JP2009121085A - 地盤振動伝播抑制構造の構築方法 - Google Patents

地盤振動伝播抑制構造の構築方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 工場等の加工装置等の振動発生源や、鉄道振動や道路交通等の振動源から地盤を介して伝播する振動を効果的に低減し、近隣家屋等の既存施設への悪影響を抑える。
【解決手段】 振動発生源1と、その影響を受ける施設60との間の地盤3の所定範囲に、固化材が混合された溝内に、それぞれ保持部材で支持された複数の上下方向に延在する袋状体を列設し、固化材が硬化する前にそれぞれの袋状体内に流体を供給して拡張させ、その後固化材を硬化させることで、溝内に拡張形状からなる中空部13が形成された中空壁体12を構築する。
【選択図】 図1

Description

本発明は地盤振動伝播抑制構造の構築方法に係り、特に工場等の加工装置等の振動発生源や、鉄道振動や道路交通等の振動源から地盤を介して伝播する振動を効果的に低減し、近隣家屋等の既存施設への悪影響を抑えることのできる地盤振動伝播抑制構造を構築する方法に関する。
振動公害は、工場等の事業所に設置されたプレス機等の稼働時に発生する振動や、鉄道の列車通過時、道路の車両通行等における振動が地盤を伝播して、近隣家屋等に低周波の振動による悪影響を生じさせるものとして知られている。たとえば、振動発生源の近隣住民は、直接伝わる振動に加え、室内の物が揺れるという間接的な振動も体感し、多くの者が感覚的、生理的な不快感、苦痛を感じる。
このような振動源からの低周波振動が地盤を伝播するのを遮断するために、振動源と受振側である住宅等施設との間を仕切るように、図10各図に示したような、防振溝55を構築する対策がとられることがある。図(a)において、工場50内に設置されたプレス機等の振動発生源51からは、一例として模式的に破線で示したような振動が地盤内を伝播して周囲に広がる。図示した振動伝播対策工では、設けられた防振溝55内は空あるいは水57を満たすことにより、振動が伝播する地盤を遮断するような媒質層を設け、水平方向へのせん断波(横波)の伝播を遮断し、周辺民家60等に振動が及ばない対策が施されている。
最近では、地盤中に地中溝を形成して、その内部をゴムや発泡スチロールビーズ等の体積弾性率が小さく、粗密波とせん断波を伝達しにくい充填材料を混合した、地盤振動の伝播を抑制する地中壁構造が提案されている(特許文献1)。また、空溝の振動遮断効果に近い状態を実現するために、所定形状のバルーンにガスを封入したガスクッションを溝内に挟在させる構造も提案されている(非特許文献1)。
特開2001−98574公報参照。 株式会社不動テトラ,"ガスクッションを用いたハイブリッド(三重構造)振動遮断壁工法を開発・実用化",[online],2006年,[平成19年8月24日検索],<URL:http://www.fudotetra.co.jp/release/fudo/news20040728.html>
ところで、図10各図に示した防振溝55では、山留め壁間に何も充填しない空間を形成させる場合にも切梁等が多段に配置されるので、それら切梁を介して振動が伝播してしまうおそれがある。そのため、山留めアンカー等でそれぞれの側の山留め壁を自立させる必要がある。したがって、アンカー打設作業等が可能となるだけの空間を確保しなくてはならず、防振性能のみを考慮した場合に比べて、溝の規模が大きくなるという問題がある。また、水57を満たす場合には、帯水層中に施工、あるいは遮水性山留め壁を施工しなければならず、ポンプ(図示せず)を稼働させて防振溝55内の水量管理等を行う必要がある。また、水57を媒質として満たされた防振溝55は、せん断波の水平方向への伝播はスロッシング等によるエネルギー吸収が見込まれ振動抑制を達成できるが、疎密波(縦波)は非圧縮性流体としての水中をそのまま伝播しまうので、振動抑制の効果を得ることはできない。
特許文献1に開示された発泡スチロール(EPS)ビーズを混合した壁構造では、EPSビーズの比重が小さいため、マトリックスとなるソイルセメントとの均一な混合が難しく、ソイルセメントに所定の粘性を持たせた人工粘土材を調製する必要があり、またEPSビーズの添加量等の決定等、壁材料の配合決定が難しい上、実際の壁体造成時におけるEPSビーズの分離防止対策が問題となる。
また、非特許文献1に開示されたガスクッションを用いた振動遮断壁では、鋼矢板と、ソイルセメント壁と、ガスクッションとからなるハイブリッド三重構造によって、振動数10ヘルツ以下の低周波域において4〜10dB程度(振幅比3/5〜1/3程度)の振動低減効果を得ている。しかし、鋼矢板、ソイルセメント壁で形成された溝内の定位置に浮力を有するガスクッションを固定するために、あらかじめ施工された鋼矢板あるいはソイルセメント壁の一部に固定する必要があり、さらに使用時においても土水圧によりクッションの体積が減少し、孔壁保持が必要となったり、長期的効果が低減するおそれがある。そこで、本発明の目的は上述した従来の技術が有する問題点を解消し、比較的剛性の高い円筒形容器構造を用いて、その内部に所定圧のガスを充填し、これらの容器構造を柱列状に地盤中に並列配置し、擬似的な空溝に相当する空洞部を形成して疎密波の地盤内伝播を確実に阻止できるようにした地盤振動伝播抑制構造の構築方法を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明は、地盤振動伝播抑制構造の構築する際に、振動発生源と、その影響を受ける施設との間の地盤の所定範囲に、固化材が混合された溝を形成し、該溝内に、それぞれ保持部材で支持された複数の上下方向に延在する袋状体を列設し、前記固化材が硬化する前に前記それぞれの袋状体内に流体を供給して拡張させ、その後前記固化材を硬化させることで、前記溝内に拡張形状からなる中空部が形成された中空壁体を構築するようにしたことを特徴とする。
上述の方法において、前記保持部材は、前記袋状体に内挿されたパイプであり、該パイプを通して前記袋状体内に流体を供給して前記袋状体を拡張することが好ましい。
また、前記保持部材は、前記袋状体をその外表面に延在させた型鋼材であり、前記袋状体内に流体供給管を挿入し、前記流体供給管を通して前記袋状体に流体を供給して前記袋状体を拡張することも好ましい。
さらに、上述の工程において、前記固化材が硬化した後、前記流体を前記袋状体内から排出することが好ましい。
このとき、前記流体を前記袋状体内から排出するにあたり、前記中空部内に多孔質材料からなるビーズあるいは樹脂製中空ボールを充填することが好ましい。また、前記袋状体は、ゴム製とすることが好ましい。
本発明によれば、振動発生源と、その影響を受ける施設との間の地盤の所定範囲に設けられた複数本の中空部を列状に埋設してなる中空柱列壁体を地盤振動伝播抑制構造として機能させることで、伝播振動エネルギー吸収を図り、前記振動発生源から施設等への振動伝播を確実に減衰させることができる。
また、中空部を所定位置に列状に並べて埋設することで、地盤振動伝播抑制構造としての中空壁体を効率よく施工することができ、簡易な施工工程により、防振効果の高い地盤振動伝播抑制構造を構築することができる。
以下、本発明の地盤振動伝播抑制構造及びその構築方法を実施するための最良の形態として、以下の実施例について添付図面を参照して説明する。
図1は、本発明の地盤振動伝播抑制構造としての中空柱列壁体(中空壁体)の一実施例の構築例を模式的に示した概略斜視図である。同図に示したように、たとえば工場等に設置されたプレス機等の振動発生源1に対して、その近隣に建っている既存建物60との間に、所定の幅にわたり、地盤振動伝播抑制構造10としての中空柱列壁体11が構築されている。同図には、模式的に振動発生源1からの振動の地盤3内の伝播の状態が模式的な同心円(半球)状に示されている。このように、発生振動は地盤3内を伝播し、既存建物60との間に位置する地盤振動伝播抑制構造10としての中空柱列壁体11により、振動がほとんど吸収され、中空柱列壁体11の外側に位置する既存建物60への振動の影響を最小限にすることができる。
本実施例では、振動発生源1と既存建物60と間が80m程度離れており、柱状体が並列した中空柱列壁体11の構築範囲は、振動発生源1から約60mの位置の地盤内の幅W=80m,柱状体径D=約0.5m、柱列体長(深さ)L=約12mの規模からなる。この中空柱列壁体11の規模(延長(幅)、壁厚、壁体長)は、一般に、発生振動の振動レベルと、振動発生源1と近隣住戸等の既存建物60との間において、振動が伝播する地盤3の地盤特性とを考慮して、かつ壁体の端部での回折の影響が最小になるような規模で、かつ既存建物60の敷地を侵さないように構築する。
以下、地盤振動伝播抑制構造としての各種の中空柱列壁体11及び単体としての中空柱状体12の構成について、図2(a),(b)を参照して説明する。
図2(a)は、第1の実施例の中空柱状体(中空部)12を地盤に1本ずつ施工し、それを一列に連続配置して地盤振動伝播抑制構造としての中空柱列壁体11を構成した例を模式的に示した斜視図である。図2(b)は中空部位置での平断面図である。中空柱状体12は、同図に示したように、内部に所定直径および空間高さを有する中空部13が形成された低強度地盤固化体である。この低強度地盤固化体は、地盤に円孔溝6を掘削形成する際に孔壁保護のために満たされた安定泥水7を、掘削後に固化泥水としてのベントナイト泥水と所定混合比のセメント(固化材)とを混合した固化泥水に置換したもので、その泥水内で略円筒状の袋状体16を円筒形状に膨張させて、地盤固化体内に円筒状の中空部13が形成されるようにしたものである。
以下、中空柱列壁体および中空柱状体の中空部13を施工する手順について、図3各図、図4各図を参照して説明する。図3(a)〜(d)は、対象地盤に円孔溝6を掘削する工程から地盤内に中空柱状体12を構築する工程までを繰り返し、地盤振動伝播抑制構造としての中空柱列壁体11を構築する工事のうち、5本目の中空柱状体12を構築する手順を示した施工順序図である。
まず、図3(a)に示したように、すでに中空柱状体12を構築した隣接位置に、アースドリル等の公知の地盤掘削機7による所定直径の円孔溝6の掘削を行う。本実施例では、この円孔溝6の直径はD=0.5mで、地上の所定位置に設置された掘削機7のリーダ7aをガイドとして回転するケリーバー7bの先端に所定径の円孔を掘削可能なビット7cを装着し、掘削区間を安定泥水8で満たして孔壁保護しながら、円孔溝6の掘削を行う。このとき、すでに硬化が進行した隣接位置の中空柱状体12との一体化を図るように、わずかなラップを設けて円孔溝6を掘削することが好ましい。掘削が完了した段階で、安定泥水8と、地盤固化材としてのベントナイトとセメントとを混合してなるソイルセメント泥水との置換を行う(図3(b)参照)。次いで、ソイルセメント泥水9の硬化開始前に、袋状体16の全長より長く、袋状体16に内挿された送気パイプ15を保持部材として有する、膨張時直径が円孔溝6径φより0.2mm程度小さい袋状体16を沈埋する。袋状体16は、その内部に送気パイプ15が挿入された状態で、リーダ7aをガイドに円孔溝6内をほぼ鉛直に支持されて沈降させることができる。また、送気パイプ15の地上部側は、空気圧送機Cに接続されており、送気パイプ15の下端に形成された送気孔(図示せず)を介して、袋状体16内に圧縮空気(流体)を送気供給することができる。これにより、まだ硬化していないソイルセメント泥水9内において、袋状体16を深さ方向に均一な直径を有する円筒形状に膨張(拡張)させることができる(図3(c)参照)。その後、ソイルセメントが硬化する間、袋状体16の膨張形状を保持するように加圧調整を行う。そして、ソイルセメントは、袋状体16の膨張形状を内型枠とした中空部13を有した状態で硬化し、中空柱状体(中空部)が形成される。その後、袋状体16内の空気を排出して減圧し、送気パイプ15を中空部13から引き抜く(図3(d)参照)。
図4(a)は、図3(c)の工程に相当する円孔溝6の部分拡大斜視図である。図4(a)に示したように、ソイルセメント泥水9で満たされた円孔溝6のほぼ全深さにわたり、送気パイプ15が沈埋されるが、その送気パイプ15には、パイプの長手方向に沿って合成ゴム製の袋状体16が、その袋状体16内に送気パイプ15が位置するように外挿されて巻き付けられ、所定の張力で破断する仮結束材17で結束された状態にある(図4(a)断面図参照)。この仮結束材17は袋状体16が膨張(拡張)する前は袋状体16を送気パイプ15に一体的に束ねる役目を果たすが、袋状体16が膨張しはじめると所定の張力で破断し、袋状体16が所定の筒形状に膨張できる。図4(b)は、袋状体16がほぼ所定の膨張形状まで膨らみ、その膨張形状が保持された状態を示している。この形状まで膨張する際、ソイルセメント泥水9は円孔溝6からオーバーフローするが、必要に応じて排泥ポンプ等を設置して泥水を処理することが好ましい。ソイルセメントが硬化するまでは袋状体16には、ソイルセメント泥水9の液圧が作用するため、送気パイプ15から所定の内圧を保持するための空気を供給する。ソイルセメントが固化した段階で、図4(c)に示したように、送気パイプ15を引き抜き、既製蓋材あるいは図示しない型枠を利用してモルタル等を打設し、頂部開口を閉塞することで、中空部13を有する円柱状の地盤固化体(中空柱状体12)を構築することができる。この中空柱状体12を列状に構築したのが、図2(a),(b)に示した中空柱列壁体である。なお、上述した圧縮空気に代えて水等の非圧縮性流体を供給してもよい。その場合、ソイルセメントが硬化した後この流体を袋状体16から排出する。
次に、第2の実施例として、第1の実施例と同様なソイルセメント泥水9内に、保持部材22としてのH形鋼材のフランジの側面(外表面)に、細長い柱状体としての袋状体23を取り付けてなる地盤振動伝播抑制構造10としての中空柱列壁体21の構成について、図5各図〜図7を参照して説明する。
本実施例の袋状体23は、図5(a)及び(b)に示したように、保持部材22としてのH形鋼の全長にわたり延在し、そのフランジの側面に取り付けられ、図6に示したように、ソイルセメント泥水9内でその一部が変形して折り畳み形状から所定の展開形状になれるような柔軟部を有する炭素繊維補強プラスチック製成形筒からなる。本実施例では、筒長は上述のように保持部材22としてのH形鋼の全長に等しくL=12mであるが、そのソイルセメントからなる柱列壁体の深度とほぼ等しい。その深度は、上述の振動発生源と既存建物との間の位置関係等をもとにその遮断効果が果たせる長さに設定することが好ましい。
袋状体23を構成する炭素繊維補強プラスチックとしては、PAN系炭素繊維からなる所定厚の織物マットを、図6各図の展開形状となる型材に貼り付け、マトリクスとしてのエポキシ樹脂を所定の均一厚さになるように含浸して養生した工場成形品、あるいは柔軟性を有し、気密・水密加工を施した炭素繊維樹脂プリプレグを使用した。プリプレグを用いて成形板を接合することにより、折り曲げ部が形成でき、その部分を折り畳むことで、図6各図の折り畳み状態とすることができる。また、底部23aは、図5(a)に示したように、略半球状の丸底形状をなし、袋状体23の沈設および後述する封入ガスの耐圧性能を高めている。さらに内部に封入ガスを充填した場合において、その内圧に抵抗可能な上部蓋が設けられている。上部蓋(図示せず)は、袋状体23の上端にネジ止めされるキャップ状の蓋とすることが好ましい。上部蓋は、螺着時の耐圧性、上部からの載荷重を考慮して非腐食性の金属製品を用いるか、樹脂製品を金属部材で補強することがことが好ましい。また、図示しないが、この上部蓋には、拡張時に用いられる送気管が貫通する孔が設けられるが、完成後は必要に応じて気密保持のため、閉塞される。
[袋状体の構成]
図6(a),(b)は、折り畳まれた状態の袋状体23を保持部材22としてのH形鋼のフランジ側面に貼着し、袋状体23内に流体を供給して袋状体23を断面が略長円形状となるように拡張展開させた例を示している。この場合の拡張展開手段としては、内部に圧縮空気あるいは水等の非圧縮性流体を導入し、袋状体23の周囲のソイルセメントが固化するまで所定形状を保持させることとした。この場合、袋状体23は、周囲の地盤固化体としてのソイルセメントが硬化するまでの内型枠としての役割を果たし、硬化後は周囲のソイルセメントによって形状が保持される。外圧に対しては硬化したソイルセメントからなる地盤固化体が抵抗するので、袋状体23は、壁体の完成後に作用内圧を解放することができる。
図6(c)〜(f)は、繊維補強プラスチック成形板を用いて多角形断面(図6(c):六角形、図6(e):四角形)の外殻板23bを構成し、各隅角部23cを気密性を保持した柔軟な材料で連結した、柱状体としての袋状体23で、所定の折り畳み形状で保持部材22としてのH形鋼のフランジ側面に貼着され、袋状体に流体を供給するか、あるいは拡張支持部材を挿入して所定の拡張展開形状とできるようにした袋状体23を示している。袋状体23内に挿入する拡張支持部材24は、同図(d),(f)に示したような箱型断面、X型断面、あるいは所定のトラス断面形状部材を有し、袋状体23の全長に等しい長さからなる繊維補強成形板あるいは耐食性鋼板等を用いることができる。拡張支持部材24はソイルセメントが硬化した後も外圧に抵抗する部材として残置してもよいし、次工程で施工されている袋状体23の拡張展開作業に転用していってもよい。
また、地盤固化体としてのソイルセメントが硬化後に、袋状体23内に、ともに図示しない多孔質材料からなるビーズあるいは所定直径を有する樹脂製中空ボールを充填することにより、この地中空間位置での地盤振動伝播の抑制を図ることができる。
図7各図は、図3各図のうち、円孔溝6内をソイルセメント泥水9で満たすまでの工程(図3(a),(b))に引き続いて実施例2の袋状体23が取り付けられた保持部材22としてのH形鋼をソイルセメント泥水9内に沈埋する工程(図7(c))と、袋状体23を拡張展開する工程(図7(d))を示した施工順序説明図である。図7に示した工程は、図3に示した公知の円孔溝6の掘削機7を用いて実施することができる。
以上に述べた第2の実施例では、袋状体23として炭素繊維補強プラスチック成形筒を用いた例を示したが、簡易な規模の振動伝播抑制構造を実現するためには、材質を塩化ビニルや、ガラス繊維補強プラスチック(GFRP)とすることも可能である。一方、大直径の袋状体23を想定する場合には、炭素繊維マットを積層したり、アラミド繊維マット等の高強度材料を使用することも可能である。これらの材料は、中空柱状体自体の強度に加え、周面がソイルセメント壁で覆われているため、作用土圧に対しての力学的な抵抗性や化学抵抗性も確保されるため、耐久性に富んだ構造として使用される。
図8,図9は、その他の実施例として、上述した第1の実施例の実施を容易に行うための方法、手段を示している。手段として図8は、ソイルセメント泥水9で満たされた円孔溝6内に、所定の剛性を有した、中空柱状体としての中空円筒形状の中空筒状体18を沈埋、挿入するための手段を示した概略説明図である。図8に示した中空筒状体18の沈埋方法では、ソイルセメント泥水9で満たされた円孔溝6内に、有底の中空筒状体18を沈埋させることを想定している。そこで、この沈埋方法では、中空筒状体18内に所定の比重を有する泥水19を注水することで、中空筒状体18の液内での比重をソイルセメント泥水9の比重より大きく、ソイルセメント泥水9内を沈降させるようにしている。
図9に示した中空筒状体18の設置方法では、図8に示したものと同様の構成の中空筒状体18内に、図3,図7に示した掘削機7のリーダ7aに支持された押し込みロッド7eを挿入し、この押し込みロッド7eを、リーダ7aの昇降スライダ(図示せず)に沿って降下させることで、中空筒状体18をソイルセメント泥水9内に沈埋させることができる。このとき、図8で述べたように泥水19の注水を行うことで、比重のバランスをとり、押し込みロッド7eを除去しても、中空筒状体18をソイルセメント泥水9内に保持させることができる。図9に示した中空筒状体18では、最終的にソイルセメント壁内に複数本の中空筒状体18を列状に埋設することで、列状をなす柱列壁体11を構築する。
さらに、他の実施例として、上述したような、安定泥水で孔壁保護を図りながら溝を掘削し、円孔溝内の安定泥水を固化材泥水と置換し、固化材泥水の硬化を待つのではなく、地盤掘削時に、地山の掘削箇所に固化材を直接供給し、掘削機の掘削用撹拌翼等のアタッチメントにより、ほぐされた地山と供給された固化材とを直接混合させて、溝内のその部位での地盤の強度を高めた柱状体を形成することも可能である。
本発明の振動伝播抑制構造としての中空柱列体の配置構成例とその振動伝播状態を模式的に示した説明図。 第1の実施例による中空柱列壁体の構成例を示した壁体斜視図、平断面図。 第1の実施例による中空柱列体の中空部の形成工程を示した作業フロー図。 第1の実施例による中空柱列壁体の施工手順を示した作業フロー図。 第2の実施例による中空柱列壁体の構成例を示した壁体斜視図、平断面図。 第2の実施例による中空容器の構成例を示した平断面図。 第2の実施例による保持部材の設置施工手順を示した作業フロー図。 中空柱状体をソイルセメント泥水内に沈埋する作業工程を示した説明図。 中空柱状体をソイルセメント泥水内に沈埋する他の作業工程を示した説明図。 従来の振動伝播抑制構造としての防振溝の構成及びその振動の伝播状態を模式的に示した説明図。
符号の説明
1 振動発生源
3 地盤
6 円孔溝
8 安定泥水
9 ソイルセメント泥水
10 振動伝播抑制構造
11、21 中空柱列壁体
12 中空柱状体
13 中空部
15 送気パイプ
16,23 袋状体
18 中空筒状体
22 保持部材
24 拡張支持部材

Claims (6)

  1. 振動発生源と、その影響を受ける施設との間の地盤の所定範囲に、固化材が混合された溝を形成し、該溝内に、それぞれ保持部材で支持された複数の上下方向に延在する袋状体を列設し、前記固化材が硬化する前に前記それぞれの袋状体内に流体を供給して拡張させ、その後前記固化材を硬化させることで、前記溝内に拡張形状からなる中空部が形成された中空壁体を構築することを特徴とする地盤振動伝播抑制構造の構築方法。
  2. 前記保持部材は、前記袋状体に内挿されたパイプであり、該パイプを通して前記袋状体内に流体を供給して前記袋状体を拡張することを特徴とする請求項1に記載の地盤振動伝播抑制構造の構築方法。
  3. 前記保持部材は、前記袋状体をその外表面に延在させた型鋼材であり、前記袋状体内に流体供給管を挿入し、前記流体供給管を通して前記袋状体に流体を供給して前記袋状体を拡張することを特徴とする請求項1に記載の地盤振動伝播抑制構造の構築方法。
  4. 前記固化材が硬化した後、前記流体を前記袋状体内から排出することを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の地盤振動伝播抑制構造の構築方法。
  5. 前記流体を前記袋状体内から排出するにあたり、前記中空部内に多孔質材料からなるビーズあるいは樹脂製中空ボールを充填することを特徴とする請求項4に記載の地盤振動伝播抑制構造の構築方法。
  6. 前記袋状体は、ゴム製であることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の地盤振動伝播抑制構造の構築方法。
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