JP2009126242A - タイヤ状態監視システム及びタイヤ状態監視システムの車体側装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】軽微な入力ミスであればそのミスによる照合不一致を排除してタイヤ識別情報と基準識別情報の間で認証を可能にするタイヤ状態監視システムを提供する。
【解決手段】タイヤ状態監視システムは、タイヤ側装置から送信されたタイヤIDを車体側装置で受信する。そして受信したタイヤIDと予め保持する基準IDとを照合することにより送信元のタイヤを特定すると共に特定したタイヤの状態情報に基づきタイヤの状態を監視する。タイヤIDをタイヤ側装置に登録するときに軽微な入力ミスが犯してタイヤIDと基準IDとに差異が生じた場合、差異レベル決定部42は入力ミスの程度を示す差異レベル値を算出する。そして、ID補正部44は差異レベル値が所定のしきい値未満の場合、基準IDを軽微な入力ミスのあったタイヤIDと一致するように補正して、両者の間で認証ができるようにする。
【選択図】図2
【解決手段】タイヤ状態監視システムは、タイヤ側装置から送信されたタイヤIDを車体側装置で受信する。そして受信したタイヤIDと予め保持する基準IDとを照合することにより送信元のタイヤを特定すると共に特定したタイヤの状態情報に基づきタイヤの状態を監視する。タイヤIDをタイヤ側装置に登録するときに軽微な入力ミスが犯してタイヤIDと基準IDとに差異が生じた場合、差異レベル決定部42は入力ミスの程度を示す差異レベル値を算出する。そして、ID補正部44は差異レベル値が所定のしきい値未満の場合、基準IDを軽微な入力ミスのあったタイヤIDと一致するように補正して、両者の間で認証ができるようにする。
【選択図】図2
Description
本発明は、タイヤ状態監視システム及びタイヤ状態監視システムの車体側装置、特にタイヤを識別するための識別情報を取り扱う技術に関する。
車両のタイヤを低圧状態や高温状態で長期間使用すると信頼性が損なわれることがある。また、乗り心地低下の原因になる場合もある。そのため、タイヤ個々の空気圧や温度その他の状態を適切に監視するタイヤ状態監視システムに関する技術が種々提案されている。タイヤ個々の状態の監視結果は、信頼性の変化予測、タイヤ交換やタイヤローテーションの時期の予測等のほか、アンチロックブレーキの最適制御やタイヤタイプの識別などへの応用が考えられている。
タイヤ個々の状態を知るために、各タイヤにセンサと送信機を設け、センサによって検出されるタイヤ内空気圧等の情報を送信機によって車体側の受信機へ伝える技術が知られている。この場合、車体側で受信した情報が自車のタイヤの送信機から送信されてきたものか、自車の周囲に存在する車両のタイヤの送信機から送信されてきたものかを正確に識別する必要がある。そのためタイヤ状態監視システムは、車両側装置と各タイヤ側装置がお互いに認識可能な同じ識別情報(ID)を用いて情報の送受信を行っている。つまり、タイヤ側送信機は取得した空気圧などの情報を送信するのに先立ちタイヤIDを送信する。車両側の装置は、送信されてきたタイヤIDと予め保持している基準IDとを照合して一致した場合には、自車のタイヤから情報の受信が可能であると判定する。車体側ではタイヤIDを参照することにより情報を送信してきたタイヤが左前輪、右前輪、左後輪、右後輪のいずれであるかを特定することができる。そして、タイヤ側で検出されたタイヤの状態情報に基づき、そのタイヤの状態を車両側の装置で監視したり管理したりしている(例えば、特許文献1参照)。
特開2006−275909号公報
上述のようなタイヤ状態監視システムでは、タイヤが交換されたり装着場所のローテーションが行われたときにIDの一致性が崩れることを防止する必要がある。そこで、例えば、工場やディーラで車体側装置に固定の基準IDを設定しておき、タイヤIDが基準IDと同じになるように後から各タイヤ側でIDの入力設定ができるようにしているものがある。従来、このようなIDは取り扱い易さや認識し易さの観点から数字やアルファベットを複数桁組み合わせて利用される場合が多い。例えば、16進数を用いた識別IDの場合、数字の「0」〜「9」までと、アルファベットの「A」〜「F」が用いられる。例えば、「112B015」などのIDが形成できる。
ところで、タイヤ側におけるこのようなIDの入力はキーパッドなどの入力装置を用いて手入力で行われる場合がある。この場合、入力すべきIDの読み取り間違いによる入力ミスや単純なキー操作ミスによる入力ミスなどの発生を完全に防止することは難しい。タイヤIDを間違って入力してしまうと、タイヤIDは車体側装置で受け入れられずに未受信エラーとなる。つまり、車体側装置とタイヤ側装置との間でID認証が不能になりタイヤ状態を監視することがでなくなる。一方、電波状態が悪かったり、車体側装置やタイヤ側装置に故障が発生した場合も同様な未受信エラーとして処理される。その結果、入力ミスで未受信エラーとなったのか電波状態の悪化や故障などで未受信エラーになったのか区別がし難く、未受信エラー解消のために安易に装置の交換が行われてしまうことが多かった。
本発明はこうした状況に鑑みてなされたものであり、その目的は、軽微な入力ミスによる照合不一致を排除してタイヤ識別情報と基準識別情報の間で認証を可能にして、未受信エラーの発生を低減できるタイヤ状態監視システムを提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明は、タイヤの状態を示す状態情報を送信するためにタイヤを識別させるためのタイヤ識別情報をタイヤ側装置から車体側装置に送信して、当該車体側装置において受信した前記タイヤ識別情報と予め保持する基準識別情報とを照合することにより送信元のタイヤを特定すると共に特定したタイヤの前記状態情報に基づきタイヤの状態を監視するタイヤ状態監視システムであって、前記タイヤ側装置は、前記タイヤ識別情報を登録する情報登録部と、前記状態情報を取得する情報取得部と、前記タイヤ識別情報と前記状態情報を前記車体側装置に送信する情報送信部と、を含み、前記車体側装置は、前記タイヤ識別情報と前記状態情報を受信する情報受信部と、前記基準識別情報を保持する基準識別情報保持部と、受信した前記タイヤ識別情報と保持している前記基準識別情報とを照合する情報照合部と、受信した前記タイヤ識別情報を構成する文字情報と前記基準識別情報を構成する文字情報に差異がある場合にその差異の程度を示す差異レベル値を決定する差異レベル決定部と、前記差異レベル値が所定のしきい値より小さい場合、差異が存在する前記タイヤ識別情報と前記基準識別情報とが一致するように前記基準識別情報を補正する情報補正部と、を含むことを特徴とする。
タイヤの状態を示す状態情報は、例えばタイヤ内の空気圧やタイヤ内の温度などとすることができる。この空気圧や温度はタイヤ内部に配置された情報取得部により取得される。なお、空気圧を測定する場合は車両の存在する標高などの影響を受けない絶対圧を測定することが望ましい。タイヤ識別情報はタイヤ固有の情報であり、数字やアルファベットなどの文字情報で構成することができる。タイヤ側装置は各タイヤに配置され、車体側装置は1車両に1台配置することができる。すなわち、1台の車体側装置で複数のタイヤ側装置からの情報を受信することになる。車体側装置の基準識別情報保持部は装着しているタイヤの数分の基準識別情報を保持している。例えば前後左右4輪分の基準識別情報を保持する。なお、スペアタイヤも監視範囲に含めることも可能であり、この場合は5輪分の基準識別情報を保持することになる。タイヤ側装置の情報登録部は、基準識別情報を参照してその情報をタイヤ識別情報としてキーパッドなどの入力装置を用いて登録する。なお、この登録は作業者により手入力されるので基準識別情報の読み取り時の認識間違いによる入力ミスや単純な入力操作ミスによる入力ミスを含む場合がある。情報送信部は、タイヤ識別情報と状態情報を一緒に送信することができる。差異レベル決定部は、受信したタイヤ識別情報の文字情報と基準識別情報の文字情報とに差異がある場合、その差異の大きさを表す差異レベル値を所定の基準に基づき決定する。情報補正部は差異レベル値が所定のしきい値より小さい場合、その差異は軽微な入力ミスによる差異であると判定し、基準識別情報を受信したタイヤ識別情報と一致するように補正する。
この態様によれば、タイヤ識別情報が軽微な入力ミスにより本来一致するべき基準識別情報と異なってしまった場合でも、基準識別情報を入力ミスのあったタイヤ識別情報に一致させる。その結果、タイヤ識別情報を送信してきたタイヤを自車のタイヤとして認識可能となり、タイヤ側装置からの送信された状態情報を自車の車輪から送られた正規の状態情報として車体側装置で扱うことができる。したがって、タイヤ識別情報の軽微な入力ミスによる照合不一致を排除してタイヤ識別情報と基準識別情報の間で認証を可能にして、タイヤ識別情報の入力ミスによる未受信エラーの発生を低減する。
また、上記態様において、前記差異レベル決定部は、所定の対応関係にある文字情報間の差異であれば、差異レベル値は小さいと決定し、所定の対応関係にない文字情報間の差異であれば、差異レベル値は大きいと決定するようにしてもよい。文字情報間に所定の対応関係があるか否かは、例えば予め定めた対応表に基づいて決定することができる。この態様によれば、一義的に差異レベル値の決定が可能になり基準識別情報の補正処理を一定の信頼性を維持した状態で実施できる。
また、上記態様において、前記差異レベル決定部は、前記所定の対応関係として前記タイヤ識別情報を登録するときに用いる複数種類の文字情報の線図形状が類似のもの同士の違いは差異レベル値が小さいと定義され、前記線図形状が非類似のもの同士の違いは差異レベル値が大きいと定義された定義データを参照して差異レベル値を決定し、前記情報補正部は、前記タイヤ識別情報を構成する文字情報の差異レベル値と前記しきい値を比較して前記基準識別情報を補正するか否か決定するようにしてもよい。文字情報として、例えば数字を用いる場合、「5」と「6」は線図形状が類似して入力時に間違えやすい。また、数字とアルファベッドを混在して用いる場合、「8」と「B」の線図形状が類似する。また、「0」と「D」の線図形状が類似する。このような文字情報間で基準識別情報とタイヤ識別情報の差異がある場合、その差異は基準識別情報を読み取るときの軽微な認識ミスが原因であると見なすことができる。したがって、このような文字情報間の差異は差異レベル値が小さいと決定する。一方、その他の場合は、認識ミスではなく、他車のタイヤ側装置から送信されたタイヤ識別情報である可能性が高いので差異レベル値が大きいと決定する。情報補正部は、基準識別情報とタイヤ識別情報の差異が認識ミスによる入力ミスが原因であり差異レベル値が小さい場合、差異を含むタイヤ識別情報は自車のタイヤから送信されたものであると判定して基準識別情報を補正する。この態様によれば、タイヤ識別情報の軽微な入力ミスの場合のみ基準識別情報を補正して入力ミスに起因する未受信エラーの発生を低減できる。
また、上記態様において、前記差異レベル決定部は、前記所定の対応関係として前記タイヤ識別情報の文字情報を登録するときに用いる入力装置のキー配列で隣接配置されたキーの示す文字情報同士の違いは差異レベル値が小さいと定義され、入力装置のキー配列で非隣接配置されたキーの示す文字情報同士の違いは差異レベル値が大きいと定義された定義データを参照して差異レベル値を決定し、前記情報補正部は、前記タイヤ識別情報を構成する文字情報の差異レベル値と前記しきい値を比較して前記基準識別情報を補正するか否か決定するようにしてもよい。文字情報として例えば数字を用いるとともに、その数字をキーパッドなどの入力装置を用いて入力する場合、隣接する数字同士は入力ミスし易い。例えば、入力装置上で数字キーが1列に配列されている場合、「3」を入力しようとして、「2」や「4」を入力してしまう場合がある。また、キー列が3×3形式の場合、「5」を入力しようとして、「5」の左右に配置された「4」や「6」を入力してしまう場合がある。同様に、「5」の上下に配置された「2」や「8」を入力してしまう場合がある。アルファベットの場合も同様である。このような文字情報間で基準識別情報とタイヤ識別情報の差異がある場合、その差異はタイヤ識別情報を入力するときの軽微な入力操作ミスが原因であると見なすことができる。したがって、このような文字情報間の差異は差異レベル値が小さいと決定する。一方、その他の場合は、入力ミスではなく、他車のタイヤ側装置から送信されたタイヤ識別情報である可能性が高いので差異レベル値が大きいと決定する。情報補正部は、基準識別情報とタイヤ識別情報の差異が入力操作ミスが原因であり差異レベル値が小さい場合、差異を含むタイヤ識別情報は自車のタイヤから送信されたものであると判定して基準識別情報を補正する。この態様によれば、タイヤ識別情報の軽微な入力ミスの場合のみ基準識別情報を補正して入力ミスに起因する未受信エラーの発生を低減できる。
また、上記態様において、前記タイヤ識別情報及び前記基準識別情報は複数桁の文字情報で構成され、前記差異レベル決定部は文字情報の各桁について差異レベル値を決定すると共にその差異レベル値を合算して、前記しきい値と比較する差異レベル値としてもよい。タイヤ識別情報はタイヤ毎に割り振られる必要があるためその種類は大量に準備する必要がある。そのための、タイヤ識別情報は複数桁の文字情報で構成されることが好ましい。例えば、7桁や8桁とすることができる。差異レベル値は各桁について決定することができるが、前述したような認識ミスによる入力ミスやキーの操作ミスによる入力ミスは複数回連続して発生する可能性は低い。したがって、差異レベル決定部は文字情報の各桁について差異レベル値を決定すると共にその差異レベル値を合算して、しきい値と比較する差異レベル値とする。各桁において決定された差異レベル値が小さくても複数の桁に差異がある場合、それは入力ミスではなく元々類似する文字情報で構成される他の車両のタイヤ識別情報であると推測することができる。したがって、合算によって差異レベル値が大きくなったものは、入力ミスではなく他車のタイヤ側装置から送信されたタイヤ識別情報であると判定して基準識別情報の補正を行わない。逆に、合算しても差異レベル値が小さいものは、軽微な入力ミスがある自車のタイヤ識別情報であると判定して基準識別情報を補正する。この態様によれば、タイヤ識別情報の軽微な入力ミスの場合のみ基準識別情報を補正して入力ミスに起因する未受信エラーの発生を低減できる。
また、上記態様において、前記情報補正部は、前記基準識別情報を補正した場合、車両の1トリップ終了後に補正した前記基準識別情報を初期状態に復帰させるようにしてもよい。車両に装着するタイヤは、パンクや摩耗が原因で新しいものと交換される場合がある。また、装着位置のローテションが行われる場合がある。このような場合、タイヤ識別情報は再入力されるので、その都度タイヤ識別情報は初期状態に復帰した正しい基準識別情報と比較される。その結果、識別情報間の認証の信頼性が確保できる。なお、1トリップ終了の判断は、例えばイグニッションスイッチのオフで判断することができる。また、基準識別情報を初期状態に復帰させるは、イグニッションスイッチオフのときでもよいし、イグニッションスイッチをオンするときでもよい。
また、上記課題を解決するために、本発明は、タイヤの状態を示す状態情報を受信するためにタイヤを識別するタイヤ識別情報を受信してそのタイヤ識別情報と予め保持する基準識別情報を照合することにより送信元のタイヤを特定して、その特定したタイヤの状態情報に基づきタイヤの状態を監視するタイヤ状態監視システムの車体側装置であって、前記タイヤ識別情報と前記状態情報を受信する情報受信部と、前記基準識別情報を保持する基準識別情報保持部と、受信した前記タイヤ識別情報と保持している前記基準識別情報とを照合する情報照合部と、受信した前記タイヤ識別情報を構成する文字情報と前記基準識別情報を構成する文字情報に差異がある場合にその差異の程度を示す差異レベル値を決定する差異レベル決定部と、前記差異レベル値が所定のしきい値より小さい場合、差異が存在する前記タイヤ識別情報と前記基準識別情報とが一致するように前記基準識別情報を補正する情報補正部と、を含むことを特徴とする。
この車体側装置を備えた車両であれば、タイヤ識別情報を登録可能なタイヤ側装置を備えたタイヤとの組合せでタイヤ状態監視システムが構成可能になり、上述したような効果を奏するシステム構築が容易にできる。
本発明のタイヤ状態監視システム及びその車体側装置によれば、軽微な入力ミスによる照合不一致を排除してタイヤ識別情報と基準識別情報の間の認証を可能にして、未受信エラーの発生を低減できる。
以下、本発明の実施の形態(以下実施形態という)を、図面に基づいて説明する。
本実施形態のタイヤ状態監視システムは、タイヤの状態を示す状態情報を送信するときにいずれのタイヤからの送信かを識別させるためのタイヤ識別情報をタイヤ側装置から車体側装置に送信する。そして車体側装置において受信したタイヤ識別情報と予め保持する基準識別情報とを照合することにより送信元のタイヤを特定すると共に特定したタイヤの状態情報に基づきタイヤの状態を監視する。このとき、タイヤ識別情報は基準識別情報に基づき入力して登録する。そして、基準識別情報の読み取りミスによる入力ミスや入力操作時の単純な入力ミスなど軽微なミスでタイヤ識別情報と基準識別情報とに差異が生じた場合、基準識別情報を軽微な入力ミスのあったタイヤ識別情報と一致するように補正して、両者間で認証ができるようにする。
図1は、本実施形態のタイヤ状態監視システムを備える車両10の全体構成を示す図である。タイヤ状態監視システムは、大別してタイヤ側装置12と車体側装置14で構成される。タイヤ側装置12は、情報登録部と情報取得部と情報送信部とを含む。情報登録部は、個々のタイヤ16を識別するために用いるタイヤ識別情報(以下、タイヤIDという)を登録する。情報取得部は、タイヤ16の状態を示す状態情報を取得する。情報送信部は、タイヤIDと状態情報を車体側装置14に送信する。また、車体側装置14は、情報受信部と基準識別情報保持部と情報照合部と差異レベル決定部と情報補正部とを含む。情報受信部は、タイヤIDと状態情報を受信する。基準識別情報保持部はタイヤ16を個別に識別するための基準識別情報(以下、基準IDという)を保持する。情報照合部は受信したタイヤIDと保持している基準IDとを照合する。差異レベル決定部は、受信したタイヤIDと基準IDに差異がある場合にその差異の程度を示す差異レベル値を決定する。情報補正部は差異レベル値が所定のしきい値より小さい場合、差異が存在するタイヤIDと基準IDとが一致するように基準IDを補正する。
本実施形態において、タイヤID及び基準IDは、例えば16進数を用いた複数桁の文字情報で構成することができる。したがって、タイヤID及び基準IDは、例えば「1128000」や「35A19CF」とすることができる。
車両10は、車体18の右前に設けられたタイヤ16a、車体18の左前に設けられたタイヤ16b、車体18の右後ろに設けられたタイヤ16c、および車体18の左後ろに設けられたタイヤ16dを備える。なお、車両10のトランク下の収納スペースなどにスペア用のタイヤを備えてもよく、このスペア用タイヤにも情報登録部と情報取得部と情報送信部を備えてもよい。以下、タイヤを特定しない場合には、タイヤ16a、タイヤ16b、タイヤ16c、タイヤ16dは、単に「タイヤ16」と呼ぶ。また、タイヤ16aに対応する機器類には符号の末尾に「a」を付し、タイヤ16bに対応する機器類には符号の末尾に「b」を付し、タイヤ16cに対応する機器類には符号の末尾に「c」を付し、タイヤ16dに対応する機器類には符号の末尾に「d」を付す。そして、それらの機器類を特定しない場合には末尾の「a〜e」を省略した符号で表記する。本実施形態において、タイヤ16a、タイヤ16b、タイヤ16c、タイヤ16dは、車両10側で個々に識別される必要があるが、各タイヤ16の構成は同じであるため、以下の説明では、代表して一つのタイヤ16について説明する。
タイヤ側装置12は、タイヤ16の状態を示す状態情報として内部空間の圧力を検出する情報取得部として機能する空気圧センサ20と、この空気圧センサ20で検出した情報を車両10側へ提供する情報送信部として機能する送信機22を含んでいる。なお、タイヤ16内部に温度センサを配置して温度情報をタイヤ16の状態情報の一つとしてもよい。また、タイヤ側装置12は他のタイヤ16との識別を行うためのタイヤIDを登録するための情報登録部24を含んでいる。情報登録部24は例えば、有線接続または無線接続でキーパッドなどの入力装置が接続可能であり、作業者が直接タイヤIDを入力することができる。登録されたタイヤIDは、送信機22により車体側装置14へ送信される。なお、送信機22はタイヤIDと空気圧センサ20の検出した状態情報を一緒に送信する。
空気圧センサ20と送信機22と情報登録部24は一体化されたユニット構造としてもよい。このユニットは、例えばタイヤ16を支持するホイールリムの所定箇所に設置することができる。
また、タイヤ16の近傍には、タイヤ16の車輪速を検出する車輪速センサ26が配置されている。送信機22はタイヤIDや状態情報を送信相手を特定することなく送信する。したがって、車両10が停車していたり渋滞などが原因で低速走行している場合、車体側装置14は他車の送信機が送信したタイヤIDや状態情報を受信してしまう可能性が高くなる。そこで、車体側装置14は車両10が所定速度、例えば40km/h以上で走行している場合に受信したタイヤIDや状態情報を有効な情報として採用する。なお、車速は他のシステムで利用している車速を流用してもよい。
車体側装置14は、情報受信部として機能する受信機28と基準識別情報保持部、情報照合部、差異レベル決定部、情報補正部等を含む電子制御装置30(「ECU30」と表記する)で構成される。ECU30は、CPUを含むマイクロプロセッサとして構成されており、マイクロコンピュータによる演算を行う演算ユニット、各種の処理プログラムを記憶するROM、一時的にデータやプログラムを記憶してデータ格納やプログラム実行のためのワークエリアとして利用されるRAM、および各種信号の送受信を行うための入出力ポート等を有する。ECU30の具体的な構成は後述する。
このほか、ECU30には、タイヤIDと基準IDの間で認証ができなかった場合にダイアグノースを表示したり、タイヤ16の状態の良否や良否に関するメッセージを表示する表示装置32が接続されている。ECU30には、車輪速センサ26からの情報も順次提供されるようになっている。
図2は、ECU30の機能を説明する機能ブロック図である。ECU30は、情報取得部36、基準ID記憶部38、ID照合部40、差異レベル決定部42、ID補正部44、ID保持部46、タイヤ状態監視部48、警報処理部50、速度取得部52を含む。
情報取得部36は、受信機28が受信したタイヤIDや状態情報を順次受け入れ一時的に保持すると共に所定のタイミングでID照合部40やタイヤ状態監視部48にそれぞれの情報を提供する。タイヤIDと状態情報が一体的に送信されて来た場合は、情報取得部36でそれぞれの情報を分離し、ID照合部40とタイヤ状態監視部48に提供する。後述するが情報取得部36は、同一の内容のタイヤIDを所定時間内に所定回数以上受信できた場合に、照合対象となるタイヤIDを受信したとすることが好ましい。例えば、走行中一時的に並走した他車からのタイヤIDは継続的に受信されることは少ないので、他車のタイヤIDを照合処理する可能性を低減できる。
基準ID記憶部38は、車両10に装着されるタイヤ16の数分の基準IDを保持する。この基準IDは、車両10の製造段階や出荷段階、ディーラーなどで登録可能な情報で、専用の入力装置などを用いて登録することができる。
ID照合部40は、情報取得部36からタイヤIDが提供されると基準ID記憶部38から基準IDを読み出し、いずれの基準IDが提供されたタイヤIDと一致するか照合する。照合の結果、タイヤIDと基準IDが完全に一致した場合、一致した旨をタイヤ状態監視部48に送信し、タイヤ状態監視部48はそのタイヤIDと共に送信されてきた状態情報に基づきタイヤ状態の監視を実行する。一方、タイヤIDと基準IDが完全に一致しない場合、ID照合部40は不一致の旨を示す情報と共に、照合対象としたタイヤIDと基準IDを差異レベル決定部42に提供する。
差異レベル決定部42は、提供されたタイヤIDを構成する文字情報と基準IDを構成する文字情報に差異がある場合にその差異の程度を示す差異レベル値を決定する。タイヤIDが複数桁の文字情報で構成される場合、各桁毎に基準IDの対応する桁の文字情報との比較を実行する。差異レベル決定部42は、例えば差異がある文字情報同士の線図形状が類似するか否か検証する。文字情報として、例えば数字を用いる場合、「5」と「6」は線図形状が類似して入力時に間違えやすい。また、数字とアルファベッドを混在して用いる場合、「8」と「B」の線図形状が類似する。また、「0」と「D」の線図形状が類似する。このような文字情報間で基準IDとタイヤIDの差異がある場合、その差異は作業者が基準IDを読み取るときに軽微な認識ミスを犯した結果生じたと見なすことができる。このような場合は差異レベル決定部42は差異レベル値を「小」と決定する。
また、差異レベル決定部42は差異がある文字情報同士が、タイヤIDの文字情報を登録するときに用いる入力装置のキー配列で隣接配置されたキーであるか否かを検証する。図3は、タイヤIDの文字情報を登録するときに用いる入力装置54の構成を示す。入力装置54はハンディータイプの入力装置で、表面に文字情報を入力するためのキー56が複数配列されている。図3の場合、3×3配列で「1」〜「9」が配置され、その下方に「0」のキー56が配置されている。また、3×2配列で「A」〜「F」のキー56が配列されている。その他、キー56で入力された文字情報を表示するディスプレイ58と、入力を訂正するクリアキー60、入力装置54に入力した文字情報をタイヤ側装置12の情報登録部24に登録するための登録キー62等が配置されている。
このようなキー配列の入力装置54を用いてタイヤIDを入力する場合、キー56の押し間違いを生じることがある。例えば、「5」を入力しようとして、「5」の左右に配置された「4」や「6」を押下してしまう場合がある。同様に、「5」の上下に配置された「2」や「8」を押下してしまう場合がある。アルファベットの場合も同様である。また、2つのキー56を同時に押下してしまった場合、意図しないキー56の押下が認識されてしまいそれに気づかない場合もある。このような文字情報間で基準IDとタイヤIDの差異がある場合、その差異はタイヤIDを入力するときに生じた軽微な入力ミスであると見なすことができるので差異レベル決定部42は差異レベル値を「小」と決定する。
一方、差異がある文字情報同士の線図形状が類似していない場合やキー配列が隣接していないような場合には、差異レベル決定部42は、発生している差異が入力ミスではないと判定する。つまり、他車のタイヤ側装置から送信されたタイヤIDであると判定して差異レベル値を「大」と決定する。
なお、キー56の配列は適宜設定可能であり、例えば、「0」〜「F」を一直線に配置したり、数字とアルファベットで2列構成としてもよい。キー56の配列は、入力装置54の形状や操作性を考慮して決定することが望ましい。
図4は、差異レベル決定部42が差異レベル値を決定する場合に用いる差異レベル値比較表の一例である。この差異レベル比較表では、横軸に基準IDに用いる文字情報を配し縦軸にタイヤIDに用いる文字情報を配している。そして、基準IDの文字情報とタイヤIDの文字情報を数字やアルファベットの1文字毎に比較して、完全に一致する場合、差異レベル値=0、線図形状が類似しているもの、例えば、「5」と「6」、「8」と「B」、「0」と「D」を差異レベル値=1としている。また、キー56の配列で隣接するキー56について、差異レベル値=2としている。なお、図4の例では、キー56「0」〜「F」を一直線に配列した場合を例にとり、対象の文字情報の左右に存在する文字情報を差異レベル値=2として示している。また、差異レベル値0〜2に該当しない関係にある文字間の関係を差異レベル値=3としている。
例えば、基準ID=1128000で、タイヤID=112B015の場合、「8」と「B」は異なるが線図形状が類似するので差異レベル値=1となる。また、「0」と「1」が異なるがキー配列で隣接関係にあるので差異レベル値=2となる。加えて「0」と「5」が異なるが、この差異は線図形状やキー配列の隣接関係が関係するものではない。したがって、差異レベル値=3となる。また、例えば、基準ID=1128000で、タイヤID=112B000の場合、「8」と「B」は異なるが線図形状が類似するので差異レベル値=1となる。
ところで、認識ミスによる入力ミスやキーの操作ミスによる入力ミスは複数回連続して発生する可能性は低い。したがって、差異レベル決定部42は文字情報の各桁について差異レベル値を決定すると共にその差異レベル値を合算して、基本IDを補正するか否かを決定するしきい値と比較する差異レベル値とする。しきい値は適宜設定することができるが、前述したように入力ミスは複数回連続して発生する可能性は低い。各桁において決定された差異レベル値が小さくても複数の桁で差異がある場合、それは入力ミスではなく元々類似する文字情報で構成される他の車両のタイヤIDであると推測することができる。したがって、合算によって差異レベル値が大きくなったものは、タイヤIDの入力ミスではなく、他車のタイヤ側装置から送信されたタイヤIDである可能性が高いと判定する。本実施形態では、基本IDを補正するか否かを決定するしきい値は、例えば、差異レベル値の合算値≧3の場合、タイヤIDの差異は入力ミスに起因するのではなく他車のタイヤIDであると判定するようにできる。
前述した基準ID=1128000、タイヤID=112B015の場合、差異レベル値の合算値=6≧3となるので、照合対象になっているタイヤIDの差異は入力ミスによる差異ではなく、他車のタイヤIDを受信したか通信障害による受信エラーで差異が生じている可能性が高いと判定できる。一方、基準ID=1128000、タイヤID=112B000の場合、差異レベル値の合算値=1<3となるので、照合対象になっているタイヤIDの差異は入力ミスによる差異であり、自車のタイヤIDである可能性が高いと判定できる。
なお、差異レベル決定部42が差異レベル値の判定を実行するのは、車両10が所定速度、例えば40km/h以上で走行しているときに取得したタイヤIDに対してのみである。車両10が停止していたり、渋滞などが原因で低速走行している場合は、他車と並走する可能性が高くなり、受信機28が他車のタイヤIDを受信する可能性が高くなる。そのため、速度取得部52は車輪速センサ26から提供される車輪速情報を情報取得部36に提供して、車両10の速度に基づき受信したタイヤIDの採用または非採用を決定している。すなわち、40km/h以下で走行しているときに受信したタイヤIDは採用しないようにフィルタリングを行っている。
差異レベル決定部42は、照合対象のタイヤIDの差異レベル値がしきい値以上の場合、当該タイヤIDを破棄すると共に、その旨を警報処理部50に通知し、必要に応じて表示装置32で「他車のタイヤID取得により、自車のタイヤID未受信です。」や「タイヤID未受信」などのメッセージを表示してもよい。一方、差異レベル決定部42は照合対象のタイヤIDの差異レベル値がしきい値未満の場合、そのタイヤIDをID補正部44に提供すると共に、基準ID記憶部38から対応する基準IDを取得し、基準IDの文字情報が差異を含むタイヤIDの文字情報と一致するように補正する。例えば、基準IDが「1128000」で差異を含むタイヤIDが「112B000」の場合、基準IDを一時的に「112B000」にして、ID保持部46に一時保存する。
タイヤ状態監視部48は、基準IDの補正が行われている場合、該当する基準IDを用いる場合、ID保持部46に一時保存されている補正後の基準IDをID照合部40に提供して、以降情報取得部36から提供されるタイヤIDの照合に使用する。その結果、情報登録部24にタイヤIDを登録するときに入力ミスを犯してしまい自車のタイヤであるにも関わらず基準IDとの間で認証ができないという事態を回避することができる。つまり、軽微な入力ミスによる照合不一致を排除してタイヤIDと基準IDの間で認証を可能にして、未受信エラーの発生を低減できる。
なお、タイヤ16は摩耗やパンクにより新しいものと交換される場合がある。また、定期的にローテーションされることもある。この場合、タイヤIDは、改めて登録されることになる。したがって、ID補正部44で補正された基準IDは定期的に初期化される必要がある。そこで、補正した基準IDは、例えば車両10の1トリップの終了毎に初期化する。1トリップの終了は、例えばイグニッションスイッチ(IG)のOFFからONの切り換え、またはその逆の変化に基づき検出することができる。なお、補正した基準IDの初期化は、例えば、タイヤ16の脱着を検出して行ってもよい。また、作業者がタイヤID登録のために基準IDを基準ID記憶部38から読み出す操作を行ったとき、または基準IDの確認動作、例えば、基準IDが記載されている部分のカバーを開放したことなどを契機に実行してもよい。
タイヤIDと基準IDの間で認証が可能になったあとは、タイヤ状態監視部48は従来と同様にタイヤ16の状態情報である空気圧やタイヤ温度に基づき、タイヤ16の状態を監視する。そして、警報処理部50を介して自車のタイヤ16の機能、品質が維持されているか否かを表示装置32を介して運転者に通知する。
図5、図6は、本実施形態の基準ID補正処理を説明するフローチャートである。
ECU30は、IGがOFFからONに変化したことを契機に(S100のY)、ID保持部46に保持されている補正された基準IDを破棄して基準IDの初期化を行う(S102)。つまり正規の基準IDを有効とする。IGがOFFからONに変化しない場合(S100のN)、処理を動作させない。続いて、情報取得部36は、タイヤIDの取得処理を行う(S104)。タイヤIDの取得処理は図6を用いて後述するが、同じタイヤIDが複数回取得できた場合に、タイヤID取得と判定することにより、タイヤIDの受信信頼度を向上させている。
情報取得部36がタイヤIDを取得すると、ID照合部40はそのタイヤIDと基準ID記憶部38から読み出した基準IDとを用いてID比較を実行する(S106)。この比較の結果、タイヤIDを構成する文字情報と基準IDを構成する文字情報との間に差異がある場合(S108のY)、差異レベル決定部42が図4の差異レベル値比較表を用いてタイヤIDを構成する文字情報の各桁毎に差異レベル値を算出し、その合算値を求める(S110)。ID補正部44は算出した差異レベル値の合算値としきい値を比較する。そして、差異レベル値の合算値<しきい値の場合(S112のY)、つまり、差異の原因が軽微な入力ミスによるものであると判定できる場合、基準IDを差異が含まれるタイヤIDに一致するように補正する(S114)。補正した基準IDはID保持部46に一時的に保持される。そして、以後基準ID記憶部38に保持された補正前の基準IDに代わってID照合部40に提供されて情報取得部36から提供されるタイヤIDとの照合に利用される。その結果、タイヤIDの登録時に軽微な入力ミスが発生していた場合でも、そのミスによる照合不一致を排除してタイヤIDと基準IDの間で認証を可能にして、未受信エラーが発生することを低減できる。そして、タイヤ状態監視部48はタイヤ側装置12の空気圧センサ20等で検出されたタイヤ16の状態情報に基づきタイヤ16の状態や品質の監視を実行する(S116)。
上述の処理はIGOFFになるまで繰り返し行われる。IGONの場合、つまり、車両10の走行が行われる可能性がある場合(S118のN)、S104に戻り次のタイミングでもタイヤIDの取得処理を実行する。なお、一度基準IDの補正が行われた場合、基本的には、登録時のタイヤIDの入力ミスによる未受信エラーは発生しないので、S108において、差異は無しと判定され(S108のN)、S110〜S114の処理がスキップされる。なお、タイヤIDの登録時に入力ミスが無い場合もS108において差異無しと判定されS110〜S114の処理がスキップされる。
S118において、IGOFFになった場合(S118のY)、このフローを終了する。また、S112において、差異レベル値≧しきい値となった場合(S112のN)、照合対象になっているタイヤIDは、他車のタイヤIDであるか、送受信時の電波状態が不安定で自車のタイヤIDが受信できなかったと判定して、タイヤIDの未受信処理を実行する(S120)。この場合、差異レベル決定部42は警報処理部50に未受信である旨通知する。そして、警報処理部50は表示装置32を介してタイヤ状態監視システムがエラーを起こしていることを通知する。ECU30は、タイヤIDの未受信処理の実行後は、S118に移行してIGOFFでない場合、つまり車両10が走行する可能性がある場合は、S104に移行し、再度タイヤIDの取得処理を行い、上述したタイヤIDの照合処理を継続的に実行する。
図6は、図5のS104におけるタイヤID取得処理を詳細に説明するフローチャートである。前述したように、自車に搭載さえている受信機28は自車のタイヤ16から送信されるタイヤIDのみならず、他車のタイヤから送信されてくるタイヤIDも多数受信してしまう。また、タイヤIDと共に送信される状態情報はタイヤ16の空気圧や温度に極端な変化が無い場合は、例えば1分おきに送信されるように設定されることができる。しかし、パンクや使用状態の悪化で空気圧が低下し始めたり、内部温度が上昇し始めた場合には、タイヤ16の状態を正確に監視するためにタイヤIDと共に送信される状態情報は例えば1秒おきに送信させるように設定できる。そのため、自車のタイヤから送られてくるタイヤIDでもたまにしか送られてこないものや頻繁に送られてくるものが混在する。そのため、受信した全てのタイヤIDの比較照合を実行することは非効率的である。そこで、本実施形態のタイヤID取得処理では、所定時間内に同じタイヤIDが所定回数以上取得できた場合、自車のタイヤから送信されたタイヤIDである可能性が高いと判定して比較照合処理を行うようにしている。
図6において、タイヤID取得処理が開始されると、情報取得部36は内部タイマをリセットして、例えば3分間のタイヤIDの取得時間を設定する(S200)。また、速度取得部52から車輪速情報を取得して現在自車が所定のしきい値以上の速度で走行しているか否かを確認する。例えば、自車が40km/h以上で走行している場合(S202のY)、他車と極端に接近する可能性は低く、受信機28が他車のタイヤから送信されるタイヤIDを受信する可能性は低減する。情報取得部36はしきい値を超える速度で走行している場合のみタイヤIDを取得する(S204)。そして、同一のタイヤIDを所定回数A回以上、例えば3回以上受信するか、内部タイマがタイムアップした場合で(S206のY)、受信したタイヤIDが4種類の場合(S208のY)、その4種類のタイヤIDは自車のタイヤから送信されたタイヤIDである可能性が非常に高いと判断して照合対象のタイヤIDとして確定する(S210)。
一方、S208で取得したタイヤIDの種類が4種類以外の場合で(S208のN)、タイヤIDの種類が5種類以上の場合(S212のY)、他車のタイヤIDを受信していることが確定する。この場合、他車のタイヤIDと入力ミスを伴ったタイヤIDを含む自車のタイヤIDとの区別がつかないので、受信した全てのタイヤIDを破棄して(S214)、S200に戻りタイヤIDの取得をやり直す。
また、S212において、タイヤIDが4種類でなく5種類以上でもない場合、すなわち3種類以下の場合で(S212のN)、取得できるタイヤIDの種類が3種類以下の状態がB回以上、例えば3回以上継続した場合(S216のY)、自車のいずれかのタイヤ16のタイヤ側装置12に不具合が生じていると見なすことができる。この場合、情報取得部36は警報処理部50にエラー信号を送信し、自車のタイヤ側装置12のいずれかに不具合が生じていことを示すダイアグ表示を表示装置32介して実行する(S218)。また、S216において、受信できているタイヤIDの種類が3種類以下でもその継続回数が所定回数B回に達していない場合(S216のN)、S200に戻りタイヤIDの取得を再度試みる。
なお、S202で車速がしきい値に達していない場合(S202のN)、同一のタイヤIDを所定回数A回以上受信していないか、内部タイマがタイムアップしていない場合(S206のN)、S202に戻り、再度速度条件が満たされるのを待ってタイヤIDの取得を試みる。
このように、タイヤIDを取得する時点で、車両速度条件や同一タイヤIDの取得条件、取得時間条件を課しながらタイヤIDの取得を実行することで、他車からのタイヤIDを受信する可能性を低減し効率的なタイヤIDの照合処理が実行する。また、他車からのタイヤIDの取得を低減させることで、他車のタイヤIDで差異レベル値が小さいもの、つまり、基準IDと非常に類似した他車の正規のタイヤIDを受信する可能性をほぼ「0」にすることができる。その結果、他車のタイヤIDに基づき基準IDを補正してしまう誤処理を防止できる。
また、本実施形態における基準IDの補正は、タイヤIDの軽微な入力ミスを補填する一時的な処置であるため、基準IDの補正がなされた場合には、表示装置32等に「タイヤIDの登録ミスの疑いがあります。早急に確認してください。」などの確認メッセージを表示し、作業者や運転者の注意を喚起することが望ましい。
また、図4に示す差異レベル値比較表は一例であり、作業者の癖や入力装置54のキー56の配列等に応じて適宜カスタマイズすることが望ましい。
本発明は、上述の各実施形態に限定されるものではなく、当業者の知識に基づいて各種の設計変更等の変形を加えることも可能である。各図に示す構成は、一例を説明するためのもので、同様な機能を達成できる構成であれば、適宜変更可能であり、同様な効果を得ることができる。
10 車両、 12 タイヤ側装置、 14 車体側装置、 16 タイヤ、 18 車体、 20 空気圧センサ、 22 送信機、 24 情報登録部、 26 車輪速センサ、 28 受信機、 30 ECU、 32 表示装置、 36 情報取得部、 38 基準ID記憶部、 40 ID照合部、 42 差異レベル決定部、 44 ID補正部、 46 ID保持部、 48 タイヤ状態監視部、 50 警報処理部、 52 速度取得部、 54 入力装置。
Claims (7)
- タイヤの状態を示す状態情報を送信するためにタイヤを識別させるためのタイヤ識別情報をタイヤ側装置から車体側装置に送信して、当該車体側装置において受信した前記タイヤ識別情報と予め保持する基準識別情報とを照合することにより送信元のタイヤを特定すると共に特定したタイヤの前記状態情報に基づきタイヤの状態を監視するタイヤ状態監視システムであって、
前記タイヤ側装置は、
前記タイヤ識別情報を登録する情報登録部と、
前記状態情報を取得する情報取得部と、
前記タイヤ識別情報と前記状態情報を前記車体側装置に送信する情報送信部と、
を含み、
前記車体側装置は、
前記タイヤ識別情報と前記状態情報を受信する情報受信部と、
前記基準識別情報を保持する基準識別情報保持部と、
受信した前記タイヤ識別情報と保持している前記基準識別情報とを照合する情報照合部と、
受信した前記タイヤ識別情報を構成する文字情報と前記基準識別情報を構成する文字情報に差異がある場合にその差異の程度を示す差異レベル値を決定する差異レベル決定部と、
前記差異レベル値が所定のしきい値より小さい場合、差異が存在する前記タイヤ識別情報と前記基準識別情報とが一致するように前記基準識別情報を補正する情報補正部と、
を含むことを特徴とするタイヤ状態監視システム。 - 前記差異レベル決定部は、所定の対応関係にある文字情報間の差異であれば、差異レベル値は小さいと決定し、所定の対応関係にない文字情報間の差異であれば、差異レベル値は大きいと決定することを特徴とする請求項1記載のタイヤ状態監視システム。
- 前記差異レベル決定部は、前記所定の対応関係として前記タイヤ識別情報を登録するときに用いる複数種類の文字情報の線図形状が類似のもの同士の違いは差異レベル値が小さいと定義され、前記線図形状が非類似のもの同士の違いは差異レベル値が大きいと定義された定義データを参照して差異レベル値を決定し、
前記情報補正部は、前記タイヤ識別情報を構成する文字情報の差異レベル値と前記しきい値を比較して前記基準識別情報を補正するか否か決定することを特徴とする請求項2記載のタイヤ状態監視システム。 - 前記差異レベル決定部は、前記所定の対応関係として前記タイヤ識別情報の文字情報を登録するときに用いる入力装置のキー配列で隣接配置されたキーの示す文字情報同士の違いは差異レベル値が小さいと定義され、入力装置のキー配列で非隣接配置されたキーの示す文字情報同士の違いは差異レベル値が大きいと定義された定義データを参照して差異レベル値を決定し、
前記情報補正部は、前記タイヤ識別情報を構成する文字情報の差異レベル値と前記しきい値を比較して前記基準識別情報を補正するか否か決定することを特徴とする請求項2または請求項3記載のタイヤ状態監視システム。 - 前記タイヤ識別情報及び前記基準識別情報は複数桁の文字情報で構成され、前記差異レベル決定部は文字情報の各桁について差異レベル値を決定すると共にその差異レベル値を合算して、前記しきい値と比較する差異レベル値とすることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のタイヤ状態監視システム。
- 前記情報補正部は、前記基準識別情報を補正した場合、車両の1トリップ終了後に補正した前記基準識別情報を初期状態に復帰させることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のタイヤ状態監視システム。
- タイヤの状態を示す状態情報を受信するためにタイヤを識別するタイヤ識別情報を受信してそのタイヤ識別情報と予め保持する基準識別情報を照合することにより送信元のタイヤを特定して、その特定したタイヤの状態情報に基づきタイヤの状態を監視するタイヤ状態監視システムの車体側装置であって、
前記タイヤ識別情報と前記状態情報を受信する情報受信部と、
前記基準識別情報を保持する基準識別情報保持部と、
受信した前記タイヤ識別情報と保持している前記基準識別情報とを照合する情報照合部と、
受信した前記タイヤ識別情報を構成する文字情報と前記基準識別情報を構成する文字情報に差異がある場合にその差異の程度を示す差異レベル値を決定する差異レベル決定部と、
前記差異レベル値が所定のしきい値より小さい場合、差異が存在する前記タイヤ識別情報と前記基準識別情報とが一致するように前記基準識別情報を補正する情報補正部と、
を含むことを特徴とするタイヤ状態監視システムの車体側装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007300854A JP2009126242A (ja) | 2007-11-20 | 2007-11-20 | タイヤ状態監視システム及びタイヤ状態監視システムの車体側装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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Publications (1)
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ID=40817607
Family Applications (1)
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Country | Link |
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JP (1) | JP2009126242A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2014119833A (ja) * | 2012-12-13 | 2014-06-30 | Kyocera Corp | エネルギー管理装置、エネルギー管理システム、及びエネルギー管理方法 |
JP2016137842A (ja) * | 2015-01-28 | 2016-08-04 | 株式会社デンソー | 車輪位置検出装置およびそれを備えたタイヤ空気圧検出システム |
-
2007
- 2007-11-20 JP JP2007300854A patent/JP2009126242A/ja active Pending
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