JP2009119340A - 液中レーザーアブレーションシステム - Google Patents

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Abstract

【課題】微細化したときの固形物粒子の大きさを均一に近づけると共に、連続的に大量の微粒化した固形物粒子を製造でき、且つ微細化以前の各粒子に対して、均一な回数レーザー光を照射することにより、微細化が不十分な粒子の生成すること、若しくは想定回数以上のレーザー光照射により、被照射有機物が熱変性することを防止する液中レーザーアブレーションシステムを提供すること。
【解決手段】固形物を液中に分散させた分散液を保持する流路のレーザー光照射部101aに、レーザー光源102より発振したレーザー光を照射させて、分散液中の固形物を微細化する液中レーザーアブレーションシステム100において、レーザー光照射部101aにおける流路1の一部に遮光部材2を有するレーザーアブレーション用流路を備えた。
【選択図】図9

Description

本発明は、液中に難溶性固形物(例えば、水中に難水溶性化合物)を分散させた分散液に対して、レーザー光源より発振したレーザー光を照射することによって該分散液中の固形物を微細化する液中レーザーアブレーションシステムに関するものである。
抗がん剤等の一部の医薬用有機化合物は、難水溶性のため細胞に吸収され難い。このような難水溶性医薬品の細胞取り込み効率を向上させるために、ごく最近になって、患部の細胞膜を通過し易い大きさにまで薬物を極微粒子化する技術の開発が行われてきている。即ち、癌細胞の細胞膜は、正常の細胞では通過できないおよそ50nm以上、200nm以下の大きさの粒子でも通過できることがわかってきており、かかる知見を利用して、この粒子範囲とされた薬物を癌細胞に選択的に供給する技術が、癌の治療方法として、有望視されつつある。
また、将来、薬物の粒子径を自在に調整することができれば、癌だけでなく他の病変についても各種薬物を、選択的に治療を要する部位に作用させることができることが可能となる。このような背景の下、近年、薬物の粒子範囲を調製するために、各種の極微粒子製造装置が提案されている。この極微粒子製造装置としては、例えば、ウェットボールミルと称せられる粉砕装置がある。この粉砕装置は、多数の金属製、又はセラミックス製、或いはプラスチック製のボールを、鍔状リングを有するローターと共に円筒容器に収納し、薬物をボールとローターの回転摩擦で粉砕する装置である。
また、有機化合物の極微粒子製造方法としてナノ秒或いはフェムト秒短パルスレーザービームを用いるものもある(例えば、特許文献1参照)。これは、透明容器中に水中懸濁された薬物に外部からパルスレーザー光を照射して薬物を水中粉砕するものであった。
レーザー光は良く知られているように、エネルギー密度が非常に高い。レーザーアブレーションとは、高強度のレーザー光を対象とする材料(固形物)に照射することにより、被照射領域の材料は急激に温度上昇する。急激な温度上昇により材料は急激に液化・気化する。より温度の高い内部の爆発的な体積膨張に伴い、材料がクラスター・イオンとなって表面に対して垂直方向に噴出する。それらクラスター・イオン等による薄膜の形成などは、半導体製造分野等に用いられる。これらレーザーアブレーションは、多くの場合、気体中(窒素若しくは大気中)または真空中で行われている。
また、液中において高強度のレーザー光を固形物に照射して、微細化する技術(液中レーザーアブレーション)は、液中に難溶性固形物を分散させた分散液に対して高強度のレーザー光を照射し、被照射物質である分散液中の固形物を微細化する技術として用いられている。液中でレーザーアブレーションする意義としては下記の事項が挙げられる。
(1)微細化された固形物が液中に保持され飛散しない。
(2)真空装置等の大掛かりな装置が不要である。
(3)液中であるため外部からの不純物の混入が防げる。
(4)固形物の周囲が液で覆われているため、不測で急激な温度上昇が生じにくい。
更に、一台のレーザー発信機からのレーザー光出力が、アブレーションに必要な出力に対して過大だった場合には、光路途中に減光板などを設置して所望のレーザー光出力が調整して用いられている。
特許文献1に開示されている液中レーザーアブレーションシステムは、石英セルなどの容器に微細化する対象の固形物の微粒子を分散させた分散液を入れ、スターラー等を用いて攪拌しながらバッチ方式で行っている。
特開2005−238342号公報
しかしながら、上述した従来の装置によって微細化できる限界は、およそ200nm以上とされており、十分に微細化できるものではなかった。また、ボールやローター材料が、薬物に混入したり、摩擦熱によって温度が上昇し薬物が変質したり、極微粒子粉に再凝集が生じて所望する程度に微細化できなかったり、微細化した極微粒子粉の大きさに非均質が生じたりしていた。
また、パルスレーザー光を薬物に照射するものは、容器ごとに処理をするもの、所謂バッチ式で行うものであるため、薬物が容器内の水溶液中で懸濁し、攪拌されている状態でレーザービーム照射を行うので、照射条件の制御が困難で均一且つ変質のない極微粒子の薬物を工業レベルで連続的に大量の極微粒子を生産するに適していなかった。
更に、従来からレーザーアブレーションに用いられるレーザー光源として、例えばNd3+:YAGレーザーを挙げると、このレーザー光源から出力されるレーザー光の照射面積は約φ6〜20mm程度しかない。よって従来の方法(例えば高さ×幅×光路長=50×10×10mmの石英セルを用いたバッチ式デバイス)においては、容器全体(水分散液全体)に一様にレーザー光を照射させることが困難である。
従来では、スターラーで石英セル内部の水分散液を攪拌しながら、規定時間のレーザー光を照射することによってレーザーアブレーション行っていた。しかし上述のように水分散液の一部分にしか照射されていないため、水分散液中の粒子に対する照射回数(若しくは照射時間)にばらつきが生じやすい。また、光路長が10mmと長いため、光照射上流側に位置した粒子により、下流側の粒子が陰になる現象が生じる。よって従来からのバッチ式では、分散液中の固形物粒子へのレーザー光照射回数(若しくは照射時間)を管理することが極めて困難であった。
レーザーアブレーションにおいては、アブレーション閾値以上のレーザー光出力が求められる。また、レーザー光出力が大き過ぎる場合においても、分散液中の固形物粒子が熱変性を起こすため望ましくない。そのためレーザー光源からのレーザー光出力が被照射部において所望値より大きい場合には、光路中に減光板等を設置して調整を試みる。ところが減光板を設置するということは、レーザー光を生じる際に用いたエネルギーを捨てることを意味するため、エネルギーの有効活用という面では好ましくない。
更にアブレーション開始初期には、数マイクロメートルスケールの大きな固形物粒子が比較的多いため、レーザー光出力をアブレーション閾値以上、且つ熱変性が生じない範囲(以下単に「アブレーション強度範囲」という)で、比較的大きくしてマイクロメートルスケールの大きな固形物粒子を迅速に微細化する。そしてアブレーションの進行に伴い大きな固形物粒子の減少、及びナノスケールの固形物粒子の増加に伴い、多数回(若しくは長時間)照射による熱変性を防止するためレーザー光出力を減少させるなどの制御も極めて困難である。
また、規定回数(若しくは時間)以上のレーザー光照射によって、ナノ化した微粒子の収率が減少する実験結果も散見される。よってレーザー光照射回数(若しくは照射時間)は、レーザーアブレーションにおいて極めて重要な要因の一つであり、その管理・制御を厳密に行う必要があるが、従来のバッチ式では上述の理由で極めて困難である。
また、バッチ方式とは異なった、連続フロー系によるレーザーアブレーション方式を用いれば、工業的に大量生産にも好適である。ここで連続フロー系とはポンプを用いて固形物粒子を分散した分散液を流路中に流し、予め決められた流路の一部をレーザー光の照射スポットとして分散液を流動状態のままレーザーアブレーションを行うことである。分散液を貯留する分散液貯留槽からポンプにより分散液を流路中に流しながら、レーザーアブレーションを行えば、理想的には分散液貯留槽に溜めた量の分散液を少ない人手で連続してレーザーアブレーションを処理することが可能である。
比較的安価なレーザーアブレーション用レーザー光源としてのNd3+:YAGレーザーでは、上記のようにレーザー光の照射面積はφ6〜20mm程度である。よって連続フロー系レーザーアブレーションに用いるレーザー光照射スポットに形成する流路幅及び流路深さ(代表寸法)は、mm若しくはμm寸法で製作することを余儀なくされる。代表寸法及び流速が小さいためRe数が小さく、粘性の影響が大きい。よってレーザー光照射スポットの流路では、境界層が急激に発達することが予測される。境界層の発達により、流路断面方向の流速分布が不均一になる。
速度分布が不均一であるため、分散液がレーザー光照射スポットを通過する通過時間にバラツキが生じる。よって境界層の発達は、分散液中の固形物粒子に対するレーザー光照射回数(若しくは時間)のバラツキの原因となる。従来から種々の境界層制御方法が提案されているが、いずれも数cm〜数mの代表寸法の流路への適用を想定したものである。上記流路幅及び深さの代表寸法が、数μm〜mmの寸法の流路においては、有効な境界層制御法は見当たらない。
本発明は上述の点に鑑みてなされたものであり、その目的は微細化したときの固形物粒子の大きさを均一に近づけることができると共に、連続的に大量の微粒化した固形物粒子を製造することができる液中レーザーアブレーションシステムを提供することにある。
また、本発明の他の目的は微細化以前の各粒子に対して、均一な回数(若しくは時間)レーザー光が照射されることにより、微細化が不十分な粒子の生成、若しくは想定回数(若しくは想定時間)以上のレーザー光照射により、被照射有機化合物が熱変性することを防止する液中レーザーアブレーションシステムを提供することにある。
上記課題を解決するため本発明は、固形物を液中に分散させた分散液を保持する流路のレーザー光照射部に、レーザー光源より発振したレーザー光を照射させて、分散液中の固形物を微細化する液中レーザーアブレーションシステムにおいて、レーザー光照射部における流路の一部に遮光部材を有するレーザーアブレーション用流路を備えたことを特徴とする。
また、本発明は上記液中レーザーアブレーションシステムにおいて、レーザー光照射部における流路内の流速分布を考慮して、流路の幅方向で前記レーザー光照射回数及び/又は照射時間が一様になるように、遮光部材の形状・遮光長さを決定したことを特徴とする。
また、本発明は、上記液中レーザーアブレーションシステムにおいて、流路の幅方向に対する遮光部材の長さ寸法が、流路の幅方向でレーザー光照射回数及び/又は照射時間が一様になるように、二次関数で近似される形状であることを特徴とする。
また、本発明は上記液中レーザーアブレーションシステムにおいて、流路を流れる液流量を流路断面積で除した平均流量の1/2以下の流速部分が上層、及び下層で重複していることを特徴とする。
また、本発明は、固形物を液中に分散させた分散液を保持する流路のレーザー光照射部に、レーザー光源より発振したレーザー光を照射させて、分散液中の固形物を微細化する液中レーザーアブレーションシステムにおいて、レーザー光照射部における流路はレーザー光の進行方向に対して多層化しており、且つ下層側に位置する流路の側壁がレーザー光の進行方向に対して直交する方向で上層側に位置する流路の側壁と重なっていることを特徴とする。
本発明に係る液中レーザーアブレーションシステムによれば、抗がん剤といった医薬用有機化合物等の固形物を、細胞膜を通過できるサイズである50nm以上、200nm以下の粒径の粒子へと微細化でき、且つ微細化した固形物粒子の大きさを均一に近づけることができると共に、連続的に大量の微細化された固形物粒子を製造することができる。
また、本発明によれば、微細化する前の各固形物粒子(一次固形物粒子)に対して、均一な回数(若しくは時間)レーザー光を照射することにより、微細化が不十分な固形物粒子の生成を防止し、更に想定回数(若しくは想定時間)以上のレーザー光照射によって被照射有機化合物が熱変性することを防止することが可能な固形物粒子を微細化するための液中レーザーアブレーションシステムを提供することができる。
更に、本発明によれば、レーザー光照射部において一様なレーザー光出力(フルエンス)が得られない場合においても、得られる粒子の品質の安定性を維持しながらレーザーアブレーションを行うことができる液中レーザーアブレーションシステムを提供することができる。
以下、本発明の実施の形態例を説明する。本願発明者が液中レーザーアブレーションシステムについて、鋭意研究した結果、全く新たに下記の事項を見出した。
レーザーアブレーションの成否は被照射有機化合物の吸収スペクトル分布と、照射するレーザー光波長に大きく依存する。
また、被照射粒子の熱変性を防止するためには、レーザー光波長と同様に照射するレーザー光出力や照射時間も重要な要因である。
レーザーアブレーションの前処理として超音波処理等を施した一次固形物粒子の粒径は、約100〜200μm程度である。
一次固形物粒子にレーザー光を照射することにより、吸光してレーザーアブレーションが生じ微細化される。
レーザーアブレーションによる微細化が理想的条件で行なわれた場合には、被照射有機化合物の分子構造等に影響は無く、物性は変化しない。
レーザーアブレーションにより微細化された固形物粒子(二次固形物粒子)とレーザーアブレーション前の一次固形物粒子において、照射レーザー光波長に対する吸光度も変化しない。
レーザー光から照射された光量子(フォトン)が、被照射有機化合物に吸光されることによりレーザーアブレーションが生じる。
ナノ化収率(レーザーアブレーションにより得られたナノ粒子の増加量)は、レーザー光出力が大きい程高くなる傾向がある。
また、超音波処理等を施した一次固形物粒子から、φ数百nmのナノ固形物粒子まで微細化するためには、一次固形物粒子に対して複数回(若しくは一定時間)のレーザー光照射が必要である。
レーザー光の照射条件を調整する方法として複数のレーザー光源を用いて切り替えることにより、被照射対象物である水分散液中の微粒子の状態に応じて、レーザー光出力を調整する方式等が挙げられる(例えば特開2005−334782号公報、特開2006−26503号公報)。
ところがこれら従来から用いられているようなバッチ方式では、レーザー光の照射面積に対して水分散液の容器が大きいためレーザー光照射回数(若しくは照射時間)を管理することが困難である。
また、レーザー光源が非常に高価であるため、レーザー光源を複数具備したシステムは極めて高価なシステムになる。
更に、所望のレーザー光照射条件に調整する制御機構が不可欠なため複雑なシステムになり易く、必然的に誤動作等の危険性が高くなる。
上記の従来技術以外にレーザー光照射回数(もしくは時間)をより簡単に規定できるシステムは見当たらない。
よって照射スポットがレーザー光照射領域に包括されて、アブレーション強度範囲内に分割された複数のレーザー光を用いて、それぞれのレーザー光を一様な流動状態の水分散液の照射スポットへ照射してレーザーアブレーションを行えば、効率的で安定した微細化を行えるレーザーアブレーションシステムを構築することが可能である。
上記事項を考慮して、本発明は、数μm〜数mmの代表寸法の流路において不可避な境界層の発達を加味して、多層化した流路を設計することにより、分散液中の固形物粒子へのレーザー光照射回数(若しくは照射時間)を一様に近づけるようにしたものである。
例えば、流路幅w:500μm、流路深さh:100μmの流路の該流路における水力直径dhは、
h=4×〔(w×h)/{(2×(w+h))}
=4×〔(500×10-6×100×10-6)/{(2×(500+100)×10-6)}
=166.7×10-6μm
となる。
上記の流路に流速v:0.5m/sで水を流動させたときのRe数は、
Re=dhv/v
=166.7×10-6×0.5/1.0×10-6
=83.4
となる。
通常の管内流等の内部流れ状態では壁面粗さ等にも影響されるが、Re数が1000より大きくならないと乱流には遷移しない。よって上記条件の流れは、層流流れ場であり境界層の発達も顕著であると予測される。
境界層の発達を確認するために、汎用熱流体解析ソフトSTAR−CDを用いて流れ解析を行った。解析モデル、及び解析条件を図1(モデル1)、及び図2(モデル2)に示す。モデル1は幅(X方向寸法)500μm、高さ(Z方向寸法)100μm、長さ(Y方向寸法)3000μmの流路を、モデル2は幅224μm、高さ224μm、長さ3000μmの流路をそれぞれ示す。なお、両モデルはいずれも上下壁および側壁は全てNoSlipとしている。ここでは作動流体として水を想定し、流路入口は速度0.5m/sの一様速度条件を規定する。その解析結果を図3〜図6に示す。
図3及び図4はモデル1(M1)の流路の流速分布を示す。図3(a)は流路の流入部の速度分布を、図3(b)は流路の流れ方向1/4部の速度分布を、図3(c)は流路の流れ方向中心部(1/2部)の流速分布を、図3(d)は流路の流出部の流速分布をそれぞれ示す。図4(a)は流路の幅方向中心部のY−Z平面の流速分布を、図4(b)は流路の高さ方向中心部のX−Y平面を示す。図中、Aは0.7800〜0.8450m/s、Bは0.7150〜0.7800m/s、Cは0.4550〜0.7150m/s、Dは0.0000〜0.4550m/s、Eは0.4550〜0.5200m/s、Fは0.1950〜0.5850m/sの流速範囲を示す。
図5及び図6はモデル2(M2)の流路の流速分布を示す。図5(a)は流路の流入部の速度分布を、図5(b)は流路の流れ方向1/4部の速度分布を、図5(c)は流路の流方向中心部(1/2部)の流速分布を、図5(d)は流路の流出部の流速分布をそれぞれ示す。図6(a)は流路の幅方向中心部のY−Z平面の流速分布を、図6(b)は流路の高さ方向中心部のX−Y平面を示す。図中、Aは0.8450〜0.9100m/s、Bは0.7800〜0.8450m/s、Cは0.4550〜0.7800m/s、Dは0.5850〜0.7150m/s、Eは0.4550〜0.5850m/s、Fは0.3250〜0.4500m/s、Gは0.1950〜0.3250m/s、Hは0.0650〜0.1300m/s、Iは000〜0.0650の流速範囲を示す。
モデル1(M1)及びモデル2(M2)いずれも流入口近傍より境界層が発達している。モデル1で流路入口より約0.3mm位置、モデル2では流路入口より役0.8mmの位置で境界層が発達し、それより下流側では定常な速度分布を呈している。よって、上記モデル1及び2のいずれを用いた場合においても、入口断面から出口断面までの液の通過時間は一様ではない。分散液中の固形物粒子が分散液と相対速度無しに流動すると仮定すると、分散液の速度の不均一は、分散液中の固形物粒子の通過時間の不均一となる。
図7及び図8はモデルの解析結果により得られたモデル高さ、及び幅方向中心断面の速度分布を示す図で、図7はモデル1(M1)の速度分布を、図8はモデル2(M2)の速度分布をそれぞれ示す。図7及び図8より、境界層の影響によって分散液が断面によって液の流速が異なるため、レーザー光照射スポットにおける通過時間が異なっていることがわかる。
上述のようにレーザーアブレーションにおいては、レーザー光照射面積の都合上、流路を数mm以下の寸法に製作せざるを得ない。境界層の影響による分散液中の粒子の通過時間不均一は、レーザーアブレーションにおけるレーザー光の照射回数(照射時間)の不均一となる。境界層の発達は不可避であり、それを起因とした速度分布の形成、及び通過時間の不均一を改善することは極めて困難である。
〔実施例1〕
図9は本発明に係る液中レーザーアブレーションシステムのレーザー光照射部における流路部の概略構成例を示す図である。ここでは流路として図2に示すモデル2(M2)を用いている。レーザー光照射部の流路1の流れ方向下流部分において、側壁近傍部分に光量子(フォトン)を通過させない遮光部材2を設けている。この遮光部材2は光量子が通過しないものであれば、テフロン(登録商標)、ステンレス、及びアルミ等、樹脂や高分子材料、若しくは金属材料等どのような材料でもよい。
境界層が充分に発達した断面の速度分布を図8に、レーザー光照射部の分散液流れ方向の長さを6mmと仮定した場合、図8に示すモデル2(M2)における流速分布を参考にして速度分布より算出したレーザー光照射部における分散液の通過時間を図10に示す(曲線B)。図10の流路における流速分布(曲線A)を参考に、レーザー光照射部の流路側壁に遮光部材2を設けたものを図9に示している。
遮光部材2でマスクした部分においてはレーザーアブレーションが生じないとして、照射部においてレーザー光が照射される(遮光部材2でマスクされていない部分を通過する)時間が一定になるために、解析結果をもとに遮光部長さを算出する。遮光部長さ、及び遮光部材2でマスクを施したことを考慮してレーザー光照射部通過時間を再計算したものを図11に示す。図11において、局線Aは遮光部長さを、直線Bは遮光後通過時間をそれぞれ示す。
図11により流路側壁に遮光部材を設け、通過時間を制御した流路を用いれば、分散液中の粒子へのレーザー光照射回数を一様化することが可能である。このようにレーザー光照射回数(若しくは照射時間)の一様化により、想定以上の回数(若しくは時間)のレーザー光照射による熱変性が防止可能となる。
上記のようにレーザー光照射回数(若しくは照射時間)の一様化により、想定以下の回数(若しくは時間)のレーザー光照射による固形物の微細化収率の低下を防止可能で、安定した高収率の条件でレーザーアブレーションを行うことが可能となる。
〔実施例2〕
図12は本発明に係る液中レーザーアブレーションシステムのレーザー光照射部における流路部の概略構成例を示す図で、図12(a)は平面図、図12(b)はA−A断面図である。図示するように、分散液が通過する流路10は3枚の石英ガラス板11、12、13を重ね合わせて構成されている。石英ガラス板12の円形状のレーザー光照射部(レーザー光照射スポット)14内下面には断面略半円状の凹状流路溝12aが所定の間隔でジグザグ状に形成されている。石英ガラス板13の円形状のレーザー光照射部(レーザー光照射スポット)14内下面には断面略半円状の凹状流路溝13aが石英ガラス板12の凹状流路溝12aと12aの間に位置するように所定の間隔でジグザグ状に形成されている。
3枚の石英ガラス板11、12、13を重ね合わせることにより、凹状流路溝12a、13aはそれぞれ閉ざされた流路となる。石英ガラス板12の凹状流路溝12aに実線矢印に示すように流入した分散液は該凹状流路溝12aに沿ってレーザー光照射部14内をジグザグ状に流れ、終端で石英ガラス板12に設けた貫通孔12bを通って、石英ガラス板13の凹状流路溝13aに破線矢印に示すように流入し、該凹状流路溝13aに沿ってレーザー光照射部14内をジグザグ状に流れ、終端から流出するようになっている。
上記構成のレーザー光照射部14の流路において、上層に位置する石英ガラス板13の凹状流路溝13aはレーザー光照射上流側に位置しているため、流路全体にレーザー光が照射される。下層に位置する石英ガラス板12の凹状流路溝12aはレーザー光照射下流側に位置しており、更に側壁の一部が上層の流路である凹状流路溝13aとレーザー光照射方向に直交する方向に重複している。よって下層部において境界層部分に照射されるレーザー光(フォトン、光量子)が低減されるため、分散液中の固形物粒子へのレーザー光照射回数を一様化することが可能となる。
図13は本発明に係る液中レーザーアブレーションシステムの概略構成例を示す図である。図13中、100は液中レーザーアブレーションシステム、101は液中レーザーアブレーションシステム用デバイス(以下、単に「デバイス」と言うこともある。)102はレーザー光源、103は分散液貯留槽、104はポンプ、105は分散液回収槽、106、107は流路、108はレーザー光をそれぞれ示している。デバイス101のレーザー光照射部101aには、図9に示すように流路1の側壁に遮光部材2を設け、分散液中の粒子へのレーザー光照射回数を一様化したレーザーアブレーション用流路、又は図12に示す上層及び下層の2層により構成されたレーザーアブレーション用流路(流路10)が設けられている。該レーザーアブレーション用流路の入口に流路106が接続され、出口に流路107が接続されている。
図13に示す液中レーザーアブレーションシステム100は、レーザー光源102から発振したレーザー光108をデバイス101に設けたレーザーアブレーション用流路を流動する分散液に照射することにより、分散液中の一次固形物粒子にレーザー光が照射され、該一次固形物粒子が微細化して微細固形物粒子(二次固形物粒子)とするシステムである。レーザー光源102は、デバイス101に設けたレーザーアブレーション用流路の受光部(レーザー光照射部101a)に対向し、所定間隔をおいて配置されている。
ここでレーザー光源102としては、エキシマレーザー、窒素レーザー、Arイオンレーザー、色素レーザー、半導体レーザー、チタンサファイヤレーザー、ガラスレーザー等が用いられる。
分散液貯留槽103は、デバイス101の前段に、流路106を介してデバイス101と接続され、微細化の対象物である固形物を液中に分散させた分散液に対して、超音波処理等を施した一次固形物粒子が分散する分散液を一時的に貯留するためのものである。この分散液貯留槽103は、固形物粒子の飛散を防止すると共に、外部からの不純物の混入を防止し、分散液の濃度を一定に保つために、密閉可能な構造とする。また、分散液貯留槽103内には分散液の濃度が局所的に不均一にならないように、スターラー等の攪拌装置(図示せず)を設け、分散液を攪拌することが好ましい。
ポンプ104は、分散液貯留槽103とデバイス101の間に設けられ、デバイス101に設けられたレーザーアブレーション用流路に分散液を供給するためのものである。ポンプ104としては、分散液の流量の調整が比較的容易なシリンジポンプ等の容積型ポンプが好適である。また、固形物を大量に微細化するためには、ターボ型ポンプが用いられるが、この場合、流路106にバルブ等の流量制御機構及び流量計等の流量管理機構が設けられる。
分散液回収槽105は、デバイス101の後段に、流路107を介してデバイス101に接続され、デバイス101のレーザーアブレーション用流路にてレーザー光108が照射された分散液を回収するためのものである。この分散液回収槽105は、一次固形物粒子が微細化された二次固形物粒子の飛散を防止すると共に、外部からの不純物の混入を防止するために、密閉可能な構造とする。この分散液回収槽105に回収された分散液は、次の工程に送られるまでの間、貯留される。
なお、液中レーザーアブレーションシステム100による固形物の微細化率(一次固形物粒子が二次固形物粒子に微細化される割合)が100%でない場合や、次工程において微細化前の粒径の大きな一次固形物粒子が存在してはならない場合には、デバイス101と分散液回収槽105の間に、微細化された二次固形物粒子と一次固形物粒子を分離する分離機構(図示せず)を設ける。また、この液中レーザーアブレーションシステム100では、分散液貯留槽103、流路106、流路107、及び分散液回収槽105の操作系を密閉系とすることができる。
次に、この液中レーザーアブレーションシステム100による固形物の微細化方法について説明する。先ず、対象とする有機化合物等の固形物を含む分散液を超音波処理し、一次固形物粒子を含む分散液を調製し、この分散液を分散液貯留槽103に収容する。ここで固形物を分散さる溶媒としては、微細化しようとする固形物を溶解せず、且つ、懸濁させることができるものが用いられ、例えば、水、アルコール等の水溶液、有機溶媒、油状液体などが挙げられる。また、溶媒としては、液体ヘリウムや液体窒素等の不活性液体又は準不活性液体を用いても良い。
上記不活性液体又は準活性液体を用いた場合、一次固形物粒子を微細化して二次固形物粒子とした後、直ちに溶媒を蒸発させて、微細化した二次固形物粒子を容易に回収することができると共に、レーザー光を照射したときの温度上昇を抑えることができるので、温度上昇による固形物の変質を防止できる。
液中レーザーアブレーションによる微細化の対象となる固形物としては、粒子状で、且つ、難溶性のものが挙げられ、例えば、難溶性の薬物等の有機化合物が挙げられる。また、分散液を調製する前に、固形物の粒径(一次固形物粒子の粒径)を予め1μm〜100μm程度にしておくことが好ましい。このようにすれば、微細化したときの固形物(二次固形物粒子)の粒径を略均一にすることができる。
また、一次固形物粒子を含む分散液の濃度は、固形物の種類(材質)、固形物の吸光度、デバイス101のレーザーアブレーション用流路を流動する分散液の流量、レーザー光108の照射面積、レーザー光源102の仕様などに応じて適宜調整される。
次いで、ポンプ104を駆動し、デバイス101のレーザーアブレーション用流路に、所定の流量で一次固形物粒子の分散した分散液を送出する。レーザーアブレーション用流路内における分散液の流量は、固形物の種類(材質)、固形物を含む分散液の濃度(分散液の単位体積中に含まれる固形物の量)、固形物の吸光度、レーザー光108の照射面積、レーザー光源102の仕様等に応じて適宜調整される。
次いで、デバイス101のレーザーアブレーション用流路内への分散液の流入を開始すると同時に、レーザー光源102から、レーザーアブレーション用流路の照射部へのレーザー光108の照射を開始する。レーザー光源102から発振するレーザー光108の波長は、微細化する固形物の吸収波長或いは多光子吸収の波長に応じて選択される。レーザー光108としては、例えば、紫外光レーザー光、可視光レーザー光、近赤外レーザー光、赤外レーザー光等が挙げられる。
紫外光レーザー光を用いる場合、エキシマレーザー(193nm、248nm、308nm、351nm)や、窒素レーザー(337nm)、YAGレーザーの3倍波及び4倍波(355nm、266nm)等が挙げられる。また、可視光レーザー光を用いる場合、YAGレーザーの2倍波(532nm)、Arイオンレーザー(488nm又は514nm)、その他の色素レーザーなどが挙げられる。更に、近赤外レーザー光を用いる場合、種々の半導体レーザー、チタンサファイヤレーザー、YAGレーザー、ガラスレーザー等が挙げられる。更にこれらのレーザー光と光パラメトリック発振器を用いて、紫外線から赤外線領域の任意の光を発振させてもよい。
また、レーザー光源102から発振されるレーザー光108は、パルスレーザー光が好ましい。レーザー光源102は、レーザー光108が発せられる点灯状態と、レーザー光108が発せられない消灯状態とを交互に繰り返し、間欠的にレーザー光108を発振することにより、パルスレーザー光を発振する。特に、レーザー光108の強度がパルス状に変化することが好ましい。以下、1つのパルスのレーザー光をパルス光と称する。パルスレーザー光を用いた場合、1つのパルス光によって1回の照射が行われる。
また、レーザー光源102から発振されるレーザー108の励起光強度Pは、1mJ/cm2〜1000mJ/cm2程度が好ましい。また、パルス光とパルス光との間の周期Tは、0.1Hz〜1000Hz程度が好ましい。ここで、パルス周期とは、ある一のパルス光の立ち上がりの時点から、該一のパルスと隣り合うパルス光の立ち上がりの時点までの時間、又はパルス光の立ち上がりの時点から、隣り合うパルス光の立ち下がりの時点までの時間をいう。更に、パルス光の各々のパルス幅sが、10フェムト秒〜1マイクロ秒程度が好ましい。なお、パルス幅とは、ある一のパルス光の立ち上がりの時点から、立ち下がりの時点までの時間をいう。
レーザー光源102から発振したレーザー光108を、分散液中の固形物粒子に照射することにより、固形物粒子の内部に急激な温度差が生じ、この温度差によって、固形物粒子に生じた内部応力によって固形物粒子が破砕して微細化する。次いで、レーザーアブレーション用流路にて微細化された粒子を含む分散液は、分散液回収槽105に送り込まれ、貯留される。
上記液中レーザーアブレーションシステム100では、デバイス101のレーザー光照射部101aに設けた一次固形物粒子を分散した分散液を流すレーザーアブレーション用流路に、図9に示すように流路1の一部に遮光部材2でマスクした流路を用いるので、この遮光部材2でマスクした部分ではレーザーアブレーションが生ぜず、他方マスクされていない部分ではレーザー光が照射されるので、一次固形物粒子へのレーザー光の照射時間を予め設定することができ、分散液中の固形物粒子へのレーザー光の照射回数を一様とすることが可能となる。
また、好適には、上記液中レーザーアブレーションシステム100において、レーザー光照射部101aにおける流路内の速度分布を考慮して、流路1の幅方向でレーザー光照射回数及び/又は時間が一様になるように、遮光部材2の形状・遮光長さが設定される。このように構成することで、分散液中の一次固形物粒子へのレーザー光の照射回数をより適切に一様となるように制御することが可能となる。
更に、好適には、上記液中レーザーアブレーションシステム100において、レーザー光照射部101aにおける流路1の幅方向に対する遮光部材2の長さ寸法が、流路1の幅方向でレーザー光照射回数及び/又は時間が一様になるように、二次関数で近似される形状となるように構成する。遮光部材の長さ寸法をこのように構成することでも、分散液中の固形物粒子へのレーザー光の照射回数をより適切に一様になるように制御することが可能となる。
更に、好適には、上記液中レーザーアブレーションシステム100において、レーザー光照射部101aにおける流路1を流れる液の流量を流路断面積で除した平均流量の1/2以下の流速部分が上層、及び下層で重複するように構成する。このようにすることでも、分散液中の固形物粒子へのレーザー光の照射回数をより適切に一様となるように制御することが可能となる。
更に、上記液中レーザーアブレーションシステム100において、レーザー光照射部101aにおける流路を図12に示すように多層化し、且つ下層側に位置する流路の側壁が上層側に位置する側壁とレーザー光の進行方向に直交する方向に重なるようにしてもよい。このように分散液が通る流路に、上層及び下層の2層に形成し、上層の流路(凹状流路溝13a)をレーザー光照射上流側に配置し流路全体にレーザー光を照射し、下層の流路をレーザー光照射下流側に配置し、更に側壁の一部が上層の流路とレーザー光照射方向に直交する方向に重複している構成を採用することにより、下層の流路(凹状流路溝12a)において境界層部分に照射されるレーザー光(フォトン、光量子)が低減されるため、分散液中の固形物粒子へのレーザー光照射回数を一様化することが可能となる。
上記構成の液中レーザーアブレーションシステム100では、分散液貯留槽103から送られる分散液中に含まれる一次固形物粒子を、デバイス101のレーザー光照射部101aの流路にてレーザー光を均一に照射し、迅速に微細化することができると共に、微細化された固形物粒子(二次固形物粒子)による流路の閉塞がなく、分散液回収槽105に送出することができる。従って、従来のバッチ式の液中レーザーアブレーションでは不可能であった、液中レーザーアブレーションによる固形物の微細化を連続的且つ効率的に行うことができる。
また、上記構成の液中レーザーアブレーションシステム100では、分散液貯留槽103、流路106、流路107、及び分散液回収槽105の操作系を密閉系とすれば、抗がん剤などの人体に対して悪影響を及ぼす物質を微細化する場合、この物質の飛散を防止し、安全に微細化することができる。
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲、及び明細書と図面に記載された技術的思想の範囲内において種々の変形が可能である。
流速分布の解析の流路モデル1を示す図である。 流速分布の解析の流路モデル2を示す図である。 モデル1の液流れ方向に対する直交断面の速度分布を示す図である。 モデル1の液流れ方向断面の速度分布を示す図である。 モデル2の液流れ方向に対する直交断面の速度分布を示す図である。 モデル2の液流れ方向断面の速度分布を示す図である。 モデル1における速度分布を示す図である。 モデル2における速度分布を示す図である。 本発明に係る液中レーザーアブレーション用流路の構成例を示す図である。 モデル2における流速分布、及び液通過時間を示す図である。 図9に示す流路における遮光部長さ、及びレーザー光照射部通過時間を示す図である。 本発明に係る液中レーザーアブレーション用流路の構成例を示す図である。 本発明に係る液中レーザーアブレーションシステムの構成例を示す模式図である。
符号の説明
1 流路
2 遮光部材
10 流路
11 石英ガラス板
12 石英ガラス板
13 石英ガラス板
14 レーザー光照射部
100 液中レーザーアブレーションシステム
101 液中レーザーアブレーションシステム用デバイス
101a レーザー光照射部
103 分散液貯留槽
104 ポンプ
105 分散液回収槽
106 流路
107 流路
108 レーザー光

Claims (5)

  1. 固形物を液中に分散させた分散液を保持する流路のレーザー光照射部に、レーザー光源より発振したレーザー光を照射させて、前記分散液中の固形物を微細化する液中レーザーアブレーションシステムにおいて、
    前記レーザー光照射部における前記流路の一部に遮光部材を有するレーザーアブレーション用流路を備えたことを特徴とする液中レーザーアブレーションシステム。
  2. 請求項1に記載の液中レーザーアブレーションシステムにおいて、
    前記レーザー光照射部における前記流路内の流速分布を考慮して、流路の幅方向で前記レーザー光照射回数及び/又は照射時間が一様になるように、前記遮光部材の形状・遮光長さを決定したことを特徴とする液中レーザーアブレーションシステム。
  3. 請求項1又は2に記載の液中レーザーアブレーションシステムにおいて、
    前記流路の幅方向に対する遮光部材の長さ寸法が、前記流路の幅方向でレーザー光照射回数及び/又は照射時間が一様になるように、二次関数で近似される形状であることを特徴とする液中レーザーアブレーションシステム。
  4. 請求項1乃至3のいずれか1項に記載の液中レーザーアブレーションシステムにおいて、
    前記流路を流れる液流量を流路断面積で除した平均流量の1/2以下の流速部分が上層、及び下層で重複していることを特徴とする液中レーザーアブレーションシステム。
  5. 固形物を液中に分散させた分散液を保持する流路のレーザー光照射部に、レーザー光源より発振したレーザー光を照射させて、前記分散液中の固形物を微細化する液中レーザーアブレーションシステムにおいて、
    前記レーザー光照射部における前記流路は、前記レーザー光の進行方向に対して多層化しており、且つ下層側に位置する流路の側壁が前記レーザー光の進行方向に直交する方向で上層側に位置する流路の側壁と重なっていることを特徴とする液中レーザーアブレーションシステム。
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