光)と、D2レーザ131(円偏光)は、混合される(D1+D2レーザ132)。ガスセル118には静磁場印加用コイル119によって静磁場Bが予め印加されており、ハーフミラー116から出たD1+D2レーザ132がガスセル118に入射される。
その際に、ガスセル118の中心において、静磁場B印加方向とD1+D2レーザ132との成す角度が45度になるよう、静磁場B印加方向は調整される。図1に示す静磁場印加用コイル119は、1軸ヘルムホルツコイル以外に、D1+D2レーザ132との成す角度を微調整するために3軸ヘルムホルツコイルを使用してもよい。その他、静磁場印加用コイル119として、静磁場Bをより均一に印加できるソレノイドコイルも使用してもよい。その際は、後記するRF(Radio Frequency)コイル120をソレノイドコイル内部に配置することが好ましい。
ガスセル118は、印加されている静磁場Bと直交する方向に、振動磁場BRFをRFコイル120によって印加される。振動磁場BRF強度は、静磁場B強度よりも十分弱く、振動磁場BRFの周波数は静磁場B強度に比例するように設定する。ガスセル118を通過したD1+D2レーザ132は、抽出部である回折格子121によって、D1レーザ130(円偏光)と、D2レーザ131(円偏光)とに分離される。
回折格子121より分離されたD1レーザ130(円偏光)もしくはD2レーザ131(円偏光)のいずれかのレーザパワー(レーザ強度)の変化(例えば、レーザパワーの値)が、光検出器122(光検出部)で検出される。光検出器122で検出されたレーザパワーの変化は、ロックインアンプ123(ロックインアンプ部)に入力信号として入力される。ロックインアンプ123は、入力されたレーザパワーの変化に比例した値を有する電圧値を算出し、この電圧値を電圧制御発振回路124(電圧制御発振部)に入力する。電圧制御発振回路124は、ロックインアンプ123から入力された電圧値を対応する振動磁場BRFの周波数へ変換し、RFコイル120へ出力する。さらに、電圧制御発振回路124は、入力された電圧値を参照信号としてロックインアンプ123へフィードバック出力する。ロックインアンプ123では内部に備わった位相比較演算回路が、光検出器122から入力される電圧値と電圧制御発振回路124からの電圧値(参照信号)との位相を比較して、電圧値の位相差を算出する。ロックインアンプ123は、算出された位相差を電圧値として電圧制御発振回路124へ出力する。
測定対象128から、測定磁場Bが、静磁場Bと同じ方向となるよう、ガスセル118に印加されると、ガスセル118に入射されているD1+D2レーザ132の周波数が変化する。そして、回折格子121により分離されたD1レーザ130の周波数の変化は、光検出器122、ロックインアンプ123を介して、電圧制御発振回路124へと電圧値として送られ、計測データとして出力される。なお、測定磁場Bの計測方法は、周知の技術であるため、詳細は省略する。
なお、光ポンピング磁力計1a(1)は、回折格子121から分離したレーザを光検出器122へ集光する集光レンズや、光検出器122とロックインアンプ123との間に光検出器122からの出力のゲインと帯域を調整するアンプ・フィルタ回路を有してもよい。また、ロックインアンプ123は、2位相の信号を同時に検出できる2位相型のロックインアンプを使用するとより最適である。
図2は、本実施形態に係る光ポンピング磁力計の別の構成例を示す図である。
図2に示す光ポンピング磁力計1b(1)は、図1に示す光ポンピング磁力計1aを自己振動型にしたものであり、図1と同様の構成要素には、同一の符号を付して説明を省略する。
アンプゲイン調整回路125は、光検出器122からの出力(レーザパワーの変化)を最適な大きさに増幅してから位相シフト回路126(位相シフト部)へ出力する。位相シフト回路126では光検出器122で検出された信号の位相(すなわち、アンプゲイン調整回路125から入力されたレーザパワー値)を90度シフトさせた後、RFコイル120へ出力する。光ポンピング磁力計1bでは、位相シフト回路126の出力をRFコイル120に直接入力し、振動磁場BRFの大きさとすることで振動磁場BRFを生成する自己振動型の計測制御を行う。
測定対象128から、測定磁場Bが、静磁場Bと同じ方向となるよう、ガスセル118に印加されると、ガスセル118に入射されているD1+D2レーザ132の周波数が変化する。そして、回折格子121により分離されたD1レーザ130の周波数の変化は、光検出器122に検出された後、アンプゲイン調整回路125へ送られ、計測データとして出力される。なお、測定磁場Bの計測方法は、周知の技術であるため、詳細は省略する。
図3は、本実施形態に係る光ポンピング磁力計の別の構成例を示す図である。
図3に示す光ポンピング磁力計1c(1)は、位相安定型タイプであり、図1と同様の構成要素には、同一の符号を付して説明を省略する。
D1レーザ130は、偏光部である偏光子112aを介して直線偏光に変換され(偏光面を矢印201で示す)、NDフィルタ114aを介してレーザパワーが微調整される。また、同様に、D2レーザ131は、偏光部である偏光子112bを介して、直線偏光に変換されたD1レーザ130の偏光面に対して直交する直線偏光(偏光面を矢印202で示す)に変換され、NDフィルタ114bを介してレーザパワーが微調整される。D1レーザ130(直線偏光)と、D2レーザ131(直線偏光)は、混合部である偏光ビームスプリッタ127aを介して、偏光面が互いに直交した直線偏光の混合したレーザ(D1+D2レーザ132:偏光面を矢印203で示す)となる。D1+D2レーザは、λ/4波長板113aに入射され、右回り円偏光と左回り円偏光の混合したD1+D2レーザ132(円偏光の方向を矢印204で示す)となる。
D1+D2レーザ132(混合円偏光)は、静磁場印加用コイル119により静磁場Bが予め印加されているガスセル118に入射される。ガスセル118を通過したD1+D2レーザ132(混合円偏光)は、λ/4波長板113bを介して、偏光面が互いに直交した直線偏光の混合したD1+D2レーザ132に変換される。変換されたD1+D2レーザ132(混合直交偏光)は、抽出部である偏光ビームスプリッタ127bに入射され、縦偏光(図3では、矢印202の偏光面)のレーザと、当該レーザと直交した偏光面(横偏光:図3では、矢印201の偏光面)を有するレーザに分離される。光検出器122は、分離された縦偏光もしくは横偏光のレーザのうち、いずれかを検出し(図3では、D1レーザ130が検出されている)、光検出器122からの出力(レーザパワーの変化)をロックインアンプ123に入力信号として入力する。以降は、図1と同様であるため説明を省略する。
また、測定磁場Bの計測方法も図1と同様であるため、説明を省略する。
図4は、本実施形態に係る光ポンピング磁力計の別の構成例を示す図である。
図4に示す光ポンピング磁力計1d(1)は、図3に示す光ポンピング磁力計1cを自己振動型にしたものであり、図2および図3と同様の構成要素には、同一の符号を付して説明を省略する。
偏光ビームスプリッタ127bで分離された縦偏光もしくは横偏光のレーザのうち、いずれかは光検出器122で検出するところまでは、図3に示す光ポンピング磁力計1cと同様である。また、光検出器122で検出された後の処理は、図2に示す光ポンピング磁力計1bと同様である。
また、測定磁場Bの計測方法も図2と同様であるため、説明を省略する。
図1〜図4に示す光ポンピング磁力計1において、第1レーザ発振器111および第2レーザ発振器117が、両方ともD1レーザ130を発振してもよいし、両方ともD2レーザ131を発振してもよい。
また、図1〜図4に示す光ポンピング磁力計1a〜1dにおいて、ガスセル118内のアルカリ金属の候補として、133Cs、85Rb、87Rb、39Kが挙げられる。また、レーザによる光ポンピングされるアルカリ金属ガスの偏極効率を高めるために、ガスセル118内にHe、Ne、Ar、Xe、Krなどの希ガスを緩衝ガスとして同封してもよい。その他、非磁性気体であるNを使用してもよい。また、ガスセル118の内壁をパラフィンなどの非磁性物質でコーティングしてもよい。
133Cs)
次に、図1から図4を適宜参照しつつ、図5〜図8に沿って、ガスセル118に封入するアルカリ金属として、133Csを用いた場合のエネルギ遷移のふるまいおよび効果について説明する。
図5は、133Csのエネルギ遷移図である。
一般に、基底状態(6S1/2)にある133CsにD1レーザ130を照射すると励起状態(6P1/2)となる(D1線301)。また、基底状態(6S1/2)にある133CsにD2レーザ131を照射すると励起状態(6P3/2)となる(D2線302)。
図6は、133Csのエネルギ遷移の詳細を示す図であり、(a)は、D1線のエネルギ遷移を示す図であり、(b)は、D2線のエネルギ遷移を示す図である。
図6(a)に示すように、133CsのD1線(基底状態(6S1/2)→励起状態(6P1/2):矢印301)には各4本のエネルギ遷移(F3→F’3(矢印311)、F3→F’4(矢印312)、F4→F’3(矢印313)、F4→F’4(矢印314))が存在する。そして、図6(b)に示すように、D2線(基底状態(6S1/2)→励起状態(6P3/2):矢印302)には6本のエネルギ遷移(F3→F’2(矢印321)、F3→F’3(矢印322)、F3→F’4(矢印323)、F4→F’3(矢印324)、F4→F’4(矢印325)、F4→F’5(矢印326))が存在する。
図7は、本実施形態における状態遷移のふるまいを示す図である。
図7において、図5および図6と同様の要素には、同一の符号を付して説明を省略する。
図1〜図4に示すように、ガスセル118を通過したD1+D2レーザ132を分離して、一方のレーザのみを磁場計測のための信号として光検出器122で検出する。光検出器122で検出するレーザはD1レーザ130とD2レーザ131のどちらを検出してもよいが、アルカリ金属ガス密度を高めるためにガスセル118を保温する場合、特にドップラー効果の影響を考えると、各エネルギ遷移の間隔が比較的広いD1線(つまり、D1レーザ130)がより適している。その際に、磁気量子数と核スピン数と電子スピン数から得られるD1線の各エネルギ遷移において吸光強度が強く、励起準位の磁気量子数が基底準位の磁気量子数と同等か少ないエネルギ遷移の条件に当てはまるF4→F’3のエネルギ遷移を生じる波長(以降、D1線(F4→F’3)と記載)が最適である。すなわち、磁気量子数が多いエネルギ準位から、磁気量子数の少ないエネルギ準位へアルカリ金属原子(133Cs)を遷移させるD1線(F4→F’3)が最適である。
以上の内容を図7によって説明すると、以下のようになる。
それぞれのエネルギ状態には、固有の磁気量子数を有する。
一般に、D1線(F4→F’3:矢印313)を照射すると、例えば、超微細エネルギ遷移の状態「−4」(m(−4)と記載する)にある原子は、6P1/2のF’3のmF’(−3)に励起される(矢印331)。しかし、6P1/2のF’3に励起された原子は、再び基底状態へと失活する。失活の際には、基底状態のF4(矢印332)またはF3(矢印333)へ失活するが、F4およびF3への失活する確率は、50%ずつである。ここで、F3へ失活した原子は、D1線により再び6P1/2のF’3に励起される。このように、励起と、失活とを繰り返すことにより、原子が暗領域337へ到達すると、これより大きい値を有する状態がないため、原子は、基底状態のF4のm(+3)、m(+4)と、励起状態6P1/2のF’3のm(+3)との間を循環する。この循環が、ガスセル118を通過するレーザの振動となり、光検出器122によって検出されることとなる。すなわち、光ポンピング磁力計1のS/N(Signal to Noise)比のS(Signal)値をあげるためには、原子を暗領域337により多くためることが望ましい。
しかしながら、前記したように、一般的な方法では、励起状態6P1/2に励起された原子は、50%の確率で基底状態のF3に失活する。基底状態のF3に失活してしまった原子は、D1線(D1レーザ130)では励起することができないため、一度、基底状態のF3に失活してしまった原子は、一般的な方法では、利用することができない。従って、励起と、失活とを繰り返すと、次第に基底状態のF4および励起状態6P1/2のF’3に存在する原子が少なくなり、結果として暗領域337に存在する原子数が少なくなってしまう。
そこで、本実施形態では、D1線に加えてD2線を用いることにより(D1+D2レーザ132)、基底状態のF4に失活してしまった原子を再利用することとする。
つまり、基底状態のF4に失活した原子は、D2線により、励起状態(6P3/2)のF’3に励起される(矢印334)。しかしながら、励起状態6P3/2のF’3に励起された原子も、基底状態へと失活する。このとき、当該原子が、基底状態のF3(矢印336)およびF4(矢印335)へ失活する確率は、それぞれ50%である。
ここで、基底状態のF3へ失活した原子は、D1線により利用できるため、一般に使用されている方法よりも、基底状態のF4および励起状態6P1/2のF’3に存在する原子を多くすることができ、結果として暗領域337に存在する原子数を多くすることができる。
なお、D1レーザ130の波長をD1線(F4→F’3)に設定した場合、D2レーザ131の波長は、D2線(F3→F’2)、D2線(F3→F’3)もしくはD2線(F3→F’4)のどれを使用してもよい。中でも、吸光強度が強いD2線(F3→F’3)や、基底状態(6S1/2)のF3遷移に133Cs原子が超偏極しにくいD2線(F3→F’4)がより適している。このように設定してD1レーザ130とD2レーザ131とを同時に使用することで、例えば、D1線(F4→F’3)のみを使用した場合に生じる基底状態(6S1/2)のF4遷移から133Cs原子が励起されてエネルギを失活する際に基底状態(6S1/2)のF4遷移ではなく基底状態(6S1/2)のF3遷移に遷移して光ポンピングされなくなった原子を利用できるようになる。それによって、基底状態(6S1/2)のF4遷移に同じエネルギ状態で133Cs原子が集まる偏極効率が高まり、磁場計測に利用する光磁気共鳴信号強度が増加する。
図8は、D1線およびD2線の組み合わせによる実験結果を示すグラフである。
図8では、グラフ横軸は振動磁場BRFの周波数を、グラフ縦軸はロックインアンプ123の出力電圧を表す。
D1レーザ130の波長をF4→F’3に、D2の波長をF3→F’3にそれぞれ設定してD1レーザ130とD2レーザ131とを組み合わせて使用した場合と、D1レーザ130のみを使用した場合における光磁気共鳴信号強度を比較した結果である。ここで、曲線351は、D1レーザ130(66μW)のみを使用した結果であり、曲線352は、D1レーザ130(66μW)に加えて、D2レーザ131(5μW)を使用した結果であり、曲線353は、D1レーザ130(66μW)に加えて、D2レーザ131(20μW)を使用した結果であり、曲線354は、D1レーザ130(66μW)に加えて、D2レーザ131(70μW)を使用した結果である。
図8より、D1線(F4→F’3)とD2線(F3→F’3)の組み合わせによって顕著に光磁気共鳴信号強度(ロックインアンプ123の出力電圧)が増加することが分かる。すなわち、S/N比のS(Signal)値が上がることになり、S/N比が向上する。この結果、磁場検出感度を向上させることが可能となる。
85Rb)
次に、図1〜図4を適宜参照しつつ、図9〜図10に沿って、ガスセル118に封入するアルカリ金属として、85Rbを用いた場合のエネルギ遷移について説明する。
図9は、85Rbのエネルギ遷移図である。
一般に、基底状態(5S1/2)にある85RbにD1レーザ130を照射すると励起状態(5P1/2)となる(D1線401)。また、基底状態(5S1/2)にある85RbにD2レーザ131を照射すると励起状態(5P3/2)となる(D2線402)。
図10は、85Rbのエネルギ遷移の詳細を示す図であり、(a)は、D1線のエネルギ遷移を示す図であり、(b)は、D2線のエネルギ遷移を示す図である。
図10(a)に示すように、85RbのD1線(基底状態(5S1/2)→励起状態(5P1/2):矢印401)には各4本のエネルギ遷移(F2→F’2(矢印411)、F2→F’3(矢印412)、F3→F’2(矢印413)、F3→F’3(矢印414))が存在する。また、図10(b)に示すように、D2線(基底状態(5S1/2)→励起状態(5P3/2):矢印402)には6本のエネルギ遷移(F2→F’1(矢印421)、F2→F’2(矢印422)、F2→F’3(矢印423)、F3→F’2(矢印424)、F3→F’3(矢印425)、F3→F’4(矢印426))が存在する。
光検出器122で検出するレーザは、D1レーザ130およびD2レーザ131のどちらを検出してもよいが、アルカリ金属ガス密度を高めるためにガスセル118を保温する場合は特にドップラー効果の影響を考えると、各エネルギ遷移の間隔が比較的広いD1線がより適している。その際に、磁気量子数と核スピン数と電子スピン数から得られるD1線の各エネルギ遷移おいて吸光強度が強く、励起準位の磁気量子数が基底準位の磁気量子数と同等か少ないエネルギ遷移の条件に当てはまるF3→F’2)が最適である。一方、D1レーザ130の波長をD1線(F3→F’2)に設定した場合には、D2レーザ131の波長はD2線(F2→F’1)、D2線(F2→F’2)もしくはD2線(F2→F’3)のどれを使用してもよい。中でも、吸光強度が強いD2線(F2→F’2)や、基底状態(5S1/2)のF2遷移に85Rb原子が超偏極しにくいD2線(F2→F’3)がより適している。
このように設定して第1レーザ発振器111と第2レーザ発振器117を2台同時に使用することで、例えばD1線(F3→F’2)のみを使用した場合に生じる基底状態(5S1/2)のF3遷移から85Rb原子が励起されてエネルギを失活する際に基底状態(5S1/2)のF3遷移ではなく基底状態(5S1/2)のF2遷移に遷移して光ポンピングされなくなった原子を利用できるようになる。それによって、基底状態(5S1/2)のF3遷移に同じエネルギ状態で85Rb原子が集まる偏極効率が高まり、磁場計測に利用する光磁気共鳴信号強度が増加する。
87Rb)
次に、図1〜図4を適宜参照しつつ、図11〜図12に沿って、ガスセル118に封入するアルカリ金属として、87Rbを用いた場合のエネルギ遷移について説明する。
図11は、87Rbのエネルギ遷移図である。
一般に、基底状態(5S1/2)にある87RbにD1レーザ130を照射すると励起状態(5P1/2)となる(D1線501)。また、基底状態(5S1/2)にある87RbにD2レーザ131を照射すると励起状態(5P3/2)となる(D2線502)。
図12は、87Rbのエネルギ遷移の詳細を示す図であり、(a)は、D1線のエネルギ遷移を示す図であり、(b)は、D2線のエネルギ遷移を示す図である。
図12(a)に示すように、87RbのD1線(基底状態(5S1/2)→ 励起状態(5P1/2):矢印501)には各4本のエネルギ遷移(F1→F’1(矢印511)、F1→F’2(矢印512)、F2→F’1(矢印513)、F2→F’2(矢印514))が存在する。
また、図12(b)に示すように、D2線(基底状態(5S1/2)→ 励起状態(5P3/2):矢印502)には6本のエネルギ遷移(F1→F’0(矢印521)、F1→F’1(矢印522)、F1→F’2(矢印523)、F2→F’1(矢印524)、F2→F’2(矢印525)、F2→F’3(矢印526))が存在する。
図1および図2に示すように、ガスセル118を通過したD1+D2レーザ132を回折格子121で分離して片方のレーザのみを磁場計測のための信号として光検出器122で検出する。光検出器122で検出するレーザはD1レーザ130およびD2レーザ131のどちらを検出してもよいが、アルカリ金属ガス密度を高めるためにガスセル118を保温する場合は特にドップラー効果の影響を考えると、各エネルギ遷移の間隔が比較的広いD1線(つまり、D1レーザ130)がより適している。その際に、磁気量子数と核スピン数と電子スピン数から得られるD1線の各エネルギ遷移おいて吸光強度が強く、励起準位の磁気量子数が基底準位の磁気量子数と同等か少ないエネルギ遷移の条件に当てはまるD1線(F2→F’1)もしくはD1線(F2→F’2)が最適である。
一方、D1レーザ130の波長を、D1線(F2→F’1)もしくはD1線(F2→F’2)に設定した場合、D2線用レーザ光の波長は、D2線(F1→F’0)、D2線(F1→F’1)もしくはD2線(F1→F’2)のどれを使用してもよい。中でも、吸光強度が強く、基底状態(5S1/2)のF1遷移に87Rb原子が超偏極しにくいD2線(F1→F’2)がより適している。このように設定して第1レーザ発振器111と第2レーザ発振器117を2台同時に使用することで、例えばD1線(F2→F’1)のみを使用した場合に生じる基底状態(5S1/2)のF2遷移から87Rb原子が励起されてエネルギを失活する際に基底状態(5S1/2)のF2遷移ではなく基底状態(5S1/2)のF1遷移に遷移して光ポンピングされなくなった原子を利用できるようになる。それによって、基底状態(5S1/2)のF2遷移に同じエネルギ状態で87Rb原子が集まる偏極効率が高まり、磁場計測に利用する光磁気共鳴信号強度が増加する。
39K)
次に、図1〜図4を適宜参照しつつ、図13〜図14に沿って、ガスセル118に封入するアルカリ金属として、39Kを用いた場合のエネルギ遷移について説明する。
図13は、39Kのエネルギ遷移図である。
一般に、基底状態(4S1/2)にある39KにD1レーザ130を照射すると励起状態(4P1/2)となる(D1線601)。また、基底状態(4S1/2)にある39KにD2レーザ131を照射すると励起状態(4P3/2)となる(D2線602)。
図14は、39Kのエネルギ遷移の詳細を示す図であり、(a)は、D1線のエネルギ遷移を示す図であり、(b)は、D2線のエネルギ遷移を示す図である。
図14(a)に示すように、39KのD1線(基底状態(4S1/2)→ 励起状態(4P1/2):矢印601)には各4本のエネルギ遷移(F1→F’1(矢印611)、F1→F’2(矢印612)、F2→F’1(矢印613)、F2→F’2(矢印614))が存在し、D2線(基底状態(4S1/2)→ 励起状態(4P3/2):矢印602)には6本のエネルギ遷移(F1→F’0(矢印621)、F1→F’1(矢印622)、F1→F’2(矢印623)、F2→F’1(矢印624)、F2→F’2(矢印625)、F2→F’3(矢印626))が存在する。図1および図2のように、ガスセル118を通過したD1+D2レーザ132を回折格子121で分離して片方のレーザのみを磁場計測のための信号として光検出器122で検出する。光検出器122で検出するレーザはD1レーザ130およびD2レーザ131のどちらを検出してもよいが、アルカリ金属ガス密度を高めるためにガスセル118を保温する場合は、特にドップラー効果の影響を考えると、各エネルギ遷移の間隔が比較的広いD1線(つまり、D1レーザ130)がより適している。その際に、磁気量子数と核スピン数と電子スピン数から得られるD1線の各エネルギ遷移おいて吸光強度が強く、励起準位の磁気量子数が基底準位の磁気量子数と同等か少ないエネルギ遷移の条件に当てはまるD1線(F2→F’1)もしくはD1線(F2→F’2)が最適である。
一方、D1レーザ130の波長をD1線(F2→F’1)もしくはD1線(F2→F’2)に設定した場合、D2レーザ131の波長はD2線(F1→F’0)、D2線(F1→F’1)もしくはD2線(F1→F’2)のどれを使用してもよい。中でも、吸光強度が強く、基底状態(4S1/2)のF1遷移に39K原子が超偏極しづらいD2線(F1→F’2)がより適している。このように設定して第1レーザ発振器111と第2レーザ発振器117とを2台同時に使用することで、例えば、D1線(F2→F’1)のみを使用した場合に生じる基底状態(4S1/2)のF2遷移から39K原子が励起されてエネルギを失活する際に基底状態(4S1/2)のF2遷移ではなく基底状態(4S1/2)のF1遷移に遷移して光ポンピングされなくなった原子を利用できるようになる。これにより、基底状態(4S1/2)のF2遷移に同じエネルギ状態で39K原子が集まる偏極効率が高まり、磁場計測に利用する光磁気共鳴信号強度が増加する。
133Cs)
以下に、本実施形態における光ポンピング磁力計1の他の実施形態を説明する。
図1〜図4に記載の本実施形態の光ポンピング磁力計1において、光源のレーザを2台ともD1レーザ130もしくはD2レーザ131に変更してもよい。ここでは、2台ともD1レーザ130を使用し、ガスセル118内に133Csが封入されている場合について述べる。第1レーザ発振器111および第2レーザ発振器117から発振される各レーザの波長をD1線(F4→F’3)とD1線(F3→F’4)に設定する。ガスセル118を通過したレーザ(D1線(F4→F’3)およびD1線(F3→F’4)の混合レーザ)を、回折格子121または偏光ビームスプリッタ127bが、D1線(F4→F’3)およびD1線(F3→F’4)の波長を有するレーザに分離する。そして分離したレーザのうち、D1線(F4→F’3)の波長を有するレーザを光検出器122で磁場計測に使用する信号として検出する。
また、第1レーザ発振器111および第2レーザ発振器117の2台ともD2レーザ131を発振してもよい。この場合において、ガスセル118内に133Csが封入されている場合についても述べる。各レーザの波長をD2線(F4→F’5)とD2線(F3→F’3)に設定する。ガスセル118を通過したレーザ(D2線(F4→F’5)およびD2線(F3→F’3)が混合したレーザ)を、回折格子121または偏光ビームスプリッタ127bが、D2線(F4→F’5)およびD2線(F3→F’3)の波長を有するレーザに分離する。そして分離したレーザのうち、D2線(F3→F’3)の波長を有するレーザを光検出器122で磁場計測に使用する信号として検出する。
85Rb)
また、光源のレーザを2台ともD1レーザ130もしくはD2レーザ131を発振するようにした上で、ガスセル118内に85Rbを封入してもよい。2台ともD1レーザ130を発振するようにした場合、各レーザの波長をD1線(F2→F’3)とD1線(F3→F’2)とに設定する。ガスセル118を通過したレーザ(D1線(F2→F’3)およびD1線(F3→F’2)が混合したレーザ)を、回折格子121または偏光ビームスプリッタ127bが、D1線(F2→F’3)およびD1線(F3→F’2)の波長を有するレーザに分離する。そして分離したレーザのうち、D1線(F3→F’2)の波長を有するレーザを光検出器122で磁場計測に使用する信号として検出する。
また、第1レーザ発振器111および第2レーザ発振器117の2台ともD2レーザ131を発振してもよい。この場合において、ガスセル118内に85Rbが封入されている場合についても述べる。各レーザの波長をD2線(F3→F’4)とD2線(F2→F’2)とに設定する。ガスセル118を通過したレーザ(D2線(F3→F’4)およびD2線(F2→F’2)が混合したレーザ)を、回折格子121または偏光ビームスプリッタ127bが、D2線(F3→F’4)およびD2線(F2→F’2)の波長を有するレーザに分離する。そして分離したレーザのうち、D2線(F2→F’2)の波長を有するレーザを光検出器122で磁場計測に使用する信号として検出する。
87Rb)
また、光源のレーザを2台ともD1レーザ130もしくはD2レーザ131を発振するようにした上で、ガスセル内に87Rbを封入してもよい。2台ともD1レーザ130を発振するようにした場合、各レーザの波長をD1線(F1→F’2)とD1線(F2→F’1)とに設定する。ガスセル118を通過したレーザ(D1線(F1→F’2)およびD1線(F2→F’1)が混合したレーザ)を、回折格子121または偏光ビームスプリッタ127bが、D1線(F1→F’2)およびD1線(F2→F’1)の波長を有するレーザに分離する。そして分離したレーザのうち、D1線(F2→F’1)の波長を有するレーザを光検出器122で磁場計測に使用する信号として検出する。
また、第1レーザ発振器111および第2レーザ発振器117の2台ともD2レーザ131を発振してもよい。この場合において、ガスセル118内に87Rbが封入されている場合についても述べる。各レーザの波長をD2線(F2→F’3)とD2線(F1→F’1)とに設定する。ガスセル118を通過したレーザ(D2線(F2→F’3)およびD2線(F1→F’1)が混合したレーザ)を、回折格子121または偏光ビームスプリッタ127bが、D2線(F2→F’3)およびD2線(F1→F’1)の波長を有するレーザに分離する。そして分離したレーザのうち、D2線(F1→F’1)の波長を有するレーザを光検出器122で磁場計測に使用する信号として検出する。
39K)
また、光源のレーザを2台ともD1レーザ130もしくはD2レーザ131を発振するようにした上で、ガスセル118内に39Kを封入してもよい。2台ともD1レーザ130を発振するようにした場合、各レーザの波長をD1線(F1→F’2)とD1線(F2→F’1)とに設定する。ガスセル118を通過したレーザ(D1線(F1→F’2)およびD1線(F2→F’1)が混合したレーザ)を、回折格子121または偏光ビームスプリッタ127bが、D1線(F1→F’2)およびD1線(F2→F’1)の波長を有するレーザに分離する。そして分離したレーザのうち、(F2→F’1)の波長を有するレーザを光検出器122で磁場計測に使用する信号として検出する。
また、第1レーザ発振器111および第2レーザ発振器117の2台ともD2レーザ131を発振してもよい。この場合において、ガスセル118内に39Kが封入されている場合についても述べる。各レーザの波長をD2線(F2→F’3)とD2線(F1→F’1)とに設定する。ガスセル118を通過したレーザ(D2線(F2→F’3)およびD2線(F1→F’1)が混合したレーザ)を、回折格子121または偏光ビームスプリッタ127bが、D2線(F2→F’3)およびD2線(F1→F’1)の波長を有するレーザに分離する。そして分離したレーザのうち、D2線(F1→F’1)の波長を有するレーザを光検出器122で磁場計測に使用する信号として検出する。
なお、第1レーザ発振器111および第2レーザ発振器117から発振されるレーザをD1レーザ130またはD2レーザ131に揃える場合は、一方のレーザの波長は、磁気量子数の大きいエネルギ状態から、磁気量子数の少ないエネルギ状態に遷移させる波長とし、他方のレーザの波長は、同じ種類のレーザ(D1レーザ130やD2レーザ131)のうち、基底準位の磁気量子数が異なるその他の波長のレーザとしてもよい。このとき、磁気量子数の少ないエネルギ状態に遷移させる波長を有するレーザを磁場計測に使用する信号として検出してもよい。
(効果)
本実施形態によると、光ポンピング磁力計1のガスセルの光源に波長安定化した半導体レーザを用いる。一般的に、光源として使用されているランプ光は、使用するガスセル内のアルカリ金属ガスにおけるD1線もしくはD2線のすべてのエネルギ遷移の波長が含んでいる。そのため、すべてのエネルギ遷移で光ポンピングが生じてしまい、ガスセル内のアルカリ金属ガスのスピンの向きが揃う偏極状態の効率が低下する。
そこで、本実施形態で使用する波長安定化させた半導体レーザを使用することで、ランプを使用したこれまでの手法に比べて、ガスセル118内のアルカリ金属ガスのD1線もしくはD2線における特定のエネルギ遷移の波長の光を選定できる。つまり、特定のエネルギ遷移のみで光ポンピングが生じるため、ガスセル118内のアルカリ金属ガスのスピンが効率良く偏極する。
さらに、本実施形態では周波数安定化させたD1レーザ130と周波数安定化させたD2レーザ131とを同時に使用することで、一般的な周波数安定化させたD1レーザ130もしくは周波数安定化させたD2レーザ131のどちらか一方のみを使用した場合に光ポンピングされなかった基底状態のアルカリ金属ガスを偏極させることができる。また、D1レーザ130同士や、D2レーザ131同士でも、エネルギ遷移の異なる波長を有する2つのレーザを用いることによっても、同様の効果を得ることができる。したがって、D1レーザ130で光ポンピングされたアルカリ金属ガスの偏極効率およびD2レーザ131で光ポンピングされたアルカリ金属ガスの偏極効率ともに、D1レーザ130もしくはD2レーザ131のどちらか一方のみを使用した場合に比べて向上する。また、ガスセル118を通過したD1レーザ130とD2レーザ131の混合光において、エネルギ遷移の間隔が広いD1レーザのみを磁場計測信号として回折格子121や偏光ビームスプリッタ127bで分離して光検出器122で検出することで光磁気共鳴信号のSN比を向上させて磁場検出感度を改善する。
また、本実施形態によれば、ガスセル118の温度を上げなくても、効率よくS/N比を上げることができる。
本実施形態に係る光ポンピング磁力計1は、光源にガスセル118内のアルカリ金属原子の吸収線を2種類使用し、光ポンピングによって超偏極される原子数を増加させることで最小磁場検出感度を向上させる手法であり、地磁気計測測、金属探知計測、非破壊検査、生体磁気計測、磁気微粒子などを利用した磁気免疫検査や、磁気微粒子を利用した細菌検査など様々な精密磁場計測に利用できる。
本実施形態に係る光ポンピング磁力計の構成例を示す図である。 本実施形態に係る光ポンピング磁力計の別の構成例を示す図である(その1)。 本実施形態に係る光ポンピング磁力計の別の構成例を示す図である(その2)。 本実施形態に係る光ポンピング磁力計の別の構成例を示す図である(その3)。 133Csのエネルギ遷移図である。 133Csのエネルギ遷移の詳細を示す図であり、(a)は、D1線のエネルギ遷移を示す図であり、(b)は、D2線のエネルギ遷移を示す図である。 本実施形態における状態遷移のふるまいを示す図である。 D1線およびD2線の組み合わせによる実験結果を示すグラフである。 85Rbのエネルギ遷移図である。 85Rbのエネルギ遷移の詳細を示す図であり、(a)は、D1線のエネルギ遷移を示す図であり、(b)は、D2線のエネルギ遷移を示す図である。 87Rbのエネルギ遷移図である。 87Rbのエネルギ遷移の詳細を示す図であり、(a)は、D1線のエネルギ遷移を示す図であり、(b)は、D2線のエネルギ遷移を示す図である。 39Kのエネルギ遷移図である。 39Kのエネルギ遷移の詳細を示す図であり、(a)は、D1線のエネルギ遷移を示す図であり、(b)は、D2線のエネルギ遷移を示す図である。
符号の説明
1,1a〜1d 光ポンピング磁力計
111 第1レーザ発振器
112a,112b 偏光子(偏光部)
113a,113b λ/4波長板
114a,114b NDフィルタ
115 ミラー
116 ハーフミラー(混合部)
117 第2レーザ発振器
118 ガスセル
119 静磁場印加用コイル
120 RFコイル
121 回折格子(抽出部)
122 光検出器(光検出部)
123 ロックインアンプ(ロックインアンプ部)
124 電圧制御発振回路(電圧制御発振部)
125 アンプゲイン調整回路
126 位相シフト回路(位相シフト部)
127a,127b 偏光ビームスプリッタ(混合部、抽出部)
128 測定対象
130 D1レーザ
131 D2レーザ
132 D1+D2レーザ
201 偏光子で直線偏光に変換されたD1レーザの偏光面を示す矢印
202 偏光子で直線偏光に変換されたD2レーザの偏光面を示す矢印
203 互いに直交した直線偏光の混合したレーザの偏光面を示す矢印
204 右回り円偏光と左回り円偏光の混合したD1レーザとD2レーザの偏光面を示す矢印
301 133CsのD1線を示す矢印
302 133CsのD2線を示す矢印
311 133CsのD1線におけるエネルギ遷移(F3→F’3)を示す矢印
312 133CsのD1線におけるエネルギ遷移(F3→F’4)を示す矢印
313 133CsのD1線におけるエネルギ遷移(F4→F’3)を示す矢印
314 133CsのD1線におけるエネルギ遷移(F4→F’4)を示す矢印
321 133CsのD2線におけるエネルギ遷移(F3→F’2)を示す矢印
322 133CsのD2線におけるエネルギ遷移(F3→F’3)を示す矢印
323 133CsのD2線におけるエネルギ遷移(F3→F’4)を示す矢印
324 133CsのD2線におけるエネルギ遷移(F4→F’3)を示す矢印
325 133CsのD2線におけるエネルギ遷移(F4→F’4)を示す矢印
326 133CsのD2線におけるエネルギ遷移(F4→F’5)を示す矢印
331 エネルギ遷移(F4→F’3)における超微細エネルギ遷移(m(−4)→mF’(−3))を示す矢印
332 超微細エネルギ遷移(m(−4)→mF’(−3))の基底状態(F4)への失活を示す矢印
333 超微細エネルギ遷移(m(−4)→mF’(−3))の基底状態(F3)への失活を示す矢印
334 エネルギ遷移(F3→F’3)における超微細エネルギ遷移(m(−3)→m’(−2))を示す矢印
335 超微細エネルギ遷移(m(−3)→mF’(−2))の基底状態(F4)への失活を示す矢印
336 超微細エネルギ遷移(m(−3)→mF’(−2))の基底状態(F3)への失活を示す矢印
337 暗領域
351 D1レーザ(66μW)のみを使用した場合の光磁気共鳴信号強度
352 D1レーザ(66μW)とD2レーザ(5μW)を組み合わせて使用した場合の光磁気共鳴信号強度
353 D1レーザ(66μW)とD2レーザ(20μW)を組み合わせて使用した場合の光磁気共鳴信号強度
354 D1レーザ(66μW)とD2レーザ(70μW)を組み合わせて使用した場合の光磁気共鳴信号強度
401 85RbのD1線を示す矢印
402 85RbのD2線を示す矢印
411 85RbのD1線におけるエネルギ遷移(F2→F’2)を示す矢印
412 85RbのD1線におけるエネルギ遷移(F2→F’3)を示す矢印
413 85RbのD1線におけるエネルギ遷移(F3→F’2)を示す矢印
414 85RbのD1線におけるエネルギ遷移(F3→F’3)を示す矢印
421 85RbのD2線におけるエネルギ遷移(F2→F’1)を示す矢印
422 85RbのD2線におけるエネルギ遷移(F2→F’2)を示す矢印
423 85RbのD2線におけるエネルギ遷移(F2→F’3)を示す矢印
424 85RbのD2線におけるエネルギ遷移(F3→F’2)を示す矢印
425 85RbのD2線におけるエネルギ遷移(F3→F’3)を示す矢印
426 85RbのD2線におけるエネルギ遷移(F3→F’4)を示す矢印
501 87RbのD1線を示す矢印
502 87RbのD2線を示す矢印
511 87RbのD1線におけるエネルギ遷移(F1→F’1)を示す矢印
512 87RbのD1線におけるエネルギ遷移(F1→F’2)を示す矢印
513 87RbのD1線におけるエネルギ遷移(F2→F’1)を示す矢印
514 87RbのD1線におけるエネルギ遷移(F2→F’2)を示す矢印
521 87RbのD2線におけるエネルギ遷移(F1→F’0)を示す矢印
522 87RbのD2線におけるエネルギ遷移(F1→F’1)を示す矢印
523 87RbのD2線におけるエネルギ遷移(F1→F’2)を示す矢印
524 87RbのD2線におけるエネルギ遷移(F2→F’1)を示す矢印
525 87RbのD2線におけるエネルギ遷移(F2→F’2)を示す矢印
526 87RbのD2線におけるエネルギ遷移(F2→F’3)を示す矢印
601 39KのD1線を示す矢印
602 39KのD2線を示す矢印
611 39KのD1線におけるエネルギ遷移(F1→F’1)を示す矢印
612 39KのD1線におけるエネルギ遷移(F1→F’2)を示す矢印
613 39KのD1線におけるエネルギ遷移(F2→F’1)を示す矢印
614 39KのD1線におけるエネルギ遷移(F2→F’2)を示す矢印
621 39KのD2線におけるエネルギ遷移(F1→F’0)を示す矢印
622 39KのD2線におけるエネルギ遷移(F1→F’1)を示す矢印
623 39KのD2線におけるエネルギ遷移(F1→F’2)を示す矢印
624 39KのD2線におけるエネルギ遷移(F2→F’1)を示す矢印
625 39KのD2線におけるエネルギ遷移(F2→F’2)を示す矢印
626 39KのD2線におけるエネルギ遷移(F2→F’3)を示す矢印

Claims (19)

  1. アルカリ金属が封入された耐熱ガラス製または石英ガラス製のガスセルにレーザを照射するレーザ発振器と、ガスセルに静磁場を印加する静磁場印加用コイルと、前記ガスセルを通過したレーザから、測定対象の磁場を算出し、計測値として出力すると同時に前記ガスセルに印加する振動磁場を生成する振動磁場生成部と、前記ガスセルに前記振動磁場を印加する振動磁場印加コイルとを有する光ポンピング磁力計であって、
    前記レーザ発振器は、
    前記アルカリ金属の吸光波長のうち、第1の波長を有する第1レーザを発振する第1レーザ発振器と、
    前記アルカリ金属の吸光波長のうち、第2の波長を有する第2レーザを発振する第2レーザ発振器と、を備え、
    前記光ポンピング磁力計は、さらに、
    前記第1レーザおよび前記第2レーザを混合し、前記混合したレーザを前記ガスセルに照射する混合部と、
    前記ガスセルを通過したレーザから、前記第1レーザおよび前記第2レーザのいずれかを抽出し、前記抽出した第1レーザを前記振動磁場生成部へ入力する抽出部と、を有することを特徴とする光ポンピング磁力計。
  2. 前記混合部は、ハーフミラーであり、前記抽出部は、回折格子であることを特徴とする請求項1に記載の光ポンピング磁力計。
  3. 前記第1レーザ発振器および前記第2レーザ発振器と、前記混合部との間には、前記第1レーザおよび前記第2レーザを直線偏光する偏光部をそれぞれ有し、各偏光部によって、前記第1レーザと、前記第2レーザとの偏光面が互いに直交となるよう前記偏光部が配置され、
    前記混合部および前記抽出部は、互いに偏光面が直交となるよう直線偏光している第1レーザと、第2レーザとを混合し、さらに前記混合しているレーザから、前記偏光面を基に、第1レーザおよび前記第2レーザとを分離する偏光ビームスプリッタであることを特徴とする請求項1に記載の光ポンピング磁力計。
  4. 前記振動磁場生成部は、
    前記抽出部で抽出されたレーザを検出し、当該レーザのレーザ強度を出力する光検出部と、
    前記レーザ強度が入力され、当該入力されたレーザ強度に対応する電圧値を出力するロックインアンプ部と、
    前記電圧値が入力され、当該入力された電圧値に対応する周波数を算出し、当該算出された周波数を振動磁場印加コイルへ出力する電圧制御発振部と、を有してなることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の光ポンピング磁力計。
  5. 前記振動磁場生成部は、
    前記抽出部で抽出されたレーザを検出し、当該レーザのレーザ強度を出力する光検出部と、
    前記レーザ強度が入力され、当該入力されたレーザ強度の位相をシフトした後、前記シフトしたレーザ強度を、前記振動磁場印加コイルへ出力する位相シフト部と、を有してなることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の光ポンピング磁力計。
  6. 前記アルカリ金属とは、133Csであり、
    前記第1レーザは、133CsのD1線の波長を有し、前記第2レーザは、133CsのD2線の波長を有することを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の光ポンピング磁力計。
  7. 前記アルカリ金属とは、133Csであり、
    前記第1レーザは、133CsのD1線のうち、F3からF’4、F3からF’3、F4からF’4およびF4からF’3の遷移を生ずる波長のうち、いずれかの波長を有し、前記第2レーザは、当該4つの波長のうち、前記第1レーザとは基底準位の磁気量子数が異なる波長を有することを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の光ポンピング磁力計。
  8. 前記第1レーザとは、F4からF’3への遷移を生じるD1線の波長を有し、前記第2レーザとは、F3からF’4およびF3からF’3のうち、いずれかの遷移を生じるD1線の波長を有することを特徴とする請求項7に記載の光ポンピング磁力計。
  9. 前記アルカリ金属とは、133Csであり、
    前記第1レーザは、133CsのD2線のうち、F3からF’4、F3からF’3、F3からF’2、F4からF’5、F4からF4’およびF4からF’3の遷移を生じる波長のうち、いずれかの波長を有し、前記第2レーザは、当該6つの波長のうち、前記第1レーザとは基底準位の磁気量子数が異なる波長を有することを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の光ポンピング磁力計。
  10. 前記アルカリ金属とは、85Rbであり、
    前記第1レーザは、85RbのD1線の波長を有し、前記第2レーザは、85RbのD2線の波長を有することを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の光ポンピング磁力計。
  11. 前記アルカリ金属とは、85Rbであり、
    前記第1レーザは、85RbのD1線のうち、F2からF’2、F2からF’3、F3からF’2およびF3からF’3の遷移を生ずる波長のうち、いずれかの波長を有し、前記第2レーザは、当該4つの波長のうち、前記第1レーザとは基底準位の磁気量子数が異なる波長を有することを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の光ポンピング磁力計。
  12. 前記アルカリ金属とは、85Rbであり、
    前記第1レーザは、85RbのD2線のうち、F2からF’1、F2からF’2、F2からF’3、F3からF’2、F3からF3’およびF3からF’4の遷移を生じる波長のうち、いずれかの波長を有し、前記第2レーザは、当該6つの波長のうち、前記第1レーザとは基底準位の磁気量子数が異なる波長を有することを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の光ポンピング磁力計。
  13. 前記アルカリ金属とは、87Rbであり、
    前記第1レーザは、87RbのD1線の波長を有し、前記第2レーザは、87RbのD2線の波長を有することを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の光ポンピング磁力計。
  14. 前記アルカリ金属とは、87Rbであり、
    前記第1レーザは、87RbのD1線のうち、F1からF’1、F1からF’2、F2からF’1およびF2からF’2の遷移を生ずる波長のうち、いずれかの波長を有し、前記第2レーザは、当該4つの波長のうち、前記第1レーザとは基底準位の磁気量子数が異なる波長を有することを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の光ポンピング磁力計。
  15. 前記アルカリ金属とは、87Rbであり、
    前記第1レーザは、87RbのD2線のうち、F1からF’0、F1からF’1、F1からF’2、F2からF’1、F2からF’2およびF2からF’3の遷移を生じる波長のうち、いずれかの波長を有し、前記第2レーザは、当該6つの波長のうち、前記第1レーザとは基底準位の磁気量子数が異なる波長を有することを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の光ポンピング磁力計。
  16. 前記アルカリ金属とは、39Kであり、
    前記第1レーザは、39KのD1線の波長を有し、前記第2レーザは、39KのD2線の波長を有することを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の光ポンピング磁力計。
  17. 前記アルカリ金属とは、39Kであり、
    前記第1レーザは、39KのD1線のうち、F1からF’1、F1からF’2、F2からF’1およびF2からF’2の遷移を生ずる波長のうち、いずれかの波長を有し、前記第2レーザは、当該4つの波長のうち、前記第1レーザとは基底準位の磁気量子数が異なる波長を有することを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の光ポンピング磁力計。
  18. 前記アルカリ金属とは、39Kであり、
    前記第1レーザは、39KのD2線のうち、F1からF’0、F1からF’1、F1からF’2、F2からF’1、F2からF’2およびF2からF’3の遷移を生じる波長のうち、いずれかの波長を有し、前記第2レーザは、当該6つの波長のうち、前記第1レーザとは基底準位の磁気量子数が異なる波長を有することを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の光ポンピング磁力計。
  19. 前記第1レーザは、磁気量子数が多いエネルギ準位から、磁気量子数の少ないエネルギ準位へアルカリ金属原子を遷移させる波長、もしくは基底準位と励起準位の磁気量子数が同じである遷移の波長を有することを特徴とする請求項1から請求項18のいずれか一項に記載の光ポンピング磁力計。
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