JP2006200776A - ガスメータ - Google Patents
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Abstract
【課題】強制的に圧力変動を起こすことなく、ガス器具のガバナの有無を簡易に判別するガスメータを提供する。
【解決手段】いわゆる膜式ガスメータのようなガスメータのように、ガス流量を検出する計量動作により、使用されているガス器具に供給されるガスの圧力が変動する場合、そのガス圧力の変動の度合いに基づいて、ガスメータの下流に接続するガス器具のガバナの有無を判別する。
【選択図】図2
【解決手段】いわゆる膜式ガスメータのようなガスメータのように、ガス流量を検出する計量動作により、使用されているガス器具に供給されるガスの圧力が変動する場合、そのガス圧力の変動の度合いに基づいて、ガスメータの下流に接続するガス器具のガバナの有無を判別する。
【選択図】図2
Description
本発明は、ガスメータに関し、特に、ガス通路に接続するガス器具のガバナの有無を判別することができるガスメータに関する。
ガス漏れ検出やガス使用状況の監視における誤動作を防止するため、ガス器具の種類判別の一つとして、使用中のガス器具にガバナ(圧力調整器)が設けられているかどうかを判別することが行われる。
図1は、ダイヤフラム式ガバナの断面図である。ガバナ(圧力調整器)とは、例えば、図1に示されるダイヤフラム式ガスガバナのように、ガス入り側のガス圧力が高くなるとダイヤフラム61が上で押し上げられ、同時にダイヤフラム61に接続されたバルブ62も上に引き上げられ、通過口63の間隔が狭まりガス流量が減少し、逆に、ガス出側のガス圧力が下がるとダイヤフラム61が下がりバルブ62の開度が大きくなり、通過口63の間隔が広がりガス流量が増加する者である。ガバナによって、ガバナ上流側の圧力が変動しても、下流側の流量が一定に保たれるように下流側の圧力が調整される。また、空気孔64はガス出側の圧力が高まりすぎたとき、それを抜くために使用される。さらに、調整ネジ65、調整スプリング66を調整することでガバナの調整圧力を変更することができる。
従来提案されているガバナ有無判別は、所定時間にわたってガスメータの下流側に強制的に圧力変動を起こしたとき、その圧力変動に応じて流量が変化する場合ガバナ無し、流量に影響が現れない場合ガバナ有りと判別したり(下記特許文献1参照)、ガバナが存在しなければガスの圧力の平方根とガス流量が比例する関係を利用し、ガス圧力とガス流量から算出される演算結果により判別している(下記特許文献2参照)。
特開平7−71994号公報
特開平6−249741号公報
しかしながら、引用文献1においては、能動的、強制的に圧力変動を起こすための手段を、ガスメータ内部を含めてガス供給経路途中に別途取り付ける必要があるとともに、強制的な圧力変動を所定時間行わなければならず、その間ガスの安定供給が妨げられるため、ガス利用者の利便性を損ねるおそれがある。
また、引用文献2においては、複雑な演算を要し、処理に時間がかかるといった問題がある。
そこで、本発明の目的は、能動的、強制的に圧力変動を起こすことなく、ガス器具のガバナの有無を簡易に判別することができるガスメータを提供することにある。
上記目的を達成するための本発明のガスメータの構成は、ガス通路を流れて下流側に接続するガス器具に供給されるガスの流量を計量するガスメータにおいて、前記ガス通路を流れるガスの流量を計量する計量機構を有し、当該計量機構の計量動作により、当該計量機構から送り出され前記ガス器具に供給されるガスの圧力を変動させるガス流量検出手段と、前記ガス流量検出手段の下流側に設けられ、前記計量機構から送り出されたガスの圧力を検出するガス圧力検出手段と、前記ガス器具の使用により前記ガス流量検出手段が所定のガス流量を計量している間における前記ガス圧力検出手段が検出するガスの圧力の変動に基づいて、使用されている前記ガス器具のガバナの有無を判別する判別手段とを備えることを特徴とする。
また、上記構成において、前記ガス器具の使用により前記ガス流量検出手段が計量する所定のガス流量は、その変動幅が所定幅以内の安定した流量であることが好ましい。
また、上記構成において、前記判別手段は、前記ガス流量検出手段が計量する所定のガス流量と、前記計量機構の計量単位とに基づいて、ガス圧力検出手段におけるガス圧力のサンプリング周期を設定するようにしてもよい。
そして、好ましくは、前記判別手段は、前記サンプリング周期ごとに検出される複数のガス圧力のうちの最大値と最小値との差分値を求め、当該差分値が所定値以上であれば、使用されている前記ガス器具はガバナを有していないと判別し、当該差分値が所定値未満であれば、使用されている前記ガス器具はガバナを有していると判定する。
本発明のガスメータによれば、ガス器具が通常に使用されているままの状態において、ガス流量を計量する計量機構の動作に基づくガス圧の変動を利用することで、簡易に使用されているガス器具のガバナの有無を判別することができる。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。しかしながら、かかる実施の形態例が、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
本実施の形態例におけるガスメータは、いわゆる膜式ガスメータと呼ばれるガスメータであり、膜式ガスメータを流れるガス流量を計量する通常動作の中で、ガスメータの下流に接続するガス器具のガバナの有無を判別する。
図2は、本発明の実施の形態例におけるガスメータの概略ブロック構成図である。ガスメータ1は、ガス供給元からガス器具へガスを供給するガス供給経路2の途中に設けられ、ガス器具はガスメータ1の下流側に設置される。ガス器具は、例えば、給湯器、ファンヒータ、テーブルコンロなどである。このうち、給湯器、ファンヒータはガバナを備え、テーブルコンロはガバナを備えていない場合が多い。なお、ガス供給経路2は、都市ガスを家庭などに引き込む際のガス供給導管や、ガスボンベとガス器具を接続する際のガス供給配管などを含む。
ガスメータ1内には、ガスが流れるガス通路3が設けられ、ガス通路3は、ガス供給経路2の上流側と下流側と接続される。このガス通路3には、感震器18などからの遮断指令に基づきガス通路3を遮断する遮断弁11と、ガス流量を検出する流量検出部12と、遮断弁11の下流側のガス通路3内のガス圧力を検出する圧力検出部(圧力センサ)13が配置される。
制御部20は、例えば、マイクロコンピュータで実現され、具体的には、制御プログラムが格納された記憶装置(ROM)とそれを実行する演算処理装置(CPU)とを有して構成される。なお、図2の制御部20には、制御プログラムの各モジュールが示され、具体的には、制御プログラムは、弁制御部21、ガス流量監視部22、及び本発明に特徴的なガバナ有無判別部23を有する。
弁制御部21は、弁制御信号104を出力し、遮断弁11を遮断制御する。弁制御部21は、感震器18が所定震度以上の震度を検知した場合に出力する遮断指令105や、流量監視部22からの遮断指令106、ガバナ有無判別部23からの遮断指令103に基づいて、遮断弁11を閉じる。
ガス流量監視部22は、ガス流量検出部22により検出される流量信号102に基づき、ガス流量を監視し、ガス漏れなどを検知する。
ガバナ有無判別部23は、本発明に特徴的な要素であって、ガス流量検出部12からの流量信号102及び圧力検出部13からの圧力信号101に基づき、後述する処理により、ガバナの有無を判別する。
また、本実施の形態例におけるガスメータは、膜式ガスメータであるので、ガス流量検出部12は、いわゆる膜の動作によりガス流量を計量し、その膜の動作に応じて駆動するカウンタ(表示部17)に積算されたガス量が表示される。以下、膜式ガスメータのガス流量検出部12におけるガス流量の計量動作について説明する。
図3は、膜式ガスメータの作動原理を説明する図である。膜式ガスメータのガス計量の根本原理は、ガスを一定容積の袋の中に入れ、充満した後排出し、その回数を体積に換算し、それを表示装置に表示するものである。なお、図3では、計量室を2つ(A室、B室)を有する計量機構が例示されている。
図3(a)において、まず、ガスメータの入り口よりガスが開口部aを通ってA室に入ると、B室との間にある膜を右側に押す。B室に充満していたガスはバルブによって切り替わった通路(開口部b、cを経由する通路)を通って出口へ排出される。このときの膜の移動は、リンク機構を介してバルブを左側へ移動させる。さらに、図3(b)に示されるように、A室にガスが充満するとバルブは切り替わり、A室が出口通路(開口部a、cを経由する通路)に通じるようになる。一方、ガスは開口部bを通ってB室に入ってくるため、膜は左側へ押されA室のガスは排出される。このような膜の動きにより、バルブを切り換える動作が繰り返し行われ、カウンタがその切換動作の回数をカウントし、ガス使用量を表示する。
図4は、膜式ガスメータの内部構造(計量機構)を示す概略図である。ガスメータの内部は、中央の仕切り板で仕切られた下部の2つ室と、膜の動きをバルブ、カウンタなどへ伝達するクランク機構を有する上部室とに分かれている。下部の2つの室には、それぞれ膜が張られ、4つの計量室が構成される(I、II、III、IV)。 計量室へのガスの導入及び排出は、膜とバルブの連動作用により行われるが、その原動力はガスが使用されることによって起こる入り口と出口の圧力差によるものである。
膜の動きは翼軸に伝えられ、大ひじ金、小ひじ金を経由してクランク機構を回転させバルブを動かす。このバルブの動きにより計量室内へのガスの導入及び排出が制御される。次に、図4の膜式ガスメータの動作を説明する。
図5は、図4のガスメータの動作を説明する図である。図5(a)では、A側の膜の動きは停止している(膜が進んできた方向と反対の方向に折り返す位置であり死点に達したという)。このとき、B側のIII室は圧力の低い出口に通じているためIV室に入るガスの圧力により膜が押され排出される(図3では、開口部a’→開口部c’→出口)。そして、図5(b)に示されるように、この膜の動きにより、クランク機構が回転し、A側のバルブを右側へ動かし、I室にガスが導入されると同時に、II室に充満していたガスの排出が始まる。このとき、II室から排出されるガス量は、図3の斜線で示した容積Vとなる。また、このときのA側の膜の動きによりB側のバルブが作動し、III室にガスが導入されると同時にIV室のガスが排出される。以下、同様に、図5の(d)→(a)→(b)→(c)の順に連続的に繰り返される。なお、クランク機構の回転は水平軸に伝わり外部に取り出してカウンタを動かし、ガス量を表示する。
このようなバルブの動作過程において、バルブの切り替わり時に、ガスメータ出口から出る際のガス圧力が変化する。例えば、図3(a)に示すように、ガスがB室から開口部b、cを経由して出口から出て行く状態から、図3(b)に示すように、ガスがA室から開口部a、cを経由して出口から出て行く状態に変化する際、バルブが図の左側に移動していく過程において、開口部bの断面がバルブによって徐々に閉じられていき、開口部bが閉じられ始めるよりも少し遅れて、開口部aの断面が開口部cに対して開き始める。すなわち、開口部bの断面がバルブによって閉じられ始めてから、開口部aの断面全体が開口部cに対して開き終わるまでの間、開口部b又は開口部aは、完全に開口している状態よりも、その断面積が小さくなり、その結果、出口から流れるガスの圧力は上昇する。このように、膜式ガスメータにおいては、ガス器具の通常使用状態におけるガス計量動作において、供給ガス圧が周期的に変動する。
本実施の形態例では、この周期的な供給ガス圧力の変動を利用して、使用されているガス器具のガバナの有無を判別する。すなわち、使用されているガス器具がガバナを有している場合は、ガバナによりそのガス圧力の変動が抑えられ、ガス圧力の変動が、ガバナなしのガス器具が使用されている場合と比較して小さくなるので、ガス圧力の変動に基づいて、ガバナの有無を判別することができる。具体的には、ガス器具使用中に圧力センサで検出されるガス圧力の変動幅が、所定範囲以上であれば、ガバナなしガス器具と判定し、所定範囲未満であれば、ガバナありガス器具と判定する。
図6は、本発明の実施の形態例におけるガスメータのガバナ有無判別処理のフローチャートである。図6において、ガス器具の使用が始まると、ガス流量監視部22は、そのガス流量が一定の変動幅(例えば、1分間の変動幅が3%以内)に収まる安定流量であるかどうかを判断し(S10)、流量が安定すると、その流量Q(L/min)を所定の内部メモリに登録する(S11)。一定のガス流量時における圧力変動を検出するためである。
ガバナ有無判別部23は、ガス流量が安定すると、供給されるガス流の圧力を検出するサンプリング周期を設定する(S12)。サンプリング周期は、ガス流量Q、一つの計量室で計量される単位ガス量V(L)、及び係数kに基づき、(Q/V)/kにより決定される。係数kは、有効な圧力値が得られるサンプリング周期となるように、ガス流量Qの大きさにより決定される数値であり、好ましくは、ガス流量Qの大きさに応じてあらかじめ設定され、内部メモリに保存される。
ガバナ有無判別部23は、設定したサンプリング周期毎に、圧力検出部13により検出されたガス圧力を取得することにより、所定期間ガス圧力を測定する(S13)。さらに、取得したガス圧力を内部メモリに記憶する(S14)。
そして、ガバナ有無判別部23は、測定した複数のガス圧力の中の最大値(Pmax)と最小値(Pmin)の差ΔPを演算により求め、それが所定の閾値未満であるかどうか判定する(S15)。差ΔPが所定の閾値以上である場合は、ガバナ無しガス器具と判定し(S16)、閾値未満である場合は、ガバナ有りガス器具と判定する(S17)。すなわち、差ΔPが所定の閾値未満である場合は、使用されているガス器具がガバナを有している場合は、そのガバナによりガス圧力の変動が抑えられ、ガバナを有していないガス器具が使用されている場合と比較して、差ΔPが小さくなるので、ガス圧力の変動幅により、ガバナの有無を判別することができる。
図7は、ガス圧力変動の測定結果の例を示す図である。図7(a)は、ガバナ無しガス器具(例えば、テーブルコンロ)の圧力変動の測定結果例であり、図7(b)は、ガバナ有りガス器具(例えば、ガスファンヒータ)のガス圧力変動の測定結果例である。縦軸は圧力値(mmH20)、横軸は、サンプリング回数である。図から明らかなように、ガバナ有りガス器具のガス圧力変動幅は、ガバナ無しガス器具のガス圧力変動幅より小さい。
このように、本発明の実施の形態におけるガスメータは、ガス器具の通常使用時における供給ガスの圧力変動を利用して、使用されるガス器具のガバナの有無を判別する。ガバナの有無が判別されると、その判別結果に基づいて、ガス器具の使用状況の監視が行われる。具体的には、ガス流量に基づいて、使用されるガス器具の種類を特定することができ、使用されるガス器具毎にあらかじめ決められた連続使用時間により、使用されるガス器具の使用が監視される。例えば、連続使用時間を超えると、遮断弁が閉じられ、その使用が中止される。監視は、ガスメータ自体が行ってもよいし、ガスメータと通信回線を通じて接続する遠隔のセンタが行ってもよい。このような監視制御を行う場合において、ガス流量だけでは、ガス器具の種類が判別できない場合がある。例えば、テーブルコンロとガスファンヒータは、その通常使用ガス量の範囲が重なっている。一方、テーブルコンロは、ガバナを有していないガス器具であり、ガスファンヒータは、ガバナを有するガス器具である。従って、使用されるガス量により、使用されているガス器具がテーブルコンロかガスファンヒータのいずれかに絞り込まれた場合において、本発明によるガバナ有無判別処理により、テーブルコンロかガスファンヒータかを特定することができる。こうして、特定されたガス器具の連続使用時間に従って、ガス器具の監視が行われる。
本発明の実施の形態例におけるガスメータは、膜式ガスメータに限られず、ガス器具の通常使用状態において、ガスメータ内部のガス供給圧力が変動する他のガスメータにも適用することが可能である。
1:ガスメータ、11:遮断弁、12:流量検出部、13:圧力検出部、17:表示部、18:感震器、20:制御部、21、弁制御部、22:ガス流量監視部、23:ガバナ有無判別部
Claims (4)
- ガス通路を流れて下流側に接続するガス器具に供給されるガスの流量を計量するガスメータにおいて、
前記ガス通路を流れるガスの流量を計量する計量機構を有し、当該計量機構の計量動作により、当該計量機構から送り出され前記ガス器具に供給されるガスの圧力を変動させるガス流量検出手段と、
前記ガス流量検出手段の下流側に設けられ、前記計量機構から送り出されたガスの圧力を検出するガス圧力検出手段と、
前記ガス器具の使用により前記ガス流量検出手段が所定のガス流量を計量している間における前記ガス圧力検出手段が検出するガスの圧力の変動に基づいて、使用されている前記ガス器具のガバナの有無を判別する判別手段とを備えることを特徴とするガスメータ。 - 請求項1において、
前記ガス器具の使用により前記ガス流量検出手段が計量する所定のガス流量は、その変動幅が所定幅以内の安定した流量であることを特徴とするガスメータ。 - 請求項1又は2において、
前記判別手段は、前記ガス流量検出手段が計量する所定のガス流量と、前記計量機構の計量単位とに基づいて、ガス圧力検出手段におけるガス圧力のサンプリング周期を設定することを特徴とするガスメータ。 - 請求項3において、
前記判別手段は、前記サンプリング周期ごとに検出される複数のガス圧力のうちの最大値と最小値との差分値を求め、当該差分値が所定値以上であれば、使用されている前記ガス器具はガバナを有していないと判別し、当該差分値が所定値未満であれば、使用されている前記ガス器具はガバナを有していると判定することをと特徴とするガスメータ。
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JP2008232990A (ja) * | 2007-03-23 | 2008-10-02 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | ガス器具監視装置 |
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2005
- 2005-01-19 JP JP2005011133A patent/JP2006200776A/ja active Pending
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