JP2009125035A - ハプロタイプの検出方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】分子レベルでの正しいハプロタイプ解析法を提供する。
【解決手段】第1のオリゴヌクレオチドと、該第1のオリゴヌクレオチドよりも短い第2のオリゴヌクレオチドとが部分的に二本鎖を形成しており、該第1のオリゴヌクレオチドは、第1のハプロタイプを有する標的核酸の塩基配列に対して相補的であり、二本鎖部分に該標的核酸の第1のSNP部が存在し、かつ該一本鎖部分に第2のSNP部が存在する。該部分二本鎖が解離した場合にのみ、第1の信号が検出される二本鎖プローブを用いる。ハプロタイプ毎に該部分二本鎖プローブを用意し、解離した際に異なる信号が検出される二種類のハプロタイプに対応する部分二本鎖プローブを用意し、同一ウェルに入れ、さらに検体を入れた状態で、発現強度の時間的経過を観察し、ハプロタイプを判定する。
【選択図】図1

Description

本発明は精度の高いハプロタイプの検出法に関する。
近年の研究で疾患の発症や薬剤応答性(薬効・副作用)はスニップ(SNP)だけで説明できるのではなく、ハプロタイプに依存することが明らかになってきた。ハプロタイプとは、単一の染色体上に位置する2つまたはそれ以上の多型マーカーの対立遺伝子の組み合わせのことを言う。例えば、図1において、個体Aのゲノムの遺伝子座1と遺伝子座2とがある場合、一方のゲノム上ではA−Tというハプロタイプを持ち、もう一方のゲノム上ではA−Gというハプロタイプを持つと言える。
ところで、遺伝子の解析を行う際に、通常、遺伝子座毎に1組の対立遺伝子、つまり遺伝子型が特定されるのであるが、この解析結果からだけでは正しいハプロタイプが得られるとは限らない。例えば、図2に示すように個体Aの遺伝子座1がA/A、遺伝子座2がT/Gという遺伝子型であることが解析された場合、一方のゲノム上のハプロタイプはA−Tであり、もう一方のゲノム上のハプロタイプはA−Gであることが分かる。しかし、個体Bの遺伝子座1にはA/C、遺伝子座2にはT/Gという遺伝子型が解析結果として得られた場合は、この解析結果から個体Bのハプロタイプを判定することは不可能である。つまり、個体Bのハプロタイプが、一方のゲノム上でA−T、他方のゲノム上でC−Gである場合と、一方のゲノムがA−G、他方のゲノムがC−Tである場合とがあり、これらのいずれかであるかは判定できない。
このように各遺伝子型を、シーケンサーやリアルタイムPCRで解析を行ったとしても、上記に示したような理由から正確なハプロタイプを得ることが不可能な場合がある。しかしながら、近年の研究でハプロタイプの重要性が指摘されているので、それを解析する技術は必要である。
そのため、分子レベルで検出を行う代わりに統計学的にハプロタイプを推定する手法が注目されている。家系データが与えられたときのハプロタイプを決定する手法としては、Linkage Package(例えば、非特許文献1参照)やGENEHUNTER(例えば、非特許文献2参照)のようなソフトウェアがある。一方、家系データが存在しない場合は、Clarkのアルゴリズムやハーディ・ワインバーグ平衡(Hardy-Weinberg equilibrium: HWE)を仮定して遺伝子を数えることによるEMアルゴリズムを用いた最尤推定手法(例えば、非特許文献3)など様々なものがある。しかし、これらの方法はあくまでも推定であり、パラメーターの設定によって結果が異なってくるので、精度が高いと言い切ることはできない。つまり、統計学を利用している限り正確度が100%になることはありえない。
そこで、分子レベルでハプロタイプの検出を行うことが望まれ、特開2002-272482に示す解析法が発明されている。この発明は、多重型のAS−PCRに基づくもので、第1の多型マーカーに対し対立遺伝子特異的な順方向プライマー、第2の多型マーカーに対し、対立遺伝子特異的な逆方向プライマーを用いて、PCR反応を行うものである。そして、増幅産物を産生し、順方向および逆方向プライマーのどの対の増幅産物が生成されたかを同定することで、ハプロタイプを決定するものである。
G. M. Lathrop et al., "Multilocus linkage analysis in humans: detection of linkage and estimation of recombination," Am. J. Hum. Genet., vol.37, pp.482-498, 1985 L. Kruglyak, M. J. Daly, M. P. Reeve-Daly and E. S. Lander, "Parametric and nonparametric linkage analysis: a unified multipoint approach," Am. J. Hum. Genet., vol.58, pp.1347-1363, 1996 M. N. Chiano and D. G. Clayton, "Fine genetic mapping using haplotype analysis and the missing problem," Ann. Hum. Genet., vol.62, pp.55-60, 1998
しかしながら、上記の分子レベルでのハプロタイプの検出法は、AS−PCRに基づくものである。そのため、仮にミスプライミングして一度伸長してしまうと、次のPCRサイクルからはミスプライミングして伸長した増幅産物をテンプレートとして指数関数的に増幅していってしまう。したがって増幅産物を解析したとしても正しい結果が得られているとは限らなくなる。PCRのサイクル数が増加するほど、ミスプライミングでの増幅産物が増える確率が高まるので、サイクル数を少なめにする必要がある。しかし、テンプレート濃度が低い場合、サイクル数が少ないと取得対象産物も十分増やせず、結果が得られないことがある。それを防ぐために、テンプレート濃度を調整する必要があるが、これは作業工程が増えてしまい望ましくない。
本発明の標的核酸の塩基配列のハプロタイプの検出方法は、
(1)第1のオリゴヌクレオチドと、該第1のオリゴヌクレオチドよりも短い第2のオリゴヌクレオチドとが部分的に二本鎖を形成することにより、二本鎖部分と一本鎖部分を有し、
該第1のオリゴヌクレオチドは、第1のハプロタイプを有する標的核酸の塩基配列に対して相補的な配列を有し、
該二本鎖部分に該第1のハプロタイプを有する標的核酸の第1のSNP部が存在し、且つ該一本鎖部分に第2のSNP部が存在し、
該2つのオリゴヌクレオチドの各々は、該二本鎖部分が解離した場合にのみ、第1の信号が検出される第1の標識のセットで標識されている、
第1の部分二本鎖プローブを用意する工程;
(2)前記第1のハプロタイプの代わりに、第nハプロタイプ(n≧2)までの各ハプロタイプについて、前記工程(1)と同様にして、第n部分二本鎖プローブまでの各部分二本鎖プローブを用意する工程;
(3)前記第1及び第2の部分二本鎖プローブの共存下で、これらの部分二本鎖プローブと試料中の標的核酸とを反応させ、各部分二本鎖プローブを構成するオリゴヌクレオチドによる部分二本鎖の開裂に起因する第1及び第2の信号の有無及び信号強度の時間的経過を測定する工程;
(4)n≧3の場合に、前記ステップ(3)を、前記第1〜第n部分二本鎖から選択された2つの部分二本鎖の全ての組み合わせ(ただし、前記第1及び第2の部分二本鎖プローブの組み合わせを除く)においてそれぞれ個々に行い、各部分二本鎖プローブを構成するオリゴヌクレオチドによる部分二本鎖の開裂に起因する信号の有無及び信号強度の時間的経過を測定する工程;
(5)各部分二本鎖の組み合わせにおいて得られた信号発現強度の時間的経過に基づいて、測定対象の標的核酸のハプロタイプを選択する工程;
を有することを特徴とする。
本発明によって、非常に精度の高いハプロタイプの検出が可能となった。
本発明の方法では、まず、2以上のハプタイプ(第1〜第nハプロタイプ:(n≧2))のそれぞれについて、部分二本鎖プローブを用意する。この部分二本鎖プローブは、以下の構成を有する。
(A)第1のオリゴヌクレオチドと、第1のオリゴヌクレオチドよりも短い第2のオリゴヌクレオチドとが部分的に二本鎖を形成することにより、二本鎖部分と一本鎖部分を有する。
(B)第1のオリゴヌクレオチドは、第1のハプロタイプを有する標的核酸の塩基配列に対して相補的な配列を有する。
(C)二本鎖部分に該第1のハプロタイプを有する標的核酸の第1のSNP部が存在し、且つ一本鎖部分に第2のSNP部が存在する。
(D)2つのオリゴヌクレオチドの各々は、二本鎖部分が解離した場合にのみ、この部分二本鎖プローブに特有の信号を発する標識のセットで標識されている。
このようにして得られる複数の部分二本鎖プローブのそれぞれは各ハプロタイプに対応し、同一の反応領域での反応において、それぞれが異なる信号を発することにより、どの部分二本鎖プローブから信号が得られているかがわかるようになっている。例えば、全ての部分二本鎖プローブのそれぞれから得られる信号を異なるように設定してもよいし、後述の実施例に示すように、試料と反応させる際に2つの部分二本鎖プローブ間で異なる信号が得られるようにしてもよい。
次に、第1のハプロタイプ検出用の第1の部分二本鎖プローブと第2のハプロタイプ検出用の第2の部分二本鎖とを用いて試料とのハイブリダイゼーリョン反応を行い、第1の部分二本鎖プローブからの第1の信号及び第2の部分二本鎖プローブからの第2の信号の有無あるいは信号の強度の変化を測定する。更に、第1〜第nのハプロタイプのそれぞれに対応したn個の部分二本鎖プローブ(第1〜第n部分二本鎖プローブ)から選択された2つの部分二本鎖プローブの組み合わせを個々に用いて測定を行う。この測定から得られた信号の有無及び信号発現強度の時間的経過に基づいて、試料中に含まれる測定対象の標的核酸のハプロタイプを決定する。
n=4の場合の検出方法は以下の各工程を有する。
(i)第1のオリゴヌクレオチドと、該第1のオリゴヌクレオチドよりも短い第2のオリゴヌクレオチドとが部分的に二本鎖を形成することにより、二本鎖部分と一本鎖部分を有し、
該第1のオリゴヌクレオチドは、第1のハプロタイプを有する標的核酸の塩基配列に対して相補的であり、
該二本鎖部分に該第1のハプロタイプを有する標的核酸の第1のSNP部が存在し、且つ該一本鎖部分に第2のSNP部が存在し、
該2つのオリゴヌクレオチドの各々は、該二本鎖部分が解離した場合にのみ、第1の信号が検出されるような第1の標識のセットで標識されている第1の部分二本鎖プローブを用意する工程。
(ii)第3のオリゴヌクレオチドと、該第3のオリゴヌクレオチドよりも短い第4のオリゴヌクレオチドとが部分的に二本鎖を形成することにより、二本鎖部分と一本鎖部分を有し、
該第3のオリゴヌクレオチドは、第2のハプロタイプを有する標的核酸の塩基配列に対して相補的であり、
該二本鎖部分に該第2のハプロタイプを有する標的核酸の第1のSNP部が存在し、且つ該一本鎖部分に第2のSNP部が存在し、
該2つのオリゴヌクレオチドの各々は、該二本鎖部分が解離した場合にのみ、第2の信号が検出されるような第2の標識のセットで標識されている第2の部分二本鎖プローブを用意する工程。
(iii)第5のオリゴヌクレオチドと、該第5のオリゴヌクレオチドよりも短い第6のオリゴヌクレオチドとが部分的に二本鎖を形成することにより、二本鎖部分と一本鎖部分を有し、
該第5のオリゴヌクレオチドは、第3のハプロタイプを有する標的核酸の塩基配列に対して相補的であり、
二本鎖部分に該第3のハプロタイプを有する標的核酸の第1のSNP部が存在し、且つ該一本鎖部分に第2のSNP部が存在し、
該2つのオリゴヌクレオチドの各々は、該部分二本鎖が解離した場合にのみ、第3の信号が検出されるような第3の標識のセットで標識されている第3の部分二本鎖プローブを用意する工程。
(iv)第7のオリゴヌクレオチドと、該第7のオリゴヌクレオチドよりも短い第8のオリゴヌクレオチドとが部分的に二本鎖を形成しており、
該第7のオリゴヌクレオチドは、第4のハプロタイプを有する標的核酸の塩基配列に対して相補的であり、
二本鎖部分に該標的核酸の第1のSNP部が存在し、且つ該一本鎖部分に第2のSNP部が存在し、
該2つのオリゴヌクレオチドの各々は、該部分二本鎖が解離した場合にのみ、第4の信号が検出されるような第4の標識のセットで標識されている第4の部分二本鎖プローブを用意する工程。
(v)前記第1及び第2の部分二本鎖プローブの共存下で、該標的核酸とのハイブリダイゼーション反応を行い、各部分二本鎖プローブを構成するオリゴヌクレオチドによる部分二本鎖の開裂に起因する第1及び第2の信号の有無及び信号強度の時間的経過を測定する工程。
(vi)前記ステップ(v)を、前記第1及び第3の部分二本鎖プローブの組み合わせ、第1及び第4の部分二本鎖プローブの組み合わせ、第2及び第3の部分二本鎖プローブの組み合わせ、第2及び第4の部分二本鎖プローブの組み合わせ、及び第3及び第4の部分二本鎖プローブの組み合わせの各々に対して該標的核酸とのハイブリダイゼーション反応を行い、各部分二本鎖プローブを構成するオリゴヌクレオチドによる部分二本鎖の開裂に起因する信号の発現強度の時間的経過を観察する工程。
以下、本発明の好ましい態様について説明する。
まず、部分二本鎖プローブとは、先に説明したとおり、第1のオリゴヌクレオチドと、第1のオリゴヌクレオチドよりも短い第2のオリゴヌクレオチドとが、部分的に二本鎖を形成しているものである。また、第1のオリゴヌクレオチドの5'末端と第2のオリゴヌクレオチドの3'末端には、二本鎖が解離した場合にのみ信号が発生するように標識化されている。またそれぞれのオリゴヌクレオチドへの標識は、FRET(共鳴による励起エネルギーの移動)現象を起こすような標識の組み合わせとなっている(図3)。さらに、部分二本鎖プローブの一本鎖部分の塩基配列のTm(融解温度)は、部分的に二本鎖を形成している塩基配列のTmよりも低くなるように設計されている。
部分二本鎖プローブを、二本鎖プローブの長い方のオリゴヌクレオチドとハイブリダイズする部分を有する標的核酸(検体:ターゲット)を含む試料に反応させる。すると、まず部分二本鎖プローブの一本鎖部分にターゲットがハイブリダイズし、次に、短い方のオリゴヌクレオチドの部分が検体に置換されることで、短い方のオリゴヌクレオチドが解離する。その結果として、部分二本鎖プローブの長い方のオリゴヌクレオチドの5'末端の標識と、短い方のオリゴヌクレオチドの3'末端の標識からなるFRETが解消されて標識の輝度が発生する(図4)。
この部分二本鎖プローブを用いてSNPタイピングを行う場合、部分二本鎖プローブの一本鎖部分の中央付近にSNPを持ってくる。図5に示すように、SNPがA/Cだった場合は、一本鎖プローブの中央付近がAとCの二通りの配列を持つ、部分二本鎖プローブを予め用意する。そして、それらの多型に応じた部分二本鎖プローブを異なるウェルに入れる。続いて両方のウェルに多型を調べたい検体を入れると、検体のSNP位置の配列がA/Aだった場合、SNP位置にAの配列を持つ部分二本鎖プローブの入ったウェルの方が、Cの入ったウェルに比べて、一本鎖部分にハイブリしやすくなる。よって部分二本鎖プローブの短い方のヌクレオチドの置換が早い速度で行われる。つまり、検体に対して部分二本鎖プローブがフルマッチの場合は鎖置換速度が速く、ミスマッチの場合は鎖置換速度が遅いということとなる。したがって、各ウェルの信号の発現強度の時間的経過を観察すると、SNP位置にAの配列を持つ部分二本鎖プローブの入ったウェルの方から、Cのウェルよりも大きな信号が検出されることとなる(図6(a))。検体がA/C、C/Cだった場合の信号の発現強度と時間的経過については、図6(b)(c)にそれぞれ示す。
上記に示す条件で、部分二本鎖プローブを利用してハプロタイプを検出する場合は、二本鎖プローブの二本鎖部分に第1のSNP部を存在させ、二本鎖プローブの一本鎖部分に、第2のSNP部を存在させる方法を取る。部分二本鎖プローブの一本鎖部分の塩基配列のTmは、二本鎖部分の塩基配列のTmよりも低くなるように設定されている。
上記の特徴を持つ部分二本鎖プローブを、全ハプロタイプに対して用意する。例えば、SNP二箇所のハプロタイプの検出である場合、22=4通りの配列を持つ、部分二本鎖ブローブを準備する。ここで、4通りの配列を持つ部分二本鎖プローブを各ウェルに入れて、各ウェルの信号の発現強度と時間的経過について観察し、ハプロタイプを検出するという方法も考えられるが、この方法では正しい結果が得られるとは限らない。例えば、第1のSNPと第2のSNPの組み合わせが、一方のゲノム上でA-T、他方のゲノム上でC-Gである場合と、一方のゲノムがA-G、他方のゲノムがC-Tである場合(図2の個体B)は、標識の発現強度と時間的経過について観察すると、どのウェルからも同じ時間に同じ強度が出てきてしまう。したがって、どのハプロタイプであるのかが分からず、ハプロタイプの検出が正しく行えない。
そこで、今回の発明では上記で判定不可能であった、SNPがヘテロであるもの同士のハプロタイプの検出も行える方法を提供する。
ハプロタイプ用の部分二本鎖プローブに関しては、上記と同様に二本鎖プローブの二本鎖部分に第1のSNP部を存在させ、二本鎖プローブの一本鎖部分にSNPタイピングの際と同様に、第2のSNP部を存在させる方法を取る。そして全種類のハプロタイプに対応する部分二本鎖プローブを用意する。なお、上記のハプロタイプの検出と異なるのは、全種類のハプロタイプに対応する二本鎖プローブから2種類の二本鎖プローブを取り出し、その2種類はFRETが解消されると異なる波長を持つ蛍光色素が発せられるように、標識化を行う。そして前記2種類のハプロタイプに対応する部分二本鎖プローブを1つのウェルに入れて、その中に検体を入れる。そして、そのウェル内の標識の発現強度と時間的経過を観察し、2種類のうちのどちらのハプロタイプの標識の輝度が先に得られるかを測定する。この2種類の組み合わせは、全種類のハプロタイプから2種類を選択した全組み合わせに対して行われることになる。したがって2種類のハプロタイプの全組み合わせの標識の発現強度と時間的経過を比較することによって、検体のハプロタイプを明らかにすることができる。
さらに具体的に示すと、2つのSNPのハプロタイプを検出する場合、部分二本鎖プローブの、第1のSNP部と第2のSNP部の組み合わせは、全部で22=4通りとなる。それから4通りのハプロタイプから2通りのハプロタイプを選ぶ組み合わせは、4C2=6通りである。つまり6ウェル用意する必要がある。それらの6個のウェルに検体を入れて、1つのウェル内でどちらのハプロタイプの標識の輝度が先に得られるかを見て、さらに6個のウェル間の結果を比較することで結果が得られる。
またFRETを起こさせるための標識が、第1のオリゴヌクレオチドの5'末端と第2のオリゴヌクレオチドの3'末端についている。そして標識はどちらがレポーターでどちらがクエンチャーであっても構わない。また、FRETの組み合わせは、フルオロセインとCy5、フルオロセインとLC-Red640、フルオロセインとRed705、6-FAMとTamra、HexとTamra、TetとTamraなど、またクエンチャーとしてBHQを用いてもよい。とにかくFRET現象が起きる組み合わせなら、上記に限定しない。
なお、標識の発現強度と時間的経過の測定方法は、リアルタイムPCR装置の検出系を利用してもよいし、蛍光顕微鏡の一定間隔毎に画像を取得できるソフトを用いてもよい。つまり、時間経過に従い、蛍光シグナルが得られるものであれば特に限定しない。以下に、実施例を挙げて本発明を具体的に説明する。
ハプロタイプの判定方法で、第1のSNPと第2のSNPがA/C、T/Gとなっている場合の実施例を以下に示す。
[1.部分二本鎖プローブの準備]
[1−1.部分二本鎖プローブの設計]
部分二本鎖プローブの二本鎖部分に第1のSNP部を存在させ、一本鎖部分に第2のSNP部を存在させる。今回の実施例では、第1のSNP部がA/Cであり、第2のSNP部がT/Gであるため、ハプロタイプはA-T、A-G、C-T、C-Gの4種類が存在することになる。これら4種類のハプロタイプに対応する部分二本鎖プローブを設計すると、以下に示す配列となる。なお下記に下線で示した塩基配列がSNP部位に対応している。また第1のオリゴヌクレオチドが部分二本鎖プローブの長鎖側で、第2のヌクレオチドは短鎖側であり、配列は5'→3'の向きで表示されている。なお、部分二本鎖プローブの長鎖側の塩基長は40から60塩基、短鎖側の塩基長は20から40塩基が望ましい。但し、該部分二本鎖プローブの有する該一本鎖部分の塩基配列の二本鎖形成時におけるTm(融解温度)が、該二本鎖部分の塩基配列のTmより低くなくてはならない。
(1)A-Tハプロタイプ:
・第1のオリゴヌクレオチド:
GTGGACTTCCAGAAAACACCATACTGCTTCGACCAGGTGATGGAGGAGGTC
・第2のオリゴヌクレオチド:
GAAGCAGTATGGTGTTTTCTGGAAGTCCAC
(2)A-Gハプロタイプ:
・第3のオリゴヌクレオチド:
GTGGACTTCCAGAAAACACCATACTGCTTCGACCAGGTGAGGGAGGAGGTC
・第4のオリゴヌクレオチド:
GAAGCAGTATGGTGTTTTCTGGAAGTCCAC
(3)C-Tハプロタイプ:
・第5のオリゴヌクレオチド:
GTGGACTTCCAGAACACACCATACTGCTTCGACCAGGTGATGGAGGAGGTC
・第6のオリゴヌクレオチド:
GAAGCAGTATGGTGTGTTCTGGAAGTCCAC
(4)C-Gハプロタイプ:
・第7のオリゴヌクレオチド:
GTGGACTTCCAGAACACACCATACTGCTTCGACCAGGTGAGGGAGGAGGTC
・第8のオリゴヌクレオチド:
GAAGCAGTATGGTGTGTTCTGGAAGTCCAC
[1−2.部分二本鎖プローブの合成]
[1−1]で設計した部分二本鎖プローブの合成を定法により行った。また第1のオリゴヌクレオチドの5'末端に、FAM(吸収波長/蛍光波長:495/520)と、HEX(吸収波長/蛍光波長:535/556)の標識化をそれぞれ行った。また、第2のオリゴヌクレオチドの3'末端にBHQというFRETの際にクエンチャーの役割を果たすものの標識化も行った。各合成オリゴヌクレオチドは、5uMとなるようにTE緩衝液中に溶解した。
[1−3.部分二本鎖プローブの調製]
合成した第1のオリゴヌクレオチドと第2のオリゴヌクレオチドを混合し、ハプロタイプに対応した部分二本鎖プローブが作製された。よって、4種類のハプロタイプA-T、A-G、C-T、C-Gで、それぞれ第1のオリゴヌクレオチドの5'末端に異なる標識(第1の標識;FAMと第2の標識;HEX)がそれぞれついた部分二本鎖プローブができた。部分二本鎖プローブの2種類ずつの組み合わせは、4種類のハプロタイプから2つのハプロタイプを選択した組み合わせとして、4C2=6通りある。具体的には、下記に示すとおりの部分二本鎖プローブの組み合わせが存在する(図7)。
I)A-Tハプロタイプの二本鎖プローブ及びA-Gハプロタイプの二本鎖プローブ
II)A-Tハプロタイプの二本鎖プローブ及びC-Tハプロタイプの二本鎖プローブ
III)A-Tハプロタイプの二本鎖プローブ及びC-Gハプロタイプの二本鎖プローブ
IV)A-Gハプロタイプの二本鎖プローブ及びC-Tハプロタイプの二本鎖プローブ
V)A-Gハプロタイプの二本鎖プローブ及びC-Gハプロタイプの二本鎖プローブ
VI)C-Tハプロタイプの二本鎖プローブ及びC-Gハプロタイプの二本鎖プローブ
また、上記6種類の部分二本鎖プローブの組み合わせでウェルに入れることになるが、
同一ウェルに入る部分二本鎖プローブは、第1のオリゴヌクレオチドの5'末端の標識がハプロタイプによって異なるようにする(図8)。具体的には、下記の表に示す通り標識の組み合わせとして入れる。各ウェルに入れる場合、第1のオリゴヌクレオチドと第2のオリゴヌクレオチドを混合した各ハプロタイプの部分二本鎖プローブを、1μlずつ入れることで行った。
Figure 2009125035
のちの鎖置換反応は96穴ウェルプレートを用いて行うので、上記の部分二本鎖プローブを下記に配置するようにウェルプレートへ入れた。
Figure 2009125035
[2.検体(ターゲット)の準備]
[2−1.検体(ターゲット)の設計]
4種類のハプロタイプに応じた検体(ターゲット)の設計を行った。検体(ターゲット)の長さは120bpとなるように下記配列の設計を行った。下記配列は5'→3'の方向で記載されている。またセンス鎖側の配列とアンチセンス鎖側の配列を記載した。なお下線を付した部分はハプロタイプに対応している。
(1)A-Tハプロタイプ:
・センス鎖側:
TGCCCGGGCTGGGCAACCTGCTGCATGTGGACTTCCAGAAAACACCATACTGCTTCGACCAGGTGATGGAGGAGGTCCTGGAGGGCGGCAGAGGTGCTGAGGCTCCCCTACCAGAAGCAAA
・アンチセンス鎖側:
TTTGCTTCTGGTAGGGGAGCCTCAGCACCTCTGCCGCCCTCCAGGACCTCCTCCATCACCTGGTCGAAGCAGTATGGTGTTTTCTGGAAGTCCACATGCAGCAGGTTGCCCAGCCCGGGCA
(2)A-Gハプロタイプ:
・センス鎖側:
TGCCCGGGCTGGGCAACCTGCTGCATGTGGACTTCCAGAAAACACCATACTGCTTCGACCAGGTGAGGGAGGAGGTCCTGGAGGGCGGCAGAGGTGCTGAGGCTCCCCTACCAGAAGCAAA
・アンチセンス鎖側:
TTTGCTTCTGGTAGGGGAGCCTCAGCACCTCTGCCGCCCTCCAGGACCTCCTCCCTCACCTGGTCGAAGCAGTATGGTGTTTTCTGGAAGTCCACATGCAGCAGGTTGCCCAGCCCGGGCA
(3)C-Tハプロタイプ:
・センス鎖側:
TGCCCGGGCTGGGCAACCTGCTGCATGTGGACTTCCAGAACACACCATACTGCTTCGACCAGGTGATGGAGGAGGTCCTGGAGGGCGGCAGAGGTGCTGAGGCTCCCCTACCAGAAGCAAA:
・アンチセンス鎖側
TTTGCTTCTGGTAGGGGAGCCTCAGCACCTCTGCCGCCCTCCAGGACCTCCTCCATCACCTGGTCGAAGCAGTATGGTGTGTTCTGGAAGTCCACATGCAGCAGGTTGCCCAGCCCGGGCA:
(4)C-Gハプロタイプ:
・センス鎖側:
TGCCCGGGCTGGGCAACCTGCTGCATGTGGACTTCCAGAACACACCATACTGCTTCGACCAGGTGAGGGAGGAGGTCCTGGAGGGCGGCAGAGGTGCTGAGGCTCCCCTACCAGAAGCAAA
・アンチセンス鎖側:
TTTGCTTCTGGTAGGGGAGCCTCAGCACCTCTGCCGCCCTCCAGGACCTCCTCCCTCACCTGGTCGAAGCAGTATGGTGTGTTCTGGAAGTCCACATGCAGCAGGTTGCCCAGCCCGGGCA
[2−2.検体(ターゲット)の合成]
[2−1]で設計した検体(ターゲット)を定法に則り合成した。各合成検体は、0.1μMとなるようにTE緩衝液中に溶解した。
[2−3.検体(ターゲット)の調製]
[2−2]で合成した検体(ターゲット)のセンス鎖側とアンチセンス鎖側の混合を行った。次に、混合した検体をさらに混合し、可能性のある検体の組み合わせを全て作製した。具体的には下記に示す組み合わせとなる。
i)両方のゲノムともA-Tハプロタイプ
ii)両方のゲノムともA-Gハプロタイプ
iii)両方のゲノムともC-Tハプロタイプ
iv)両方のゲノムともC-Gハプロタイプ
v)一方のゲノムがA-Tハプロタイプ、他方のゲノムがA-Gハプロタイプ
vi)一方のゲノムがA-Tハプロタイプ、他方のゲノムがC-Tハプロタイプ
vii)一方のゲノムがA-Tハプロタイプ、他方のゲノムがC-Gハプロタイプ
viii)一方のゲノムがA-Gハプロタイプ、他方のゲノムがC-Tハプロタイプ
ix)一方のゲノムがA-Gハプロタイプ、他方のゲノムがC-Gハプロタイプ
x)一方のゲノムがC-Tハプロタイプ、他方のゲノムがC-Gハプロタイプ
[2−2]で合成したセンス鎖側とアンチセンス鎖側の検体を混合したものを、各10μlずつ混合した。具体的には下記に示すような分量で混合した。
i)両方のゲノムともA-Tハプロタイプ:10μl
ii)両方のゲノムともA-Gハプロタイプ:10μl
iii)両方のゲノムともC-Tハプロタイプ:10μl
iv)両方のゲノムともC-Gハプロタイプ:10μl
v)一方のゲノムがA-Tハプロタイプ:5μl、他方のゲノムがA-Gハプロタイプ:5μl
vi)一方のゲノムがA-Tハプロタイプ:5μl、他方のゲノムがC-Tハプロタイプ:5μl
vii)一方のゲノムがA-Tハプロタイプ:5μl、他方のゲノムがC-Gハプロタイプ:5μl
viii)一方のゲノムがA-Gハプロタイプ:5μl、他方のゲノムがC-Tハプロタイプ:5μl
ix)一方のゲノムがA-Gハプロタイプ:5μl、他方のゲノムがC-Gハプロタイプ:5μl
x)一方のゲノムがC-Tハプロタイプ:5μl、他方のゲノムがC-Gハプロタイプ:5μl
[3.部分二本鎖プローブの鎖置換反応]
ハプロタイプの部分二本鎖プローブを1個のウェルに2種類ずつ入れたウェルの中へ、ハイブリ液(下記組成)を入れた。
ハイブリ液組成:
6xSSPE / 10% Form amide (6xSSPE: NaCl 900mM、NaH2PO4・H2O60mM、EDTA 6mM、p.H. 7.4)
続いて、[2]で用意した検体を下記に示すような配置で1μlずつ各ウェルに入れた。そして1個のウェルの反応溶液量はトータルで50μlとなった。
Figure 2009125035
その後、92℃でディネーチャーを行い、50℃に温度を下げた後、5分間隔で輝度を測定した。ABI社のRealTimePCRを用いて蛍光シグナルの測定を行い、FAMとHEXの蛍光標識の強度を測定した。各ウェル間で、どちらのハプロタイプのシグナルが先に出たかを測定した。その結果を以下に示す。
例えば、まず(i)の検体(A-T、A-T)を各ウェルに入れた場合の結果を示す。
(I)FAM標識のついたA-Tのハプロタイプに対応する部分二本鎖プローブとHEX標識のついたA-Gのハプロタイプに対応する部分二本鎖プローブの入ったウェルに入れる。そうすると、A-TのハプロタイプのFAMの蛍光輝度の方が先に得られる。
更に以下の結果が得られる。
(II)FAM標識のついたA-Tのハプロタイプに対応する部分二本鎖プローブとHEX標識のついたC-Tのハプロタイプに対応する部分二本鎖プローブの入ったウェルに入れる。そうすると、A-TのハプロタイプのFAMの蛍光輝度の方が先に得られる。
(III)FAM標識のついたA-Tのハプロタイプに対応する部分二本鎖プローブと第4のHEX標識のついたC-Gのハプロタイプに対応する部分二本鎖プローブの入ったウェルに入れる。そうすると、A-Tのハプロタイプの第1のFAMの蛍光輝度の方が先に得られる。
(IV)FAM標識のついたA-Gのハプロタイプに対応する部分二本鎖プローブと第3のHEX標識のついたC-Tのハプロタイプに対応する部分二本鎖プローブの入ったウェルに入れる。そうすると、A-GのハプロタイプのFAMとC-TのハプロタイプのHEXの蛍光輝度は同時に得られる。
(V)FAM標識のついたA-Gのハプロタイプに対応する部分二本鎖プローブとHEX標識のついたC-Gのハプロタイプに対応する部分二本鎖プローブの入ったウェルに入れると、A-GのハプロタイプのFAMの蛍光輝度の方が先に得られる。
(VI)FAM標識のついたC-Tのハプロタイプに対応する部分二本鎖プローブとHEX標識のついたC-Gのハプロタイプに対応する部分二本鎖プローブの入ったウェルに入れる。そうすると、C-Tのハプロタイプの第3のFAMの蛍光輝度の方が先に得られる。
以上、6つのウェルの結果を総合すると、A-Tハプロタイプの部分二本鎖プローブからの輝度が早い段階で得られていることから、検体がA-Tであることが明らかとなった。
次に、(vii)の検体と(viii)の検体を(I)から(VI)の部分二本鎖プローブの入ったウェルに入れた場合の結果を示す。(vii)の検体は、A-TとC-Gというハプロタイプを持ち、一方(viii)の検体は、A-GとC-Tというハプロタイプを持つ。この(vii)と(viii)の検体は、各遺伝子型を検出しても正しいハプロタイプを判定することが困難な組みあわせである。
(vii)の検体(A-T、C-G)についてまず以下の結果を得る。
(I)FAM標識のついたA-Tのハプロタイプに対応する部分二本鎖プローブとHEX標識のついたA-Gのハプロタイプに対応する部分二本鎖プローブの入ったウェルに入れる。そうすると、A-TのハプロタイプのFAMの蛍光輝度の方が先に得られる。
更に、以下の結果を得る。
(II)FAM標識のついたA-Tのハプロタイプに対応する部分二本鎖プローブとHEX標識のついたC-Tのハプロタイプに対応する部分二本鎖プローブの入ったウェルに入れる。そうすると、A-TのハプロタイプのFAMの蛍光輝度の方が先に得られる。
(III)FAM標識のついたA-Tのハプロタイプに対応する部分二本鎖プローブとHEX標識のついたC-Gのハプロタイプに対応する部分二本鎖プローブの入ったウェルに入れる。そうすると、A-TのハプロタイプのFAMとC-GのハプロタイプのHEXの蛍光輝度は同時に得られる。
(IV)FAM標識のついたA-Gのハプロタイプに対応する部分二本鎖プローブとHEX標識のついたC-Tのハプロタイプに対応する部分二本鎖プローブの入ったウェルに入れる。そうすると、A-GのハプロタイプのFAMとC-TのハプロタイプのHEXの蛍光輝度は同時に得られる。
(V)FAM標識のついたA-Gのハプロタイプに対応する部分二本鎖プローブとHEX標識のついたC-Gのハプロタイプに対応する部分二本鎖プローブの入ったウェルに入れる。そうすると、C-GのハプロタイプのHEXの蛍光輝度の方が先に得られる。
(VI)FAM標識のついたC-Tのハプロタイプに対応する部分二本鎖プローブとHEX標識のついたC-Gのハプロタイプに対応する部分二本鎖プローブの入ったウェルに入れる。そうすると、C-GのハプロタイプのHEXの蛍光輝度の方が先に得られる。
以上、6つのウェルの結果を総合すると、A-TとC-Gのハプロタイプの部分二本鎖プローブからの輝度が早い段階で得られていることから、検体が(1)A-Tと(4)C-Gであることが明らかとなった。
次に、(viii)の検体(A-G、C-T)についてまず以下の結果を得る。
(I)FAM標識のついたA-Tのハプロタイプに対応する部分二本鎖プローブと(2)HEX標識のついたA-Gのハプロタイプに対応する部分二本鎖プローブの入ったウェルに入れる。そうすると、A-GのハプロタイプのHEXの蛍光輝度の方が先に得られる。
更に、以下の結果を得る。
(II)FAM標識のついたA-Tのハプロタイプに対応する部分二本鎖プローブとHEX標識のついたC-Tのハプロタイプに対応する部分二本鎖プローブの入ったウェルに入れる。そうすると、C-TのハプロタイプのHEXの蛍光輝度の方が先に得られる。
(III)FAM標識のついたA-Tのハプロタイプに対応する部分二本鎖プローブとHEX標識のついたC-Gのハプロタイプに対応する部分二本鎖プローブの入ったウェルに入れる。そうすると、A-TのハプロタイプのFAMと(4)C-GのハプロタイプのHEXの蛍光輝度は同時に得られる。
(IV)FAM標識のついたA-Gのハプロタイプに対応する部分二本鎖プローブとHEX標識のついたC-Tのハプロタイプに対応する部分二本鎖プローブの入ったウェルに入れる。そうすると、A-GのハプロタイプのFAMと(3)C-TのハプロタイプのHEXの蛍光輝度は同時に得られる。
(V)FAM標識のついたA-Gのハプロタイプに対応する部分二本鎖プローブとHEX標識のついたC-Gのハプロタイプに対応する部分二本鎖プローブの入ったウェルに入れる。そうすると、A-GのハプロタイプのFAMの蛍光輝度の方が先に得られる。
(VI)FAM標識のついたC-Tのハプロタイプに対応する部分二本鎖プローブとHEX標識のついたC-Gのハプロタイプに対応する部分二本鎖プローブの入ったウェルに入れる。そうすると、C-TのハプロタイプのFAMの蛍光輝度の方が先に得られる。
以上、6つのウェルの結果を総合すると、A-TとC-Gのハプロタイプの部分二本鎖プローブからの輝度が早い段階で得られていることから、検体がA-GとC-Tであることが明らかとなった。
他の検体を入れた場合の6つのウェルの反応結果についても以下の表に示した。
Figure 2009125035
以上の結果より、検体のハプロタイプが正しく判定可能なことが分かる。
ハプロタイプの定義を示す図である。 ハプロタイプの例を示す図である。 部分二本鎖プローブを示す図である。 部分二本鎖プローブと鎖置換反応を示す図である。 SNPタイピング用の部分二本鎖プローブを示す図である。 部分二本鎖プローブを使用したSNPタイピングを示す図である。 ハプロタイプタイピング用の部分二本鎖プローブを示す図である。 ハプロタイプタイピング時のウェル内の部分二本鎖プローブを示す図である。

Claims (4)

  1. 標的核酸の塩基配列のハプロタイプの検出方法であって、
    (1)第1のオリゴヌクレオチドと、該第1のオリゴヌクレオチドよりも短い第2のオリゴヌクレオチドとが部分的に二本鎖を形成することにより、二本鎖部分と一本鎖部分を有し、
    該第1のオリゴヌクレオチドは、第1のハプロタイプを有する標的核酸の塩基配列に対して相補的な配列を有し、
    該二本鎖部分に該第1のハプロタイプを有する標的核酸の第1のSNP部が存在し、且つ該一本鎖部分に第2のSNP部が存在し、
    該2つのオリゴヌクレオチドの各々は、該二本鎖部分が解離した場合にのみ、第1の信号が検出される第1の標識のセットで標識されている、
    第1の部分二本鎖プローブを用意する工程;
    (2)前記第1のハプロタイプの代わりに、第nハプロタイプ(n≧2)までの各ハプロタイプについて、前記工程(1)と同様にして、第n部分二本鎖プローブまでの各部分二本鎖プローブを用意する工程;
    (3)前記第1及び第2の部分二本鎖プローブの共存下で、これらの部分二本鎖プローブと試料中の標的核酸とを反応させ、各部分二本鎖プローブを構成するオリゴヌクレオチドによる部分二本鎖の開裂に起因する第1及び第2の信号の有無及び信号強度の時間的経過を測定する工程;
    (4)n≧3の場合に、前記ステップ(3)を、前記第1〜第n部分二本鎖から選択された2つの部分二本鎖の全ての組み合わせ(ただし、前記第1及び第2の部分二本鎖プローブの組み合わせを除く)においてそれぞれ個々に行い、各部分二本鎖プローブを構成するオリゴヌクレオチドによる部分二本鎖の開裂に起因する信号の有無及び信号強度の時間的経過を測定する工程;
    (5)各部分二本鎖の組み合わせにおいて得られた信号発現強度の時間的経過に基づいて、測定対象の標的核酸のハプロタイプを選択する工程;
    を有することを特徴とするハプロタイプの検出方法。
  2. 標的核酸の塩基配列のハプロタイプの検出方法であって、
    (i)第1のオリゴヌクレオチドと、該第1のオリゴヌクレオチドよりも短い第2のオリゴヌクレオチドとが部分的に二本鎖を形成することにより、二本鎖部分と一本鎖部分を有し、
    該第1のオリゴヌクレオチドは、第1のハプロタイプを有する標的核酸の塩基配列に対して相補的であり、
    該二本鎖部分に該第1のハプロタイプを有する標的核酸の第1のSNP部が存在し、且つ該一本鎖部分に第2のSNP部が存在し、
    該2つのオリゴヌクレオチドの各々は、該二本鎖部分が解離した場合にのみ、第1の信号が検出されるような第1の標識のセットで標識されている第1の部分二本鎖プローブを用意する工程;
    (ii)第3のオリゴヌクレオチドと、該第3のオリゴヌクレオチドよりも短い第4のオリゴヌクレオチドとが部分的に二本鎖を形成することにより、二本鎖部分と一本鎖部分を有し、
    該第3のオリゴヌクレオチドは、第2のハプロタイプを有する標的核酸の塩基配列に対して相補的であり、
    該二本鎖部分に該第2のハプロタイプを有する標的核酸の第1のSNP部が存在し、且つ該一本鎖部分に第2のSNP部が存在し、
    該2つのオリゴヌクレオチドの各々は、該二本鎖部分が解離した場合にのみ、第2の信号が検出されるような第2の標識のセットで標識されている第2の部分二本鎖プローブを用意する工程;
    (iii)第5のオリゴヌクレオチドと、該第5のオリゴヌクレオチドよりも短い第6のオリゴヌクレオチドとが部分的に二本鎖を形成することにより、二本鎖部分と一本鎖部分を有し、
    該第5のオリゴヌクレオチドは、第3のハプロタイプを有する標的核酸の塩基配列に対して相補的であり、
    二本鎖部分に該第3のハプロタイプを有する標的核酸の第1のSNP部が存在し、且つ該一本鎖部分に第2のSNP部が存在し、
    該2つのオリゴヌクレオチドの各々は、該部分二本鎖が解離した場合にのみ、第3の信号が検出されるような第3の標識のセットで標識されている第3の部分二本鎖プローブを用意する工程;
    (iv)第7のオリゴヌクレオチドと、該第7のオリゴヌクレオチドよりも短い第8のオリゴヌクレオチドとが部分的に二本鎖を形成しており、
    該第7のオリゴヌクレオチドは、第4のハプロタイプを有する標的核酸の塩基配列に対して相補的であり、
    二本鎖部分に該標的核酸の第1のSNP部が存在し、且つ該一本鎖部分に第2のSNP部が存在し、
    該2つのオリゴヌクレオチドの各々は、該部分二本鎖が解離した場合にのみ、第4の信号が検出されるような第4の標識のセットで標識されている第4の部分二本鎖プローブを用意する工程;
    (v)前記第1及び第2の部分二本鎖プローブの共存下で、該標的核酸とのハイブリダイゼーション反応を行い、各部分二本鎖プローブを構成するオリゴヌクレオチドによる部分二本鎖の開裂に起因する第1及び第2の信号の有無及び信号強度の時間的経過を測定する工程;
    (vi)前記ステップ(v)を、前記第1及び第3の部分二本鎖プローブの組み合わせ、第1及び第4の部分二本鎖プローブの組み合わせ、第2及び第3の部分二本鎖プローブの組み合わせ、第2及び第4の部分二本鎖プローブの組み合わせ、及び第3及び第4の部分二本鎖プローブの組み合わせの各々に対して該標的核酸とのハイブリダイゼーション反応を行い、各部分二本鎖プローブを構成するオリゴヌクレオチドによる部分二本鎖の開裂に起因する信号の発現強度の時間的経過を観察する工程、
    を有することを特徴とするハプロタイプの検出方法。
  3. 該部分二本鎖プローブの有する該一本鎖部分の塩基配列の二本鎖形成時におけるTm(融解温度)は、該二本鎖部分の塩基配列のTmよりも低い請求項1に記載のハプロタイプの検出方法。
  4. 該部分二本鎖の部分が解離した場合にのみ信号が検出される標識のセットが、FRET(共鳴による励起エネルギーの移動)現象を利用しているものである請求項1〜3のいずれかに記載のハプロタイプの検出方法。
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