JP2009123787A - トランス回路基板、トランス回路基板の製造方法、及びスイッチング電源装置 - Google Patents

トランス回路基板、トランス回路基板の製造方法、及びスイッチング電源装置 Download PDF

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Abstract

【課題】低背化及び小面積化による小型化が実現可能であり、かつ製造時におけるコストの増大を抑制することが可能なトランス回路基板を提供する。
【解決手段】トランス回路基板50は、ボビン1を備えるトランス100が、電源回路基板21に搭載される構造を有する。ボビン1は、ボビン1と電源回路基板21とを所定の間隔に設定する間隔設定部8が設けられる。また、電源回路基板21は、電源回路基板21にトランス100が搭載された状態において、ボビン1に設けられる間隔設定部8が先端部分から挿入可能であるスルーホール23が形成される。また、間隔設定部8は、円錐状の形状を有しており、電源回路基板21の表面と平行である断面が、先端部分側より根元部分側で大きくなっている。
【選択図】図1

Description

本発明は、薄型テレビ等に使用されるスイッチング電源装置に必要な、高出力対応のスイッチング電源装置用トランスを備えるトランス回路基板に関する。特に本発明は、薄型化及び機構設計における設計自由度の向上に好適な構造を有するスイッチング電源装置用トランスを備えるトランス回路基板に関する。
図13、14は、一般的なトランスの構造の一例を示す図である。なお、図13は、ボビンへのコア搭載前における図であり、図14は、ボビンへのコア搭載後における図である。
まずは、図13を用いて、上記トランスの構造について説明する。
図13によれば、スイッチング電源装置等に使用されるトランス300aは、ボビン201にコア211が搭載される構造を有する。ボビン201には、端子202が、該ボビン201から突出して設けられる。さらに、ボビン201は、巻線203、絶縁テープ204、及び沿面テープ205を備える構成である。
端子202は、例えば図示しない回路基板に固定され、該回路基板に設けられた図示しない電源と巻線203とを電気的に接続する。
巻線203は、ボビン201の図示しない筒状部に層状に巻かれる、トランス300aの、ひいては後述するトランス300b、300の一次巻線及び二次巻線である。巻線203は、上記電源からの電源電圧が一次巻線に印加されると、二次巻線において、該電源電圧よりも高い電圧を発生させ、後段の回路(スイッチング電源装置においては例えば、図示しない二次巻線側の整流回路)に印加する。なお、トランス300aでは、一次巻線としてNp201〜Np203の3層が、巻線203により形成される。また、トランス300aでは、二次巻線としてNs201〜Ns203の3層が、巻線203により形成される。
巻線203には、該巻線203を外部と絶縁するための絶縁テープ204が、該巻線203の層毎に巻かれる。また、ボビン201の上記筒状部の両端部にはそれぞれ、沿面テープ205が巻かれる。
コア211は、E字型の形状を有するものであり、図示しない中央突状部が、ボビン201の図示しない中空部に挿入される。
なお、図13では図示していないが、実際には、1個のトランスにつき、コア211が2個用意される。そして、上記中空部における一方の開口部分からは、一方のコア211の中央突状部が挿入される。また、上記中空部における他方の開口部分からは、他方のコア211の中央突状部が挿入される。そして、2個のコア211が該中空部に挿入されると、これらの中央突状部が該中空部から抜けてしまうことを防止するため、コア211の周囲を組立テープ213により固定する。
こうして図13に示すトランス300aは、ボビン201にコア211が搭載され、図14に示す、完成したトランス300bとなる。なお、図14(a)は、トランス300bの上面を図示した平面図であり、同図(b)は、トランス300bの側面を図示した側面図であり、同図(c)は、トランス300bの下面を図示した下面図である。また、図13における「X」方向は、図14における「X」方向に対応するものとする。
なお、図14(b)、(c)からも分かるとおり、ボビン201は、自身の底面に間隔設定部208が、該ボビン201と一体的に設けられる。この間隔設定部208は、上記ボビン201の底面から、該ボビン201の底面に対して直交する方向に、該ボビン201の底面の下方へと伸びる柱状の部材として設けられる。
次に、上記トランスが回路基板に実装される様子について、図15を用いて説明する。
図15は、上記トランスが実装される様子を示す斜視図である。なお、図15に示すトランス300は、図14に示すトランス300bと概ね同一の構造を有するものであるとする。但し、従来技術に係るトランスの構造と、後述する本発明に係るトランスの構造との差異を明確にするため、図15に示すトランス300では、ボビン201、端子202、及び間隔設定部208以外の構成を省略して図示している。
以下、図15を用いて従来の技術について説明する。
トランス300は、電源回路基板221に搭載されて、トランス回路基板250を構成する。
トランス300は従来、電源回路基板221のトランス端子穴222に、ボビン201の端子202が取り付けられる。
間隔設定部208は、トランス300を電源回路基板221に実装する場合において、上端面(即ち、上記柱状の部材の先端となる面)が、該電源回路基板221の表面と当接することにより、ボビン201と該電源回路基板221との間隔を所定の間隔に設定する。なおここで、電源回路基板221の表面とは、電源回路基板221におけるトランス300の搭載面を意味する。
特開2000−21656号公報(2000年1月21日公開) 実開平5−33516号公報(1993年4月30日公開)
図15に示すトランス回路基板250では、トランス300のボビン201に設けられる間隔設定部208の上端面が、電源回路基板221の表面に当接する制約があり、この制約が、近年の薄型志向のテレビ用等に要求される薄型化電源の開発に際して妨げとなっていた。
即ち、一般的に、スイッチング電源装置に使用されるトランス300のボビン201に設けられる間隔設定部208は、挿入されるコア(図15には図示しない)の厚さと並び、トランス300の高さ方向の大部分を占める。また、ボビン201の間隔設定部208は、ボビン201に巻かれる図示しない巻線の太さの最大値に合わせた柱状の部材として作成されることが多いため、該巻線が細い場合、間隔設定部208は、上端面が、電源回路基板221の表面に当接することで、冗長な高さを有する柱状の部材となる。結果、間隔設定部208の存在は、従来、トランス回路基板250の低背化の妨げとなっていた。
また、従来、トランス回路基板を低背化するための構造としては、トランスにおいて、回路基板の表面に対して平行となる方向に端子を引き出し、該回路基板にボビンが接する部分まで低背化する構造が存在する(特許文献1、2参照)。
しかしながら、特許文献1、2に開示される技術の場合は、コアと端子とが極端に近接するため、沿面距離の確保が困難となり、耐圧特性が劣化する虞がある。なお、この場合、良好な耐圧特性を確保する為には、沿面距離を確保すべく、トランス本体を高く設計する必要がある。結果として、トランス回路基板の低背化は困難であるという問題が発生する。
また、上記のとおり、回路基板の表面に対して平行に端子を引き出すことにより、該回路基板への実装後におけるトランスの表面積は、拡大してしまう。また、これによりトランス回路基板では、トランスが、回路基板に設けられる他の部品と極端に近接する虞があるという問題が発生する。
さらに、上記の構成を有するトランスは、自身に巻かれる巻線の太さ等に応じて、固有の高さが設定されて製造されることから、専用品としての取り扱いを余儀なくされる場合が多くなると考えられ、汎用性という観点において決して有利であるとは言えない。そして、これによれば、上記の構成を有するトランスは、一度に製造される数量が少なくなり易く、これにより、コストが増大する虞があるという問題が発生する。
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、低背化及び小面積化による小型化が実現可能であり、かつ製造時におけるコストの増大を抑制することが可能なトランス回路基板を提供することにある。
本発明に係るトランス回路基板は、上記の課題を解決するため、ボビンを備えるトランスが回路基板に搭載されているトランス回路基板であって、上記ボビンと上記回路基板とを所定の間隔に設定する間隔設定部を備え、上記間隔設定部は、上記回路基板及びトランスのうちの一方に形成されていると共に、他方側に伸びる部材であり、上記部材の先端部分から、上記回路基板及びトランスのうちの他方に設けられている穴部に挿入可能に形成されており、上記回路基板における上記トランスの搭載面と平行である断面が、上記先端部分側より上記部材の根元部分側で大きくなっていることを特徴としている。
また、本発明に係るトランス回路基板の製造方法は、上記の課題を解決するため、ボビンを備えるトランスを回路基板に実装する工程を含むトランス回路基板の製造方法であって、上記回路基板及びトランスのうちの一方に、上記ボビンと該回路基板とを所定の間隔に設定する間隔設定部を形成する工程と、上記回路基板及びトランスのうちの他方に、穴部を形成する工程と、を含み、上記間隔設定部を形成する工程では、該間隔設定部を、上記回路基板及びトランスのうちの一方に形成されていると共に、他方側に伸びる部材であって、上記部材の先端部分から、上記穴部に挿入可能に形成されており、上記回路基板における上記トランスの搭載面と平行である断面が、上記先端部分側より上記部材の根元部分側で大きくなっている部材として形成することを特徴としている。
上記の構成によれば、回路基板及びトランスのうちの一方には間隔設定部が形成されており、他方には穴部が設けられている。
間隔設定部は、回路基板及びトランスのうちの一方に形成されていると共に、該回路基板及びトランスのうちの他方側に伸びる部材である。即ち、間隔設定部は、回路基板に形成されている場合は、該回路基板からボビンへと伸びる部材となり、トランスに形成されている場合は、該ボビンから該回路基板へと伸びる部材となる。さらに、間隔設定部は、先端部分を有する部材となる。
一方、穴部は、回路基板及びトランスのうちの他方に形成されている。そして、穴部は、上記の構造を有する間隔設定部を先端部分から挿入することが可能なものとして設けられている。
ここで、間隔設定部は、上述したとおり、回路基板及びトランスのうちの他方側に伸びる部材である。このことから、穴部に間隔設定部を先端部分から挿入すると、穴部への間隔設定部の挿入度合いに応じて、ボビンと回路基板との間隔は変化する。これにより、トランス回路基板の高さは、穴部に間隔設定部を深く挿入する程に低背化される。
このため、本発明に係るトランス回路基板は、従来技術に係る、間隔設定部の上端面が回路基板の表面と当接する構造と比較して、トランス回路基板の低背化を実現することが可能である。つまり、本発明に係るトランス回路基板では、ボビンに巻かれる巻線の太さに応じて、穴部への間隔設定部の挿入度合いを適宜変化させることで、トランス回路基板自身の高さの最適化を図ることができる。そのため、従来トランス回路基板の低背化の妨げとなっていた、間隔設定部の高さに起因するトランス回路基板の高さを、可能な限り低背化することが可能である。
また、本発明に係るトランス回路基板では、端子を有する場合であっても、回路基板の表面に対して平行に端子を引き出す必要がない。これは、本発明に係るトランスが端子を有する場合、該端子は、上述した間隔設定部の穴部への挿入に関係なく、所望の深さまで端子穴(トランス端子穴)に挿入可能であるため、端子の端子穴への挿入に起因して、トランス回路基板が高くなってしまうことを考慮する必要がない、ということによる。従って、本発明に係るトランス回路基板では、端子を有する場合であっても、回路基板の表面に対して垂直にトランスの端子を引き出すことが可能であるため、該回路基板への実装後におけるトランスの表面積の拡大を抑制することができる。また、本発明に係るトランス回路基板は、回路基板に設けられる他の部品と極端に近接することがない。またこの場合は、コアと端子とが極端に近接することを抑制することができるため、本発明に係るトランス回路基板では、沿面距離の確保に起因して、低背化が困難となる問題が発生する虞は低い。
さらに、間隔設定部は、回路基板におけるトランスの搭載面と平行である断面が、先端部分側より根元部分側で大きくなっている。こうした間隔設定部を先端部分から穴部に挿入すると、該間隔設定部が該穴部に挿入される程に、トランス回路基板は、低背化する。また、こうした構造の場合は、穴部を形成する位置、穴部の口径等を適宜設定することにより、間隔設定部の穴部への挿入度合いを容易に制御することができる。つまり、上記の構成によれば、回路基板に形成される穴部の位置および/または口径に応じて、間隔設定部が穴部に当接する位置が異なる。これにより、穴部の位置および/または口径に応じて、該トランス回路基板の高さを容易に最適化することができる。
そして、本発明に係るトランス回路基板では、汎用のボビンが作成され、該汎用のボビン及び回路基板に対して、上述した、間隔設定部及び穴部による高さの最適化を実施する。本発明に係るトランス回路基板では、これだけで、上記最適化が可能である。従って、本発明に係るトランス回路基板では、汎用のボビンを備えるトランスを用いて、容易に上記最適化を実施することができるため、トランス回路基板を安価に提供することが可能である。
従って、低背化及び小面積化による小型化が実現可能であり、かつ製造時におけるコストの増大を抑制することが可能であるという効果を奏する。
また、本発明に係るトランス回路基板は、上記間隔設定部は、上記トランスのボビンに形成されており、上記穴部は、上記回路基板に設けられていることを特徴としている。
上記の構成によれば、回路基板は、該回路基板上に穴部が設けられているだけの構造を有する。そのため、回路基板には、別途部品を実装する必要がないため、該回路基板を安価に製造することが可能となる。
また、ボビンに間隔設定部を形成する場合は、該間隔設定部が形成された状態の金型を用いて該ボビンを製造することにより、容易にボビンに間隔設定部を形成することができる。そのため、ボビンに間隔設定部を形成することに起因して、製造コストが大幅に増大してしまうことはない。
従って、製造時におけるコストの増大をさらに抑制することが可能であるという効果を奏する。
また、本発明に係るトランス回路基板は、上記間隔設定部は、円錐状の部材であることを特徴としている。
上記の構成によれば、上記間隔設定部が円錐状の部材として形成されるため、単純な構造により、上記間隔設定部を容易に形成することができる。また、上記の構成によれば、円錐状の部材を穴部に挿入するため、該挿入時において、間隔設定部と穴部とが当接する領域を広くすることができる。
また、本発明に係るトランス回路基板は、上記間隔設定部は、錐台状の部材である錐台部と、上記錐台部の上端面の一部に形成されている錐体状の部材である錐体部と、を有していることを特徴としている。
上記の構成によれば、間隔設定部は、錐台部と錐体部とを組み合わせた形状で形成されている。ここで、錐体部は、錐台部の上端面の一部に形成されている。このため、錐体部が形成されていない錐台部の上端面については、露出する。こうした構造を有する間隔設定部を穴部に挿入すると、露出した上端面と穴部周辺の回路基板部分とをさらに当接させることが可能となる。この場合は、間隔設定部が回路基板に当接する領域を広くすることができる。そのため、トランスの回路基板への実装に関して、トランスの実装位置への固定を、強固に行うことができるという効果を奏する。
また、本発明に係るトランス回路基板は、上記間隔設定部は、複数の錐台が階段状に重なるように形成されている部材である階段状錐台部と、上記階段状錐台部における最上段の錐台の上端面の一部に形成されている錐体状の部材である錐体部と、を有していることを特徴としている。
上記の構成によれば、間隔設定部は、階段状錐台部と錐体部とを組み合わせた形状で形成される。ここで、錐体部は、階段状錐台部における最上段の錐台の上端面の一部に形成されている。このため、錐体部が形成されていない階段状錐台部における最上段の錐台の上端面については、露出する。加えて、階段状錐台部では、複数の錐台が階段状に搭載されているため、該複数の錐台における上端面については、いずれも部分的に露出する。こうした構造を有する間隔設定部を穴部に挿入すると、露出した上端面と穴部周辺の回路基板部分とをさらに当接させることが可能となる。この場合は、間隔設定部が回路基板に当接する領域を広くすることができる。そのため、トランスの回路基板への実装に関して、トランスの実装位置への固定を、強固に行うことができるという効果を奏する。
また、本発明に係るトランス回路基板は、上記間隔設定部は、上記根元部分から上記先端部分にかけて段階的に細くなる柱状の部材であることを特徴としている。
上記の構成によれば、回路基板及びトランスのうちの一方には間隔設定部が形成されており、他方には穴部が設けられている。
間隔設定部は、回路基板及びトランスのうちの一方に形成されていると共に、該回路基板及びトランスのうちの他方に伸びる部材である。即ち、間隔設定部は、回路基板に形成されている場合は、該回路基板からボビンへと伸びる柱状の部材となり、トランスに形成されている場合は、該ボビンから該回路基板へと伸びる柱状の部材となる。
一方、穴部は、回路基板及びトランスのうちの他方に形成されている。そして、穴部は、上記の構造を有する間隔設定部を先端部分、即ち、該間隔設定部の上端面から挿入することが可能なものとして設けられる。
ここで、間隔設定部は、上述したとおり、回路基板及びトランスのうちの他方に伸びる部材である。このことから、穴部に間隔設定部を先端部分から挿入すると、穴部への間隔設定部の挿入度合いに応じて、ボビンと回路基板との間隔は変化する。これにより、トランス回路基板の高さは、穴部に間隔設定部を深く挿入する程に低背化される。
このため、本発明に係るトランス回路基板は、従来技術に係る、間隔設定部の上端面が回路基板の表面と当接する構造と比較して、トランス回路基板の低背化を実現することが可能である。つまり、本発明に係るトランス回路基板では、ボビンに巻かれる巻線の太さに応じて、穴部への間隔設定部の挿入度合いを適宜変化させることで、トランス回路基板自身の高さの最適化を図ることができる。そのため、従来トランス回路基板の低背化の妨げとなっていた、間隔設定部の高さに起因するトランス回路基板の高さを、可能な限り低背化することが可能である。
また、本発明に係るトランス回路基板では、端子を有する場合であっても、回路基板の表面に対して平行に端子を引き出す必要がない。これは、本発明に係るトランスが端子を有する場合、該端子は、上述した間隔設定部の穴部への挿入に関係なく、所望の深さまで端子穴(トランス端子穴)に挿入可能であるため、端子の端子穴への挿入に起因して、トランス回路基板が高くなってしまうことを考慮する必要がない、ということによる。従って、本発明に係るトランス回路基板では、端子を有する場合であっても、回路基板の表面に対して垂直にトランスの端子を引き出すことが可能であるため、該回路基板への実装後におけるトランスの表面積の拡大を抑制することができる。このため、本発明に係るトランス回路基板は、回路基板に設けられる他の部品と極端に近接することがない。またこの場合は、コアと端子とが極端に近接することを抑制することができるため、本発明に係るトランス回路基板では、沿面距離の確保に起因して、低背化が困難となる問題が発生する虞は低い。
さらに、間隔設定部は、回路基板における上記トランスの搭載面と平行である断面が、先端部分側より根元部分側で大きくなっている。こうした間隔設定部を先端部分から穴部に挿入すると、該間隔設定部が該穴部に挿入される程に、トランス回路基板は、低背化する。また、こうした構造の場合は、穴部を形成する位置、穴部の口径等を適宜設定することにより、間隔設定部の穴部への挿入度合いを容易に制御することができる。つまり、上記の構成によれば、回路基板に形成される穴部の位置および/または口径に応じて、間隔設定部が穴部に当接する位置が異なる。これにより、穴部の位置および/または口径に応じて、該トランス回路基板の高さを容易に最適化することができる。
そして、本発明に係るトランス回路基板では、汎用のボビンが作成され、該汎用のボビン及び回路基板に対して、上述した、間隔設定部及び穴部による高さの最適化を実施する。本発明に係るトランス回路基板では、これだけで、上記最適化が可能である。従って、本発明に係るトランス回路基板では、汎用のボビンを備えるトランスを用いて、容易に上記最適化を実施することができるため、トランス回路基板を安価に提供することが可能である。
従って、低背化及び小面積化による小型化が実現可能であり、かつ製造時におけるコストの増大を抑制することが可能であるという効果を奏する。
また、本発明に係るトランス回路基板は、上記穴部は、スルーホールであることを特徴としている。
上記の構成によれば、穴部がスルーホールとして形成されているため、単純な構造により、穴部を容易に形成することができる。また、上記の構成によれば、間隔設定部をスルーホールに挿入するため、該挿入時において、間隔設定部と穴部とが当接する領域を広くすることができる。
また、本発明に係るトランス回路基板は、上記間隔設定部が複数個形成されており、上記複数個の間隔設定部に対応する上記穴部が複数個形成されており、隣り合う上記間隔設定部のピッチが、該隣り合う間隔設定部に対応する、隣り合う穴部のピッチと異なっていることを特徴としている。
上記の構成によれば、隣り合う間隔設定部のピッチが、隣り合う穴部のピッチと異なっている。この場合は、隣り合う間隔設定部のピッチが、隣り合う穴部のピッチと同一である場合と比較して、トランス回路基板の高さは高くなる。ボビンの巻かれる巻線が太い場合、あまりトランス回路基板を低背化するのは好ましくないため、例えば隣り合う間隔設定部のピッチと隣り合う穴部のピッチと適宜設定することで、トランス回路基板の高さを高めに設定するのが好適である。
また、本発明に係るトランス回路基板の製造方法は、上記穴部を形成する工程では、上記ボビンに巻かれる巻線の太さに応じて、該穴部の口径を設定することを特徴としている。また、本発明に係るトランス回路基板の製造方法は、上記間隔設定部を形成する工程では、該間隔設定部を複数個形成し、上記穴部を形成する工程では、上記複数個の間隔設定部に対応する上記穴部を複数個形成し、上記ボビンに巻かれる巻線の太さに応じて、隣り合う上記穴部のピッチを設定することを特徴としている。
ボビンと回路基板との間隔は、穴部へ間隔設定部を挿入する度合いに応じて変化する。また、間隔設定部は、回路基板における上記トランスの搭載面と平行である断面が、先端部分側より根元部分側で大きくなっている部材として形成する。そのため、間隔設定部が先端部分から挿入される穴部は、間隔設定部を挿入する度合いを変更するだけで、ボビンと回路基板との間隔を容易に変更することが可能である。
そこで、穴部を形成する工程では、ボビンに巻かれる巻線の太さに応じて、該穴部の口径を設定するのが好ましい。また、間隔設定部を複数個形成し、該複数個の間隔設定部に対応する穴部を複数個形成する場合、穴部を形成する工程では、ボビンに巻かれる巻線の太さに応じて、隣り合う穴部のピッチを設定するのが好ましい。
上記の方法によれば、低背化に関しては、ボビンに巻かれる巻線の太さの最大値に適合した汎用のボビンを使用し、該巻線の太さに応じて、該穴部の口径を設定して、トランスの高さの調節することが可能となる。これにより、完成したトランス回路基板では、汎用のボビンの構造を若干変更することだけで、トランス回路基板の高さの最適化が実現可能である。また、ボビンの金型としては、汎用のものを1つ製造するだけで、トランス回路基板の高さの最適化が実現可能となる。
また巻線の太さが互いに異なる複数のトランス回路基板を製造する場合であっても、ボビンの金型としては、汎用のものを1つ使用するだけで十分である。そのため、トランス回路基板を大量に生産する場合においては、製造コストを低減することができる。さらに、この場合は、巻線及びコアの設計を変更する必要がない。そのため、トランス回路基板自体の耐圧特性を維持したまま低背化することが可能となり、設計及び開発時間の短縮が期待できる。
本発明に係るトランス回路基板は、以上のとおり、ボビンを備えるトランスが回路基板に搭載されているトランス回路基板であって、上記ボビンと上記回路基板とを所定の間隔に設定する間隔設定部を備え、上記間隔設定部は、上記回路基板及びトランスのうちの一方に形成されていると共に、他方側に伸びる部材であり、上記部材の先端部分から、上記回路基板及びトランスのうちの他方に設けられている穴部に挿入可能に形成されており、上記回路基板における上記トランスの搭載面と平行である断面が、上記先端部分側より上記部材の根元部分側で大きくなっている構成である。
従って、低背化及び小面積化による小型化が実現可能であり、かつ製造時におけるコストの増大を抑制することが可能であるという効果を奏する。
〔実施の形態1〕
本発明の一実施形態について図1〜図9に基づいて説明すると以下の通りである。
図2、3は、本発明に係るトランスの構造の一例を示す図である。なお、図2は、ボビンへのコア搭載前における図であり、図3は、ボビンへのコア搭載後における図である。
また、図4は、本発明に係るトランスにおいて使用されるボビンの構造を示す図である。図4(a)は、該ボビンの上面を図示する平面図であり、同図(b)は、該ボビンの側面を図示する側面図であり、同図(c)は、該ボビンの下面を図示する下面図である。また、図5は、本発明に係るトランスにおいて使用されるコア(例えば、フェライトコア)の構造を示す平面図であり、該コアの上面を図示する該平面図である。
まずは、図2を用いて、本発明に係るトランスの構造について説明する。
図2によれば、トランス100aは、ボビン1にコア11が搭載される構造を有する。ボビン1には、端子2が、該ボビン1から突出するように設けられる。さらに、ボビン1は、巻線3、絶縁テープ4、及び沿面テープ5を備える構成である。なお、これらの部品の取り付けは例えば、半田ディップによる半田付けで行われる。
端子2は、例えば図2には図示しない回路基板に固定され、該回路基板に設けられた図示しない電源と巻線3とを電気的に接続する。
巻線3は、ボビン1の筒状部6(図4(a)参照)に層状に巻かれる、トランス100a、ひいては後述するトランス100b、100の一次巻線及び二次巻線である。巻線3は、上記電源からの電源電圧が一次巻線に印加されると、二次巻線において、該電源電圧よりも高い電圧を発生させ、後段の回路(スイッチング電源装置においては例えば、図示しない二次巻線側の整流回路)に印加する。なお、トランス100aでは、一次巻線としてNp1〜Np3の3層が、巻線3により形成される。また、トランス100aでは、二次巻線としてNs1〜Ns3の3層が、巻線3により形成される。
巻線3には、該巻線3を外部と絶縁するための絶縁テープ4が、該巻線3の層毎に巻かれる。また、ボビン1の筒状部6の両端部にはそれぞれ、沿面テープ5が巻かれる。
コア11は例えば、図5に示すとおり、E字型の形状を有する。このコア11は、中央突状部12がボビン1の中空部7(図4(b)参照)に挿入される。
なお、図2では図示していないが、実際には、図5に示すとおり、1個のトランスにつき、コア11が2個用意される。そして、中空部7における一方の開口部分からは、一方のコア11の中央突状部12が挿入される。また、中空部7における他方の開口部分からは、他方のコア11の中央突状部12が挿入される。そして、2個のコア11が中空部7に挿入されると、これらの中央突状部12が中空部7から抜けてしまうことを防止するため、コア11の周囲を組立テープ13により固定する。
こうして図2に示すトランス100aは、ボビン1にコア11が搭載され、図3に示す、完成したトランス100bとなる。なお、図3(a)は、トランス100bの上面を図示する平面図であり、同図(b)は、トランス100bの側面を図示する側面図であり、同図(c)は、トランス100bの下面を図示する下面図である。また、図2における「Y」方向は、図3における「Y」方向に対応するものとする。
なお、図3(b)、(c)及び図4(b)、(c)に示すとおり、ボビン1には、自身の底面に間隔設定部8が、該ボビン1と一体的に設けられる。
この間隔設定部8は、上記ボビン1の底面から、該ボビン1の底面に対して直交する方向に、該ボビン1の底面の下方へと伸びる円錐状の部材として形成される点において、図14(b)、(c)に示す間隔設定部208と異なる。なお、本発明に係る間隔設定部は、円錐状に限らず、ボビンの底面に、楔状の部材として形成されるのが好ましい。間隔設定部8は、上記円錐状の部材における図示しない底面が、上記ボビン1の底面に設けられる。
次に、本発明に係るトランスが回路基板に実装される様子について、図1を用いて説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係るトランスが回路基板に実装される様子を示す斜視図である。なお、図1に示すトランス100は、少なくとも本発明の特徴点に関連する部分において、図3に示すトランス100bと同一の構造を有するものであるとする。但し、上述した従来技術に係るトランスの構造と、本発明に係るトランスの構造との差異を明確にするため、図1に示すトランス100では、ボビン1及び該ボビン1が備える部材であって、本発明の特徴点に関連する部材以外の構成を省略して図示している。同様の理由により、後述する図7に示すトランス100、後述する図10、11に示すトランス200、さらには、後述する図6に示すトランス300についても、ボビン及び該ボビンが備える部材であって、本発明の特徴点に関連する部材以外の構成を省略して図示している。
以下、図1を用いて本発明に係る技術について説明する。
トランス100は、電源回路基板(回路基板)21に搭載されて、トランス回路基板50を構成する。
トランス100は、電源回路基板21のトランス端子穴22に、ボビン1の端子2が取り付けられる。
なお、ここで、端子2は、ボビン1の底面から、該ボビン1の底面に対して直交する方向に引き出される。かつ、端子2は、トランス100が電源回路基板21へと実装された状態で、ボビン1の底面から、該電源回路基板21においてトランス100が搭載される面、即ち、図1においてトランス端子穴22及び後述するスルーホール23が設けられている電源回路基板21の面と直交する方向に引き出される。以下では、電源回路基板21においてトランス100が搭載される面を、電源回路基板21の表面と称する。この構成によれば、電源回路基板21への実装後におけるトランス100の表面積の拡大を抑制することができるため、トランス100の小面積化を図ることができる。また、この構成によれば、トランス100が電源回路基板21に設けられる、図示しない他の部品と極端に近接することを抑制することができる。
また、電源回路基板21の表面には、トランス端子穴22に加え、スルーホール(穴部)23が設けられる。このスルーホール23は、ボビン1が電源回路基板21に実装された状態において、間隔設定部8の先端部分を含む少なくとも一部が挿入可能であるものとして設けられる。
即ち、間隔設定部8は、ボビン1の端子2を電源回路基板21のトランス端子穴22に取り付けた状態において、該電源回路基板21の表面に別途設けられたスルーホール23に挿入可能である構造を有する。
また、間隔設定部8は、上述したとおり、該ボビン1の底面に対して直交する方向に、該ボビン1の底面の下方へと伸びる円錐状の部材として設けられる。さらに、上述した、端子2が引き出される方向、ボビン1の底面、及び電源回路基板21の表面の位置関係によれば、該ボビン1の底面は、該電源回路基板21の表面と平行となる。以上のことから、間隔設定部8は、上記円錐状の部材における先端部分が、ボビン1の底面から、電源回路基板21の表面へと向かって伸びているということが分かる。即ち、間隔設定部8は、ボビン1の底面と電源回路基板21の表面との間隔方向(即ち、電源回路基板21の表面に垂直な方向)に、底面から先端部分まで伸びる部材であると言うことができる。また、以上のことから、間隔設定部8は、電源回路基板21の表面と平行な方向の断面の大きさが、該間隔設定部8の先端部分側より、根元部分側、即ち、ボビン1側で大きくなる構造を有する部材であると言うことができる。
そして、間隔設定部8は、トランス100を電源回路基板21に実装する場合において、該間隔設定部8の当接部分が、スルーホール23及び/または電源回路基板21の表面と当接する。またこのとき、間隔設定部8は、上記当接部分にて、ボビン1を支持する。これにより、トランス100では、上記間隔設定部8の当接部分の位置を適宜設定することにより、ボビン1と該電源回路基板21との間隔を所望の間隔に設定することができる。なお、上記間隔設定部8の当接部分としては、上記円錐状の部材の、先端部分であっても構わないし、側面部分であっても構わない。上記ボビン1と該電源回路基板21の表面との間隔を所望の間隔に設定する方法については後述する。
間隔設定部8は、円錐形状の部材として形成される場合、円錐の底面の直径が2mm〜3mm程度、高さが2mm〜3mm程度で形成されるのが好適である。また、汎用性を考慮すると、間隔設定部8は、ボビン1の底面の4隅に形成されるのが好適である。また、スルーホール23は、上記間隔設定部8の底部の直径の約1/3〜1/2倍の直径を有するのが好適である。また、スルーホール23は、電源回路基板21の表面において、トランス100の電源回路基板21への実装時に間隔設定部8が搭載される部分に、該間隔設定部8毎に1個形成される。
また、従来技術に係るトランスが回路基板に実装される様子と、本発明に係るトランスが回路基板に実装される様子との差異を、図6、7に示す。図6は、従来技術に係るトランスが回路基板に実装される様子を、該トランスの側面から図示する図であり、図7は、本発明に係るトランスが回路基板に実装される様子を、該トランスの側面から図示する図である。
図6に示すとおり、従来技術に係るトランス300は、上述した間隔設定部208の図示しない底面が、電源回路基板221の表面と当接する。これにより、ボビン201と電源回路基板221との間には、該ボビン201に巻かれる図示しない巻線の太さの最大値に適合した、一定の高さが設けられる。
一方、図7に示すとおり、本発明に係るトランス100は、従来技術に係るトランス300と同様の要領により実装すると、上記間隔設定部8の先端部分が、電源回路基板21の表面と当接する。これにより、ボビン1と電源回路基板21との間には、該ボビン1に巻かれる図示しない巻線の太さの最大値に適合した、一定の高さが設けられる。そして、本発明に係るトランス100は、上記間隔設定部8を、電源回路基板21の表面に設けられるスルーホール23(図7には図示しない)に挿入することにより、トランスの低背化が可能となる。
ここからは、間隔設定部及び穴部により、ボビンと電源回路基板の表面との間隔を所望の間隔に設定する方法について説明する。
図8には、間隔設定部及び穴部により、ボビンと回路基板との間隔を所望の間隔に設定する方法の一例を示す図である。
図8では、間隔設定部が、穴部の口径に基づいて、ボビンと回路基板との間隔を所望の間隔に設定する例を示している。なお、図8(a)は、スルーホール23(スルーホール23a、23b、23c)の口径と間隔設定部8の沈み込み位置との関係を示す図である。ここで「間隔設定部8の沈み込み位置」とは、トランス100を電源回路基板21に実装する場合において、スルーホール23と当接する、間隔設定部8の位置を意味する。
まず、図8(a)において、電源回路基板21の表面に設けられるスルーホール23が、口径が小さいスルーホール23aであり、該スルーホール23aに間隔設定部8が挿入される場合、間隔設定部8の沈み込み位置は、該間隔設定部8の先端部分に近い、参照符号「af」の位置となる。
このとき、間隔設定部8は、先端部分に近い位置でスルーホール23aと当接することにより、図8(b)に示すとおり、ボビン1の底面から遠い位置で該ボビン1を支持する。
次に、図8(a)において、電源回路基板21の表面に設けられるスルーホール23が、口径が中程度のスルーホール23bであり、該スルーホール23bに間隔設定部8が挿入される場合、間隔設定部8の沈み込み位置は、上記「af」よりも、該間隔設定部8の底面側である、参照符号「bf」の位置となる。
このとき、間隔設定部8は、図8(b)に示す場合と比較して、該間隔設定部8の底面に近い位置でスルーホール23bと当接することにより、図8(c)に示すとおり、図8(b)に示す場合と比較して、ボビン1の底面から近い位置で該ボビン1を支持する。
そして、図8(a)において、電源回路基板21の表面に設けられるスルーホール23が、口径が大きいスルーホール23cであり、該スルーホール23cに間隔設定部8が挿入される場合、間隔設定部8の沈み込み位置は、上記「bf」よりも、さらに該間隔設定部8の底面側である、参照符号「cf」の位置となる。
このとき、間隔設定部8は、図8(c)に示す場合と比較して、さらに該間隔設定部8の底面に近い位置でスルーホール23cと当接することにより、図8(d)に示すとおり、図8(c)に示す場合と比較して、さらにボビン1の底面から近い位置で該ボビン1を支持する。
図9は、間隔設定部及び穴部により、ボビンと回路基板との間隔を所望の間隔に設定する方法の他の例を示す図であり、間隔設定部が、穴部のピッチに基づいて、ボビンと電源回路基板との間隔を所望の間隔に設定する例を示す図である。
なお、ここで「スルーホール23のピッチ」とは、隣り合う2つのスルーホール23における、一方のスルーホール23の中心から他方のスルーホール23の中心までの距離を意味する。また、ここで「間隔設定部8のピッチ」とは、該隣り合う2つのスルーホール23に対応する(即ち、該隣り合う2つのスルーホール23に挿入される)、隣り合う2つの間隔設定部8における、一方の間隔設定部8の先端部分から他方の間隔設定部8の先端部分までの距離を意味する。
図9(a)では、電源回路基板21として、スルーホール23のピッチ31が、間隔設定部8のピッチ30と概ね等しい、電源回路基板21aが使用される。こうした電源回路基板21aにトランス100を搭載する場合は、間隔設定部8の沈み込み位置を、該間隔設定部8の底面に近い位置とすることができる。そのため、この場合は、ボビン1の底面から近い位置で該ボビン1を支持する。
一方、図9(b)〜(d)では、電源回路基板21として、スルーホール23のピッチ32b〜32dが、間隔設定部8のピッチ30よりも狭い、電源回路基板21b〜21dが使用される。こうした電源回路基板21b〜21dにトランス100を搭載する場合は、間隔設定部8の沈み込み位置を、図9(a)に示す場合と比較して、該間隔設定部8の先端部分に近い位置とすることができる。そのため、この場合は、ボビン1の底面から遠い位置で該ボビン1を支持する。
ここで、図9(a)におけるスルーホール23のピッチ31、及び図9(b)〜(d)におけるスルーホール23のピッチ32b〜32dは、
ピッチ32b<ピッチ32c<ピッチ32d<ピッチ31
の関係を有している。そして、この場合、ボビン1の底面から間隔設定部8の沈み込み位置までの距離は、
ピッチ31の場合<ピッチ32dの場合<ピッチ32cの場合<ピッチ32bの場合
の関係を有する。つまり、スルーホール23のピッチを、間隔設定部8のピッチよりも狭くする場合は、該スルーホール23のピッチを狭くする程に、ボビン1の底面から間隔設定部8の沈み込み位置までの距離を長くすることができる。即ち、スルーホール23のピッチを、間隔設定部8のピッチよりも狭くする場合は、該スルーホール23のピッチを狭くする程に、該間隔設定部8の沈み込み位置を該間隔設定部8の先端部分に近い位置とすることができる。
但し、スルーホール23のピッチを狭くしすぎると、該スルーホール23に対応する、隣り合う2つの間隔設定部8は、該スルーホール23に挿入不能となり、ボビンと回路基板との間隔を所望の間隔に設定する機能自体が損なわれてしまう虞がある。そのため、スルーホール23のピッチは、該スルーホール23に対応する、隣り合う2つの間隔設定部8が適切に挿入可能な程度のピッチに設定するのが好ましい。
なお、反対に、スルーホール23のピッチは、間隔設定部8のピッチよりも広くしてもよい。この場合は、該スルーホール23のピッチを広くする程に、ボビン1の底面から間隔設定部8の沈み込み位置までの距離を長くすることができる。即ち、この場合は、該スルーホール23のピッチを広くする程に、該間隔設定部8の沈み込み位置を該間隔設定部8の先端部分に近い位置とすることができる。但し、この場合についても同様に、上記スルーホール23のピッチを広くしすぎると、該スルーホール23に対応する、隣り合う2つの間隔設定部8は、該スルーホール23に挿入不能となり、ボビンと回路基板との間隔を所望の間隔に設定する機能自体が損なわれてしまう虞がある。そのため、上記スルーホール23のピッチは、該スルーホール23に対応する、隣り合う2つの間隔設定部8が適切に挿入可能な程度のピッチに設定するのが好ましい。
以上のとおり、トランス100では、ボビン1に設けられる間隔設定部8をスルーホール23に挿入した状態で、電源回路基板21に搭載することができる。間隔設定部8がボビン1を支持する位置は、該間隔設定部8の沈み込み位置をボビン1の底面側に設定する程に、該ボビン1の底面に近接する。即ち、間隔設定部8がボビン1を支持する位置は、該間隔設定部8を深く挿入した状態で、該間隔設定部8とスルーホール23とを当接させる程に、該ボビン1の底面に近接する。トランス100は、間隔設定部8がボビン1を支持する位置が該ボビン1の底面に近接する程に、該トランス100を電源回路基板21に実装する場合において、該電源回路基板21と近接することとなる。一方、端子2は、上記当接に関係なく、所望の深さまでトランス端子穴(図8には図示しない)に挿入可能であるため、端子2の該トランス端子穴への挿入に起因して、トランス100が高くなってしまうことはない。
こうして、本発明に係るトランス回路基板では、間隔設定部が、穴部の口径及び/またはピッチに基づいて、自身の高さを低背化することができる。
このため、例えば図2に示す巻線3が細い場合は、口径が大きなスルーホール23c(図8(a)参照)、または、スルーホール23のピッチ31が間隔設定部8のピッチ30と概ね等しい電源回路基板21a(図9(a)参照)を用いる。そして、間隔設定部8の沈み込み位置を、該間隔設定部8の底面付近に設定することにより、トランス100は、従来技術の係るトランス300と比較して、大きな低背化の効果が得られる。
また、例えば図2に示す巻線3が太い場合であっても、口径が小さなスルーホール23a(図8(a)参照)、または、各々のスルーホール23のピッチ32b〜32dが間隔設定部8のピッチより狭い電源回路基板21b〜21d(図9(b)〜(d)参照)のいずれかを用いる。そして、間隔設定部8の沈み込み位置を、該間隔設定部8の先端部分付近に設定することにより、トランス回路基板50は、従来技術に係るトランス回路基板250と比較して、ある程度の低背化の効果が得られる。こうして、トランス100では、巻線の太さに応じて、自身の高さを最適化することが可能となる。
以上の構成によれば、トランス回路基板を安価に提供するという面においては、以下の作用効果を奏する。即ち、ボビンは、巻線の径が太いものに合わせて事前に作成される。そして、本発明に係るトランス回路基板では、既存のボビンに対して、上述した、間隔設定部及び穴部による、上記高さの最適化を実施する。これだけで、上記高さの最適化は、巻線の径が太いものから巻線の径が細いものにまで対応可能である。従って、トランスでは、既存のボビンを用い、かつ、容易に上記高さの最適化を実施することができるため、トランス回路基板を安価に提供することが可能であるという効果を奏する。
また、以上の構成によれば、低背化という面においては、巻線の太さに応じて、自身の高さを最適化することができる。そのため、従来低背化の妨げとなっていた、間隔設定部の高さに起因するトランスの高さを、可能な限り低くすることが可能である。
なお、図8に示す形態と、図9に示す形態とを比較すると、トランスの回路基板への固定具合という観点では、図9に示す形態よりも図8に示す形態のほうが、該固定を強固に行っていると言える。これは、図8に示す形態は、図9に示す形態と比較して、間隔設定部と穴部とが当接する領域が広くなるためである。しかしながら、図9に示す形態を採用する場合であっても、本発明に係るトランス回路基板では、ボビンに設けられる端子を、回路基板に設けられるトランス端子穴に十分挿入して固定することにより、上記固定を強固に行うことができる。
また、図9に係る実施の形態では、図9(a)〜(d)に図示する全ての場合において、電源回路基板21に設けられる複数の穴部が、互いに同一の口径を有している(即ち、スルーホール23)場合を例に説明を行った。しかしながら、電源回路基板21に設けられる複数の穴部の口径については、当然ながらこれに限定されるものではない。即ち、図9に係る実施の形態では例えば、図8(a)に示すスルーホール23a〜23cを用いることで、電源回路基板21に、口径が互いに異なる複数の穴部が設けられてもよい。換言すれば、図9に係る実施の形態は、図8に係る実施の形態と組み合わせて実施することが可能である。
また、本実施の形態では、間隔設定部をボビンの底面に設け、穴部を回路基板の表面に設ける構造を採用している。ここで、本発明に係るトランス回路基板では、穴部をボビンの底面に設け、間隔設定部を回路基板の表面に設ける構造を採用しても構わない。但し、穴部をボビンの底面に設け、間隔設定部を回路基板の表面に設ける構造の場合は、該回路基板上に別途部品を実装する必要が生じる。そのため、穴部をボビンの底面に設け、間隔設定部を回路基板の表面に設ける構造は、間隔設定部をボビンの底面に設け、穴部を回路基板の表面に設ける構造と比較して、製造コストの面における作用効果はやや小さい。従って、本発明に係るトランス回路基板では、やはり、間隔設定部をボビンの底面に設け、穴部を回路基板の表面に設ける構造を採用するのが好適である。
〔実施の形態2〕
本発明の他の実施形態について図10、図11に基づいて説明すると以下の通りである。
図10は、本発明の他の実施形態に係るトランスが実装される様子を示す斜視図である。
上述した実施の形態では、間隔設定部を楔状である円錐状の部材として設ける構造を採用しているが、本発明に係る間隔設定部の形状は、これに限定されない。即ち、本発明に係る間隔設定部の形状は、回路基板におけるトランス搭載面に平行な方向の断面の大きさが、間隔設定部における先端部分側より底面側で大きくなる構造を有する部材として、該ボビンの底面に設けられる構造を有するのであれば、特に限定されない。
図10に示すトランス200は、電源回路基板21に搭載されて、トランス回路基板150を構成する。
トランス200は、図1に示すトランス100の構成において、間隔設定部8のかわりに、間隔設定部108が設けられる構成である。
間隔設定部108は、上記ボビン1の底面から、該ボビン1の底面に対して直交する方向に、該ボビン1の底面の下方へと伸びる円錐台部(階段状錐台部)108aと、該円錐台部108aの底面に対向する面から、該ボビン1の底面に対して直交する方向に、該ボビン1の底面の下方へと伸びる円錐台部(階段状錐台部)108bと、該円錐台部108bの底面に対向する面から、該ボビン1の底面に対して直交する方向に、該ボビン1の底面の下方へと伸びる円錐部(錐体部)108cと、を有する部材である点において、間隔設定部8と異なる。なお、間隔設定部108は、円錐台部108aの底面が、上記ボビン1の底面に設けられる。
間隔設定部108では、上記円錐台部108bの底面全体が、上記円錐台部108aの底面に対向する面の一部に形成される。また、上記円錐台部108aの底面に対向する面において、上記円錐台部108bの底面が搭載されない周囲の平坦な部分(図示しない)は、露出する。
同様に、間隔設定部108では、上記円錐部108cの底面全体が、上記円錐台部108bの底面に対向する面の一部に搭載される。また、上記円錐台部108bの底面に対向する面において、上記円錐部108cの底面が搭載されない部分(図示しない)は、露出する。
また、図11に示すとおり、トランス200は、従来技術に係るトランス300と同様の要領により実装すると、上記間隔設定部108の円錐部108cの先端部分が、電源回路基板21の表面と当接する。これにより、ボビン1と電源回路基板21との間には、該ボビン1に巻かれる図示しない巻線の太さの最大値に適合した、一定の高さが設けられる。
図11からも分かるとおり、間隔設定部108は、円錐台部108aの高さに相当する段差Aと、円錐台部108bの高さに相当する段差Bと、を有する階段状の部材であると言える。
その他の構成は、図1に示すトランス回路基板50と同一である。
上記トランス回路基板150の構成によれば、図1に示すトランス回路基板50と同様に、巻線の太さに応じて、自身の高さを最適化することが可能となる。
また、本実施の形態では、上記円錐台部108aの上記平坦部分、または、上記円錐台部108bの上記平坦部分がスルーホール23と当接することにより、以下の作用効果をさらに奏する。即ち、この場合は、間隔設定部108とスルーホール23とが当接する領域を広くすることができる。そのため、トランス200の電源回路基板21への実装に関して、トランス200の実装位置への固定を、強固に行うことができるという効果を奏する。
なお、本実施の形態では、間隔設定部が、2段の階段状の部材として設けられているがこれに限らず、該間隔設定部は、1段の階段状の部材として設けられてもよいし、3段以上の段数を有する階段状の部材として設けられてもよい。即ち、間隔設定部は、底面が回路基板及びトランスのうちの一方に形成されている錐台状の部材である錐台部と、底面が錐台部の底面に対向する面に形成されている錐体状の部材である錐体部と、を有しており、錐体部の底面全体が、錐台部の底面に対向する面の一部に搭載されている構成であってもよい。
また、上述したとおり、本発明に係る間隔設定部の形状は、底面に平行な方向の断面の大きさが、間隔設定部における先端部分側より底面側で大きくなる構造を有する部材として、該ボビンの底面に設けられる構造を有するのであれば、特に限定されない。こうした形状を有する間隔設定部としては、例えば、底面積が互いに異なる複数の円柱を、上記構造を有するように階段状に設ける構成であってもよいし、底面積が互いに異なる複数の直方体または立方体を、上記構造を有するように階段状に設ける構成であってもよい。さらには、間隔設定部としては、上記構造を有する、錐台状の形状を有する部材を単独で用いてもよい。なお、こうした場合であっても、穴部の口径及び/またはピッチを変更して、間隔設定部の沈み込み位置を、該間隔設定部の先端部分または底面と対向する面付近に設定することにより、トランス回路基板は、従来技術に係るトランス回路基板と比較して、低背化の効果が得られる。
また同様に、ここまで説明してきた本発明の実施の形態ではいずれも、穴部がスルーホールとして回路基板に設けられている。しかしながら、該穴部の形状としてはこれに限定されない。スルーホール以外に考えられる、穴部の形状としては、例えば、四角穴が考えられる。
但し、コスト及び設計自由度を考慮すると、四角穴の穴部は、スルーホールにやや劣り、円柱、直方体、及び立方体のいずれかを用いた階段型の間隔設定部は、図1等に示す円錐状の部材である間隔設定部8または図10等に示す円錐状かつ階段状の部材である間隔設定部108にやや劣る。従って、穴部としてはスルーホールを採用し、間隔設定部としては、図1等に示す円錐状の間隔設定部8または図10等に示す円錐状かつ階段状の間隔設定部108を採用するのがより好適である。
さらに、本発明に係るトランス回路基板は、以下の製造方法により、製造することが可能である。
即ち、本発明に係るトランス回路基板は、ボビンを備えるトランスを回路基板に実装することで製造するが、このとき、該実装前に予め、間隔設定部をボビンの底面に形成すると共に、穴部を回路基板に形成する。ここで、ボビンの底面に形成する間隔設定部としては、例えば、間隔設定部8(図1参照)、間隔設定部108(図10参照)を形成する。また、回路基板に設ける穴部としては、例えば、スルーホール23(図1参照)を設ける。そして、上記間隔設定部を形成したボビンを備えるトランスを、上記穴部を設けた回路基板に実装する。
但し、本発明に係る間隔設定部は、間隔設定部8(図1参照)、間隔設定部108(図10参照)に限定されない。また、本発明に係る穴部は、スルーホール23(図1参照)に限定されない。さらに、本発明に係る間隔設定部は、回路基板に形成してもよい。なお、本発明に係る間隔設定部を回路基板に形成する場合、穴部は、ボビンの底面に設ければよい。即ち、本発明に係るトランス回路基板の製造方法において形成する間隔設定部は、回路基板及びトランスのうちの一方に形成されていると共に、該回路基板及びトランスのうちの他方側に伸びる部材であり、該回路基板における該トランスの搭載面と平行である断面が、該先端部分側より該部材の根元部分側で大きくなっている構成であれば、特に限定はされない。また、本発明に係るトランス回路基板の製造方法において設ける穴部は、回路基板及びトランスのうちの他方に形成されていると共に、上記間隔設定部における他方側に伸びる部材が、該部材の先端部分から挿入可能である構成であれば、特に限定はされない。
本発明に係るトランス回路基板は、以上の製造方法により、製造することが可能である。
また、本発明に係るトランス回路基板の製造方法では、本発明に係る間隔設定部及び穴部の一方を形成したボビンを汎用のボビンとして作成し、本発明に係る間隔設定部及び穴部の他方を形成した回路基板を作成する。そして、本発明に係るトランス回路基板の製造方法では、該汎用のボビン及び回路基板に対して、図8、9に示す方法で、間隔設定部及び穴部による高さの最適化を実施する。本発明に係るトランス回路基板の製造方法では、これだけで、上記最適化が可能である。
ボビンと回路基板との間隔は、穴部へ間隔設定部を挿入する度合いに応じて変化する。また、間隔設定部は、回路基板におけるトランスの搭載面と平行である断面が、先端部分側より根元部分側で大きくなっている部材として形成する。そのため、間隔設定部が先端部分から挿入される穴部は、間隔設定部を挿入する度合いを変更するだけで、ボビンと回路基板との間隔を容易に変更することが可能である。
そこで、穴部を形成する工程では、ボビンに巻かれる巻線の太さに応じて、図8に示すとおり、該穴部の口径を設定すればよい。また、間隔設定部を複数個形成し、該複数個の間隔設定部に対応する穴部を複数個形成する場合、穴部を形成する工程では、図9に示すとおり、ボビンに巻かれる巻線の太さに応じて、隣り合う穴部のピッチを設定すればよい。
これにより、低背化に関しては、ボビンに巻かれる巻線の太さの最大値に適合したボビンを汎用のボビンとして使用し、該巻線の太さに応じて、該穴部の口径を設定して、トランスの高さの調節することが可能となる。これにより、完成したトランス回路基板では、汎用のボビンの構造を若干変更することだけで、トランス回路基板の高さの最適化が実現可能である。また、ボビンの金型としては、汎用のものを1つ製造するだけで、トランス回路基板の高さの最適化が実現可能となる。
また巻線の太さが互いに異なる複数のトランス回路基板を製造する場合であっても、ボビンの金型としては、汎用のものを1つ使用するだけで十分である。そのため、トランス回路基板を大量に生産する場合においては、製造コストを低減することができる。さらに、この場合は、巻線及びコアの設計を変更する必要がない。そのため、トランス回路基板自体の耐圧特性を維持したまま低背化することが可能となり、設計及び開発時間の短縮が期待できる。
従って、低背化及び小面積化による小型化が実現可能であり、かつコストの増大を抑制することが可能であるという効果を奏する。
〔実施の形態3〕
本発明のさらに他の実施形態について図12に基づいて説明すると以下の通りである。
図12は、本発明に係るトランスが搭載されるスイッチング電源装置の構成例を示す図である。
スイッチング電源装置は一般的に、商用交流電圧を整流・平滑化して得られた直流電圧をスイッチングし、高周波の交流電力に変換し、さらに所望の直流電圧へと高効率で整流する構成を有する。
こうしたスイッチング電源装置の代表的な構成としては、トランスの1次側に印加される直流電圧をスイッチングするスイッチング素子を備え、トランスの2次側出力電圧を検出し、その検出結果に応じて制御回路がスイッチング素子のスイッチングパルス幅を制御することにより、所望の2次側出力電圧を得る構成としたスイッチング電源装置が存在する。
図12に示すスイッチング電源装置400は、商用電源入力端子401、ブリッジダイオード402、入力平滑コンデンサ403、1次巻線npと2次巻線nsとを有するトランス404、スイッチング素子405、ダイオード406、出力平滑コンデンサ407、及び出力端子408を備えている。
商用電源入力端子401に入力された交流電圧は、図示しないフィルタ回路でノイズ成分を除去された後、ブリッジダイオード402によってブリッジ整流され、入力平滑コンデンサ403によって平滑化される。そして、入力平滑コンデンサ403によって平滑化された電圧は、ハイレベル側の電源ラインHとローレベル側の電源ラインLとの間に、平滑化電圧として印加される。
電源ラインH、Lにはトランス404の1次巻線npとスイッチング素子405との直列回路が接続される。スイッチング素子405は、図示しない制御回路によってオン/オフ制御されており、スイッチング素子405のオン状態において、上記平滑化電圧はトランス404の1次巻線npに印加される。上記平滑化電圧がトランス404の1次巻線npに印加されると、トランス404の1次巻線npにエネルギー(励磁エネルギー)が蓄積され、その後スイッチング素子405のオフ状態において、該エネルギーは交流電圧としてトランス404の2次巻線nsに伝達される。
そして、2次巻線nsに伝達された交流電圧は、ダイオード406によって半波整流され、出力平滑コンデンサ407によって平滑化された後、出力端子408を介して直流電圧として出力される。
上述した実施の形態における、トランス100及び200は、例えば図12に示すスイッチング電源装置400のトランス404として好適に使用することができるものである。そして、図12に示すスイッチング電源装置400の各部材が同一の回路基板上にて実現される場合、該回路基板としては、電源回路基板21、21a〜21dを好適に使用することができる。
また、図12に示すスイッチング電源装置400は、薄型テレビ等に使用されるスイッチング電源装置として、好適に利用することができる。
本発明は、上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
本発明は、薄型テレビ等に使用されるスイッチング電源装置に必要な、高出力対応のスイッチング電源装置用トランス、ならびに、該トランスを備えるスイッチング電源装置として好適に利用可能である。
本発明の一実施形態を示すものであり、本発明に係るトランス回路基板において、トランスが回路基板に実装される様子を示す斜視図である。 本発明に係るトランスの構造の一例を示す図であり、該トランスへのコア挿入前における図である。 上記トランスの構造の一例を示す図であって、該トランスへのコア挿入後における図であり、図3(a)は、該トランスの上面を図示した平面図であり、図3(b)は、該トランスの側面を図示した側面図であり、図3(c)は、該トランスの下面を図示した下面図である。 上記トランスに設けられるボビンの構造を示す図であり、図4(a)は、該ボビンの上面を図示する平面図であり、図4(b)は、該ボビンの側面を図示する側面図であり、図4(c)は、該ボビンの下面を図示する下面図である。 上記トランスにおいて使用されるコアの一般的な構造を示す平面図であり、該コアの上面を図示する該平面図である。 従来技術に係るトランス回路基板において、トランスが回路基板に実装される様子を、該トランス回路基板の側面から図示する側面図である。 図1に係るトランス回路基板において、トランスが回路基板に実装される様子を、該トランス回路基板の側面から図示する側面図である。 間隔設定部及び穴部により、ボビンと回路基板との間隔を設定する方法の一例を示す図であり、図8(a)は、該穴部の口径と該間隔設定部の沈み込み位置との関係を示す斜視図であり、図8(b)〜(d)は、該間隔設定部が、該ボビンを支持する位置を示す側面図である。 間隔設定部及び穴部により、ボビンと回路基板との間隔を設定する方法の他の例を示す図であり、図9(a)〜(d)は、該間隔設定部が、該穴部のピッチに基づいて、該ボビンと該回路基板との間隔を設定する方法を示す側面図である。 本発明の他の実施形態を示すものであり、本発明に係る他のトランス回路基板において、トランスが回路基板に実装される様子を示す斜視図である。 図10に係るトランス回路基板において、トランスが回路基板に実装される様子を、該トランス回路基板の側面から図示する側面図である。 本発明に係るトランス回路基板を備えるスイッチング電源装置の構成例を示す図である。 従来技術に係るトランスの構造の一例を示す図であり、該トランスへのコア挿入前における図である。 従来技術に係るトランスの構造の一例を示す図であって、該トランスへのコア挿入後における図であり、図14(a)は、該トランスの上面を図示した平面図であり、図14(b)は、該トランスの側面を図示した側面図であり、図14(c)は、該トランスの下面を図示した下面図である。 従来技術に係るトランス回路基板において、トランスが回路基板に実装される様子を示す斜視図である。
符号の説明
1 ボビン
2 端子
3 巻線
8、108
間隔設定部
21、21a〜21d
電源回路基板(回路基板)
23、23a〜23c
スルーホール(穴部)
50、150
トランス回路基板
100、100a、100b、200、404
トランス
108a、108b
円錐台部(階段状錐台部)
108c
円錐部(錐体部)
400 スイッチング電源装置

Claims (12)

  1. ボビンを備えるトランスが回路基板に搭載されているトランス回路基板であって、
    上記ボビンと上記回路基板とを所定の間隔に設定する間隔設定部を備え、
    上記間隔設定部は、
    上記回路基板及びトランスのうちの一方に形成されていると共に、他方側に伸びる部材であり、
    上記部材の先端部分から、上記回路基板及びトランスのうちの他方に設けられている穴部に挿入可能に形成されており、
    上記回路基板における上記トランスの搭載面と平行である断面が、上記先端部分側より上記部材の根元部分側で大きくなっていることを特徴とするトランス回路基板。
  2. 上記間隔設定部は、上記トランスのボビンに形成されており、
    上記穴部は、上記回路基板に設けられていることを特徴とする請求項1に記載のトランス回路基板。
  3. 上記間隔設定部は、円錐状の部材であることを特徴とする請求項1または2に記載のトランス回路基板。
  4. 上記間隔設定部は、
    錐台状の部材である錐台部と、
    上記錐台部の上端面の一部に形成されている錐体状の部材である錐体部と、を有していることを特徴とする請求項1または2に記載のトランス回路基板。
  5. 上記間隔設定部は、
    複数の錐台が階段状に重なるように形成されている部材である階段状錐台部と、
    上記階段状錐台部における最上段の錐台の上端面の一部に形成されている錐体状の部材である錐体部と、を有していることを特徴とする請求項1または2に記載のトランス回路基板。
  6. 上記間隔設定部は、
    上記根元部分から上記先端部分にかけて段階的に細くなる柱状の部材であることを特徴とする請求項1または2に記載のトランス回路基板。
  7. 上記穴部は、スルーホールであることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のトランス回路基板。
  8. 上記間隔設定部が複数個形成されており、
    上記複数個の間隔設定部に対応する上記穴部が複数個形成されており、
    隣り合う間隔設定部のピッチが、該隣り合う間隔設定部に対応する、隣り合う穴部のピッチと異なっていることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載のトランス回路基板。
  9. ボビンを備えるトランスを回路基板に実装する工程を含むトランス回路基板の製造方法であって、
    上記回路基板及びトランスのうちの一方に、上記ボビンと該回路基板とを所定の間隔に設定する間隔設定部を形成する工程と、
    上記回路基板及びトランスのうちの他方に、穴部を形成する工程と、を含み、
    上記間隔設定部を形成する工程では、該間隔設定部を、
    上記回路基板及びトランスのうちの一方に形成されていると共に、他方側に伸びる部材であって、
    上記部材の先端部分から、上記穴部に挿入可能に形成されており、
    上記回路基板における上記トランスの搭載面と平行である断面が、上記先端部分側より上記部材の根元部分側で大きくなっている部材として形成することを特徴とするトランス回路基板の製造方法。
  10. 上記穴部を形成する工程では、上記ボビンに巻かれる巻線の太さに応じて、該穴部の口径を設定することを特徴とする請求項9に記載のトランス回路基板の製造方法。
  11. 上記間隔設定部を形成する工程では、該間隔設定部を複数個形成し、
    上記穴部を形成する工程では、上記複数個の間隔設定部に対応する上記穴部を複数個形成し、
    上記ボビンに巻かれる巻線の太さに応じて、隣り合う上記穴部のピッチを設定することを特徴とする請求項9または10に記載のトランス回路基板の製造方法。
  12. 請求項1〜8のいずれか1項に記載のトランス回路基板を備えるスイッチング電源装置。
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CN111952060A (zh) * 2020-07-29 2020-11-17 珠海市海威尔电器有限公司 模块电源制作方法

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