JP2009119482A - 溶接部特性に優れた電縫管の製造方法 - Google Patents

溶接部特性に優れた電縫管の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2009119482A
JP2009119482A JP2007293853A JP2007293853A JP2009119482A JP 2009119482 A JP2009119482 A JP 2009119482A JP 2007293853 A JP2007293853 A JP 2007293853A JP 2007293853 A JP2007293853 A JP 2007293853A JP 2009119482 A JP2009119482 A JP 2009119482A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
electric resistance
width end
taper
fin
welding
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2007293853A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5176495B2 (ja
Inventor
Kazuhito Kenmochi
一仁 剣持
Hiroyasu Yokoyama
泰康 横山
Takashi Sakata
坂田  敬
Kuniyasu Oishi
邦保 大石
Masahito Suzuki
雅仁 鈴木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JFE Steel Corp
Original Assignee
JFE Steel Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by JFE Steel Corp filed Critical JFE Steel Corp
Priority to JP2007293853A priority Critical patent/JP5176495B2/ja
Publication of JP2009119482A publication Critical patent/JP2009119482A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5176495B2 publication Critical patent/JP5176495B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Abstract

【課題】電縫管を製造するに際して、電縫溶接前の帯材の幅端部にテーパ形状を適切に付与することによって、溶接品質を良好に保持することができる溶接部特性に優れた電縫管の製造方法を提供する。
【解決手段】ロール成形のフィンパス成形を行なう際に一つのフィンパス成形スタンドで帯材の上面側の幅端部および下面側の幅端部の双方にテーパ形状を付与するともに、帯材幅端部同士を突き合わせる際のVシェープ角度を3°以上にして電縫溶接を行なう。
【選択図】図3

Description

本発明は、油井のラインパイプ向けなど溶接部の靭性が要求される電縫管、あるいは、油井のケーシングパイプなどの溶接部強度が要求される電縫管の製造方法に関わる。
通常、管は溶接管と継目無管に大別される。溶接管は、電縫鋼管を例とするように、板をロール成形等によって丸めて端部を突き合わせて溶接して製造し、継目無管は、材料の塊を高温で穿孔しマンドレルミル等で圧延して製造する。溶接管の場合、一般に溶接部の特性は母材より劣ると言われ、管の適用に当たって、用途ごとに溶接部の靭性や強度の保証が常に議論されて問題となってきた。
例えば、原油や天然ガスなどを輸送するラインパイプでは、管を寒冷地に敷設することが多いため低温靭性が重要であり、また、原油採掘の油井では採掘管を保護するためのケーシングパイプが必要とされ、管の強度が重要視される。
通常、管の母材となる熱延板(帯材、板材)は、管製造後の母材特性を考慮して成分設計や熱処理等が行われて、母材の靭性や強度等の特性が確保される。
しかし、溶接部の特性は、母材の成分設計や熱処理等以上に、電縫溶接方法によって大きく左右されるため、溶接技術の開発が重要であった。
電縫溶接の不良原因としては、ペネトレータと呼ばれる溶接板材の端面に生成する酸化物が、電縫溶接時に溶鋼とともに端面から排出されずに残留し、この残留したペネトレータを原因として靭性が低下し強度不足になる例が多かった。
そこで、従来、電縫溶接不良の主原因であるペネトレータを溶接部から除くため、溶接部の板幅端面から積極的に溶鋼を排出する技術が鋭意検討されてきた。例えば、特許文献1、2などに、板幅端面の形状について検討した例が記載されている。すなわち、通常、板の端面はスリットや端面研削によってほぼ矩形を呈しているが、この端面を電縫溶接前にテーパ形状に加工し、加工した端部形状によって電縫溶接時の溶鋼排出を良好にすることを特許文献1、2は目的としている。
その概要は以下の如くである。
すなわち、基本的な電縫管製造ラインは図1に示すようなものであり、この電縫管製造ラインは、帯材10を、アンコイラ1から払い出し、レベラー2で平坦に矯正し、ロール成形機4で帯材10をその幅端部が上部になるように徐々に丸めていき、丸めた帯材20の左右両幅端部同士を突き合わせ、誘導加熱部5とスクイズロール(電縫溶接部)6からなる電縫溶接機で電縫溶接して管30となし、管30の溶接ビード部をビード部切削機7で切削し、切削後の管30を、サイザー8にて外径調整した後、管切断機9で所定長さに切断するという構成を有している。なお、ロール成形機4は、最後段に丸めた板端部を拘束して真円に近い形状とする所定台数のフィンパス成形スタンド群3を備えており、ここでは、第1スタンド3aと第2スタンド3bよりなっている。
そして、特許文献1に記載の技術では、図4(a)に横断面図、図4(b)にその部分詳細図を示すように、フィンパス成形第1スタンド3aにおいて、管状に成形された帯材20の幅端部(板端部)の一部分をフィンパス孔型ロールのフィンに接触させることによって、図4(c)に示すように、管の内面側となる板端部にテーパ形状を付与するとともに、図4(d)に横断面図、図4(e)にその部分詳細図を示すように、フィンパス成形第2スタンド3bにおいて、帯材20の幅端部(板端部)の他の部分をフィンに接触させることによって、図4(f)に示すように、管の外面側となる板端部にテーパ形状を付与することで、X型開先を形成するようにしている。なお、フィンパス成形第1スタンド3a、第2スタンド3bにおけるフィンの角度は通常の1段階の角度である。
また、特許文献2に記載の技術では、図5(a)に横断面図を示すように、ロール成形工程の途中(フィンパス成形スタンド群の上流側)にエッジャロール11を設置し、そのエッジャロール11を用いて、管状に成形された帯材20の幅端部を圧下することによって、図5(b)に示すように、帯材20の幅端部全体にテーパ形状を付与するとともに、図5(c)に横断面図、図5(d)にその部分詳細図を示すように、フィンパス成形スタンド群3において、帯材20の幅端部の一部分をフィンパス孔型ロールのフィンに接触させることによって、図5(e)に示すように、管の外面側となる幅端部を垂直面に整形するようにしている。
特開昭57−31485号公報 特開昭63−317212号公報
しかし、特許文献1、2の方法では、電縫溶接前の材料(帯材、板材)の幅端部にテーパ形状を適切に付与することが困難であることが判明した。
すなわち、特許文献1の場合、前述したように、フィンパス孔型ロールのフィンの角度を1段階としておいて、そのフィンに材料幅端部(板幅端部、板端部)を一部分接触させて材料幅端部(板幅端部、板端部)にテーパ形状を付与する方法を採用している。しかし、本発明者らがこの方法を検討してみると、フィンパス成形のアプセット量を0からプラスに大幅に変更し、板端部の一部のみをフィンに接触させようとしても著しく困難なことが判明した。これは、板端部がわずかしか加工硬化していないために、板端部全体がフィン部に完全充満し易くて、板端部にフィンの形状がほぼ完全に転写されてしまうためである。また、アプセット量をマイナスにすると、板端部がフィンに全く接触しなくなり、一部分のみフィンに接触させることが著しく困難であることによる。
また、特許文献2の場合、前述したように、ロール成形工程の途中(フィンパス成形スタンドの上流側)に設置されたエッジャロールで材料幅端部(板幅端部、板端部)に傾斜した平滑面を付与した後、その一部のみをフィンパス孔型ロールでほぼ垂直にする方法を採用している。しかし、本発明者らが検討したところ、当該エッジャロールで板端部に傾斜した平滑面を付与するには、この特許文献2に記載されるとおり、管内面側(板上面側)が管外面側(板下面側)より径の大きいエッジャロールを用いて成形する必要があるが、管内面側の板端部がエッジャロールにより削り取られて、「ひげ」と称する余肉材が発生することがあって問題である。さらに、ロール成形される材料の断面方向には管を外側に開く大きな反力が作用するため、エッジャロールと板端部との圧力は必然的に小さくなる。その結果、特許文献1の場合と同様に、エッジャロールでの板端部の圧下では加工硬化しにくいまま、その後にフィンパス成形されて、フィンパス成形でのアプセット量を軽減したとしても材料がフィン部にほぼ充満するため、板端部に特許文献2に記載のようなテーパ形状を付与することは困難なことが確認された。
本発明は、上記のような事情に鑑みてなされたものであり、電縫管を製造するに際して、電縫溶接前の材料(帯材、板)の幅端部にテーパ形状を適切に付与することによって、溶接品質を良好に保持することができる溶接部特性に優れた電縫管の製造方法を提供することを目的とするものである。
上記課題を解決するために、本発明は以下の特徴を有する。
[1]帯材をロール成形し左右の幅端部同士を突き合わせて電縫溶接し管とする電縫管の製造方法において、ロール成形のフィンパス成形を行なう際に一つのフィンパス成形スタンドで帯材の上面側の幅端部および下面側の幅端部の双方にテーパ形状を付与するともに、帯材幅端部同士を突き合わせる際のVシェープ角度を3°以上にして電縫溶接を行なうことを特徴とする溶接部特性に優れた電縫管の製造方法。
[2]帯材の幅端部に付与するテーパ形状は、テーパの板厚方向に対する角度を25°〜50°とし、テーパの板厚方向の長さを板厚の20%〜45%とすることを特徴とする前記[1]に記載の溶接部特性に優れた電縫管の製造方法。
本発明は著しく良好な靭性および溶接強度を備えた電縫管を得ることができる。
前述したように、特許文献1、2においては、電縫溶接前の材料(帯材、板材)の幅端面にテーパ形状を付与する際に、フィンパス孔型ロールに材料を充満させずに、フィンに材料の幅端部の一部を押し当ててテーパ形状を付与する方法がとられていたが、その方法では、電縫溶接前の材料の幅端部にテーパ形状を適切に付与することが困難であることが判明した。
これに対して、本発明者らの検討によれば、フィンパス孔型ロールに材料の円周方向全周が充満しなくとも、材料がフィンパス孔型ロールに装入される際に、材料幅端部がフィンに強圧されて、材料幅端部がフィン部に完全充満することを把握した。すなわち、材料がフィンパス孔型ロールに装入される場合、フィンに接触した材料幅端部およびそのほぼ180°反対側に位置する材料幅中央部(管の底の部分)とが梁撓みの状態となって、断面を円弧形状に曲げようとする材料の反力が大きく作用して、たとえ材料がフィンパス孔型ロールに充満しなくとも、材料幅端部には円周方向に大きな圧縮力が作用し、その結果、材料幅端部はフィンに強圧されてフィンの形状がそのまま材料幅端部に転写されることを把握した。
そこで、本発明者らは、上記のように、材料幅端部がフィンパス孔型ロールにおいてフィンに強圧されることに着目して、この現象を材料幅端部へのテーパ形状の付与に積極的に活用することにした。すなわち、フィンパス孔型ロールにおいて、フィンに2段階以上のテーパを付与しておけば、フィンパス成形でのアプセット量が少なくとも0%以上であれば、材料幅端部に所望とするテーパ形状を充分付与できるわけである。
さらに、材料幅端部に容易にテーパ形状を付与するには、一つのフィンパス成形スタンドで板材の上面側と下面側(管の内面側と外面側)の双方の幅端部に付与すると良いことを見出した。
すなわち、複数のフィンパス成形スタンドを用いて、例えば、一方のスタンドで管の外面側の幅幅端部にテーパ形状を付与し、他のスタンドで内面側の幅幅端部にテーパ形状を付与すると、先にテーパ形状が付与された外面側幅端部に、後のスタンドにおいてドッグボーンが形成されて、目標とするテーパ形状を充分付与できない場合があるからである。
これに対して、一つのフィンパス成形スタンドで、材料幅端部の内面側と外面側に同時にテーパ形状を付与すると、このような問題がなく、安定してテーパ形状を付与することが可能になる。
なお、一つのフィンパス成形スタンドで材料幅端部の内面側と外面側に同時にテーパ形状を付与するには、3段階の角度を有するフィン形状とすればよい。ただし、3段階としたフィン形状のいずれかの角度がフィンパス孔型ロールの垂直方向より大きな角度になると、材料幅端部がフィンにより削り取られて、「ひげ」と称する余肉材が発生することがあり、フィンパス成形時に疵を発生させたり、電縫溶接のスパークの原因となったりするので、フィンの角度は垂直方向以下にしておくとよい。
ただし、上記のようにして電縫溶接前の板端部にテーパ形状を付与した場合でも、ペネトレータの元になる材料幅端面の酸化物は、電縫溶接の加熱とともに順次生成してくるため、電縫溶接条件によっては、材料幅端部のテーパ形状付与のみでは、電縫溶接後の靭性や強度を充分に向上できない場合が生じた。
そこで、本発明者らは、電縫溶接現象を詳細に観察し直した結果、電縫溶接において左右の材料幅端部同士を突き合わせる際のVシェープ角度に着目した。すなわち、溶鋼とともにペネトレータを有効に排出するためには、材料幅端部のテーパ形状だけではなく、Vシェープ角度が大きく影響することが判明した。
すなわち、電縫溶接において、左右の材料幅端部のVシェープ角度が変わると、溶鋼の排出状態が異なってくる。通常、電縫溶接直前の誘導加熱によって、材料幅端面の外面側および内面側のコーナに近い部分が優先的に加熱され、電縫溶接で材料幅端面が突き合わされるかなり手前から先に溶融が開始される。その結果、コーナ部のみが先に溶鋼が発生して蓋をしてしまい、材料幅端面の内部が後から溶融して発生した溶鋼が押し出されにくくなる。その結果、ペネトレータが排出されにくくなって残留し、溶接部の靭性または強度を低下させていた。
そこで、本発明者らは、電縫溶接の突き合わせまでの時間を短くして、材料幅端面のコーナに近い部分の加熱域をできるだけ短くすることを考えた。すなわち、材料幅端面のコーナに近い部分の加熱域が短くなると、コーナ部の溶鋼による蓋が形成される部分が少なくなり、材料幅端部の内部から発生した溶鋼が排出されやすくなって、ペネトレータが残留しにくくなるためである。つまり、電縫溶接の突き合わせ部分から上流側になるに従って、誘導電流が急激に弱まって加熱されにくくなり、反面、突き合わせ部分に近づくほど誘導電流が強まって急激に加熱されやすくなる。その結果、材料幅端面のコーナに近い部分の加熱域が短くなって、溶鋼が排出されやすくなりペネトレータが残留しにくくなるわけである。
したがって、材料幅端面のコーナに近い部分の加熱域をできるだけ短くするには、左右の材料幅端部のVシェープ角度を適切な大きさにすればよいことから、そのVシェープ角度の大きさについて鋭意検討したところ、材料幅端面にテーパ形状が付与されている場合は、Vシェープ角度が3°以上あれば、良好な靭性または強度が得られることがわかった。ただし、Vシェープ角度が大きくなりすぎると管の成形が不安定となり、材料幅端部同士の突き合わせ精度が不良となるため、できれば10°以下にするとよい。
また、フィンパス成形後の電縫溶接直前のテーパ形状について最適化を図った結果、垂線からの角度(テーパの板厚方向に対する角度)を25°〜50°とし、テーパ開始位置から終了位置までの垂線の長さ(テーパの板厚方向の長さ)を板厚の20%〜45%とすると良いことを把握した。
すなわち、垂線からの角度(テーパ角度)を25°未満とすると、板厚中央部からの溶鋼排出が不十分となってペネトレータが残留して不良となり、電縫溶接後の靭性や強度が低下し、垂線からの角度(テーパ角度)を50°超えとすると、電縫溶接後にもそのテーパ形状が製品の管の疵として残留し問題である。さらに、テーパ開始位置から終了位置までの垂線の長さ(テーパ高さ)について、板厚の20%未満であると、板厚中央部の溶鋼排出が不十分となってペネトレータが残留しやすくなり、板厚の45%を超えると、スクイズロールで挟んで電縫溶接した場合、左右の材料幅端部が上下にずれ易くて電縫溶接が正常にできず、製品としての管にすることできない場合が多々生じて問題であり、電縫溶接ができた場合でも、その後にテーパ形状が製品の管の疵として残留し問題である。
上記のような本発明の一実施形態を図面に基づいて以下に述べる。
本発明の一実施形態において用いる電縫管製造ラインは、前述の図1に示したものと同様である。すなわち、この電縫管製造ラインは、帯材10を、アンコイラ1から払い出し、レベラー2で平坦に矯正し、ロール成形機4で帯材10をその幅端部が上部になるように徐々に丸めていき、丸めて管状になった帯材20の左右両幅端部同士を突き合わせ、誘導加熱部5とスクイズロール(電縫溶接部)6からなる電縫溶接機で電縫溶接して管30となし、管30の溶接ビード部をビード部切削機7で切削し、切削後の管30をサイザー8にて外径調整した後、管切断機9で所定長さに切断するという基本構成を有している。
その上で、この実施形態においては、ロール成形機4は最後段に複数スタンド(例えば、第1スタンド3aと第2スタンド3b)からなるフィンパス成形スタンド群3を備えており、前述したように、その内の一つのスタンドにおいて、帯材20の幅端部の内面側と外面側の双方に所定のテーパ形状を付与できるようになっている。
例えば、図2(a)に断面図を示し、図2(b)にその部分詳細図を示すように、フィンパス成形スタンド群3の第2スタンド3bが、3段階のテーパ(1段目の傾斜部垂直長さδ、2段目のテーパ傾斜角度γ、3段目のテーパ傾斜角度α、3段目の傾斜部垂直長さβ)となったフィン形状を備えており、そのフィン形状を帯材20の幅端部に転写することによって、図2(c)に示すように、帯材20の外面側の左右両幅端部に、テーパ角度がαでテーパ高さがβのテーパ形状を付与し、帯材20の内面側の左右両幅端部に、テーパ角度がγでテーパ高さがψのテーパ形状を付与する。
そして、上記のようにして、外面側にテーパ角度αでテーパ高さβのテーパ形状が付与され、内面側にテーパ角度γでテーパ高さψのテーパ形状が付与された帯材20を、図3に示すように、Vシェープ角度θが3°以上となるようにして、電縫溶接を行なうようになっている。
これによって、電縫溶接部のペネトレータを充分排出することができ、著しく良好な靭性および溶接強度を備えた電縫管を得ることができる。
以下、実施例に基づいて説明する。
ここでは、板幅1920mm×19.1tmmの帯材(鋼帯)を用いて、φ600の電縫管を製造した。
そして、製造した電縫管の溶接部から試験片を切り出してシャルピー試験を行い、性能を評価した。シャルピー試験片は、管長手方向の相違する10点から1本ずつ、試験片長さ方向を管円周方向に平行にし、ノッチ長さ中心を溶接部肉厚中心位置として採取し、JIS5号の2mmVノッチ衝撃試験片として、−46℃での衝撃試験を行い、吸収エネルギー、脆性破面率を測定した。なお、吸収エネルギーは125J以上、脆性破面率が35%以下を性能許容範囲とした。
(本発明例1)本発明例1として、前述の実施形態に基づいて上記の電縫管を製造した。その際、3スタンドからなるフィンパス成形スタンド群の第3スタンドにおいて、帯材の外面側の左右幅端部にテーパ角度αが30°でテーパ高さβが5mm(板厚の26%)のほぼ直線上のテーパ形状を付与し、帯材の内面側の左右幅端部にテーパ角度γが30°でテーパ高さψが5mm(板厚の26%)のほぼ直線上のテーパ形状を付与するとともに、電縫溶接直前の帯材のVシェープ角度θが3°となるようにロール成形を調整して電縫溶接を行なった。
(本発明例2)本発明例2として、前述の実施形態に基づいて上記の電縫管を製造した。その際、2スタンドからなるフィンパス成形スタンド群の第1スタンドにおいて、帯材の外面側の左右幅端部にテーパ角度αが40°でテーパ高さβが8mm(板厚の42%)のほぼ直線上のテーパ形状を付与し、帯材の内面側の左右幅端部にテーパ角度γが40°でテーパ高さψが8mm(板厚の42%)のほぼ直線上のテーパ形状を付与するとともに、電縫溶接直前の帯材のVシェープ角度θが8°となるようにロール成形を調整して電縫溶接を行なった。
(従来例1)従来例1として、前述の特許文献1に基づいて上記の電縫管を製造した。その際には、2スタンドからなるフィンパス成形スタンド群の第1スタンドにおいて、まず、帯材の内面側幅端部を板厚方向のほぼ1/2までフィンに接触させて、テーパ角度を20°としたほぼ直線上のテーパ形状の付与を狙い、その後、第2フィンパス成形スタンドにおいて、帯材の外面側幅端部に板厚方向のほぼ1/2までのテーパ形状を付与することを狙ってフィンパス成形するとともに、電縫溶接直前の帯材のVシェープ角度θが1.5°となるようにロール成形を調整して電縫溶接を行なった。
(従来例2)従来例2として、前述の特許文献2に基づいて上記の電縫管を製造した。その際には、エッジャロールとフィンパス成形スタンドを用いて、帯材の内面側の幅端部にテーパ角度を20°としたほぼ直線上のテーパ形状の付与することを狙うとともに、電縫溶接直前の帯材のVシェープ角度θが2°となるようにロール成形を調整して電縫溶接を行なった。
これらの本発明例1、2と従来例1、2について、電縫溶接直前の帯材幅端部のテーパ形状を実測した結果と、製造後の電縫管の溶接部におけるシャルピー衝撃値と脆性破面率を測定した結果を表1に示す。
Figure 2009119482
表1より、本発明例1、2による電縫管は、溶接部の衝撃強度が高く脆性破面率が小さくて、靭性が良好であって、製品の信頼性が高い。これに対して、従来例1、2で製造した電縫管は、溶接部の衝撃強度が低く脆性破面率が大きくて、靭性が低下しており、製品の信頼性に乏しかった。フィンパス成形後の電縫溶接直前における帯材幅端部形状(テーパ形状)を比較すると、本発明例1、2の場合、帯材の内面側、外面側に所望するテーパ形状が付与されていたのに対して、従来例1、2では、いずれもテーパ形状が不足しており、フィンパス成形で板厚方向に平滑化されてしまったことが分かる。
これにより、本発明によって溶接部特性の良好な電縫管を製造できることが確認された。
本発明の一実施形態における電縫管製造ラインを示す図。 本発明の一実施形態における帯材幅端部へのテーパ形状の付与を示す図。 本発明の一実施形態における電縫溶接直前の帯材のVシェープ角度を示す図。 従来技術(特許文献1)を示す図。 従来技術(特許文献2)を示す図。
符号の説明
1 アンコイラ
2 レベラー
3 フィンパス成形スタンド群
3a フィンパス成形スタンド群の第1スタンド
3b フィンパス成形スタンド群の第2スタンド
4 ロール成形機
5 誘導加熱装置(コンタクトチップ)
6 スクイズロール(電縫溶接部)
7 ビード部切削機
8 サイザー
9 管切断機
10 帯材
20 管状に成形された帯材
30 管

Claims (2)

  1. 帯材をロール成形し左右の幅端部同士を突き合わせて電縫溶接し管とする電縫管の製造方法において、ロール成形のフィンパス成形を行なう際に一つのフィンパス成形スタンドで帯材の上面側の幅端部および下面側の幅端部の双方にテーパ形状を付与するともに、帯材幅端部同士を突き合わせる際のVシェープ角度を3°以上にして電縫溶接を行なうことを特徴とする溶接部特性に優れた電縫管の製造方法。
  2. 帯材の幅端部に付与するテーパ形状は、テーパの板厚方向に対する角度を25°〜50°とし、テーパの板厚方向の長さを板厚の20%〜45%とすることを特徴とする請求項1に記載の溶接部特性に優れた電縫管の製造方法。
JP2007293853A 2007-11-13 2007-11-13 溶接部特性に優れた電縫管の製造方法 Expired - Fee Related JP5176495B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007293853A JP5176495B2 (ja) 2007-11-13 2007-11-13 溶接部特性に優れた電縫管の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007293853A JP5176495B2 (ja) 2007-11-13 2007-11-13 溶接部特性に優れた電縫管の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2009119482A true JP2009119482A (ja) 2009-06-04
JP5176495B2 JP5176495B2 (ja) 2013-04-03

Family

ID=40812233

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007293853A Expired - Fee Related JP5176495B2 (ja) 2007-11-13 2007-11-13 溶接部特性に優れた電縫管の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5176495B2 (ja)

Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2007069425A1 (ja) * 2005-12-16 2007-06-21 Jfe Steel Corporation 溶接部特性に優れる電縫管の製造方法

Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2007069425A1 (ja) * 2005-12-16 2007-06-21 Jfe Steel Corporation 溶接部特性に優れる電縫管の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP5176495B2 (ja) 2013-04-03

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5055938B2 (ja) 溶接部特性の良好な電縫管の製造装置
WO2007069425A1 (ja) 溶接部特性に優れる電縫管の製造方法
JP4816015B2 (ja) 溶接部特性の良好な電縫管の高能率製造方法
WO2007055405A1 (ja) 溶接部特性の良好な電縫管の製造方法
AU2006349207B2 (en) Manufacturing equipment of electric resistance welding pipes having excellent characterization of welded seam
JP4720480B2 (ja) 溶接部特性の良好な電縫管の製造方法
JP5055848B2 (ja) 溶接部特性の良好な電縫管の製造方法
JP5176495B2 (ja) 溶接部特性に優れた電縫管の製造方法
JP4983201B2 (ja) 溶接部特性の優れた油井のラインパイプ向けまたは油井のケーシングパイプ向け電縫管製造方法
JP5194728B2 (ja) 溶接部特性に優れた電縫管の製造方法
JP4720479B2 (ja) 溶接部特性の良好な電縫管の高能率製造方法
JP5312735B2 (ja) 溶接部特性の良好な電縫管製造方法
JP2008110399A (ja) 溶接部特性の良好な電縫管製造方法
JP2009119484A (ja) 溶接部特性に優れた電縫管の製造方法
JP5055843B2 (ja) 溶接部特性の良好な電縫管の製造方法
JP5055823B2 (ja) 溶接部特性の良好な電縫管の高能率製造方法
JP5050479B2 (ja) 溶接部特性の良好な電縫管の製造装置
JP2008012582A (ja) 溶接部特性の良好な電縫管製造方法
JP2007090416A (ja) 溶接部特性の良好な電縫管製造方法
JP2007319869A (ja) 溶接部特性の良好な電縫管の高能率製造方法
JP2008030114A (ja) 溶接部特性の良好な電縫管の製造方法
JP5124937B2 (ja) 溶接部特性の良好な電縫管の製造方法
JP2007330983A (ja) 溶接部特性の良好な電縫管の製造方法
JP4682779B2 (ja) 溶接部特性の良好な電縫管製造方法
JP2007296538A (ja) 溶接部特性に優れる電縫管の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20100823

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20111220

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120207

RD03 Notification of appointment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423

Effective date: 20120321

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20120327

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120403

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20121211

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20121224

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5176495

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees