JP2009123430A - 発電システム - Google Patents

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Abstract

【課題】部品点数を減らして小型化及びコスト削減を図ることのできる発電システムを提供する。
【解決手段】発電システム300は、燃料3を貯蔵する複数の燃料容器100A,100Bと、複数の燃料容器100A,100Bから供給される燃料3を用いて発電する発電セル220と、複数の燃料容器100A、100B内に圧力を加えることによって発電セル220に燃料3を送液する燃料送液手段(燃料送液管251A,251B、送液ポンプP1)と、複数の燃料容器100A,100Bのうち、燃料送液手段によって圧力を加える所定の燃料容器100A,100Bを選択する加圧選択手段(第一、第二のバルブV1,V2)と、を備える。そして、各燃料容器100A,100B内の圧力に応じて、複数の燃料容器100A,100Bのうち所定の燃料容器(100A又は100B)から発電セル220に燃料3を送液する。
【選択図】図2

Description

本発明は、複数の燃料容器から燃料が送液されることにより発電する発電システムに関する。
近年では、携帯電話機、ノート型パーソナルコンピュータ、デジタルカメラ、腕時計、PDA(Personal Digital Assistance)、電子手帳等といった小型電子機器がめざましい進歩・発展を遂げている。電子機器の電源として、アルカリ乾電池、マンガン乾電池といった一次電池又はニッケル−カドミウム蓄電池、ニッケル−水素蓄電池、リチウムイオン電池といった二次電池が用いられている。今日では、高いエネルギー利用効率を実現できる燃料電池についての研究・開発が盛んに行われている。
燃料電池は、燃料と酸素とを電気化学的に反応させて化学エネルギーを電気エネルギーに変換するものであり、このような燃料電池を備えた燃料電池システムにおいて、燃料カートリッジを搭載しているものがある。燃料カートリッジを搭載した燃料電池システムにおいて、内部の残量に応じて燃料カートリッジを交換できるような構造が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2005−347040号公報
一方、燃料電池では、燃料の化学エネルギーを直接電気エネルギーに変換する電気化学反応を利用しているので、該反応において副生成物として水等が生成される。水は電気化学反応される燃料の量に応じて生成されるので量的に無視できず、全てを水蒸気として外部に排出する場合、水蒸気となる熱量を発生する熱源を要し、また排出する際にシステム自体が濡れやすくなり扱いにくかった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、燃料電池等で生成される副生成物を効率的に回収することのできる発電システムを提供することを目的としている。
上記課題を解決するため、請求項1の発明は、
燃料を貯蔵する燃料容器と、
前記燃料容器から供給される燃料を用いて発電する発電部と、
前記燃料容器内に圧力を加えることによって前記発電部に燃料を送液する燃料送液部と、
前記燃料送液部によって圧力を加える所定の燃料容器を選択する加圧選択部と、を備えることを特徴とする。
請求項2の発明は、請求項1に記載の発電システムにおいて、
前記燃料容器は複数あり、
前記燃料送液部は、
各燃料容器の下流側と前記発電部の上流側とをそれぞれ連結する燃料送液路と、
前記燃料送液路に設けられた送液ポンプと、を備え、
前記送液ポンプの数は、送液が可能な燃料容器の数より少ないことを特徴とする。
請求項3の発明は、請求項2に記載の発電システムにおいて、
前記燃料送液部は、
前記燃料送液路のうち、前記送液ポンプの上流側で、各燃料容器に対してそれぞれ設けられ、前記燃料送液路の前記燃料容器側から前記送液ポンプ側への燃料の流出を許容し、前記送液ポンプ側から前記燃料容器側への燃料の流入を阻止する一方向弁、を備えることを特徴とする。
請求項4の発明は、請求項1〜3のいずれか一項に記載の発電システムにおいて、
前記燃料送液部は、前記発電部による発電によって排出される排出物を前記燃料容器内に導入し、導入した排出物中の気体によってもたらされる圧力損失を利用して、前記燃料容器内に圧力を加えることを特徴とする。
請求項5の発明は、請求項1〜4のいずれか一項に記載の発電システムにおいて、
前記燃料容器は複数あり、
前記複数の燃料容器のうち、燃料の残量の少ない方の燃料容器を選択するよう前記加圧選択部を制御する制御部を備えることを特徴とする。
請求項6の発明は、請求項1〜5のいずれか一項に記載の発電システムにおいて、
前記燃料容器は複数あり、
前記加圧選択部は、前記発電部の下流側と前記燃料容器の上流側とをそれぞれ連結し、前記発電部から排出される排出物を前記燃料容器に導入する排出物導入路と、
前記排出物導入路のうち、各燃料容器に対してそれぞれ設けられた複数のバルブと、を備えることを特徴とする。
請求項7の発明は、請求項1〜6のいずれか一項に記載の発電システムにおいて、
前記燃料容器に、前記発電部から排出される排出物中の気体を燃料容器内に導入してから前記燃料容器の外部に排出する気体排出部が設けられ、
前記気体排出部に、前記排出物中の気体と液体をそれぞれ分離する気液分離膜が設けられていることを特徴とする。
請求項8の発明は、請求項1〜7のいずれか一項に記載の発電システムにおいて、
前記燃料容器に、前記発電部から排出される排出物中の気体を導入してから前記燃料容器の外部に排出するキャピラリが設けられていることを特徴とする。
本発明によれば、燃料電池等で生成される副生成物を効率的に回収することができる。
以下、図面を参照しながら本発明を実施するための最良の形態について説明する。ただし、発明の範囲は図示例に限定されないものとする。
まず、本発明の発電システム300で用いられる燃料容器100の構造について説明する。
図1は、燃料容器100の長手方向に沿って切断した際の側断面図である。
燃料容器100は、後述の発電部200と連結自在であって、燃料3を貯蔵する燃料貯蔵部1と、燃料貯蔵部1から供給される燃料3に基づいて発電する発電セル(発電部)220から排出された水蒸気及び水4等を含む排出物を冷却して液化された状態で回収する回収部2とを備えている。
燃料容器100は、内部に空洞からなる燃料貯蔵部1を有する例えば円筒状をなし、燃料貯蔵部1に燃料3が貯蔵されている。燃料3は、化学燃料単体、あるいは化学燃料と水との混合物であり、化学燃料としては、例えばメタノール、エタノール等のアルコール類やガソリンといった水素原子を組成に含む化合物を使用することができる。なお、燃料容器100は、透明又は半透明で、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、アクリル等の材料から構成されている。
燃料容器100の長手方向一端面(前面)100aには、その端面100aを貫通して、発電部200に燃料3を送液する燃料送液部11が凸状に形成されている。
燃料送液部11には、燃料貯蔵部1内の燃料3を送液するための貫通孔である燃料送液口12が凸状頭頂部に設けられ、燃料送液部11を通って燃料貯蔵部1の内から外に不要に燃料3が排出するのを阻止する逆止弁13が嵌め込まれている。具体的には、逆止弁13は可撓性・弾性を有する材料をダックビル状に形成したダックビル弁であり、逆止弁13はそのダックビル状の先端を燃料貯蔵部1の内側に向けた状態で燃料送液部11に嵌め込まれている。可撓性・弾性を有する材料としては、エチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)やブチルゴム等が挙げられ、一般的にブチルゴムは高分子の弾性材料の中では低いガス透過性を示すため、より小さいサイズの部品を作るためには実用においてブチルゴムを選択することが好ましい。また、逆止弁13は機械的な複雑構造を持たないため、容積を小さくすることができ、低コスト化を図ることができる。なお、逆止弁13には、後述の発電部200側に設けられた燃料送液管251A,251B(図2参照)が挿入される際に燃料貯蔵部1の内と外を連通する挿入孔が予め設けられていても良く、また燃料送液管251A,251Bを挿入することによって初めて挿入孔が形成されるような構造であっても良い。挿入孔が予め設けられている場合、燃料貯蔵部1内に燃料3が充填されていれば、逆止弁13が燃料貯蔵部1の内部は燃料3の内圧によって、挿入孔の周囲では挿入孔を閉じる方向に力が加わるよう設計され、また弾性復元力のために元の形状に戻ろうとするため挿入孔に挿入された燃料送液管251A,251Bの周囲に隙間が作られないので燃料3が挿入孔から不要に燃料貯蔵部1の外に漏洩することがない。
また、燃料送液路となる燃料送液管251A,251B(燃料送液手段)内には、後述するが一方向弁252A,252B(燃料送液手段)(図2参照)が設けられ、これら一方向弁252A,252Bの下流側に送液ポンプP1(燃料送液手段)が接続されている。
そして、発電部200の燃料送液管251A,251Bが挿入されることにより、燃料貯蔵部1から燃料送液部11、燃料送液管(251A又は251B)、一方向弁(252A又は252B)及び送液ポンプP1を介して燃料電池である発電セル220側へと燃料3が排出される。
回収部2は、燃料容器100内に末端仕切材14が燃料3の末端に接するように収容されることによって形成される燃料容器100の左側の空間部分とされている。すなわち、末端仕切材14によって燃料容器100内が燃料3の貯蔵された領域(燃料貯蔵部1)と燃料3の貯蔵されていない領域(回収部2)とに仕切られている。末端仕切材14は、高粘性液体であり、ずれ応力(又は、ずれ速度)が増大する見かけの応力が現象する構造粘性流体(異常粘性流体)の性質を有していると良い。具体的には、ポリブテン、流動パラフィン、スピンドル油、その他の鉱油類、ジメチルシリコン油、メチルフェニルシリコン油、その他のシリコン油類、これらの組み合わせを末端仕切材14として用いることができる。このような末端仕切材14は、燃料3が燃料送液部11側を介して燃料容器100の外部に排出される際、燃料3の排出量に応じて燃料3の末端との間に隙間ができないように燃料送液部11の方向に追従することが可能である。そのため、末端仕切材14と燃料容器100とによって囲まれた空間には、燃料3があるかぎり常に末端仕切材14と燃料容器100とによって囲まれた空間には隙間なく燃料3が充填されているため、燃料送液口12から安定して燃料3を排出することができ、さらに燃料3の揮発を抑えることができる。そして、燃料貯蔵部1内の燃料3が減少するにつれて燃料貯蔵部1内の容積は小さくなるので、相対的に末端仕切材14の後ろに位置する空間の回収部2の容積が大きくなり、その容積分の水4を含む発電セル220及び後述する燃料触媒器213からの副生成物を回収することができるようになっている。回収された水4や気体によって回収部2内の圧力は一時的に上昇し、この圧力が末端仕切材14を介して燃料3にかかり、燃料3が燃料送液口12から排出しやすい状態となる。また、回収部2には予め水4が少量入れられており、回収部2内に回収されるときの状態が水蒸気であっても予め入っている水4によって冷却されて液化し収縮するので回収部2の容積を抑えながら効率的に水回収を促進している。なお、冷却用として、水4以外の液体や、塩化カルシウム等の薬剤を含む固体であっても構わない。
燃料容器100の上面で回収部2に面する位置には、その上面100bを貫通するとともに、燃料容器100内の回収部2に連通し、後述の発電セル220で排出された排出物が導入される排出物導入部15が、燃料容器100の上面100b内に埋設して設けられている。
排出物導入部15には、回収部2内に発電セル220及び燃料触媒器213からの排出物が導入されるための貫通孔である排出物導入口16が設けられ、排出物導入部15を通って一旦、回収部2の内に供給された排出物のうちの液体が排出物導入部15から逆流しないよう燃料容器100の上面100bに設けられている。また、排出物導入部15には、回収部2内に排出物を導入するための排出物導入路となる排出物導入管253A,253B(図2参照)が挿入されている。
燃料容器100の長手方向他端面(後面)100cには、回収部2内に連通する矩形状に開口した気体排出部17が形成されている。そして、この気体排出部17を覆うように気液分離機能を有する疎水性多孔質膜を含む気液分離膜18が貼り付けられている。気体を透過させ且つ液体を透過させない気液分離膜18は、矩形状の薄膜で、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアクリロニトリル、ポリメチルメタクリレート、セルロースアセテートやセルローストリアセテートなどのセルロース系樹脂、ポリエーテルスルホンやポリスルホンなどのポリスルホン系樹脂等からなるものが挙げられる。よって、発電セル220及び燃料触媒器213から排出された気体のうち、回収部2で冷却されても液化されなかった気体成分(二酸化炭素等)は、気液分離膜18を介して回収部2の内側と外側とを気体が通過でき、一方、発電セル220及び燃料触媒器213から排出された水蒸気は回収部2で冷却されて水4として回収部2に留まり、気液分離膜18を通過して外部に排出されないようになっている。同様に、発電セル220及び燃料触媒器213から排出された水4も気液分離膜18を通過しないようになっている。そのため、外部に水4が漏れることがない。
さらに、燃料容器100には、燃料3の残量を検出する残量検出器101A,101B(図2参照)が設けられている。残量検出器101A,101Bとしては、例えば、LEDとLEDの光を検知するフォトセンサの組みを燃料容器100を介して両側面に互いに対向するように備え付け、LEDが出射する光が燃料3を透過してフォトセンサで受光する光量と、末端仕切材14或いは末端仕切材14の後方の気体を透過してフォトセンサで受光する光量との差を検知するによって末端仕切材14の位置、換言すれば燃料の残量を相関的に測定できるように構成したものが挙げられる。
上述の燃料容器100において、燃料貯蔵部1内の燃料3は、燃料送液部11を介して後述の発電セル220に供給され、この燃料3を利用して電気エネルギーが取り出される。また、発電セル220や燃料触媒器213で生じた排出物は、排出物導入部15を介して回収部2に送り込まれる。排出物中の気体内の水蒸気は回収部2内の水4に冷却されて、凝縮されて水4となり、回収部2に回収される。凝縮されなかった気体は、気液分離膜18を通過して外部へ放出され、水4は液体のために気液分離膜18を通過できないので回収部2に貯留される。
次に、上述の燃料容器100と同様の構成をなした第一の燃料容器100A及び第二の燃料容器100Bと、発電セル220を有する発電部200とを備えた発電システム300について説明する。図2は、発電システム300の概略構成を示したブロック図である。なお、以下の説明において、第一の燃料容器100A及び第二の燃料容器100Bを構成する各構成部分は、上述の燃料容器100の各構成部分と対応しているので、第一の燃料容器100Aについて同様の数字に英字Aを付し、第二の燃料容器100Bについても、同様の数字に英字Bを付している。
また、発電システム300は、第一及び第二の燃料容器100A,100Bと、燃料送液管251A、251Bと、一方向弁252A、252Bと、第一のバルブV1及び第二のバルブV2と、発電部200と、制御部230と、DC/DCコンバータ240と、2次電池241と、第一の燃料容器100A内の燃料3及び第二の燃料容器100B内の燃料3を選択的に発電部200の気化器211に送液する送液ポンプP1と、外気から発電システム300中に空気を導入する空気ポンプP2と、を備えている。
発電部200は、第一及び第二の燃料容器100A,100Bから送液された燃料3を用いて水素を生成する反応装置210と、水素の電気化学反応により電気エネルギーを生成する燃料電池である発電セル220と、反応装置210で生成された水素を含む改質ガスを加湿して発電セル220のアノードに供給する第一の加湿器221と、燃料発電セル220のカソードに供給する空気を加湿する第二の加湿器222と、を備えている。
発電セル220の電解質膜は、第一の加湿器221及び第二の加湿器222によって加湿された空気及び改質ガスにより加湿された状態となっている。第一の改質器221及び第二の加湿器222への水の供給の開始時期は、反応装置210による水素の生成を開始する時期と同時であることが好ましい。このとき反応器210で生成される水素は第一の加湿器221を通過することによって加湿され、その後発電セルのアノードを通過し、触媒燃焼器213に到達する。ここで反応器210に投入される燃料の流量は反応器210にて生成される水素量が触媒燃焼器213で完全に燃焼反応を行える程度の流量に設定されている。制御部230は触媒燃焼器213での水素の燃焼反応が安定した後に、発電セル220による発電を開始する。このような過程を経ることによって、発電セル220が発電を行う直前までに電解質膜を良好に加湿することができる。
また発電セル220が発電する際に生じる水が電解質膜全体に浸透し続けるのであれば、発電を開始する直前のみであってもよい。
反応装置210は、第一の燃料容器100A又は第二の燃料容器100Bから送液された燃料3を気化させて燃料ガス(気化された燃料と水蒸気の混合気)を生成する気化器211と、化学反応式(1)に示すように気化器211から供給された燃料ガスを改質して改質ガスを生成する改質器212と、化学反応式(1)についで逐次的に起こる化学反応式(2)によって微量に副成される一酸化炭素を、化学反応式(3)に示すように酸化させて除去する一酸化炭素除去器214と、化学反応式(1)、(3)の反応及び気化器211での気化を良好に行うために必要な温度に設定する燃料触媒器213と、を備えている。また、気化器211、触媒燃焼器213及び一酸化炭素除去器214を加熱する電気ヒータとして機能するとともにこれらの温度を測定する温度計としても機能するヒータ兼温度計(図示しない)とを備えている。
CHOH+HO→3H+CO・・・(1)
+CO→HO+CO・・・(2)
2CO+O→2CO・・・(3)
第一の加湿器221は、一酸化炭素除去器214から生成された改質ガスを加湿して、発電セル220のアノードに供給する。
第二の加湿器222は、空気ポンプP2から供給された空気を加湿して、発電セル220のカソードに供給する。
発電セル220は、触媒微粒子を担持したアノードと、触媒微粒子を担持したカソードと、アノードとカソードとの間に介在されたフィルム状の固体高分子電解室膜とを備えている。発電セル220のアノードには、一酸化炭素除去器214から供給された水素が供給され、発電セル220のカソードには、後述の空気ポンプP2によって外部から空気が供給される。アノードにおいては、混合気中の水素が、電気化学反応式(4)に示すように、アノードの触媒微粒子の作用を受けて水素イオンと電子とに分離する。水素イオンは固体高分子電解質膜を通じてカソードに伝導し、電子はアノードにより電気エネルギー(発電電力)として取り出される。カソードにおいては、電気化学反応式(5)に示すように、カソードに移動した電子と、空気中の酸素と、固体高分子電解質膜を通過した水素イオンとが反応して水が生成される。そして、アノードで未反応の水素を含むオフガスは触媒燃焼器213に送られ、触媒燃焼器213でさらに余剰の排出物は、第一又は第二の燃料容器100A,100Bに送られる。また、カソードで生成された水や未反応の空気も排出物として、第一又は第二の燃料容器100A,100Bに送られる。
→2H+2e・・・(4)
2H+1/2O+2e→HO・・・(5)
送液ポンプP1と第一の燃料容器100Aとの間を接続し燃料送液路となる燃料送液管251A内に、上記逆支弁13と逆向きとなるように一方向弁252Aが設けられており、一方向弁252Aはその開閉動作で第一の燃料容器100Aから送液ポンプP1への燃料3の流通を遮断又は許容するようになっている。また、送液ポンプP1と第二の燃料容器100Bとの間を接続し燃料送液路となる燃料送液管251B内にも、上記逆支弁13と逆向きとなるように一方向弁252Bが設けられており、一方向弁252Bはその開閉動作で第二の燃料容器100Bから送液ポンプP1への燃料3の流通を遮断又は許容するようになっている。二つの燃料送液管251A,251Bは、一方向弁252A,252Bの下流側で合流した後、送液ポンプP1に接続されている。
送液ポンプP1は、送液ポンプP1の上流側を減圧して下流側を加圧する動作を行い、二つの燃料容器100A,100Bのうち、各燃料容器100A,100Bと送液ポンプP1との間の圧力差が大きい方の燃料容器(100A又は100B)から燃料3の送液を行う。例えば、第一の燃料容器100Aと送液ポンプP1との間の圧力差が、第二の燃料容器100Bと送液ポンプP1との間の圧力差よりも大きい場合に、一方向弁252Aの挿入孔を開放する方向に力が加わって送液され、一方向弁252Bは、その挿入孔を閉じる方向に力が加わって送液されない。反対に、第二の燃料容器100Bと送液ポンプP1との間の圧力差が、第一の燃料容器100Aと送液ポンプP1との間の圧力差よりも大きい場合に、一方向弁252Bの挿入孔を開放する方向に力が加わって送液され、一方向弁252Aは、その挿入孔を閉じる方向に力が加わって送液されない。このように一方向弁252A及び一方向弁252Bが圧力差にしたがって複数の燃料容器100A,100Bの一方から選択的に燃料が送出されるよう制御されているので複数の燃料容器100A,100Bに対して送液ポンプP1は1つにすることができる。つまり燃料容器の数と同じだけの送液ポンプを持たなくてよい。また一方向弁252A及び一方向弁252Bを電気的に制御しなくてもよいので信号配線の引き回し等の制約がなくなる。
また、一方向弁252A,252Bは、上述した圧力差で自動的に動作するもの以外にも、燃料容器100A,100Bそれぞれの燃料の残量に応じて制御部230が電気的に動作制御するようにしてもよい。このとき、制御部230は、後述する第一のバルブV1及び第二のバルブV2の動作に合わせて一方向弁252A,252Bを動作させる。具体的には、制御部230は、一方向弁252Aを開き、一方向弁252Bを閉じさせている場合、第一のバルブV1を開放して第二のバルブV2を閉鎖させ、一方向弁252Bを開き、一方向弁252Aを閉じさせている場合、第二のバルブV2を開放して第一のバルブV1を閉鎖させる。
すなわち、一方向弁252A,252Bが圧力差に応じて機械的に動作する場合でも、電気的に動作する場合であっても、燃料容器100A,100Bのうちの一方から燃料を供給している間は、燃料を供給している方の回収部に発電セル220及び燃料触媒器213からの排出物を一方的に排出する。
また、送液ポンプP1と気化器201との間には流量計Fが接続されている。流量計Fは、送液ポンプP1を通過した燃料3の流量を測定し、その測定結果となる電気信号を制御部230に出力する。
空気ポンプP2は、一酸化炭素除去器214、発電セル220に接続される第二の加湿器222、触媒燃焼器213に図示しないバルブを介して接続され、バルブは、その開閉動作で空気ポンプP2から一酸化炭素除去器214、第二の加湿器222や触媒燃焼器213にそれぞれ空気の流通を遮断又は流量調整を行うようになっている。
触媒燃焼器213及び発電セル220のカソードと第一の燃料容器100Aとの間には、第一のバルブV1を介して排出物導入路となる排出物導入管253Aが接続されており、第一のバルブV1の開閉動作で触媒燃焼器213及び発電セル220のカソードから第一の燃料容器100Aの回収部2への排出物を遮断又は許容するようになっている。
触媒燃焼器213及び発電セル220のカソードと第二の燃料容器100Bとの間には、第二のバルブV2を介して排出物導入路となる排出物導入管253Bが接続されており、第二のバルブV2の開閉動作で触媒燃焼器213及び発電セル220のカソードから第二の燃料容器100Bの回収部2への排出物を遮断又は許容するようになっている。
制御部230には、送液ポンプP1及び空気ポンプP2がドライバを介して電気的に接続されている。制御部230は、例えば汎用のCPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等から構成されているもので、送液ポンプP1及び空気ポンプP2に制御信号を送信し、送液ポンプP1及び空気ポンプP2の各ポンピング動作(送出量の調整を含む。)を制御するようになっている。
また、制御部230には、第一のバルブV1及び第二のバルブV2がドライバを介して電気的に接続され、また、流量計Fも電気的に接続されている。制御部230は、流量計Fの測定結果を受けて燃料3の流量を認識することができる。
また、制御部230には、第一の燃料容器100Aに設けられた第一の残量検出器101A及び第二の燃料容器100Bに設けられた第二の燃料残量検出器101Bが電気的に接続されている。制御部230は、第一及び第二の燃料容器100A,100Bの装着の有無を判断して、第一の残量検出器101Aで測定された残量や第二の残量検出器101Bで測定された残量を検出して、各残量が燃料を供給可能な所定量未満であれば、発電システム300を起動しない又は動作を停止し、残量が燃料を供給可能な所定量以上であれば、発電システム300を起動する又は動作を維持するよう制御している。
また、発電システム300が起動すると、制御部230は、第一及び第二の残量検出器101A,101Bともに燃料の残量が燃料を供給可能な所定量以上と測定された場合、残量の少ない方の燃料容器(例えば、第一の燃料容器100A)に接続されたバルブ(例えば、第一のバルブV1)を開放し、他方のバルブ(例えば、第二のバルブV2)を閉鎖して、発電セル220等から排出された排出物を開放したバルブ(例えば、第一のバルブV1)を介して燃料容器(例えば、第一の燃料容器100A)内に排出物を回収するように第一及び第二のバルブV1,V2を制御している。具体的には、第一及び第二の残量検出器101A,101Bの残量がともに燃料を供給可能な所定量以上の場合、残量の少ない方に対応するバルブを開いて対応する回収部に発電セル220及び燃料触媒器213からの排出物を排出し、多い方に対応するバルブを閉じる。また、第一及び第二の残量検出器101A,101Bのうち一方のみの残量が燃料を供給可能な所定量以上の場合、当該一方に対応するバルブを開いて対応する回収部に発電セル220及び燃料触媒器213からの排出物を排出し、他方に対応するバルブを閉じる。
さらに、制御部230には、気化器211、触媒燃焼器213及び一酸化炭素除去器214を加熱する電気ヒータがドライバを介して電気的に接続されている。制御部230は、電気ヒータの発熱量とその停止とを制御するとともに、温度によって変化する電気ヒータの抵抗値を計測することによって気化器211、触媒燃焼器213及び一酸化炭素除去器214の各反応器の温度を検出することができるようになっている。電気ヒータは、反応装置210の起動時に気化器211、触媒燃焼器213及び一酸化炭素除去器214を加熱し、触媒燃焼器213が安定して加熱できるようになったら、停止あるいは熱量を低減させてもよい。
発電セル220には、DC/DCコンバータ240が接続されており、DC/DCコンバータ240には外部電源、つまり発電システム300から電力の供給を受けて作動可能な外部電子機器(負荷)242が接続されている。DC/DCコンバータ240は発電セル220から出力された電圧を外部電子機器242の規格に応じて所定の電圧に変換して外部電子機器242に出力する装置であり、制御部230に接続され、制御部230は発電セル220からDC/DCコンバータ240に入力される入力電力を検出することができるようになっている。
さらに、DC/DCコンバータ240には2次電池241が接続されている。そして、例えば発電セル220で得た余剰の電気エネルギーを蓄え、発電セル220での電気エネルギーの生成が停止している場合に発電セル220の代替として外部電子機器242に電力を供給できるようになっている。制御部230や、各ドライバ、各センサ、反応装置210の電気ヒータは、起動時において、DC/DCコンバータ240を介して2次電池241の出力の一部によって電気的に駆動され、発電セル220の出力が定常状態になったら、DC/DCコンバータ240を介して発電セル220の出力の一部によって電気的に駆動される。
上記構成を具備する発電システム300は、例えば、デスクトップ型パーソナルコンピュータ、ノート型パーソナルコンピュータ、携帯電話機、PDA(Personal Digital Assistant)、電子手帳、腕時計、デジタルスチルカメラ、デジタルビデオカメラ、ゲーム機器、遊技機、家庭用電気機器その他の電子機器(外部電子機器)内に備え付けられるものであり、外部電子機器242を作動させるための電源として用いられる。
次に、発電システム300の動作について説明する。
外部電子機器242から通信用端子、通信用電極を介して制御部230に作動信号が入力されることによって発電システム300が作動する。これにより制御部230が、空気ポンプP2を作動させ、さらにドライバを介して電気ヒータを発熱させる。そして、発電システム300の作動中、制御部230は、各電気ヒータからフィードバックされた温度のデータに基づき、各電気ヒータが所定温度になるように温度制御を行う。
また、制御部230は、以下のようにして第一又は第二のバルブV1,V2の開閉動作を行う。図3は、第一又は第二のバルブV1,V2の開閉動作処理を示すフローチャートである。
まず、制御部230は第一の燃料容器100A及び第二の燃料容器100Bの装着有無の確認を行う(ステップS1)。少なくとも一方の燃料容器(100A又は100B)が装着されているか否かを判断し(ステップS2)、少なくとも一方の燃料容器(100A又は100B)が装着されていない場合には、「燃料容器無し」のエラー通知を行う(ステップS3)。少なくとも一方の燃料容器(100A又は100B)が装着されている場合には、装着されている燃料容器の残量検出器101A,101Bによって燃料3の残量検出を行う(ステップS4)。このとき、第一の燃料容器100A及び第二の燃料容器100Bのうち装着されていない方は、残量が燃料を供給可能な量(所定量)未満とみなす。
そして、第一及び第二の燃料容器100A,100Bの両方の残量が所定量未満であるか否かを判断する(ステップS5)。第一及び第二の燃料容器100A,100Bの両方の残量が所定量未満の場合には、「燃料容器の交換」のエラー通知を行う(ステップS6)。少なくとも一方の燃料容器(100A又は100B)の残量が所定量未満でない場合には、第一の燃料容器100Aの残量が所定量未満か否かの判断を行う(ステップS7)。第一の燃料容器100Aの残量が所定量未満(第一の燃料容器100Aが装着されない場合を含む)である場合には、「第一の燃料容器」のエラー通知を行い(ステップS8)、第一のバルブV1を閉鎖し、第二のバルブV2を開放する(ステップS9)。
ステップS7において、第一の燃料容器100Aの残量が所定量未満でない場合には、第二の燃料容器100Bの残量が所定量未満か否かの判断を行う(ステップS10)。第二の燃料容器100Bの残量が所定量未満でない場合には、第一の燃料容器100Aの残量が第二の燃料容器100Bの残量以下であるか否かを判断する(ステップS11)。ステップS11で第一の燃料容器100Aの残量の方が第二の燃料容器100Bの残量よりも多い場合には、第一のバルブV1を閉鎖し、第二のバルブV2を開放する(ステップS9)。
ステップS11で第一の燃料容器100Aの残量が第二の燃料容器100Bの残量以下である場合には、第一のバルブV1を開放し、第二のバルブV2を閉鎖する(ステップS12)。
ステップS10において、第二の燃料容器100Bの残量が所定量未満である場合には、「第二の燃料容器」のエラー通知を行った後(ステップS13)、第一のバルブV1を開放し、第二のバルブV2を閉鎖する(ステップS12)。
以上のように、制御部230は図3のフローを周期的に実行しており、第一及び第二の燃料容器100A,100Bの装着の有無を監視し、各燃料容器100A,100Bの残量に基づいて、第一のバルブV1及び第二のバルブV2の開閉動作を行い、一方の燃料容器(100A又は100B)からの燃料3の供給及び排出物の回収を行い、他方の燃料容器(100B又は100A)からの燃料3の供給が停止或いは起動せず且つ排出物の回収が停止或いは起動しないよう排他的に動作される。そして、一方の燃料容器(例えば、第一の燃料容器100A)の燃料3が供給できる程度の残量未満になるまで上記フローを繰り返したら、一方の燃料容器からの燃料3の供給を停止し、他方の燃料容器(例えば、第二の燃料容器100B)から燃料3の供給を行うように切り替えて、同様にこの他方の燃料容器(例えば、第二の燃料容器100B)の燃料3がなくなるまで上記フローを繰り返し、両方の燃料容器100A,100Bの燃料3が供給できる程度の残量未満になったら燃料容器交換のエラー通知がなされて、発電システム300の作動が停止する。そして、新たな燃料容器に交換されると、発電システム300が作動して上記フローが実行され、連続動作が可能となっている。
続いて、第一又は第二のバルブV1,V2による開閉動作が行われた後の動作について説明する。
なお、以下の説明では、説明の都合上、第一の燃料容器100A及び第二の燃料容器100Bがともに発電システム300に装着され、第一の燃料容器100Aの残量が第二の燃料容器100Bの残量以下で且つ供給できる程度の量であることを残量検出器101A,101Bが検出し、この検出結果に従って制御部230が第一のバルブV1を開放し、第二のバルブV2を閉鎖する場合を例に挙げて説明する。
上述のフローによって第一のバルブV1が開放され、第二のバルブV2が閉鎖されると、空気ポンプP2からの空気が発電セル220や触媒燃焼器213を介して第一のバルブV1に送出され、この空気は第一のバルブV1から第一の燃料容器100Aの回収部2に供給される。このとき、第一の燃料容器100A内のある一定の透過係数を持っているため、すぐには透過せずに回収部2内の圧力を上昇させる。回収部2内の圧力上昇にしたがって第一の燃料容器100Aの燃料貯蔵部1から燃料3が押し出され、燃料送液口12から送出されて、一方向弁252Aの上流と下流との間の圧力差が増大し、燃料3が一方向弁252Aを送液ポンプP1に向けて送出する。送液ポンプ3は一方向弁252Aからの燃料3を、流量計Fを介して反応装置210の気化器211に送る。このため、送液ポンプP1の上流、つまり一方向弁252Aの下流は圧力が低くなろうとしているため、第一のバルブV1が開放され続ける限り一方向弁252Aの上流と下流の圧力差が生じた状態が続く。さらに、空気ポンプP2が作動によって、外気の空気が触媒燃焼器213と、一酸化炭素除去器214と、発電セル220のカソード側に設けられた第二の加湿器222とに送られる。ここで、制御部230は、流量計Fからフィードバックされた流量のデータに基づき、所定の流量となるように送液ポンプP1を制御する。
気化器211では、供給された燃料3及び水が加熱されて気化(蒸発)し、メタノール及び水(水蒸気)の混合気となって改質器212に供給される。
改質器212では、気化器211から供給された混合気中のメタノールと水蒸気が触媒により反応して二酸化炭素及び水素が生成される(上記化学反応式(1)参照))。また、改質器212では、化学反応式(1)についで逐次的に一酸化炭素が生成される(上記化学反応式(2)参照)。そして、改質器212で生成された一酸化炭素、二酸化炭素及び水素等からなる混合気が一酸化炭素除去器214に供給される。
一酸化炭素除去器214では、改質器212から供給された混合気中の一酸化炭素とが選択的に、空気ポンプP2から供給された空気に含まれる酸素と反応して二酸化炭素が生成される(上記化学反応式(3)参照)。
このように、反応装置210の気化器211、改質器212及び一酸化炭素除去器214を経た燃料3から二酸化炭素と水素が生成される。反応装置210で生成された改質ガス(二酸化炭素及び水素等)は、第一の加湿器221に供給される。第一の加湿器221は、供給された改質ガスを加湿した後、発電セル220のアノードに供給する。
発電セル220のアノードに供給された改質ガスは、改質ガス中の水素が上記化学反応式(4)に示すように水素イオンと電子とに分離する。
一方、空気ポンプP2を介して第二の加湿器222に空気が供給される。第二の加湿器222では、空気を通過させることで加湿した後、発電セル220のカソードに供給する。
発電セル220のカソードに供給された空気は、空気中の酸素が上記化学反応式(5)に示すように水素イオンと電子と反応し、副生成物として水が生成される。
ここで、アノード側では未反応の水素はオフガスとして触媒燃焼器213に送られて燃焼されて、反応装置210を適宜加熱するエネルギーとして利用される。触媒燃焼器213で燃焼されて得られる排気ガスは、残量の少ない方の第一の燃料容器100A側に設けられた第一のバルブV1を介して、第一の燃料容器100A内に選択的に送られる。その後、冷却されて、水4は第一の燃料容器100A内で回収され、気体は疎水性膜を含む気液分離膜18から放出される。
カソード側では、供給された空気が排出物である水や水蒸気とともに排出され、残量の少ない方の第一の燃料容器100A側に設けられた第一のバルブV1を介して、第一の燃料容器100A内に選択的に送られる。その後、冷却されて気体の一部(水蒸気)が液化された後、液状の水は第一の燃料容器100A内で回収され、二酸化炭素を含む液化されずに残った気体は気液分離膜18を介して放出される。
発電セル220によって生成された電気エネルギーは、2次電池241に充電される。さらには、生成された電気エネルギーは、DC/DCコンバータ240に供給され、DC/DCコンバータ240によって直流電流の所定電圧に変換され、外部電子機器242に供給される。外部電子機器242は、供給された電気エネルギーにより動作する。
なお、第一の燃料容器100Aの残量が第二の燃料容器100Bの残量よりも多く、第一のバルブV1が閉鎖され、第二のバルブV2が開放される場合についても、第二の燃料容器100Bから燃料3が供給されて、第二の燃料容器100Bに選択的に排出物が排出される点が異なるのみで、その他は上述した動作と同じであるのでその説明を省略する。
また上記実施形態では、複数の燃料容器を2つとしたが、1つの送液ポンプP1で動作できればこれに限らず3つ以上であってもよい。
以上のように、発電システム300によれば、第一のバルブV1又は第二のバルブV2の一方(例えば、第一のバルブV1)を開放して他方(例えば、第二のバルブV2)を閉鎖し、開放したバルブV1を介して燃料容器(例えば、第一の燃料容器100A)の回収部2に排出物を回収し、回収された排出物中の気体によって燃料容器100A内に圧力を上昇させることにより、各燃料容器100A,100B内の圧力に応じて、一方の燃料容器100Aから燃料3を発電部200へと送液するように選択することができる。そのため、各燃料容器100A,100Bの数だけの送液ポンプを設けることなく、また、送液ポンプの送液能力のみによって燃料を送液する必要がないので送液ポンプを小型にすることができる。その結果、小型化及びコスト削減を図ることができる。
第一のバルブV1及び第二のバルブV2は、燃料3の残量の少ない方の燃料容器(例えば、第一の燃料容器100A)を選択するように開閉動作が制御されるので、燃料容器100A内に排出物を確実に回収でき、回収された排出物により圧力を発生させることができる。また、各バルブV1,V2の制御も容易である。
燃料送液路となる燃料送液管251A,251Bと、一つの送液ポンプP1と、二つの一方向弁252A,252Bと、を備えるので、送液ポンプP1を燃料容器100A,100B毎に設ける必要がなく、小型化及び部品コストの削減を図ることができる。
排出物導入路となる排出物導入管253A,253Bと、各燃料容器100A,100Bに対してそれぞれ設けられた複数のバルブV1,V2とを備えるので、各バルブV1,V2の開閉動作を行うことによって、排出物を燃料容器100A,100B内に容易に導入させることができる。
燃料容器100の気体排出部17に気液分離膜18が設けられているので、容易に圧力損失を持たせることができ、新たに加圧装置を必要としないため、小型化を図ることができる。
図4は、燃料容器400の変形例を示したもので、燃料容器400を長手方向に沿って切断した際の側断面図である。この燃料容器400は、長手方向他端面400bに、微細な孔420を有するキャピラリ419が貫通し、回収部402に連通するように設けられ、キャピラリ419の回収部402に露出する端部に気液分離膜418が設けられている点で、上述した図1の燃料容器100と異なる。キャピラリ419は、気液分離膜418より排出する気体がキャピラリ419内を移動して外部に排出する際に圧力損失を生じさせて、回収部402内の圧力をより高く維持するものである。その他、長手方向一端面400aには燃料送液部411、燃料送液口412が形成され、さらに、逆支弁413が嵌め込まれている。また、末端仕切材414、排出物導入部415、排出物導入口416等は、上述した図1に示す燃料容器100と同様である。
このようにキャピラリ419を配置することによって、気液分離膜418のみを設ける場合に比して、より圧力損失を持たせることができ送液効率に優れる。
燃料容器100の長手方向に沿って切断した際の側断面図である。 発電システム300の概略構成を示したブロック図である。 第一又は第二のバルブV1,V2の開閉動作処理を示すフローチャートである。 燃料容器400の変形例を示したもので、燃料容器400を長手方向に沿って切断した際の側断面図である。
符号の説明
3 燃料
4 水
17 気体排出部
18 気液分離膜
100 燃料容器
100A 第一の燃料容器
100B 第二の燃料容器
200 発電部
220 発電セル
230 制御部
251A,251B 燃料送液管(燃料送液路、燃料送液手段)
252A,252B 一方向弁(燃料送液手段)
253A,253B 排出物導入管(排出物導入路)
300 発電システム
419 キャピラリ
P1 送液ポンプ(燃料送液手段)
V1 第一のバルブ(加圧選択手段)
V2 第二のバルブ(加圧選択手段)

Claims (8)

  1. 燃料を貯蔵する燃料容器と、
    前記燃料容器から供給される燃料を用いて発電する発電部と、
    前記燃料容器内に圧力を加えることによって前記発電部に燃料を送液する燃料送液部と、
    前記燃料送液部によって圧力を加える所定の燃料容器を選択する加圧選択部と、を備えることを特徴とする発電システム。
  2. 前記燃料容器は複数あり、
    前記燃料送液部は、
    各燃料容器の下流側と前記発電部の上流側とをそれぞれ連結する燃料送液路と、
    前記燃料送液路に設けられた送液ポンプと、を備え、
    前記送液ポンプの数は、送液が可能な燃料容器の数より少ないことを特徴とする請求項1に記載の発電システム。
  3. 前記燃料送液部は、
    前記燃料送液路のうち、前記送液ポンプの上流側で、各燃料容器に対してそれぞれ設けられ、前記燃料送液路の前記燃料容器側から前記送液ポンプ側への燃料の流出を許容し、前記送液ポンプ側から前記燃料容器側への燃料の流入を阻止する一方向弁、を備えることを特徴とする請求項2に記載の発電システム。
  4. 前記燃料送液部は、前記発電部による発電によって排出される排出物を前記燃料容器内に導入し、導入した排出物中の気体によってもたらされる圧力損失を利用して、前記燃料容器内に圧力を加えることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の発電システム。
  5. 前記燃料容器は複数あり、
    前記複数の燃料容器のうち、燃料の残量の少ない方の燃料容器を選択するよう前記加圧選択部を制御する制御部を備えることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の発電システム。
  6. 前記燃料容器は複数あり、
    前記加圧選択部は、前記発電部の下流側と前記燃料容器の上流側とをそれぞれ連結し、前記発電部から排出される排出物を前記燃料容器に導入する排出物導入路と、
    前記排出物導入路のうち、各燃料容器に対してそれぞれ設けられた複数のバルブと、を備えることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の発電システム。
  7. 前記燃料容器に、前記発電部から排出される排出物中の気体を燃料容器内に導入してから前記燃料容器の外部に排出する気体排出部が設けられ、
    前記気体排出部に、前記排出物中の気体と液体をそれぞれ分離する気液分離膜が設けられていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の発電システム。
  8. 前記燃料容器に、前記発電部から排出される排出物中の気体を導入してから前記燃料容器の外部に排出するキャピラリが設けられていることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の発電システム。
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