JP2009119612A - スクリーン印刷用スキージ及びスクリーン印刷装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ホットメルトペースト材をスクリーン印刷で使用可能とするスクリーン印刷機のスキージを提供する。
【解決手段】微細孔が形成されたスクリーンに線状に接して該スクリーンからインク材を押し出すスキージ部と、一端部側にスクリーン印刷機のホルダが取り付けられ他端部側に上記スキージ部が取り付けられる支持体と、を備えるスキージにおいて、上記支持体を支持体自体が通電によって発熱体として機能する平板状の金属導電体で構成し、上記スキージ部を加熱するようにしたスキージを使用する。
【選択図】図1

Description

本発明はスクリーン印刷機に関し、特にホットメルト材料をインク材として使用することを可能としたスクリーン印刷機及びスクリーン印刷機のスキージに関する。
スクリーン印刷は、微細孔によって版下が形成されたスクリーンの一面側からインク材に板状のスキージによって圧力を与えてスクリーンの他面側に置かれた被印刷物に該微細孔を介してインク材を付与することにより行われる。このようなスクリーン印刷の精度を向上するために、印刷機の環境温度を適切に制御することが提案されている。具体的には、スキージのホルダ及びテーブルの温度を被印刷物やインク材の温度を一定に保つようにして印刷を行う(参考文献1)。また、インク材の流動性を高めるため、スキージにラバーヒータを取付け、スキージの温度を20℃乃至30℃程度に保つようにした例もある(参考文献2)。
特開2006−240303号公報 特開2005−1118号公報
スクリーン印刷は、紙媒体への印刷のみならず、半導体装置や薄膜表示装置の電極材料、配線材料、半田ペースト、接着剤の付与等に多目的に使用されている。このためインク材としても種々のものが目的に応じて選択されているが、スクリーン印刷ではスクリーンの微細孔からインク材を被印刷物に付与するために、インク材は常温(室温)でペースト状のものでなければならない。したがって、ペースト状になる温度が60℃乃至80℃程度である、熱可塑性樹脂接着剤等のいわゆるホットメルトペーストをインク材として使用することは難しい。
上述したような温度制御を行う機能を有するスクリーン印刷機は常温で使用するインク材を対象としており、加熱可能温度がホットメルトペースト材の軟化温度よりも低いために使用するに好適ではない。
また、上述のようなラバーヒータを設けたスキージではスキージの冷却防止には有効であるが、ホットメルトペーストのインク材を溶融させる程の熱量を得ることは難しい。また、高温化によるラバーヒータの接着剥離やスキージの加熱変形等の不具合も生じ得る。
したがって、ホットメルトペーストをインク材としてスクリーン印刷機で被印刷物に付与することが出来るようになることが望まれる。また、簡易な構成で実現されることも望まれる。
よって、本発明は、軟化温度の比較的に高いインク材により高熱を付与して液状化(ペースト化)することを可能とする機能を備えたスクリーン印刷機のスキージを提供することを目的とする。
また、このようなスキージや補助加熱機構を備えてホットメルトペースト材をスクリーン印刷で使用可能としたスクリーン印刷機を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため本発明のスクリーン印刷機に用いられるスキージは、微細孔が形成されたスクリーンに線状に接して該スクリーンからインク材を押し出すスキージ部と、一端部側に上記スクリーン印刷機のホルダが取り付けられ他端部側に上記スキージ部が取り付けられる支持体と、を備え、上記支持体は支持体自体が通電によって発熱体として機能する平板状の導電体であり上記スキージ部を加熱する、ことを特徴とする。
かかる構成とすることによって、スキージとしての機械的強度を担っている支持部自体が発熱体となってインク材に接するスキージ部を直接加熱するのでスキージ部をより高温とすることができ、インク材をより高温に保つことが可能となる。また、支持部自体が発熱体となるので加熱機能を有するスキージを簡易な構造で得ることが出来る。
好ましくは、上記支持体には複数の給電点が設けられ、該支持体又は上記スキージ部には少なくとも1つの温度センサが設けられる。
かかる構成とすることによって、支持体の発熱領域全体としてあるいは支持体の各発熱領域毎に発熱温度を設定することが可能となる。また、複数の温度センサを用いて平均温度によりあるいは各領域毎の温度により各発熱領域の温度を設定(制御)することが可能となる。
好ましくは、上記スキージ部はその溝部に上記支持体の端部を挟持するように取り付けられて該支持体から直接加熱される。
かかる構成とすることによって、支持部とスクリーンとの間にスキージ部が挟まれて存在するので、加熱されて高温となっても支持部からスキージ部が剥離しにくい。また、支持部からの熱がスキージ部全体により均一に伝わりやすい。
好ましくは、上記支持体は、上記ホルダが取り付けられる一端部と上記スキージ部が取り付けられる他端との間に上記ホルダが取り付けられる一端部の厚さよりも支持体の厚さを薄くした薄厚部を備える。
かかる構成とすることによって、支持体の厚さを薄くした薄厚部で支持部材の所要の弾力性を得ることが可能となる。
好ましくは、上記支持体への給電点が上記支持体の薄厚部に設けられる。
かかる構成とすることによって、スキージ部に接する薄厚部の領域で発熱を促進することが可能となる。また、断面積を小さくすることによって導電体の抵抗値を相対的に高くすることが可能となる。
好ましくは、上記複数の給電点が上記支持体の薄厚部に上記スキージの延在方向に沿って配置される。
かかる構成とすることによって、支持体の薄厚部の領域に電流路を形成して比較的に高い抵抗値の部分で発熱を行うことが可能となる。
好ましくは、上記支持体は金属板である。金属によって支持部材を構成することにより、所要の剛性、弾力性、電気抵抗値を得ることが可能となる。金属には、鋼板、メッキ鋼板、ステンレス鋼板のいずれかを含む。鋼材は鉄を主成分とする合金である。
また、本発明のスクリーン印刷機は、上述した支持部自体を発熱体とする特徴を備えるスキージと、微細孔が形成されて上記スキージによる押圧によってインク材を該微細孔から被印刷物に付与するスクリーンと、上記スキージを保持し該スキージと上記スクリーンとを相対的に移動させるホルダ部と、上記被印刷物を載置するテーブルと、上記テーブルを加熱する電気ヒータと、上記スキージと上記電気ヒータに電源を供給し、両熱源の発熱量を制御して上記インク材の温度を調節する温度制御部と、を備える。
かかる構成とすることによって、インク材の温度を広範囲の温度でコントロールして印刷を行うスクリーン印刷機を得ることが可能となる。
好ましくは、上記インク材は60℃〜80℃で軟化するホットメルトペーストである。ホットメルトペーストをインク材として使用することが出来るので具合がよい。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。図1及び図2は、本発明に係るスクリーン印刷機用のスキージを示しており、図1はスキージ全体を概略的に示す斜視図、図2は、スキージをその長手方向に垂直な面で切断した断面図である。
両図に示すように、スキージ10は、左右方向に延在する平板状の支持体11と支持体11の下端部に取り付けられたスキージ部12とによって構成される。支持体11は、後述するスクリーン印刷機のホルダによって保持される肉厚部11aと、肉厚部11aの厚さよりも薄い薄厚部11bとによって構成される。スクリーンに接して移動するスキージの剛性は主に肉厚部11aにより、スキージの弾性は主に薄厚部11bによって得ることが出来る。
支持体11は、所要の剛性、弾力性を有するが、発熱体としても機能するために適度な抵抗値を有する導電体によって構成される。好適には、金属体が使用される。具体的には、鋼材が使用される。鋼材は鉄を主成分とする合金である。鋼材には、鋼板、メッキ鋼板、ステンレス鋼板、炭素鋼、合金鋼、ニッケル・クロム鋼、ニッケル・クロム・モリブデン鋼、クロム鋼、クロム・モリブデン鋼、マンガン鋼等の鉄を主成分とする合金が含まれ、支持部材の剛性、弾性、電気抵抗値等から適宜なものが選択される。
実施例では、支持体11に鋼材を使用し、肉厚部11aを3mm、薄厚部11bを1.5mmの厚さで構成しているが、これに限定されるものではなく、材質・サイズは適宜に選択することが出来る。また、後述するように電気抵抗値の調整の面からも薄厚部11bを設けると都合がよい。もっとも、所要の機械的特性と電気的特性が両立すれば肉厚部と薄厚部とを設けることなく平坦な板状体でスキージを構成しても良い。
スキージ部12は、例えばウレタンゴムによって構成され、支持体11の薄厚部11bの下端部を溝内に収めてコの字状に挟持するように取り付けられる。例えば、樹脂成型によって形成することが可能である。
図3は、上記スキージを使用するスクリーン印刷機100の概略を説明する説明図である。
同図に示すように、テーブル110の上に被印刷物120が載置される。被印刷物120は図示しないエア吸引などによってテーブル上に固定される。このテーブル110内には電気ヒータ130が配置されている。電気ヒータ130はテーブル110の載置面の温度をテーブル110に設けられた温度センサ140によって監視している温度制御部150によって制御される。温度制御部150による供給電力の制御によって被印刷物を所定の温度に保つ。
テーブル110上には、枠体160に保持されたスクリーン170が被印刷物120に離間して対向するように配置されている。スクリーン170は、微細孔による印刷パターンを有している。このスクリーン170の上面にインク材190をスクリーン170に押し当てるスキージ10が配置される。スキージ10はホルダ180によって保持され、図示しない移動機構によって図示の左右方向に移動される。図示の状態では、スキージ10のスキージ部の右側にインク材190が供給されている。スキージ10がスクリーン170上を右方向に移動することによって、インク材190に圧力が印加され、微細孔からインク材が被印刷物120に付与される。被印刷物120のインク材190は自然乾燥あるいは図示しない別工程で乾燥され、印刷が終了する。
この実施例のスキージ10はテーブル110と共に温度制御されている。スキージ10の温度は温度センサによって検出され、この温度を監視する温度制御部150がスキージ10への給電を制御する。温度制御部150はテーブル上面の温度とスキージ温度を制御してインク材190が適当なペースト状となる温度に設定する。温度制御部は150はCPU、内部記憶装置、外部記憶装置、通信インタフェース、入出力インタフェース等からなるコンピュータシステムによって構成されている。コンピュータシステムは公知のものが使用されるのその説明は省略する。
次に、スキージ10の温度制御の態様について図4及び図5を参照して説明する。
図4は、スキージの温度制御の第1の例を示しており、スキージ10のスキージ部12の中央部に温度センサ20が設けられている。温度センサ20は熱電対、サーミス等、適宜なものを使用することが出来る。温度センサ20の検出出力は温度制御部150に供給され、温度制御部150からこのスキージ10の薄厚部11bの左右両端部間に直流電流が供給される。温度制御部150には、予め使用インク材に対応してインク材の加熱温度が設定される。例えば、ホットメルトペーストのインク材の流動化温度60℃〜80℃に対応して65℃〜85℃内の値に設定する。もっとも、これに限定されるものではなく、各種のホットメルトインク材の融点に対応して適宜な加熱温度に設定される。温度制御部150はスキージ部12の検出温度と設定温度とを比較し、温度差に対応して給電電流(あるいは給電電圧)を調整し、スキージ部12の温度が設定加熱温度を維持するように温度制御を行う。温度制御部150は前述したようにテーブル110の温度性制御も行っている。発熱体となるスキージは金属であるため、高熱を発生し、高温に耐える。支持体11自体が発熱体であるのでラバーヒータを用いた場合のようにヒータが剥離することはない。
なお、加熱温度の上限はスキージ部12のウレタンゴムの耐熱温度によって決まる。スキージ部(ウレタンゴム)12が熱的ダメージを受けない範囲が実用的な加熱温度範囲となる。
上記実施例ではスキージ部12の中央部の温度を検出したが、スキージ10のいずれかの場所に温度センサを配置しても良い。当該部分の温度からスキージ部の温度を推定することが可能である。また、複数の温度センサをスキージ10に配置し、それらの平均温度に基づいて温度制御を行っても良い。
図5は、スキージの温度制御の第2の例を示しており、スキージ10の薄厚部11bの領域に等間隔で複数の給電点P1〜P6が設けられている。また、給電点P1〜P6で区切られた領域A〜Eに複数の温度センサ21〜25がそれぞれ配置されている。前述のように温度センサ20は熱電対、サーミス等、適宜なものを使用することが出来る。温度センサ21〜25の各検出出力はm本(5本)のリード線によって温度制御部150に供給され、温度制御部150から複数の給電点P1〜P6にn本(6本)の給電線によって直流電流(あるいは直流電圧)が供給され、領域A〜Eを個別に加熱することが出来ようになされている。
温度制御部150には、各領域において予め使用インク材に対応してインク材の加熱温度が設定される。例えば、ホットメルトペーストのインク材の流動化温度60℃〜80℃に対応して65℃〜85℃内の値に設定する。もっとも、これに限定されるものではなく、各種のホットメルトインク材の融点に対応して適宜な加熱温度に設定される。温度制御部150はスキージ部12の検出温度と設定温度とを比較し、温度差に対応して給電電流(あるいは給電電圧)を調整し、スキージ部12の温度が設定加熱温度を維持するように温度制御を行う。既述したように、温度制御部150はテーブルの温度制御も行っており、インク材を一定温度のペースト状態に保つことが可能となる。
この実施例では、スキージの各領域毎に温度制御を行うので全体としてより精密なスキージ部の温度制御を行うことが可能となる。
以上説明したように、本発明のスキージ及びスクリーン印刷機を使用することによって、取り扱いにより高温を必要とするホットメルトペースト材をインク材として使用することが出来るようになり、スクリーン印刷の適用範囲が広がって好都合である。
また、本発明のスキージは、スキージ部を支持する支持体自体が発熱するようにしたので簡易なスキージ構造でスキージからインク材への加熱を実現可能となる。また、支持体を金属とすることによってより高温の加熱が可能となって好都合である。
図1は、本願発明の実施例を示すスキージの斜視図である。 図2は、図1に示すスキージの断面図である。 図3は、実施例のスクリーン印刷機を説明する説明図である。 図4は、スキージの温度制御例を説明する説明図である。 図5は、スキージの他の温度制御例を説明する説明図である。
符号の説明
10 スキージ、11 支持部、11a 肉厚部、11b 薄厚部、12 スキージ部、20〜25 温度センサ、110 テーブル、120 被印刷物、150 温度制御部、170 スクリーン、180 スキージホルダ、190 ペースト状インク材

Claims (9)

  1. スクリーン印刷機に用いられるスキージであって、
    微細孔が形成されたスクリーンに線状に接して該スクリーンからインク材を押し出すスキージ部と、
    一端部側に前記スクリーン印刷機のホルダが取り付けられ他端部側に前記スキージ部が取り付けられる支持体と、を備え、
    前記支持体は支持体自体が通電によって発熱体として機能する平板状の導電体であり前記スキージ部を加熱する、ことを特徴とするスキージ。
  2. 前記支持体には複数の給電点が設けられ、該支持体又は前記スキージ部には少なくとも1つの温度センサが設けられる、ことを特徴とする請求項1に記載のスキージ。
  3. 前記スキージ部はその溝部に前記支持体の端部を挟持するように取り付けられて該支持体から直接加熱される、ことを特徴とする請求項1又は2に記載のスキージ。
  4. 前記支持体は、前記ホルダが取り付けられる一端部と前記スキージ部が取り付けられる他端との間に前記ホルダが取り付けられる一端部の厚さよりも支持体の厚さを薄くした薄厚部を備える、ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のスキージ。
  5. 前記支持体への給電点が前記支持体の薄厚部に設けられることを特徴とする請求項4に記載のスキージ。
  6. 前記複数の給電点が前記支持体の薄厚部に前記スキージの延在方向に沿って配置される、ことを特徴とする請求項2乃至4のいずれかに記載のスキージ。
  7. 前記支持体は金属板である、請求項1乃至5のいずれかに記載のスキージ。
  8. 請求項1乃至7のいずれかに記載のスキージと、
    微細孔が形成されて前記スキージによる押圧によってインク材を該微細孔から被印刷物に付与するスクリーンと、
    前記スキージを保持し該スキージと前記スクリーンとを相対的に移動させるホルダ部と、
    前記被印刷物を載置するテーブルと、
    前記テーブルを加熱する電気ヒータと、
    前記スキージと前記電気ヒータに電源を供給し、前記インク材の温度を制御する温度制御部と、を備えるスクリーン印刷装置。
  9. 前記インク材が摂氏60度以上で軟化するホットメルトペーストである、請求項8に記載のスクリーン印刷装置。
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