JP2009120983A - 乗車用および作業用ヘルメット - Google Patents
乗車用および作業用ヘルメット Download PDFInfo
- Publication number
- JP2009120983A JP2009120983A JP2007295093A JP2007295093A JP2009120983A JP 2009120983 A JP2009120983 A JP 2009120983A JP 2007295093 A JP2007295093 A JP 2007295093A JP 2007295093 A JP2007295093 A JP 2007295093A JP 2009120983 A JP2009120983 A JP 2009120983A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- interior material
- helmet
- head
- cushioning
- cushioning interior
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Images
Abstract
【課題】 着用者の頭部全体に対する安定な接触状態と、良好な通気性とを両立させた乗車用ヘルメットを提供する。
【解決手段】 ネット組織に編成された表ネット地と裏ネット地とをモノフィラメント糸からなる連結糸で一定間隔を維持するように連結してなる高通気性、高弾性変形性、高衝撃緩衝を有する立体メッシュ地30を素材としてクッション性内装材5を形成する。
【選択図】 図1
【解決手段】 ネット組織に編成された表ネット地と裏ネット地とをモノフィラメント糸からなる連結糸で一定間隔を維持するように連結してなる高通気性、高弾性変形性、高衝撃緩衝を有する立体メッシュ地30を素材としてクッション性内装材5を形成する。
【選択図】 図1
Description
本発明は、優れた体圧分散性と、素材の厚み方向および面方向ともに高度の通気性有することを特徴とするダブルラッセル編成による立体メッシュ地を内装素材として利用した乗車用ヘルメットおよび作業用ヘルメットに関する。
ヘルメットには、本格的なものと簡易な構造のものとがある。前者は、いわゆる乗車用ヘルメットといわれるものであり、大きなエネルギーを持つ衝撃に耐える堅固な造りがなされている。一方、後者は、いわゆる作業用ヘルメット(自転車通学用を含む)といわれるものであって、比較的軽度の衝撃を想定した造りがなされている。両者は、帽体シェルの強度のほか、内装の造りにおいて大きく異なり、それぞれ固有の問題点を有する。
乗車用ヘルメットは、通常、所定の衝撃試験に耐える強化樹脂製の帽体シェルと、帽体シェルの内壁面に沿って固定的にライニングされる衝撃吸収部材としての発泡樹脂製ライナと、さらにその内側に装填される装着性を高めるためのクッション性内装材との3層構造を有する。発泡樹脂製ライナは、座屈によって衝撃エネルギを吸収し、クッション性内装材は、変形によって衝撃エネルギを吸収することができる。また、これらの部材が所定の機能を発揮するためには、着用者の頭部とこれらの部材が広い面積で安定に接触していることが必要である。
クッション性内装材は、スポンジ等の軟質発泡樹脂材料を肌触りの良いメッシュ地等で包装したようなものが主流であって、取り外して洗うことができるようにされているものもある。なお、発泡樹脂製ライナは、衝撃吸収材としてのみならず、その断熱機能を利用することを目的として用いられており、帽体シェルへの直射日光による熱の遮断や、寒冷期における防寒機能を担当する。また、クッション性内装材も異なる素材によって同様の機能を担当する。
一方、作業用ヘルメットは、強化樹脂製の帽体シェルの内部に、帽体シェルとの間に空隙を確保した状態で張設される軟質樹脂製の内装バンドを備えるものが殆どである。作業用ヘルメットの内装バンドは、人の頭部を受け入れるための帽体シェルの開口部の内側に沿って環状に形成され、人の頭部と帽体シェルの周部との間隔を確保する環状部材と、この環状部材間を十文字状または放射状に連結するように配置されて、人の頭部と帽体シェルの上下間隔を確保する連結部材とからなる。
作業用ヘルメットにおける環状部材は、後頭部側において互いにオーバラップする状態で分離されており、オーバラップ部分には、段階的に列設した透孔と透孔に差し込んで掛止する頭付き突起が設けられており、この頭付き突起を差し込む透孔を選択することによって周囲長さを加減し、人の頭囲に適合させることができるようになっている。
上記乗車用ヘルメットについては、その構造上、内部に熱がこもり易く、特に夏季におけるヘルメットの着用には、大変な不快感が伴うという問題が久しきに亘り指摘されている。したがって、この問題に対しては、従来から多くの改善提案がなされている。
特開平7−3516号公報
特開平9−105014号公報
特開平10−8320号公報
特開平10−168639号公報
特開2005−325461号公報
上記従来の提案における問題解決の考え方を類型的に参照するに、バイク等の走行風またはエア源による正圧または負圧を利用しての強制換気の考え方を採用するもの(特許文献1,4,5参照)、クッションパッドを分散配置し、これらの間に空隙を形成するもの(特許文献3参照)、金属線材をコイル状に形成してこれを列設または並設し、クッション性内装材または緩衝材の一部として利用するもの(特許文献2参照)等様々である。
強制換気の考え方を採用するものにおいては、空気の流通を確保するために衝撃吸収部材である発泡樹脂製ライナまたはクッション性内装材の一部を分岐溝状に切り欠き、切り欠いた部分に正圧風を取り込んで疎通させ、最終的にヘルメット外部に排出するようにされている。この方式を採用するヘルメットは、発泡樹脂製ライナまたはクッション性内装材が、分岐溝によって分断されていわば島状に存在するため、製造工程が極めて煩雑なものとならざるを得ないという問題を有する。また、強制換気が着用者に及ぼす利点という観点からは、頭部の分岐溝に対応する部位のみに局部的な冷感を感じるものの、違和感が強く全体として涼しいという感じは希薄である。
ヘルメット内にクッションパッドを分散配置するものは、涼しさに自然感があるが、上記と同様に製造工程の煩雑さの問題があるとともに、クッションパッドとクッションパッド間の間隔を開きすぎると、冷涼感が増す反面において安全性および装着感の面で問題が生じることとなる。また、コイル状の金属線をクッションパッドの一部として使用するものは、材質的には、優れた通風性や緩衝性を有すると考えられるが、素材の性質上、帽体シェルに対する取付けが難しく、使用範囲が限定的であると考えざるを得ない。また、金属線である以上、弾性変形範囲には限界があり、弾性変形範囲を超える衝撃が加わった場合には、衝撃緩衝性能が急激に失われると考えられる。
なお、上記従来の提案に関する問題点を要約的に表現すると、クッションパッド等のクッション性内装材が着用者の頭部に接触している部分については、いかに部分的な工夫を講じてみても、部分的な冷涼効果しか得られず、クッション性内装材と着用者の頭部との接触面積を減少させれば、安全性が損なわれるようになると言うことができる。
一方、作業用ヘルメットについては、内装バンドのみで衝撃を受け止める構造であるため、乗車用ヘルメットに較べて圧力分散性等から見る安全性が低いという基本的な問題の他に以下のような問題が指摘されているが、本来簡易な構造であることを特徴としているため、格別の改善案は提案されていないようであり、個々の着用者が個人的な工夫をしながら使用しているのが現状である。
作業用ヘルメットにおいては、内装バンドが伸縮性を有しない樹脂の帯状体であること、環状部材の周囲長さが段階的にしか調節することができない等の理由により、ヘルメット装着後の位置ずれが問題となっている。位置ずれは、例えば、平常姿勢において適度な強さにあご紐を締めた場合においても、下向き姿勢をとった際に、ヘルメットが目の前に被さるように移動し、高所を見上げた際にヘルメットが後頭部側に移動してしまうように発生する。このようなヘルメットの位置ずれは、長髪の着用者の場合においては、毛髪が一種の滑り部材として機能するため特に顕著に発生する。危険を伴う重作業中にヘルメットが目の前に移動するような事態は、ヘルメットを着用していることに起因して事故が誘発されかねない看過できない問題である。
また、作業用ヘルメットは、本来通気性が良好な構造ではあるが、夏季の屋外作業等の場合には、内装バンドに接している皮膚部分に汗疹やびらん等の皮膚疾患が発症するという問題が指摘されている。この問題は、言うまでもなく内装バンドに接している皮膚部分の発汗が蒸発することができずに汗溜り状態となって、皮膚が不衛生な状態となるからである。ヘルメットの位置ずれや汗溜り化を防止するための自己防衛手段として、頭部にタオルを巻き付けて作業用ヘルメットを着用している作業者の姿が多く見受けられるが、これによって、本来良好な作業用ヘルメットの通気性が失われることは周知の事実である。
本発明は、特に夏場の使用において蒸し暑いという問題を安全性や着用感を犠牲にすることなく改善した乗車用ヘルメット、および着用者の頭部における位置ずれや、内装バンドに起因する汗溜りの問題を解決するとともに、より安全性を高めた作業用ヘルメットを提供することを目的とする。
この目的を達成するための手段として本発明は、次のような構成を採用する。
本発明の請求項1に記載の乗車用ヘルメットは、強化樹脂製の帽体シェルの内部に、衝撃吸収を主目的とする発泡樹脂製ライナと人の頭部に対する装着性を良好なものとすることを主目的とするクッション性内装材とを装填してなる乗車用ヘルメットにおいて、発泡樹脂製ライナとクッション性内装材との少なくともクッション性内装材が、ネット組織に編成された表ネット地と裏ネット地とを、表ネット地と裏ネット地との間を往来するように編み込まれたモノフィラメント糸からなる連結糸で連結することによって、表ネット地と裏ネット地との間に連結糸によって弾性的に支持された通気空隙を有する所定厚みの平板状に形成されたダブルラッセル編成による立体メッシュ地を素材として略人の頭部全体を被覆する半球形に形成されていることを特徴とする。
上記構成による乗車用ヘルメットは、帽体シェル内の発泡樹脂製ライナとクッション性内装材とのうちの少なくともクッション性内装材が立体メッシュ地によって形成されている。また、このクッション性内装材は、人の頭部全体を被覆する半球形に形成されている。立体メッシュ地は、いずれもネット組織である表ネット地と裏ネット地とが所定厚みを有するように連結糸で連結された構造であり、無方向性の高度の通気性と、無方向性の高度の圧力分散性と、無方向性の高度の弾性変形性を発揮することができる。したがって、立体メッシュ地からなるクッション性内装材を備える乗車用ヘルメットは、クッション性内装材の弾性変形によって着用者の頭部の個人的形状やサイズの違いに安定に適合することができるとともに、この状態において頭部全体に及ぶ自然な通気性が確保される。また、帽体シェルの特定箇所に加わった衝撃は、クッション性内装材の圧力分散性によって広範囲に分散されて頭部に伝達されるので、事故に際しての頭部損傷を防止することができる。
本発明の請求項2に記載の乗車用ヘルメットは、帽体シェルが、前頭部側に配設されてクッション性内装材に連絡する空気取入れ口と、後頭部側に配設されクッション性内装材に連絡する空気排出口とを備え、この空気取入れ口は、径方向に貫通孔を形成したロータリ弁体とロータリ弁体を回転自在に抱持する弁ホルダとからなるロータリ弁機構によって開閉自在であることを特徴とする。
上記構成による乗車用ヘルメットは、走行風を空気取入れ口から取り入れて立体メッシュ地からなるクッション性内装材全体に疎通させて空気排出口から排出することができるので、フルフェース型のヘルメットのように他の箇所から走行風を取り込むことができないタイプの乗車用ヘルメットであっても立体メッシュ地の通気性を利用することができる。空気取入れ口は、ロータリ弁機構によって開閉および通風量の調節をすることができる。
本発明の請求項3に記載の乗車用ヘルメットは、クッション性内装材が、ヒートセット手段と立体縫製手段とのいずれか一方の手段または双方の手段を併用して連続する1立体メッシュ地から帽体シェルの内側に沿う半球形に形成されていることを特徴とする。
上記構成による乗車用ヘルメットは、クッション性内装材が連続する1立体メッシュ地から形成され、この際、クッション性内装材がヒートセット手段によって半球形に形成されているものは、製造工数が少なくて済み、立体縫製によるものは、無理なく半球形とすることができ、両者を併用するものは、クッション性内装材を理想的な形状に近いものとして無理なく製造することができる。
本発明の請求項4に記載の乗車用ヘルメットは、半球形に形成されたクッション性内装材が、頭囲部に分散配置する経線方向の複数のスリットを備えるとともに、頭囲部の外周面と内周面とにスリットを内外から挟むように環状の伸縮バンドと吸汗バンドとを備え、この吸汗バンドの一部が、スリット内にギャザ状に折り込まれていることを特徴とする。
上記構成におけるクッション性内装材の頭囲部とは、着用者の頭囲に対応する部分をいい、乗車用ヘルメットにおけるクッション性内装材の頭囲部の外周面には、環状の伸縮バンドが取り付けられるとともに、内周面には、環状の吸汗バンドが取り付けられている。そして、この吸汗バンドの一部は、クッション性内装材に設けた複数のスリットのそれぞれにギャザ状に折り込まれている構成である。このようなクッション性内装材は、伸縮バンドによって頭囲の小さい着用者に適合できるとともに、スリット内に折り込まれている吸汗バンドの一部を伸張させるように内側から頭囲部分を拡張することによって頭囲の大きな着用者に適合することができる。なお、吸汗バンド自体は、吸汗機能のほか、肌当たりを改善する機能を発揮する。
本発明の請求項5に記載の作業用ヘルメットは、強化樹脂製の帽体シェルの内部に、人の頭部と前記帽体シェルとの間に空隙を確保した状態で頭部に装着するための内装バンドを備える作業用ヘルメットにおいて、内装バンドに代えて、ネット組織に編成された表ネット地と裏ネット地とを、表ネット地と裏ネット地との間を往来するように編み込まれたモノフィラメント糸からなる連結糸で連結することによって、表ネット地と裏ネット地との間に連結糸によって弾性的に支持された通気空隙を有する所定厚みの平板状に形成されたダブルラッセル編成による立体メッシュ地を素材として略人の頭部全体を被覆する半球形に形成したクッション性内装材が装填され、人の頭部と帽体シェルとの間に必要とされる空隙がクッション性内装材の厚みによって確保されていることを特徴とする。
上記作業用ヘルメットは、従来の内装バンドが立体メッシュ地による半球形のクッション性内装材に置き換えられた構成である。したがって、クッション性内装材は、着用者の頭部と帽体シェルとの間に介在し、着用者の頭部全体と安定に接触しながら、内装バンドを有するものと同等の高度の通気性を確保することができるほか、帽体シェルに加わった衝撃を広範囲に分散することで、安全性を大幅に高めるように機能する。
本発明の請求項6に記載の作業用ヘルメットは、クッション性内装材が、ヒートセット手段と立体縫製手段とのいずれか一方の手段または双方の手段を併用して連続する1立体メッシュ地から帽体シェルの内側に沿う半球状に形成されていることを特徴とする。
上記構成による作業用ヘルメットの機能は、上述の乗車用ヘルメットにおける対応する構成にかかるものと同様である。
本発明の請求項7に記載の作業用ヘルメットは、クッション性内装材は、頭囲部に分散配置する経線方向の複数のスリットを備えるとともに、頭囲部の外周面と内周面とに前記スリットを内外から挟むように帯状の伸縮バンドと吸汗バンドとを備え、この吸汗バンドの一部が、前記スリット内にギャザ状に折り込まれていることを特徴とする。
上記構成による作業用ヘルメットの機能は、上述の乗車用ヘルメットにおける対応する構成にかかるものと同様である。
本発明の請求項8に記載の作業用ヘルメットは、クッション性内装材の外周面に立体メッシュ地からなる複数のスペーサブロックを点在配置することを特徴とする。
上記構成による作業用ヘルメットは、帽体シェルと着用者の頭部との間に安全上必要とされる間隔をクッション性内装材とスペーサブロックとの合計厚みによって簡単に確保することができるとともに、一体的なクッション性内装材に較べてスペーサブロックの方が容易に変形することができるので、着用感および着用者の頭部の個人差に対する適合性を改善することができる。
本発明の乗車用ヘルメットは、従来のクッション性内装材に代えて立体メッシュ地からなる半球形のクッション性内装材を採用することにより、着用者の頭部全体に安定に接触しながらも素材の特性である高度の通気性を享受することができるので、安全性や着用感を犠牲にすることなく、夏場の使用において蒸し暑いという乗車用ヘルメットの問題を解消している。
本発明の作業用ヘルメットは、従来の内装バンドに代えて立体メッシュ地からなる半球形のクッション性内装材を採用することにより、着用者の頭部全体に安定に接触しながらも素材の特性である高度の通気性を享受することができるので、従来の内装バンドに起因する衝撃分散能力不足や汗溜りによる皮膚疾患および帽体シェルの位置ずれの問題を内装バンドと同等の通気性を確保しながら改善するとともに、素材が有する高度の圧力分散性によって、安全性も大幅に高められている。
以下、図面を引用しながら本発明の実施の形態を説明する。
乗車用ヘルメット10は、強化樹脂製の帽体シェル3の内部に発泡樹脂製ライナ4とクッション性内装材5とを2層状態にして内装してなる(図1)。帽体シェル3には、空気取入れ口3Aと空気排出口3Bとが設けられるとともに、着脱自在の風防3Cが付属している。
帽体シェル3の空気取入れ口3Aには、ロータリ弁機構7が組み込まれ、空気排出口3Bには、防滴カバーが取り付けられている。ロータリ弁機構7は、短い樹脂棒体に径方向の貫通孔7Hを設けてなるロータリ弁体7Aと、ロータリ弁体7Aを開閉自在に抱持する弁ホルダ7Bとからなり、弁ホルダ7Bのフランジ部分を帽体シェル3に重ねて接着固定されている。このロータリ弁機構7は、ロータリ弁体7Aを指先で擦るようにして回転させることによって簡単に空気取入れ口3Aを開閉することができる。また、ロータリ弁体7Aと弁ホルダ7Bとの摺接面積が大きいため、閉じた場合の防滴効果に優れている。
発泡樹脂製ライナ4には、硬質の発泡樹脂を半球形に一体成形したものが用いられている。発泡樹脂製ライナ4は、樹脂用接着剤によって帽体シェル3の内側面に全面接着されている。
クッション性内装材5は、厚さ20ミリ程度のダブルラッセル編成による立体ニット地30を素材として半球形に一体成形され、発泡樹脂製ライナ4の内側に摩擦によって嵌めこまれている。つまり、クッション性内装材5は、着脱自在である。なお、帽体シェル3の後頭部下縁の内側には、軟質の発泡樹脂を軟質のネット地で被覆したパッド8が配設され、クッション性内装材5の位置決めをすることができる。クッション性内装材5の端面部には、外観を整えるための縁布が取り付けられ、クッション性内装材5の前頭部には、吸汗パッド6が面ファスナを介して重ね付けされている。なお、帽体シェル3が空気取入れ口3A有しないものである場合には、縁布5Aは、取り付けない方が好ましい。
乗車用ヘルメット10におけるクッション性内装材5は、素材の特性を素直に発揮することができる。そこで素材である立体メッシュ地30について簡単に説明する(図2ないし図4)。
立体メッシュ地30は、整然と配列された透孔H…を有する表ネット地31と裏ネット地31と連結糸32とから構成される。立体メッシュ地30を構成する素糸には、ポリエステルの他、PET、PTT、PBT、Ny、合繊、化繊、天然繊維が使用される。立体メッシュ地30の特徴的な構造は、表ネット地31と裏ネット地31との間に一定の間隔を維持するように連結糸32を往来させて3次元的に一体化した構造である。なお、連結糸32には、モノフィラメント糸のみが使用される。
立体メッシュ地30は、上記構造を有する結果として、表ネット地31と裏ネット地31との間に通気性が自由である空隙有し(図3)、立体ニット地30の厚み方向K2についても、立体メッシュ地30の厚み内を面方向に沿う方向K1についても、斜方向K3についても極度の通気性を発揮することができる。すなわち、通気に関して無方向性である。
また、立体メッシュ地30は、厚み方向から加わる外力F1、面方向から加わる外力F2、斜方向F3から加わる外力F3に対して高い支持力と、筋肉弾性類似の特有の弾性回復力を有し(図4(A),(B),(C))、高度の体圧分散性及び衝撃緩衝性を発揮する。このような立体メッシュ地30は、旭化成せんい(株)のフュージョン(登録商標)と指定して入手することができる。表ネット地31および裏ネット地31のニット態様、色調、厚みには、多種類の組合せがあり、本発明においては、肌触りが柔らかいニット態様の厚みが15ミリないし20ミリメートル程度のポリエステル製のものを使用することが好ましい。なお、立体メッシュ地30の厚みは、2ミリメートルから20ミリメートルまでの範囲で供給されているが、希望厚みのものが入手できない場合には、重ねあわせて使用することができるものである。
乗車用ヘルメット10におけるクッション性内装材5は、ヒートセット手段と立体縫製手段とのいずれか一方の手段または双方の手段を併用して連続する1立体メッシュ地30から帽体シェルの内側に沿う半球形に形成することができる。(図5,図6)。
クッション性内装材5をヒートセットする場合には(図5(A),(B))、例えば、凸型35と凹型34との間に大き目の円形外形S1に裁断した立体メッシュ地30を挟み込むようにセットし、給気孔INから熱風または蒸気を吹き込んで半球形のクッション性内装材5に成形することができる。また、凸型35と凹型34にヒータを仕込んでセットすることもできる。
また、立体縫製する場合には、立体メッシュ地30を半球形の近似展開形状S2に裁断し、端面の付合わせ部分G…を縫製することによって半球形のクッション性内装材5として成形することができる(図6(A),(B))。なお、ヒートセット手段と立体縫製手段とを併用することにより、より高度の成形が可能である。
作業用ヘルメット20は、帽体シェル3の内部に立体メッシュ地30を素材とするクッション性内装材5を装填してなる(図7)。帽体シェル3には、あご紐3Fが付属している。
クッション性内装材5は、立体縫製手段とヒートセット手段とを併用して立体メッシュ地30を半球形に形成したものに、伸縮バンド9、吸汗バンド12および多数のスペーサブロック5Bを取り付けてなる(図7ないし図9)。
クッション性内装材5には、頭囲部に分散配置するように経線方向の複数のスリット5D…が形成されている。伸縮バンド9は、いわゆる平ゴムバンドでありクッション性内装材5の頭囲部を外側から取りまくように取り付けられ、頭囲部を締め付けるように機能している。また、吸汗バンド12は、例えば、環状に形成したタオル地であり、面ファスナを介して伸縮バンド9と対峙する頭囲部の内側に配設されている。この際、吸汗バンド12の一部は、各スリット5D内にギャザ状に折り込まれた状態で連続している(図9)。
スペーサブロック5B…は、立体メッシュ地30を角形や扇形に裁断してなり、頭囲部および頭頂部に重点的に点在するように接着されている。各スペーサブロック5Bには、ゴム系の滑止め剤B…が水滴状に点付けされている。
作業用ヘルメット20におけるクッション性内装材5は、帽体シェル3内部に強制的に押し込まれた状態で、スペーサブロック5B…の滑止め剤Bの摩擦力によって帽体シェル3内に保持され、作業用ヘルメット20の着用時には、スペーサブロック5B…の容易な変形と、伸縮バンド9の伸縮と、吸汗バンド12のギャザ状の部分の伸縮動作とによって、着用者の頭部に安定に適合することができる。
なお、作業用ヘルメット20における上記クッション性内装材5の構成は、そのまま乗車用ヘルメット10にも適用することができる。
10 乗車用ヘルメット
20 作業用ヘルメット
30 立体メッシュ地
31 表ネット地
31 裏ネット地
32 連結糸
3 帽体シェル
3A 空気取入れ口
3B 空気排出口
4 発泡樹脂製ライナ
5 クッション性内装材
5B スペーサブロック
5D スリット
7 ロータリ弁機構
7A ロータリ弁体
7B 弁ホルダ
9 伸縮バンド
12 吸汗バンド
20 作業用ヘルメット
30 立体メッシュ地
31 表ネット地
31 裏ネット地
32 連結糸
3 帽体シェル
3A 空気取入れ口
3B 空気排出口
4 発泡樹脂製ライナ
5 クッション性内装材
5B スペーサブロック
5D スリット
7 ロータリ弁機構
7A ロータリ弁体
7B 弁ホルダ
9 伸縮バンド
12 吸汗バンド
Claims (8)
- 強化樹脂製の帽体シェルの内部に、衝撃吸収を主目的とする発泡樹脂製ライナと人の頭部に対する装着性を良好なものとすることを主目的とするクッション性内装材とを装填してなる乗車用ヘルメットにおいて、
前記発泡樹脂製ライナとクッション性内装材との少なくともクッション性内装材が、ネット組織に編成された表ネット地と裏ネット地とを、該表ネット地と裏ネット地との間を往来するように編み込まれたモノフィラメント糸からなる連結糸で連結することによって、該表ネット地と裏ネット地との間に前記連結糸によって弾性的に支持された通気空隙を有する所定厚みの平板状に形成されたダブルラッセル編成による立体メッシュ地を素材として略人の頭部全体を被覆する半球形に形成されていることを特徴とする乗車用ヘルメット。 - 前記帽体シェルは、前頭部側に配設され前記クッション性内装材に連絡する空気取入れ口と、後頭部側に配設され前記クッション性内装材に連絡する空気排出口とを備え、
前記空気取入れ口は、径方向に貫通孔を形成したロータリ弁体と該ロータリ弁体を回転自在に抱持する弁ホルダとからなるロータリ弁機構によって開閉自在であることを特徴とする請求項1に記載の乗車用ヘルメット。 - 前記クッション性内装材は、ヒートセット手段と立体縫製手段とのいずれか一方の手段または双方の手段を併用して連続する1立体メッシュ地から前記帽体シェルの内側に沿う半球形に形成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の乗車用ヘルメット。
- 半球形に形成された前記クッション性内装材は、頭囲部に分散配置する経線方向の複数のスリットを備えるとともに、頭囲部の外周面と内周面とに前記スリットを内外から挟むように環状の伸縮バンドと吸汗バンドとを備え、
前記吸汗バンドの一部が、前記スリット内にギャザ状に折り込まれていることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の乗車用ヘルメット。 - 強化樹脂製の帽体シェルの内部に、人の頭部と前記帽体シェルとの間に空隙を確保した状態で頭部に装着するための内装バンドを備える作業用ヘルメットにおいて、
前記内装バンドに代えて、ネット組織に編成された表ネット地と裏ネット地とを、該表ネット地と裏ネット地との間を往来するように編み込まれたモノフィラメント糸からなる連結糸で連結することによって、該表ネット地と裏ネット地との間に前記連結糸によって弾性的に支持された通気空隙を有する所定厚みの平板状に形成されたダブルラッセル編成による立体メッシュ地を素材として略人の頭部全体を被覆する半球形に形成したクッション性内装材が装填され、
人の頭部と前記帽体シェルとの間に必要とされる空隙が該クッション性内装材の厚みによって確保されていることを特徴とする作業用ヘルメット。 - 前記クッション性内装材が、ヒートセット手段と立体縫製手段とのいずれか一方の手段または双方の手段を併用して連続する1立体メッシュ地から前記帽体シェルの内側に沿う半球状に形成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の作業用ヘルメット。
- 前記クッション性内装材は、頭囲部に分散配置する経線方向の複数のスリットを備えるとともに、頭囲部の外周面と内周面とに前記スリットを内外から挟むように帯状の伸縮バンドと吸汗バンドとを備え、
前記吸汗バンドの一部が、前記スリット内にギャザ状に折り込まれていることを特徴とする請求項5または請求項6に記載の作業用ヘルメット。 - 前記クッション性内装材の外周面に前記立体メッシュ地からなる複数のスペーサブロックを点在配置することを特徴とする請求項5ないし請求項7のいずれか1項に記載の作業用ヘルメット。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007295093A JP4172720B1 (ja) | 2007-11-14 | 2007-11-14 | 乗車用および作業用ヘルメット |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007295093A JP4172720B1 (ja) | 2007-11-14 | 2007-11-14 | 乗車用および作業用ヘルメット |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP4172720B1 JP4172720B1 (ja) | 2008-10-29 |
JP2009120983A true JP2009120983A (ja) | 2009-06-04 |
Family
ID=39985896
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2007295093A Expired - Fee Related JP4172720B1 (ja) | 2007-11-14 | 2007-11-14 | 乗車用および作業用ヘルメット |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4172720B1 (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
ITMI20111487A1 (it) * | 2011-08-03 | 2013-02-04 | Opticos Srl | Casco di protezione dotato di mezzi di ventilazione |
JP2015025227A (ja) * | 2013-07-29 | 2015-02-05 | 株式会社谷沢製作所 | ヘルメット用ヘッドバンド |
JP2016084560A (ja) * | 2014-10-27 | 2016-05-19 | 株式会社コミネ | バイクライダー用衣服 |
JP2021051214A (ja) * | 2019-09-25 | 2021-04-01 | 株式会社ジンズホールディングス | アイウエア及びテンプル |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN110545686B (zh) * | 2016-12-13 | 2022-05-24 | 米帕斯公司 | 具有剪切力管理的头盔 |
KR20230000166U (ko) * | 2021-07-12 | 2023-01-19 | 김정일 | 공기 주입식 헬멧 |
-
2007
- 2007-11-14 JP JP2007295093A patent/JP4172720B1/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
ITMI20111487A1 (it) * | 2011-08-03 | 2013-02-04 | Opticos Srl | Casco di protezione dotato di mezzi di ventilazione |
EP2554069A1 (en) * | 2011-08-03 | 2013-02-06 | OPTICOS S.r.l. | Safety helmet with ventilation means |
JP2015025227A (ja) * | 2013-07-29 | 2015-02-05 | 株式会社谷沢製作所 | ヘルメット用ヘッドバンド |
JP2016084560A (ja) * | 2014-10-27 | 2016-05-19 | 株式会社コミネ | バイクライダー用衣服 |
JP2021051214A (ja) * | 2019-09-25 | 2021-04-01 | 株式会社ジンズホールディングス | アイウエア及びテンプル |
JP7039538B2 (ja) | 2019-09-25 | 2022-03-22 | 株式会社ジンズホールディングス | アイウエア及びテンプル |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP4172720B1 (ja) | 2008-10-29 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US6360376B1 (en) | Protective hat | |
US8347419B1 (en) | Form-fitting protective headwear | |
US20230142431A1 (en) | Head guard with coupled padding layer | |
JP4172720B1 (ja) | 乗車用および作業用ヘルメット | |
JPH07173706A (ja) | 保護用帽子 | |
JPH09241915A (ja) | ヘルメットの内装体用パッド及びその内装体 | |
KR200327892Y1 (ko) | 방탄 헬멧용 내피 | |
CN111565805B (zh) | 冲击保护系统 | |
US20130185843A1 (en) | Under-Helmet Sweat Absorbing and Wicking Headpiece | |
US20140345036A1 (en) | Protective helmet and support portion for said protective helmet | |
KR100925855B1 (ko) | 방탄모 및 안전모 겸용 내피 | |
JP2016132850A (ja) | 帽子 | |
KR200425902Y1 (ko) | 군 방탄모용 머리보호대 | |
KR200444807Y1 (ko) | 안전모용 머리받침 내피 | |
JP3094424U (ja) | ヘルメット | |
KR200455017Y1 (ko) | 안전모용 머리받침 내피 | |
CN219578363U (zh) | 安全帽 | |
JP3169206U (ja) | 帽子用衝撃緩和インナー | |
AU2015316183B2 (en) | Protective headdress for use with a safety helmet | |
KR20200041690A (ko) | 두부 보호용 헬멧 | |
KR101996536B1 (ko) | 통풍기능을 구비한 완충 헬멧 | |
TWI752868B (zh) | 頭盔結構 | |
JP6170269B1 (ja) | 頭部保護具 | |
JP3114866U (ja) | 夏季用保護帽子 | |
KR200421430Y1 (ko) | 귀마개가 부착된 방탄모용 머리보호대 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20080805 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Effective date: 20080808 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 |
|
R150 | Certificate of patent (=grant) or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Year of fee payment: 3 Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110822 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |