JP2009121524A - シール付きボーデンケーブル - Google Patents

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Masahiro Kosugi
昌弘 小杉
Yu Kawai
優 川井
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    • F16CSHAFTS; FLEXIBLE SHAFTS; ELEMENTS OR CRANKSHAFT MECHANISMS; ROTARY BODIES OTHER THAN GEARING ELEMENTS; BEARINGS
    • F16C1/00Flexible shafts; Mechanical means for transmitting movement in a flexible sheathing
    • F16C1/10Means for transmitting linear movement in a flexible sheathing, e.g. "Bowden-mechanisms"
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Abstract

【課題】シール部材のシール圧力を所望のものに自由に設定することができ,しかも耐久性を有するシール付きボーデンケーブルを提供する。
【解決手段】剛性案内管11b及びインナケーブル12間をシールするシール手段20を備える,シール付きボーデンケーブルにおいて,シール手段20を,インナケーブル12に貫通される端壁21aを有して剛性案内管11bの端部外周に螺着固定され,端壁21aと剛性案内管11bの先端面との間にインナケーブル12が臨む円筒状のシール室23を画成する金属製のシールホルダ21と,シール室23に装着されて,インナケーブル12の外周面,シールホルダ21の内周面,剛性案内管11bの先端面及び端壁21aに密接するシール部材24とで構成した。
【選択図】 図2

Description

本発明は,車両のエンジンや,クラッチ,ブレーキ等の操作系に適用されるボーデンケーブルに関し,特に,可撓性案内管及びその端部に接続される剛性案内管よりなるアウタケーブルと,このアウタケーブル内に摺動自在に挿通されるインナケーブルと,剛性案内管及びインナケーブル間をシールするシール手段とよりなる,シール付きボーデンケーブルの改良に関する。
かゝるシール付きボーデンケーブルは,下記特許文献1に開示されるように既に知られている。
特開昭62−175282号明細書
特許文献1に開示されているシール付きボーデンケーブルでは,剛性案内管の先端部にゴム製で円筒状の防水カバーを嵌合装着し,このカバー部材の先端に形成された保持部に,インナケーブルの外周面に摺接するシール部材を弾性的に保持させてシール手段を構成されている。こうして従来のものゝシール手段におけるシール部は,シール部材とインナケーブル,シール部材とカバー部材,カバー部材と剛性案内管の三箇所にあるが,これらシール部のシール圧力は,カバー部材及びシール部材の弾性力のみに頼っているため,これらシール部のシール圧力を所望のものに自由に設定することができず,満足したシール性能が得られないことがある。またカバー部材はゴム製であるため,飛石や他物との接触により損傷する虞があり,その損傷によれば,シール手段のシール性能が極端に低下することになる。
本発明は,かゝる事情に鑑みてなされたもので,シール部材のシール圧力を所望のものに自由に設定することができ,しかも飛石や他物との接触によるも損傷を来さない耐久性を有するシール付きボーデンケーブルを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために,本発明は,可撓性案内管及びその端部に接続される剛性案内管よりなるアウタケーブルと,このアウタケーブル内に摺動自在に挿通されるインナケーブルと,剛性案内管及びインナケーブル間をシールするシール手段とよりなる,シール付きボーデンケーブルにおいて,前記シール手段を,インナケーブルに貫通される端壁を有して剛性案内管の端部外周に螺着され,前記端壁と剛性案内管の先端面との間にインナケーブルが臨む円筒状のシール室を画成する金属製のシールホルダと,前記シール室に装着されて,インナケーブルの外周面,前記シールホルダの内周面,剛性案内管の先端面及び前記端壁に密接するシール部材とで構成したことを第1の特徴とする。
また本発明は,第1の特徴に加えて,前記シール部材を,互いに軸方向に重ねられた複数のOリングで構成すると共に,これらOリングにグリースを塗布したことを第2の特徴とする。
さらに本発明は,第1又は第2の特徴に加えて,インナケーブルの,少なくとも前記シール部材に対して摺接する領域の外周面に合成樹脂製被膜を形成したことを第3の特徴とする。
本発明の第1の特徴によれば,シールホルダ内のシール室に収容されたシール部材は,インナケーブルの外周面,シールホルダの内周面,剛性案内管の先端面及びシールホルダの端壁に所定のシール圧力をもって密接して,シールホルダの周囲に雨水や洗浄水が降りかかっても,上記シール部材によりシールホルダ及び剛性案内管内への水の浸入を確実に防ぐことができる。しかも,上記各部のシール圧力は,シールホルダの剛性案内管への螺合深さを加減することで調節可能であるから,ボーデンケーブルの用途に応じてそのシール圧力を自由に設定することができ,汎用性を高めることができる。
またシールホルダは金属製であるから,飛石や他物との接触によるも損傷することなく,シール部材を長期に亙り確実に保護することができ,したがってシール手段の耐久性を効果的に高めることができる。
本発明の第2の特徴によれば,シール部材としてのOリングにはグリースが塗布されているから,そのグリースは,Oリングとインナケーブルとの間の摩擦抵抗を小さくして,インナケーブルの作動をスムーズにさせるのみならず,Oリング周りの微細な隙間を埋めて,Oリングのシール性を高めることができる。そして,Oリングが比較的安価であることから,シール手段を安価に得ることができる。
さらに,Oリングが複数軸方向に並んでインナケーブルの外周面に密接することで,インナケーブル及びOリング間にラビリンス効果が生じ,シール手段のシール性を一層高めることができる。
本発明の第3の特徴によれば,インナケーブルの外周面に形成された合成樹脂製の被膜は,縒り線よりなるインナケーブル外周面の螺旋状凹凸を平滑化し,Oリングにグリースが塗布されていることゝ相俟って,インナケーブルとOリングとの間の摩擦抵抗を効果的に減少させると共に,Oリングのシール性の向上に寄与することができる。
本発明の実施の形態を,添付図面に示す本発明の好適な実施例に基づいて以下に説明する。
図1は本発明に係るシール付きボーデンケーブルの使用状態を示す側面図,図2は上記のシール付きボーデンケーブルの要部縦断拡大図である。
先ず,図1を参照して,本発明のシール付きボーデンケーブル10を自動二輪車のエンジンのスロットルバルブ6の操作系に適用した例について説明する。
ボーデンケーブル10は,アウタケーブル11と,その内部に摺動自在に挿通されるインナケーブル12とからなっている。インナケーブル12の両端には接続端子13が固設され,その一方の接続端子13は,図しない自動二輪車のスロットルグリップに接続され,他方の接続端子13は,エンジンのスロットルボディ1に軸支されるスロットルドラム2の接続孔3に係合され,それに続くインナケーブル12は,スロットルドラム2の外周溝に沿わされる。スロットルドラム2の中心部に固着される弁軸4には,スロットルボディ1の吸気道5を開閉するスロットルバルブ6が取り付けられる。
而して,前記スロットルグリップの回動操作によりインナケーブル12を牽引すれば,スロットルドラム2をスロットルバルブ6の開き方向に回転することができ,上記牽引を解除すれば,スロットルドラム2の図示しない戻しばねの作用によりスロットルドラム2をスロットルバルブ6の閉じ方向に回転することができる。
図2に明示するように,前記アウタケーブル11は,可撓性案内管11aと,それの端部に連結される金属製の剛性案内管11bとで構成されており,特に,スロットルボディ1側の剛性案内管11bは,インナケーブル12の屈曲経路に沿って屈曲している。またこの剛性案内管11bの一端部には,その中空部の内径より大径の連結孔14が形成されており,これに可撓性案内管11aの端部金具15が嵌合され,その嵌合部をシールするゴム等の弾性材製の防水ブーツ16が可撓性案内管11a及び剛性案内管11bに亙り装着される。さらに剛性案内管11bの中間部にはステー17が溶接,カシメ等により固着され,このステー17をスロットルボディ1の適所に固定することにより剛性案内管11bは支持される。
この剛性案内管11bの先端部と,それから外部に引き出されるインナケーブル12との間にシール手段20は設けられる。以下,このシール手段20について,図2中の拡大図を参照しながら詳細に説明する。
剛性案内管11bの先端部には金属製で円筒状のシールホルダ21が螺着される。このシールホルダ21は,インナケーブル12が貫通する透孔22を持った端壁21aを一体に有しており,シールホルダ21は,この端壁21aと剛性案内管11bの先端面との間にインナケーブル12が臨む円筒状のシール室23を画成する。このシール室23には,インナケーブル12を囲繞する複数個,図示例では2個のOリング24が軸方向に重ねて収容されると共に,これらOリング24にはグリース25が塗布される。これらOリング24は,それ自体の弾性力でインナケーブル12の外周面及びシールホルダ21の内周面に密接するように形成されており,またシールホルダ21の剛性案内管11bへの螺合を進めることにより,剛性案内管11bの先端面とシールホルダ21の端壁21aとの間で挟圧される。したがって,シールホルダ21の剛性案内管11bへの螺合深さを調節することにより,Oリング24と剛性案内管11b先端面,Oリング24と端壁21aの各間のシール圧力を調節することができるのみならず,Oリング24とインナケーブル12外周面,Oリング24とシールホルダ21内周面の各間のシール圧力をも調節(増加)することができる。各部のシール圧力の調節後は,シールホルダ21の内端部外周面の数箇所がカシメ26により剛性案内管11bに固着される。
インナケーブル12には,少なくともOリング24に摺接する領域の外周面に合成樹脂製の被膜27が形成される。望ましくは,被膜27は,インナケーブル12の,接続端子13との接続位置から可撓性案内管11aの中間位置までの領域に形成される。
次に,この実施例の作用について説明する。
シールホルダ21内のシール室23に収容された複数のOリング24は,インナケーブル12の外周面,シールホルダ21の内周面,剛性案内管11bの先端面及びシールホルダ21の端壁21aに所定のシール圧力をもって密接しているから,シールホルダ21の周囲に雨水や洗浄水が降りかかっても,上記Oリング24によりシールホルダ21及び剛性案内管11b内への水の浸入を確実に防ぐことができ,これによりアウタケーブル11及びインナケーブル12の金属部の発錆を回避し,インナケーブル12の作動不良や耐久性低下を防ぐことができる。そして,Oリング24が比較的安価であることから,シール手段20を安価に得ることができる。
しかも,上記各部のシール圧力は,シールホルダ21の剛性案内管11bへの螺合深さを加減することで調節可能であるから,ボーデンケーブル10の用途に応じてそのシール圧力を自由に設定することができ,汎用性を高めることができる。
その上,Oリング24にはグリース25が塗布されているから,そのグリース25は,Oリング24とインナケーブル12との間の摩擦抵抗を小さくして,インナケーブル12の作動をスムーズにさせるのみならず,Oリング24周りの微細な隙間を埋めて,Oリング24のシール性を高めることになる。
さらに,Oリング24が複数並んでインナケーブル12の外周面に密接することで,インナケーブル12及びOリング24間にラビリンス効果が生じ,シール手段20のシール性を一層高めることができる。
またインナケーブル12の,少なくともOリング24と摺接する領域での外周面には,合成樹脂製の被膜27が形成されるので,その被膜27によって,縒り線よりなるインナケーブル12外周面の螺旋状凹凸が平滑化され,Oリング24にグリース25が塗布されていることゝ相俟って,インナケーブル12とOリング24との間の摩擦抵抗を効果的に減少させると共に,Oリング24のシール性を一層高めることができる。
またシールホルダ21は金属製であるから,飛石や他物との接触によるも損傷することなく,Oリング24を長期に亙り確実に保護することができ,したがってシール手段20の耐久性を効果的に高めることができる。
本発明は,上記実施例に限定されるものではなく,その要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更が可能である。例えば,シール付きボーデンケーブル10は,車両のクラッチやブレーキの操作系にも適用が可能である。またシール部材としては,Oリング24に限らず,X型等,異形断面のシール部材の使用も可能である。
本発明に係るシール付きボーデンケーブルの使用状態を示す側面図。 上記のシール付きボーデンケーブルの要部縦断拡大図。
符号の説明
10・・・・ボーデンケーブル
11・・・・アウタケーブル
11a・・・可撓性案内管
11b・・・剛性案内管
12・・・・インナケーブル
20・・・・シール手段
21・・・・シールホルダ
21a・・・シールホルダの端壁
23・・・・シール室
24・・・・シール部材(Oリング)
25・・・・グリース
27・・・・被膜

Claims (3)

  1. 可撓性案内管(11a)及びその端部に接続される剛性案内管(11b)よりなるアウタケーブル(11)と,このアウタケーブル(11)内に摺動自在に挿通されるインナケーブル(12)と,剛性案内管(11b)及びインナケーブル(12)間をシールするシール手段(20)とよりなる,シール付きボーデンケーブルにおいて,
    前記シール手段(20)を,インナケーブル(12)に貫通される端壁(21a)を有して剛性案内管(11b)の端部外周に螺着され,前記端壁(21a)と剛性案内管(11b)の先端面との間にインナケーブル(12)が臨む円筒状のシール室(23)を画成する金属製のシールホルダ(21)と,前記シール室(23)に装着されて,インナケーブル(12)の外周面,前記シールホルダ(21)の内周面,剛性案内管(11b)の先端面及び前記端壁(21a)に密接するシール部材(24)とで構成したことを特徴とする,シール付きボーデンケーブル。
  2. 請求項1記載のシール付きボーデンケーブルににおいて,
    前記シール部材を,互いに軸方向に重ねられた複数のOリング(24)で構成すると共に,これらOリング(24)にグリース(25)を塗布したことを特徴とする,シール付きボーデンケーブル。
  3. 請求項2記載のシール付きボーデンケーブルにおいて,
    インナケーブル(12)の,少なくとも前記Oリング(24)に対して摺接する領域の外周面に合成樹脂製被膜(27)を形成したことを特徴とする,シール付きボーデンケーブル。
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