請求項1に記載の発明は、断熱区画された貯蔵室と、前記貯蔵室内にミストを噴霧させる霧化部を備えた霧化装置と、前記霧化装置へ電圧を印加する電圧印加部と、出力検出手段と、前記霧化部の霧化状態を判定する霧化状態判定手段とを有し、前記霧化部においてミストが噴霧されている状態では、前記霧化状態判定手段によって前記霧化部の霧化状態を常時監視しているものであって、前記霧化部の霧化状態を判定する霧化状態判定手段を備え、前記霧化状態判定手段によって判定した信号によって前記霧化部の動作を制御することにより、霧化部の霧化状態を的確に把握した上で、霧化部の動作を制御することによって、適切な霧化を実現することができるので霧化装置を備えた冷蔵庫の品質をより向上させることができる。
また、霧化状態を判定することで冷蔵庫にとって異常な霧化を防ぎ、常に適切な噴霧量の霧化が行えるので、霧化装置の動作による貯蔵室内の温度上昇抑制や消費電力の低減、省エネルギーが可能となる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の冷蔵庫において、霧化状態判定手段によって検出した信号が、あらかじめ決められた規定範囲に入っている場合は霧化部において適正な噴霧が行われていると判定し、前記規定範囲外の場合には適正な霧化が行われていないと判定することで、適正な状態時にのみ、霧化部を継続動作させることが可能となり、霧化装置の誤動作の防止や故障検知、過剰噴霧防止や、霧化装置の動作による貯蔵室内の温度上昇抑制、さらに消費電力が低減できる。
請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の発明の冷蔵庫において、霧化状態判定手段で前記霧化部において適正な噴霧が行われていないと判定した時に、電圧印加部への通電を停止するものであり、霧化部において適切な噴霧を維持することが可能となり、余分な消費電力を低減することができる。
また、過剰噴霧状態になっても電圧印加部への高電圧の停止を行うので、貯蔵室内に結露が付着することを防止することができる。
請求項4に記載の発明は、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の発明の冷蔵庫に加えて、霧化状態判定手段が動作するタイミングを設定する判定タイミング設定手段を有し、電圧印加部への通電を停止している場合に、前記判定タイミング設定手段からの信号によって、前記霧化状態判定手段が霧化部の霧化状態を判定し、前記霧化状態判定手段によって判定した信号が規定範囲に入るまで、設定された判定タイミングで前記霧化部の状態を判定することで、霧化が行われていない場合に、霧化が再開されるようになるまでタイミング設定手段によって無駄なく的確なタイミングで繰り返し霧化状態の判定を行った上で、その結果を霧化部の動作に反映するといった霧化状態のフィードバック制御を行うことにより霧化部の噴霧精度を向上させ、適切な噴霧量のミスト噴霧を実現することができる。
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の発明の冷蔵庫において、判定タイミング設定手段が、冷蔵庫の霧化部を備えた貯蔵室内の環境が変わることが推定される場合に、霧化状態判定手段が霧化部の霧化状態を判定する判定タイミングを設定するものであって、冷蔵庫の貯蔵室特有の環境の変化(例えば風の流れが変わる時や温度変化が生じる時等)を事前に推測して、より的確なタイミングで霧化状態の判定を行った上で、その結果を霧化部の動作に反映するといった霧化状態のフィードバック制御を行うことにより、霧化部の噴霧精度を向上させ、適切な噴霧量のミスト噴霧を実現することができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明するが、従来例または先に説明した実施の形態と同一構成については同一符号を付して、その詳細な説明は省略する。なお、この実施の形態によってこの発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1における冷蔵庫を左右に切断した場合の左側の縦断面を示す縦断面図である。図2は、同実施の形態の冷蔵庫における野菜室とその周辺部の扉を外して見た場合の要部正面図である。図3は、図2のA−A線断面図である。図4は、同実施の形態における冷蔵庫の機能ブロック図である。図5(a)は、同実施の形態の冷蔵庫における静電霧化装置の放電電圧と放電電流との関係を示す特性図であり、図5(b)は放電電流値と出力検出手段との関係と霧化部の状態との相関を示す特性図である。図6は、同実施の形態の冷蔵庫の動作の一例を示すタイミングチャートである。図7は、同実施の形態の冷蔵庫の制御の一例を示すフローチャートである。
図1から図7において、冷蔵庫100の断熱箱体101は、主に鋼板を用いた外箱102と、ABSなどの樹脂で成型された内箱103と、外箱102と内箱103との間の空間に充填発泡される例えば硬質発泡ウレタンなどの発泡断熱材とからなり、周囲と断熱し、複数の貯蔵室に区分されている。
最上部に第一の貯蔵室としての冷蔵室104が設けられ、その冷蔵室104の下部に左右に並んで第四の貯蔵室としての切換室105と第五の貯蔵室としての製氷室106が横並びに設けられ、その切換室105と製氷室106の下部に第二の貯蔵室としての野菜室107が設けられ、そして最下部に第三の貯蔵室としての冷凍室108が配置される構成となっている。
冷蔵室104は、冷蔵保存のために凍らない温度を下限に通常1℃〜5℃とし、野菜室107は、冷蔵室104と同等もしくは若干高い温度設定の2℃〜7℃としている。冷凍室108は、冷凍温度帯に設定されており、冷凍保存のために通常−22℃〜−15℃で設定されているが、冷凍保存状態の向上のために、例えば−30℃や−25℃の低温で設定されることもある。切換室105は、1℃〜5℃で設定される冷蔵温度帯、2℃〜7℃で設定される野菜用温度帯、通常−22℃〜−15℃で設定される冷凍温度帯以外に、冷蔵温度帯から冷凍温度帯の間で予め設定された温度帯に切換えることができる。切換室105は製氷室106に並設された独立扉を備えた貯蔵室であり、引出し式の扉を備えることが多い。
なお、本実施の形態では、切換室105を、冷蔵、冷凍の温度帯までを含めた貯蔵室としているが、冷蔵は、冷蔵室104、野菜室107、冷凍は、冷凍室108に委ねて、冷蔵と冷凍の中間の上記温度帯のみの切換えに特化した貯蔵室としても構わない。また、特定の温度帯に固定された貯蔵室でもかまわない。
製氷室106は、冷蔵室104内の貯水タンク(図示せず)から送られた水で室内上部に設けられた自動製氷機(図示せず)で氷を作り、室内下部に配置した貯氷容器(図示せず)に貯蔵する。
断熱箱体101の天面部は、冷蔵庫100の背面方向に向かって階段状に凹みを設けた形状であり、この階段状の凹部に機械室101aを形成して圧縮機109、水分除去を行うドライヤ(図示せず)等の冷凍サイクルの高圧側構成部品が収容されている。すなわち、圧縮機109を配設する機械室101aは、冷蔵室104内の最上部の後方領域に食い込んで形成されることになる。
手が届きにくくデッドスペースとなっていた断熱箱体101の最上部の貯蔵室(冷蔵室104)後方領域に機械室101aを設けて圧縮機109を配置することにより、従来の冷蔵庫では、断熱箱体101の最下部にあった機械室のスペースを貯蔵室容量として有効に転化することができ、使用者が使いやすい収納性や使い勝手を大きく改善することができる。
なお、本実施の形態における、以下に述べる発明の要部に関する事項は、従来一般的であった断熱箱体101の最下部の貯蔵室後方領域に機械室を設けて、そこに圧縮機109を配置するタイプの冷蔵庫に適用しても構わない。
野菜室107と冷凍室108の背面には冷気を生成する冷却室110が設けられ、野菜室107と冷却室110の間もしくは冷凍室108と冷却室110との間には、断熱性を有する各室への冷気の搬送風路と、各室と断熱区画するために構成された奥面仕切壁111が構成されている。
冷却室110内には、冷却器112が配設されており、冷却器112の上部空間には強制対流方式により冷却器112で冷却した冷気を冷蔵室104、切換室105、製氷室106、野菜室107、冷凍室108に送風する冷却ファン113が配置され、冷却器112の下部空間には、冷却時に冷却器112やその周辺に付着する霜や氷を除霜するためのガラス管製のラジアントヒータ114が設けられ、さらにその下部には除霜時に生じる除霜水を受けるためのドレンパン115、その最深部から庫外に貫通したドレンチューブ116が構成され、その下流側の庫外に蒸発皿117が構成されている。
野菜室107には、野菜室107の引出し扉118に取り付けられたフレームに載置された下段収納容器119と、下段収納容器119の上に載置された上段収納容器120が配置されている。
引出し扉118が閉ざされた状態で主に上段収納容器120を略密閉するための蓋体122が、野菜室107の上部に備えられた第一の仕切壁123及び内箱103に保持されている。引出し扉118が閉ざされた状態で蓋体122と上段収納容器120の上面の左右辺、奥辺が密接し、上面の前辺は略密接している。さらに、上段収納容器120の背面の左右下辺と下段収納容器119の境界部は、上段収納容器120が稼働する上で接触しない範囲で食品収納部の湿気が逃げないよう隙を詰めている。
蓋体122と第一の仕切壁123の間には、奥面仕切壁111に構成された野菜室107用の吐出口124から吐出された冷気の風路が設けられている。また、下段収納容器119と下段収納容器119の下の第二の仕切壁125との間にも空間が設けられ冷気風路を構成している。野菜室107の背面側に備えられた奥面仕切壁111の下部には、野菜室107内を冷却し熱交換された冷気が冷却器112に戻るための野菜室107用の吸込口126が設けられている。
なお、本実施の形態における、以下に述べる発明の要部に関する事項は、従来一般的であった扉に取り付けられたフレームと内箱に設けられたレールにより開閉するタイプの冷蔵庫に適用しても構わない。
奥面仕切壁111は、ABSなどの樹脂で構成された奥面仕切り部表面151と風路や冷却室110を隔離、断熱性を確保するための発泡スチロールなどで構成された断熱材152で構成されている。ここで、奥面仕切壁111の貯蔵室内側の壁面の一部に他の箇所より低温になるように凹部を設け、その箇所にミストを噴霧させる霧化部139を有する霧化装置である静電霧化装置131が埋設されている。
また、断熱材152に設けられた風路には、各貯蔵室を冷却する冷気を調整するためのダンパ145が埋設されている。
静電霧化装置131は、主に霧化部139、電圧印加部133、外郭ケース137で構成され、外郭ケース137の一部には、噴霧口132と湿度供給口138が構成されている。霧化部139には霧化電極135が設置され、霧化電極135はアルミニウムやステンレスなどの良熱伝導部材である冷却ピン134に熱的に直接的または間接的に固定されている。
冷却ピン134は、外郭ケース137に固定され、冷却ピン134自体は外郭から突出して構成されている。また、霧化電極135に対向している位置で貯蔵室側にドーナツ円盤状の対向電極136が、霧化電極135の先端と一定距離を保つように取付けられ、その延長上に噴霧口132が構成されている。
さらに、霧化部139の近傍に電圧印加部133が構成され、高電圧を発生する電圧印加部133の負電位側が霧化電極135と、正電位側が対向電極136とそれぞれ電気的に接続されている。たとえば、霧化電極135には基準電位であるグランド(0V)、対向電極136には4〜10kVの高電圧が印加されている。
電圧印加部133は、冷蔵庫100の制御手段146と通信/制御され、冷蔵庫100の制御手段146の入力信号によって、高電圧のON/OFFを行うことで、霧化装置である静電霧化装置131の動作を制御する。
制御手段146は、冷蔵庫100の周囲温度を検知する外気温度検出手段148と、時間をカウントするタイマー157と、冷蔵庫100の貯蔵室内(冷蔵室104、野菜室107、冷凍室108など)の庫内温度を検出する庫内温度検出手段150と、冷却量や風の流れを調節するダンパ145から信号を入力し、静電霧化装置131の動作/停止や貯蔵室の温度調節や庫内表面の結露を防止するための結露防止ヒータ155の動作/停止の判断する制御を備えている。
また、制御手段146では、電圧印加部133の高電圧を印加、又は高電圧の停止の動作信号を出力し、その信号により、電圧印加部133に高電圧が印加状態、又は高電圧が停止状態となる。その状態時に、電圧印加部133に接続された霧化電極135と対向電極136との間に流れる電流値(放電電流)又は、印加される電圧値(放電電圧)を検出して、アナログ信号もしくはデジタル信号として、出力検出手段158に入力する。
そして、その入力信号をもとに、霧化状態判定手段156で、正常動作状態(霧化発生状態、水がない状態、過剰結露状態等)、又は異常動作状態(回路故障、霧化電極135の凍結等)を判定し、電圧印加部133への高電圧を印加、又は高電圧の停止を判断するフィードバック制御を備えている。
なお、静電霧化装置131を固定している奥面仕切り部表面151には、貯蔵室の温度調節をする、もしくは表面の結露を防止するための結露防止ヒータ155が奥面仕切り部表面151と断熱材152の間に設置されている。冷却器112の前方にはカバー153があり、野菜室107の奥ではカバー153と奥面仕切壁111との間に冷凍室108の吐出風路141がある。
以上のように構成された冷蔵庫100について、以下その動作、作用を説明する。
まず、冷凍サイクルの動作について説明する。庫内の設定された温度に応じて制御基板(図示せず)からの信号により冷凍サイクルが動作して冷却運転が行われる。圧縮機109の動作により吐出された高温高圧の冷媒は、凝縮器(図示せず)である程度凝縮液化し、さらに冷蔵庫100の側面や背面、また冷蔵庫100の前面間口に配設された冷媒配管(図示せず)などを経由し冷蔵庫100の結露を防止しながら凝縮液化し、キャピラリーチューブ(図示せず)に至る。その後、キャピラリーチューブでは圧縮機109への吸入管(図示せず)と熱交換しながら減圧されて低温低圧の液冷媒となって冷却器112に至る。
ここで、低温低圧の液冷媒は、冷却ファン113の動作により搬送する冷凍室108の吐出風路141などの各貯蔵室内の空気と熱交換され、冷却器112内の冷媒は蒸発気化する。この時、冷却室110内で各貯蔵室を冷却するための冷気を生成する。
冷却室110内で生成された低温の冷気は、冷却ファン113から冷蔵室104、切換室105、製氷室106、野菜室107、冷凍室108に冷気を風路やダンパ145を用いて分流させ、それぞれの目的温度帯に冷却する。
冷蔵室104は、冷蔵室104に設けた温度センサ(図示せず)により、冷気量をダンパ145により調整され、目的温度に冷却されている。特に、野菜室107は、冷気の配分や加熱手段(図示せず)などのON/OFF運転により、2℃から7℃になるように調整され、一般的には庫内温度検出手段150を持たないものが多い。
野菜室107は、冷蔵室104を冷却した後、その空気を冷却器112に循環させるための冷蔵室戻り風路140の途中に構成された野菜室107用の吐出口124から野菜室107に吐出し、上段収納容器120や下段収納容器119の外周に流し間接的に冷却し、その後、野菜室107用の吸込口126から再び冷却器112に戻る。
奥面仕切壁111の比較的高湿度環境である箇所の一部について、断熱材152が、他の箇所より壁厚が薄く、特に、冷却ピン134の後方の断熱材152の厚みは10mm以下で構成されている。これにより、奥面仕切壁111は凹部が構成され、この箇所に静電霧化装置131が取り付けられている。
冷却ピン134の背面にある冷凍室108の吐出風路141には、冷却システムの運転により冷却器112で生成し、冷却ファン113により−15〜−25℃程度の冷気が流れ、風路表面からの熱伝導で冷却ピン134が例えば0〜−10℃程度に冷却される。このとき、冷却ピン134は、良熱伝導部材であるため、冷熱を非常に伝えやすく、霧化電極135も0〜−10℃程度に冷却される。
ここで、野菜室107は2℃から7℃で、かつ野菜などからの蒸散により比較的高湿状態であるので、霧化電極135は露点温度以下となり、噴霧先端部である霧化電極135の先端を含め、霧化電極135には水が生成、付着する。
水滴が付着した霧化電極135に負電圧側、対向電極136を正電圧側として、電圧印加部133から、この電極間に高電圧(たとえば、霧化電極135を0V(GND)、対向電極136を4〜10kV)を印加させることで、静電霧化装置131の動作を開始する。
このとき霧化電極135と対向電極136との間でコロナ放電が起こり、霧化電極135の噴霧先端部に付着した水滴(本実施の形態では空気中の水分が結露した水滴)が、静電エネルギーにより微細化され、さらに液滴が帯電しているためレイリー分裂により数nmレベルの目視できない電荷をもったナノレベルの微細ミストと、それに付随してオゾンやOHラジカル、酸素ラジカルなどが発生する。
電極間に印加する電圧は、4〜10kVと非常に高電圧であるが、そのときの放電電流値は数μAレベルであり、入力としては0.5〜1.5Wと非常に低入力であり、適正な噴霧が行われている。
このようにして霧化電極135で発生したナノレベルの微細ミストが霧化部139から噴霧されるとき、イオン風が発生する。このとき、湿度供給口138より、新たに高湿な空気が霧化部139に流入するため、連続して噴霧することができる。
さらに、発生した微細ミストは、イオン風にのって下段収納容器119内に噴霧され、非常に小さい微粒子のため拡散性があり、上段収納容器120にも微細ミストは到達する。噴霧される微細ミストは、高圧放電で生成されたため、マイナスの電荷を帯びている。
野菜室107内には、青果物である野菜の中でも緑の菜っ葉ものや果物等も保存されており、これらの青果物は蒸散あるいは保存中の蒸散によってより萎れやすいものである。野菜室107内に保存されている野菜や果物の中には、通常、購入帰路時での蒸散あるいは保存中の蒸散によってやや萎れかけた状態のものが含まれており、プラスの電荷を持つ。よって、霧化されたミストは、野菜の表面に集まりやすく、これにより保鮮性が向上する。
また、野菜表面に付着したナノレベルの微細ミストは、多数のOHラジカルを有することでマイナスの電荷を帯びていることに加え、微量ではあるがオゾンなどを多く含んでおり、抗菌、除菌などに効果があり、貯蔵室に収納された野菜の鮮度保持をより高めることができる。また、他にもマイナスの電荷を帯びたミストが野菜の表面に付着することで、野菜の表面に付着した農薬等の有害物質を浮かしたり、ミスト内へ取り込むことで除去を容易にしたりすることができ、さらに酸化分解による農薬除去効果を奏することができる。また、野菜へミストの刺激を与えることによって、抗酸化作用が起こり、ビタミンC量などの栄養素の増加を野菜に促す効果も有する。
冷蔵室104は、先述のようにダンパ145により目的温度帯になるように制御されている。すなわち、冷蔵室104が目的温度より高いとき、ダンパ145を開放し、より冷たい冷気を導入することで冷蔵室104を冷却する。その動作に応じて、野菜室107には冷蔵室104を冷却した後の比較的乾いた空気が冷蔵室戻り風路140を通して、野菜室107用の吐出口124から流れ込み、野菜室107を冷却する。このように、本実施の形態においては、野菜室107にはダンパ145を備えず、冷蔵室104から冷気が流れ込むことによって、野菜室107内が冷却される。
この時、冷却ピン134は、野菜室107の背面側に断熱材152によって区画された−15〜−20℃程度の冷気が流れる冷凍室108の吐出風路141側から断熱材152を介して冷却されている。このように、野菜室107の温度に対して冷却ピン134の温度が非常に低くなるように冷却することによって、冷却ピン134には野菜室107内の空気中の水分が結露する構造としている。
このとき、野菜室107内の環境によっては、霧化電極135は過剰に結露していることがありえるが、その場合には、ダンパ145で制御されている比較的乾いた冷蔵室104からの戻り空気を利用して、霧化電極135に過剰に結露した水滴を乾燥させ、適切な結露量にすることで霧化電極135を霧化可能な状態に制御する。
一般に、冷蔵室104内の冷気に比べて野菜室107の冷気は、高湿度であり、冷蔵室104から流れ込む冷気は、野菜室107内においては比較的乾いた空気である為、本実施の形態では冷蔵室104から流れ込む冷気を霧化電極135の乾燥に用いている。
このように、冷気の風路において、野菜室107より上流に位置する冷蔵室104のダンパ145の開閉によって、野菜室107内の風の流れおよび雰囲気温度や乾燥状態が変化するため、野菜室107より上流の風路に備えられたダンパ145の開閉は、冷蔵庫100の貯蔵室特有の環境の変化の中でも特に霧化部139周辺の結露や乾燥を支配する冷気の流れが変わると推定されるので、霧化部139周辺の結露や乾燥を左右する重要な要素である。
よって、野菜室107より上流に位置する冷蔵室104のダンパ145の開閉動作は、野菜室107及び霧化部139周辺の環境が変化し、特に霧化部139周辺の冷気の流れが変わると予測できる重要なタイミングであるので、本実施の形態では、判定タイミング設定手段としてダンパ145を用い、ダンパ145が開閉する動作を行ったタイミングで、霧化状態判定手段156が霧化部139の霧化状態を判定し、適正な霧化が行われているかどうかを判定し、その結果を噴霧部の動作へと反映することで、より噴霧精度を向上させることができる。
このように、タイミング設定手段によって無駄なく的確なタイミングで繰り返し霧化状態の判定を行った上で、その結果を霧化部139の動作に反映するといった霧化状態のフィードバック制御を行うことにより霧化部139の噴霧精度を向上させ、適切な噴霧量のミスト噴霧を実現することができる。
図4において、具体的な本実施の形態の冷蔵庫100の動作を説明する。
冷蔵庫100の運転状態においては、冷蔵庫100の周囲温度を検出する外気温度検出手段148と、貯蔵室内の雰囲気温度を検出する庫内温度検出手段150と、それぞれの温度を貯蔵室の温度調整を行うダンパ145の開閉動作の信号とが制御手段146へ入力される。
制御手段146は、予め設定された庫内の温度に応じて、圧縮機109が動作して冷却運転が行われるように圧縮機109の運転制御を行う。冷却運転が行われると、冷却室110で各貯蔵室を冷却するための冷気が生成され、冷却ファン113により、各貯蔵室内へ冷気を搬送し、ダンパ145の開閉動作により、各貯蔵室を目的温度帯に冷却調整される。
例えば、貯蔵室内の庫内温度検出手段150により、庫内温度を検出し、制御手段146へ出力する。制御手段146では、予め設定された庫内温度に対して高いか低いかを判断し、予め設定された庫内温度に対して高いと判断した場合は、貯蔵室内を冷却するダンパ145が開放動作へと移行すると共にダンパ145の動作信号(例えば、開放動作=開信号)を制御手段146へ入力する。また、予め設定された庫内温度に対して低いと判断した場合は、貯蔵室内を冷却するダンパ145が閉塞動作へと移行すると共にダンパ145の動作信号(例えば、閉塞動作=閉信号)を制御手段146へ入力する。
このとき、判定タイミング設定手段であるダンパ145が開放動作(開信号)から閉塞動作(閉信号)もしくは、閉塞動作(閉信号)から開放動作(開信号)の動作が行われた時に霧化状態を判断するタイミングと認識して、霧化部139の霧化状態の判定を行う目的で、一旦、静電霧化装置131の電圧印加部133の高電圧を停止した状態で、出力検出手段158で出力された電極間に流れる電流(放電電流)又は、印加される電圧(放電電圧)の値を読込み、これを高電圧停止状態の基準値である基準電圧値とし、次に電圧印加部133へ高電圧を印加した状態で、出力検出手段158で出力された電極間に流れる印加される電圧(放電電圧)の値を読込み、これを高電圧動作状態の動作値である動作電圧値とする。
そして、制御手段146では、高電圧停止状態の基準値である基準電圧値から高電圧動作状態の動作値である動作電圧値を差分した差分値をもとに、霧化状態判定手段156により霧化状態を判定し、電圧印加部133へ高電圧の印加継続の可否判断すなわち霧化部139を動作させるか停止させるかの判断を行い、タイマー157が初期化される。
霧化状態判定手段156は、基準電圧値と動作電圧値との差分値があらかじめ決められた規定範囲(例えば、図5(b)の霧化発生状態(1)の範囲)に入っている場合には、適正なコロナ放電が発生し適正な噴霧が行われている状態と判断し、引き続き電圧印加部133へ高電圧の出力を継続すると共に、タイマー157を動作させる。
この図5(b)で示した適切な範囲とは、主に霧化先端部に付着している水分量を推定してその水分量が適切な範囲に入っているかどうかを判定しているものであって、付着している水分量の違いによって図5(b)の霧化発生状態(1)、水がない状態(2)、過剰結露状態(3)、オゾン過多状態(4)とに分かれている。
この付着している水分量の推定にあたっては、付着している水分をミスト噴霧させる際に要するエネルギー量の大小によって判断しており、本実施の形態では、静電霧化装置131に印加される電圧(放電電圧)の値や静電霧化装置131に流れる電流(放電電流)の値でミスト噴霧させる際に要するエネルギー量の大小と付着している水分量との比例関係を利用して霧化先端部に付着している水分量の推定を行っている。なお、図5(b)の霧化装置の異常状態(5),(6)については、霧化先端部に付着している水分量とは関係がなく、安全性を確保する視点での適正範囲外としているものである。
そして、タイマー157が所定時間経過後、再び出力検出手段158で電極間に印加される電圧(放電電圧)の高電圧動作状態の動作電圧値読込み、制御手段146では、高電圧停止状態の基準電圧値から高電圧動作状態の動作電圧値を差分し、その値から霧化状態判定手段156で判定を行い、電圧印加部133への通電の可否を判定し、霧化部139の動作を継続する。
もし、高電圧停止状態の基準電圧値から高電圧動作状態の動作電圧値を差分した値である差分値がある指定の範囲外(例えば、図5(b)の霧化発生状態(1)以外の領域の範囲)であれば、霧化状態判定手段156で適正なコロナ放電が発生していないと判断し、制御手段146から電圧印加部133へ高電圧の停止信号の出力を行うことで、霧化部139の動作を停止させることで、霧化部139の動作を停止させると共に、タイマー157を動作させる。
そして、タイマー157が所定時間経過後、再び、電圧印加部133へ高電圧の開始信号を出力し、出力検出手段158で電極間に流れる電圧もしくは電流の高電圧動作状態の動作電圧値を読込み、制御手段146では、高電圧停止状態の基準値から高電圧動作状態の動作電圧値を差分し、その値から霧化状態判定手段156で判定を行う。
このとき、タイマー157を用いて遅延制御を行い、霧化電極135の結露の状態により、静電霧化装置131への高電圧印加の通電の可否すなわち霧化部139の動作の開始もしくは停止等を制御してもよい。これにより、的確なタイミングで安定して必要な時に適切な量を霧化させることができ、さらに消費電力が低減することもできる。
また、上記の説明においては、出力検出手段158によって電極間に印加する電圧を動作値および基準値としたが、出力検出手段158では、高電圧停止状態の電極間に流れる電流(放電電流)を基準値である基準電流値とし、高電圧印加状態の動作電流値を動作値である動作電流値としても良く、その場合には基準値と動作値の差分すなわち基準電流値と動作電流値とを差分した差分値をもとに、霧化状態判定手段156で判定を行い、電圧印加部133への通電の可否を判定し、霧化部139の動作を制御することも、もちろん可能である。
また本実施の形態では、霧化電極135の過剰結露水を乾燥させるために、ダンパ145が開放動作(開信号)の間に流れ込む乾燥した空気を利用すると説明したが、例えば、静電霧化装置131の周辺部に過剰結露防止用の結露防止ヒータ155を設け、乾燥空気の代わりに結露防止ヒータ155を動作させことにより、霧化電極135に過剰結露した水滴を確実に乾燥させることも可能である。また、乾燥空気と結露防止ヒータ155とを組み合わせて利用することで、より霧化電極135の状況を安定させ、適切な噴霧を行うことができる。
また、ダンパ145が閉塞動作(閉信号)の間は、冷却空気が流入しないため、結露防止ヒータ155を停止し、貯蔵室内に収納された野菜などからの蒸散により高湿環境となり、霧化電極135の先端に結露が生じ、霧化が開始される。
なお、ダンパ145の開閉信号に応じて、結露防止ヒータ155を動作制御するように説明したが、外気温度検出手段148を用いることにより、外気温度が比較的低温状態では、ダンパ145の閉塞動作が多くなり、霧化電極135が、過剰結露状態になり易いので、閉塞動作中は、外気温度に応じた通電率を上昇した結露防止ヒータ155に加えて動作させることで、外気温度に応じた霧化電極135の過剰結露を抑制することも可能である。
このように、本実施の形態では、霧化状態判定手段156は、出力検出手段158で検出された電極間に流れる電流(放電電流)または印加される電圧(放電電圧)の値によって霧化部139の霧化状態を判定し、その結果を噴霧部139の動作すなわち静電霧化装置131のON/OFFへと反映することにより、貯蔵室に対して、的確なミスト噴霧を行うことが可能になり、保鮮などの品質を向上させるとともに、霧化部139に対し無駄な通電を行うこともないので、消費電力低減ができる。
さらに、本実施の形態では、出力検出手段158で検出された電極間に流れる電流(放電電流)または印加される電圧(放電電圧)の値は、静電霧化装置131の電圧印加部133の高電圧を停止した状態で、出力検出手段158で出力された電極間に流れる電流(放電電流)又は、印加される電圧(放電電圧)の値を読込み、これを高電圧停止状態の基準値とし、次に電圧印加部133へ高電圧を印加した状態で、出力検出手段158で出力された電極間に流れる電流(放電電流)又は、印加される電圧(放電電圧)の値を読込み、これを高電圧動作状態の動作値とする。
そして、制御手段146では、高電圧停止状態の基準値から高電圧動作状態の動作値を差分した差分値を用いることで、静電霧化装置131の内部部品の個体差によって、電流や電圧値の絶対値の差がある場合でも、静電霧化装置131への高電圧の印加が停止した状態を基準電圧値状態として、動作した状態の動作電圧との差を見ることによって判断を行うことで、部品の個体差があった場合でも、より正確に静電霧化装置131の噴霧状態を把握した上で、静電霧化装置131がミストを噴霧する際に適正な噴霧量の霧化を実現することが可能となる。
さらに、上記のように制御手段146では、高電圧停止状態の基準値から高電圧動作状態の動作値を差分した差分値を用いることで、部品個体差があった場合に加え、同じ部品であっても、冷蔵庫100の設置環境によって霧化部139の周囲温度が変化した場合には、出力検知手段で検知する放電電圧および放電電流等の絶対値は異なってくる場合があるが、本実施の形態のように差分値を用いて霧化装置である静電霧化装置131の噴霧状態(噴霧先端部における水分付着状態の)推定を把握した上で、静電霧化装置131の制御を行うことによって、より正確に静電霧化装置131の噴霧状態を把握した上で適正な範囲の霧化を実現することが可能となり、特に略密閉かつ低温空間である冷蔵庫100の貯蔵室にミストを噴霧する場合は、噴霧量の制御がより詳細で正確である必要があるので、この差分値を用いた制御は有効な手段である。
なお、本実施の形態では、上記のように部品の個体差があった場合でも、より正確に静電霧化装置131の噴霧状態を把握することを目的に、高電圧停止状態の基準値から高電圧動作状態の動作値を差分した差分値を用いたが、そこまで精度の高い制御を行う必要がない場合や、部品の個体差の影響が少ない場合等においては、高電圧動作状態の電流値または電圧値の絶対値をそのまま動作値として用いて、この動作値で静電霧化装置131の噴霧状態を把握することも可能である。
また、本実施の形態では、判定タイミング設定手段からの信号によって、霧化状態判定手段156が霧化部139の霧化状態を判定し、この霧化状態判定手段156によって判定した信号によって霧化部139の動作すなわち霧化装置である静電霧化装置131の動作を制御することで、タイミング設定手段によって無駄なく的確なタイミングで繰り返し霧化状態の判定を行った上で、その結果を霧化部139の動作に反映するといった霧化状態のフィードバック制御を行うことにより霧化部139の噴霧精度を向上させ、適切な噴霧量のミスト噴霧を実現することができる。
また、判定タイミング設定手段を、断熱区画された貯蔵室への風量を調整するダンパ145とし、ダンパ145が開から閉、又は、閉から開の動作を行った場合に、霧化状態判定手段156が霧化部139の霧化状態を判定することにより、霧化部139周辺の結露や乾燥を支配する冷気の流れが変わると推定されるダンパ145の挙動を判定タイミングとすることにより、的確なタイミングで、霧化部139の結露状態、噴霧状態を把握でき、その霧化部139の噴霧判定の精度を向上することができる。
次に、出力検出手段158及び霧化状態判定手段156の動作についてより詳細に説明する。
図5(a)の特性図は、本発明品の一例である霧化電極135に水がある状態を測定した結果を示している。
通常霧化発生範囲を放電電圧2.0〜7.0kV、放電電流0.5〜1.5μAであり、この値を出力検出手段158で検出し、制御手段146へ出力を行い、霧化状態判定手段156で、放電電圧2.0〜7.0kV、放電電流0.5〜1.5μAの範囲内にあれば、安定した適正なコロナ放電が発生している、すなわち適正な霧化が行われていると判断し、放電電圧2.0〜7.0kV、放電電流0.5〜1.5μAの範囲外では適正なコロナ放電が発生していない、すなわち適正な霧化が行われていないと判断する。
なお、本実施の形態では、放電電圧2.0〜7.0kV、放電電流0.5〜1.5μAで説明したが、実際の実機で噴霧している状態は、放電電流0.5〜1.5μA、放電電圧3.0〜7.0kVで動作しているが、霧化によって実現する効果内容及び霧化部139の性能、噴霧空間の容量等の諸条件の変化により、この絶対値の範囲は変更することができる。
図5(b)の特性図は、本発明品の一例である霧化状態判定手段156の正常動作状態及び異常動作状態の判定領域を示している。
正常動作状態の範囲は、出力検出手段158の検出電圧が2.8〜3.8V(この値は、部品の個体差のバラツキによって±20%変動)の範囲であり、この値を放電電流に置き換えると放電電流0.0〜2.5μAを示し、この正常動作状態の範囲でも以下の通り分類される。
まず、出力検出手段158の検出電圧が3.6〜3.8Vの間では、霧化電極135に水がない状態(1)(若しくは水が少ない状態など)の範囲となり、放電電流0.5μA以下を示す。この場合には、霧化部139に水がない為、霧化状態判定手段156では適切な霧化が行われていないと判断し、電圧印加部133への電圧印加を停止し、霧化部139を動作させずミスト噴霧を行わない。
次に、出力検出手段158の検出電圧が3.2〜3.6Vの間では、霧化電極135の先端に適正な水が着いた霧化発生状態(2)の範囲となり、放電電流0.5〜1.5μAを示す。この霧化発生状態(2)の範囲が冷蔵庫100の庫内へ噴霧する霧化量が適切である場合であり、霧化状態判定手段156では、適切な噴霧が行われていると判断をし、電圧印加部133への電圧印加を行い、霧化部139を動作させてミスト噴霧を行う。
また、出力検出手段158の検出電圧が3.2〜2.8Vの間では、霧化電極135に過剰な結露常態が起こり、過剰結露常態(3)の範囲となり、放電電流1.5〜2.5μAを示す。この過剰結露常態(3)の範囲は、略密閉で低温空間である冷蔵庫100の貯蔵室内では、噴霧量が多すぎると推定する場合であり、霧化状態判定手段156では適切な霧化が行われていないと判断し、電圧印加部133への電圧印加を停止し、霧化部139を動作させずミスト噴霧を行わない。
さらに、過剰結露常態(3)の範囲よりも、もっと放電電流値が高い2.5μA以上の場合には、噴霧量が多すぎるとともに、家庭用冷蔵庫においては、オゾンの発生量が多くなり、家庭用冷蔵庫において、使用者に安全とされているオゾン濃度の上限値である0.03ppmを上回る可能性があり、異臭や材料劣化が促進される可能性があると推定する場合であり、霧化状態判定手段156では適切な霧化が行われていないと判断し、電圧印加部133への電圧印加を停止し、霧化部139を動作させずミスト噴霧を行わない。
また、異常動作状態の範囲は、主に、縦軸の出力検出手段158での電圧値で判定を行い、例えば、出力検出手段158の検出電圧が4.5V以上は、静電霧化装置131の異常(回路故障等)状態(5)となり、この場合は、回路故障等の何らかの異常で、電流が全く流れない状態での故障と推定する場合であり、もちろん霧化状態判定手段156では適切な霧化が行われていないと判断し、電圧印加部133への電圧印加を停止し、霧化部139を動作させずミスト噴霧を行わない。
また、出力検出手段158の検出電圧が0.5V以下は、静電霧化装置131の異常(霧化電極135の凍結等)状態となり、この場合は、霧化部139へ流れる電流が多すぎる場合で、例えば霧化電極135が凍結をして他の部品と接触等しているか、もしくは何らかの原因で漏電が起こっている状態での故障と推定する場合であり、もちろん霧化状態判定手段156では適切な霧化が行われていないと判断し、電圧印加部133への電圧印加を停止し、霧化部139を動作させずミスト噴霧を行わない。
このように、家庭用冷蔵庫に静電霧化装置131を備えてミスト噴霧を行う場合には、ミスト噴霧が多すぎても庫内の結露やオゾン過多状態といった問題が発生し、噴霧が少なすぎて水がない状態で噴霧を行うと、無駄な電力を使用する上に、静電霧化装置131の発熱によって貯蔵室内の温度が上昇する為に、その上昇した温度を冷却する為に余計な冷却負荷がかかることで、消費電力が上昇するといった問題があるので、常に霧化部139の噴霧状態を把握し、適切な状態(図5(b)の霧化発生状態(1))になるように制御する必要がある。
水がない場合に何らかの浮遊物等が霧化電極135もしくは対向電極136に付着したような場合には、霧化装置を特に本実施の形態のような静電霧化装置131を用いた場合には、空放電等が発生する場合があり、その場合にはオゾンのみが発生してしまい、貯蔵室内のオゾン濃度が高まってしまう危険性もある。
よって、例えば多量の噴霧量を発生してある一定条件が来れば切るような製品である加湿器や美顔器等では、ある一定の湿度となるまで、もしくは一定時間に多量の噴霧を続ければ良いので、随時噴霧量の監視をする必要はないが、略密閉でかつ低温空間の冷蔵庫においては、噴霧量の監視すなわち霧化部139の霧化状態を判定する霧化状態判定手段156を用いた複雑な制御が必要となる。
次に詳細な動作を図6のタイミングチャートの順に、図7の制御フローチャートを用いて説明する。
まず、冷蔵庫100に電源が投入されると、タイマー157が動作し、タイマー157から出力される信号を制御手段146へ入力し(STEP100)、記憶変数のOldDPFLGに初期値:閉信号(0)を記憶させ(STEP101)、貯蔵室内に設けられた庫内温度検出手段150で貯蔵室内の雰囲気温度を検出する。
次に庫内温度検出手段150の出力信号を制御手段146へ入力する。庫内温度検出手段150がT0以下なら次のSTEP103に進むが、T0以上ならT0以下になるまで、次のSTEPには移行しない(STEP102:例えばT0は12℃)。すなわち、庫内温度検出手段150がT0以上の場合は、霧化部139での霧化を強制的に行わないように強制停止手段が動作する(この強制停止手段については、実施の形態3で詳しく説明する)。
このように強制停止手段が動作することにより、庫内がある一定の温度まで冷却されるまで無駄に静電霧化装置131や結露防止ヒータ155に通電することを防止し、霧化部139での噴霧を行わず、庫内の冷却を優先している。
そして、STEP102で庫内温度検出手段150がT0以下ならば、次のSTEPに進み、庫内温度検出手段150がT1以下(STEP103:Yes、図6のA点)でかつ圧縮機109が動作すれば、ダンパ145が開放動作となり、その状態を制御手段146へ入力(STEP104、図6のB点)し、記憶変数のNewDPFLGに開信号(1)を記憶する(STEP105)。
そこで、STEP106において、ダンパ145が開放動作であれば、乾燥を促進させるため結露防止ヒータ155の通電を行う(STEP107、図6のC点)。さらに、記憶変数に記憶されたNewDPFLGとOldDPFLGの判定を行う。
記憶されたNewDPFLGの記憶変数が開信号(1)であり、OldDPFLGが閉信号(0)であれば(STEP111:YES)に処理が進み、ここで判定タイミング設定手段の一つであるダンパ145が閉信号から開信号に変わったタイミング(図6の破線X1のタイミング)と制御手段146で判定する。
この時に、霧化電極135と対向電極136との間に高電圧が印加され、流れる電流値は、数μAと非常に入力する電流値が小さいため、電流値から電圧値に変更すると、回路部品によるバラツキと部品による温度バラツキが発生し、判別する電流値の絶対値は、部品ごとに異なる。
しかし、霧化量の変化に対応した電流値の変化量である差分値はこのバラツキに関わらず一定の関係を示すため、基準電圧を都度読込み比較した差分値を用いることで、正確に霧化量を判断することが可能となる。
すなわち霧化していない時の基準電圧を原点とし、変化した基準電圧から減算する事で霧化量の差分値を判断することができので、一旦、制御手段146から電圧印加部133へ高電圧の停止信号を出力し、電圧印加部133へ高電圧の印加を停止し(STEP112)、霧化電極135と対向電極136との間に高電圧が印加され、その電極間に流れる電流(放電電流)又は、印加される電圧(放電電圧)を出力検出手段158で検出し、制御手段146へ入力し、これを高電圧停止状態の基準値とする(STEP113)。
次に、霧化状態を判定するために電圧印加部133へ高電圧を印加するように判断し、電圧印加部133へ高電圧の開始信号の出力を行う(STEP114、図6のZ1点)。そして、霧化電極135と対向電極136との間に高電圧が印加され、その電極間に流れる電流(放電電流)又は、印加される電圧(放電電圧)を出力検出手段158で検出し、制御手段146へ入力し、これを高電圧動作状態の動作値とする(STEP115)。
そして、制御手段146では、高電圧停止状態の基準値から高電圧動作状態の動作値を差分した差分値が、予め記憶されている電流、又は、印加される電圧の上限値Y1と下限値Y2間の範囲内に入っているか判定し、範囲内であれば(STEP116:YES、図6のD点)、霧化電極135で安定したコロナ放電が発生し適正な霧化が行われていると予測でき、引き続き電圧印加部133へ高電圧が印加される。
そして、タイマー157の初期化を行い(STEP118)、記憶変数のNewDPFLGをOldDPFLGに代入し(STEP119)、再びSTEP102に戻る。
また、タイマー157が所定時間経過すると(図6の破線X2のタイミング)、(STEP102)、庫内温度検出手段150がT0以下ならば次のSTEP103に進むが、T0以上ならT0以下になるまで、前述と同様に次のSTEPには移行しない(STEP102:例えばT0は12℃)。これにより、無駄に静電霧化装置131や結露防止ヒータ155に通電することを防止する。
STEP102でT0以下ならば、次のSTEP103に進み、庫内温度検出手段150がT1以上かを判定し、T1以上でなければSTEP120に進み、再度、庫内温度検出手段150がT2以下かを判定し、T2以下でなければ(STEP120:No、図6のB点)、引き続きダンパ145の開信号を制御手段146へ入力する(STEP104、図6のF点)。そして、ダンパ145が開放動作であれば(STEP106:YES)に処理が進み、結露防止ヒータ155の通電を引き続き行う(STEP107、図6のG点)。
また、(STEP110)にて、記憶変数に記憶されたNewDPFLGの判定を行い、その記憶された記憶変数が開信号(1)であればSTEP111に処理が進み、再度、記憶変数に記憶されたOldDPFLGの判定を行う。記憶された記憶変数が閉信号(0)でなければ(STEP111:NO)に処理が進み、ここでダンパ145の開信号(1)が継続されたと判断する。
次に、タイマー157が所定時間以上であるか判定を行い(STEP123)、タイマー157が所定時間未満であれば、STEP102に移行する。
もし、タイマー157が所定時間以上であれば(STEP123:YES)、静電霧化装置131の霧化状態を確認するため電圧印加部133へ高電圧を印加するように判断し、電圧印加部133へ高電圧の開始信号の出力を行う(STEP114、図6のZ2)。この場合には、タイマー157が判定タイミング設定手段となる。
このとき、霧化電極135と対向電極136との間に高電圧が印加され、その流れる電流(放電電流)又は、印加される電圧(放電電圧)を出力検出手段158で検出し、制御手段146へ入力し、これを高電圧動作状態の動作値とする(STEP115)。
そして、制御手段146では、高電圧停止状態の基準値から高電圧動作状態の動作値を差分した値である差分値が、予め記憶されている電流、又は、印加される電圧の上限値Y1と下限値Y2間の範囲内に入っているか判定を行い、範囲内であれば(STEP116:YES、図6のH点)、適正なコロナ放電が発生し、霧化状態となり、引続き電圧印加部133へ高電圧を印加する。次にタイマー157の初期化を行い(STEP118)、記憶変数のNewDPFLGをOldDPFLGに代入し(STEP119)、STEP102に戻る。このとき、図示しないが、貯蔵室の扉が閉まった状態を検知しないと次のSTEPに移行しない制御を加えてもよい。
さらに、タイマー157が所定時間経過すると(図6の破線X3のタイミング)、(STEP102)、庫内温度検出手段150がT0以下ならば次のSTEP103に進むが、T0以上ならT0以下になるまで、前述と同様に次のSTEPには移行しない(STEP102:例えばT0は12℃)。これにより、無駄に静電霧化装置131や結露防止ヒータ155に通電することを防止する。
STEP102でT0以下なれば、次のSTEP103に進み、庫内温度検出手段150がT1以上かを判定し、T1以上でなければ、(STEP103:No、図6のI点)へ処理を進み、再度、庫内温度検出手段150がT2以下かを判定を行い(STEP120)、T2以下でなければ(STEP120:No、図6のI点)、引き続きダンパ145の開信号を制御手段146へ入力(STEP104、図6のJ点)する。そして、出力信号が開放動作であれば(STEP106:YES)に処理が進み、結露防止ヒータ155の通電を引き続き行う(STEP107、図6のK点)。
ここで、記憶変数に記憶されたNewDPFLGの判定を行い、その記憶された記憶変数が開信号(1)であれば(STEP110:YES)に処理が進み、再度、記憶変数に記憶されたOldDPFLGの判定を行い、その記憶された記憶変数が閉信号(0)でなければ(STEP111:NO)に処理が進み、ここでダンパ145の開信号(1)が継続されたかを判断する。
そして、タイマー157が所定時間以上であるか判定を行い(STEP123)、タイマー157が所定時間以上であれば(STEP123:YES)、静電霧化装置131の電圧印加部133へ高電圧を印加するように判断し、電圧印加部133へ高電圧の開始信号の出力を行う(STEP114、図6のZ3)。
このとき、霧化電極135と対向電極136との間に高電圧が印加され、その流れる電流(放電電流)又は、印加される電圧(放電電圧)を出力検出手段158で検出し、制御手段146へ入力し、これを高電圧動作状態の動作値とする(STEP115)。
そして、制御手段146では、高電圧停止状態の基準値から高電圧動作状態の動作値を差分した値が、予め記憶されている電流、又は、印加される電圧の上限値Y1と下限値Y2間の範囲内に入っているか判定を行い、範囲外であれば(STEP116:No、図6のL点)、適正なコロナ放電が発生していない状態と予測でき、制御手段146から電圧印加部133へ高電圧の停止信号の出力し、電圧印加部133へ高電圧の印加を停止する(STEP117、図6のZ4)。そして、タイマー157の初期化を行い(STEP118)、記憶変数のNewDPFLGをOldDPFLGに代入し(STEP119)、STEP102に戻る。
仮に、タイマー157が所定時間未満であれば、以降、上記の動作を(STEP123:NO)へ処理が進み、STEP102に戻る。
次に(STEP102)、庫内温度検出手段150がT0以下ならば次のSTEP103に進むが、T0以上ならT0以下になるまで、次のSTEPには移行しない(STEP102:例えばT0は12℃)。これにより、無駄に静電霧化装置131や結露防止ヒータ155に通電することを防止する。
STEP102でT0以下ならば、次のSTEP103に進み、庫内温度検出手段150がT1以上かを判定し、T1以上でなければ、(STEP103:No、図6のM点)へ処理を進み、再度、庫内温度検出手段150がT2以下かを判定し(STEP120)、T2以下であれば、(STEP120:YES、図6のM点)へ処理を進み、ダンパ145が閉塞動作を出力し、その信号を制御手段146へ入力(STEP121、図6のN点)と共に動作信号状態を記憶変数のNewDPFLGに閉信号(0)を記憶する(STEP122)。
そして、処理が進み、外気温度検出手段148が検出した値と予め設定されている外気温度AT0と判定し、設定温度より高いと判定した場合は(STEP108:NO)、結露防止ヒータ155の停止を行う(STEP107、図6のO点)。
そこで、記憶変数に記憶されたNewDPFLGの判定を行い、その記憶された記憶変数が閉信号(0)であれば(STEP110:NO)に処理が進み、次に記憶されたOldDPFLGの判定を行い、その記憶された記憶変数が開信号(1)であれば(STEP124:YES)に処理が進み、ここでダンパ145が開信号から閉信号に変ったタイミング(図6の破線X4のタイミング)と判定する。
この時に、霧化電極135と対向電極136との間に高電圧が印加され、流れる電流値は、数μAと非常に入力する電流値が小さいため、電流値から電圧値に変更すると、回路部品によるバラツキと部品による温度バラツキが発生し、判別する電流値の絶対値は、部品ごとに異なる。
しかし、霧化量の変化に対応した電流値の変化量はこのバラツキに関わらず一定の関係を示すため、基準電圧を都度読込み比較することで、正確に霧化量を判断することが可能となる。
すなわち霧化していない時の基準電圧を原点とし、変化した基準電圧から減算する事で霧化量の差分の絶対値を判断することができので、一旦、制御手段146から電圧印加部133へ高電圧の停止信号の出力し、電圧印加部133へ高電圧の印加を停止し(STEP112)、霧化電極135と対向電極136との間に高電圧が印加され、その電極間に流れる電流(放電電流)又は、印加される電圧(放電電圧)を出力検出手段158で検出し、制御手段146へ入力し、これを高電圧状態の基準値とする(STEP113)。
次に、静電霧化装置131の電圧印加部133へ高電圧を印加するように判断し、電圧印加部133へ高電圧の開始信号の出力を行い(STEP114、図6のZ5点)、霧化電極135と対向電極136との間に高電圧が印加され、その流れる電流(放電電流)又は、印加される電圧(放電電圧)を出力検出手段158で検出し、制御手段146へ入力し、これを高電圧動作状態の動作値とする(STEP115)。
そして、制御手段146では、高電圧停止状態の基準値から高電圧動作状態の動作値を差分した値である差分値が、予め記憶されている電流、又は、印加される電圧の上限値Y1と下限値Y2間の範囲内に入っているか判定を行い、範囲外であれば(STEP116:No、図6のP点)、霧化電極135に水滴が少ないため適正なコロナ放電が発生していない、若しくは霧化電極135が過剰結露状態となって適正なコロナ放電が発生していない状態と予測し、制御手段146から電圧印加部133へ高電圧の停止信号の出力を行う(STEP117、図6のZ6点)。そして、タイマー157の初期化を行い(STEP118)、記憶変数のNewDPFLGをOldDPFLGに代入し(STEP119)、STEP102に戻る。
タイマー157が所定時間経過すると(図6の破線X5のタイミング)、(STEP102)、庫内温度検出手段150がT0以下なら次のSTEP103に進むが、T0以上ならT0以下になるまで、次のSTEPには移行しない(STEP102:例えばT0は12℃)。これにより、無駄に静電霧化装置131や結露防止ヒータ155に通電することを防止する。
STEP102でT0以下ならば、次のSTEP103に進み、庫内温度検出手段150がT1以上かを判定し、T1以上でなければ、(STEP103:No、図6のQ点)へ処理を進む。庫内温度検出手段150がT2以下かを判定を行い(STEP120)、T2以下でなければ(STEP120:No、図6のQ点)ダンパ145の閉信号を継続していると判定し、開放動作でなければ(STEP106:NO)に処理が進み、外気温度検出手段148が予め設定されている外気温度AT0と判定し、設定温度より高いと判定した場合は(STEP108:NO)、結露防止ヒータ155の停止を行う(STEP107、図6のS点)。
次に、(STEP110)にて、記憶変数に記憶されたNewDPFLGの判定を行い、その記憶された記憶変数が開信号(1)でなければ(STEP110:NO)に処理が進み、再度、記憶変数に記憶されたOldDPFLGの判定を行い、その記憶された記憶変数が開信号(1)でなければ(STEP124:NO)に処理が進み、ここでダンパ145の閉信号(0)が継続されたと判断する。
タイマー157が所定時間以上であるか判定を行い(STEP125)、タイマー157が所定時間以上であれば(STEP125:YES)、静電霧化装置131の電圧印加部133へ高電圧を印加するように判断し、電圧印加部133へ高電圧の開始信号の出力を行う(STEP114、図6のZ7点)。そして、霧化電極135と対向電極136との間に高電圧が印加され、その流れる電流(放電電流)又は、印加される電圧(放電電圧)を出力検出手段158で検出し、制御手段146へ入力し、これを高電圧動作状態の動作値とする(STEP115)。
そして、制御手段146では、高電圧停止状態の基準値から高電圧動作状態の動作値を差分した値が、予め記憶されている電流、又は、印加される電圧の上限値Y1と下限値Y2間の範囲内に入っているか判定を行い、範囲外であれば(STEP116:No、図6のT点)、霧化電極135では適正なコロナ放電が発生していない状態と判断し、制御手段146から電圧印加部133へ高電圧の停止信号の出力を行う(STEP117、図6のZ8点)。そして、タイマー157の初期化を行い(STEP118)、記憶変数のNewDPFLGをOldDPFLGに代入し(STEP119)、STEP102に戻る。
次にタイマー157が所定時間経過すると(図6の破線X6のタイミング)、(STEP102)、庫内温度検出手段150がT0以下なら次のSTEP103に進むが、T0以上ならT0以下になるまで、次のSTEPには移行しない(STEP102:例えばT0は12℃)。
これにより、無駄に静電霧化装置131や結露防止ヒータ155に通電することを防止する。STEP102でT0以下ならば、次のSTEP103に進み、庫内温度検出手段150がT1以上かを判定し、T1以上でなければ、(STEP103:No、図6のU点)へ処理を進み、再度、庫内温度検出手段150がT2以下かを判定を行い(STEP120)、T2以下でなければ(STEP120:No、図6のU点)ダンパ145の閉信号を継続していると判定し、その出力信号が開放動作でなければ(STEP106:NO)に処理が進み、外気温度検出手段148が予め設定されている外気温度AT0と判定し、設定温度より低いと判定した場合は(STEP108:YES、図6のZ点)、結露防止ヒータ155の通電を行う(STEP107、図6のW点)。
また、ここで、外気温度が比較的低い場合には、ダンパ145の閉塞状態が多くなり、霧化電極135は過剰結露の状態になりやすいので、結露防止ヒータ155を通常より入力を上げて通電することで、結露状態及び乾燥状態を作りやすい環境に設定することもできる。
次に、(STEP110)にて、記憶変数に記憶されたNewDPFLGの判定を行い、その記憶された記憶変数が開信号(1)でなければ(STEP110:NO)に処理が進み、記憶されたOldDPFLGの判定を行い、記憶変数が開信号(1)でなければ(STEP124:NO)に処理が進み、ここでダンパ145の閉信号(0)が継続されていると判断する。
そして、タイマー157が所定時間以上であるか判定を行い(STEP125)、タイマー157が所定時間以上であれば(STEP125:YES)、静電霧化装置131の電圧印加部133へ高電圧を印加するように判断し、電圧印加部133へ高電圧の開始信号の出力を行う(STEP114、図6のZ9点)。霧化電極135と対向電極136との間に高電圧が印加され、その流れる電流(放電電流)又は、印加される電圧(放電電圧)を出力検出手段158で検出し、制御手段146へ入力し、これを高電圧動作状態の動作値とする(STEP115)。
そして、制御手段146では、高電圧停止状態の基準値から高電圧動作状態の動作値を差分した値が、予め記憶されている電流、又は、印加される電圧の上限値Y1と下限値Y2間の範囲内に入っているか判定を行い、範囲内であれば(STEP116:YES、図6のX点)、霧化電極135にて適正なコロナ放電が発生し、霧化状態と判定し、引き続き電圧印加部133へ高電圧が印加する。
そして、タイマー157の初期化を行い(STEP118)、記憶変数のNewDPFLGをOldDPFLGに代入し(STEP119)、STEP102に戻る。以降、上記の動作を繰り返す。
また、タイマー157が所定時間未満以上であれば、以降、上記の動作を(STEP125:NO)へ処理が進み、STEP102に戻る。
このように、本実施の形態では、繰り返し霧化状態の判定を行った上で、その結果を霧化部139の動作に反映するといった霧化状態のフィードバック制御を行っている。この霧化状態のフィードバック制御は例えば図7の制御フローチャートにおいては、F1で示されているような霧化状態の判定を行う制御へと繰り返し戻るフローを指している。
上記のような複雑なフローでのフィードバック制御を繰り返すことで、霧化状態判定手段156が動作するタイミングを設定する判定タイミング設定手段からの信号によって、霧化状態判定手段156が霧化部139の霧化状態を判定し、この霧化状態判定手段156によって判定した信号によって霧化部139の動作を制御している。
これによって、タイミング設定手段によって無駄なく的確なタイミングで繰り返し霧化状態の判定を行った上で、その結果を霧化部139すなわち霧化装置の動作に反映するといった霧化状態のフィードバック制御を行うことにより、霧化部139の噴霧精度を向上させ、適切な噴霧量のミスト噴霧を実現することができる。
なお、結露防止ヒータ155は、貯蔵室内の温度調節、又は、貯蔵室内の表面の結露を防止するため結露防止ヒータ155との兼用で説明したが、それぞれを独立させるヒータを用いることで、冷却ピン134の温度調節を行うヒータの低入力ができ、更に冷却ピン134の温度調節がきめ細かく制御できるので、結露状態を更に安定化が図れ、噴霧効率も向上させることが可能である。
また、判定タイミング設定手段の一つであるダンパ145の開から閉、又は閉から開の動作信号に変わったタイミングで、高電圧停止状態の基準値の読込みを行うように説明したが、高電圧動作状態の動作値を検出する毎に、高電圧停止状態の基準値を都度読込み比較することで、更に正確な霧化量を判断することができ、噴霧効率も向上させることが可能である。
なお、本実施の形態では、判定タイミング設定手段は、霧化部139周辺の冷気の流れが変わると推定されるダンパ145の開から閉、又は閉から開の動作信号に変ったタイミングとしたが、例えば、判定タイミング設定手段を庫内温度検出手段150(冷蔵室の庫内温度等)の予め設定された温度以下に下がった場合と、予め設定された温度以上に上がったタイミングを見て判断しても良く、庫内温度が上がった場合には、いずれ冷却が始まってダンパ145が開くことで庫内に冷気が導入されることが推定される為、ほぼダンパ145の開閉タイミングと庫内温度の変化とは連動している為であって、冷蔵庫100の実機においてダンパ145の開閉を検知しない場合等には、この庫内温度検出手段150が極めて有効なタイミング設定手段となる。
以上のように、本実施の形態においては断熱区画された貯蔵室である野菜室107と、野菜室107にミストを噴霧させる霧化部139とを有し、霧化部139に付着させた水分を微細化して野菜室107にミストとして噴霧するものであって、霧化部139の霧化状態を判定する霧化状態判定手段156によって判定した信号によって霧化部139の動作を制御することにより、霧化部139の霧化状態を的確に把握した上で、霧化部139の動作を制御することによって、適切な霧化を実現することができるので霧化装置を備えた冷蔵庫100の品質をより向上させることができる。
また、霧化状態を判定することで冷蔵庫100にとって異常な霧化を防ぎ、常に適切な噴霧量の霧化が行えるので、霧化装置の動作による貯蔵室内の温度上昇抑制や消費電力の低減、省エネルギーが可能となる。
また、本実施の形態においては、霧化状態判定手段156によって検出した信号が、あらかじめ決められた規定範囲に入っている場合に霧化部139において適正な噴霧が行われていると判定し、規定範囲外の場合に適正な霧化が行われていないと判定することで、適正な霧化が行われている状態時にのみ、霧化部139を継続動作させるので、霧化装置の誤動作の防止や故障検知、過剰噴霧防止や、霧化装置の動作による貯蔵室内の温度上昇抑制、さらに消費電力が低減できる。
また、本実施の形態においては、霧化部139は、電位差を発生させる電圧印加部133と出力検出手段158とを有し、霧化状態判定手段156は、出力検出手段158で検出された電圧印加部133に印加されている印加電流の値によって霧化部139の霧化状態を判定するものであって、印加電流があらかじめ決められた規定範囲に入っていることを検出した場合に、適正な霧化が行われると判定し、その運転を継続させることにより、貯蔵室に対して、的確なミスト噴霧の判定が可能になり、保鮮などの品質を向上させるとともに、無駄な通電を行うこともないので、消費電力低減ができる。
また、本実施の形態においては、霧化部139は、電位差を発生させる電圧印加部133と出力検出手段158とを有し、霧化状態判定手段156は、出力検出手段158で検出された電圧印加部133に印加されている印加電圧の値によって霧化部139の霧化状態を判定することにより、貯蔵室に対して、的確なミスト噴霧の判定が可能になり、保鮮などの品質を向上させるとともに、霧化部139に対し無駄な通電を行うこともないので、消費電力低減ができる。
また、本実施の形態においては、霧化状態判定手段156で霧化部139において適正な噴霧が行われていないと判定した時に、電圧印加部133への通電を停止することで、余分な消費電力を低減することができる。
このように、過剰噴霧状態になっても、電圧印加部133の高電圧の停止を行うことで、貯蔵室内の結露を防止することができる。
また、本実施の形態においては、霧化状態判定手段156によって適正な霧化が行われていないと判定された後、一定時間以上を経過すると、再度、霧化状態判定手段156によって霧化状態判定を行うことで、霧化部139に水がある時は、水がなくなるまで電圧印加部133の高電圧の動作を行うことで、噴霧効率を更に向上させることができる。
また、水がなくなると、電圧印加部133の高電圧の停止を行うことで、次の検出タイミング後まで、電圧印加部133の高電圧の停止を行うので余分な電力を消費せず、消費電力を更に低減することができる。
また、本実施の形態においては、霧化状態判定手段156が動作するタイミングを設定する判定タイミング設定手段を有し、判定タイミング設定手段からの信号によって、霧化状態判定手段156が霧化部139の霧化状態を判定することで、無駄なく的確なタイミングで霧化状態の判定を行うことができ、より霧化部139の噴霧精度を向上させ、適切な噴霧量のミスト噴霧を実現することができる。
また、本実施の形態においては、判定タイミング設定手段は、冷蔵庫100の霧化部139を備えた貯蔵室内の環境が変わることが推定される場合に、霧化状態判定手段156へ霧化部139の霧化状態を判定する判定タイミングを設定するものであって、冷蔵庫100の貯蔵室特有の庫内環境の変化を事前に推測して、より的確なタイミングで霧化状態の判定を行うことができ、さらに霧化部139の噴霧精度を向上させ、適切な噴霧量のミスト噴霧を実現することができる。
また、本実施の形態においては、判定タイミング設定手段を備え、断熱区画された貯蔵室への風量を調整するダンパ145であって、ダンパ145が開から閉、又は、閉から開の動作を行った場合に、霧化状態判定手段156が霧化部139の霧化状態を判定することにより、霧化部139周辺の結露や乾燥を支配する冷気の流れが変わると推定されるダンパ145の挙動を判定タイミングとすることにより、的確なタイミングで、霧化部139の結露状態、噴霧状態を把握でき、その霧化部139の噴霧判定の精度を向上することができる。
また、本実施の形態においては、冷蔵庫100の外気温度を検出する外気温度検出手段148を備え、所定温度以上では、貯蔵室の温度調節を行うダンパ145の開から閉、又は、閉から開の動作を判定タイミング設定手段の判定タイミングとして、霧化状態判定手段156が霧化部139の霧化状態を判定することにより、外気温度が比較的低い場合には、ダンパ145の閉塞状態が多くなり、霧化電極135は過剰結露の状態になりやすいと推測できるので、外気温度によって判定タイミング設定手段の判定タイミングを変更することで、外気温度の影響をも加味して、さらに冷蔵庫100の設置条件の変動があった場合でも、適切かつ的確なタイミングで、霧化部139の結露状態、噴霧状態を把握でき、その霧化部139の噴霧判定の精度を向上することができる。
なお、本実施の形態では、冷却ピン134を冷却するための風路は、冷凍室108の吐出風路141としたが、製氷室106の吐出風路や、冷凍室108の戻り風路などの低温風路でもかまわない。これにより、静電霧化装置131の設置可能場所が拡大する。
なお、本実施の形態では、静電霧化装置131の霧化電極135周囲には、保水材を設けなかったが、保水材が配設してもよい。これにより、霧化電極135近傍で生成された結露水を霧化電極135周囲に保持することができるので霧化電極135に適時に供給することができる。
なお、本実施の形態において、冷蔵庫100におけるミストを噴霧する貯蔵室は、野菜室107としたが、冷蔵室104や切換室105などの他の温度帯の貯蔵室でもよく、この場合、様々な用途に展開が可能となる。
なお、本実施の形態では、高電圧を発生する電圧印加部133の負電位側が霧化電極135と、正電位側が対向電極136とそれぞれ電気的に接続されるように説明したが、たとえば、霧化電極135には−4〜−10kV、対向電極136にはグランド(0V)の高電圧を印加することも可能である。
この場合、発生した微細ミストに、より多くのOHラジカルなどが含まれ、これらの酸化力により、さらに野菜室107内の脱臭や野菜表面を抗菌、殺菌することができると同時に、野菜表面に付着する農薬やワックスなどの有害物質を酸化分解・除去することが可能となる。
なお、本実施の形態では、冷却手段に冷却器112で生成された各貯蔵室を冷却するための冷却手段を冷気が流れる風路からの熱伝導を利用したが、ペルチェ素子を利用して冷却する手段も考えられる。この場合、乾燥手段として、実施の形態1と同様に乾燥空気を利用することも可能であるが、ペルチェ素子の特長を利用して、入力を反転することで冷却面を加熱面として動作させることが可能であるので、冷却ピン134を加熱することにより乾燥をさせることができる。よって、結露と乾燥のサイクルをより安定して制御可能となる。
なお、本実施の形態においては、ミストを噴霧する場合の水分補給の方法として空気中の水分を霧化部139に結露させることで、水分補給を行うものとしたが、空気中の水分を用いることなく、貯蔵タンク等に貯留された水分を随時供給して行う場合においても、付着した水分量の制御方法として、同様に霧化部139の霧化状態を判定する霧化状態判定手段156を備え、霧化状態判定手段156によって判定した信号によって霧化部139の動作を制御することができ、この場合には、この霧化部139の状態を判定した後に、貯蔵タンク等の水分補給手段を制御する制御装置へ霧化部139の状態の情報を入力することで、的確かつ適切な水分補給を行うことができる。
このような、外部から水分を補給する場合であっても、本実施の形態で説明した結露量の調整を、水分補給量の調整と置き換えて同様の制御を行うことで、噴霧量の過剰もしくは渇水による冷蔵庫特有の問題を解決できるものであり、ミスト噴霧装置を冷蔵庫へ搭載した場合でも、適切な噴霧が行える高品位でかつ省エネルギーを実現した冷蔵庫を提供することが可能となる。
なお、本実施の形態においては、霧化部139でミスト噴霧を行う具体的な霧化装置として静電霧化装置131を例にあげて説明を行ったが、霧化装置は別方式で霧化を行うようなものでも良く、例えば超音波霧化装置を用いた場合でも、超音波霧化装置の霧化先端部に付着する水分量を把握した上で、同様の技術思想を用いてそれが適正範囲に入っているかどうかを霧化状態判定手段156で判定を行った上で霧化部139の動作すなわち霧化装置のON/OFFを制御することによって、無駄なく的確なタイミングで繰り返し霧化状態の判定を行った上で、その結果を霧化部139の動作に反映するといった霧化状態のフィードバック制御を行うことにより霧化部139の噴霧精度を向上させ、適切な噴霧量のミスト噴霧を実現することができる。この際の制御手段についても、冷蔵庫100の庫内環境を加味した本実施の形態の制御手段146と同様のものを用いることができる。
(実施の形態2)
図8は、本発明の実施の形態2における冷蔵庫の機能ブロック図である。図9は、同実施の形態の冷蔵庫の動作の一例を示すタイミングチャートである。図10は、同実施の形態における冷蔵庫の制御の一例を示すフローチャートである。
本発明の実施の形態2の冷蔵庫101における静電霧化装置131の放電電圧と放電電流との関係は、図5(a)に示された実施の形態1のものと同じであり、実施の形態2の冷蔵庫100における静電霧化装置131の放電電流値と出力検出手段158との関係と霧化部139の状態との相関は、図5(b)に示された実施の形態1のものと同じである。また、実施の形態1と同一構成については、同一符号を付してその詳細な説明は省略する。
図8において、本実施の形態の冷蔵庫100は、圧縮機109の運転動作を制御手段146へ入力する。
制御手段146は、予め設定された庫内の温度に応じて、圧縮機109が動作して冷却運転が行われる。冷却運転が行われると、冷却室110で各貯蔵室を冷却するための冷気を生成し、冷却ファン113により、各貯蔵室内へ冷気を搬送し、ダンパ145の開閉動作により、各貯蔵室を目的温度帯に冷却調整される。
外気温度が比較的低い場合には、庫内温度検出手段150の温度変動がほぼ一定温度となるため、ダンパ145は、閉塞状態が多くなり、ダンパ145の運転率が低下し、ダンパ145の開閉に応じて、霧化電極135の乾燥及び結露を制御することが困難になる。つまり、ダンパ145が閉塞状態となり、霧化電極135が過剰結露しやすい状態になる。
また、圧縮機109は、インバータ制御等により、圧縮機109の回転数を可変することにより、冷蔵庫100の周囲環境温度に影響されることなく、ほぼ一定の運転率でON/OFF動作されている。
よって、本実施の形態では、冷蔵庫100の外気温度を検出する外気温度検出手段148を備え、外気温度検出手段148で検出した外気温によって霧化状態判定手段156が動作するタイミングを設定する判定タイミング設定手段を変更とし、外気温度検出手段148で検出外気温が所定温度以下である場合を中心に説明をする。
外気温度検出手段148で検出した外気温が所定温度(例えば14℃)以下の場合、野菜室107の湿度状況を考慮するため冷却ファン113の動作つまり、圧縮機109の動作信号に応じて、例えば、圧縮機109がONされると、結露防止ヒータ155を通電し、霧化電極135を加温、乾燥状態を作り出し、圧縮機109がOFFされると、結露防止ヒータ155がOFFし、霧化電極135が結露状態をつくり、これに高電圧を印加することによりミストが噴霧される。
なお、圧縮機109がON時には、結露防止ヒータ155を通電、OFF時には結露防止ヒータ155を停止で説明したが、圧縮機109がONには、結露防止ヒータ155を停止、OFF時には結露防止ヒータ155を通電としてもよい。これにより、消費電力を低減できる。
また、圧縮機109のON/OFFの動作タイミングで結露防止ヒータ155の通電/停止を説明したが、結露防止ヒータ155を常時通電し、圧縮機109のON時とOFF時の通電率を変更してもよい。
このように、圧縮機109のON/OFFのタイミングは、野菜室107の湿度状況等が変化し、霧化部139周辺の結露や乾燥を支配する温湿度状況が変わると推定される重要なタイミングであるので、本実施の形態では、判定タイミング設定手段を圧縮機109のON/OFFのタイミングとし、圧縮機109がONからOFF若しくは、OFFからONの動作を行った場合に、霧化状態判定手段156が霧化部139の霧化状態を判定するようにした。
なお、圧縮機109のONからOFF若しくは、OFFからONの動作を行った場合に霧化状態を判定するように説明したが、冷却ファン113のONからOFF若しくはOFFからONの動作を行ったタイミングでも良い。
これにより、圧縮機109がONからOFF若しくは、OFFからONのタイミングを制御手段146で判断する検出タイミングで霧化状態を判断し、一旦、静電霧化装置131の電圧印加部133の高電圧を停止した状態で、出力検出手段158で出力された電極間に流れる電流(放電電流)又は、印加される電圧(放電電圧)の値を読込み、これを高電圧停止状態の基準値とし、次に電圧印加部133へ高電圧を印加した状態で、出力検出手段158で出力された電極間に流れる電流(放電電流)又は、印加される電圧(放電電圧)の値を読込み、これを高電圧動作状態の動作値とする。
そして、制御手段146では、高電圧停止状態の基準値である基準電圧値もしくは基準電流値から高電圧動作状態の動作値である動作電圧値もしくは動作電圧値を差分した値である差分値をもとに、霧化状態判定手段156により霧化状態を判定し、電圧印加部133へ高電圧の印加継続すなわち霧化部139の動作を制御の可否判断を行い、タイマー157が初期化される。
霧化状態判定手段156は、この差分された値があらかじめ決められた規定範囲(例えば、図5(b)の霧化発生状態(1)の範囲)に入っている場合に、霧化状態判定手段156ではコロナ放電が発生し適正な噴霧が行われている状態と判断し、引き続き電圧印加部133へ高電圧の開始信号を出力しミスト噴霧を行うと共に、タイマー157を動作させる。
そして、タイマー157が所定時間経過ごとに、出力検出手段158で電極間に流れる電流(放電電流)又は、印加される電圧(放電電圧)の高電圧動作状態の動作値を読込み、制御手段146では、高電圧停止状態の基準値から高電圧動作状態の動作値を差分し、その値から霧化状態判定手段156で判定を行う。
また逆に、高電圧停止状態の基準値から高電圧動作状態の動作値を差分した値である差分値がある指定の範囲外(例えば、図5(b)の霧化発生状態(1)の範囲外)であれば、霧化状態判定手段156では、適正な噴霧が行われていないと判断し、制御手段146から電圧印加部133へ高電圧の停止信号の出力を行うことで、霧化部139の動作を停止させミスト噴霧を停止すると共に、タイマー157を動作させる。
そして、タイマー157が所定時間経過後、再び、電圧印加部133へ高電圧の開始信号を出力し、出力検出手段158で電極間に流れる電圧もしくは電流の高電圧動作状態の動作値を読込み、制御手段146では、高電圧停止状態の基準値から高電圧動作状態の動作値を差分し、その値から霧化状態判定手段156で判定を行う。
このとき、タイマー157を用いて遅延制御を行い、霧化電極135の結露の状態により、静電霧化装置131への高電圧印加の通電の可否すなわち霧化部139の動作の開始もしくは停止等を制御してもよい。この場合は、タイマー157がタイミング設定手段となり、的確なタイミングで安定して必要な時に適切な量を霧化させることができ、消費電力が低減することもできる。
次に詳細な動作を図9のタイミングチャートの順に、図10の制御フローチャートを用いて説明する。
まず、タイマー157が動作し(STEP201)、記憶変数のOldDPFLGに初期値:OFF状態(0)を記憶させる(STEP202)。このとき、図示しないが、庫内温度検知手段がある一定温度以下にならないと次のSTEPに移行しない制御を加えてもよい。
圧縮機109の運転状態が動作状態を入力し、圧縮機109の運転状態が動作状態(ON)かどうかを判定し(STEP203)、ON状態であれば(STEP203:Yes、図9のA‘点)へ処理が進み、記憶変数のNewDPFLGにON状態(1)を記憶させると共に(STEP204)、霧化電極135の乾燥状態を作り出す、結露防止ヒータ155に通電を行う(STEP205、図9のB’点)。
次に、NewDPFLGの判定を行い、その記憶された記憶変数がON状態(1)であれば(STEP206:YES)に処理が進み、再度、OldDPFLGの判定を行う。OldDPFLGがOFF状態(0)であれば(STEP207:YES)に処理が進み、ここで判定タイミング設定手段の一つである圧縮機109がOFF状態からON状態に変ったタイミング(図9の破線X1‘のタイミング)と判断する。
この時、電圧印加部133へ高電圧の停止信号の出力し、電圧印加部133へ高電圧の印加を停止し(STEP208)、霧化電極135と対向電極136との間に高電圧が印加され、その電極間に流れる電流(放電電流)又は、印加される電圧(放電電圧)を出力検出手段158で検出し、制御手段146へ入力し、これを高電圧停止状態の基準値とする(STEP209)。
次に、静電霧化装置131の電圧印加部133へ高電圧を印加するように判断し、電圧印加部133へ高電圧の開始信号の出力を行い(STEP210、図9のZ‘1点)、霧化電極135と対向電極136との間に高電圧が印加され、その流れる電流(放電電流)又は、印加される電圧(放電電圧)を出力検出手段158で検出し、制御手段146へ入力し、これを高電圧動作状態の動作値とする(STEP211)。
そして、制御手段146では、高電圧停止状態の基準値から高電圧動作状態の動作値を差分した値が、予め記憶されている電流、又は、印加される電圧の上限値Y1と下限値Y2間の範囲内に入っているか判定し、範囲内であれば(STEP212:YES、図9のC‘点)、霧化電極135で安定した適正なコロナ放電が発生し、霧化電極135でミストが発生していると判断し、引続き電圧印加部133へ高電圧が印加する。そして、タイマー157の初期化を行い(STEP214)、記憶変数のNewDPFLGをOldDPFLGに代入しSTEP203に戻る。
タイマー157が所定時間経過すると(図9の破線X2‘のタイミング)、(STEP203)にて、圧縮機109の運転状態が動作状態(ON)かを判定し(STEP203)、ON状態であれば(STEP203:Yes、図9のD‘点)へ処理が進み、記憶変数のNewDPFLGにON状態(1)を記憶させると共に(STEP204)、霧化電極135の乾燥状態を作り出す、結露防止ヒータ155に継続通電を行う(STEP205、図9のE’点)。
そして、(STEP206)にて、記憶変数に記憶されたNewDPFLGの判定を行い、その記憶された記憶変数がON状態(1)であれば(STEP206:YES)に処理が進み、OldDPFLGがOFF状態(0)でなければ(STEP207:NO)に処理が進み、タイマー157が所定時間以上であるかを判定する(STEP218)。
タイマー157が所定時間以上であれば(STEP218:YES)静電霧化装置131の電圧印加部133へ高電圧を印加するように判断し、電圧印加部133へ高電圧の開始信号の出力を行う(STEP210、図9のZ‘2点)。そして、霧化電極135と対向電極136との間に高電圧が印加され、その流れる電流(放電電流)又は、印加される電圧(放電電圧)を出力検出手段158で検出し、制御手段146へ入力し、これを高電圧動作状態の動作値とする(STEP211)。
そして、制御手段146では、高電圧停止状態の基準値から高電圧動作状態の動作値を差分した値である差分値が、予め記憶されている電流、又は、印加される電圧の上限値Y1と下限値Y2間の範囲内に入っているか判定を行い、範囲内であれば(STEP212:YES、図9のF‘点)、霧化状態継続していると判断し、引続き電圧印加部133へ高電圧が印加される。そして、タイマー157の初期化を行い(STEP214)、記憶変数のNewDPFLGをOldDPFLGに代入し(STEP215)、STEP203に戻る。
さらに、タイマー157が所定時間経過すると(図9の破線X3‘のタイミング)、(STEP203)にて、圧縮機109の運転状態が動作状態(ON)かを判定し(STEP203)、ON状態であれば(STEP203:Yes、図9のG‘点)へ処理が進み、記憶変数のNewDPFLGにON状態(1)を記憶させると共に(STEP204)、霧化電極135の乾燥状態を作り出す、結露防止ヒータ155に継続通電を行う(STEP205、図9のH’点)。
そして、(STEP206)にて、NewDPFLGの判定を行い、記憶変数がON状態(1)であれば(STEP206:YES)に処理が進み、OldDPFLGの記憶変数がOFF状態(0)でなければ(STEP207:NO)に処理が進み、タイマー157が所定時間以上であるかを判定する(STEP218)。
タイマー157が所定時間以上であれば(STEP218:YES)、静電霧化装置131の電圧印加部133へ高電圧を印加するように判断し、電圧印加部133へ高電圧の開始信号の出力を行う(STEP210、図9のZ‘3点)。次に、霧化電極135と対向電極136との間に高電圧が印加され、その流れる電流(放電電流)又は、印加される電圧(放電電圧)を出力検出手段158で検出し、制御手段146へ入力し、これを高電圧動作状態の動作値とする(STEP211)。
そして、制御手段146では、高電圧停止状態の基準値から高電圧動作状態の動作値を差分した値が、予め記憶されている電流、又は、印加される電圧の上限値Y1‘と下限値Y2’間の範囲内に入っているか判定を行い、範囲外であれば(STEP212:No、図9のI‘点)、適正なコロナ放電が発生していない状態と判定し、電圧印加部133へ高電圧の停止信号の出力を行う(STEP213、図9のZ‘4点)。そして、タイマー157の初期化を行い(STEP214)、記憶変数のNewDPFLGをOldDPFLGに代入し(STEP215)、STEP203に戻る。
また、タイマー157が所定時間未満であれば、以降、上記の動作を(STEP218)までを処理を繰り返し、そして、タイマー157が所定時間未満であれば、再びSTEP203に戻る。
また、(STEP203)にて、圧縮機109の運転状態が動作状態(ON)かを判定し(STEP203)、OFF状態であれば(STEP203:NO、図9のJ‘点)へ処理が進み、記憶変数のNewDPFLGにOFF状態(0)を記憶させると共に(STEP216)、霧化電極135の結露状態を作り出す、結露防止ヒータ155を停止する(STEP217、図9のK’点)。
次に、記憶変数に記憶されたNewDPFLGの判定を行い、記憶変数がOFF状態(0)であれば(STEP206:NO)に処理が進み、ここで、OldDPFLGの記憶変数がON状態(1)であれば(STEP219:YES)に処理が進み、ここで判定タイミング設定手段の一つである圧縮機109がON状態からOFF状態に変わったタイミング(図9の破線X4‘のタイミング)と判断する。
この時に電圧印加部133へ高電圧の停止信号の出力し、電圧印加部133へ高電圧の印加を停止し(STEP208)、霧化電極135と対向電極136との間に高電圧が印加され、その電極間に流れる電流(放電電流)又は、印加される電圧(放電電圧)を出力検出手段158で検出し、制御手段146へ入力し、これを高電圧停止状態の基準値とする(STEP209)。
次に、静電霧化装置131の電圧印加部133へ高電圧を印加するように判断し、電圧印加部133へ高電圧の開始信号の出力を行い(STEP210、図9のZ‘5点)、霧化電極135と対向電極136との間に高電圧が印加され、その流れる電流(放電電流)又は、印加される電圧(放電電圧)を出力検出手段158で検出し、制御手段146へ入力し、これを高電圧動作状態の動作値とする(STEP211)。
そして、制御手段146では、高電圧停止状態の基準値から高電圧動作状態の動作値を差分した値が、予め記憶されている電流、又は、印加される電圧の上限値Y1と下限値Y2間の範囲内に入っているか判定を行い、範囲外であれば(STEP212:NO、図9のL‘点)、適正なコロナ放電が発生していない状態となり、制御手段146から電圧印加部133へ高電圧の停止信号の出力を行う(STEP213、図9のZ‘6点)。そして、タイマー157の初期化を行い(STEP214)、STEP203に戻る。
また、タイマー157が所定時間経過すると(図9の破線X5‘のタイミング)、(STEP203)にて、圧縮機109の運転状態が動作状態(ON)かを判定し(STEP203)、OFF状態であれば(STEP203:NO、図9のM‘点)へ処理が進み、NewDPFLGにOFF状態(0)を記憶させると共に(STEP216)、霧化電極135の結露状態を作り出す、結露防止ヒータ155に継続停止を行う(STEP217、図9のN’点)。
そして、(STEP206)にて、NewDPFLGの判定を行い、記憶変数がOFF状態(0)であれば(STEP206:NO)に処理が進み、OldDPFLGの記憶変数がON状態(1)でなければ(STEP219:NO)に処理が進み、タイマー157が所定時間以上であるかを判定する(STEP220)。
タイマー157が所定時間以上であれば(STEP220:YES)へ処理が進み、静電霧化装置131の電圧印加部133へ高電圧を印加するように判断し、電圧印加部133へ高電圧の開始信号の出力を行う(STEP210、図9のZ‘7点)。そして、霧化電極135と対向電極136との間に高電圧が印加され、その流れる電流(放電電流)又は、印加される電圧(放電電圧)を出力検出手段158で検出し、制御手段146へ入力し、これを高電圧動作状態の動作値とする(STEP211)。
そして、制御手段146では、高電圧停止状態の基準値から高電圧動作状態の動作値を差分した値が、予め記憶されている電流、又は、印加される電圧の上限値Y1と下限値Y2間の範囲内に入っているか判定を行い、範囲外であれば(STEP212:NO、図9の0‘点)、適正なコロナ放電が発生していない状態となり、制御手段146から電圧印加部133へ高電圧の停止信号の出力を行う(STEP213、図9のZ‘8点)。そして、タイマー157の初期化を行い(STEP214)、記憶変数のNewDPFLGをOldDPFLGに代入し(STEP215)、STEP203に戻る。
また、タイマー157が所定時間経過すると(図9の破線X6‘のタイミング)、(STEP203)にて、圧縮機109の運転状態が動作状態(ON)かを判定し(STEP203)、OFF状態であれば(STEP203:NO、図9のP‘点)へ処理が進み、記憶変数のNewDPFLGにOFF状態(0)を記憶させると共に(STEP216)、霧化電極135の結露状態を作り出す、結露防止ヒータ155に継続停止を継続する(STEP217、図9のQ’点)。
そして、(STEP206)にて、記憶変数に記憶されたNewDPFLGの判定を行い、その記憶された記憶変数がON状態(1)でなければ(STEP206:NO)に処理が進み、OldDPFLGの記憶変数がON状態(1)でなければ(STEP219:NO)に処理が進み、タイマー157が所定時間以上であるかを判定する(STEP220)。
タイマー157が所定時間以上であれば(STEP220:YES)、静電霧化装置131の電圧印加部133へ高電圧を印加するように判断し、電圧印加部133へ高電圧の開始信号の出力を行う(STEP210、図9のZ‘9点)。そして、霧化電極135と対向電極136との間に高電圧が印加され、その流れる電流(放電電流)又は、印加される電圧(放電電圧)を出力検出手段158で検出し、制御手段146へ入力し、これを高電圧動作状態の動作値とする(STEP211)。
そして、制御手段146では、高電圧停止状態の基準値から高電圧動作状態の動作値を差分した値が、予め記憶されている電流、又は、印加される電圧の上限値Y1と下限値Y2間の範囲内に入っているか判定を行い、範囲内であれば(STEP212:YES、図9のR‘点)、コロナ放電によって、霧化電極135で適正なミスト噴霧が発生していると判定し、引き続き電圧印加部133へ高電圧が印加され、ミスト噴霧が行われる。
そして、タイマー157の初期化を行い(STEP214)、記憶変数のNewDPFLGをOldDPFLGに代入し(STEP215)、STEP203に戻る。
また、タイマー157が所定時間未満以上であれば、以降、上記の動作を(STEP220)までを処理を繰り返し、そして、タイマー157が所定時間以内であれば(STEP220:NO)へ処理が進み、以降、上記の動作を繰り返す。
このように、本実施の形態では、繰り返し霧化状態の判定を行った上で、その結果を霧化部139の動作に反映するといった霧化状態のフィードバック制御を行っている。この霧化状態のフィードバック制御は例えば図10の制御フローチャートにおいては、F1で示されているような霧化状態の判定を行う制御へと繰り返し戻るフローを指している。
上記のような複雑なフローでのフィードバック制御を繰り返すことで、霧化状態判定手段156が動作するタイミングを設定する判定タイミング設定手段からの信号によって、霧化状態判定手段156が霧化部139の霧化状態を判定し、この霧化状態判定手段156によって判定した信号によって霧化部139の動作を制御している。
これによって、タイミング設定手段によって無駄なく的確なタイミングで繰り返し霧化状態の判定を行った上で、その結果を霧化部139すなわち霧化装置の動作に反映するといった霧化状態のフィードバック制御を行うことにより霧化部139の噴霧精度を向上させ、適切な噴霧量のミスト噴霧を実現することができる。
なお、結露防止ヒータ155は、貯蔵室内の温度調節、又は、貯蔵室内の表面の結露を防止するため結露防止ヒータ155との兼用で説明したが、それぞれを独立させるヒータを用いることで、冷却ピン134の温度調節を行うヒータの低入力ができ、更に冷却ピン134の温度調節がきめ細かく制御できるので、結露状態を更に安定させることで噴霧量の安定化が図れ、噴霧効率も向上させることが可能である。
また、外気温度が比較的低い場合には、圧縮機109の運転状況に応じて、結露防止ヒータ155を制御するように説明したが、一定時間を刻むタイマーを設け、例えば、10分ごとに信号を制御手段146へ出力し、冷却ピン134の温度調節を10分間結露防止ヒータ155通電、10分後に結露防止ヒータ155停止とすることも可能であり、また、その一定時間を検知タイミングとして霧化状態判定手段156を制御することで、外気温度が比較的低い場合には、庫内温度検出手段150の温度変動がほぼ一定温度となるため、ダンパ145は閉塞状態が多くなり、貯蔵室内は高湿条件になりやすいので、冷却ピン134の温度調節をきめ細かく制御することで、低外気温でも結露状態を作りやすくなり、噴霧効率も向上させることが可能である。
以上のように、本実施の形態においては、判定タイミング設定手段は、冷蔵庫100の貯蔵室を冷却するための圧縮機109であって、圧縮機109がONからOFF、又は、OFFからONの動作を行った場合に、霧化状態判定手段156が霧化部139の霧化状態を判定することで、霧化部139周辺の冷気の冷却状態と関連ある圧縮機109の動作を判定タイミングとして霧化状態の判定を行うことで、的確なタイミングで、霧化部139の結露状態、噴霧状態を把握でき、その霧化部139の噴霧判定の精度を向上することができる。
これによって、圧縮機109のONからOFF信号、又は、OFFからONを検出タイミングとしたことで、霧化部139に水がある時は、水がなくなるまで電圧印加部133の高電圧の動作を行うことで、噴霧効率を向上させることができる。
また、水がなくなると、電圧印加部133の高電圧の停止を行うことで、余分な消費電力を低減することができる。
また、本実施の形態では、霧化部139を備えた貯蔵室内の環境が変わると推定される場合の中でも特に霧化部139周辺の温度状態が変化すると推定される場合を判定タイミング設定手段として、圧縮機109のONからOFF信号、又は、OFFからONを判定タイミング設定手段の判定タイミングとし、所定温度以上では、貯蔵室の温度調節を行うダンパ145の開から閉、又は、閉から開の動作を判定タイミング設定手段の判定タイミングとして、霧化状態判定手段156が霧化部139の霧化状態を判定することにより、外気温度が比較的低い場合には、ダンパ145の閉塞状態が多くなり、霧化電極135は過剰結露の状態になりやすいと推測できるので、外気温度によって判定タイミング設定手段の判定タイミングを変更することで、外気温度の影響をも加味して、さらに冷蔵庫100の設置条件の変動があった場合でも、適切かつ的確なタイミングで、霧化部139の結露状態、噴霧状態を把握でき、その霧化部139の噴霧判定の精度を向上することができる。
このように、本実施の形態では外気温度検出手段148で検出した外気温が所定温度以下の場合には、圧縮機109のONからOFF、又は、OFFからONの動作を判定タイミング設定手段の判定タイミングとすることで、外気温度が比較的低い場合には、ダンパ145の開閉率が大幅に減少し、閉塞状態が多くなる場合でも、主に圧縮機109のON/OFFをタイミング設定手段として霧化電極135の霧化状態を判定することによって、冷蔵庫100の実運転状態を考慮し、より適切かつ的確なタイミングで霧化部139の結露状態、噴霧状態を把握でき、その霧化部139の噴霧判定の精度を向上することができる。
なお、本実施の形態では詳細に説明を行っていないが、外気温度検出手段148で検出した外気温が所定温度以上では、実施の形態1で説明したような貯蔵室の温度調節を行うダンパ145の開から閉、又は、閉から開の動作を判定タイミング設定手段の判定タイミングとすることで、外気温が比較的高い場合には、圧縮機109がOFF状態になる頻度が少なく、ON状態で動作しつづけることが多い場合でも、主にダンパ145の開から閉、又は、閉から開をタイミング設定手段として霧化状態判定手段156が霧化部139の霧化状態を判定することで外気温度の影響をも加味して、さらに冷蔵庫100の設置条件の変動があった場合等の冷蔵庫100の実運転状態を考慮し、より適切かつ的確なタイミングで、霧化部139の結露状態、噴霧状態を把握でき、その霧化部139の噴霧判定の精度を向上することができる。
このように、本実施の形態では、冷蔵庫100の外気温度を検出する外気温度検出手段148を備え、外気温度検出手段148で検出した外気温によって霧化状態判定手段156が動作するタイミングを設定する判定タイミング設定手段を変更するものであり、外気温度の影響をも加味して、さらに冷蔵庫100の設置条件の変動があった場合でも、適切かつ的確なタイミングで、霧化部139の結露状態、噴霧状態を把握でき、その霧化部139の噴霧判定の精度を向上することができる。
また、水がなくなると、電圧印加部133の高電圧の停止を行うことで、次の検出タイミング後まで、電圧印加部133の高電圧の停止を行うので余分な消費電力を更に低減することができる。
また、本実施の形態では、冷蔵庫100の外気温度を検出する外気温度検出手段148を備え、外気温度検出手段148で検出した外気温が所定温度以下では、圧縮機109のONからOFF信号、又は、OFFからONを検出タイミングとし、所定温度以上では、貯蔵室の温度調節を行うダンパ145の開から閉、又は、閉から開の動作を検出タイミングとして、霧化状態が適正に噴霧されているか否かを判定することにより、外気温度が比較的低い場合には、ダンパ145の閉塞状態が多くなり、霧化電極135は過剰結露の状態になりやすいので、外気温度によって検出タイミングを変更することで、外気温度に影響されず静電霧化装置131の霧化効率を向上させることができる。
(実施の形態3)
図11は、本発明の実施の形態3における冷蔵庫の動作の一例を示すタイミングチャートである。図12は、同実施の形態の冷蔵庫の制御の一例を示す制御フローチャートである。
なお、実施の形態1及び実施の形態2と同一構成については、同一符号を付してその詳細な説明は省略する。
詳細な動作を図11のタイミングチャートの順に、図12の制御フローチャートを用いて説明する。
まず、タイマー157が動作し(STEP300)、記憶変数のOldDPFLGに初期値:開放信号(1)を記憶させ(STEP301)、貯蔵室内に設けられた庫内温度検出手段150で貯蔵室内の雰囲気温度を検出する。
次に庫内温度検出手段150の出力信号を制御手段146へ入力する。庫内温度検出手段150がT0以下なら次のSTEP303に進むが、T0以上ならT0以下になるまで、次のSTEPには移行しないような強制停止手段を備えている(図11の破線X0のタイミング:A点)。
このように、本実施の形態に記載の冷蔵庫100は、ある一定条件となるまでは静電霧化装置131を動作させずに停止させておく強制停止手段を備えており、例えば、庫内温度検知手段150で説明すると、冷蔵庫100の電源投入時やドア開閉が頻繁にある時や、ドアが最後まで閉まっておらず隙間がある時などによる庫内温度上昇が考えられ、このように庫内温度が高い場合には、まずは庫内温度を下げる冷凍システムの運転を優先させて、静電霧化装置131は動作させない。
この場合は、予め設定された庫内温度検出手段150になるまで冷却されるまで、ダンパ145が開状態で冷却ファン133の風量が高く、圧縮機109の運転率が上がっている為、野菜室107には、多量の冷気が流れ込んでくる状態であり、霧化部139周辺の乾燥が促進されるので、本実施の形態のような結露方式の場合には、静電霧化装置131を動作させても、霧化電極135に水が集まらないので、この状態は、静電霧化装置131の動作を停止し、冷却システムを優先させ、静電霧化装置131に掛かる消費電力を低減させ、省エネ効果を向上させている。
さらに、庫内温度が高いままに噴霧を行うと、比較的温度の高いミスト粒子が庫内へ噴霧されるため、野菜等の収納物が劣化するという懸念もあり、ある一定の庫内温度となるまでは、静電霧化装置131の動作を停止させることが保鮮性の向上にも繋がる。
また、強制停止手段によって、霜取り制御手段が動作中には静電霧化装置131を動作させずミスト噴霧を行わないことも有効である。この霜取り制御中とは、通常運転時に冷却器112の運転効率を高めるため、定期的に霜を取り除く霜取り制御手段を備えた冷蔵庫において、その霜取り制御手段動作中や停止直後には、除霜ヒータ(ラジアントヒータ114)を通電し、冷却器112に付着した霜を除霜ヒータ(ラジアントヒータ114)の熱で溶かし、冷却器112に付着した霜を取り除くものである。
この場合には、霜取り制御によって、その溶かした霜によって高湿状態となった空気を野菜室107に流動させることで、野菜室107を高湿化し、後に静電霧化装置131が動作した場合の霧化電極135の結露状態を促進し、噴霧効率も向上させることが可能である。
このように、強制停止手段によって、電源投入後の冷却器112の温度が高い場合や冷蔵室(図示せず)、冷凍室(図示せず)等の温度が高い時もある一定温度以下にならないと次のSTEPに移行せずに霧化を行わない制御を加えることで、無駄に静電霧化装置131や結露防止ヒータ155に通電することを防止し、庫内温度が高い状態における霧化装置の動作による貯蔵室内のさらなる温度上昇抑制や、それに伴う消費電力の低減が図れ、省エネルギーで霧化装置を冷蔵庫に搭載することが可能となる。
STEP302でT0以下ならば、次のSTEP103に進み、庫内温度検出手段150がT1以上かを判定し、T1以上でなければ、(STEP303:No、図11のB点)へ処理が進み、再度、庫内温度検出手段150がT2以下かを判定し(STEP317)、T2以下であれば、(STEP317:YES、図11のB点)へ処理が進み、ダンパ145が閉塞動作を出力し、その信号を制御手段146へ入力(STEP318、図11のC点)と共に動作信号状態を記憶変数のNewDPFLGに閉信号(0)を記憶する(STEP319)。
そして、記憶変数に記憶されたNewDPFLGの判定を行い、その記憶された記憶変数が閉信号(0)であれば(STEP306:NO)に処理が進み、次に記憶されたOldDPFLGの判定を行い、その記憶された記憶変数が開信号(1)であれば(STEP307:YES)に処理が進み、ここでダンパ145が開信号から閉信号に変ったタイミング(図11の破線X1のタイミング)と判定する。
この時に、霧化電極135と対向電極136との間に高電圧が印加され、流れる電流値は、数μAと非常に入力する電流値が小さいため、電流値から電圧値に変更すると、回路部品によるバラツキと部品による温度バラツキが発生し、判別する電流値の絶対値は、部品ごとに異なる。しかし、霧化量の変化に対応した電流値の変化量はこのバラツキに関わらず一定の関係を示すため、基準電圧を都度読込み比較することで、正確に霧化量を判断することが可能となる。
すなわち霧化していない時の基準電圧を原点である基準値とし、変化した基準電圧から減算する事で霧化量の差分の絶対値を判断することができので、一旦、制御手段146から電圧印加部133へ高電圧の停止信号を出力し、電圧印加部133へ高電圧の印加を停止し(STEP308)、霧化電極135と対向電極136との間に高電圧が印加され、その電極間に流れる電流(放電電流)又は、印加される電圧(放電電圧)を出力検出手段158で検出し、制御手段146へ入力し、これを高電圧停止状態の基準値とする(STEP309)。
次に、霧化状態を判定するために静電霧化装置131の電圧印加部133へ高電圧を印加するように判断し、電圧印加部133へ高電圧の開始信号の出力を行う(STEP310、図11のZ1点)。そして、霧化電極135と対向電極136との間に高電圧が印加され、その電極間に流れる電流(放電電流)又は、印加される電圧(放電電圧)を出力検出手段158で検出し、制御手段146へ入力し、これを高電圧動作状態の動作値とする(STEP311)。
そして、制御手段146では、高電圧停止状態の基準値から高電圧動作状態の動作値を差分した値が、予め記憶されている電流、又は、印加される電圧の上限値Y1と下限値Y2間の範囲外であれば(STEP312:No、図11のD点)、適正なコロナ放電が発生していない状態と予測でき、制御手段146から電圧印加部133へ高電圧の停止信号の出力し、電圧印加部133へ高電圧の印加を停止する(STEP313、図11のZ2)。そして、タイマー157の初期化を行い(STEP314)、記憶変数のNewDPFLGをOldDPFLGに代入し(STEP315)、STEP302に戻る。
タイマー157が所定時間経過すると(図11の破線X2のタイミング)、(STEP302)、庫内温度検出手段150がT0以下なら次のSTEP303に進むが、T0以上ならT0以下になるまで、強制停止手段によって次のSTEPには移行しない(STEP302)。
そして、STEP302でT0以下ならば、次のSTEP303に進み、庫内温度検出手段150がT1以上かを判定し、T1以上でなければ、(STEP303:No、図11のE点)へ処理を進む。庫内温度検出手段150がT2以下かを判定を行い(STEP317)、T2以下でなければ(STEP317:No、図11のE点)ダンパ145の閉信号を継続していると判定し(図11のF点)、次の処理へ進む。
また、ここで、図示していないが、外気温度が比較的低い場合には、ダンパ145の閉塞状態が多くなり、霧化電極135は過剰結露の状態になりやすいので、結露防止ヒータ155を通常より入力を上げて通電することで、結露状態及び乾燥状態を作りやすい環境に設定することもできる。
そして、(STEP306)にて、記憶変数に記憶されたNewDPFLGの判定を行い、その記憶された記憶変数が開信号(1)でなければ(STEP306:NO)に処理が進み、再度、記憶変数に記憶されたOldDPFLGの判定を行い、その記憶された記憶変数が開信号(1)でなければ(STEP307:NO)に処理が進み、ここでダンパ145の閉信号(0)が継続した処理が行われる。
タイマー157が所定時間以上であるか判定を行い(STEP316)、タイマー157が所定時間以上であれば(STEP316:YES)、制御手段146から電圧印加部133へ高電圧の停止信号を出力し、電圧印加部133へ高電圧の印加を停止し(STEP308)、霧化電極135と対向電極136との間に高電圧が印加され、その電極間に流れる電流(放電電流)又は、印加される電圧(放電電圧)を出力検出手段158で検出し、制御手段146へ入力し、これを高電圧停止状態の基準値とする(STEP309)。
次に、霧化状態を判定するために静電霧化装置131の電圧印加部133へ高電圧を印加するように判断し、電圧印加部133へ高電圧の開始信号の出力を行う(STEP310、図11のZ3点)。そして、霧化電極135と対向電極136との間に高電圧が印加され、その電極間に流れる電流(放電電流)又は、印加される電圧(放電電圧)を出力検出手段158で検出し、制御手段146へ入力し、これを高電圧動作状態の動作値とする(STEP311)。
そして、制御手段146では、高電圧停止状態の基準値から高電圧動作状態の動作値を差分した値が、予め記憶されている電流、又は、印加される電圧の上限値Y1と下限値Y2間の範囲内に入っているか判定を行い、範囲外であれば(STEP312:No、図11のG点)、霧化電極135では、適正なコロナ放電が発生していない状態と判断し、制御手段146から電圧印加部133へ高電圧の停止信号の出力を行う(STEP313、図11のZ4点)。そして、タイマー157の初期化を行い(STEP314)、記憶変数のNewDPFLGをOldDPFLGに代入し(STEP315)、STEP302に戻る。
次にタイマー157が所定時間経過すると(図11の破線X3のタイミング)、(STEP302)、庫内温度検出手段150がT0以下ならば次のSTEP303に進むが、T0以上ならT0以下になるまで、次のSTEPには移行しない(STEP302)。
そして、STEP302でT0以下ならば、次のSTEP303に進み、庫内温度検出手段150がT1以上かを判定し、T1以上でなければ、(STEP303:No、図11のH点)へ処理が進み、再度、庫内温度検出手段150がT2以上かを判定を行い(STEP317)、T2以下でなければ(STEP317:No、図11のH点)ダンパ145の閉信号を継続していると判定し(図11のI点)、次の処理へ進む。
また、ここで、図示していないが、外気温度が比較的低い場合には、ダンパ145の閉塞状態が多くなり、霧化電極135は過剰結露の状態になりやすいので、結露防止ヒータ155を通常より入力を上げて通電することで、結露状態及び乾燥状態を作りやすい環境に設定することもできる。
次に(STEP306)にて、記憶変数に記憶されたNewDPFLGの判定を行い、その記憶された記憶変数が開信号(1)でなければ(STEP306:NO)に処理が進み、記憶されたOldDPFLGの判定を行い、記憶変数が開信号(1)でなければ(STEP314:NO)に処理が進み、ここでダンパ145の閉信号(0)が継続した処理が行われる。
そして、タイマー157が所定時間以上であるか判定を行い(STEP316)、タイマー157が所定時間以上であれば(STEP316:YES)、制御手段146から電圧印加部133へ高電圧の停止信号を出力し、電圧印加部133へ高電圧の印加を停止し(STEP308)、霧化電極135と対向電極136との間に高電圧が印加され、その電極間に流れる電流(放電電流)又は、印加される電圧(放電電圧)を出力検出手段158で検出し、制御手段146へ入力し、これを高電圧停止状態の基準値とする(STEP309)。
次に、霧化状態を判定するために静電霧化装置131の電圧印加部133へ高電圧を印加するように判断し、電圧印加部133へ高電圧の開始信号の出力を行う(STEP310、図11のZ5点)。霧化電極135と対向電極136との間に高電圧が印加され、その流れる電流(放電電流)又は、印加される電圧(放電電圧)を出力検出手段158で検出し、制御手段146へ入力し、これを高電圧動作状態の動作値とする(STEP311)。
そして、制御手段146では、高電圧停止状態の基準値から高電圧動作状態の動作値を差分した値が、予め記憶されている電流、又は、印加される電圧の上限値Y1と下限値Y2間の範囲内に入っているか判定を行い、範囲内であれば(STEP312:YES、図11のJ点)、霧化電極135にて適正なコロナ放電が発生し、霧化状態となっている状態と判断する。そして、再度、霧化電極135と対向電極136との間に高電圧が印加され、その流れる電流(放電電流)又は、印加される電圧(放電電圧)を出力検出手段158で検出し、制御手段146へ入力し、これを高電圧動作状態の動作値とする(STEP311)。
次に制御手段146では、高電圧停止状態の基準値から高電圧動作状態の動作値を差分した値が、予め記憶されている電流、又は、印加される電圧の上限値Y1と下限値Y2間の範囲外になるまで、次のSTEPには、移行しない(STEP312:YES、図11のJ点、破線X4のタイミング)。この状態でも、庫内温度が上昇し、庫内検知温度がT1以上になると(図11のK点)、記憶変数のNewDPFLGに開信号(1)を記憶する(STEP320)、そして、ダンパ145は閉塞状態から開放状態となり(図11のL)比較的乾いた空気が流動し、水があれば霧化を継続動作させると共に霧化電極135の乾燥を促進させることで、結露しやすい条件を作ることで結露状態を安定的にすることも可能である。
このとき、図示しないが、閉塞ループ状態となるため、タイムセーフを設け、所定時間霧化状態が継続したら、再度、高電圧停止状態の基準値を入力することで、万が一外乱影響による誤作動があっても、霧化状態を停止すること可能であり、霧化装置誤動作による貯蔵室内の温度上昇抑制や消費電力の低減、省エネルギーが可能となる。
なお、図示しないが、貯蔵室の扉が開いた状態を制御手段146で検知した時は、電圧印加部133の高電圧を停止する信号を出力し、静電霧化装置131の高電圧の出力を停止する。これにより、貯蔵室内の扉が開いている状態での霧化発生を停止することで、貯蔵室内の壁面結露を防止し、万が一、使用者が静電霧化装置131に触っても感電による不快感を防止することができる。
そして、予め記憶されている電流、又は、印加される電圧の上限値Y1と下限値Y2間の範囲外になれば(STEP312:No、図11のM点、破線X5のタイミング)、霧化電極135では適正なコロナ放電が発生していない状態と判断し、制御手段146から電圧印加部133へ高電圧の停止信号の出力を行う(STEP313、図11のZ6点)。
そして、タイマー157の初期化を行い(STEP314)、記憶変数のNewDPFLGをOldDPFLGに代入し(STEP315)、STEP302に戻る。
破線X5から破線X6のタイミング間は、以下の動作を行い、STEP302でT0以下ならば、次のSTEP303に進み、庫内温度検出手段150がT1以上かを判定し、T1以上でなければ、(STEP303:No)へ処理を進む。庫内温度検出手段150がT2以下かを判定を行い(STEP317)、T2以下でなければ(STEP317:No)ダンパ145の開信号を継続していると判定し、次の処理へ進む。
(STEP306)にて、記憶変数に記憶されたNewDPFLGの判定を行い、その記憶された記憶変数が開信号(1)であれば(STEP306:YES)に処理が進み、記憶されたOldDPFLGの判定を行い、記憶変数が開信号(1)であれば(STEP321:No)に処理が進み、記憶変数が閉信号(0)であれば(STEP321:YES)へ処理が進み、以降、上記の動作を繰り返す。
以上のように、本実施の形態においては、適正な噴霧が行われていると判定したときは、タイミング設定手段の動作するタイミングで霧化部139の霧化状態を判定するのではなく、常に出力検出手段158で検出した値をリニアで常時監視できるようにモニタリングして、霧化状態が適正は範囲内(適正な範囲については実施の形態1および2で説明した図5(b)でも霧化発生状態(1)の範囲を用いる)にあるかどうかを常時霧化状態判定手段156で判断しており、適正な噴霧が行われていないと判定した時に、電圧印加部133への通電を停止した後には、タイミング設定手段の動作するタイミングで霧化部139の霧化状態を判定して出力検出手段158で検出した値によって霧化が再開される範囲になるまでタイミング設定手段の動作するタイミングで霧化部139の霧化状態を判定することでさらに精度よく霧化状態の動作/停止を判別できる。
これによって、ミストが噴霧されている状態においては、常に噴霧量が監視されて適正範囲内に入るように制御されているので、更に適切かつ的確なタイミングで、霧化部139の結露状態、噴霧状態を把握でき、その霧化部139の噴霧判定の精度を向上することができる。また、このように、適切な霧化を行うことで冷蔵庫に霧化装置を搭載した場合でも消費電力を低減し、省エネルギーを実現した冷蔵庫を提供することができる。