JP2009126944A - 粘着シート及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】被着体に貼付する際に、空気が抜けやすく、かつ位置調整が容易であって、粘着剤層の凸部形状に起因する凹凸が現れることがなく、良好な外観が得られる粘着シート、及びこの粘着シートを効率よく製造する方法を提供する。
【解決手段】基材シートの少なくとも一方の表面に、複数の独立した凸状部を有する粘着剤層が設けられてなる粘着シートであって、前記粘着剤層において、被着体と接する凸状部が内部に空洞を有し、かつその上面に形成された開口部により、外部に連通してなる粘着シート、及び表面に凹凸形状転写面を有する剥離処理層が設けられた剥離シートの該剥離処理層上に、上記凹凸形状における凹部の深さよりも小さい厚みの粘着剤層を形成したのち、該粘着剤層に基材シートを貼合する前記粘着シートの製造方法である。
【選択図】図2
【解決手段】基材シートの少なくとも一方の表面に、複数の独立した凸状部を有する粘着剤層が設けられてなる粘着シートであって、前記粘着剤層において、被着体と接する凸状部が内部に空洞を有し、かつその上面に形成された開口部により、外部に連通してなる粘着シート、及び表面に凹凸形状転写面を有する剥離処理層が設けられた剥離シートの該剥離処理層上に、上記凹凸形状における凹部の深さよりも小さい厚みの粘着剤層を形成したのち、該粘着剤層に基材シートを貼合する前記粘着シートの製造方法である。
【選択図】図2
Description
本発明は、粘着シート及びその製造方法に関する。さらに詳しくは、本発明は、内部に空洞を有し、かつその上面に形成された開口部により、外部に連通する、複数の独立した凸状部が設けられた粘着剤層を有し、被着体に貼付する際に空気が抜けやすく、かつ位置調整が容易であって、スキージで圧着して貼付する場合、該凸状部内部の空洞が潰れるため、基材表面に粘着剤層の凸部形状に起因する凹凸が現れることがなく、良好な外観が得られる粘着シート、及びこの粘着シートを効率よく製造する方法に関するものである。
従来、粘着シートは、一般に、基材シートと、その表面に形成された粘着剤層と、通常その上に設けられる剥離シートとから構成されている。そして、使用の際は、剥離シートを剥がし、粘着剤層が被着体に接するように貼付することが行われている。
しかしながら、この粘着シートの面積がある程度広い場合、粘着剤層と被着体との間に空気の溜まりが残留しやすく、この空気の溜まりの部分が、いわゆる「ふくれ」となって、貼付された粘着シートの表面側に膨出物が生じ、粘着シートをきれいに貼付することができにくいという問題があった。そのため、一旦貼付したものを剥がし、貼付をやりなおす方法や、ガラスなどの被着体に貼付する場合には、界面活性剤含有水溶液で被着面を濡らし、粘着シートを貼付し乾燥させる方法など、煩雑な処置が採られていた。
そこで、このような問題を解決するために、例えば、空気を貼り込むことなく、容易に貼り付けできる粘着シートとして、表面シートと、独立した多数の小凸部を有する粘着層と、小凸部に対応して密着する独立した多数の小凹部を有する剥離紙から構成される粘着加工シート(例えば、特許文献1参照)が使用されてきた。しかしながら、このような粘着加工シートにおいては、被着体に貼付する場合、小凸部以外の部分と被着体との隙間から、空気が抜けるため、いわゆる「ふくれ」が発生することはないが、基材表面に粘着剤層の凸部に起因する凹凸が現れ、外観が悪くなるという欠点があった。
実開平6−20043号公報
しかしながら、この粘着シートの面積がある程度広い場合、粘着剤層と被着体との間に空気の溜まりが残留しやすく、この空気の溜まりの部分が、いわゆる「ふくれ」となって、貼付された粘着シートの表面側に膨出物が生じ、粘着シートをきれいに貼付することができにくいという問題があった。そのため、一旦貼付したものを剥がし、貼付をやりなおす方法や、ガラスなどの被着体に貼付する場合には、界面活性剤含有水溶液で被着面を濡らし、粘着シートを貼付し乾燥させる方法など、煩雑な処置が採られていた。
そこで、このような問題を解決するために、例えば、空気を貼り込むことなく、容易に貼り付けできる粘着シートとして、表面シートと、独立した多数の小凸部を有する粘着層と、小凸部に対応して密着する独立した多数の小凹部を有する剥離紙から構成される粘着加工シート(例えば、特許文献1参照)が使用されてきた。しかしながら、このような粘着加工シートにおいては、被着体に貼付する場合、小凸部以外の部分と被着体との隙間から、空気が抜けるため、いわゆる「ふくれ」が発生することはないが、基材表面に粘着剤層の凸部に起因する凹凸が現れ、外観が悪くなるという欠点があった。
本発明は、このような事情のもとで、被着体に貼付する際に、空気が抜けやすく、かつ位置調整が容易であって、粘着剤層の凸部形状に起因する凹凸が現れることがなく、良好な外観が得られる粘着シート、及びこの粘着シートを効率よく製造する方法を提供することを目的とする。
本発明者は、前記目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、下記の知見を得た。
内部に空洞を有し、かつその上面に形成された開口部により、外部に連通する、複数の独立した凸状部が設けられた粘着剤層を有する粘着シートは、被着体に貼付する際に空気が抜けやすく、かつ被着体との接触面積が小さいために位置調整が容易であって、スキージで圧着して貼付する場合、該凸状部内部の空洞が潰れるため、基材表面に粘着剤層の凸部形状に起因する凹凸が現れることがなく、良好な外観が得られることを見出した。
また、このような粘着シートは、表面に凹凸形状転写面を有する剥離処理層が設けられた剥離シートを用い、その剥離処理層上に、上記凹凸形状における凹部の深さよりも小さい厚みの粘着剤層を形成したのち、該粘着剤層に基材シートを貼合することにより、作製し得ることを見出した。
本発明は、かかる知見に基づいて完成したものである。
すなわち、本発明は、
[1]基材シートの少なくとも一方の表面に、複数の独立した凸状部を有する粘着剤層が設けられてなる粘着シートであって、
前記粘着剤層において、被着体と接する凸状部が内部に空洞を有し、かつその上面に形成された開口部により、外部に連通していることを特徴とする粘着シート、
[2]被着体と接する全凸状部の50%以上が内部に空洞を有し、かつ上面に開口部を有する上記[1]項に記載の粘着シート、
[3]被着体と接する各凸状部における底面の面積の合計が、粘着剤層面積の10〜90%である上記[1]又は[2]項に記載の粘着シート、
[4]被着体と接する凸状部の形状が、高さ5〜250μmの略半球状又は略カマボコ状であって、略半球状である場合は、底面の直径が50〜1500μmであり、略カマボコ状である場合は、底面の長径が100〜2000μm、短径が50〜1000μmである上記[1]〜[3]項のいずれかに記載の粘着シート、
[5]被着体と接する凸状部において、隣り合う凸状部間の最短距離が1〜2000μmである上記[1]〜[4]項のいずれかに記載の粘着シート、
[6]被着体に貼合した場合、粘着剤層の厚みが5〜200μmとなる上記[1]〜[5]項のいずれかに記載の粘着シート、及び
[7]上記[1]〜[6]項のいずれかに記載の粘着シートの製造方法であって、表面に凹凸形状転写面を有する剥離処理層が設けられた剥離シートの該剥離処理層上に、上記凹凸形状における凹部の深さよりも小さい厚みの粘着剤層を形成したのち、該粘着剤層に基材シートを貼合することを特徴とする粘着シートの製造方法、
を提供するものである。
内部に空洞を有し、かつその上面に形成された開口部により、外部に連通する、複数の独立した凸状部が設けられた粘着剤層を有する粘着シートは、被着体に貼付する際に空気が抜けやすく、かつ被着体との接触面積が小さいために位置調整が容易であって、スキージで圧着して貼付する場合、該凸状部内部の空洞が潰れるため、基材表面に粘着剤層の凸部形状に起因する凹凸が現れることがなく、良好な外観が得られることを見出した。
また、このような粘着シートは、表面に凹凸形状転写面を有する剥離処理層が設けられた剥離シートを用い、その剥離処理層上に、上記凹凸形状における凹部の深さよりも小さい厚みの粘着剤層を形成したのち、該粘着剤層に基材シートを貼合することにより、作製し得ることを見出した。
本発明は、かかる知見に基づいて完成したものである。
すなわち、本発明は、
[1]基材シートの少なくとも一方の表面に、複数の独立した凸状部を有する粘着剤層が設けられてなる粘着シートであって、
前記粘着剤層において、被着体と接する凸状部が内部に空洞を有し、かつその上面に形成された開口部により、外部に連通していることを特徴とする粘着シート、
[2]被着体と接する全凸状部の50%以上が内部に空洞を有し、かつ上面に開口部を有する上記[1]項に記載の粘着シート、
[3]被着体と接する各凸状部における底面の面積の合計が、粘着剤層面積の10〜90%である上記[1]又は[2]項に記載の粘着シート、
[4]被着体と接する凸状部の形状が、高さ5〜250μmの略半球状又は略カマボコ状であって、略半球状である場合は、底面の直径が50〜1500μmであり、略カマボコ状である場合は、底面の長径が100〜2000μm、短径が50〜1000μmである上記[1]〜[3]項のいずれかに記載の粘着シート、
[5]被着体と接する凸状部において、隣り合う凸状部間の最短距離が1〜2000μmである上記[1]〜[4]項のいずれかに記載の粘着シート、
[6]被着体に貼合した場合、粘着剤層の厚みが5〜200μmとなる上記[1]〜[5]項のいずれかに記載の粘着シート、及び
[7]上記[1]〜[6]項のいずれかに記載の粘着シートの製造方法であって、表面に凹凸形状転写面を有する剥離処理層が設けられた剥離シートの該剥離処理層上に、上記凹凸形状における凹部の深さよりも小さい厚みの粘着剤層を形成したのち、該粘着剤層に基材シートを貼合することを特徴とする粘着シートの製造方法、
を提供するものである。
本発明の粘着シートは、内部に空洞を有し、かつその上面に形成された開口部により、外部に連通する、複数の独立した凸状部が設けられた粘着剤層を有し、被着体に貼付する際に空気が抜けやすく、かつ被着体との接触面積が小さいために位置調整が容易であって、スキージで圧着して貼付する場合、該凸状部内部の空洞が潰れるため、基材表面に粘着剤層の凸部形状に起因する凹凸が現れることがなく、良好な外観が得られる。
本発明の粘着シートは、基材シートの少なくとも一方の表面に、複数の独立した特定の性状をもつ凸状部を有する粘着剤層が形成されている。
[粘着剤層]
(形状)
当該粘着剤層には、複数の独立した凸状部が設けられており、この凸状部は、被着体上に当該粘着シートを載置した際に、実質上被着体と接する凸状部群のみであってもよく、また、被着体と接する凸状部群と、それよりも高さが低くて被着体と接しない小凸状部群とが混在していてもよい。
上記被着体と接しない小凸状部群は通常、被着体と接する凸状部と凸状部との間の平坦部に形成される。
本発明においては、基材表面の外観の観点から、被着体と接する全凸状部の、好ましくは50%以上、より好ましくは60%以上、さらに好ましくは80%以上が、内部に空洞を有し、かつその上面に形成された開口部により、外部に連通している。
なお、被着体に接する凸状部を、内部に空洞を有し、かつその上面に形成された開口部により、外部に連通した構造とする方法については、後述する本発明の粘着シートの製造方法において説明する。
また、本発明においては、位置調整の容易性の観点から、被着体と接する各凸状部における底面の面積の合計が、粘着剤層面積の10〜90%であることが好ましく、15〜85%であることがより好ましい。
[粘着剤層]
(形状)
当該粘着剤層には、複数の独立した凸状部が設けられており、この凸状部は、被着体上に当該粘着シートを載置した際に、実質上被着体と接する凸状部群のみであってもよく、また、被着体と接する凸状部群と、それよりも高さが低くて被着体と接しない小凸状部群とが混在していてもよい。
上記被着体と接しない小凸状部群は通常、被着体と接する凸状部と凸状部との間の平坦部に形成される。
本発明においては、基材表面の外観の観点から、被着体と接する全凸状部の、好ましくは50%以上、より好ましくは60%以上、さらに好ましくは80%以上が、内部に空洞を有し、かつその上面に形成された開口部により、外部に連通している。
なお、被着体に接する凸状部を、内部に空洞を有し、かつその上面に形成された開口部により、外部に連通した構造とする方法については、後述する本発明の粘着シートの製造方法において説明する。
また、本発明においては、位置調整の容易性の観点から、被着体と接する各凸状部における底面の面積の合計が、粘着剤層面積の10〜90%であることが好ましく、15〜85%であることがより好ましい。
次に、当該粘着剤層における被着体に接する凸状部の形状について、添付図面に従って説明する。
図1は、当該粘着剤層の1例の平面模式図を示し、図2は、上記平面模式図における凸状部の中心線縦断面模式図を示す。
図1及び図2において、1は、内部に空洞部4を有し、かつ上面に形成された開口部2により外部に連通してなる凸状部を示す。3は、隣り合う凸状部1間の平坦部を示し、5は基材シートを示す。
本発明においては、被着体と接する凸状部の形状については特に制限はないが、略半球状又は略カマボコ状であることが好ましい。また、空洞形成性の観点から、高さhは5〜250μm程度、好ましくは20〜200μmであって、略半球状の場合は、底面の直径が50〜1500μm程度、好ましくは100〜1000μmであり、略カマボコ状である場合は、底面の長径が100〜2000μm程度、好ましくは200〜1500μm、短径が50〜1000μm程度、好ましくは100〜700μmである。
被着体と接する凸状部における外殻の平均厚さbは、空洞形成性の観点から、5〜200μm程度、好ましくは10〜100μmである。
また、被着体と接する凸状部において、隣り合う凸状部間の最短距離aは、空気抜け性の観点から、1〜2000μm程度、好ましくは2〜1500μmである。
被着体と接する凸状部群において、隣り合う凸状部間の平坦部3には、前述したように、被着体と接しない小凸状部が形成されていてもよく、該小凸状部は空洞を有していてもよいし、有してなくてもよい。この平坦部3の厚さcは、通常5〜200μm程度、好ましくは10〜100μmである。
さらに、本発明の粘着シートを被着体に貼合した場合、粘着剤層の厚みは、被着体との密着性及び凸状部の空洞形成性のバランスの観点から、通常5〜200μm程度、好ましくは10〜100μmである。
図1は、当該粘着剤層の1例の平面模式図を示し、図2は、上記平面模式図における凸状部の中心線縦断面模式図を示す。
図1及び図2において、1は、内部に空洞部4を有し、かつ上面に形成された開口部2により外部に連通してなる凸状部を示す。3は、隣り合う凸状部1間の平坦部を示し、5は基材シートを示す。
本発明においては、被着体と接する凸状部の形状については特に制限はないが、略半球状又は略カマボコ状であることが好ましい。また、空洞形成性の観点から、高さhは5〜250μm程度、好ましくは20〜200μmであって、略半球状の場合は、底面の直径が50〜1500μm程度、好ましくは100〜1000μmであり、略カマボコ状である場合は、底面の長径が100〜2000μm程度、好ましくは200〜1500μm、短径が50〜1000μm程度、好ましくは100〜700μmである。
被着体と接する凸状部における外殻の平均厚さbは、空洞形成性の観点から、5〜200μm程度、好ましくは10〜100μmである。
また、被着体と接する凸状部において、隣り合う凸状部間の最短距離aは、空気抜け性の観点から、1〜2000μm程度、好ましくは2〜1500μmである。
被着体と接する凸状部群において、隣り合う凸状部間の平坦部3には、前述したように、被着体と接しない小凸状部が形成されていてもよく、該小凸状部は空洞を有していてもよいし、有してなくてもよい。この平坦部3の厚さcは、通常5〜200μm程度、好ましくは10〜100μmである。
さらに、本発明の粘着シートを被着体に貼合した場合、粘着剤層の厚みは、被着体との密着性及び凸状部の空洞形成性のバランスの観点から、通常5〜200μm程度、好ましくは10〜100μmである。
このような形状の粘着剤層を有する本発明の粘着シートは、下記の効果を奏する。
(1)被着体に貼付する際に空気が抜けやすく、かつ被着体との接触面積が小さいために、位置調整が容易である。
(2)当該粘着シートをスキージで圧着して被着体に貼付した場合、凸状部内部の空洞が潰れるため、基材表面に粘着剤層の凸部形状に起因する凹凸が現れることがなく、外観が優れるものとなる。
(1)被着体に貼付する際に空気が抜けやすく、かつ被着体との接触面積が小さいために、位置調整が容易である。
(2)当該粘着シートをスキージで圧着して被着体に貼付した場合、凸状部内部の空洞が潰れるため、基材表面に粘着剤層の凸部形状に起因する凹凸が現れることがなく、外観が優れるものとなる。
(粘着剤)
当該粘着剤層の形成に用いられる粘着剤としては特に制限はなく、従来粘着シートの粘着剤層に慣用されているものの中から、任意のものを適宜選択して用いることができる。例えばアクリル系粘着剤、ゴム系粘着剤、シリコーン系粘着剤、ポリウレタン系粘着剤及びポリエステル系粘着剤などを用いることができる。また、エマルション型、溶剤型または無溶剤型のいずれでもよく、架橋型または非架橋型のいずれであってもよい。
当該粘着剤層の形成に用いられる粘着剤としては特に制限はなく、従来粘着シートの粘着剤層に慣用されているものの中から、任意のものを適宜選択して用いることができる。例えばアクリル系粘着剤、ゴム系粘着剤、シリコーン系粘着剤、ポリウレタン系粘着剤及びポリエステル系粘着剤などを用いることができる。また、エマルション型、溶剤型または無溶剤型のいずれでもよく、架橋型または非架橋型のいずれであってもよい。
[基材シート]
本発明の粘着シートに用いる基材シートとしては、特に制限はなく、従来粘着剤層を有する粘着シートなどの基材シートとして慣用されている各種のプラスチックシートや紙類などを用いることができる。上記材料の表面には印刷、印字、蒸着、スパッタリング等の装飾層や、ハードコート、汚染防止コート、光沢度調整コート等の機能層が形成されてもよい。
このプラスチックシートとしては、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、各種オレフィン系共重合体などのポリオレフィン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリテトラフルオロエチレンなどのフッ素系樹脂、ポリブテン、ポリブタジエン、ポリメチルペンテン、エチレン酢酸ビニル共重合体、エチレン(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン(メタ)アクリル酸エステル共重合体、ABS樹脂、アイオノマー樹脂;ポリオレフィン、ポリウレタン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリエステル等の成分を含む熱可塑性エラストマー及びこれらの樹脂の混合物又は積層物からなるシートを挙げることができる。
本発明の粘着シートに用いる基材シートとしては、特に制限はなく、従来粘着剤層を有する粘着シートなどの基材シートとして慣用されている各種のプラスチックシートや紙類などを用いることができる。上記材料の表面には印刷、印字、蒸着、スパッタリング等の装飾層や、ハードコート、汚染防止コート、光沢度調整コート等の機能層が形成されてもよい。
このプラスチックシートとしては、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、各種オレフィン系共重合体などのポリオレフィン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリテトラフルオロエチレンなどのフッ素系樹脂、ポリブテン、ポリブタジエン、ポリメチルペンテン、エチレン酢酸ビニル共重合体、エチレン(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン(メタ)アクリル酸エステル共重合体、ABS樹脂、アイオノマー樹脂;ポリオレフィン、ポリウレタン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリエステル等の成分を含む熱可塑性エラストマー及びこれらの樹脂の混合物又は積層物からなるシートを挙げることができる。
また、これらプラスチックシートは、その上に設けられる粘着剤層、印刷層やインク受理層などの層との密着性を向上させるために、所望により酸化法や凹凸化法などの表面処理を施すことができる。上記酸化法としては、例えばコロナ放電処理、プラズマ処理、クロム酸処理(湿式)、火炎処理、熱風処理、オゾン・紫外線照射処理などが挙げられ、また、凹凸化法としては、例えばサンドブラスト法、溶剤処理法などが挙げられる。これらの表面処理法はフィルムの種類に応じて適宜選ばれるが、一般にはコロナ放電処理法が効果及び操作性などの面から、好ましく用いられる。また、プライマー層を設けるプライマー処理を施すこともできる。
紙類としては、上質紙、アート紙、コート紙、クラフト紙などが用いられる。基材シートに紙類を用いる場合、坪量は、通常40〜120g/m2の範囲で選定される。
また、基材シートにプラスチックシートを用いる場合、その厚さは特に制限はないが、通常20〜500μm、好ましくは30〜300μmの範囲で選定される。
紙類としては、上質紙、アート紙、コート紙、クラフト紙などが用いられる。基材シートに紙類を用いる場合、坪量は、通常40〜120g/m2の範囲で選定される。
また、基材シートにプラスチックシートを用いる場合、その厚さは特に制限はないが、通常20〜500μm、好ましくは30〜300μmの範囲で選定される。
[粘着シートの製造方法]
本発明の粘着シートの製造方法は、表面に凹凸形状転写面を有する剥離処理層が設けられた剥離シートの該剥離処理層上に、上記凹凸形状における凹部の深さよりも小さい厚みの粘着剤層を形成したのち、該粘着剤層に基材シートを貼合することにより、前述した本発明の粘着シートを製造することを特徴とする。
本発明の方法においては、まず、剥離シート用基材の表面に設けられたポリエチレン層などの樹脂層に、エンボスロールなどを用いる従来公知の方法により、所定形状の凹部を形成し、さらに剥離処理剤を塗布することによって形状転写面を設ける。次いで、凹凸形状転写面が設けられた剥離シートの剥離処理層上に、粘着剤層を従来公知の方法により形成し、剥離シート付粘着剤層を作製する。
本発明においては、上記粘着剤層を形成するに際し、凹凸形状転写面における凹部の深さよりも、小さい厚みの粘着剤層を形成する。これは、形成される粘着剤層の凸状部内部に所望の空洞を形成させるためである。開口部形成の機構については、後で説明する。
次に、上記剥離シート付き粘着剤層に基材シートを貼合することにより、該粘着剤層を基材シートに転写する。このようにして、内部に空洞を有し、かつその上面に形成された開口部により、外部に連通してなる凸状部が設けられた粘着剤層をもつ本発明の粘着シートを製造することができる。使用する際には、該剥離シートを剥がし、粘着剤層を被着体に当接し、スキージや指などで圧をかけながら貼ることにより、空気が抜け出し、空気溜まりが発生することがなく、かつ凸状部内部の空洞が潰れ、密着性よくきれいに貼付することができる。また、貼付後の粘着シートは、基材シート表面に凹みなどが生じたり、凹凸構造が浮き出たりして、外観が損なわれることもない。
本発明の粘着シートの製造方法は、表面に凹凸形状転写面を有する剥離処理層が設けられた剥離シートの該剥離処理層上に、上記凹凸形状における凹部の深さよりも小さい厚みの粘着剤層を形成したのち、該粘着剤層に基材シートを貼合することにより、前述した本発明の粘着シートを製造することを特徴とする。
本発明の方法においては、まず、剥離シート用基材の表面に設けられたポリエチレン層などの樹脂層に、エンボスロールなどを用いる従来公知の方法により、所定形状の凹部を形成し、さらに剥離処理剤を塗布することによって形状転写面を設ける。次いで、凹凸形状転写面が設けられた剥離シートの剥離処理層上に、粘着剤層を従来公知の方法により形成し、剥離シート付粘着剤層を作製する。
本発明においては、上記粘着剤層を形成するに際し、凹凸形状転写面における凹部の深さよりも、小さい厚みの粘着剤層を形成する。これは、形成される粘着剤層の凸状部内部に所望の空洞を形成させるためである。開口部形成の機構については、後で説明する。
次に、上記剥離シート付き粘着剤層に基材シートを貼合することにより、該粘着剤層を基材シートに転写する。このようにして、内部に空洞を有し、かつその上面に形成された開口部により、外部に連通してなる凸状部が設けられた粘着剤層をもつ本発明の粘着シートを製造することができる。使用する際には、該剥離シートを剥がし、粘着剤層を被着体に当接し、スキージや指などで圧をかけながら貼ることにより、空気が抜け出し、空気溜まりが発生することがなく、かつ凸状部内部の空洞が潰れ、密着性よくきれいに貼付することができる。また、貼付後の粘着シートは、基材シート表面に凹みなどが生じたり、凹凸構造が浮き出たりして、外観が損なわれることもない。
(凸状部上面の開口部形成機構)
本発明において、粘着剤層における凸状部の上面に開口部が形成される機構については、必ずしも明確ではないが、以下に示すように、推測される。
図3は、粘着剤層における凸状部の上面に開口部が形成される機構を説明するための模式図であって、まず、凹凸形状転写面を有する剥離シート11上に、粘着剤層12を塗布すると剥離シート11の凹部14に気泡13が巻き込まれる。[(a)図]。粘着剤層12が自重によって、凹部の表面に追従するとともに、気泡13aの上面部分の厚さがうすくなる[(b)図]。やがて、気泡の上面部分の粘着剤層が開口して開口部2が形成される。
このようにして得られた剥離シート付き粘着剤層[(c)図]に基材シート5を貼合し、剥離シートを剥離すると、図4の縦断面模式図で示されるように、粘着剤層において、内部に空洞部4を有し、かつその上面に形成された開口部2により外部に連通してなる凸状部1が形成される。
本発明において、粘着剤層における凸状部の上面に開口部が形成される機構については、必ずしも明確ではないが、以下に示すように、推測される。
図3は、粘着剤層における凸状部の上面に開口部が形成される機構を説明するための模式図であって、まず、凹凸形状転写面を有する剥離シート11上に、粘着剤層12を塗布すると剥離シート11の凹部14に気泡13が巻き込まれる。[(a)図]。粘着剤層12が自重によって、凹部の表面に追従するとともに、気泡13aの上面部分の厚さがうすくなる[(b)図]。やがて、気泡の上面部分の粘着剤層が開口して開口部2が形成される。
このようにして得られた剥離シート付き粘着剤層[(c)図]に基材シート5を貼合し、剥離シートを剥離すると、図4の縦断面模式図で示されるように、粘着剤層において、内部に空洞部4を有し、かつその上面に形成された開口部2により外部に連通してなる凸状部1が形成される。
次に、本発明を実施例により、さらに詳細に説明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定されるものではない。
実施例1
110g/m2の上質紙にポリエチレンを80μmラミネートし、前記ポリエチレン側にエンボスロールを用いて図5に示す開口部直径300μm、深さ50μmの略半球状凹部と長径600μm、短径240μm、深さ120μmの略カマボコ状凹部の組み合せからなるパターンを形成し、さらにシリコーン樹脂を厚さ0.1μm塗布することによって、形状転写面を有する剥離シートを形成した。なお、図5は、略半球状凹部と略カマボコ状凹部が形成された形状転写面を有する剥離シートの倍率50の電子顕微鏡写真に基づき、凹部の境界線をトリミングした平面図である。符号22は略半球状凹部、23は略カマボコ状凹部である。
次いで、この剥離シートの剥離処理層上に、アクリル系粘着剤[日本合成化学工業社製、「コーポニールN−2147」100質量部、日本ポリウレタン工業社製「コロネートL」1質量部含有]に、トルエンを加えて固形分26質量%に調整したものを、ナイフコーターによりギャップ230μmで塗布し、90℃30秒の条件で乾燥することにより粘着剤層を形成したのち、この粘着剤層に、厚さ80μmのポリプロピレン合成紙[ユポ・コーポレーション社製、商品名「ユポSGS80」]を貼合した。これにより、図6に示す形状の内部に空洞を有し、かつその上面に形成された開口部より、外部に連通する凸状部群が設けられた粘着剤層を有する粘着シートを作製した。図6は、略カマボコ状凸状部の内部に空洞を有し、上面に開口部が形成された凸状部を有する粘着シートの倍率70の電子顕微鏡写真に基づき、凸部の境界線をトリミングした平面図である。
図6において、略半球状凸状部群24は内部の空洞がつぶれていたが略カマボコ状凸状部群25のうち99%は、内部に空洞を有し、上面に形成された開口部26により外部に連通し、被着体と接する凸状部を形成していた。なお、上記略半球状凸状部群24は、略カマボコ状凸状部群25に比べて、高さが低いので、被着体とは接しない。
略カマボコ状凸状部における底面の面積の合計は、約60%であり、底面の長径は約600μm、短径は約240μm、隣り合う凸状部間の最短距離は約50μm、外殻の平均厚みは約24μm、高さは約106μm、開口部の直径は約140μmであった。
なお、上記の寸法は走差型電子顕微鏡を用いて測定した。
次に、この粘着シートを100mm×100mmに裁断し、剥離シートを剥がしてメラミン塗装板にスキージにより圧着して貼付したところ、各凸状部の空洞が潰れ、エア溜まりができずに密着性よく貼付することができた。また、基材表面には、外観を損なうような凹凸形状は認められなかった。
実施例1
110g/m2の上質紙にポリエチレンを80μmラミネートし、前記ポリエチレン側にエンボスロールを用いて図5に示す開口部直径300μm、深さ50μmの略半球状凹部と長径600μm、短径240μm、深さ120μmの略カマボコ状凹部の組み合せからなるパターンを形成し、さらにシリコーン樹脂を厚さ0.1μm塗布することによって、形状転写面を有する剥離シートを形成した。なお、図5は、略半球状凹部と略カマボコ状凹部が形成された形状転写面を有する剥離シートの倍率50の電子顕微鏡写真に基づき、凹部の境界線をトリミングした平面図である。符号22は略半球状凹部、23は略カマボコ状凹部である。
次いで、この剥離シートの剥離処理層上に、アクリル系粘着剤[日本合成化学工業社製、「コーポニールN−2147」100質量部、日本ポリウレタン工業社製「コロネートL」1質量部含有]に、トルエンを加えて固形分26質量%に調整したものを、ナイフコーターによりギャップ230μmで塗布し、90℃30秒の条件で乾燥することにより粘着剤層を形成したのち、この粘着剤層に、厚さ80μmのポリプロピレン合成紙[ユポ・コーポレーション社製、商品名「ユポSGS80」]を貼合した。これにより、図6に示す形状の内部に空洞を有し、かつその上面に形成された開口部より、外部に連通する凸状部群が設けられた粘着剤層を有する粘着シートを作製した。図6は、略カマボコ状凸状部の内部に空洞を有し、上面に開口部が形成された凸状部を有する粘着シートの倍率70の電子顕微鏡写真に基づき、凸部の境界線をトリミングした平面図である。
図6において、略半球状凸状部群24は内部の空洞がつぶれていたが略カマボコ状凸状部群25のうち99%は、内部に空洞を有し、上面に形成された開口部26により外部に連通し、被着体と接する凸状部を形成していた。なお、上記略半球状凸状部群24は、略カマボコ状凸状部群25に比べて、高さが低いので、被着体とは接しない。
略カマボコ状凸状部における底面の面積の合計は、約60%であり、底面の長径は約600μm、短径は約240μm、隣り合う凸状部間の最短距離は約50μm、外殻の平均厚みは約24μm、高さは約106μm、開口部の直径は約140μmであった。
なお、上記の寸法は走差型電子顕微鏡を用いて測定した。
次に、この粘着シートを100mm×100mmに裁断し、剥離シートを剥がしてメラミン塗装板にスキージにより圧着して貼付したところ、各凸状部の空洞が潰れ、エア溜まりができずに密着性よく貼付することができた。また、基材表面には、外観を損なうような凹凸形状は認められなかった。
本発明の粘着シートは、被着体に貼付する際に、空気が抜けやすく、かつ位置調整が容易であって、粘着剤層の凸部形状に起因する凹凸が現れることがなく、良好な外観が得られる。
1 凸状部
2 凸状部上面の開口部
3 凸状部間の平坦部
4 空洞部
5 基材シート
11 剥離シート
12 粘着剤層
13、13a 気泡
22 略半球状凹部
23 略カマボコ状凹部
24 略半球状凸状部群
25 略カマボコ状凸状部群
26 開口部
2 凸状部上面の開口部
3 凸状部間の平坦部
4 空洞部
5 基材シート
11 剥離シート
12 粘着剤層
13、13a 気泡
22 略半球状凹部
23 略カマボコ状凹部
24 略半球状凸状部群
25 略カマボコ状凸状部群
26 開口部
Claims (7)
- 基材シートの少なくとも一方の表面に、複数の独立した凸状部を有する粘着剤層が設けられてなる粘着シートであって、
前記粘着剤層において、被着体と接する凸状部が内部に空洞を有し、かつその上面に形成された開口部により、外部に連通していることを特徴とする粘着シート。 - 被着体と接する全凸状部の50%以上が内部に空洞を有し、かつ上面に開口部を有する請求項1に記載の粘着シート。
- 被着体と接する各凸状部における底面の面積の合計が、粘着剤層面積の10〜90%である請求項1又は2に記載の粘着シート。
- 被着体と接する凸状部の形状が、高さ5〜250μmの略半球状又は略カマボコ状であって、略半球状である場合は、底面の直径が50〜1500μmであり、略カマボコ状である場合は、底面の長径が100〜2000μm、短径が50〜1000μmである請求項1〜3のいずれかに記載の粘着シート。
- 被着体と接する凸状部において、隣り合う凸状部間の最短距離が1〜2000μmである請求項1〜4のいずれかに記載の粘着シート。
- 被着体に貼合した場合、粘着剤層の厚みが5〜200μmとなる請求項1〜5のいずれかに記載の粘着シート。
- 請求項1〜6のいずれかに記載の粘着シートの製造方法であって、表面に凹凸形状転写面を有する剥離処理層が設けられた剥離シートの該剥離処理層上に、上記凹凸形状における凹部の深さよりも小さい厚みの粘着剤層を形成したのち、該粘着剤層に基材シートを貼合することを特徴とする粘着シートの製造方法。
Priority Applications (2)
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JP2007303364A JP2009126944A (ja) | 2007-11-22 | 2007-11-22 | 粘着シート及びその製造方法 |
PCT/JP2008/071754 WO2009066801A1 (ja) | 2007-11-22 | 2008-11-21 | 粘着シート及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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DE69432560T2 (de) * | 1993-10-29 | 2004-02-26 | Minnesota Mining And Mfg. Co., Saint Paul | Strukturierter klebeverschluss |
JP2000274421A (ja) * | 1999-03-25 | 2000-10-03 | Kimoto & Co Ltd | 吸盤貼着シート |
JP4825404B2 (ja) * | 2004-04-12 | 2011-11-30 | 王子タック株式会社 | 粘着シートおよびその製造方法 |
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2007
- 2007-11-22 JP JP2007303364A patent/JP2009126944A/ja active Pending
-
2008
- 2008-11-21 WO PCT/JP2008/071754 patent/WO2009066801A1/ja active Application Filing
Also Published As
Publication number | Publication date |
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WO2009066801A1 (ja) | 2009-05-28 |
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