JP2009125899A - ロボット用調心装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 パーツ同士を破損させることなく第一のパーツの嵌合部と第二のパーツの被嵌合部との芯合わせを柔軟且つ迅速に行うことのできるロボット用調心装置を提供する。
【解決手段】 作動手段が連結される第一フレームと、保持手段が連結される第二フレームと、第一及び第二フレーム間に介装された中間フレームと、第一及び中間フレーム間に介装された第一付勢手段と、第二及び中間フレーム間に介装された第二付勢手段と、第一フレームと中間フレームとを連結する複数の第一連結材と、第二フレームと中間フレームとを連結する複数の第二連結材とを備え、第一又は第二連結材の何れか一方は、中心線が基線と略平行になるように配置され、第一又は第二連結材の何れか他方は、基線側に傾斜するように基線周りに設けられ、第一及び第二連結材は、各フレームの相対的な移動を許容するように傾動自在に構成される。
【選択図】図1
【解決手段】 作動手段が連結される第一フレームと、保持手段が連結される第二フレームと、第一及び第二フレーム間に介装された中間フレームと、第一及び中間フレーム間に介装された第一付勢手段と、第二及び中間フレーム間に介装された第二付勢手段と、第一フレームと中間フレームとを連結する複数の第一連結材と、第二フレームと中間フレームとを連結する複数の第二連結材とを備え、第一又は第二連結材の何れか一方は、中心線が基線と略平行になるように配置され、第一又は第二連結材の何れか他方は、基線側に傾斜するように基線周りに設けられ、第一及び第二連結材は、各フレームの相対的な移動を許容するように傾動自在に構成される。
【選択図】図1
Description
本発明は、予め設定された動作をする作動手段と第一のパーツを保持可能に構成された保持手段とを連結し、作動手段を動作させることで保持手段が保持した第一のパーツの嵌合部を所定位置に配置された第二のパーツの被嵌合部に嵌合する際、嵌合部と被嵌合部との芯合わせを行うロボット用調心装置に関する。
従来から、各種作業を自動化するための産業用ロボットが提供されており、その一つとして、予め設定された動作をする作動手段と、所定のパーツ(第一のパーツ)を保持可能に構成され、前記作動手段に連結される保持手段とを備えたものがある。
かかる産業用ロボットは、作動手段としてロボットアームや、予め設定した軌道上を移動する移動体等を備えており、前記保持手段が保持したパーツの嵌合部を作動手段の動作によって予め配置した別のパーツ(第二のパーツ)に形成された被嵌合部に嵌合させ、複数のパーツを組み立てるようになっている。
この種の産業用ロボットは、複数のパーツを組み立てるべく、パーツに形成された嵌合部を別のパーツに形成された被嵌合部に嵌合するに当り、作動手段の組立誤差や、作動手段の動作誤差、作動手段に対する保持手段の連結誤差等で、パーツの嵌合部の中心が別のパーツの被嵌合部の中心に対してずれる場合があるため、そのずれ(誤差)を吸収すべく嵌合部の中心線と被嵌合部の中心線とが同心になるよう両者の芯合わせを自動的に行うロボット用調心装置(芯合わせ装置)を介して作動手段と保持手段とが連結される。
かかるロボット用調心装置は、リモートセンターコンプライアンス(RCC)デバイスと言われるもので、図10に示す如く、作動手段Hが連結される第一フレーム600と、該第一フレーム600に対して間隔をあけて平行又は略平行に配置され、前記保持手段Gが連結される第二フレーム601と、第一フレーム600と第二フレーム601とを連結した複数の連結材602…とを備えている。
前記第一フレーム600及び第二フレーム601は、何れもプレート状に形成されており、仮想的に設定された基線L上に中心を一致させるように配置され、複数の連結材602…は、前記基線L周りで等間隔に配置されている。各連結材602…は、ゴムシートR…と金属プレートS…とを交互に重ね合わせて形成されており、積層方向の伸縮性を小さくする一方、積層方向と直交する方向(径方向)の変形を許容するように構成されている。
各連結材602…は、積層方向に延びる中心線が第二フレーム601側ほど前記基線L寄りに傾斜するように設けられており、その中心線の交点が当該ロボット用調心装置の外側に位置するようになっている。このようにすることで、該ロボット用調心装置は、第一のパーツP1の嵌合部Taを所定位置に配置された第二のパーツP2の被嵌合部Tbに嵌合させる際に、両者の中心がずれて互いに接触すると、その接触によって両者の中心が一致するように第一のパーツP1の姿勢が変更されるようになっている。
具体的に説明すると、第一のパーツP1の嵌合部Ta(図においては一例として第一のパーツP1として棒体を示し、その嵌合部Taとして棒体の先端部を示している)を第二のパーツP2の被嵌合部Tb(図においては被嵌合部Tbとして穴を示している)に嵌合する際、基線Lと同心をなして保持手段Gに保持された第一のパーツP1の嵌合部Taの中心線Laと被嵌合部Tbの中心線Lbとが略平行な状態でずれていると、作動手段Hの動作で第一のパーツP1が中心線La方向に移動したとき、その嵌合部Taの先端と、被嵌合部Tb(穴)の開口縁部に形成された面取部Cとが接触し、その接触による力(嵌合部Taの中心線La方向の力の分力)で第一のパーツP1が押されることになる。そうすると、保持手段Gを介して第二フレーム601が基線Lと直交方向に位置変更する結果、第一のパーツP1が平行移動して嵌合部Taと被嵌合部Tbとが同心になり、その状態で嵌合部Taが被嵌合部Tbに嵌合される。
そして、嵌合部Taの中心線La(基線L)に対して被嵌合部Tbの中心線Lbが傾斜していると、作動手段Hの動作で第一のパーツP1が中心線方向に移動したとき、その嵌合部Taの外周と被嵌合部Tbの面取部Cとが接触し、その接触による力(嵌合部Taの中心線La方向の力の分力)で第一のパーツP1が押されることになる。この場合、その力の作用点が嵌合部Taの外周にあるため、嵌合部Taの先端を中心としたモーメントが作用する結果、第二フレーム601が嵌合部Ta(棒体P1)の先端を中心に回転する(傾斜する)する。これにより、第一のパーツP1が傾動して嵌合部Taと被嵌合部Tbとが同心となり、その状態で嵌合部Taが被嵌合部Tbに嵌合される。
このように、上記構成のロボット用調心装置は、第一のパーツP1の嵌合部Taが第二のパーツP2の被嵌合部Tbに接触することで、第一のパーツP1を平行移動させることができるとともに、第一のパーツP1(嵌合部Ta)の先端を中心にして第一のパーツP1を傾動させることができるため、両者を嵌合させる際に自動的に芯合わせできるようになっている(例えば、特許文献1参照)。
特開平7−164256号公報
ところで、近年において組み立てられる装置の小型化や薄型化に伴い、組立(嵌合)の対象となるパーツP1,P2についても小型化や薄型化されているが、上記構成のロボット用調心装置は、上述の如くゴムシートRと金属プレートSとを積層して連結材602が構成されているため、該連結材602の剛性が高く、第二フレーム601の姿勢変更や位置変更を小さな力でスムーズに行いにくく、小型化や薄型化された第一のパーツP1と第二のパーツP2とを嵌合させるに際して両者を破損させてしまう可能性が高まりつつある。すなわち、上記ロボット用調心装置は、第一のパーツP1の嵌合部Taと第二のパーツP2の被嵌合部Tbとの接触によって芯合わせするものであるが、第一のパーツP1の姿勢変更や位置変更に大きな力を要するため、各パーツP1,P2が小型化や薄型化されると、パーツP1,P2同士の接触時にこれらを破損させてしまう虞がある。
そこで、第二フレーム601をスムーズに位置変更や姿勢変更させるのに、前記連結材602…の変形性(柔軟性)を高めて第二フレーム601乃至第一のパーツP1の配置の修正を柔軟に行えるようにすることが考えられる。すなわち、連結材602における金属プレートS…とゴムシートRとの積層方向と直交する方向(径方向)の外径を小さくし、連結材602…の柔軟性を高めることが考えられる。
しかしながら、連結材602…の外径を小さくすると、第一のパーツP1の嵌合部Taが第二のパーツP2の被嵌合部Tbに接触したとき、その押し作用で連結材602…が座屈(湾曲)してしまい、芯合わせをするといったロボット調心装置本来の機能が滅却されてしまうといった問題がある。
そこで、本発明は、斯かる実情に鑑み、パーツの嵌合部を所定位置に配置された別のパーツの被嵌合部に嵌合させるに際し、各パーツを破損させることなく嵌合部と被嵌合部との芯合わせをスムーズに行うことのできるロボット用調心装置を提供することを課題とする。
本発明に係るロボット用調心装置は、予め設定された動作をする作動手段と第一のパーツを保持可能に構成された保持手段とを連結し、作動手段が動作することで、保持手段が保持した第一のパーツの嵌合部が所定位置に配置された第二のパーツの被嵌合部に嵌合される際に、嵌合部と被嵌合部との芯合わせを行うロボット用調心装置において、作動手段が連結される第一フレームと、該第一フレームに対して間隔をあけて平行又は略平行に配置され、前記保持手段が連結される第二フレームと、第一フレームと第二フレームとの間に介設された中間フレームと、第一フレームと中間フレームとの間に介設され、これらを相対的に離間させる方向に付勢するとともに、両端部が第一フレーム及び中間フレームに傾動自在に支持された第一付勢手段と、第二フレームと中間フレームとの間に介設され、これらを相対的に離間させる方向に付勢するとともに、両端部が第二フレーム及び中間フレームに傾動自在に支持された第二付勢手段と、第一フレームと中間フレームとを連結する複数の第一連結材と、第二フレームと中間フレームとを連結する複数の第二連結材とを備え、第一フレーム、第二フレーム、中間フレーム、第一付勢手段、及び第二付勢手段は、仮想的に設定された基線に対して同心になるように配置され、第一連結材又は第二連結材の何れか一方は、それぞれの中心線が前記基線と略平行になるように前記基線周りで等間隔に配置されるとともに、それぞれの長さが同寸に設定される一方、第一連結材又は第二連結材の何れか他方は、それぞれの中心線が第二フレーム側に向かうにつれて基線側に傾斜するように前記基線周りで等間隔に配置されるとともに、それぞれの長さが同寸に設定され、複数の第一連結材は、第一フレーム及び中間フレームに対して傾動自在に構成され、複数の第二連結材は、第二フレーム及び中間フレームに対して傾動自在に構成されていることを特徴とする。なお、ここで「仮想的に設定された基線」とは、該ロボット用調心装置の基準として設定された架空の直線を意味する。また、第一連結材又は第二連結材に対する「長さ」とは、連結した二つ部材(第一フレームと中間フレーム、又は第二フレームと中間フレーム)と交差方向に延びる中心線方向の長さを意味しており、「同寸」とは、自然状態において、その連結した二つの部材を平行状態で連結できるように同一の長さに設定されることを意味している。
上記構成のロボット用調心装置によれば、保持手段に保持させた第一のパーツを基線の延びる方向に移動させるときに、該第一のパーツの嵌合部の中心線と所定位置に配置された第二のパーツの被嵌合部の中心線とが平行又は略平行な状態でずれていると、第一のパーツ(嵌合部)と第二のパーツ(被嵌合部)との接触によって基線と直交する方向に生じる分力の作用で、第一のパーツが中心線と直交する方向に押されることになる。
そうすると、第一連結材又は第二連結材の何れか一方は、それぞれの中心線が前記基線と略平行になるように前記基線周りで等間隔に配置されるとともに、それぞれの長さが同寸に設定され、複数の第一連結材は、第一フレーム及び中間フレームに対して傾動自在に構成され、複数の第二連結材は、第二フレーム及び中間フレームに対して傾動自在に構成されているので、上述のような分力が作用すると第一連結材又は第二連結材の何れか一方が傾動して傾斜した状態となり、これに直接的又は間接的に連結された第二フレームが第一フレームに対して平行を保ちつつ、基線に対して交差方向に移動することになる。
すなわち、複数の第一連結材のそれぞれの中心線が前記基線と略平行になるように第一連結材が前記基線周りで等間隔に配置されるとともに、各第一連結材のそれぞれの長さが同寸に設定される場合には、この第一連結材が傾斜して中間フレームとともに第二フレームが第一フレームに対して平行を保ちつつ、基線に対して交差方向に移動することになる。また、複数の第二連結材のそれぞれの中心線が前記基線と略平行になるように第一連結材が前記基線周りで等間隔に配置されるとともに、各第二連結材のそれぞれの長さが同寸に設定される場合には、この第二連結材が傾斜して第二フレームのみが第一フレームに対して平行を保ちつつ、基線に対して交差方向に移動することになる。これにより、第二フレームに連結した保持手段に保持された第一のパーツについても第二フレームに対応して位置変更することになり、嵌合部の中心線と被嵌合部の中心線とを一致させることができ、両者を円滑に嵌合させることができる。
そして、第一のパーツの嵌合部の中心線に対して第二のパーツの被嵌合部の中心線が傾斜した状態で、第一のパーツ(嵌合部)を基線の延びる方向に移動させたときには、第一のパーツ(嵌合部)と第二のパーツ(被嵌合部)との接触によって基線と直交する方向に生じる分力の作用で、該第一のパーツが中心線と直交する方向に押されることになる。この場合、嵌合部の中心線に対して被嵌合部との中心線が傾斜しているので、嵌合部(第一のパーツ)にモーメントが作用する。
そうすると、第一連結材又は第二連結材の何れか他方は、それぞれの中心線が第二フレーム側に向かうにつれて基線側に傾斜するように前記基線周りで等間隔に配置されるとともに、それぞれの長さが同寸に設定され、複数の第一連結材は、第一フレーム及び中間フレームに対して傾動自在に構成され、複数の第二連結材は、第二フレーム及び中間フレームに対して傾動自在に構成されているので、上述のような分力の作用で第一のパーツが押される(第一のパーツにモーメントが作用する)と、基線を基準にして分力の作用点側にある第一連結材又は第二連結材の他方が、傾動して基線側に更に傾く一方、基線を基準にして分力の作用点と反対側にある第一連結材又は第二連結材の他方が、傾動して基線から遠ざかって起立した状態に近づく結果、これに直接的又は間接的に連結された第二フレームは、中心線が被嵌合部の中心線に沿った姿勢になる。
すなわち、第一連結材のそれぞれの中心線が第二フレーム側に向かうにつれて基線側に傾斜するように各第一連結材が前記基線周りで等間隔に配置される場合には、その第一連結材が上述のように傾斜することで、該第一連結材に連結された中間フレームとともに第二フレームが傾斜し、該第二フレームは中心線が被嵌合部の中心線に沿った姿勢になる。また、第二連結材のそれぞれの中心線が第二フレーム側に向かうにつれて基線側に傾斜するように各第二連結材が前記基線周りで等間隔に配置される場合には、その第二連結材が上述のように傾斜することで、該第二連結材に連結された第二フレームのみが傾斜し、該第二フレームは中心線が被嵌合部の中心線に沿った姿勢になる。これにより、第二フレームに連結した保持手段に保持された第一のパーツについても第二フレームに対応して姿勢変更することになり、嵌合部の中心線と被嵌合部の中心線とを一致させることができ、両者を円滑に嵌合させることができる。なお、嵌合部の中心線と被嵌合部の中心線とが基線と直交方向にずれた上で嵌合部の中心線に対して被嵌合部の中心線が傾斜した状態となっている場合には、上記作用の組み合わせにより、嵌合部の中心線と被嵌合部の中心線とを一致させることができ、両者を円滑に嵌合させることができる。
そして、上記構成のロボット用調心装置は、第一フレームと中間フレームとの間に介設された第一付勢手段、及び第二フレームと中間フレームとの間に介設された第二付勢手段とを備え、それぞれが基線上で同心になるように配置された上で、第一フレーム、第二フレーム及び中間フレームを相対的に離間させる方向に付勢するようにしているので、上述のように第二フレームや中間フレームが位置変更や姿勢変更したときにもそれぞれに対して付勢力が作用し、常態において第一フレーム、第二フレーム及び中間フレームを基線上で同心となる姿勢に復帰させることができる。また、第一付勢手段及び第二付勢手段による付勢により、上述の如く、第二フレームのみが移動又は姿勢変更する場合や、中間フレームとともに第二フレームが移動又は姿勢変更する際に、その移動や姿勢変更させる必要のない構成同士(例えば、第一フレームと中間フレーム、或いは、第二フレームと中間フレーム)を同心の状態で維持させることができる。
本発明の一態様として、第一連結材は、中心線の延びる方向の両端部が第一フレーム及び中間フレームに固定された線材で構成されるとともに、第二連結材は、中心線の延びる方向の両端部が第二フレーム及び中間フレームに固定された線材で構成されてもよい。このようにすれば、構造を複雑化させることなく、第一連結材及び第二連結材の端部が曲がる(撓む)ことで全体を傾動させた状態にすることができ、中間フレームや第二フレームの位置変更や姿勢変更をスムーズに行うことができる。
この場合、第一連結材及び第二連結材は、ワイヤーロープで構成されていることが好ましい。このようにすれば、線材の中心線の延びる方向の伸縮性をほとんど無くすことができ、第一付勢手段や第二付勢手段による付勢力を作用させても、第一フレーム、第二フレーム及び中間フレームの相対的な位置関係を常に一定にすることができる。
本発明の他態様として、第一付勢手段及び第二付勢手段のそれぞれは、軸心方向に相対移動自在に互いに嵌合された一対の筒状体と、一対の筒状体に内装され、これらを互いに離間させる方向に付勢するバネ材とを備え、第一付勢手段は、一方の筒状体の一端部が第一フレームに傾動自在に支持される一方、他方の筒状体の一端部が中間フレームに傾動自在に支持され、第二付勢手段は、一方の筒状体の一端部が第二フレームに傾動自在に支持される一方、他方の筒状体の一端部が中間フレームに傾動自在に支持されてもよい。
このようにすれば、第一付勢手段及び第二付勢手段の何れもが、筒状体の軸心方向に伸縮自在な状態で第一フレーム、第二フレーム及び中間フレームを付勢することができる。従って、中間フレームや第二フレームが位置変更したり姿勢変更したりしたときに、第一フレーム、第二フレーム及び中間フレームのそれぞれの中心を結ぶ距離が変化することになるが、それぞれの配置に応じた長さに伸縮して付勢した状態を維持することができる。
本発明の別の態様として、第一付勢手段及び第二付勢手段のそれぞれは、両端が開口した筒状体と、該筒状体に内装されたバネ材とを備え、第一付勢手段は、前記バネ材の両端が第一フレーム及び中間フレームに当接してこれらを離間させる方向に付勢するとともに、筒状体の一端部が第一フレームに傾動自在に支持される一方、該筒状体の他端部が中間フレームに傾動自在に支持され、第二付勢手段は、前記バネ材の両端が第二フレーム及び中間フレームに当接してこれらを離間させる方向に付勢するとともに、筒状体の一端部が第二フレームに傾動自在に支持される一方、該筒状体の他端部が中間フレームに傾動自在に支持されてもよい。
このようにすれば、第一付勢手段がバネ材によって第一フレーム及び中間フレームに対して直接的に付勢することができ、筒状体の両端部が第一フレーム及び中間フレームに傾動自在に支持されることで、バネ材の変形に影響を受けることなく第一フレームと中間フレームとを同心の状態に復帰させることができる。また、第二付勢手段においても同様にバネ材によって第二フレーム及び中間フレームに対して直接的に付勢することができ、筒状体の両端部が第二フレーム及び中間フレームに傾動自在に支持されることで、バネ材の変形に影響を受けることなく第二フレームと中間フレームとを同心の状態に復帰させることができる。
そして、第一付勢手段及び第二付勢手段のそれぞれは、両端部に弾性変形自在なゴム製の環状部材が外嵌され、第一付勢手段は、第一フレームに前記基線と同心で設けられた平面視円形状の凹部又は穴の内周に環状部材が接触するように一端部が該凹部又は穴に内挿されるとともに、中間フレームの一方の面に前記基線と同心で設けられた平面視円形状の凹部又は穴の内周に環状部材が接触するように他端部が該凹部又は穴に内挿され、第二付勢手段は、第二フレームに前記基線と同心で設けられた平面視円形状の凹部又は穴の内周に環状部材が接触するように一端部が該凹部又は穴に内挿されるとともに、中間フレームの他方の面に前記基線と同心で設けられた平面視円形状の凹部又は穴の内周に環状部材が接触するように他端部が該凹部又は穴に内挿されていることが好ましい。このようにすれば、第二フレームや中間フレームの位置変更や姿勢変更に伴って傾動した第一付勢手段や第二付勢手段が基線と同心になる姿勢に復帰するに際し、バネ材の付勢力に加えて環状部材の弾性力(復元力)も作用することになり、各構成を適正な姿勢により円滑に復帰させることができる。
前記中間フレームは、第一フレーム及び第二フレームと同心又は略同心をなすメインフレーム部と、前記基線周りで間隔をあけて該メインフレーム部に対して第二フレーム側にオフセットするように設けられ、前記第一連結材が連結される複数の第一連結部と、該複数の第一連結部の間に位置するとともに、メインフレーム部に対して第一フレーム側にオフセットするように設けられ、前記第二連結材が連結される複数の第二連結部とを備えていることが好ましい。
このようにすれば、第一連結材がメインフレーム部よりも第二フレーム側で連結され、第二連結材がメインフレーム部よりも第一フレーム部側で連結されるので、第一連結材及び第二連結材が基線の延びる方向で重複するように配置される。これにより、第一フレームと第二フレームとの間に中間フレームを介設しても、第一フレームと第二フレームとを近づけて配置することができ、当該ロボット用調心装置を小型化することができる。
本発明に係るロボット用調心装置によれば、パーツの嵌合部を所定位置に配置された別のパーツの被嵌合部に嵌合させるに際し、各パーツを破損させることなく嵌合部と被嵌合部との芯合わせをスムーズに行うことができるという優れた効果を奏し得る。
以下、本発明の一実施形態に係るロボット用調心装置について、添付図面を参照しつつ説明する。
本実施形態に係るロボット用調心装置は、図1に示す如く、予め設定された動作をする作動手段Hと第一のパーツP1を保持可能に構成された保持手段Gとを連結し、作動手段Hが動作することで、前記保持手段Gが保持した第一のパーツP1の嵌合部Taが所定位置に配置された第二のパーツP2の被嵌合部Tbに嵌合される際に、第一のパーツP1の嵌合部Taの中心線Laと第二のパーツP2の被嵌合部Tbの中心線Lbとを一致させる(嵌合部Taと被嵌合部Tbとの芯合わせを行う)ものである。
図1においては、作動手段Hとしてロボットアームの一部を示し、保持手段Gとして第一のパーツP1を把持するグリッパを示しており、第一のパーツP1として棒体を示している。これに伴って、本実施形態においては、第一のパーツP1の嵌合部Taを当該棒体の先端部とし、第二のパーツP2の被嵌合部Tbを棒体の先端部(嵌合部)Taを嵌合する穴として説明することとする。なお、嵌合部Taを嵌合し易くするといった観点やエッジによる怪我を防止するといった観点により、被嵌合部Tbとしての穴の開口周縁部を面取りすることは機械加工上常識とされており、本実施形態においても当然に穴の開口周縁部が面取りされている。
本実施形態に係るロボット用調心装置1は、図1〜図3に示す如く、作動手段Hが連結される第一フレーム10と、該第一フレーム10に対して間隔をあけて平行又は略平行に配置され、前記保持手段Gが連結される第二フレーム20と、第一フレーム10と第二フレーム20との間に介設された中間フレーム30と、第一フレーム10と中間フレーム30との間に介設され、これらを相対的に離間させる方向に付勢するとともに、両端部が第一フレーム10及び中間フレーム30に傾動自在に支持された第一付勢手段40と、第二フレーム20と中間フレーム30との間に介設され、これらを相対的に離間させる方向に付勢するとともに、両端部が第二フレーム20及び中間フレーム30に傾動自在に支持された第二付勢手段50と、第一フレーム10と中間フレーム30とを連結する第一連結材60…と、第二フレーム20と中間フレーム30とを連結する第二連結材70…とを備えている。前記第一フレーム10、第二フレーム20、中間フレーム30、第一付勢手段40、及び第二付勢手段50は、仮想的に設定された基線Lに対して同心になるように配置されている。ここで「仮想的に設定された基線L」とは、該ロボット用調心装置1の基準として設定された架空の直線を意味し、各図において一点鎖線で示している。
前記第一フレーム10は、金属製のプレートで構成されており、本実施形態においては円板状に形成されている。そして、該第一フレーム10は、一方の面側に作動手段Hを連結するようになっている。これに伴い、該第一フレーム10の一方の面には、作動手段Hに設けられた位置決凸部B1(図1参照)を嵌合する平面視円形状の凹部100が形成されている。
該第一フレーム10は、図2(a)、図2(b)及び図3に示す如く、一方の面から他方の面に向けて貫通した複数の穴(以下、第一穴という)101…が前記基線L周り(周方向)に等間隔で設けられるとともに、第一フレーム10の外周面には、第一穴101…の配置に対応するように該第一穴101…に貫通したネジ穴102…が設けられている。該ネジ穴102…には、螺子103が螺入されており、前記第一穴101…に挿入した第一連結材60…の一端部を該螺子103で押さえて固定するようになっている。
また、該第一フレーム10は、図3に示す如く、第一付勢手段40の一端部を支持すべく、他方の面に基線Lを中心とする円形状の第一支持用凹部104が形成されている。該第一支持用凹部104の内径は、後述する環状部材80aの外径と同寸又はやや小さめに設定されており、環状部材80aを外周が接触した状態で内挿できるようになっている。
前記第二フレーム20は、金属製のプレートで構成されており、本実施形態においては、第一フレーム10と略同径の円板状に形成されている。そして、該第二フレーム20は、一方の面側に保持手段Gを連結するようになっており、該一方の面には、保持手段Gに設けられた位置決凸部B2(図1参照)を嵌合する平面視円形状の凹部200が形成されている。これにより、保持手段Gに保持させた第一のパーツP1の嵌合部Taの中心線Laが基線Lと同心になるように設定されている。
該第二フレーム20は、一方の面から他方の面に向けて貫通した複数の穴(以下、第二穴という)201…が前記基線L周り(周方向)に等間隔で設けられるとともに、第二フレーム20の外周面には、前記第二穴201…の配置に対応するように該第二穴201…に貫通したネジ穴202…が設けられている。該ネジ穴202…には、螺子203が螺入されており、前記第二穴201…に挿入した第二連結材70…の一端部を該螺子203で押さえて固定するようになっている。
また、該第二フレーム20は、第二付勢手段50の一端部を支持すべく、他方の面に基線Lを中心とする円形状の第二支持用凹部204が形成されている。該第二支持用凹部204の内径は、第二付勢手段50の後述する環状部材85aの外径と同寸又はやや小さめに設定されており、環状部材85aを外周が接触した状態で内挿できるようになっている。
前記中間フレーム30は、金属製の部材で、図3及び図4に示す如く、第一連結材60…の他端部を挿入する複数の穴(以下、第三穴という)300…が穿設されるとともに、第二連結材70…の他端部を挿入する複数の穴(以下、第四穴という)301…が穿設されている。前記複数の第三穴300…は、第一フレーム10に穿設された複数の第一穴101…と対向するように設けられている。
すなわち、図3に示す如く、複数の第三穴300…は、複数の第一穴101…が配置される基線Lを中心とする直径D1と同径の直径D3上に複数の第一穴101…の周方向の間隔と同間隔で設けられている。これに対し、複数の第四穴301…は、複数の第二穴201…が配置される基線Lを中心とする直径D2よりも大きな直径D4上に複数の第二穴201…の周方向の間隔と同間隔で設けられている。すなわち、第二穴201…と第四穴301…とは、両端部を挿通した第二連結材70…が第二フレーム20側ほど基線L寄りに傾斜した状態になるように配置されている。
本実施形態において、複数の第四穴301…が配置される直径D4は、第一穴101…及び第三穴300…の配置される直径D1,D3と同径に設定されており、複数の第二穴201…の配置される基線Lを中心とする直径D2が第一穴101…、第三穴300…、及び第四穴301…の配置される基線Lを中心とする直径D1,D3,D4よりも小さく設定されている。そして、中間フレーム30には、第三穴300…及び第四穴301…に連通する複数のネジ穴302,303…が周方向に間隔を開けて設けられており、第三穴300…に挿通した第一連結材60…の他端部及び第四穴301…に挿通した第二連結材70…の他端部をネジ穴302,303…に螺入した螺子304,305で押さえて固定するようになっている。
本実施形態に係る中間フレーム30は、第一フレーム10及び第二フレーム20と同心又は略同心をなすメインフレーム部310と、前記基線L周りで間隔をあけて該メインフレーム部310に対して第二フレーム20側にオフセット(変位)するように設けられ、前記第一連結材60…が連結される複数の第一連結部311…と、該複数の第一連結部311…の間に位置するとともに、メインフレーム部310に対して第一フレーム10側にオフセット(変位)するように設けられ、前記第二連結材70…が連結される複数の第二連結部312…とを備えている。
本実施形態に係る中間フレーム30は、図3及び図4に示す如く、各第一連結部311…がメインフレーム部310の外周から一方の面側に延出した第一延出部313…の先端部から基線Lと直交する方向で外側に延出するように形成されており、各第二連結部312…がメインフレーム部310の外周から他方の面側に延出した第二延出部314…の先端部から基線Lと直交する方向で外側に延出するように形成されている。本実施形態において、メインフレーム部310は、円板状に形成されており、第一連結部311…及び第二連結部312…は、平面視において扇形状に形成され、それぞれ同形、同サイズに設定されている。
そして、該中間フレーム30は、図4(a)及び図4(b)に示す如く、各第一連結部311…に第三穴300…が一つずつ設けられ、これに伴い、各第一連結部311…には、外周から基線Lに向けて延び、第三穴300…に連通したネジ穴302…が設けられている。また、図4(c)及び図4(d)に示す如く、各第二連結部312…に第四穴301…が一つずつ設けられて、これに伴って、各第二連結部312…には、外周から基線Lに向けて延び、第四穴301…に連通したネジ穴303…が設けられている。
そして、図5に示す如く、各第一連結部311…及び第二連結部312…には、該中間フレーム30の移動量を規制するための規制用ボルト320を螺合させるネジ穴306が穿設されており、第一フレーム10の他方の面、及び第二フレーム20の他方の面には、規制用ボルト320(ネジ穴306)の配置に対応して規制用凹部105,205が設けられている。該規制用凹部105,205は、規制用ボルト320の頭部よりも大径に設定されている。該規制用ボルト320は、第一フレーム10側及び第二フレーム20側における規制用ボルト320の頭部の出退量を調整し、凹部105,205の内面と頭部との接触で中間フレーム30の許容移動量を設定できるようになっている。
図3に戻り、前記中間フレーム30は、第一付勢手段40の他端部を支持すべく、一方の面(メインフレーム部310の他方の面)に基線Lを中心とする円形状の第三支持用凹部315が形成され、第二付勢手段50の他端部を支持すべく、他方の面(メインフレーム部310の一方の面)に基線Lを中心とする円形状の第四支持用凹部316が形成されている。該第三支持用凹部315の内径は、第一付勢手段40の後述する環状部材80bの外径と同寸又はやや小さめに設定されており、該環状部材80bを外周が接触した状態で内挿できるようになっている。そして、第四支持用凹部316の内径は、第二付勢手段50の後述する環状部材85bの外径と同寸又はやや小さめに設定されており、該環状部材85bを外周が接触した状態で内挿できるようになっている。
第一付勢手段40は、軸心方向に相対移動自在に互いに嵌合された一対の筒状体400a,400bと、一対の筒状体400a,400bに内装され、これらを互いに離間させる方向に付勢するバネ材401とを備えている。
前記一対の筒状体400a,400bは、何れも一方の端部が閉塞されており、一方が他方に対して外嵌されることで軸線方向に相対的に移動できるようになっている。そして、一対の筒状体400a,400b内にバネ材(コイルバネ)401が介装されており、一対の筒状体400a,400bを相対的に離間させるように付勢されている。すなわち、コイルバネ401は、一方の筒状体400aの閉塞された端部に一端が当接するとともに、他方の筒状体400bの閉塞された縁部に他端が当接するように一対の筒状体400a,400b内に内装されている。
そして、各筒状体400a,400bの閉塞された端部の外面には、円柱状の支持部402a,402bが外方に向けて凸設されている。該支持部402a,402bは、筒状体400a,400bよりも小径に設定されるとともに、該筒状体400a、400bと同心になるように設けられており、それぞれに弾性変形自在なゴム製の環状部材80a,80bが外嵌されている。これにより、該第一付勢手段40は、両端部に環状部材80a,80bが外嵌された状態になっている。
前記支持部402a,402bは、筒状体400a,400bの端面からの突出量が、環状部材80a,80bの断面の外径よりも小さく設定されており、支持部402a,402bに外嵌された環状部材80a,80bが、筒状体400a,400bの外周及び支持部402a,402bの先端端面から外側に外周の一部が位置するようになっている。
そして、第一付勢手段40は、一方の筒状体400aの支持部402aが第一フレーム10の第一支持用凹部104に環状部材80aを介して内挿されるとともに、他方の筒状体400bの支持部402bが中間フレーム30の第三支持用凹部315に環状部材80bを介して内挿されている。
このように第一付勢手段40の各支持部402a,402bを第一支持用凹部104及び第三支持用凹部315に内挿することで、各環状部材80a,80bが第一支持用凹部104、第三支持用凹部315の内面と接触する一方、支持部402a,402bが第一支持用凹部104、第三支持用凹部315を画定する内面との間に間隙を形成した状態で配置される。これにより、第一付勢手段40は、一方の筒状体400aの一端部が第一フレーム10に傾動自在に支持されるとともに、他方の筒状体400bの一端部が中間フレーム30に傾動自在に支持されている。
本実施形態に係る第二付勢手段50は、第一付勢手段40と同一の構成とされている。すなわち、第二付勢手段50は、軸心方向に相対移動自在に互いに嵌合された一対の筒状体500a,500bと、一対の筒状体500a,500bに内装され、これらを互いに離間させる方向に付勢するバネ材501とを備えている。
前記一対の筒状体500a,500bの何れも一方の端部が閉塞されており、一方が他方に対して外嵌されることで軸線方向に相対的に移動できるようになっている。そして、一対の筒状体500a,500b内にバネ材(コイルバネ)501が介装されており、一対の筒状体500a,500bを相対的に離間させるように付勢されている。すなわち、コイルバネ501は、一方の筒状体500aの閉塞された端部に一端が当接するとともに、他方の筒状体500bの閉塞された縁部に他端が当接するように一対の筒状体500a,500b内に内装されている。
そして、各筒状体500a,500bの閉塞された端部の外面には、円柱状の支持部502a,502bが外方に向けて凸設されている。該支持部502a,502bは、筒状体500a、500bと同心になるように設けられており、それぞれにゴム製の環状部材85a,85bが外嵌されている。これにより、該第二付勢手段50は、両端部に環状部材85a,85bが外嵌された状態になっている。
前記支持部502a,502bは、筒状体500a,500bの端面からの突出量が、環状部材85a,85bの断面の外径よりも小さく設定されており、支持部502a,502bに外嵌された環状部材85a,85bが、筒状体500a,500bの外周及び支持部502a,502bの先端端面から外側に外周の一部が位置するようになっている。
そして、第二付勢手段50は、一方の筒状体500aの支持部502aが第二フレーム20の第二支持用凹部204に環状部材85aを介して内挿されるとともに、他方の筒状体500bの支持部502bが中間フレーム30の第四支持用凹部316に環状部材85bを介して内挿されている。
このように第二付勢手段50の各支持部502a,502bを第二支持用凹部204及び第四支持用凹部316に内挿することで、各環状部材85a,85bが第二支持用凹部204、第四支持用凹部316の内面と接触する一方、支持部502a,502bが第二支持用凹部204、第四支持用凹部316を画定する内面との間に間隙を形成した状態で配置される。これにより、第二付勢手段50は、一方の筒状体500aの一端部が第二フレーム20に傾動自在に支持されるとともに、他方の筒状体500bの一端部が中間フレーム30に傾動自在に支持されている。
第一連結材60…又は第二連結材70…の何れか一方(本実施形態においては第一連結材60)は、上述の如く複数設けられることを前提に、それぞれの中心線が前記基線Lと略平行になるように前記基線L周りで等間隔に配置されるとともに、それぞれの長さが同寸に設定されている。なお、ここで「長さ」とは、連結した二つ部材(第一フレーム10と中間フレーム30、又は第二フレーム20と中間フレーム30(本実施形態においては第一フレーム10と中間フレーム30))と交差方向に延びる中心線方向の長さを意味しており、「同寸」とは、自然状態において、その連結した二つの部材を平行状態で連結できるように同一の長さに設定されることを意味している。
これに対し、第一連結材60…又は第二連結材70…の何れか他方(本実施形態においては第二連結材70)は、上述の如く複数設けられることを前提に、それぞれの中心線が第二フレーム側に向かうにつれて基線L側に傾斜するように前記基線L周りで等間隔に配置されるとともに、それぞれの長さが同寸に設定されている。なお、ここで「長さ」とは、連結した二つ部材(第一フレーム10と中間フレーム30、又は第二フレーム20と中間フレーム30(本実施形態においては第二フレーム20と中間フレーム30))と交差方向に延びる中心線方向の長さを意味しており、「同寸」とは、自然状態において、その連結した二つの部材を平行状態で連結できるように同一の長さに設定されることを意味している。
具体的には、複数の第一連結材60…は、上述の如く、それぞれの中心線が前記基線Lと略平行になるように前記基線L周りで等間隔に配置されるとともに、それぞれの長さが同寸に設定されており、第一フレーム10及び中間フレーム30に対して傾動自在に構成されている。これにより、第一連結材60…が傾動する(基準となる常態の姿勢から傾く)ことで、第一フレーム10及び中間フレーム30が平行状態を保ちつつ前記基線Lと交差(直交)する何れの方向にも相対移動できるようになっている。
このように第一連結材60…を傾動自在とするために、前記第一連結材60…は、可撓性を有する一方で、長手方向(中心線方向)で非伸縮性又は低伸縮性の線材で構成されており、本実施形態において、前記線材としてワイヤーロープが採用されている。
そして、各第一連結材60…は、一端側が第一フレーム10に固定され、他端側が中間フレーム30に固定されている。本実施形態において、複数の第一連結材60…のそれぞれは、一端部が第一フレーム10の第一穴101…に挿入されて螺子103で固定され、他端部が中間フレーム30の第一連結部311…の第三穴300…に挿入されて螺子304で固定されており、第一付勢手段40が第一フレーム10と中間フレーム30とを離間させる方向に付勢することで真っ直ぐに延び、中心線が基線Lと略平行となる姿勢で維持している。
そして、複数の第二連結材70…は、上述の如く、それぞれの中心線が第二フレーム側に向かうにつれて基線L側に傾斜するように前記基線L周りで等間隔に配置されるとともに、それぞれの長さが同寸に設定されており、第二フレーム20及び中間フレーム30に対して傾動自在に構成されている。これにより、該第二連結材70…が傾動する(基準となる常態の姿勢から傾く)ことで、第二フレーム20が常態の姿勢から傾きつつ前記基線Lと交差(直交)する何れの方向にも相対移動できるようになっている。
このように第二連結材70…を傾動自在とするために、第二連結材70…は、可撓性を有する一方で、長手方向(中心線方向)で非伸縮性又は低伸縮性の線材で構成されており、本実施形態において、前記線材としてワイヤーロープが採用されている。
そして、各第二連結材70…は、一端側が第二フレーム20に固定され、他端側が中間フレーム30に固定されている。本実施形態において、複数の第二連結材70…のそれぞれは、一端部が第二フレーム20の第二穴201…に挿入されて螺子203で固定され、他端部が中間フレーム30の第二連結部312…の第四穴301…に挿入されて螺子305で固定されており、第二付勢手段50が第二フレーム20と中間フレーム30とを離間させる方向に付勢することで真っ直ぐに延び、中心線が基線Lに対して傾斜した姿勢で維持している。
複数の第二連結材70…は、上述の如く第二フレーム20側ほど基線L寄りに傾斜し、それぞれが該基線Lに対して同じ角度で傾斜しているため、それぞれの中心線(実際には中心線を延長した仮想線L1:図1参照)が基線L上で交差することになるが、その交差点が保持手段Gに保持させた第一のパーツP1の先端に一致するように傾斜角度が設定されている。これにより、該ロボット用調心装置1は、第一のパーツP1に対して基線Lと直交する方向に力(モーメント)が作用すると、前記仮想線L1の交点(第一のパーツP1の先端)を中心にして第一のパーツP1が傾動するようになっている。従って、各第二連結材70…の傾斜角度は、保持手段Gに保持される第一のパーツP1の先端(嵌合部Taの先端)位置を基に決定される。すなわち、第二連結材70…の傾斜角度は、保持手段Gの種類や保持手段Gに保持される第一のパーツP1によって適宜設定される。
本実施形態に係るロボット用調心装置1は、以上の構成からなり、次に作用について説明する。上記構成のロボット用調心装置1は、第一フレーム10に作動手段H(ロボットアーム)が連結され、第二フレーム20に保持手段Gが連結され、常態において第一付勢手段40及び第二付勢手段50による付勢によって第一フレーム10、第二フレーム20、及び中間フレーム30(メインフレーム部310)が基線L上に同心で配置され、保持手段Gに保持させた第一のパーツP1における嵌合部Taの中心線La(軸心)が前記基線Lと同心となる(図1及び図2(a)参照)。
そして、作動手段(ロボットアーム)Hが動作し、第一のパーツP1の嵌合部Taの中心線La(基線L)と所定位置に配置された第二のパーツP2の被嵌合部Tbの中心線(穴心)Lbとが略平行な状態で位置ずれを生じさせたまま、前記嵌合部Taが被嵌合部Tbに嵌合されようとすると、その被嵌合部Tbの周縁(本実施形態においては穴の周縁に形成された面取部)に嵌合部Taの先端が接触することになる。なお、このように嵌合部Taが被嵌合部Tbの周縁に接触することを前提としているのは、現状における作動手段Hで実現されている動作精度を基準としているからであり、被嵌合部Tbの周縁以外に嵌合部Taが接触するのは作動手段Hの誤差ではなくトラブルによるものである。
そうすると、上述の如く、ロボットアームの動作で第一のパーツP1が基線L(中心線La)方向に移動すると、図6(a)に示す如く、被嵌合部Tbの周縁部(面取部)Cが角度を有しているため、第一のパーツP1の移動に伴う基線L方向の力の分力が該基線Lと直交する方向に作用する。これにより、その分力が第二フレーム20及び第二連結材70…を介して中間フレーム30に作用し、該中間フレーム30が真横(基線Lと直交する方向)に押されることで、第一フレーム10と中間フレーム30とを連結した複数の第一連結材60…が傾動して中間フレーム30が真横に移動する。すなわち、複数の第一連結材60…は、同寸に設定されるとともに基線Lと平行な状態をなしているため、上述のような力(分力)が作用すると、第一フレーム10に接続された端部及び中間フレーム30に接続された端部のそれぞれ曲がり、第一フレーム10と中間フレーム30との間で傾斜した状態となることで、中間フレーム30が第一フレーム10に対して平行状態を保ちつつ基線Lと直交方向(交差方向)に移動する。これにより、保持手段Gに保持された第一のパーツP1の嵌合部Taと第二のパーツP2の被嵌合部Tbとが同心になり、嵌合部Taが被嵌合部Tbにスムーズに嵌合されることになる。
また、第一のパーツP1の嵌合部Taの中心線Laと所定位置に配置された第二のパーツP2の被嵌合部Tbの中心線Lbとが傾斜した状態(こじれが生じるような状態)で、前記嵌合部Taが被嵌合部Tbに嵌合されようとすると、その被嵌合部Tbの周縁(本実施形態においては、穴の周縁に形成された面取り部分)Cに嵌合部Taの周囲が接触することになる。なお、このように嵌合部Taの外周が被嵌合部Tbの周縁に接触することを前提としているのも、現状における作動手段Hで実現されている動作精度を基準としているからである。
そうすると、上述の如く、ロボットアームの動作で第一のパーツP1が軸心方向に移動されると、該第一のパーツP1の移動に伴う基線L方向の力の分力が該基線Lと直交する方向に作用する。これにより、図6(b)に示す如く、その分力がモーメントとして第二フレーム20に作用し、第二フレーム20と中間フレーム30とを連結した複数の第二連結材70…が傾動し、第二フレーム20が基線Lと交差方向(横方向)に移動する。
ここで第二フレーム20は、該第二フレーム20側ほど基線Lに寄って傾斜した第二連結材70…によって中間フレーム30に連結されているため、上述のようなモーメント(分力)が作用すると、第二連結材70…は、第二フレーム20に接続された端部及び中間フレーム30に接続された端部のそれぞれで曲がり、第二フレーム20と中間フレーム30との間で傾斜した状態となるが、基線Lを基準にした分力の作用点側の第二連結材70…が既に基線L側に傾斜した状態からさらに傾斜した状態となる一方、基線Lを基準(境)にした分力の作用点とは反対側の第二連結材70…が既に基線L側に傾斜した状態から起立した状態になる。
これにより、第二フレーム20は、第二連結材70の固定(連結)位置において、基線Lを基準(境)にした分力の作用点側が、中間フレーム30と略平行な常態位置から所定量aだけ中間フレーム30側に移動する一方、基線Lを基準(境)にした分力の作用点とは反対側が、中間フレーム30と略平行な常態位置から所定量bだけ中間フレーム30から離間する方向に移動する。従って、第二フレーム20は、第二連結材70の固定(連結)位置において、基線Lを基準にした分力の作用点側とその反対側とで高低差Y(=a+b)が付いて傾斜する。
これにより、保持手段Gに保持された第一のパーツP1の嵌合部Taと第二のパーツP2の被嵌合部Tbとが同心になり、嵌合部Taが被嵌合部Tbにスムーズに嵌合されることになる。
そして、本実施形態に係るロボット用調心装置1は、上述の如く、第一付勢手段40及び第二付勢手段50で第一フレーム10、第二フレーム20、及び中間フレーム30をそれぞれ離間させる方向に付勢しているため、嵌合部Taと被嵌合部Tbとを嵌合させる(嵌合部Taと被嵌合部Tbとが接触している)以外の状態において、第一付勢手段40及び第二付勢手段50が基線Lに沿った起立状態に戻ろうとして、第一フレーム10、第二フレーム20、及び中間フレーム30を同心の状態に復帰させることになる。
これにより、第一のパーツP1の保持や嵌合部Taと被嵌合部Tbとの嵌合等といった一連の動作を一定の状態で繰り返し行うことができる。特に、本実施形態においては、第一フレーム10、第二フレーム20及び中間フレーム30の相対的な移動を抵抗なく柔軟に行えるように、それぞれを連結した第一連結材60…及び第二連結材70…に線材(ワイヤーロープ)を採用しているので、第一付勢手段40及び第二付勢手段50による付勢でこれらにテンションを与えて、第一フレーム10、第二フレーム20及び中間フレーム30の動作の再現の安定性を図ることができる。
そして、第二のパーツP2の被嵌合部Tbの中心線Lbが第一のパーツP1の嵌合部Taの中心線Laに対して傾斜しており、第一のパーツP1を基線L方向に移動させたときに第一のパーツP1の嵌合部Taの先端が第二のパーツP2の被嵌合部Tbの周縁(面取部C)に接触するような場合には、図6(c)に示す如く、上述の各作用が独立して作用し、嵌合部Taが被嵌合部Tbに対して同心になった上で嵌合されることになる。すなわち、嵌合部Taの先端と被嵌合部Tbの周縁との接触による分力の作用で第一のパーツP1が基線L(嵌合部Taの中心線La)に対して直交方向に移動した上で、嵌合部Taの外周と被嵌合部Tbの周縁との接触によるモーメントの作用で嵌合部Ta(第一のパーツP1)が先端を中心にして傾動する。これにより、保持手段Gに保持された第一のパーツP1の嵌合部Taと第二のパーツP2の被嵌合部Tbとが同心になり、嵌合部Taが被嵌合部Tbにスムーズに嵌合されることになる。
以上のように、本実施形態に係るロボット用調心装置1は、第一付勢手段40及び第二付勢手段50で第一フレーム10、第二フレーム20、及び中間フレーム30のそれぞれを離間させる方向に付勢するとともに、第一フレーム10と中間フレーム30と連結する第一連結材60…及び第二フレーム20と中間フレーム30とを連結する第二連結材70…を可撓性のある線材(ワイヤー)で構成したので、嵌合部Taと被嵌合部Tbとの接触力が小さい状態で第二フレーム20及び中間フレーム30を姿勢変更や位置変更させることができる。これにより、各第一のパーツP1,P2が小型化や薄型化されたものであっても、これらを破損させることなく、嵌合部Taと被嵌合部Tbとの芯合わせをスムーズに行うことができる。
また、第一付勢手段40及び第二付勢手段50で第一フレーム10、第二フレーム20、及び中間フレーム30のそれぞれを離間させる方向に付勢することで、第一フレーム10、第二フレーム20,及び中間フレーム30が同心となる状態にすることができ、第二フレーム20に連結した保持手段Gを適正な姿勢(第一のパーツP1を保持できる姿勢)に確実に復帰させることができる。
特に、本実施形態において、第一付勢手段40及び第二付勢手段50の支持部402a,402b,502a,502bに弾性変形自在なゴム製の環状部材80a,80b,85a,85bを外嵌した状態で、該支持部402a,402b,502a,502bを第一、第二、第三、及び第四支持用凹部104,204,315,316に内挿しているため、第二フレーム20及び中間フレーム30の移動に伴って第一付勢手段40及び第二付勢手段50が傾いたときに、バネ材401,501の付勢に加えて環状部材80a,80b,85a,85bが弾性変形して復元力が作用するので、第一フレーム10、第二フレーム20、及び中間フレーム30が同心となる状態に円滑に復帰させることができる。
そして、第一連結材60…及び第二連結材70…を、ワイヤーロープで構成することで、中心線方向に伸縮性を低くする或いは無くすことができ、第一付勢手段40や第二付勢手段50による付勢力が生じても延びることがなく、第一フレーム10、第二フレーム20及び中間フレーム30を適正な配置で維持させることができる。
また、第一付勢手段40及び第二付勢手段50は、軸心方向に相対移動自在に互いに嵌合された一対の筒状体400a,400b,500a,500bと、一対の筒状体400a,400b,500a,500bに内装され、これらを互いに離間させる方向に付勢するバネ材401,501とを備え、第一付勢手段40は、一方の筒状体400aの一端部が第一フレーム10に傾動自在に支持される一方、他方の筒状体400bの一端部が中間フレーム30に傾動自在に支持され、第二付勢手段50は、一方の筒状体400aの一端部が第二フレーム20に傾動自在に支持される一方、他方の筒状体400bの一端部が中間フレーム30に傾動自在に支持されているので、各付勢手段40,50が軸心方向に伸縮可能な状態で第一フレーム10、第二フレーム20及び中間フレーム30を付勢することができる。従って、第一フレーム10と中間フレーム30とが相対移動したとき、第二フレーム20と中間フレーム30とが相対移動したときに、各中心を結ぶ距離(付勢手段40,50の両端を支持する支点距離)が変化してもそれぞれの配置に応じた長さに伸縮してそれぞれを付勢することができる。
また、前記中間フレーム30は、第一フレーム10及び第二フレーム20と同心又は略同心をなすメインフレーム部310と、前記基線L周りで間隔をあけて該メインフレーム部310に対して第二フレーム20側にオフセットするように設けられ、前記第一連結材60…が連結される複数の第一連結部311…と、該複数の第一連結部311…の間に位置するとともに、メインフレーム部310に対して第一フレーム10側にオフセットするように設けられ、前記第二連結材70…が連結される複数の第二連結部312…とを備えているので、第一フレーム10と第二フレーム20との間に中間フレーム30を介設しても、第一フレーム10と第二フレーム20とを近づけて配置することができ、当該ロボット用調心装置1を小型化することができる。
尚、本発明のロボット用調心装置は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
上記実施形態において、作動手段Hとしてロボットアームを例示するとともに、保持手段Gとしてグリッパを例示したが、これに限定されるものではなく、例えば、作動手段Hは、予め設定された所定の軌道上を移動(走行)する移動体であってもよく、また、保持手段Gは、第一のパーツP1を磁着することで保持するものや、第一のパーツP1を吸引(バキューム)することで保持するもの等、種々のものを採用することができる。すなわち、作動手段Hは、予め設定された動作を行うもので、該作動手段Hにロボット用調心装置1を介して連結された保持手段Gに保持させた第一のパーツP1の嵌合部Taを所定位置に配置された第二のパーツP2の被嵌合部Tbに嵌合させるように動作するものであればよく、また、保持手段Gは第一のパーツP1を保持できるものであれば、第一のパーツP1等の形態に応じて種々のものを採用してもよい。
上記実施形態において、保持手段Gに保持させる第一のパーツP1に棒体を採用して嵌合部Taをその先端部とするとともに、第二のパーツP2の被嵌合部Tbとして穴を例示したが、これに限定されるものではなく、例えば、保持手段Gに保持させる第一のパーツP1に筒体を採用してその穴を嵌合部Taとするとともに、所定位置に配置される第二のパーツP2に棒体を採用してその先端部又は全体を被嵌合部Tbとしてもよいし、保持手段Gに保持させる第一のパーツP1に突起又は凹部の何れか一方の形成されたものを採用して前記突起又は凹部の一方を嵌合部Taとするとともに、所定位置に配置される第二のパーツP2に突起又は凹部の何れか他方の形成されたものを採用して前記突起又は凹部の他方を被嵌合部Tbとしてもよい。すなわち、第一のパーツP1は、嵌合部Taとして凹部(或いは穴)又は凸部の一方が形成されたもので、他の第二のパーツP2は、被嵌合部Tbとして凹部(或いは穴)又は凸部の一方と嵌合可能に形成された凹部(或いは穴)又は凸部の他方が形成されたものであればよい。
上記実施形態において、互い嵌合した筒状体400a,400b,500a,500b内にバネ材401,501を内装することで第一付勢手段40及び第二付勢手段50を構成するようにしたが、これに限定されるものではなく、例えば、図7に示す如く、前記第一付勢手段40及び第二付勢手段50は、両端が開口した筒状体450,550と、該筒状体450,550に内装されたバネ材(コイルバネ)451,551とを備えたものであってもよい。
この場合、第一付勢手段40は、前記バネ材451の両端を第一フレーム10及び中間フレーム30に当接させて、これらを離間させる方向に付勢するとともに、筒状体450の一端部を第一フレーム10に傾動自在に支持させる一方、該筒状体450の他端部を中間フレーム30に傾動自在に支持させ、第二付勢手段50は、前記バネ材551の両端を第二フレーム20及び中間フレーム30に当接させて、これらを離間させる方向に付勢するとともに、筒状体550の一端部を第二フレーム20に傾動自在に支持させる一方、該筒状体550の他端部を中間フレーム30に傾動自在に支持させればよい。
このようにすれば、第一フレーム10と中間フレーム30とが相対移動したとき、第二フレーム20と中間フレーム30とが相対移動したときに、バネ材451,551の伸縮でその付勢力を第一フレーム10、第二フレーム20及び中間フレーム30の直接的に作用させることができる。また、筒状体450,550の両端部を第一フレーム10、第二フレーム20及び中間フレーム30に傾動自在に支持させる(第一、第二、第三及び第四支持用凹部104,204,315,316に挿入する)ことで、バネ材451,551の変形に影響を受けることなく第一フレーム10、第二フレーム20及び中間フレーム30を同心の状態に復帰させることができる。
そして、この場合、筒状体450,550の両端部を小径にして支持部452,552を形成するとともに、該支持部452,552にゴム製の環状部材90a,90bを外嵌し、第一フレーム10、第二フレーム20、及び中間フレーム30に形成された基線Lを中心とする支持用凹部110,210,360,361の内周に各環状部材90a,90bが接触するように筒状体450,550の端部を内挿するようにしてもよい。このようにすることで、付勢手段40,50が傾動した状態から復帰するのにバネ材451,551の付勢のみならず、環状部材90a,90bの弾性による復元力の作用で、第一フレーム10、第二フレーム20、及び中間フレーム30が同心となった状態に復帰させることができる。
また、上記環状部材90a,90bに加え、筒状体450,550の中間フレーム30側の端部の外周に溝を設けて別のゴム製の環状部材90cを外嵌し、第一フレーム10、第二フレーム20、及び中間フレーム30に形成された基線Lを中心とする支持用凹部110,210,360,361の内周に各環状部材90a,90b,90cが接触するように筒状体450,550の端部を内挿するようにしてもよい。このようにすれば、中間フレーム30側の端部に対して軸心方向に間隔をあけて設けられた二つの環状部材90b、90cが第三支持用凹部360、第四支持用凹部361の内面に接触するので、筒状体450,550の溝に配設した環状部材90cの復元力が筒状体450,550を起立させるのに有効に機能し、第一フレーム10、第二フレーム20、及び中間フレーム30を同心となる状態に迅速に復帰させることができる。
また、第一付勢手段40及び第二付勢手段50は、バネ材401,501,451,551で付勢するものに限定されるものではなく、例えば、第一付勢手段40及び第二付勢手段50をゴムの塊で構成するとともに、第一フレーム10と中間フレーム30との間、及び第二フレーム20と中間フレーム30との間に介装し、その弾性によってそれぞれを離間させる方向に付勢するようにしてもよい。
この場合、第一付勢手段40及び第二付勢手段50を回転対称となる形状(例えば、円柱や角柱、好ましくは円柱)に形成し、その対称軸(中心線)を前記基線Lと同心に配置することが好ましい。また、第一付勢手段40又は第二付勢手段50の何れか一方にバネ材401,501,451,551で付勢するものを採用し、他方にゴムの塊で構成したものを採用しても勿論よい。但し、付勢手段40,50をゴムで構成すると、経年による劣化等で弾性が低下するので、バネ材401,501,451,551で付勢する構成を採用することが好ましいことは言うまでもない。
上記実施形態において、第一連結材60…及び第二連結材70…に線材としてワイヤーロープを採用したが、これに限定されるものではなく、例えば、中心線方向において低伸縮性或いは非伸縮性の線材、例えば、ケブラーや、合成繊維等を第一連結材60…及び第二連結材70…として採用してもよい。また、第一連結材60…及び第二連結材70…は、線材に限定されるものではなく、例えば、図8に示す如く、第一連結材60…及び第二連結材70…を剛性のある棒材で構成し、ボールジョイントJを介して第一連結材60…の一端部を第一フレーム10に連結するとともにボールジョイントJを介して他端部を中間フレーム30に連結し、ボールジョイントJを介して第二連結材70…の一端部を第二フレーム20に連結するとともにボールジョイントJを介して他端部を中間フレーム30に連結するようにしてもよい。
このようにしても複数の第一連結材60…は、第一フレーム10と中間フレーム30とが基線Lと直交する何れの方向にも相対的な移動を許容するように傾動自在に構成されるとともに、複数の第二連結材70…は、第二フレーム20と中間フレーム30とが基線Lと直交する何れの方向にも相対的な移動を許容するように傾動自在に構成され、上記実施形態と同様に柔軟且つ迅速に位置ずれを吸収することができる。なお、この場合においても、第一フレーム10と中間フレーム30との間、及び第二フレーム20と中間フレーム30との間に付勢手段40,50を介装することは勿論のことである。
上記実施形態において、前記中間フレーム30は、第一フレーム10及び第二フレーム20と同心又は略同心をなすメインフレーム部310と、前記基線L周りで間隔をあけて該メインフレーム部310に対して第二フレーム20側にオフセットするように設けられ、前記第一連結材60…が連結される複数の第一連結部311…と、該複数の第一連結部311…の間に位置するとともに、メインフレーム部310に対して第一フレーム10側にオフセットするように設けられ、前記第二連結材70…が連結される複数の第二連結部312…とを備えたが、これに限定されるものではなく、例えば、中間フレーム30を第一フレーム10及び第二フレーム20と同様に単なるプレート状に形成し、これらを第一連結材60…及び第二連結材70…で連結するようにしてもよい。
そして、この場合、図9(a)に示す如く、複数の第一連結材60…は、それぞれの中心線が前記基線Lと略平行になるように前記基線L周りで等間隔に配置されるとともに、それぞれの長さが同寸に設定され、複数の第二連結材70…は、それぞれの中心線が第二フレーム20側に向かうにつれて基線L側に傾斜するように前記基線L周りで等間隔に配置されるとともに、それぞれの長さが同寸に設定されてもよいし、図9(b)に示す如く、複数の第一連結材60…は、それぞれの中心線が第二フレーム20側に向かうにつれて基線L側に傾斜するように前記基線L周りで等間隔に配置されるとともに、それぞれの長さが同寸に設定され、複数の第二連結材70…は、それぞれの中心線が前記基線Lと略平行になるように前記基線L周りで等間隔に配置されるとともに、それぞれの長さが同寸に設定されてもよい。
1…ロボット用調心装置、10…第一フレーム、20…第二フレーム、30…中間フレーム、40…第一付勢手段、50…第二付勢手段、60…第一連結材、70…第二連結材、80a,80b,85a,85b…環状部材、100…凹部、101…第一穴、102…ネジ穴、103…螺子、104…第一支持用凹部、105,205…規制用凹部、200…凹部、201…第二穴、202…ネジ穴、203…螺子、204…第二支持用凹部、300…第三穴、301…第四穴、302,303…ネジ穴、304,305…螺子、306…ネジ穴、310…メインフレーム部、311…第一連結部、312…第二連結部、313…第一延出部、314…第二延出部、315…第三支持用凹部、316…第四支持用凹部、320…規制用ボルト、400a,400b…筒状体、401…バネ材(コイルバネ)、402a,402b…支持部、500a,500b…筒状体、501…バネ材(コイルバネ)、502a,502b…支持部、C…面取部、B1…位置決凸部、B2…位置決凸部、G…保持手段、H…作動手段、J…ボールジョイント、L…基線、L1…仮想線(中心線)、P1…パーツ(第一のパーツ:棒体)、P2…パーツ(第二のパーツ)、Ta…嵌合部(棒体)、Tb…被嵌合部(穴)、Y…高低差、a…所定量(移動量)、b…所定量(移動量)
Claims (7)
- 予め設定された動作をする作動手段と第一のパーツを保持可能に構成された保持手段とを連結し、作動手段が動作することで、保持手段が保持した第一のパーツの嵌合部が所定位置に配置された第二のパーツの被嵌合部に嵌合される際に、嵌合部と被嵌合部との芯合わせを行うロボット用調心装置において、作動手段が連結される第一フレームと、該第一フレームに対して間隔をあけて平行又は略平行に配置され、前記保持手段が連結される第二フレームと、第一フレームと第二フレームとの間に介設された中間フレームと、第一フレームと中間フレームとの間に介設され、これらを相対的に離間させる方向に付勢するとともに、両端部が第一フレーム及び中間フレームに傾動自在に支持された第一付勢手段と、第二フレームと中間フレームとの間に介設され、これらを相対的に離間させる方向に付勢するとともに、両端部が第二フレーム及び中間フレームに傾動自在に支持された第二付勢手段と、第一フレームと中間フレームとを連結する複数の第一連結材と、第二フレームと中間フレームとを連結する複数の第二連結材とを備え、第一フレーム、第二フレーム、中間フレーム、第一付勢手段、及び第二付勢手段は、仮想的に設定された基線に対して同心になるように配置され、第一連結材又は第二連結材の何れか一方は、それぞれの中心線が前記基線と略平行になるように前記基線周りで等間隔に配置されるとともに、それぞれの長さが同寸に設定される一方、第一連結材又は第二連結材の何れか他方は、それぞれの中心線が第二フレーム側に向かうにつれて基線側に傾斜するように前記基線周りで等間隔に配置されるとともに、それぞれの長さが同寸に設定され、複数の第一連結材は、第一フレーム及び中間フレームに対して傾動自在に構成され、複数の第二連結材は、第二フレーム及び中間フレームに対して傾動自在に構成されていることを特徴とするロボット用調心装置。
- 第一連結材は、中心線の延びる方向の両端部が第一フレーム及び中間フレームに固定された線材で構成されるとともに、第二連結材は、中心線の延びる方向の両端部が第二フレーム及び中間フレームに固定された線材で構成されている請求項1に記載のロボット用調心装置。
- 第一連結材及び第二連結材は、ワイヤーロープで構成されている請求項2に記載のロボット用調心装置。
- 第一付勢手段及び第二付勢手段のそれぞれは、軸心方向に相対移動自在に互いに嵌合された一対の筒状体と、一対の筒状体に内装され、これらを互いに離間させる方向に付勢するバネ材とを備え、第一付勢手段は、一方の筒状体の一端部が第一フレームに傾動自在に支持される一方、他方の筒状体の一端部が中間フレームに傾動自在に支持され、第二付勢手段は、一方の筒状体の一端部が第二フレームに傾動自在に支持される一方、他方の筒状体の一端部が中間フレームに傾動自在に支持されている請求項1乃至3の何れか1項に記載のロボット用調心装置。
- 第一付勢手段及び第二付勢手段のそれぞれは、両端が開口した筒状体と、該筒状体に内装されたバネ材とを備え、第一付勢手段は、前記バネ材の両端が第一フレーム及び中間フレームに当接してこれらを離間させる方向に付勢するとともに、筒状体の一端部が第一フレームに傾動自在に支持される一方、該筒状体の他端部が中間フレームに傾動自在に支持され、第二付勢手段は、前記バネ材の両端が第二フレーム及び中間フレームに当接してこれらを離間させる方向に付勢するとともに、筒状体の一端部が第二フレームに傾動自在に支持される一方、該筒状体の他端部が中間フレームに傾動自在に支持されている請求項1乃至3の何れか1項に記載のロボット用調心装置。
- 第一付勢手段及び第二付勢手段のそれぞれは、両端部に弾性変形自在なゴム製の環状部材が外嵌され、第一付勢手段は、第一フレームに前記基線と同心で設けられた平面視円形状の凹部又は穴の内周に環状部材が接触するように一端部が該凹部又は穴に内挿されるとともに、中間フレームの一方の面に前記基線と同心で設けられた平面視円形状の凹部又は穴の内周に環状部材が接触するように他端部が該凹部又は穴に内挿され、第二付勢手段は、第二フレームに前記基線と同心で設けられた平面視円形状の凹部又は穴の内周に環状部材が接触するように一端部が該凹部又は穴に内挿されるとともに、中間フレームの他方の面に前記基線と同心で設けられた平面視円形状の凹部又は穴の内周に環状部材が接触するように他端部が該凹部又は穴に内挿されている請求項4又は5記載のロボット用調心装置。
- 前記中間フレームは、第一フレーム及び第二フレームと同心又は略同心をなすメインフレーム部と、前記基線周りで間隔をあけて該メインフレーム部に対して第二フレーム側にオフセットするように設けられ、前記第一連結材が連結される複数の第一連結部と、該複数の第一連結部の間に位置するとともに、メインフレーム部に対して第一フレーム側にオフセットするように設けられ、前記第二連結材が連結される複数の第二連結部とを備えている請求項1乃至6の何れか1項に記載のロボット用調心装置。
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JP2007305442A JP2009125899A (ja) | 2007-11-27 | 2007-11-27 | ロボット用調心装置 |
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WO2013190648A1 (ja) * | 2012-06-20 | 2013-12-27 | 株式会社安川電機 | ロボットシステムおよび部品の製造方法 |
-
2007
- 2007-11-27 JP JP2007305442A patent/JP2009125899A/ja not_active Withdrawn
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WO2013190648A1 (ja) * | 2012-06-20 | 2013-12-27 | 株式会社安川電機 | ロボットシステムおよび部品の製造方法 |
JPWO2013190648A1 (ja) * | 2012-06-20 | 2016-02-08 | 株式会社安川電機 | ロボットシステムおよび部品の製造方法 |
US9833905B2 (en) | 2012-06-20 | 2017-12-05 | Kabushiki Kaisha Yaskawa Denki | Robot system and method for manufacturing component |
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