JP2009115422A - 空中解除法による球状氷粒子の製造方法及び製造装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】精度良く、球状氷粒子を大量生産することができる、空中解除法による球状氷粒子の製造方法を提供する。
【解決手段】熱伝導率の低い細管チューブに液体を、層流域以下の流速で、流れが乱れないように供給し、同液体を0.2℃/分以下の冷却速度で除冷して、液体の氷結点より5℃〜10℃程度低い温度の過冷却状態とする。その過冷却状態の液体の液滴を、同液体の氷結点以下の雰囲気中に連続的に放出して、液滴に発生する表面張力により略球状とする。前記液滴に、極低温ガス若しくは氷核、又は極低温ガスと氷核との混合体を接触させて、液滴の過冷却状態を解除することにより、球状氷粒子を製造することを特徴とする。
【選択図】図1
【解決手段】熱伝導率の低い細管チューブに液体を、層流域以下の流速で、流れが乱れないように供給し、同液体を0.2℃/分以下の冷却速度で除冷して、液体の氷結点より5℃〜10℃程度低い温度の過冷却状態とする。その過冷却状態の液体の液滴を、同液体の氷結点以下の雰囲気中に連続的に放出して、液滴に発生する表面張力により略球状とする。前記液滴に、極低温ガス若しくは氷核、又は極低温ガスと氷核との混合体を接触させて、液滴の過冷却状態を解除することにより、球状氷粒子を製造することを特徴とする。
【選択図】図1
Description
本発明は、例えばアイスブラスト洗浄装置の研磨材や冷媒等に用いられる球状氷粒子の製造方法及び製造装置に関する。
従来から小径(数mm程度)の球状氷粒子を精度良く、製造することを試みた技術が開発され、特許出願されている。
特許文献1の球状氷粒子の製造方法は、樋状の冷却流路に液体冷媒を流し、この液体冷媒内に、被凍結液(例えばコーヒーなど)の液滴を落下させて、球状氷粒子を製造している。
特許文献2の球状氷粒子の製造方法は、水に不溶性乃至難溶性で且つ水よりも凝固点の低い分散媒を、同分散媒の凝固点以上で且つ水の凝固点以下の温度に冷却しておき、前記分散媒中に、水を微細滴状で分散させて、球状氷粒子を製造している。
特許文献3の球状氷粒子の製造方法は、疎水性液体が入った液槽中に、水滴を放出させて、球状氷粒子を製造している。
しかし、上記特許文献1〜3の球状氷粒子の製造方法は、落下、分散、放出させた液滴が氷結するまでの時間が長く、その間に、隣接する液滴(即ち先に落下、分散、放出させた液滴)と一体化し、小径の氷粒子を精度良く製造できない問題がある。勿論、落下、分散、放出させる液滴を少量にして、隣接する液滴との一体化を防ぐ方法も考えられるが、その場合は氷粒子の製造効率が著しく低下し、大量生産できない問題がある。
そこで、本出願人は、過冷却液滴を滴下して過冷却状態を解除し、球状氷粒子を精度良く、大量生産する技術を開発し、特許出願している(特許文献4、5を参照)。
上記特許文献4、5の球状氷粒子の製造方法は、より精度良く、球状氷粒子を大量生産することができる余地が残されている。
本発明の目的は、精度良く、球状氷粒子を大量生産することができる空中解除法による球状氷粒子の製造方法及び製造装置を提供することである。
上記課題を解決するための手段として、請求項1に記載した発明に係る空中解除法による球状氷粒子の製造方法は、
熱伝導率の低い細管チューブに液体を、層流域以下の流速で、流れが乱れないように供給し、同液体を0.2℃/分以下の冷却速度で除冷して、液体の氷結点より5℃〜10℃程度低い温度の過冷却状態とし、
その過冷却状態の液体の液滴を、同液体の氷結点以下の雰囲気中に連続的に放出して、液滴に発生する表面張力により略球状とし、
前記液滴に、極低温ガス若しくは氷核、又は極低温ガスと氷核との混合体を接触させて、液滴の過冷却状態を解除することにより、球状氷粒子を製造することを特徴とする。
熱伝導率の低い細管チューブに液体を、層流域以下の流速で、流れが乱れないように供給し、同液体を0.2℃/分以下の冷却速度で除冷して、液体の氷結点より5℃〜10℃程度低い温度の過冷却状態とし、
その過冷却状態の液体の液滴を、同液体の氷結点以下の雰囲気中に連続的に放出して、液滴に発生する表面張力により略球状とし、
前記液滴に、極低温ガス若しくは氷核、又は極低温ガスと氷核との混合体を接触させて、液滴の過冷却状態を解除することにより、球状氷粒子を製造することを特徴とする。
請求項2記載の発明は、請求項1に記載した空中解除法による球状氷粒子の製造方法において、
細管チューブは、直径1mm〜5mm程度の氷粒子となる液滴を放出することができるように、内径0.5mm〜3mm程度のフッ素樹脂チューブ、シリコンチューブ、塩化ビニルチューブ等のチューブであり、
細管チューブ内の液体を0.2℃/分以下の冷却速度で除冷した際に、前記液体が細管チューブの出口側の端部近傍で前記液体の氷結点より5℃〜10℃程度低い温度の過冷却状態となるに十分な長さを有することを特徴とする。
細管チューブは、直径1mm〜5mm程度の氷粒子となる液滴を放出することができるように、内径0.5mm〜3mm程度のフッ素樹脂チューブ、シリコンチューブ、塩化ビニルチューブ等のチューブであり、
細管チューブ内の液体を0.2℃/分以下の冷却速度で除冷した際に、前記液体が細管チューブの出口側の端部近傍で前記液体の氷結点より5℃〜10℃程度低い温度の過冷却状態となるに十分な長さを有することを特徴とする。
請求項3記載の発明は、請求項1に記載した空中解除法による球状氷粒子の製造方法において、
氷核は直径が0.01mm〜1mm程度の微細氷粒から成り、前記氷核を液滴に接触させて一体化することを特徴とする。
氷核は直径が0.01mm〜1mm程度の微細氷粒から成り、前記氷核を液滴に接触させて一体化することを特徴とする。
請求項4記載の発明は、請求項1に記載した空中解除法による球状氷粒子の製造方法において、
極低温ガスは、液体窒素やドライアイス等の寒剤に乾燥空気を供給して得ることを特徴とする。
極低温ガスは、液体窒素やドライアイス等の寒剤に乾燥空気を供給して得ることを特徴とする。
請求項5記載の発明は、請求項1に記載した空中解除法による球状氷粒子の製造方法において、
極低温ガスと氷核との混合体は、液体窒素やドライアイス等の寒剤に湿り空気を供給して得た極低温ガスと、前記湿り空気に含有する水分が凍結した直径0.01mm〜0.1mm程度の氷核とから成り、前記混合体を液滴に接触させて前記氷核を前記液滴と一体化させることを特徴とする。
極低温ガスと氷核との混合体は、液体窒素やドライアイス等の寒剤に湿り空気を供給して得た極低温ガスと、前記湿り空気に含有する水分が凍結した直径0.01mm〜0.1mm程度の氷核とから成り、前記混合体を液滴に接触させて前記氷核を前記液滴と一体化させることを特徴とする。
請求項6記載の発明は、請求項1に記載した空中解除法による球状氷粒子の製造方法において、
極低温ガスと氷核との混合体は、圧縮空気をボルテックスチューブ等の熱力学的冷熱発生器に供給して得た極低温空気に、湿り空気を供給して得た極低温ガスと、前記湿り空気に含有する水分が凍結した直径0.01mm〜0.1mm程度の氷核とから成り、前記混合体を液滴に接触させて前記氷核を前記液滴と一体化させることを特徴とする。
極低温ガスと氷核との混合体は、圧縮空気をボルテックスチューブ等の熱力学的冷熱発生器に供給して得た極低温空気に、湿り空気を供給して得た極低温ガスと、前記湿り空気に含有する水分が凍結した直径0.01mm〜0.1mm程度の氷核とから成り、前記混合体を液滴に接触させて前記氷核を前記液滴と一体化させることを特徴とする。
請求項7に記載した発明に係る空中解除法による球状氷粒子の製造装置は、
液体の氷結点以下の雰囲気室内において、
熱伝導率の低い細管チューブに液体を、層流域以下の流速で、流れが乱れないように供給し、同液体を0.2℃/分以下の冷却速度で除冷して、液体の氷結点より5℃〜10℃程度低い温度の過冷却状態とし、その過冷却状態の液体の液滴を、同液体の氷結点以下の雰囲気中に連続的に放出する過冷却液滴製造ユニットと、
前記液滴に、極低温ガス若しくは氷核、又は極低温ガスと氷核との混合体を接触させて、液滴の過冷却状態を解除する過冷却解除ユニットと、
を備えていることを特徴とする。
液体の氷結点以下の雰囲気室内において、
熱伝導率の低い細管チューブに液体を、層流域以下の流速で、流れが乱れないように供給し、同液体を0.2℃/分以下の冷却速度で除冷して、液体の氷結点より5℃〜10℃程度低い温度の過冷却状態とし、その過冷却状態の液体の液滴を、同液体の氷結点以下の雰囲気中に連続的に放出する過冷却液滴製造ユニットと、
前記液滴に、極低温ガス若しくは氷核、又は極低温ガスと氷核との混合体を接触させて、液滴の過冷却状態を解除する過冷却解除ユニットと、
を備えていることを特徴とする。
請求項8記載の発明は、請求項7に記載した空中解除法による球状氷粒子の製造装置において、
細管チューブは、直径1mm〜5mm程度の氷粒子となる液滴を放出することができるように、内径0.5mm〜3mm程度のフッ素樹脂チューブ、シリコンチューブ、塩化ビニルチューブ等のチューブであり、
細管チューブ内の液体を0.2℃/分以下の冷却速度で除冷した際に、前記液体が細管チューブの出口側の端部近傍で前記液体の氷結点より5℃〜10℃程度低い温度の過冷却状態となるに十分な長さを有することを特徴とする。
細管チューブは、直径1mm〜5mm程度の氷粒子となる液滴を放出することができるように、内径0.5mm〜3mm程度のフッ素樹脂チューブ、シリコンチューブ、塩化ビニルチューブ等のチューブであり、
細管チューブ内の液体を0.2℃/分以下の冷却速度で除冷した際に、前記液体が細管チューブの出口側の端部近傍で前記液体の氷結点より5℃〜10℃程度低い温度の過冷却状態となるに十分な長さを有することを特徴とする。
請求項9記載の発明は、請求項7又は請求項8に記載の空中解除法による球状氷粒子の製造装置において、
過冷却液滴製造ユニットは、保温容器内に細管チューブが上下に接触しないスパイラル状に配置されており、液体の入口側の端部は雰囲気室外の液体供給用のポンプに連結され、出口側の端部は前記保温容器の底面から下方に向かって貫通していること、
前記保温容器は温度制御装置を備えており、前記温度制御装置により前記細管チューブ内に供給された液体が、0.2℃/分以下の冷却速度で除冷されて、液体の氷結点より5℃〜10℃程度低い温度の過冷却状態とされることを特徴とする。
過冷却液滴製造ユニットは、保温容器内に細管チューブが上下に接触しないスパイラル状に配置されており、液体の入口側の端部は雰囲気室外の液体供給用のポンプに連結され、出口側の端部は前記保温容器の底面から下方に向かって貫通していること、
前記保温容器は温度制御装置を備えており、前記温度制御装置により前記細管チューブ内に供給された液体が、0.2℃/分以下の冷却速度で除冷されて、液体の氷結点より5℃〜10℃程度低い温度の過冷却状態とされることを特徴とする。
請求項10記載の発明は、請求項7又は請求項8に記載の空中解除法による球状氷粒子の製造装置において、
過冷却液滴製造ユニットは、筒状のケーシング内に細管チューブが上下に接触しないスパイラル状に配置されており、液体の入口側の端部は雰囲気室外の液体供給用のポンプに連結され、出口側の端部は前記ケーシングの下側の開放口から液滴を放出できるように、下方に向かって配置されていること、
前記ケーシングの上側の開放口近傍に排風機を備えており、前記排風機により雰囲気室内の冷気が前記ケーシング内に供給され、前記細管チューブ内に供給された液体が、0.2℃/分以下の冷却速度で除冷されて、液体の氷結点より5℃〜10℃程度低い温度の過冷却状態とされることを特徴とする。
過冷却液滴製造ユニットは、筒状のケーシング内に細管チューブが上下に接触しないスパイラル状に配置されており、液体の入口側の端部は雰囲気室外の液体供給用のポンプに連結され、出口側の端部は前記ケーシングの下側の開放口から液滴を放出できるように、下方に向かって配置されていること、
前記ケーシングの上側の開放口近傍に排風機を備えており、前記排風機により雰囲気室内の冷気が前記ケーシング内に供給され、前記細管チューブ内に供給された液体が、0.2℃/分以下の冷却速度で除冷されて、液体の氷結点より5℃〜10℃程度低い温度の過冷却状態とされることを特徴とする。
請求項11記載の発明は、請求項7乃至請求項10のいずれか1項に記載の空中解除法による球状氷粒子の製造装置において、
過冷却液滴製造ユニットと過冷却解除ユニットとの間に、表面が撥液処理された曲面スロープを備えており、前記曲面スロープの過冷却液滴製造ユニット側の端部は、液滴が落下した際の衝撃で過冷却状態が解除されないように、所定の高さ位置に配置され、且つ急な傾斜とされ、過冷却解除ユニット側の端部は、液滴の滞空時間を稼ぐことができるように、曲面スロープの最下部から斜め上方に向かう傾斜とされていることを特徴とする。
過冷却液滴製造ユニットと過冷却解除ユニットとの間に、表面が撥液処理された曲面スロープを備えており、前記曲面スロープの過冷却液滴製造ユニット側の端部は、液滴が落下した際の衝撃で過冷却状態が解除されないように、所定の高さ位置に配置され、且つ急な傾斜とされ、過冷却解除ユニット側の端部は、液滴の滞空時間を稼ぐことができるように、曲面スロープの最下部から斜め上方に向かう傾斜とされていることを特徴とする。
請求項12記載の発明は、請求項7乃至請求項11のいずれか1項に記載の空中解除法による球状氷粒子の製造装置において、
過冷却解除ユニットにより過冷却状態が解除されて表面固化した液滴は、ベルトの表面に前記液滴の付着を防止する微細繊維又は極細ブラシが植設されたベルトコンベア上に落下させ、前記ベルトコンベアの終点近傍に設けられた回転ブラシにより掻き取り、揺動させた貯蔵容器に収容することを特徴とする。
過冷却解除ユニットにより過冷却状態が解除されて表面固化した液滴は、ベルトの表面に前記液滴の付着を防止する微細繊維又は極細ブラシが植設されたベルトコンベア上に落下させ、前記ベルトコンベアの終点近傍に設けられた回転ブラシにより掻き取り、揺動させた貯蔵容器に収容することを特徴とする。
本発明に係る空中解除法による球状氷粒子の製造方法及び製造装置は、過冷却液滴製造ユニットが過冷却状態の液体の液滴を容易に連続的に製造することができる構成とされており、さらに過冷却解除ユニットは前記過冷却液滴製造ユニットから連続的に放出された液滴の過冷却状態を良好に解除することができる構成とされているので、容易に連続して精度の良い、球状氷粒子を大量生産することができる。
本発明に係る空中解除法による球状氷粒子の製造方法及び製造装置の実施形態を説明する。
<実施形態1>
便宜上、先に球状氷粒子の製造装置を説明する。
便宜上、先に球状氷粒子の製造装置を説明する。
図1に示す球状氷粒子の製造装置(以下、単に製造装置と云う。)1は、液体の氷結点以下の雰囲気室2内において、熱伝導率の低い細管チューブ3に液体を、層流域以下の流速で、流れが乱れないように供給し、同液体を0.2℃/分以下の冷却速度で除冷して、液体の氷結点より5℃〜10℃程度低い温度の過冷却状態とし、その過冷却状態の液体の液滴4(例えば、体積が5〜100μl(マイクロリットル)程度)を、前記液体の氷結点以下の雰囲気中に連続的に放出する過冷却液滴製造ユニット5と、前記液滴4に氷核6を接触させて、液滴4の過冷却状態を解除する過冷却解除ユニット7とを備えている。
氷結させる液体としては、水、水溶液、水系分散液(水を分散媒とした分散液)を用いることができる。例えば、得られた氷粒子を食品用途に用いる場合、飲料水の他、砂糖、甘味料、着色剤、香料などを溶かした水溶液、または牛乳、豆乳などの分散液を用いることができる。
本発明で云う過冷却とは、液体状態を維持したまま同液体を氷結点より5℃〜10℃程度低い温度とすることをいい、過冷却した状態を過冷却状態と云う。液体を氷結点より5℃〜10℃程度低い温度の過冷却状態とした理由は、−5℃程度より高い温度であると、過冷却状態が解除されても液滴の内部まで凍結しにくく、−10℃程度より低い温度であると、軽微な衝撃で過冷却状態が解除されて瞬時に液滴の内部まで凍結してしまい、取り扱いが困難である。
過冷却液滴製造ユニット5は、保温容器8内に細管チューブ3が通されている。細管チューブ3は、直径1mm〜5mm程度の氷粒子となる液滴を放出することができるように、内径0.5mm〜3mm程度のフッ素樹脂チューブ、シリコンチューブ、塩化ビニルチューブ等の非金属製のチューブから成る。但し、細管チューブ3は、金属製のチューブでも良く、その場合、金属製のチューブは熱伝導率が高く、前記細管チューブ3内の液体を0.2℃/分以下の冷却速度で除冷する際の保温容器8内の微小な温度変化を敏感に前記液体に伝えるので高精度の制御が必要である。一方、細管チューブ3の周囲を過度に保温して熱伝導率を過度に低下させると、前記細管チューブ3内の液体を氷結点より5℃〜10℃程度低い温度まで除冷するための時間を要する、又は長い細管チューブ3が必要となるなど困難である。そのため、熱伝導率が比較的低く、疎水性で、かつ柔軟で低価格のブラスチックチューブが好適である。
また、細管チューブ3の内径が0.5mm程度より小さいと、圧損が増大すること、また汎用のチューブを用いることができず、3mm程度より大きいと、チューブ内で乱流が生じやすくなり、液体を良好に過冷却状態にすることができない。
この細管チューブ3は、保温容器8内において液体を0.2℃/分以下の冷却速度で除冷した際に、前記液体が前記細管チューブ3の出口側の端部近傍で前記液体の氷結点より5℃〜10℃程度低い温度の過冷却状態となるに十分な長さ(10m程度)で、上下に配置された細管チューブ3、3相互が接触しないスパイラル状に形成されている。細管チューブ3の液体の入口側の端部は雰囲気室2外の液体供給用のポンプ9に連結されており、出口側の端部は保温容器8の底面から下方に向かって貫通している。
保温容器8は、細管チューブ3と雰囲気室2内の空気との熱伝達を略遮断することができる部材から成る密閉容器であり、上面にペンチェ冷却素子と加熱ヒーターとから成る(但し、この限りでない。)温度制御装置10を備えている。
したがって、上記構成の過冷却液滴製造ユニット5は過冷却状態の液体の液滴4を容易に連続的に製造することができる構成とされている。
過冷却解除ユニット7は、貯蔵容器11内に貯蔵された氷核6を速度可変モータ12に連結された撹拌翼13によって、固着しないように撹拌し、前記貯蔵容器11を加振装置14により揺動させることで氷核6の散布を容易とし、過冷却液滴製造ユニット5から放出された液滴4に、氷核6を接触させて一体化する構成とされている。ちなみに、氷核6は直径が0.01mm〜1mm程度の微細氷粒であることが好ましい。氷核6の直径が0.01mm程度より小さいと、雰囲気室2内に浮遊してしまい、1mm程度より大きいと、液滴4と衝突して前記液滴4が分散するなどの不都合が生じ易くなり、良好に一体化させることが難しいからである。
本実施形態では、過冷却液滴製造ユニット5から放出された液滴4は、過冷却状態を維持させたまま、曲面スロープ15に落下させ、前記曲面スロープ15の表面を転動・滑走させて放出し、過冷却解除ユニット7から放出された氷核6と接触させて前記液滴4の過冷却状態を解除する構成とされている。
つまり、前記過冷却液滴製造ユニット5と過冷却解除ユニット7との間に、表面が撥液処理された曲面スロープ15を備えている。曲面スロープ15の過冷却液滴製造ユニット5側の端部は、液滴4が落下した際の衝撃で過冷却状態が解除されないように、所定の高さ位置(細管チューブ3の出口端から曲面スロープへの落下位置までの高さhが50mm程度)に配置され、且つ急な傾斜とされている。一方、過冷却解除ユニット7側の端部は、液滴4の滞空時間を稼ぐことができるように、曲面スロープ15の最下部から斜め上方に向かう傾斜とされている。
さらに、過冷却解除ユニット7により過冷却状態が解除されて表面固化した液滴4は、ベルトコンベア16上に落下させ、前記ベルトコンベア16の終点近傍に設けられた回転ブラシ17により掻き取り、揺動させた貯蔵容器18に収容する構成とされている。
ベルトコンベア16は、着地して運搬される間に液滴4が完全に内部まで凍結して氷粒子4’に成るに十分な間隔を開けて平行に並べられた2本の回転軸19、19間を周回するように、ベルト20が巻き付けられており、前記ベルト20の表面に液滴4の付着を防止する微細繊維又は極細ブラシ等の毛材が植設されている。このベルトコンベア16は、連続して次々と落下してくる液滴4…が接触しない程度の速度で前記液滴4…を運搬できるように、ベルト20が周回している。
回転ブラシ17は、前記ベルトコンベア16の幅寸法と略等しい長さを有する回転軸21に微細繊維等(氷粒子を傷つけない部材であれば特に限定されない。)の毛材22が植設されており、前記毛材22の先端が前記ベルトコンベア16のベルト20に接触するように配置されている。この回転軸21にモータ(図示は省略)が連結されており、前記モータはベルトコンベア16のベルト20の周回速度と略同調するように制御される。
貯蔵容器18は、連続して次々と前記ベルトコンベア16から落下してくる氷粒子4’を収容するに十分な大きさ、形状とされており、加振装置(図示は省略)により氷粒子4’が固着しないように、揺動する構成とされている。
この製造装置1を用いて、本発明の氷粒子の製造方法は、以下のように実施される。
先ず、熱伝導率の低い細管チューブ3に液体を、層流域以下の流速で、流れが乱れないように供給し、同液体を0.2℃/分以下の冷却速度で除冷して、液体の氷結点より5℃〜10℃程度低い温度の過冷却状態とする。
次に、その過冷却状態の液体の液滴4を、同液体の氷結点以下の雰囲気中に連続的に放出して、液滴4に発生する表面張力により略球状とし、前記液滴4に、氷核6を接触させて液滴4の過冷却状態を解除し、相互を一体化することにより、氷粒子4’を製造する。
上述した空中解除法による球状氷粒子の製造方法及び製造装置は、過冷却液滴製造ユニット5が過冷却状態の液体の液滴4を容易に連続的に製造することができる構成とされており、さらに過冷却解除ユニット7は前記過冷却液滴製造ユニット5から連続的に放出された液滴4の過冷却状態を良好に解除することができる構成とされているので、容易に連続して精度の良い、球状氷粒子を大量生産することができる。
また、ベルトコンベア16に着地する以前に液滴4の表面が凍結するので、液滴4がベルトコンベア16に着地したショックにより凍結した液滴4の表面が裂けて、内部の液体が漏れ出して氷結し、ベルトコンベア16に付着することがない。そのため、簡単に回転ブラシ17により掻き取ることができる。
<実施形態2>
上記実施形態1の球状氷粒子の製造方法は、液滴4に氷核6を接触させて前記液滴4の過冷却状態を解除する構成の製造装置1を用いたが、液滴4に極低温ガスと氷核との混合体を接触させて前記液滴4の過冷却状態を解除する構成の製造装置101(図2を参照)を用いて実施することもできる。
上記実施形態1の球状氷粒子の製造方法は、液滴4に氷核6を接触させて前記液滴4の過冷却状態を解除する構成の製造装置1を用いたが、液滴4に極低温ガスと氷核との混合体を接触させて前記液滴4の過冷却状態を解除する構成の製造装置101(図2を参照)を用いて実施することもできる。
図2に示す製造装置101は、図1に示す製造装置1と略同様の構成とされているが、過冷却解除ユニット107が液体窒素やドライアイス等の寒剤23に湿り空気を供給して得た極低温ガスと、前記湿り空気に含有する水分が凍結して直径0.01mm〜0.1mm程度の氷核とから成る混合体を接触させて、前記氷核を前記液滴4と一体化させる構成とされている。
具体的に云うと、過冷却解除ユニット107は、湿り空気製造部24と、氷核・極低温ガス製造部25とを備えている。なお、極低温ガスのみを製造する際は、湿り空気製造部を省く、又は湿り空気製造部に水を充填しないことで対応できる。
湿り空気製造部24は、貯蔵容器26内の水27にエアーポンプ28により乾燥空気が供給されて湿り空気が製造される構成とされている。
氷核・極低温ガス製造部25は、前記湿り空気製造部24と保温チューブ29により連結されており、前記湿り空気製造部24で製造された湿り空気は、貯蔵容器30内の寒剤23に供給され、極低温ガスと前記湿り空気に含有する水分が凍結した直径0.01mm〜0.1mm程度の氷核とが製造されて内部圧力によりノズル31から噴射される構成とされている。
本実施形態の空中解除法による球状氷粒子の製造方法及び製造装置も、過冷却液滴製造ユニット5が過冷却状態の液体の液滴4を容易に連続的に製造することができる構成とされており、さらに過冷却解除ユニット107は前記過冷却液滴製造ユニット5から連続的に放出された液滴4の過冷却状態を良好に解除することができる構成とされているので、容易に連続して精度の良い球状氷粒子を大量生産することができる。
また、ベルトコンベア16に着地する以前に液滴4の表面が凍結するので、液滴4がベルトコンベア16に着地したショックにより凍結した液滴4の表面が裂けて、内部の液体が漏れ出して氷結し、ベルトコンベア16に付着することがない。そのため、簡単に回転ブラシ17により掻き取ることができる。
<実施形態3>
また、図3に示す製造装置201を用いても、上記実施形態2と同様に実施することができる。
また、図3に示す製造装置201を用いても、上記実施形態2と同様に実施することができる。
図3に示す製造装置201は、図2の示す製造装置101と略同様の構成とされているが、過冷却解除ユニット207の構成が異なる。
具体的に云うと、過冷却解除ユニット207は、湿り空気製造部32と、熱力学的冷熱発生器33と、氷核製造部34とを備えている。なお、極低温ガスのみを製造する際は、湿り空気製造部と氷核製造部を省く、又は湿り空気製造部に水を充填しないことで対応できる。
湿り空気製造部32は、貯蔵容器35内の水36にエアーコンプレッサー37から圧縮した乾燥空気が供給されて湿り空気が製造される構成とされている。
熱力学的冷熱発生器33は、通例のボルテックスチューブ等から成り、エアーコンプレッサー37から圧縮した乾燥空気が供給されて極低温空気が製造される構成とされている。熱力学冷熱発生器33と氷核製造部34とは連結されており、前記熱力学冷熱発生器33で製造された極低温空気が前記氷核製造部34に供給され、前記氷核製造部34内の湿り空気と接触して、極低温ガスと、前記湿り空気に含有する水分が凍結した直径0.01mm〜0.1mm程度の氷核とが製造されて内部圧力によりノズル38から噴射される構成とされている。
本実施形態の空中解除法による球状氷粒子の製造方法及び製造装置も、過冷却液滴製造ユニット5が過冷却状態の液体の液滴4を容易に連続的に製造することができる構成とされており、さらに過冷却解除ユニット207は前記過冷却液滴製造ユニット5から連続的に放出された液滴4の過冷却状態を良好に解除することができる構成とされているので、容易に連続して精度の良い球状氷粒子を大量生産することができる。
また、ベルトコンベア16に着地する以前に液滴4の表面が凍結するので、液滴4がベルトコンベア16に着地したショックにより凍結した液滴4の表面が裂けて、内部の液体が漏れ出して氷結し、ベルトコンベア16に付着することがない。そのため、簡単に回転ブラシ17により掻き取ることができる。
<実施形態4>
上記実施形態1〜3の球状氷粒子の製造方法は、温度制御装置10により細管チューブ3内の液体を除冷する構成の過冷却液滴製造ユニット5を用いたが、可変速排風機39により細管チューブ3内の液体を除冷する構成の過冷却液滴製造ユニット305(図4を参照)を用いて実施することもできる。
上記実施形態1〜3の球状氷粒子の製造方法は、温度制御装置10により細管チューブ3内の液体を除冷する構成の過冷却液滴製造ユニット5を用いたが、可変速排風機39により細管チューブ3内の液体を除冷する構成の過冷却液滴製造ユニット305(図4を参照)を用いて実施することもできる。
図4に示す過冷却液滴製造ユニット305は、筒状のケーシング40内に細管チューブ3が上下に接触しないスパイラル状に配置されており、液体の入口側の端部は雰囲気室2外の液体供給用のポンプ9に連結され、出口側の端部は前記ケーシング40の下側の開放口から液滴4を放出できるように、下方に向かって配置されている。
前記ケーシング40の上側の開放口近傍に可変速排風機39を備えており、前記可変速排風機39により雰囲気室2内の冷気が前記ケーシング40内に供給され、前記細管チューブ3内に供給された液体が、0.2℃/分以下の冷却速度で除冷されて、液体の氷結点より5℃〜10℃程度低い温度の過冷却状態とされる。
本実施形態の過冷却液滴製造ユニット305は簡単な構成であるので、製造装置の簡略化、コストの削減に寄与できる。
本発明の過冷却液滴製造ユニットは、上述した構成の過冷却液滴製造ユニットに限らず、細管チューブに液体を、層流域以下の流速で、流れが乱れないように供給し、同液体を0.2℃/分以下の冷却速度で除冷して、液体の氷結点より5℃〜10℃程度低い温度の過冷却状態とし、その過冷却状態の液体の液滴を、同液体の氷結点以下の雰囲気中に連続的に放出する構成であれば良い。
本発明の過冷却解除ユニットは、上述した構成の過冷却解除ユニットに限らず、液滴に、氷核若しくは極低温ガス、又は氷核と極低温ガスとの混合体を接触させて、液滴の過冷却状態を解除する構成であれば良い。
なお、上記実施形態では、過冷却液滴製造ユニットと過冷却解除ユニットとの間に曲面スロープを配置したり、前記過冷却解除ユニットの後にベルトコンベアや貯蔵容器を配置したが、適宜、選択して配置することができる。
<実施例1>
室温が−7℃に制御された冷凍庫内において、可変速排風機が設けられた内径約75mmの塩化ビニール管内に、内径が2.0mmで、長さが約10mのシリコンチューブを、上下のチューブが接触しないスパイラル状に配置し、前記可変速排風機により冷凍庫内の冷気を前記塩化ビニール管内に送風し、前記シリコンチューブ内に層流域以下の流速で供給した水を除冷した。
室温が−7℃に制御された冷凍庫内において、可変速排風機が設けられた内径約75mmの塩化ビニール管内に、内径が2.0mmで、長さが約10mのシリコンチューブを、上下のチューブが接触しないスパイラル状に配置し、前記可変速排風機により冷凍庫内の冷気を前記塩化ビニール管内に送風し、前記シリコンチューブ内に層流域以下の流速で供給した水を除冷した。
図5に示すように、−7℃程度の過冷却水滴を連続的に製造することが可能であることが確認できた。なお、内径が1.5mmで、長さが約10mのフッ素樹脂チューブを用いた実験でも同様の結果を得ている。
<実施例2>
室温が−9℃に制御された冷凍庫内において、表面が撥水処理された曲面スロープに液温−9℃の過冷却水滴(0.04ml=40マイクロリットル)を滴下し、前記曲面スロープから過冷却水滴を放出した。この過冷却水滴に、氷塊をジューサーミキサーで1.5mm以下の大きさに粉砕した微細氷粒を散布した後に、前記過冷却水滴を吸水タオル上に着地させた。
室温が−9℃に制御された冷凍庫内において、表面が撥水処理された曲面スロープに液温−9℃の過冷却水滴(0.04ml=40マイクロリットル)を滴下し、前記曲面スロープから過冷却水滴を放出した。この過冷却水滴に、氷塊をジューサーミキサーで1.5mm以下の大きさに粉砕した微細氷粒を散布した後に、前記過冷却水滴を吸水タオル上に着地させた。
吸水タオル上に着地した時点で、球状の氷粒子に成っており容易に剥離することができた。過冷却水滴が空中で微細氷粒に接触して過冷却状態が解除され、相互が一体化して球状のままで凍結固化したものと考えられる。
<比較例1>
上記実施例2と略同様に実施したが、曲面スロープから過冷却水滴を放出した後に、微細氷粒を散布しなかった。
上記実施例2と略同様に実施したが、曲面スロープから過冷却水滴を放出した後に、微細氷粒を散布しなかった。
その結果、過冷却水滴は吸水タオルに着地した瞬間、着地のショックにより凍結した水滴の表面が裂けて、内部の水が漏れ出して楕円形の氷粒子に成った。氷粒子と吸水タオルとの剥離が困難であった。
以上より、球状の氷粒子を精度良く製造するには、空中で過冷却水滴と微細氷粒とを接触させて一体化し過冷却解除して、表面が凍結固化した球状氷粒子を製造すること、さらには着地する前の時点で表面凍結した球状氷粒子は相手、すなわち、この場合は吸水タオルに付着しないので剥離が容易であり、連続製造する上でより好ましいことがわかる。
本発明の空中解除法による球状氷粒子の製造方法及び製造装置は、ビルやトンネル等の壁面、橋等、特に屋外の構造物の表面に付着した付着物の除去のためのアイスブラスト洗浄装置の研磨材を製造する際に好適に用いることができる。
また、畜舎や体育館等の大規模大容量冷房の冷媒を製造する際に好適に用いることができる。
さらに、コンクリートの混練時に水の代わりに氷粒子を用いて低温生コンクリートを製造する際に好適に用いることができる。
1 球状氷粒子の製造装置
2 液体の氷結点以下の雰囲気室
3 細管チューブ
4 過冷却状態の液滴
5 過冷却液滴製造ユニット
6 氷核
7 過冷却解除ユニット
8 保温容器
9 液体供給用のポンプ
10 温度制御装置
15 曲面スロープ
16 ベルトコンベア
17 回転ブラシ
18 貯蔵容器
20 ベルト
23 寒剤
101 球状氷粒子の製造装置
107 過冷却解除ユニット
201 球状氷粒子の製造装置
207 過冷却解除ユニット
305 過冷却液滴製造ユニット
39 可変速排風機
40 ケーシング
2 液体の氷結点以下の雰囲気室
3 細管チューブ
4 過冷却状態の液滴
5 過冷却液滴製造ユニット
6 氷核
7 過冷却解除ユニット
8 保温容器
9 液体供給用のポンプ
10 温度制御装置
15 曲面スロープ
16 ベルトコンベア
17 回転ブラシ
18 貯蔵容器
20 ベルト
23 寒剤
101 球状氷粒子の製造装置
107 過冷却解除ユニット
201 球状氷粒子の製造装置
207 過冷却解除ユニット
305 過冷却液滴製造ユニット
39 可変速排風機
40 ケーシング
Claims (12)
- 熱伝導率の低い細管チューブに液体を、層流域以下の流速で、流れが乱れないように供給し、同液体を0.2℃/分以下の冷却速度で除冷して、液体の氷結点より5℃〜10℃程度低い温度の過冷却状態とし、
その過冷却状態の液体の液滴を、同液体の氷結点以下の雰囲気中に連続的に放出して、液滴に発生する表面張力により略球状とし、
前記液滴に、極低温ガス若しくは氷核、又は極低温ガスと氷核との混合体を接触させて、液滴の過冷却状態を解除することにより、球状氷粒子を製造することを特徴とする、空中解除法による球状氷粒子の製造方法。 - 細管チューブは、直径1mm〜5mm程度の氷粒子となる液滴を放出することができるように、内径0.5mm〜3mm程度のフッ素樹脂チューブ、シリコンチューブ、塩化ビニルチューブ等のチューブであり、
細管チューブ内の液体を0.2℃/分以下の冷却速度で除冷した際に、前記液体が細管チューブの出口側の端部近傍で前記液体の氷結点より5℃〜10℃程度低い温度の過冷却状態となるに十分な長さを有することを特徴とする、請求項1に記載した空中解除法による球状氷粒子の製造方法。 - 氷核は直径が0.01mm〜1mm程度の微細氷粒から成り、前記氷核を液滴に接触させて一体化することを特徴とする、請求項1に記載した空中解除法による球状氷粒子の製造方法。
- 極低温ガスは、液体窒素やドライアイス等の寒剤に乾燥空気を供給して得ることを特徴とする、請求項1に記載した空中解除法による球状氷粒子の製造方法。
- 極低温ガスと氷核との混合体は、液体窒素やドライアイス等の寒剤に湿り空気を供給して得た極低温ガスと、前記湿り空気に含有する水分が凍結した直径0.01mm〜0.1mm程度の氷核とから成り、前記混合体を液滴に接触させて前記氷核を前記液滴と一体化させることを特徴とする、請求項1に記載した空中解除法による球状氷粒子の製造方法。
- 極低温ガスと氷核との混合体は、圧縮空気をボルテックスチューブ等の熱力学的冷熱発生器に供給して得た極低温空気に、湿り空気を供給して得た極低温ガスと、前記湿り空気に含有する水分が凍結した直径0.01mm〜0.1mm程度の氷核とから成り、前記混合体を液滴に接触させて前記氷核を前記液滴と一体化させることを特徴とする、請求項1に記載した空中解除法による球状氷粒子の製造方法。
- 液体の氷結点以下の雰囲気室内において、
熱伝導率の低い細管チューブに液体を、層流域以下の流速で、流れが乱れないように供給し、同液体を0.2℃/分以下の冷却速度で除冷して、液体の氷結点より5℃〜10℃程度低い温度の過冷却状態とし、その過冷却状態の液体の液滴を、同液体の氷結点以下の雰囲気中に連続的に放出する過冷却液滴製造ユニットと、
前記液滴に、極低温ガス若しくは氷核、又は極低温ガスと氷核との混合体を接触させて、液滴の過冷却状態を解除する過冷却解除ユニットと、
を備えていることを特徴とする、空中解除法による球状氷粒子の製造装置。 - 細管チューブは、直径1mm〜5mm程度の氷粒子となる液滴を放出することができるように、内径0.5mm〜3mm程度のフッ素樹脂チューブ、シリコンチューブ、塩化ビニルチューブ等のチューブであり、
細管チューブ内の液体を0.2℃/分以下の冷却速度で除冷した際に、前記液体が細管チューブの出口側の端部近傍で前記液体の氷結点より5℃〜10℃程度低い温度の過冷却状態となるに十分な長さを有することを特徴とする、請求項7に記載した空中解除法による球状氷粒子の製造装置。 - 過冷却液滴製造ユニットは、保温容器内に細管チューブが上下に接触しないスパイラル状に配置されており、液体の入口側の端部は雰囲気室外の液体供給用のポンプに連結され、出口側の端部は前記保温容器の底面から下方に向かって貫通していること、
前記保温容器は温度制御装置を備えており、前記温度制御装置により前記細管チューブ内に供給された液体が、0.2℃/分以下の冷却速度で除冷されて、液体の氷結点より5℃〜10℃程度低い温度の過冷却状態とされることを特徴とする、請求項7又は請求項8に記載の空中解除法による球状氷粒子の製造装置。 - 過冷却液滴製造ユニットは、筒状のケーシング内に細管チューブが上下に接触しないスパイラル状に配置されており、液体の入口側の端部は雰囲気室外の液体供給用のポンプに連結され、出口側の端部は前記ケーシングの下側の開放口から液滴を放出できるように、下方に向かって配置されていること、
前記ケーシングの上側の開放口近傍に排風機を備えており、前記排風機により雰囲気室内の冷気が前記ケーシング内に供給され、前記細管チューブ内に供給された液体が、0.2℃/分以下の冷却速度で除冷されて、液体の氷結点より5℃〜10℃程度低い温度の過冷却状態とされることを特徴とする、請求項7又は請求項8に記載の空中解除法による球状氷粒子の製造装置。 - 過冷却液滴製造ユニットと過冷却解除ユニットとの間に、表面が撥液処理された曲面スロープを備えており、前記曲面スロープの過冷却液滴製造ユニット側の端部は、液滴が落下した際の衝撃で過冷却状態が解除されないように、所定の高さ位置に配置され、且つ急な傾斜とされ、過冷却解除ユニット側の端部は、液滴の滞空時間を稼ぐことができるように、曲面スロープの最下部から斜め上方に向かう傾斜とされていることを特徴とする、請求項7乃至請求項10のいずれか1項に記載の空中解除法による球状氷粒子の製造装置。
- 過冷却解除ユニットにより過冷却状態が解除されて表面固化した液滴は、ベルトの表面に前記液滴の付着を防止する微細繊維又は極細ブラシが植設されたベルトコンベア上に落下させ、前記ベルトコンベアの終点近傍に設けられた回転ブラシにより掻き取り、揺動させた貯蔵容器に収容することを特徴とする、請求項7乃至請求項11のいずれか1項に記載の空中解除法による球状氷粒子の製造装置。
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JP2007291630A JP2009115422A (ja) | 2007-11-09 | 2007-11-09 | 空中解除法による球状氷粒子の製造方法及び製造装置 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2015152248A (ja) * | 2014-02-14 | 2015-08-24 | 高砂熱学工業株式会社 | 製氷システム、及び製氷方法 |
JP2017129356A (ja) * | 2017-03-17 | 2017-07-27 | 高砂熱学工業株式会社 | シャーベット氷の製氷システム及び製氷方法 |
JP2017129353A (ja) * | 2017-03-15 | 2017-07-27 | 高砂熱学工業株式会社 | シャーベット氷の製氷システム及び製氷方法 |
-
2007
- 2007-11-09 JP JP2007291630A patent/JP2009115422A/ja not_active Withdrawn
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