JP2009128067A - 流体の漏洩検知方法 - Google Patents
流体の漏洩検知方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2009128067A JP2009128067A JP2007300766A JP2007300766A JP2009128067A JP 2009128067 A JP2009128067 A JP 2009128067A JP 2007300766 A JP2007300766 A JP 2007300766A JP 2007300766 A JP2007300766 A JP 2007300766A JP 2009128067 A JP2009128067 A JP 2009128067A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- flow rate
- pressure change
- pressure
- change
- flow
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Images
Landscapes
- Measuring Volume Flow (AREA)
- Examining Or Testing Airtightness (AREA)
Abstract
【解決手段】管路を流れる流体の定常流れに圧力変化を付与し、流量変化の過渡応答を調べることにより、管路下流に設置された単数もしくは複数の流体使用機器に圧力変化を減殺する制御が組込まれているか否かを判別して漏洩の可能性を調べるに、第1の圧力変化の付与では、管路下流に圧力変化を減殺する制御が組込まれていない箇所があるか否かの判断が明確でない場合に、第2の圧力変化を圧力変化量を違えて実行し、圧力変化後の各流量が、第1の圧力変化に対する第2の圧力変化の増減に対応して増減する場合に、管路下流に圧力変化を減殺する制御が組込まれていない箇所があると判断し、流体の漏洩の可能性を出力する。
【選択図】図9
Description
上記のような手法では、ガスメーターの通常使用流量範囲で、流量変化のない正常使用が続くと、それは漏洩であると判断されてしまうため、ガスが遮断されてしまう不便があった。そのような使用の代表例にはガスストーブがあり、長時間の使用ができない不便が生じていた。
本願に係る流体の漏洩検知の対象としては、下流側で流体使用機器が運転されている状態で、さらに、漏洩を含む流量の無制御状態が重なって起こっている場合がある。即ち、圧力変化を減殺する制御がかかった制御流量と、このような制御がかからない無制御流量とが混在する状況も発生する。ここで、無制御流量には漏洩が含まれ、従来のコンロ等、制御手段を備えない流体使用機器の使用状態を含む。即ち、制御流量と無制御流量とを精度良く検知することが必要なのであるが、特許文献1の図5に示された結果を見ると、ガバナ使用機器のみの場合(実際値が1)に対して計算値が+18%もの誤差を生じている。この結果は、ガバナ等の機械的な制御装置、P(比例)動作だけでI(積分)動作のない自動制御装置では、オフセットが残って正確な判定ができないからと考えられる。このような誤差を包含する判定手法は、正常使用に漏洩が重畳している場合、漏洩流量が正常使用の約20%以下であれば検出できないことを意味しており、実用的な方法とはいえない。
本発明の目的は、制御流量を発生させる正常使用に、無制御流量を発生させる漏洩が重畳している場合にあっても、その無制御状態を良好に検知し、流体の漏洩の可能性を的確に検知できる流体の漏洩検知方法を得ることにある。
第1の圧力変化の付与では、管路下流に圧力変化を減殺する制御が組込まれていない箇所があるか否かの判断が明確でない場合に、前記定常流れの圧力からの圧力変化量について、前記第1の圧力変化の圧力変化量とは異なる圧力変化量で第2の圧力変化を付与し、
前記両圧力変化後の各流量が各圧力変化の増減に対応して増減する場合に、管路下流に圧力変化を減殺する制御が組込まれていない箇所があると判断し、流体の漏洩の可能性を出力することとする。
自動制御機構の高度なものの代表例は、PID(比例、積分、微分)制御であり、圧力変化等の外乱にかかわらず、流量を設定値に維持する働きをする。なおこの場合、PID制御を容易かつ確実に行うため、PID制御弁の上流に整圧弁(上流の圧力が変化しても、弁下流の圧力を設置値に維持するように制御する弁:ガバナ)を設けることが多い。
従って、最小限、整圧弁が使用されている機器にあっては、流体の供給圧力(整圧弁上流の流体圧力:一次圧)が変化しても、整圧弁下流の圧力(二次圧)は、整圧弁の制御動作範囲においては、変化前の圧力に戻そうとする制御がかかることになり、その結果、流量は元の値に復元する。もちろん、機械的な構成であるためオフセット(偏差)が残る場合もある。
第1の圧力変化後の流量及び第2の圧力変化後の流量について、前記定常流れの流量からの変化量の比率が、圧力変化後の各圧力の平方根の比率に等しくなる場合に、管路下流に圧力変化を減殺する制御が組込まれていない箇所があると判断することができる。この方法が本願第2の特徴構成である。
Q1/Q0=√(P1/P0) ・・・式1
ここで、Q及びPはそれぞれ流量と圧力、添字0及び添字1はそれぞれ1回目の変化を与える前の状態、及び後の状態を表す。ΔP1=P1−P0が与えた圧力の変化量である。さらに、2回目の圧力変化ΔP2=P2−P0を与えると、
Q2/Q0=√(P2/P0) ・・・式2
即ち、
Q2/Q1=√(P2/P1) ・・・式3
となる。
一方、制御がかかっている場合には、圧力変化量に相当する変化を機器の制御機構が、吸収(圧力が増加すれば増加量相当分の圧損を加え、減少すれば圧損を減じて、流量を設定値に維持する働き)するため、漏洩検知機構における圧力P1とP2の値はそのままで、流量は元の値Q0に回復する。
Q0=Q0′+Q0″ ………式5
Q1=Q1′+Q1″ ………式6
Q0′=Q1′ ………式7
Q1=Q1′+Q1″ ………式9
Q2=Q2′+Q2″ ………式10
Q1′=Q2′ ………式11
(Q2−Q1′)/(Q1−Q1′)=√(P2/P1)
(Q2−Q0′)/(Q1−Q0′)=√(P2/P1)
(Q2−Q0+Q0″)/(Q1−Q0+Q0″)=√(P2/P1)……(式12)
従って、二つの圧力状態における流量の変化量の比率(qn2/qn1:図9参照)が、与えた圧力の比率の平方根となっているかどうかを調べることで、無制御状態の流量が制御状態の流量に重畳しているかどうかを、判別することができる。
なお、圧力センサーを用いずに本方法を適用する場合には、圧力は予め設定した値を使用するしかないが、圧力センサーが利用できる場合には、P2、P1の値として実測値を使うことができるため、より確実に無制御状態(漏洩)を判別できる。
最近の湯沸器やファンヒーターは、PID制御もしくはそれに近い制御が成されていて問題はない。問題となりそうな機器は、小型湯沸器、風呂釜、ストーブ、グリルもしくは炊飯器等である。これらの機器は手動操作であるため無制御であるように見られるが、実際には、手動制御機器であっても、制御性を良くするためもしくは安定燃焼を確保するため、整圧弁(ガバナ)が使用されている。よって、機器の使用判別は可能である。
上述のように、流体の流量は、無制御の場合、圧力との間に以下に示す関係が成り立つ。
Q/Q0=√(P/P0) ………式13
ここで、Q及びPはそれぞれ流量と圧力、添字0及び添字無しはそれぞれ変化を与える前の状態、及び後の状態を表す。
従って、流量計にて安定的かつ確実に測定できる流量変化率が、例えば10%であるなら、与える圧力の変化率はその自乗である121%にしなければならない。このように、加える圧力変化は流量計の精度に基づき、かつ、器具ガバナ等の器具の圧力制御機構の制御範囲やオフセット等の制御特性を考慮して、決定する必要があり、本発明は、設定すべき圧力変化率の指針を与えるものである。また、これにより昇圧機器もしくは降圧機器の選定と設定を行うことが可能になる。
前記定常流れの流量に応じて、付与する圧力の値を正もしくは負に選択することにある。
このように、本願に係る技術を、ガスメーターに応用する場合には、圧力変化を負とするより正とするほうが安全となる場合があり得る。例えば、先に示したようにコンロを絞りきって使用している場合等では、そこで降圧を行うとコンロの立消えの発生する可能性が生じるからである。従って、降圧機器によって漏洩検知を行う際に、予め最低流量を設定しておき、その流量より小さい流量範囲では、本方法に基づく流量検知は行わないようなロジックの追加が適当である。これにより、通常は、昇圧機器より安価な降圧機器を利用できることになり、低コストで漏洩検知機構付き流量計を提供できる。
流体の流量測定が原理として瞬時流量を計測する流量計を用いて行うものであり、瞬時流量を積算して積算流量を出力する手段を付帯機能として併せ持つことにある。
本発明を適用する場合、流量計は超音波流量計等の瞬時流量型の方が好都合だからである。瞬時流量計の場合、数秒で判定を完結することができ、判定適用中に新たな機器の使用開始による流量変動を受ける可能性を低く抑えることができるからである。
一方で、積算流量計を取引メーターとして使用する場合、流量積算を行う必要があり、実用化には必須要件となる。
即ち、管路を流れる流体の定常流れに、時間を隔てて圧力変化を付与する圧力変化付与手段と、
前記圧力変化付与手段が働いて前記付与により前記定常流れに生じる流量変化の過渡応答を検出する過渡応答検出手段と、
前記過渡応答検出手段の検出結果より、管路下流に設置された単数もしくは複数の流体使用機器に圧力変化を減殺する制御手段が組込まれているか否かを判別する使用機器判別手段とを備え、
前記使用機器判別手段により、管路下流に、圧力変化を減殺する制御手段が組込まれていない箇所があると判断した場合に、流体の漏洩の可能性があると出力する漏洩情報出力手段を備え、
前記使用機器判別手段が、第1の圧力変化の付与では、管路下流に圧力変化を減殺する制御が組込まれていない箇所があるか否かの判断が明確に行えない場合に、前記圧力変化付与手段が、前記定常流れの圧力からの圧力変化量について、前記第1の圧力変化の圧力変化量とは異なる圧力変化量で第2の圧力変化で付与し、
前記使用機器判別手段が、前記両圧力変化後の各流量が各圧力変化の増減に対応して増減する場合に、管路下流に圧力変化を減殺する制御が組込まれていない箇所があると判断し、流体の漏洩の可能性を出力するものとして装置が構成できる。
この際、第1の圧力変化の付与では、管路下流に圧力変化を減殺する制御が組込まれていない箇所(無制御となっている箇所)があるか否かの判断が明確でない場合に、第2の圧力変化を前記第1の圧力変化の圧力変化量と違えて付与し、両圧力変化後の各流量が各圧力変化の増減に対応して増減する場合に、管路下流に圧力変化を減殺する制御が組込まれていない箇所があると判断し、流体の漏洩の可能性を出力することとなる。
1 圧力変化の付与に伴って定常流れに生じる流量変化に関して、
圧力変化後の流量の圧力変化前の流量に対する比率が、圧力変化後の圧力と圧力変化前の圧力に対する比率の平方根に等しくなる場合に、管路下流に設置された単数もしくは複数の流体使用機器に圧力変化を減殺する制御手段が組込まれていない箇所があると判断する。
この判別手法は、下流側が完全に無制御(漏洩を含む)となっている状況において発生する流量変化を基礎として判別する手法であり、この状況を的確に判別できる。この場合は、無制御状態が明確に判断できるため、第2の圧力変化をさらに付与する必要はない。
流量変化が付与された圧力変化を減殺する流量変化を含み、且つ、流量変化量が、予め設定されているオフセット量の所定範囲より大きい場合に、管路下流に設置された単数もしくは複数の流体使用機器に圧力変化を減殺する制御手段が組込まれていない箇所があると判断する。
この判別手法は、下流側に制御手段が存在するが、その制御によって発生するオフセットが予め判明している状況において適用可能な手法であり、ある程度の流量の漏洩が発生している場合に、この漏洩を的確に判別できる。この場合も、無制御状態が明確に判断できるため、第2の圧力変化をさらに付与する必要はない。
流量変化が付与された圧力変化を減殺する流量変化を含み、且つ、前記流量変化量が、予め前記圧力変化の量に対して設定されているオフセット量の所定範囲内にある場合に、管路下流に設置された単数もしくは複数の流体使用機器10に圧力変化を減殺する制御手段が組込まれていない箇所があるとの判断が明確に行えないとする。
この判別手法は、下流側に制御手段が存在するが、その制御によって発生するオフセットが予め判明している状況において適用可能な手法である。この場合は、無制御状態が明確に判断できないため、第2の圧力変化を付与する必要がある。
この判別手法は、下流側が完全に制御された状態となっている状況において発生する流量変化を基礎として判別する判別手法であり、この状況を的確に判別できる。この場合は、無制御状態が明確に判断できるため、第2の圧力変化を付与する必要はない。
この場合は、第1の圧力変化の付与と、それと同量の圧力変化の除去とを対として実行し安定流量領域を検出すると、圧力変化の付与後(除去前)の流量と、付与前及び除去後の流量とに基づいて(例えば、両流量の平均値を使用する)、流量変化が実質的にほぼ完全に減殺されていることを確認でき、管路の状況を的確に代表した判別を行える。
例えば、圧力変化の付与後(除去前)の流量と、付与前及び除去後の流量の平均値がほぼ同一となっていることで確認できる。
前記圧力変化付与手段が、流体の定常流れの流量に応じて圧力変化を付与する圧力変化の比率を、変化を与える前の圧力に比して一定の比率で、且つ圧力変化によって生じる変化後の流量が所定の精度で測定可能な流量内に収まる比率とすることが好ましい。
この構成の圧力変化付与手段を備えることで、先に説明した第3の特徴構成の漏洩検知方法を使用することができる漏洩検知装置を実現できる。
複数の圧力の変化機器を備え、定常流れの流量に応じて、圧力の変化機器を使い分けることが好ましい。
このように、複数の圧力の変化機器を備え、それらを定常流れの流量に応じて使い分けることで、先に説明した第4の特徴構成の漏洩検知方法を使用することができる漏洩検知装置を実現できる。
このような圧力変化付与手段を備えることで、先に説明した第5の特徴構成の漏洩検知方法を使用することができる漏洩検知装置を実現できる。
このように漏洩検知装置を構成することで、先に説明した第6の特徴構成の漏洩検知方法を使用することができる。
図1は、正常に燃焼している燃焼機器の燃料流量計測に本発明を利用した場合の系全体のフロー図である。
漏洩検知機構付き流量計1は、図3に詳細構成を示すように、瞬時流量を計測できる流量計2、燃料の流れに圧力変動を付与する調節弁3、漏洩時に燃料を遮断する遮断弁4、圧力を計測する圧力計5、少なくとも流量の積算を行う記憶・演算・制御部1a、流量の出力を行う通信部1b、及び流量の表示を行う表示部1cから構成される。ここで、記憶・演算・制御部1aでは、瞬時流量の積算の他に、本発明による漏洩検知方法を用いた比較演算を行う。その結果は通信部1b及び表示部1cを経由して出力される。また、通信部1bは、外部からの燃料遮断信号や漏洩検知トリガー信号を受信したり、漏洩の可能性を外部機器に出力する場合にも使用される。
しかしながら、流体使用機器10には多種多様なものがあるため、単に流量を計測しているだけではその判別を行うことはできない。
一方、流量変動の比較的大きいものは、大型湯沸器やファンヒーター等の自動制御の内蔵された機器である。これらの機器では、水温や気温を設定温度に維持するために、ガス量の調節を常時行っているからである。
1.一次側のガス圧力が変動しても、燃焼量は一定に保たれる。
2.手動調節弁14を操作しても調節弁入り側の圧力が一定に保たれるため、制御の線形性が維持され、流量絞りが容易になる。(ガバナの無い状態では、流量を減少させれば調節弁上流の配管圧損が減少して調節弁入り圧力は上昇し、さらに、開度を絞らなければ流量を減少できない。)
3.小火に絞った状態の火炎、あるいは小さな種火が、圧力変動があっても消えなくなる(立ち消えの防止)。
4.逆流防止器を兼ねることができる。
コンロでは、最小絞り流量の安定性確保(立ち消え防止)、小型湯沸器では、パイロットバーナの流量安定(不完全燃焼防止機能の構成の一部をパイロットバーナで兼ねている。)、ストーブ特に赤外線バーナを用いたものでは、予混合燃焼に伴う狭い安定燃焼範囲に流量を維持して安定燃焼を確保するためと逆流防止のためである。
なお、これらの他、暖房機や貯湯式湯沸器には、ON−OFF制御もしくはHigh―Low―Off制御が行われるものもあるが、いずれも器具ガバナが設置されており、また、必然的に大きな流量変動を伴うものであるため、機器使用の判別は容易である。
前記記憶部1aaには、先に説明した計測情報が記憶されるとともに、制限時間監視において必要となる各発生流量とその発生流量に応じた制限時間が図13に示すようなデータとして記憶されている。このデータは、横軸にガス漏洩量(m3/h)を、縦軸に制限時間(分)を取ったものであり、漏洩が所定量で継続する場合に、爆発下限界に達するまでの最大限許容できる時間(換言すると、この時間が経過するまでに遮断が必要となる時間)に相当している。このデータは、例えば、所定容積の部屋において、先の漏洩流量に対応する所定速度でガス漏れが発生した状況で、その部屋の空気が2時間に一回入替わる程度の換気が行われた場合(換気回数;0.5回/h)に、その部屋のガス濃度が爆発下限界濃度以下に抑えられる限界時間として求められている。ただし、漏洩に係る流量は1日以内くらいの時間範囲内では変動しないことを前提として、漏洩流量に変動が検出された場合には、流量はコンロ等の無制御機器の使用によるもので、その操作が行われたとして、制限時間をリセットすると共に、万一流量が漏洩であった場合に配慮して、改めてその時点からその流量による制限時間までの時間計測を開始するとの前提で使用されるデータである。つまり、流量変動が有れば機器使用、無ければ漏洩と基本的には判断しているわけであるが、流量に時間変動のない機器も存在するので、一度漏洩と判断しても、遮断するまでの猶予時間として制限時間をおいていることとなる。
さらに、この記憶部1aaには、以下に詳述する漏洩検知において必要となるデータ(各定常流の流量に対する付与すべき圧力変化(単回の変化を付与する場合のみならず複数回の変化を与える場合の圧力変化量を含み、当該流量に従って、流量が所定流量より小さい場合は、必ず正側の圧力変化とされる)、各流量に対するオフセットと判別する流量等)も記憶されている。
Q0″=(Q1−Q0)/(√(P1/P0)−1)・・・式14
従って、本願に係る制限時間監視では、真の漏洩流量のみを対象として、制限時間管理を行っている。そして、制限時間を超えた場合に、先に説明した遮断弁4に対する遮断情報を生成する。このようにして生成された遮断情報は入出力部1aeに送られ、後述するように漏洩監視部1adからの漏洩可能性情報との総合判断を経て、遮断指令として遮断弁4に送られる。
図からも判明するように、この漏洩監視部1adは、圧力変化付与手段m1、過渡応答検出手段m2、使用機器判別手段m3及び漏洩可能性情報出力手段m4を備えた構成されている。
この圧力変化付与手段m1による圧力変化の形態は、管路を流れる定常流れの流量に応じて圧力変化を付与する程度を変化させ、付与する圧力変化の比率を、変化を与える前の圧力に比して一定の比率となるように構成されている。さらに詳細には、各流量に応じて圧力変化によって生じる変化後の流量が制御手段の制御範囲内で、所定の精度で測定可能な流量内に収まる比率とされている。
1 圧力変化の付与に伴って定常流れに生じる流量変化に関して、圧力変化後の流量の圧力変化前の流量に対する比率が、圧力変化後の圧力と圧力変化前の圧力に対する比率の平方根に等しくなる場合(図7参照)に、管路下流に設置された単数もしくは複数の流体使用機器に圧力変化を減殺する制御手段が組込まれていない箇所があると判断する。
この場合、無制御状態が明確に判断できるため、第2の圧力変化を付与する必要はない。
そして、このように第1と第2の圧力変化との複数の圧力変化を実行した場合に、圧力変化後の各流量が、複数の圧力変化に対応して増減する場合に、管路下流に圧力変化を減殺する制御が組込まれていない箇所があると判断する。
具体的には、圧力変化付与手段m1が、圧力変化の付与を、変化量を違えて複数回(少なくとも第1回及び第2回)行い、複数回実行される圧力変化後の流量について、前記定常流れの流量からの変化量の比率が、圧力変化後の各圧力の平方根の比率に等しくなる場合に、管路下流に圧力変化を減殺する制御が組込まれていない箇所があると判断する。
以下、本願に係る流体の漏洩検知方法について図面を参照しながら、説明する。
流量計2を通過する流体の流量が数秒〜数分の時間の間で変化しない場合、その流れが機器の定常使用状態に起因するものなのか漏洩に起因するものかの判別は、流量を見ているだけでは不可能である。そこで、本願に係る流体の漏洩検知方法では、先に説明した記憶・演算・制御部1aからの指令に従って、調節弁3の開度を調節することで、流体の圧力損失(圧損)を軽減して下流の圧力を上昇させ、その後増加して圧力を降下させる。このようにすると、制御された機器とそうでない機器との間で、過渡応答及びその後の定常流量に相違が見られるようになる。
従って、制御されている機器の正常な使用に漏洩あるいは無制御機器の使用が重畳している場合にも、両者を判別することが可能である。
従って、本発明の漏洩検知方法と併用すべきロジックは以下の通りである。
1.メーター定格流量以上の大流量が生じた場合は、配管の折損、接続外れ等の大流量漏洩が考えられるため、即時に漏洩とみなす。
2.メーター定格流量内で流量変動のあったときは、機器の使用とみなす。
3.変動の無い流量が継続した場合には、漏洩の可能性があるため、爆発限界濃度に至るまでの時間で、予め流量に関連して設定された制限時間が経過した段階で、漏洩とみなす。
コンロ等の無制御器が、煮物料理等で長時間一定流量にて使用された場合には、第3のロジックを援用して漏洩とみなすことになる。これにより、従来のマイコンメーターより不安全になることはない。
一方、制御された機器であるストーブ等の長時間使用においては、従来のマイコンメーターでは第3のロジックにて、使用中にもかかわらず漏洩とされる誤動作を無くすことが可能になる。更に、マイコンメーターにおいては、漏洩があっても使用か漏洩かを判別できず、結局第3のロジックにて時間制限されるまで、漏洩が継続することになるが、本漏洩検知方法では、(新築物件等で無制御機器の設置の無い状況が予めわかっている場合には)制御機器の判別は、短時間(数秒〜数十秒)で行うことができるため、漏洩が継続することが無くなり、安全性が向上する。
なお、本発明においてこれまで説明してきた各式は、厳密にはガス供給路におけるガス機器直前箇所でのガス流量とガス圧力とについて成立する式である。したがって、ガス機器との距離が大きくてガス機器までのガス供給路における圧力損失が大きい箇所でのガス流量とガス圧力とについては、前述の各式による演算において誤差が生じるが、一般のガス供給設備では実用上、ガスメータとガス機器との距離が短いため、その誤差は特に問題とならない程度のものであり、これまで説明してきた手法を採用できる。
(1) 上記の実施の形態にあっては、漏洩検知機能付き流量計として、単一の調整弁3を備えて、この調整弁3の開度調整により圧力変化を付与する例を示したが、図14に示すように、流量計より下流側に複数の流体使用機器(コンロ、小型湯沸器、湯沸器)が設備されており、それら流体使用機器の流体消費量が比較的広い流量範囲に渡る場合は、これら流体使用機器の運転時において管路を流れる流体流量が比較的大きな範囲で分布する場合がある。
このような分布がある場合、本願の漏洩検知方法を実行するのに、圧力変化を単一の機器で付与することは、適正でない。即ち、単一の機器では、的確に圧力変化を付与出来ない場合がある。そこで、このような場合には、図14に示すように、異なった流量範囲に対応する複数の調節弁3a,3b,3cを備え、定常流れの流量に応じて、付与及び除去する複数の圧力の変化機器を使い分けることが好ましい。この図において、2は超音波流量計を示している。
(2) 上記の実施の形態にあっては、図4〜図9に示すように、圧力変化として、主に圧力が増加することとなる正側の圧力変化を付与し、その後、圧力が減少する方向にその圧力変化を除去する例を示したが、圧力変化としては、先ず、圧力が減少することとなる負側の圧力変化を付与し、その後、その圧力変化を除去する(圧力が増加する)こととしてもよい。
圧力変化を正側に付与し、その後除去する場合は、火炎の立ち消え等を避ける意味から、流量が所定の流量より少ない場合に好適に適用でき、圧力変化を負側に付与し、その後除去する場合は、過大な漏洩等を避ける意味から、流量が所定の流量より多い場合に好適に適用できる。
以上、都市ガス及びガスメーター(マイコンメーター)を例に述べたが、LPGにおいても、全く同様に適用できるものである。燃料ガス輸送配管、重油、灯油等の貯油タンク等と燃焼機器とを結ぶ送油配管においても適用が可能である。さらに、水等の配管にも応用できるものであり、適用範囲が都市ガスに限定されるものではない。
2 …流量計
3 …調節弁(圧力の変化機器)
4 …遮断弁
5 …圧力計
10 …燃焼装置(流体使用機器)
11 …燃焼器
12 …整圧弁(器具ガバナ:制御手段)
13 …器具栓
14 …手動調節弁
15 …制御弁(制御手段)
16 …遮断弁(電磁弁)
Claims (6)
- 管路を流れる流体の定常流れに圧力変化を付与し、生じる流量変化の過渡応答を調べることにより、管路下流に設置された単数もしくは複数の流体使用機器に圧力変化を減殺する制御が組込まれているか否かを判断し、組込まれていない箇所があると判断した場合に、流体の漏洩の可能性を出力する流体の漏洩検知方法であって、
第1の圧力変化の付与では、管路下流に圧力変化を減殺する制御が組込まれていない箇所があるか否かの判断が明確でない場合に、前記定常流れの圧力からの圧力変化量について、前記第1の圧力変化の圧力変化量とは異なる圧力変化量で第2の圧力変化を付与し、
前記両圧力変化後の各流量が各圧力変化の増減に対応して増減する場合に、管路下流に圧力変化を減殺する制御が組込まれていない箇所があると判断し、流体の漏洩の可能性を出力する流体の漏洩検知方法。 - 前記第1の圧力変化と、前記第2の圧力変化を付与した場合に、
第1の圧力変化後の流量及び第2の圧力変化後の流量について、前記定常流れの流量からの変化量の比率が、圧力変化後の各圧力の平方根の比率に等しくなる場合に、管路下流に圧力変化を減殺する制御が組込まれていない箇所があると判断する請求項1記載の流体の漏洩検知方法。 - 前記定常流れの流量に応じて圧力変化を付与する比率を、圧力変化付与前の圧力に比して一定の比率で、且つ圧力変化によって生じる変化後の流量が所定の精度で測定可能な流量内に収まる比率とする請求項1又は2記載の流体の漏洩検知方法。
- 前記定常流れの流量に応じて、圧力を変化させる変化機器を使い分ける請求項1〜3のいずれか一項記載の流体の漏洩検知方法。
- 前記定常流れの流量に応じて、圧力変化の値を正もしくは負に選択する請求項1〜4のいずれか一項記載の流体の漏洩検知方法。
- 流体の流量測定が原理として瞬時流量を計測する流量計を用いて行うものであり、瞬時流量を積算して積算流量を出力する手段を付帯機能として併せ持つ請求項1〜5のいずれか一項記載の流体の漏洩検知方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007300766A JP4956391B2 (ja) | 2007-11-20 | 2007-11-20 | 流体の漏洩検知方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007300766A JP4956391B2 (ja) | 2007-11-20 | 2007-11-20 | 流体の漏洩検知方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2009128067A true JP2009128067A (ja) | 2009-06-11 |
JP4956391B2 JP4956391B2 (ja) | 2012-06-20 |
Family
ID=40819166
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2007300766A Expired - Fee Related JP4956391B2 (ja) | 2007-11-20 | 2007-11-20 | 流体の漏洩検知方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4956391B2 (ja) |
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011196721A (ja) * | 2010-03-17 | 2011-10-06 | Osaka Gas Co Ltd | 漏洩監視装置 |
JP2012529653A (ja) * | 2009-06-11 | 2012-11-22 | ユニヴァーシティ オブ ワシントン | 液体分配システム内の液体の流れに影響する事象の感知 |
JP2020027098A (ja) * | 2018-08-15 | 2020-02-20 | 威海拙誠燃気安全設備有限公司Weihai Zhuocheng Gas Safety Device Co., Ltd. | ガスメーターへのガス使用機器の登録による安全管理方法 |
JP7410745B2 (ja) | 2020-02-27 | 2024-01-10 | アズビル株式会社 | 原因判定装置および原因判定方法 |
CN117588692A (zh) * | 2024-01-18 | 2024-02-23 | 成都秦川物联网科技股份有限公司 | 基于物联网的超声波流量计的泄漏检测方法、系统及设备 |
JP7458953B2 (ja) | 2020-09-29 | 2024-04-01 | トキコシステムソリューションズ株式会社 | 燃料漏洩検知システム、燃料漏洩判定装置 |
Citations (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH07174594A (ja) * | 1993-12-17 | 1995-07-14 | Tokyo Gas Co Ltd | ガス器具判別装置 |
JPH08201128A (ja) * | 1995-01-31 | 1996-08-09 | Tokyo Gas Co Ltd | ガス漏洩検査システム |
JP2000230847A (ja) * | 1999-02-09 | 2000-08-22 | Tokyo Gas Co Ltd | ガスメータおよびガス供給制御方法 |
WO2005080935A1 (ja) * | 2004-02-19 | 2005-09-01 | Aim Tech Co., Ltd. | 漏洩検査方法及び装置 |
JP2006200776A (ja) * | 2005-01-19 | 2006-08-03 | Tokyo Gas Co Ltd | ガスメータ |
JP2007093459A (ja) * | 2005-09-29 | 2007-04-12 | Tokyo Gas Co Ltd | ガス器具判定装置 |
-
2007
- 2007-11-20 JP JP2007300766A patent/JP4956391B2/ja not_active Expired - Fee Related
Patent Citations (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH07174594A (ja) * | 1993-12-17 | 1995-07-14 | Tokyo Gas Co Ltd | ガス器具判別装置 |
JPH08201128A (ja) * | 1995-01-31 | 1996-08-09 | Tokyo Gas Co Ltd | ガス漏洩検査システム |
JP2000230847A (ja) * | 1999-02-09 | 2000-08-22 | Tokyo Gas Co Ltd | ガスメータおよびガス供給制御方法 |
WO2005080935A1 (ja) * | 2004-02-19 | 2005-09-01 | Aim Tech Co., Ltd. | 漏洩検査方法及び装置 |
JP2006200776A (ja) * | 2005-01-19 | 2006-08-03 | Tokyo Gas Co Ltd | ガスメータ |
JP2007093459A (ja) * | 2005-09-29 | 2007-04-12 | Tokyo Gas Co Ltd | ガス器具判定装置 |
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012529653A (ja) * | 2009-06-11 | 2012-11-22 | ユニヴァーシティ オブ ワシントン | 液体分配システム内の液体の流れに影響する事象の感知 |
JP2011196721A (ja) * | 2010-03-17 | 2011-10-06 | Osaka Gas Co Ltd | 漏洩監視装置 |
JP2020027098A (ja) * | 2018-08-15 | 2020-02-20 | 威海拙誠燃気安全設備有限公司Weihai Zhuocheng Gas Safety Device Co., Ltd. | ガスメーターへのガス使用機器の登録による安全管理方法 |
JP7410745B2 (ja) | 2020-02-27 | 2024-01-10 | アズビル株式会社 | 原因判定装置および原因判定方法 |
JP7458953B2 (ja) | 2020-09-29 | 2024-04-01 | トキコシステムソリューションズ株式会社 | 燃料漏洩検知システム、燃料漏洩判定装置 |
CN117588692A (zh) * | 2024-01-18 | 2024-02-23 | 成都秦川物联网科技股份有限公司 | 基于物联网的超声波流量计的泄漏检测方法、系统及设备 |
CN117588692B (zh) * | 2024-01-18 | 2024-03-22 | 成都秦川物联网科技股份有限公司 | 基于物联网的超声波流量计的泄漏检测方法、系统及设备 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP4956391B2 (ja) | 2012-06-20 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
EP0626541B1 (en) | Gas/air ratio control apparatus for a temperature control loop for gas appliances | |
JP4956391B2 (ja) | 流体の漏洩検知方法 | |
JP6005062B2 (ja) | 流体漏洩検出システム | |
NL2006387C2 (en) | Arrangement comprising a gas delivery control system and a central heating installation and gas delivery control method. | |
US20200271312A1 (en) | Boiler combustor side blockage detection system and method | |
US20120016527A1 (en) | Gas shutoff device | |
US9476590B2 (en) | Method of testing and compensating gas supply of gas appliance for safety | |
JP2007024748A (ja) | 流量計 | |
JPH07332599A (ja) | ガス漏洩の判断方法 | |
JP2015210042A (ja) | ボイラ | |
JP5903865B2 (ja) | ボイラの熱出力計測装置 | |
GB2580658A (en) | A method and system for controlling gas flow rate in a boiler | |
JP6670145B2 (ja) | 連結給湯システム | |
EP4102134A1 (en) | Method for controlling the operation of a gas boiler | |
US20240093871A1 (en) | Gas Leak Detector in Gas Appliances | |
JP4858915B2 (ja) | ガス燃焼装置 | |
KR102425365B1 (ko) | 연소기기 급배기 폐쇄 검지 방법 | |
JP3569583B2 (ja) | 異常検知機能付きガス湯沸器 | |
JP2018031545A (ja) | 湯水混合給湯装置 | |
JP2016183831A (ja) | 給湯装置 | |
JP5060367B2 (ja) | ガス供給監視機能付きガスメータ | |
JP2023075809A (ja) | 流量制御システム、及びそれを備えた燃焼制御システム | |
WO2005111962A1 (en) | Gas leakage prevention system and method of using the same | |
WO2024003959A1 (en) | Device for delivering a gaseous mixture, corresponding delivery apparatus and corresponding method of use | |
TW201606239A (zh) | 瓦斯器具的燃燒控制方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20100115 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20111207 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20111215 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20120127 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20120308 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20120316 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150323 Year of fee payment: 3 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |