JP2009126062A - 液体噴射ヘッドおよび液体噴射装置 - Google Patents

液体噴射ヘッドおよび液体噴射装置 Download PDF

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Abstract

【課題】ノズルの開口を簡単に開閉して液体の蒸発を防止すると共にミストの発生を防止することが可能な液体噴射ヘッドおよび液体噴射装置を提供する。
【解決手段】液体噴射ヘッドのノズル形成部材42を有機絶縁材料からなるフィルムとして中心から放射状に複数のスリット43を形成したスリットノズル41とすることにより、スリット43間を弾性により撓んだり復帰可能な可動片部44とする。そして、圧力発生源による圧力室の内圧の変化に応じて可動片部44を開状態や閉状態に弾性変形させてノズルの開口を開閉する。
【選択図】図4

Description

本発明は、インクジェット式記録ヘッド等の液体噴射ヘッドおよび液体噴射装置に係り、特に、共通液体室から圧力室を通ってノズルの開口に至る一連の液体流路を形成する流路ユニットを備え、複数のノズルの開口から液体を液滴として吐出可能な液体噴射ヘッドおよび液体噴射装置に関する。
圧力室内の液体に圧力変動を生じさせることでノズルの開口から液滴として吐出させる液体噴射ヘッドとしては、例えば、プリンタ等の画像記録装置に用いられるインクジェット式記録ヘッド、液晶ディスプレー等のカラーフィルタの製造に用いられる色材噴射ヘッド、有機EL(Electro Luminescence)ディスプレー、FED(面発光ディスプレー)等の電極形成に用いられる電極材噴射ヘッド、バイオチップ(生物化学素子)の製造に用いられる生体有機物噴射ヘッド等がある。
このような液体噴射ヘッドには種々の形式があるが、例えば、インクジェット式記録装置(以下、単にプリンタという)におけるインクジェット式記録ヘッド(以下、記録ヘッドという)は、複数のノズル開口が開設されたノズル基板、共通インク室から圧力室を通ってノズルの開口に至る一連のインク流路を区画する圧力室空部や溝部などの流路部が形成された流路基板、圧力発生源(例えば、圧電振動子)の作動に応じて圧力室に対応するダイヤフラム部が弾性変形する弾性板(流路基板の開口を封止する封止板とも言える)を積層してなる流路ユニットを備えている。この記録ヘッドは、記録画像の高密度化や記録動作の高速化に対応すべく、高い加工密度や加工精度が要求される。
このような記録ヘッドのノズル基板には、ドット形成密度に対応したピッチで多数のノズルが列状に開設され、例えば金属製の薄い板材であるステンレス鋼の板材に、一つのノズル列として180個のノズルが形成され、記録ヘッドに複数列並べて設けられる。そして、例えば、圧力発生源の作動により圧力変動を生じさせて流路ユニットの圧力室の容積を変化させ、圧力室を一旦膨張させて液体を流入させたのち、収縮させることによってノズルの開口から液体を噴射するようになっている。また、ノズル基板としてフィルムを用いてレーザーでオリフィスを形成してノズルとしたものやポリイミドでノズルを構成したものがある(例えば、特許文献1、2参照)。
通常、プリンタにおける上記記録ヘッドでは、走査する走査起点となるホームポジションにキャッピング機構を設けてノズル基板を封止するようにし、ノズルの開口からのインク溶媒の蒸発を防止している。
特開平6−8446号公報 特開平9―323426号公報
ところが、記録ヘッドがホームポジションから印刷が開始されるまでの間や印刷に使われないノズルは、ノズルの開口が空気中にさらされているためインク溶媒の蒸発が生じ、乾燥増粘するという問題がある。また、ノズルの開口から噴射されるインク自身が切れる力を利用してインク滴として噴射させているが、インク滴が噴射された後に、そのインク滴の尾の部分が切れて分離することがあり、この僅かなインク(サテライト)が走査速度や風の影響、あるいは静電気力でミストとなって記録ヘッドに付着し、汚れを発生するという問題がある。そこで、ノズルの開口にシャッタ機構を付けることやノズルの周りにピエゾを設けてノズルの動きを制御することも考えられているが、微細で多数のノズルの開口に対しては構造が複雑となり、実際に採用されるには到っていない。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、ノズルの開口を簡単に開閉して液体の蒸発を防止すると共にミストの発生を防止することが可能な液体噴射ヘッドおよび液体噴射装置を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明の液体噴射ヘッドは、液体を噴射するためのノズルを形成したノズル形成部材と、前記ノズルに連通する圧力室を含む液体流路を形成した流路ユニットと、前記圧力室内の液体に圧力変動を生じさせるための圧力発生源と、を備え、前記圧力発生源の作動により前記ノズルから液体を噴射する液体噴射ヘッドであって、前記ノズル形成部材を、有機絶縁材料からなるフィルムにより構成し、前記ノズルを、その中心から放射状に複数のスリットを形成して各スリット間を可動片部としたスリットノズルとし、前記圧力発生源の作動により前記圧力室の内圧が高まると、前記可動片部がその弾性により前記圧力室とは反対側に撓んで液体を噴射可能な開状態に変換し、液体の噴射後に前記内圧が開放されると、前記可動片部がその弾性により閉状態に復帰するように構成したことを特徴とする。
上記構成によれば、液体噴射ヘッドのノズル形成部材を有機絶縁材料からなるフィルムとして中心から放射状に複数のスリットを形成したスリットノズルとすることにより、スリット間が弾性により撓んだり復帰可能な可動片部となり、圧力発生源による圧力室の内圧の変化に応じて可動片部を開状態や閉状態に弾性変形させてノズルの開口を開閉することが可能となる。また、ノズルの開口が自閉して液体の露出を防止して液体の増粘や乾燥を防止することが可能となる。
また、上記構成において、前記可動片部は、閉状態に復帰する際、噴射された液体の尾部を切断する構成とすることが望ましい。これにより、噴射された後に僅かな液体が可動片部の外側に残ることがなく、ミストとなって付着したり、汚れを発生することが防止可能となる。
また、上記構成において、前記各スリットの寸法を揃えると共に等間隔で放射状に配置して構成することが望ましい。
この構成によれば、放射状に等間隔で寸法の揃ったスリットとすることにより、噴射される液体の直進性を確保することが可能となると共に、液体の尾部を中心で切断することが可能となり、高精度に噴射を制御することが可能となる。
また、上記構成において、前記ノズル形成部材を、前記フィルムと当該フィルムを補強する補強プレートとを積層して構成し、前記補強プレートにおける前記スリットノズルに対応する部分には、当該スリットノズルに連通する連通ノズルを板厚方向を貫通した状態に開設した構成とすることが望ましい。
この構成によれば、スリットノズルに対応する連通ノズルが貫通して開設した補強プレートをフィルムと積層してノズル形成部材を構成することにより、スリットノズルの周囲を補強プレートで補強することが可能となり、スリットノズルの耐久性を向上することが可能になると共に、ノズルの開口以外のフィルムの弾性変形を抑え、精度良く噴射させることが可能となる。
また、上記構成において、前記ノズル形成部材の補強プレート側を前記流路ユニットに接合してもよい。これにより、ノズル形成部材の最も外側を可動片部で自閉することが可能となり、噴射後に残る液体の量を極力抑えることが可能となる。
また、上記構成において、前記ノズル形成部材のフィルム側を前記流路ユニットに接合してもよい。これにより、補強プレートが最も外側に配置されることになり、直接フィルムがワイピングされることがなく、耐久性を向上することが可能となる。
また、本発明の液体噴射装置は、上記構成の何れかの液体噴射ヘッドを備えることを特徴とする。
これにより、ノズルの開口を簡単に開閉して液体の蒸発を防止すると共にミストの発生を防止することが可能な液体噴射ヘッドを備えた液体噴射装置とすることが可能となる。
以下、本発明を実施するための最良の形態を、添付図面を参照して説明する。なお、以下に述べる実施の形態では、本発明の好適な具体例として種々の限定がされているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限られるものではない。また、以下においては、本発明の液体噴射ヘッドが滴用される装置として、図1は、インクジェット式プリンタ(以下、プリンタと略記する)の斜視図、図2は、記録ヘッド2の構成を説明する要部横断面図、図3は、記録ヘッド2の構成を説明する要部拡大断面図、図4は、記録ヘッド2のノズル形成部材の拡大断面図、図5は、ノズル形成部材の底面図である。
プリンタ1は、本発明の液体噴射ヘッドの一種である記録ヘッド2が取り付けられると共に、インクカートリッジ3が着脱可能に取り付けられるキャリッジ4と、記録ヘッド2の下方に配設されたプラテン5と、記録ヘッド2が搭載されたキャリッジ4を記録紙6(吐出対象物の一種)の紙幅方向に移動させるキャリッジ移動機構7と、紙幅方向に直交する方向である紙送り方向に記録紙6を搬送する紙送り機構8等を備えて概略構成されている。ここで、紙幅方向とは、主走査方向(ヘッド走査方向)であり、紙送り方向とは、副走査方向(即ち、ヘッド走査方向に直交する方向)である。なお、インクカートリッジ3としては、キャリッジ4に装着するタイプを採用しても良いし、プリンタ1の筐体側に装着してインク供給チューブを介して記録ヘッド2に供給するタイプを採用することも可能である。
キャリッジ4は、主走査方向に架設されたガイドロッド9に軸支された状態で取り付けられており、キャリッジ移動機構7の作動により、ガイドロッド9に沿って主走査方向に移動するように構成されている。キャリッジ4の主走査方向の位置は、リニアエンコーダ10によって検出され、検出信号が位置情報として制御部(図示せず)に送信される。これにより、制御部はこのリニアエンコーダ10からの位置情報に基づいてキャリッジ4(記録ヘッド2)の走査位置を認識しながら、記録ヘッド2による記録動作(吐出動作)等を制御することができる。
また、記録ヘッド2の移動範囲内であってプラテン5よりも外側には、記録ヘッド2の走査起点となるホームポジションが設定されている。このホームポジションには、キャッピング機構11が設けられている。このキャッピング機構11は、キャップ部材11´によって記録ヘッド2のノズル形成面を封止し、ノズル41(図2参照)からのインク溶媒の蒸発を防止する。また、このキャッピング機構11は、封止状態のノズル面に負圧を与えてノズル41からインクを強制的に吸引排出するクリーニング動作に用いられる。
また、ホームポジションには、記録ヘッド2のノズル形成面を払拭するためのワイピング機構12が配設されている。このワイピング機構12は、例えばエラストマーなどの弾性を有する素材からなるワイパーブレード12′を備え、記録ヘッド2がワイピング機構12の上方を通過する際にワイパーブレード12′の上端部が記録ヘッド2のノズル形成面に接触可能な位置(ワイピング位置)に移動するように構成されている。そして、ワイパーブレード12′の上端部が記録ヘッド2のノズル形成面に接触した状態で記録ヘッド2が移動すると、ワイパーブレード12′によって記録ヘッド2のノズル形成面が払拭(ワイピング)される。これにより、例えばクリーニング処理後にノズル形成面に付着した余分なインク滴を取り除くことができる。
本実施形態における記録ヘッド2は、複数の圧電振動子(圧力発生源)15を備えた振動子ユニット16、共通インク室20(共通液体室)からインク供給口21及び圧力室22を通ってノズル孔19に至る一連のインク流路(液体流路の一種)を形成した流路ユニット18、ノズル孔19を開閉するノズル(スリットノズル)41が形成されたノズル形成部材42及び、ケース本体24などを備えたヘッドユニット13を備えて概略構成されている。
ケース本体24は中空箱体状のケーシングであり、その内部には、インクカートリッジ3からのインクを共通インク室20側に導入するための流路であるケース流路31と、各振動子ユニット16を個別に収容する収容室32とが形成されている。このケース本体24は、熱硬化性樹脂の一種であるエポキシ樹脂によって成型されており、先端の取付面に流路ユニット18が固定される。また、流路ユニット18の底部にはノズル孔19が形成され、このノズル孔19を塞ぐようにして、スリットノズル41が形成されたノズル形成部材42が設けられている。
上記の振動子ユニット16は、圧力発生源としての圧電振動子15と、この圧電振動子15が接合される固定板37と、圧電振動子15に配線基板からの駆動信号を供給するためのフレキシブルケーブル38等から構成されている。各圧電振動子15は、自由端部が固定板37の先端面よりも外側に突出した所謂片持ち梁の状態で、ステンレス鋼などの金属製板材からなる固定板37上に取り付けられている。なお、圧力発生源としては、上記圧電振動子以外にも、静電アクチュエータ、磁歪素子、発熱素子等を用いることができる。
流路ユニット18は、振動板39、流路基板40からなる流路ユニット構成部材を積層した状態で接合して一体化することにより作製されている。この流路ユニット18における圧力室22は、ノズル孔19の列設方向(ノズル列方向)に対して直交する方向に細長い室として形成されている。また、共通インク室20は、インク導入針側からのインクがケース流路31を介して導入される室である。そして、この共通インク室20に導入されたインクは、インク供給口21を通じて各圧力室22に分配供給されるようになっている。
流路ユニット18の底部の流路基板40には、ノズル形成部材42に形成されるノズル41に対応して、ドット形成密度に対応したピッチで複数のノズル孔19が副走査方向に列状に開設してある。ノズル孔19は圧力室22の底部に連通した円筒状の貫通孔として形成されている。本実施形態における流路基板40は、インク流路となる流路部、具体的には、共通インク室20となる開口部、インク供給口21となる溝部、及び圧力室22となる圧力室空部が区画形成された板状の部材である。この流路基板40は、結晶性基材の一種であるシリコンウェハーを異方性エッチング処理することによって作製されている。
なお、流路基板40に開設するノズル孔19を別体として金属製の薄い板材に形成してノズル形成部材42のフィルムを支持してもよい。この様に構成すると、板材を結晶性基材の流路基板40に積層すればよいので、圧力室22の端部に開設した孔を貫通孔とすることができ、小さなノズル41を開設する場合に比較して作製が容易である。
上記の振動板39は、図2に示すように、ステンレス鋼等の金属製の支持板39a上にPPS樹脂等の弾性フィルム39bをラミネート加工した二重構造の複合板材である。この振動板39において圧力室22に対応する部分には、圧電振動子15の自由端部の先端を接合するための島部48が形成されており、この部分がダイヤフラム部として機能する。即ち、この振動板39は、圧電振動子15の作動に応じて島部48の周囲の弾性フィルムが弾性変形するように構成されている。また、振動板39は、流路基板40の共通インク室20の開口部分を封止してコンプライアンス部49としても機能する。このコンプライアンス部49に相当する部分については、島部48の周囲と同様に、支持板39aをエッチングで除去して弾性フィルム39bだけにしている。なお、この振動板39は、流路基板40に形成された流路部等の開口面を封止する封止板としても機能している。
ノズル形成部材42は、例えば、ポリイミドフィルムなどの有機絶縁材料からなるフィルムで構成され、流路基板40に形成されるノズル孔19に対応して、ドット形成密度に対応したピッチで複数のノズル41が副走査方向に列状に開設してある。このノズル41の列(ノズル列)が、記録ヘッド2の走査方向(主走査方向)に複数並べて設けられている。そして、1つのノズル列は、例えば180個のノズル41によって構成される。ノズル形成部材42の各ノズル41は、ノズル孔19を塞ぐように配置され、中心から放射状に複数のスリット43を寸法を揃えて等間隔に形成してあり、スリット43間の略扇形のフィルムが可動片部44となるスリットノズルを構成している。 これにより、圧力室22の液体の圧力が加わることでフィルムの弾性変形により可動片部44が圧力室22と反対の外側に撓んでノズル孔19を開口する開状態なり、圧力が開放されるとフィルム自体の弾性復元力で可動片部44が復帰してノズル孔19を閉じる平坦な閉状態になる。
このノズル形成部材42に形成されるスリットノズル41は、直径約20μmであり、その中心から放射状に、例えば6等分するようにスリット43が形成され、中心からの寸法を揃えたスリット43の外周端が流路基板40のノズル孔19の内径と一致するように形成してある。このスリットノズル41の閉状態では、図6に示すように、スリット43部分の極僅かな隙間(ノズルの中心;2μm)はあるものの、ノズル孔19が閉じられた状態となり、ノズル孔19の液体の乾燥を抑えることができ、インクでは溶媒の蒸発を抑えて増粘を防止することができる。
すなわち、この記録ヘッド2では、圧力発生源である圧電振動子15の作動に応じて振動板39の島部48の周囲の弾性フィルム39bが弾性変形することにより圧力変動を生じさせて流路ユニット18の圧力室22の容積を変化させ、圧力室22を一旦膨張させて液体を流入させたのち、収縮させることによって液体の圧力が高められ、噴射圧力に達するとスリットノズル41から噴射される。
この噴射過程では、液体の圧力が高まると、スリットノズル41の可動片部44が、図7に示すように、平坦な状態から次第に圧力室22の外側に押し広がるように撓み、液滴(液柱)も次第に大きくなっていく。そして、液滴が大きくなった後に圧力室22の内圧が低くなると、スリットノズル41の可動片部44が弾性復元力により復帰して閉じるようになって液滴の尾部を切断し、切り離された液柱先端部分が液滴として噴射され、同時にノズル孔19をスリットノズル41が閉状態にする。
このようにスリットノズル41の可動片部44で液滴の尾部を切断し、しかもノズル孔19を閉じるので、液体の一部がスリットノズル41の外側に残ることがなく、ミストとなって記録ヘッド2に付着し汚れの原因となることが防止できる。
なお、スリットノズル41を構成するスリット43は中心から放射状に6本形成する場合に限らず、さらに本数を増加したり、減少しても良く、液体を噴射するために圧力室22内の液体に付与される圧力で開状態に撓ませることができると共に、圧力が開放されると弾性で復帰して閉状態にできれば良く、その寸法もノズル孔19の内径よりも長くしても良い。
次に、この発明の他の実施の形態について説明する。記録ヘッド2において、スリットノズル41を形成した有機絶縁材料からなるフィルム(ノズル形成部材42)を補強するため、図8および図9に示すように、補強プレート51を積層してノズル形成部材50が構成される。
補強プレート51には、スリットノズル41に連通する連通ノズル52が板厚方向に貫通して開設してあり、金属製の薄板、例えばステンレス鋼の板材に作製される。本実施形態では、各連通ノズル52は、圧力室22側が大径の円錐状とされ、圧力室22と反対側が小径の円筒状としてある。また、本実施形態では、流路ユニット18の流路基板40に形成するノズル孔19に替え、補強プレート51の連通ノズル52をノズル孔として機能させるようにしてあり、スリットノズル41が形成された弾性フィルム42と補強プレート51とが積層されたノズル形成部材50で圧力室22の底部を塞ぐように流路ユニット18に接合してある。
このノズル形成部材50は、図8に示すように、補強プレート51側を流路ユニット18に接合し、圧力室22に連通ノズル52を介してスリットノズル41が配置される。なお、他の構成はすでに説明した記録ヘッド2と同一であるので、重複する説明は省略する。
このようなノズル形成部材50によれば、弾性フィルム42が補強プレート51で補強され、耐久性を向上することができると共に、スリットノズル41の外側に液体が露出することなくスリットノズル41で塞がれ、乾燥を防止することができ、インク(特に溶媒)の乾燥増粘を防止することもできる。
また、流路ユニット18の流路基板40とは別に補強プレート51に連通ノズル52を形成することで、製作が容易となる。
また、ノズル形成部材50は、図9及び図10に示すように、弾性フィルム42側を流路ユニット18に接合し、圧力室22がスリットノズル41で塞がれ、このスリットノズル41の外側に連通ノズル52が配置されるように構成しても良い。そして、このノズル形成部材50の弾性フィルム42には、スリットノズル41を構成するスリット43が、図11に示すように、中心から連通ノズル52の円錐状の大径の内周まで形成してある。なお、他の構成はすでに説明した記録ヘッド2と同一であるので、重複する説明は省略する。
このようなノズル形成部材50によれば、弾性フィルム42のスリットノズル41の可動片部44が圧力室22と反対の外側に押し広がるように撓んで液体が噴射される場合にも、補強プレート51に形成した連通ノズル52の円錐状の部分で可動片部44が撓む空間を確保することができ、連通ノズル52の内壁と可動片部44が干渉することなく、円滑に液体を噴射することができる。
また、このノズル形成部材50によれば、弾性フィルム42の外側が補強プレート51で補強され、ノズル形成部材50の耐久性を向上することができると共に、キャッピング機構でノズル形成面を封止する場合やワイピング機構でノズル形成面を払拭(ワイピング)する場合に補強プレート51の表面で封止したり、ワイピングすることができ、弾性フィルム42と直接接触することがなく、スリットノズル41の損傷を防止することができる。
さらに、このノズル形成部材50では、スリットノズル41の外側に連通ノズル52が位置することで、噴射後の僅かな液体が、図10に示すように、メニスカスを形成して残ることがあってもスリットノズル41によって圧力室22内などの液体と遮断され、乾燥増粘を連通ノズル52部分だけに留めることができる。
なお、ノズル形成部材50のスリットノズル41をフィルム自体の弾成によって閉じることで液体の乾燥増粘を防止するのに加え、液体に微振動を加えて撹拌することを組み合わせても良く、局部的に濃度が高くなることや増粘することを一層確実に防止することが可能となる。
ところで、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、補強プレートに形成する連通ノズルの形状としては、円錐状と円筒状とを組み合わせる場合に限らず、円筒状だけで構成することもできる。
さらに、ノズル形成部材のスリットノズルが形成される弾性フィルムとしては、液体に加わる圧力が高まることで撓み、圧力が開放されると自らの弾性で復帰する素材であれば、金属製のフィルムや合成樹脂製のフィルムあるいはこれらを単独または組み合わせて積層したフィルムなど、どのようなものであっても良く、スリットの中心からの長さやスリットノズルが設けられて開閉されるノズル孔あるいは連通ノズルの大きさも、噴射すべき液滴の大きさに応じて適宜定めれば良い。
また、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載に基づいて種々の変形が可能である。
また、本発明は、上記プリンタの記録ヘッドに限らず、他の液体噴射ヘッドにも適用することができる。例えば、液晶ディスプレー等のカラーフィルタを製造するディスプレー製造装置,有機EL(Electro Luminescence)ディスプレーやFED(面発光ディスプレー)等の電極を形成する電極製造装置,バイオチップ(生物化学素子)を製造するチップ製造装置等の液体噴射装置にも適用することができる。
プリンタの構成を説明する斜視図である。 記録ヘッドの構成を説明する要部横断面図である。 記録ヘッドの構成を説明する要部拡大断面図である。 ノズル形成部材の構成を説明する断面図である。 ノズル形成部材の構成を説明する底面図である。 スリットノズルのメニスカスを説明する図である。 スリットノズルの開閉状態と噴射される液滴の状態とを説明する図である。 記録ヘッドの構成を説明する要部横断面図である。 記録ヘッドの構成を説明する要部横断面図である。 ノズル形成部材の構成を説明する断面図である。 ノズル形成部材の構成を説明する底面図である。
符号の説明
1…プリンタ,2…記録ヘッド,12…ワイピング機構,15…圧電振動子,16…アクチュエータユニット,18…流路ユニット,19…ノズル孔,22…圧力室,24…ケース本体,39…振動板,40…流路基板,41…スリットノズル,42…ノズル形成部材(弾性フィルム),43…スリット,44…可動片部,48…島部,49…コンプライアンス部,50…ノズル形成部材,51…補強プレート,52…連通ノズル

Claims (7)

  1. 液体を噴射するためのノズルを形成したノズル形成部材と、前記ノズルに連通する圧力室を含む液体流路を形成した流路ユニットと、前記圧力室内の液体に圧力変動を生じさせるための圧力発生源と、を備え、前記圧力発生源の作動により前記ノズルから液体を噴射する液体噴射ヘッドであって、
    前記ノズル形成部材を、有機絶縁材料からなるフィルムにより構成し、
    前記ノズルを、その中心から放射状に複数のスリットを形成して各スリット間を可動片部としたスリットノズルとし、
    前記圧力発生源の作動により前記圧力室の内圧が高まると、前記可動片部がその弾性により前記圧力室とは反対側に撓んで液体を噴射可能な開状態に変換し、液体の噴射後に前記内圧が開放されると、前記可動片部がその弾性により閉状態に復帰するように構成したことを特徴とする液体噴射ヘッド。
  2. 前記可動片部は、閉状態に復帰する際、噴射された液体の尾部を切断することを特徴とする請求項1に記載の液体噴射ヘッド。
  3. 前記各スリットの寸法を揃えると共に等間隔で放射状に配置したこと特徴とする請求項1又は2に記載の液体噴射ヘッド。
  4. 前記ノズル形成部材を、前記フィルムと当該フィルムを補強する補強プレートとを積層して構成し、
    前記補強プレートにおける前記スリットノズルに対応する部分には、当該スリットノズルに連通する連通ノズルを板厚方向を貫通した状態に開設したことを特徴とする請求項1から請求項3の何れか一項に記載の液体噴射ヘッド。
  5. 前記ノズル形成部材の補強プレート側を前記流路ユニットに接合したことを特徴とする請求項4に記載の液体噴射ヘッド。
  6. 前記ノズル形成部材のフィルム側を前記流路ユニットに接合したことを特徴とする請求項4に記載の液体噴射ヘッド。
  7. 請求項1から請求項6の何れか一項に記載の液体噴射ヘッドを備えることを特徴とする液体噴射装置。
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