ところで、上記特許文献1及び2に示されているシャッター装置では、シャッターカーテンの閉じ移動中において、このシャッターカーテンの閉じ移動方向に障害物が存在し、スクリーンの閉じ側の端部がこの障害物に当接した場合には、スクリーンが弛むことにより障害物が受ける衝撃は小さいものとなる。しかし、スクリーンの閉じ側の端部のうちのガイドレールに近い部分で障害物が当接した場合には、ガイドレールに挿入されているスクリーンの幅方向の端部が弛むおそれがある。この場合には、スクリーンの弛んだ部分が、ストップ部である前記角柱部材の上端面に引っ掛かり、この角柱部材の上端面とスラット連設体の下端部との間に挟まれるおそれがある。この場合には、障害物が除去されたとしても、スクリーンは弛んだままの状態となってしまう。すなわち、スクリーンは半開放状態のままとなる。
このため、閉じ移動中のスクリーンが障害物に当接して弛んでも、このスクリーンが、開口幅調整部で引っ掛かることなく全閉位置又は略全閉位置に達するまで円滑に閉じ移動ができるようになるシャッター装置の工夫が求められていた。
本発明の目的は、閉じ移動中の開閉体に障害物との当接等が生じても、開閉体が全閉位置又は略全閉位置に達するまで円滑に閉じ移動ができるようになる開閉装置を提供するところにある。
本発明に係る開閉装置は、開閉移動する開閉体と、この開閉体の幅方向の端部がスライド自在に挿入される開口部が形成され、前記開閉体の開閉移動を案内するガイド部材と、を有し、前記開閉体は、第1開閉部材と、この第1開閉部材よりも閉じ側に配置され、前記第1開閉部材の厚さ寸法よりも小さい厚さ寸法を有する第2開閉部材と、を含んで構成され、前記ガイド部材の前記開口部の内側には、この開口部のうち、前記開閉体が全閉位置又は略全閉位置に達しているときにおける前記第2開閉部材の幅方向の端部が挿入される部分における前記開閉体の厚さ方向の寸法を狭くするための開口幅調整部が設けられている開閉装置において、前記第2開閉部材の前記幅方向の前記端部には、前記開閉体の閉じ移動中におけるこの端部と前記開口幅調整部との引っ掛かりを防止するための引っ掛かり防止部材が設けられていることを特徴とするものである。
本発明では、ガイド部材の開口部にスライド自在に挿入される第2開閉部材の幅方向の端部には、開閉体の閉じ移動中におけるこの端部と開口幅調整部との引っ掛かりを防止するための引っ掛かり防止部材が設けられている。
このため、開閉体の閉じ移動中において、第2開閉部材の閉じ側の端部に障害物が当接したり、風圧等の外力が加わったりする等の事象が発生し、この第2開閉部材の幅方向の端部がガイド部材の開口部の内側で弛んでも、この弛んだ部分が開口幅調整部における開閉体の開き側の端部で引っ掛かることが防止される。これにより、第2開閉部材の幅方向の端部が、第1開閉部材の閉じ側の端部と、開口幅調整部における開閉体の開き側の端部との間に挟まれることが防止されるようになる。すなわち、第2開閉部材の降下不良が防止されるようになる。
このため、本発明によると、閉じ移動中の開閉体に障害物との当接等が生じても、開閉体は全閉位置又は略全閉位置に達するまで円滑に閉じ移動ができるようになる。
なお、開閉体の幅方向とは、開閉体の開閉移動方向と直交する方向又は略直交する方向であって、かつ、開閉体の厚さ方向と直交する方向又は略直交する方向をいう。
本発明において、引っ掛かり防止部材が設けられる箇所は、第2開閉部材の幅方向の端部が開口幅調整部に引っ掛かることを防止できることができる箇所であれば任意であるが、この引っ掛かり防止部材は、開閉体の厚さ方向における第2開閉部材の幅方向の端部と開口幅調整部との間に設けられていることが好ましい。
第2開閉部材が障害物に当接したり、風圧等の外力を受けた場合等には、第2開閉部材の幅方向の端部が弛むおそれがあるが、この弛んだ部分は、開口幅調整部と摩擦接触することによりこの開口幅調整部に引っ掛かりやすい。
このため、引っ掛かり防止部材が、開閉体の厚さ方向における第2開閉部材の幅方向の端部と開口幅調整部との間に設けられていることにより、第2開閉部材の幅方向の端部の弛んだ部分が開口幅調整部に引っ掛かることがより確実に防止される。
本発明において、引っ掛かり防止部材が開閉体の厚さ方向における第2開閉部材の幅方向の端部と開口幅調整部との間に設けられる場合には、この引っ掛かり防止部材は、開閉体の開閉移動方向の全長又は略全長に渡って設けられていてもよく、第1開閉部材と第2開閉部材との連結部の近傍のみに設けられていてもよい。
ここで、第2開閉部材の幅方向の端部のうち、この第2開閉部材が障害物に当接したり、風圧等の外力を受けることにより、弛んで開口幅調整部に引っ掛かり、この開口幅調整部の開き側の端部と第1開閉部材の閉じ側の端部との間に挟まれる可能性が最も高い部分は、第1開閉部材と第2開閉部材との連結部の近傍である。
したがって、引っ掛かり防止部材は、第2開閉部材の幅方向の端部のうち、少なくとも第1開閉部材と第2開閉部材との連結部の近傍に設けられていることが好ましい。
本発明において、引っ掛かり防止部材は、開閉体の閉じ移動方向へ向かって延びるにしたがい、第2開閉部材に近づく側へ傾斜している部分を有していることが好ましい。
これによると、開閉体が閉じ移動しているときに、第2開閉部材の幅方向の端部に設けられている引っ掛かり防止部材が、開口幅調整部の開き側の端部で引っ掛かることがより確実に防止されるようになる。これにより、引っ掛かり防止部材は、第2開閉部材の幅方向の端部と共に、開口幅調整部により幅寸法が狭くなっているガイド部材の開口部に、より確実にかつスムーズに進入することができるようになる。
本発明において、引っ掛かり防止部材の形状、構造は、開閉体の閉じ移動中において、第2開閉部材の幅方向の端部が開口幅調整部に引っ掛かることを防止することができるものであれば任意であり、例えば、板状部材でもよく、開閉体の開閉移動方向への長さを有する棒状部材がこの開閉体の幅方向に複数配置された櫛状部材でもよく、ネット(網)状部材等でもよい。
引っ掛かり防止部材が板状部材である場合には、この板状部材は、例えば、(薄)板ばねでもよく、あるいは弾性を有さない合成樹脂製やセラミックス製あるいは木製等の板材でもよい。なお、板状部材のうち、開口幅調整部との接触する可能性のある部分は、この開口幅調整部との摩擦を少なくするために滑面となっていることが好ましい。
ここで、引っ掛かり防止部材が板ばねである場合には、開閉体の閉じ移動中に板ばねが開口幅調整部に当接したとき、この板ばねには開口幅調整部から遠ざかる方向への反発力となるばね力が蓄圧される。これにより、板ばねは、この蓄圧されたばね力で当接していた開口幅調整部からすぐに離れるようになる。また、板ばねの表面は滑面となっているので、開口幅調整部との摩擦は少ないものとなる。したがって、引っ掛かり防止部材は、板ばねであることが好ましい。
本発明において、ガイド部材の開口部の内側に設けられる開口幅調整部の形状、構造は任意であり、例えば、金属製の板材の折り曲げで形成された枠状部材や、金属製や合成樹脂製、あるいは木製等の柱状部材(中空でもよく、中実でもよい)等であって、第2開閉部材の開閉移動方向の長さ寸法と同じ長さ寸法又は略同じ長さ寸法を有するものであればよい。
以上の本発明において、ガイド部材には、開閉体が全閉位置又は略全閉位置に達しているときにおける第1開閉部材の閉じ移動を阻止するためのストップ部が設けられていることが好ましい。
これによると、厚さ寸法が第2開閉部材よりも大きいためにこの第2開閉部材よりも全体重量が大きい第1開閉部材が、開閉体が全閉位置又は略全閉位置に達しているときに閉じ移動してしまうことが阻止されるようになる。また、これによると、閉じ移動中の開閉体に障害物が当接しても、この障害物に対して第1開閉部材の荷重が掛かることを阻止することが可能となる。
ここで、ストップ部の形状、構造は任意であり、開閉体が全閉位置又は略全閉位置に達しているときにおける第1開閉部材の閉じ移動を阻止することができる形状、構造を有していればよい。
このストップ部の第1の例として、開口幅調整部における開閉体の開き側の端部を挙げることができる。これによると、開閉体が全閉位置又は略全閉位置に達すると、第1開閉部材の閉じ側の端部は、開口幅調整部における開閉体の開き側の端部に当接することになるため、第1開閉部材の閉じ移動が阻止されるようになる。また、これによると、開口幅調整部における開閉体の開き側の端部がストップ部を兼ねることで、部材の点数を減らすことができる。
また、ストップ部の第2の例として、ガイド部材における開閉体が全閉位置又は略全閉位置に達したときの第1開閉部材の閉じ側の端部の開閉移動方向の位置と同じ位置又は略同じ位置に設けられ、開閉体の開閉移動方向と直交する方向又は略直交する方向に延出した延出部を挙げることができる。これによると、開閉体が全閉位置又は略全閉位置に達すると、第1開閉部材の閉じ側の端部は、前記延出部に当接することになるため、第1開閉部材の閉じ移動が阻止されるようになる。なお、前記延出部は、第1開閉部材の閉じ側の端部に設けられた係止部が係止する被係止部となっていてもよい。
さらに、ストップ部の第3の例として、ガイド部材に設けられ、第2開閉部材の開閉移動方向の長さ寸法と同じ長さ寸法又は略同じ長さ寸法を有し、開口幅調整部とは別体となっている柱状部材における開閉体の開き側の端部を挙げることができる。これによると、開閉体が全閉位置又は略全閉位置に達すると、第1開閉部材の閉じ側の端部は、前記柱状部材における開閉体の開き側の端部に当接することになるため、第1開閉部材の閉じ移動が阻止されるようになる。
なお、ストップ部には、開閉体の閉じ移動方向に向かうにしたがい、第2開閉部材に近づく側へ傾斜した傾斜部が形成されていることが好ましい。これによると、閉じ移動中の第2開閉部材の幅方向の端部がストップ部に引っ掛かりにくくなる。
以上の本発明において、開閉体の開閉移動方向は任意であり、例えば、上下方向であって下方向が閉じ移動方向でもよく、上下方向であって上方向が閉じ移動方向でもよく、左右方向であって左方向が閉じ移動方向でもよく、左右方向であって右方向が閉じ移動方向でもよい。なお、上下方向には、上下方向の成分を有する方向を含み、左右方向には、左右方向の成分を有する方向を含む。
また、以上の本発明において、第1開閉部材の形状、構造は任意であり、例えば、複数個のスラットを開閉体の開閉移動方向に連設して形成されたスラット連設体となっているものでもよく、複数個のパネルを開閉体の開閉移動方向に連設して形成されたパネル連設体となっているものでもよく、複数個のパイプを開閉体の開閉移動方向にリンクで連結して形成されたパイプ連設体となっているものでもよく、これらの複合で形成されたもの等でもよい。なお、第1開閉部材は、金属製の部材で形成されるものでもよく、合成樹脂製の部材で形成されるものでもよく、木製の部材で形成されるものもよく、セラミック製の部材で形成されるものでもよく、これらの部材を複合したもので形成されるもの等でもよい。
一方、第2開閉部材は、開閉体の閉じ移動中にこの開閉体の閉じ移動方向に障害物が存在し、この障害物が開閉体の閉じ側の端部(先端部)に当接することになっても、開閉体が障害物に与える衝撃を小さくすることができる部材で形成されるものであることが好ましい。すなわち、第2開閉部材は、例えば、布製や合成樹脂製(例えば、耐火性を有するシリカクロス製)等の薄厚部材で形成されるものでもよく、ゴムやスポンジ等の多孔質体による弾性部材で形成されるものでもよく、これらの部材を複合したもので形成されるもの等でもよい。そして、上記の部材で形成された第2開閉部材の形状、構造は任意であり、例えば、シート状となったスクリーンでもよく、網目状となったネットでもよく、これらを複合したもの等でもよい。
なお、第2開閉部材は、開閉体の幅方向に複数個配置してもよい。これによると、障害物が第2開閉部材の閉じ側の先端に当接したとき、この障害物に与える衝撃や荷重の低減のための第2開閉部材の変形がより柔軟に行えるようになる。また、このように第2開閉部材を開閉体の幅方向に複数個配置する場合には、互いに隣接する第2開閉部材の端部同士は開閉体の厚さ方向に重複させて配置することが好ましい。これによると、第2開閉部材の気密性(遮煙性、遮炎性等も含む)が向上する。
以上の本発明が適用される開閉装置は任意であり、例えば、開閉体がシャッターカーテンになっているシャッター装置でもよく、開閉体が防煙垂れ幕となっている防煙垂れ幕装置でよく、開閉体が防煙垂れ壁となっている防煙垂れ壁装置等でもよい。
また、本発明がシャッター装置に適用される場合には、そのシャッター装置は任意な用途のシャッター装置でよく、そのシャッター装置は、シャッターカーテンが、全閉位置又は略全閉位置に達することによって防災区画を形成するための防災用シャッターカーテンとなっている防災用シャッター装置(エレベータのためのものを含む)でもよく、シャッターカーテンで出入口や窓等の開口部を開閉する開口部用シャッター装置(オーバーヘッドドア式のものを含む)でもよく、さらに、車庫用シャッター装置でもよく、物置用シャッター装置でもよく、トラック等の車両の荷台に搭載される車載用シャッター装置等でもよい。
さらに、本発明がシャッター装置に適用される場合において、そのシャッター装置が、シャッターカーテンを収納部から繰り出し、この収納部に収納するための収納機構を駆動させるための駆動装置(例えば、シャッターカーテンを巻き取り、繰り出す巻取軸を回転させるための開閉機等)を備えている場合には、収納機構の駆動を駆動装置だけではなく手操作でも行える自動式と手動式の両方の機能を備えたシャッター装置にも適用でき、さらに、本発明は、上記駆動装置がシャッターカーテンを巻取軸に巻き取るときに巻取軸を回転させるために利用され、シャッターカーテンを繰り出すときの巻取軸の回転は、シャッターカーテンの自重やウエイト部材の自重等を利用して行われるシャッター装置等にも適用できる。
以上の本発明において、シャッターカーテンが巻取軸から繰り出され、巻き取られるものである場合において、その巻取軸の構造、形式は任意である。すなわち、巻取軸は、1本の軸により又は複数の軸を直列的に連結することにより形成されたものでもよく、中心に配置された固定軸の外周に、シャッターカーテンを巻き取り、繰り出すための回転部材が回転自在に配置されたもの等でもよい。
なお、以上の本発明において、開閉体が閉じ移動しているとき、この開閉体の閉じ移動方向に障害物が存在した場合に、この障害物の感知をするための障害物感知手段を備えるようにしてもよい。
この障害物感知手段の原理、方式は任意であり、例えば、第2開閉部材の閉じ側の端部に幅方向全長又は略全長に渡って設けられたテープスイッチ等の障害物感知スイッチと、この障害物感知スイッチからの信号に基づき所定の制御処理を行う制御装置と、を含んで構成されるものでもよい。
本発明によると、閉じ移動中の開閉体に障害物との当接等が生じても、開閉体が全閉位置又は略全閉位置に達するまで円滑に閉じ移動ができるようになるという効果が得られる。
以下に本発明を実施するための形態を図面に基づいて説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る開閉装置となっているシャッター装置の全体を示す正面図である。まず、このシャッター装置の全体構造について説明する。
開閉体がシャッターカーテンとなっているこのシャッター装置は、天井部材1によって室内空間2と区画されている天井裏空間3に水平に配置されている巻取軸10から繰り出され、このシャッターカーテン11により、室内空間2に防火、防煙のための防災区画を形成するための防災用シャッター装置となっている。このため、本実施形態では、シャッターカーテンは、防災用シャッターカーテンとなっている。この図1では、巻取軸10から繰り出されたシャッターカーテン11の閉じ側の先端部が室内空間2の床面2Aに着床した状態、すなわち、シャッターカーテン11が全閉位置又は略全閉位置に達した状態が示されている。
巻取軸10は、天井裏空間3に存在する建物躯体6に取り付けられた左右一対のブラケット7で回転自在に支持され、この巻取軸10にシャッターカーテン11の上端部、すなわち巻取軸10側の端部が結合されている。シャッターカーテン11における左右方向の端部11A、言い換えると、シャッターカーテン11における開閉移動方向(上下方向)と直交し且つ厚さ方向(前後方向)とも直交する方向である幅方向の端部11Aは、柱や壁等の建物躯体5に設けられたガイド部材である左右のガイドレール30に形成された開口部31(具体的な構造は後述する)に、シャッターカーテン11に設けられた図示しない抜け止め部材により抜け止めされながらスライド自在に挿入されている。
左右一対のブラケット7のうちの一方のブラケット7(図1では右側)には、モータとブレーキ等を有する開閉機8が取り付けられ、この開閉機8は、チェーン、スプロケット等で構成される動力伝動手段9を介して、巻取軸10に連結されている。火災発生等によって図示しない手動レバーが操作されることにより、又は図示しないセンサが煙あるいは熱等を検出してこの検出信号が開閉機8の図示しない制御装置に送られることにより、開閉機8のブレーキが解除される。これにより、シャッターカーテン11は、自重で巻取軸10を正回転させながら巻取軸10から繰り出されて下降する閉じ移動をガイドレール30で案内されながら行い、シャッターカーテン11の閉じ側の先端部が床面2Aに着床してシャッターカーテン11が全閉鎖状態又は略全閉状態となることにより、シャッターカーテン11で室内空間2に防災区画が形成される。
また、図示しないスイッチを操作すると、開閉機8のモータが駆動され、これにより、巻取軸10の逆回転でシャッターカーテン11が巻取軸10に巻き取られ、シャッターカーテン11は上昇する開き移動をガイドレール30で案内されながら行う。以上のように、本実施形態では、シャッターカーテン11の開閉移動方向は上下方向であって下方向が閉じ移動方向となっている。
シャッターカーテン11が全閉位置又は略全閉位置に達したかどうかの判定、及びシャッターカーテン11が全開位置又は略全開位置に達したかどうかの判定は、開閉機8に設けられた図示しないリミットスイッチからの信号により行われる。
なお、火災によって発生した煙がシャッターカーテン11で仕切られた反対側の空間へ流出するのを防ぐために、天井部材1に配設されたまぐさ部材4には、図示しない塞ぎ部材が組み込まれている。
図1に示されているように、シャッターカーテン11は、多数のスラット12を上下方向に連設することにより形成されたスラット連設体13と、このスラット連設体13の下端部である最下部のスラット14に連結部材25(具体的な構造は後述する)を介して連結されて垂したスクリーン20と、を含んで構成されている。
各スラット12は、所定の厚さの金属製の板材で形成されており、このため、スラット連設体13は硬質部となっている。なお、スラット連設体13の上端部である図示されない最上部のスラットは、図示しない吊り元部材を介して巻取軸10に連結されている。
スクリーン20の全部又は大部分は、耐火塗料等を塗布及び/又は含侵させたガラスクロス又はシリカクロスによる防火性と防煙性を有する薄厚部材である可撓性シートで形成されており、スラット連設体13の厚さ寸法よりも小さい厚さ寸法を有している。このため、スクリーン20は、硬質部であるスラット連設体13よりもシャッターカーテン11の閉じ側に配置された軟質部となっている。なお、本実施形態では、図1に示すように、スクリーン20は、シャッターカーテン11の幅方向である左右方向に長い1枚の長方形のシートで形成されている。なお、シャッターカーテン11が全閉位置又は略全閉位置に達したときにおける開閉移動方向のスラット連設体13とスクリーン20との構成比率は、適宜(実験的または設計的に)設定される。
以上のように、本実施形態では、開閉体であるシャッターカーテン11は、スラット連設体13と、このスラット連設体13よりもシャッターカーテン11の閉じ側に配置されたスクリーン20と、を含んで構成されており、スラット連設体13が第1開閉部材となっており、このスラット連設体13の厚さ寸法よりも小さい寸法を有するスクリーン20が第2開閉部材となっている。
図2は図1のS2−S2線断面図であり、図3は図2のS3−S3線断面図であり、図4は図2のS4−S4線断面図であり、図5は図4の上部の一部拡大図であり、図6は図4の下部の拡大図である。また、図7は図3のVII方向矢視図であり、図8は図3のVIII方向矢視図であり、図9は図1のS9−S9線断面図であり、図10は図1のS10−S10線断面図である。
図3に示されているように、スクリーン20の開き側の端部である上端部20Aは、ボルト・ナットやビス等の止着具26でシャッターカーテン11の幅方向(左右方向)に長い金属製の板状部材で形成された連結部材25(図1参照)の下部に止着されており、一方、スラット連設体13の下端部である最下部のスラット14の垂下部14Cも、前記止着具26で前記連結部材25の上部に止着されている。
最下部のスラット14の上端部は、カール部14Aとなっており、下端部は、このカール部14Aとは反対の方向に巻かれたカール部14Bとなっている。なお、最下部のスラット14よりも上に配置されている各スラット12(図1も参照)も、このスラット14と同様の形状、構造を有している。
スラット14の上部のカール部14Aは、このスラット14の真上に配置されているスラットである下から2番目のスラット12の下端部であるカール部12Aに挿入係合している。一方、スラット14の下部のカール部14Bは、このスラット14と同じ又略同じ左右方向の長さを有する板材の折り曲げで形成された枠部材であるカバー部材15に収納されている。
このカバー部材15は、シャッターカーテン11の厚さ方向(前後方向)である水平方向に延びる上面部15Aと、この上面部15Aから垂下した垂下部15Bと、この垂下部15Bの下端から、上面部15Aと同じ水平方向に延びる下面部15Cと、上面部15Aの先端部から立ち上がった立上部15Dとからなっており、スラット14のカール部14Bは、上面部15Aと垂下部15Bと下面部15Cとで囲まれた空間に収納されている。このため、カバー部材15の下面部15Cは、第1開閉部材であるスラット連設体13の閉じ側の端部である下端部を形成している。一方、カバー部材15の立上部15Dは、ボルト・ナットやビス等の前記止着具26で前記連結部材25と共にスラット14の垂下部14Cに止着されている。
また、図3及び図5に示されているように、スクリーン20の上端部20Aの表裏面のうち、スラット14のカール部14A,14Bが形成されている側の面である裏面(図1で示されているスクリーン20の面である表面とは反対側の面)には、スクリーン20と同様に薄厚部材である可撓性シートで形成され、スクリーン20の左右寸法である幅寸法と同じ又は略同じ幅寸法を有する補助スクリーン28(図10も参照)が配置されている。そして、この補助スクリーン28の上端部28Aとスクリーン20の上端部20A同士は、図3及び図5に示されているように、カバー部材15の下面部15Cよりも上方の高さ位置で接着又は縫着されている。また、補助スクリーン28の下端部28Bは、スクリーン20側へ上向きに折り返された後、このスクリーン20に接着又は縫着されている。
このため、スクリーン20の上端部10Aは、図3、図5及び図10に示すように、スクリーン20と補助スクリーン28とで形成され、幅方向の端部の端面が開口した袋部20Dとなっている。そして、この袋部20Dの内部の上部には、補助スクリーン28の幅寸法と同じ又は略同じ長さ寸法(左右方向の寸法)を有する金属製や合成樹脂製等の棒状部材で形成されたスペーサ27が挿入配置されている。これにより、袋部20Dを形成するスクリーン20と補助スクリーン28との間には、シャッターカーテン11の厚さ方向である前後方向の一定の間隔が保たれるので、スクリーン20の袋部20Dは一定の厚み(膨らみ)を有するようになる。この結果、シャッターカーテン11が全閉位置又は略全閉位置に達したときにおけるスクリーン20の上端部20Aの密閉性(遮煙性)が向上するようになる。
なお、本実施形態では、袋部20Dは、スクリーン20の上端部10Aにおけるスクリーン20の幅方向全長に渡って設けられているが、スクリーン20の上端部10Aにおけるガイドレール30の開口部31に挿入される部分のみに設けるようにしてもよい。この場合には、スペーサ27の長さ寸法は、ガイドレール30の開口部31に挿入されるスクリーン20の幅方向の端部の幅寸法(左右方向の寸法)と同じ又は略同じでよい。
なお、スクリーン20の上端部20Aは、図3に示されているように、補助スクリーン28及びスペーサ27と共に、連結部材25を介して最下部のスラット14に連結されている。言い換えると、スペーサ27が挿入配置された袋部20Dは、連結部材25を介して最下部のスラット14に連結されている。このため、連結部材25は、スクリーン20、補助スクリーン28及びスペーサ27をスラット14に連結するための連結部材となっている。
なお、連結部材25の左右方向の長さ寸法である幅寸法は、図1に示されているように、左右のガイドレール30間の距離Lと略同じとなっている。言い換えると、連結部材25の幅寸法は、スクリーン20のうち、左右のガイドレール30の開口部31から露出した部分の幅寸法と略同じとなっている。このため、スクリーン20の上端部20Aのうち、左右のガイドレール30の開口部31に挿入される部分20E(言い換えると、スクリーン20の幅方向の端部20Cにおける上端部20E)は、図4、図5及び図8に示されているように、スラット14に連結されていない。これと同様に、補助スクリーン28の幅方向の端部28Cもスラット14に連結されていない。すなわち、スクリーン20の袋部20Dの幅方向の端部20Eは、スラット14に連結されていない。
一方、スクリーン20の下端部20Bは、図6に示されているように、シャッターカーテン11の開き移動方向である上方向に折り返されており、この折り返された下端部20Bの先端は、スクリーン20の表裏面のうちの一方の面である裏面(図6では、右側の面)に接着又は縫着されている。このため、スクリーン20の閉じ側の端部である下端部20Bは、図1に示すように、左右方向に長い袋部21となっている。なお、図2及び図9からわかるように、この袋部21の左右方向である幅方向の端部21Aの端面は、開口している。
図1に示されているように、袋部21の内部には、シャッターカーテン11のウェイト部材となっている複数個(図1では3個)の左右方向に長い平板状のフラットバー22が、シャッターカーテン11の幅方向に離間して配置されている。なお、このフラットバー22は、金属製でもよく、木製でもよく、合成樹脂製等でもよく、重量を有するものであればよい。そして、図1及び図9に示されているように、袋部21のうち、互いに隣接するフラットバー22同士の間の部分の両面には、上下方向に長い金属製の板状部材23がボルト・ナットやビス等の止着具24で止着されている。また、袋部21のうち、最も左側に配置されているフラットバー22の左端部の近傍部分、及び最も右側に配置されているフラットバー22の右端部の近傍部分(言い換えると、袋部21のうち、左右のガイドレール30から露出している部分における幅方向の両端部)の両面にも、板状部材23がボルト・ナットやビス等の止着具24で止着されている。このため、袋部21の内部に配置されている各フラットバー22は、これらの板状部材23によってシャッターカーテン11の幅方向である左右方向に移動することが阻止されるようになっている。なお、フラットバー22は、砂袋等に置き換えることが可能である。
さらに、図2、図7及び図9に示すように、袋部21の幅方向の端部21Aの内部にも、前記フラットバー22と同じ又は略同じ厚さ寸法と上下寸法を有し、袋部21のうちのガイドレール30の開口部31に挿入される部分の左右寸法である幅寸法と略同じ幅寸法を有するフラットバー29が配置されている。このフラットバー29は、袋部21の幅方向の端部21Aの内部に接着により固定されている。なお、フラットバー29は、砂袋等に置き換えることが可能である。
なお、前述したように、袋部21の左右方向である幅方向の端部21Aの端面は、開口しているが、2枚のスクリーン20同士を重ね合わせて接着又は縫着することにより、袋部21の幅方向の端部21Aの端面を閉じるようにしてもよい。この場合には、袋部21の幅方向の端部21Aの内部に配置するフラットバーの幅寸法は、本実施形態におけるフラットバー29の幅寸法よりも小さくする必要がある。
本実施形態では、図2〜図4、及び図9に示されているように、金属製の板材の折り曲げで形成された左右のガイドレール30の開口部31の内側面部のうち、スラット連設体13を構成するスラット12のカール部やカバー部材15と対向する内側面部には、上下方向への長さを有する金属製の柱状部材35が立設されている。この柱状部材35の上下方向の長さ寸法(高さ寸法)は、図4に示すように、床面2Aから、シャッターカーテン11が全閉位置又は略全閉位置に達したときにおける前記カバー部材15の下面部15Cまでの長さ寸法と同じ又は略同じとなっている。言い換えると、柱状部材35の上下方向の長さ寸法は、スクリーン20の上下方向の長さ寸法と略同じとなっている。これにより、開口部31のシャッターカーテン11の厚さ方向(前後方向)の寸法である開口幅のうち、柱状部材35が立設されている部分の開口幅は小さくなっている。
このため、本実施形態では、柱状部材35は、ガイドレール30の開口部31のうち、シャッターカーテン11が全閉位置又は略全閉位置に達しているときにおけるスクリーン20の幅方向の端部20Cが挿入される部分の幅寸法を狭くするための開口幅調整部を形成している。
また、図4、図5及び図10に示されているように、シャッターカーテン11が全閉位置又は略全閉位置に達しているときには、スラット連設体13の閉じ側の端部となっているカバー部材15の下面部15Cは、柱状部材35におけるシャッターカーテン11の開き側の端部である上面部35Aに載置するようになっている。
このため、本実施形態では、開口幅調整部を形成している柱状部材35の上面部35Aは、シャッターカーテン11が全閉位置又は略全閉位置に達しているときにおけるスラット連設体13の閉じ移動を阻止するためのストップ部となっている。
また、図5及び図10に示すように、ストップ部となっている柱状部材35の上面部35Aのうち、スクリーン20と対向する側の部分には、シャッターカーテン11の閉じ移動方向である下方向に向かうにしたがい、スクリーン20に近づく側へ傾斜した傾斜部35Bが形成されている。なお、この傾斜部35Bは、柱状部材35の上面部35Aのうち、シャッターカーテン11と対向する側の部分を斜め下向きに切り欠くことにより形成されるものである。なお、柱状部材35の傾斜部35Bは、図示例においては、平面状としているが、曲面状であってもよい。
図4に示されているように、スクリーン20の幅方向の端部20Cの上端部となっている袋部20Dの幅方向の端部20E(図1及び図7も参照)のうち、柱状部材35と対向する側の部分である補助スクリーン28の幅方向の端部28Cと、柱状部材35との間には、板ばね36が設けられている。すなわち、シャッターカーテン11の厚さ方向におけるスクリーン20の幅方向の端部20Cであって、スラット連設体13とスクリーン20との連結部となっている連結部材25の近傍と、柱状部材35との間には、板ばね36が設けられている。この板ばね36は、図4及び図7に示すように、カバー部材15の下面部15Cの下面の高さ位置から垂下しており、この垂下した部分が、袋部20Dを構成する補助スクリーン28の幅方向の端部28Cに接着により取り付けられている。
図7に示すように、上下方向に長い縦長の長方形となっている板ばね36の左右方向の寸法である幅寸法は、スクリーン20と補助スクリーン28とで構成される袋部20Dのうち、左右のガイドレール30に挿入される部分である幅方向の端部20Eの幅寸法と略同じとなっている。また、板ばね36の上下方向の寸法である長さ寸法は、図5及び図7に示すように、カバー部材15の下面部15Cの下面の高さ位置から、下端部28Bが折り返されてスクリーン20に接着又は縫着された状態の補助スクリーン28の下端の高さ位置よりも少し下方の高さ位置までの長さ寸法となっている。
また、図5に示すように、板ばね36おけるシャッターカーテン11の閉じ側の端部36A、すなわち、板ばね36における袋部20Dの下端部よりもシャッターカーテン11の閉じ側の部分36Aは、折り曲げにより、シャッターカーテン11の閉じ移動方向に向かって延びるにしたがい、スクリーン20に近づく側へ傾斜している傾斜部36Aとなっている。言い換えると、板ばね36の閉じ側の端部36Aは、スクリーン20側に向かって斜め下向きに折り曲げられた傾斜部36Aとなっている。なお、この板ばね36の傾斜部36Aは、図示例においては、平面状としているが、曲面状であってもよい。
また、図2及び図6に示されているように、スクリーン20の下端部20Bに形成されている袋部21のうち、左右のガイドレール30に挿入される部分である幅方向の端部21Aにおける柱状部材35側の面には、上下方向に長い縦長の長方形となっている板ばね37(図7参照)が接着あるいはボルト・ナットやビス等の止着具により取り付けられている。そして、この板ばね37の下端部は、図2、図6及び図8に示すように、スクリーン20の袋部21側に折り曲げられて屈曲部37Aとなっており、図6に示すように、この屈曲部37Aの内側に、内部にフラットバー29が配置されたスクリーン20の袋部21の下端部21Bが嵌合されている。
図11は、閉じ移動中のシャッターカーテン11の閉じ移動方向に円柱状の障害物40が存在し、このシャッターカーテン11のスクリーン20の閉じ側の端部である袋部21の下端部21Bに障害物40が当接している状態を示す図である。
この図11及び図1に示すように、スクリーン20の袋部21の内部の底部に配置されている各フラットバー22の上方には、各フラットバー22がシャッターカーテン11の開き移動方向である上方向に移動可能な空間が形成されており、これにより、各フラットバー22は、袋部21の内部でシャッターカーテン11の開閉移動方向である上下方向に移動可能となっている。
このため、図11に示されているように、スクリーン20の袋部21の下端部21Bに障害物40が当接すると、スクリーン20のうち、障害物40が当接した部分の近傍には上下方向に弛んだ部分20Fが生じると共に、袋部21の内部の底部にあったフラットバー22は、袋部21の内部を上方向に移動することになる。これにより、障害物40がフラットバー22から受ける衝撃は、袋部21の内部に各フラットバー22が上方向に移動可能な空間が形成されていない場合と比較して小さいものとなる。
図12は、図11のS11−S11線断面図であり、図4と同様のガイドレール30の縦断面図である。
前述したように、スクリーン20の袋部21の下端部21Bに障害物40が当接すると、スクリーン20のうち、障害物40が当接した部分の近傍には上下方向に弛んだ部分20Fが生じるが、この弛んだ部分20Fは、図11に示すように、スクリーン20の幅方向の端部20Cにも生じるおそれがある。さらに、スクリーン20の幅方向の端部20Cの上端部である袋部20Dも弛むおそれがある。言い換えると、スクリーン20の幅方向の端部20Cにおけるスラット連設体13とスクリーン20との連結部の近傍も弛むおそれがある。
しかし、本実施形態では、図12及び図5に示すように、スクリーン20の幅方向の端部20Cの上端部となっている袋部20Dの幅方向の端部20Eのうち、柱状部材35と対向する側の部分である補助スクリーン28の幅方向の端部28Cと、柱状部材35との間には、板ばね36が配置されている。すなわち、シャッターカーテン11の厚さ方向におけるスクリーン20の幅方向の端部20Cであって、スラット連設体13とスクリーン20との連結部となっている連結部材25の近傍と、柱状部材35との間には、板ばね36が配置されている。
このため、図12に示されているように、シャッターカーテン11の閉じ移動中に、スクリーン20の袋部21の閉じ側の端部21Bに障害物40が当接し、スクリーン20の袋部20Dの幅方向の端部20Eが弛んでも、板ばね36の存在により、この弛んだ部分が、柱状部材35の上面部35Aで引っ掛かることが防止される。したがって、本実施形態では、板ばね36が、シャッターカーテン11の閉じ移動中におけるスクリーン20の袋部20Dの幅方向の端部20Eと柱状部材35との引っ掛かりを防止するための引っ掛かり防止部材となっている。
これにより、スクリーン20の袋部20Dの幅方向の端部20Eが、スラット連設体13の閉じ側の端部であるカバー部材15の下面部15Cと、開口幅調整部である柱状部材35の開き側の端部である上面部35Aとの間に挟まれることが防止されるようになる。この結果、スクリーン20の幅方向の端部20Cが、ガイドレール30の内部で降下不良を起こすことが防止されるようになる。なお、図11において、障害物40が取り除かれると、フラットバー22は、自重でもとの位置である袋部21の内部の底部に戻り、この結果、スクリーン20のうち、障害物40が当接していた部分及びその近傍は、自重で全閉位置又は略全閉位置に達する。
図13には、図12に示されているスクリーン20に引っ掛かり防止部材である板ばね36を設けなかった場合のスクリーン20の状態が示されている。なお、この図13では、図12のように、スクリーン20の袋部21の幅方向の端部21Aのうち、柱状部材35側の部分には、板ばね37は取り付けられていない。
この図13に示されているように、引っ掛かり防止部材である板ばね36が設けられていないスクリーン20の袋部20Dの幅方向の端部20Eは、大きく弛んだ部分20Gとなり、この弛んだ部分20Gは、柱状部材35の上面部35Aに引っ掛かることになる。そして、障害物40が取り除かれないままシャッターカーテン11が全閉位置又は略全閉位置まで達すると、袋部20Dの弛んだ部分20Gは、カバー部材15の下面部15Cと、柱状部材35の上面部35Aとの間に挟まれる。このため、この後、障害物40が取り除かれたとしても、スクリーン20は半開放状態のままとなってしまう。
以上説明した本実施形態によると、閉じ移動中のシャッターカーテン11のスクリーン20が障害物40に当接しても、この後、スクリーン20が全閉位置又は略全閉位置に達するまで円滑に閉じ移動ができるようになる。すなわち、スクリーン20は、従来のシャッター装置のように降下不良を起こすことなく、より円滑に全閉位置又は略全閉位置に達するまで閉じ移動できるようになる。
また、本実施形態では、引っ掛かり防止部材である板ばね36の閉じ側の端部36Aは、シャッターカーテン11の閉じ移動方向に向かって延びるにしたがい、スクリーン20側に近づく側へ傾斜している傾斜部36Aとなっている。言い換えると、板ばね36の閉じ側の端部36Aは、スクリーン20側へ斜め下向きに折り曲げられた傾斜部36Aとなっている。
このため、本実施形態によると、板ばね36が開口幅調整部である柱状部材35の上面部35Aで引っ掛かることがより確実に防止されるようになる。これにより、板ばね36は、スクリーン20の袋部20Dの幅方向の端部20Eと共に、板状部材25により幅寸法が狭くなっているガイドレール30の開口部31に、より確実にかつスムーズに進入することができるようになる。言い換えると、板ばね36は、スクリーン20の袋部20Dの幅方向の端部20Eと共に、ガイドレール30の開口部31の内側面と、柱状部材35の上面部35Aとの間をより確実かつスムーズに通過することができる。
また、本実施形態によると、障害物との当接でスクリーン20の幅方向の端部20Cに弛みが生じても、図12に示すように、この弛んだ部分20Fが板ばね36の傾斜部36Aの先端部(下端部)に当接することで、弛んだ部分20Fがスクリーン20の閉じ移動方向に押される。これにより、スクリーン20の幅方向の端部20Cのうち、板ばね36の傾斜部36Aの先端部よりも上側の部分(言い換えると、シャッターカーテン11の開き側の部分)で弛みが発生しにくくなる。
なお、本実施形態において、板ばね36の傾斜部36Aの先端部の位置は、スクリーン20に近接した位置となっていることが好ましい。これは、傾斜部36Aの先端部の位置がスクリーン20から離れすぎていると、スクリーンの弛みの修正がされにくくなるためである。
なお、本実施形態では、引っ掛かり防止部材が、表面が滑面である板ばね36となっているので、シャッターカーテン11の閉じ移動中において、板ばね36が柱状部材35の側面等に当接しても、この当接の際に発生する摩擦をより軽減することができる。
また、本実施形態では、引っ掛かり防止部材が板ばね36となっているので、シャッターカーテン11の閉じ移動中において、板ばね36が柱状部材35の側面等に当接しても、この当接により板ばね36には柱状部材35から遠ざかる方向への反発力となるばね力が蓄圧される。これにより、板ばね36は、この蓄圧されたばね力で当接していた柱状部材35からすぐに離れるようになる。
また、本実施形態では、図6に示されているように、スクリーン20の下端部20Bに形成された袋部21の幅方向の端部21Aのうち、柱状部材35と対向する側の部分には、閉じ側の端部37Aが屈曲したカバー部材となっている板ばね37が取り付けられている。
このため、本実施形態によると、シャッターカーテン11の閉じ移動中において、スクリーン20の袋部21の幅方向の端部21Aが、柱状部材35の側面等に当接しても、この当接の際に発生する摩擦をより軽減することができる。
また、本実施形態によると、板ばね37の閉じ側の端部37Aが屈曲しているため、スクリーン20の袋部21の幅方向の端部21Aにおける閉じ側の端部21B(下端部21B)は、衝撃や摩擦から保護されるようになる。
図14は、別実施形態に係るスクリーン20の閉じ側の端部の縦断面図であり、シャッターカーテン11が全閉位置又は略全閉位置に達する前の状態を示す図である。この図14に示されているように、スクリーン20の閉じ側の端部は、前述の実施形態と同様に、袋部21となっているが、本実施形態では、さらに、袋部21の外側には、この袋部21よりも大きい上下寸法を有し、上端部が袋部21の上端部に接着又は縫着された袋部50が配置されている。この図14に示されているように、シャッターカーテン11が全閉位置又は略全閉位置に達する前は、袋部21の閉じ側の端部21Bと、袋部50の下部51との間には空間が形成されている。
なお、袋部21と同様に薄厚部材である可撓性のシートで形成された袋部50の左右方向の寸法である幅寸法は、図1に示す左右のガイドレール30間の距離Lと同じ又は略同じ寸法となっている。すなわち、スクリーン20のうち、左右のガイドレール30から露出している部分の幅寸法と同じ又は略同じ寸法となっている。
図15には、シャッターカーテン11が全閉位置又は略全閉位置に達したときのスクリーン20の閉じ側の端部の縦断面図が示されている。この図15に示すように、シャッターカーテン11が全閉位置又は略全閉位置に達したときには、スクリーン20の袋部21の閉じ側の端部21Bは、内部のフラットバー22と共に、袋部50を挟んで床面2Aに着床した状態となっている。一方、袋部50のうち、シャッターカーテン11の閉じ移動中において袋部21の閉じ側の端部21Bから垂下していた下部51は、図15に示すように、スクリーン20の厚さ方向外側に袴状に広がり、この広がった部分が床面2Aに着床することになる。この結果、全閉状態又は略全閉状態のスクリーン20に対してこのスクリーン20の厚さ方向への人力や風圧等の外力が加わっても、スクリーン20の閉じ側の端部は、前述の実施形態と比較して捲り上がりにくくなる。このため、シャッターカーテン11が全閉位置又は略全閉位置に達したときのスクリーン20の密閉性は、前述の実施形態のスクリーン20と比較してより高いものとなる。