JP2009113860A - デッドホールド性を有する脂肪族ポリエステル樹脂を使用する袋状容器 - Google Patents

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Abstract


【課題】合成樹脂層とシーラント層からなる袋状容器において、柔軟性が高くて耐衝撃性に優れたシーラント層を使用しても、注出口の成形部の形状とパウチの自立性を維持できて、シーラント層の厚みを薄くすることもできる改良された袋状容器を開発する。
【解決手段】外層の合成樹脂層と内層の合成樹脂シーラント層の中間層又は最外層に、デッドホールド性を有しオキシカルボン酸に由来する脂肪族ポリエステル樹脂層を設けたことを特徴とする袋状容器。
【選択図】 図1

Description

本発明は、詰替用のスタンディングパウチなどに使用される合成樹脂製の袋状容器に関するものであり、詳しくは、デッドホールド性を有しオキシカルボン酸に由来する脂肪族ポリエステル樹脂を中間層などとして使用することにより、成形性や容器性能が改良され、詰替用の調味料又は食料品或いは洗剤又は化粧品などを収納するのに有用な、袋状容器に係わるものである。
昨今の日常生活における多様化傾向及び飲食品や化粧剤などの消費生活における嗜好の多種化と清潔健康志向の傾向などの影響により、飲食品や日用雑貨品などの分野において、多種多様の商品への要望が増大し、それにより商品の包装材料や収納容器なども需要量と高機能化の要求が増加する一方である。
そのために、主として、プラスチック資材による包装材料や収納容器において、絶えず生産量が増大し多面的な性能改良が行われている。
そして、日常生活において、主要な消費商品である調味料や食料品或いは洗剤や化粧品などは主としてプラスチックによる容器に収納されているが、プラスチック容器における袋状容器、特にスタンディングパウチ(自立性の袋状容器)は、成形の容易性や経済性及び内容物の収納と取り出しの簡易性或いはその自立性による商品の陳列の利便性などにより、食品や日用品などの包装容器として汎用されており、最近では、省資源や環境保護の面からのプラスチック容器の繰り返し使用のために、詰替用簡易容器として、特に重用されている。
スタンディングパウチなどの袋状容器は、通常は、表裏二枚のプラスチックシート(又はフィルム)からなる胴材及び胴材の下部に挿入されたプラスチックシート(又はフィルム)の底材にて袋体となし、袋体の周辺部をヒートシールして形成され、胴材は基本的には専ら外層とシーラント内層などからなる積層シートが使用されているが(例えば、特許文献1を参照)、包装容器としての重要性のゆえに、製造時の成形性及び耐衝撃性や耐熱性などの性能或いは消費者の使い易さや収納物の保存性更にはヒートシール強度などの種々の観点から改良がなされ続けられている(例えば、特許文献2を参照)。
また、より高機能化を行う改良として、例えば、注出口の折れ曲がりを防止し、安定した注出流れを保つために、開口補助機構と折れ曲がり防止機構をノズル部にエンボス加工にて設けた包装袋(特許文献3を参照)、或いは、ノズル部の注出口の閉塞がなく安定した注出流を保つために、ノズル基部の近傍における容器の一方向の変形を他方向の変形に変換するガイド部と注出口付近の容器の表裏の内面を接着する接着部を設けた袋状容器(特許文献4を参照)なども開示されている。
特開平5−278747号公報(第1頁の要約) 特開2000−309346号公報(第1頁の要約) 特開平11−11498号公報(第1頁の要約) 特開2004−67142号公報(第1頁の要約)
段落0002〜0005における背景技術において概述したように、スタンディングパウチなどの袋状プラスチック容器(パウチ)においては、各種性能の向上と高機能化などが絶えず行われているが、未だ性能が充分でなくて改良が求められている機能が少なからず残されている。
例えば、食品や洗剤などの液体商品収納のパウチは商品陳列棚からの落下などによる破損やヒートシール部からの収納液体の漏洩などを防止するために、内面シーラント層として耐衝撃性が高くヒートシール性の良好である柔軟なフィルムが使用されているので、その柔軟性のゆえに、注出口を張り出し成形し折り曲げなどの加工をした場合に、その成形部を維持し、またパウチの自立性を確保することが難しく、それへの対策として耐衝撃性を低下させる比較的剛性の高いシーラント材料の使用又は経費増大をもたらす厚さの厚いシーラント層の使用をせざるを得ない状況になっている。
そこで、本発明は、かかる問題の解決を図り、柔軟性が高くて耐衝撃性に優れたシーラント層を使用しても、注出口の成形部の形状とパウチの自立性を維持できて、シーラント層の厚みを薄くすることもできる改良された袋状容器を開発することを、発明が解決すべき課題とするものである。
本発明者らは、当課題の解決を目指し、柔軟性が高くて耐衝撃性に優れたシーラント層を使用しても、注出口の成形部の形状とパウチの自立性を維持できて、シーラント層の厚みを薄くすることもできるという、相反する要求を同時に満たす手法を求めて、外層材料やシーラント材料の改変、それらの中間層などの他層の採用及び中間層などの他層の材料の材質、或いはパウチの構造やデッドホールド(形状維持性)材料の利用などについて多面的に勘案し、実験的に考察を行った。
それらの結果において、新規で特異な材料による中間層又は最外層を採用することにより、上記の相反する要求を同時に満たすことができる有力な解決法を見い出すに至った。
その新規で特異的な解決法は、外層の合成樹脂層と内層の合成樹脂シーラント層の中間層又は最外層に、デッドホールド性を有しオキシカルボン酸に由来する脂肪族ポリエステル樹脂層を設けることである。なお、当脂肪族ポリエステル樹脂はポリ乳酸樹脂に代表される樹脂であり、従来から生分解性(バクテリアなどによる分解)樹脂としてよく知られており、環境保全性樹脂材料として包装材料の分野においても既に採用されているものである。
ポリ乳酸樹脂はデッドホールド性を固有しているので、これをパウチにおける外層樹脂層とシーラント層の中間層又は最外層として採用すれば、柔軟性が高くて耐衝撃性に優れたシーラント層を使用しても、注出口の成形部の形状とパウチの自立性を維持できて、同時にシーラント層の厚みも薄くすることができることとなる。
上記の新規な本発明において、より具体的には、外層の合成樹脂層が二軸延伸ポリアミドフィルムであり、内層のシーラント用合成樹脂層が直鎖状低密度ポリエチレンフィルムであり、脂肪族ポリエステル樹脂層が二軸延伸ポリ乳酸フィルムであり、袋状容器がスタンディングパウチである袋状容器となる。
更に、本発明の実施の態様としては、外層の外側にポリエチレンテレフタレート樹脂層を設けた袋状容器であり、また、袋状容器の角部に収納内容物を注出する注出口とノズル部を設け、ノズル部付近のフィルム材に、注出口の折れ曲がり防止などのためのエンボス加工を施した袋状容器、及び、調味料又は食料品或いは洗剤又は化粧品が収納された袋状容器も包含される。
ところで、段落0008において前述したように、オキシカルボン酸に由来する脂肪族ポリエステル樹脂はポリ乳酸樹脂に代表される樹脂であり、従来から生分解性(バクテリアなどによる分解)樹脂としてよく知られており、その生分解性を利用した、環境保全性樹脂材料として包装材料の分野においても採用されているものであって、例えば、異種材料を積層した包装材料の中間層に生分解性樹脂を介在させて使用済みの包装材料を回収処理する際に中間層を生分解させて異種材料を分離回収する手法(特開平5−57842号公報・第1頁の要約及び段落0015)、ポリ乳酸樹脂の透明性と低温ヒートシール性及び生分解性を利用するポリ乳酸系樹脂積層フィルム包装袋(特開2007−136770号公報・第1頁の要約)などとして知られている。
また、脂肪族ポリエステル樹脂の生分解性よりもその固有の樹脂性能を利用した包装材料もよく知られており、例えば、ヒートシール強度や手切れ性(引裂き性)及びひねり性(デッドホールド性)に優れた包装用フィルム(特開2000−281813号公報・第1頁の要約)、アルミ箔を使用しなくてもデッドホールド性と再封性に優れ、最外層のポリエステルフィルムと内層のポリオレフィン樹脂及びその中間層のポリ乳酸系フィルムからなり、摘み代片を有する蓋材(特開2004−26222号公報・第1頁の要約及び特許請求の範囲の請求項1)などが知られている。
なお、他に、パウチの材料にポリ乳酸を使用する記載が見られる公報も散見されるが(特表平8−507035号公報・請求項41と175、特表2006−520407号公報・請求項21と28)、他の多数の材料中の一例示記載のみで具体的には何も記載されていない。
一方、本願発明においては、段落0008に前述したように、スタンディングパウチなどの袋状容器において、外層の合成樹脂層と内層の合成樹脂シーラント層の中間層又は最外層に、デッドホールド性を有するポリ乳酸樹脂などの脂肪族ポリエステル樹脂を介在させた新規な構成を有しており、ポリ乳酸樹脂はデッドホールド性を固有しているので、これをパウチにおける外層樹脂層とシーラント層の中間層又は最外層として採用することにより、柔軟性が高くて耐衝撃性に優れたシーラント層を使用しても、注出口の成形部の形状とパウチの自立性を維持できて、同時にシーラント層の厚みも薄くすることができることとなる特徴を奏するから、脂肪族ポリエステル樹脂を使用した、上記の従来の包装材料の何れとも異なる発明であり、それらから窺うこともできないのは明白である。
なお、ポリ乳酸樹脂は、非石油系のとうもろこしなどの植物(農産物)を原料として製造されるので、石油系の樹脂材料に比して製造時の炭酸ガス(二酸化炭素)発生量が少なく、また廃棄燃焼処理時の炭酸ガス発生量も少なく、更に、原料のとうもろこしなどの植物は生育時に大気中の炭酸ガスを吸収するので、ポリ乳酸樹脂の使用は、現在に地球規模の温暖化問題となっている原因の炭酸ガス量の増大の抑制においても貢献することとなる。
以上においては、本発明が創作される経緯と、本発明の基本的な構成及び特異性などについて概観的に記述したので、ここで、本発明全体を俯瞰して明確にすると、本発明は、次の発明単位群から構成されるものであって、[1]の発明を基本発明とし、それ以下の発明は、基本発明を具体化ないしは実施態様化或いは応用利用化するものである。(なお、発明群全体をまとめて「本発明」という。)
[1]外層の合成樹脂層と内層の合成樹脂シーラント層の中間層又は最外層に、デッドホールド性を有しオキシカルボン酸に由来する脂肪族ポリエステル樹脂層を設けたことを特徴とする袋状容器。
[2]外層の合成樹脂層が二軸延伸ポリアミドフィルムであり、内層の合成樹脂シーラント層が直鎖状低密度ポリエチレンフィルムであり、脂肪族ポリエステル樹脂層が二軸延伸ポリ乳酸フィルムであり、袋状容器がスタンディングパウチであることを特徴とする、[1]における袋状容器。
[3]ポリ乳酸樹脂層を中間層又は最外層に設けることにより、内層のシーラント層の厚みを薄くしたことを特徴とする、[2]における袋状容器。
[4]外層の外側にポリエチレンテレフタレート樹脂層を設けたことを特徴とする、[2]又は[3]における袋状容器。
[5]袋状容器の角部に収納内容物を注出する注出口とノズル部を設けたことを特徴とする、[1]又は[2]における袋状容器。
[6]ノズル部付近のフィルム材にエンボス加工を施したことを特徴とする、[5]における袋状容器。
[7]調味料又は食料品或いは洗剤又は化粧品が収納された、[1]〜[6]のいずれかにおける袋状容器。
本発明の袋状容器においては、デッドホールド性のオキシカルボン酸に由来する脂肪族ポリエステル樹脂層を採用しているので、成形加工性が向上し、柔軟性が高くて耐衝撃性に優れたシーラント層を使用しても、注出口の成形部の形状とパウチの自立性を維持できて、同時にシーラント層の厚みも薄くすることができ、シーラント層材料の使用量を軽減できて製造コストを改善し得る。
そして、液体調味料や液体洗剤などの詰め替え用の簡易容器として有用であり、資源の再利用に役立つ。
また、植物由来の原料を使用するので、大気中の炭酸ガス量の増大の抑制により環境保全にも貢献できる。
本願の発明については、課題を解決するための手段として、本発明の基本的な構成に沿って前述したが、以下においては、前述した本発明群の発明の実施の形態を、図面を参照しながら、具体的に詳しく説明する。
1.本発明の袋状容器
(1)本発明の袋状容器の基本構造と基本的特徴
段落0008などに前述したように、本発明は、スタンディングパウチなどの袋状のプラスチック容器において、外層の合成樹脂層と内層の合成樹脂シーラント層の中間層又は最外層に、デッドホールド性を有するポリ乳酸樹脂などの脂肪族ポリエステル樹脂層を設けた新規な構成を有しており、ポリ乳酸樹脂はデッドホールド性を固有しているので、成形加工性が向上し、これをパウチにおける外層樹脂層とシーラント層の中間層又は最外層として採用することにより、柔軟性が高くて耐衝撃性に優れたシーラント層を使用しても、注出口の成形部の形状とパウチの自立性を維持できて、同時にシーラント層の厚みも薄くすることができることとなる特徴を奏するものである。
(2)袋状容器の材料フィルムの層構成 本発明における袋状容器の材料となる積層フィルムの層構成は、図1に概略断面図として例示され、上記したとおりに、外層の合成樹脂層1と内層の合成樹脂シーラント層3の中間層2に(又は最外層2:図では省略)、デッドホールド性を有するポリ乳酸などの脂肪族ポリエステル樹脂層を設けた新規な構成を有している。
必要に応じて、外層1の更に外側に外層4として、収納液体の保香のためのポリエチレンテレフタレート樹脂層を設けてもよく、更に、ガスバリア性樹脂層やアルミ薄層の蒸着層などの任意の機能を有する他層をシーラント層から外側の何れかの層として設けてもよい。各層の間に接着剤層やアンカー層などを設けるのも任意である。
(3)袋状容器の材料
外層の合成樹脂としては、樹脂材料が限定されるものではないが、強度に富み、高い剛性によりスタンディングパウチの自立性を向上させる、ポリエステル樹脂やポリアミド系樹脂が好ましく使用され、特に、印刷適性、耐熱性、耐衝撃性及び耐突き刺し性が押しなべて良好な二軸延伸ナイロンフィルムが好適である。
中間層又は最外層には、デッドホールド性を有しオキシカルボン酸に由来する脂肪族ポリエステル樹脂が使用され、繰り返し単位が
一般式 (−O−CH(R)−C(=O)−)n (式中、RはH又は炭素数1〜3のアルキル基)で表わされる樹脂であり、ポリグリコール酸やポリ乳酸などが挙げられる。
好ましくは、一般式でR=CHであるポリ乳酸樹脂が使用され、乳酸モノマーは光学活性であるが、L−体、D−体、ラセミ体の制限は特にない。かかる樹脂によるフィルムとしては、2軸延伸されたポリ乳酸フィルム(例えば、ユニチカ(株)のテラマックTF[融点:170℃ ガラス転移温度:57℃]などが挙げられる。)が好適に使用でき、延伸処理によりデッドホールド性やフィルム強度が増大する。
ポリ乳酸フィルムはブロッキング性がある場合があるので、アンチブロキング剤や滑剤、ないしは帯電防止剤などが添加或いは塗布される。必要に応じて片面、又は両面にコロナ処理が施されても良い。
デッドボールド性は、プラスチックフィルムの特性のひとつで、変形後の形状維持性を意味し、従来から、ひねり包装として利用されており、包装フィルムとして収納材料を包装し、その変形後の形状維持性を表わす。
ポリ乳酸樹脂などは当デッドホールド性が優れているので、積層フィルム材料を袋状容器に成形しノズル部を有す注出口を設けた場合に、注出口の成形部の形状を充分長期間にわたり維持できる。また、デッドホールド性によって、スタンディングパウチにおける自立性をも充分に確保し維持増大することができる。
なお、ポリ乳酸樹脂は非石油系の植物由来の樹脂であるから、地球規模の環境保全問題に貢献するのは、段落0012において前述したとおりである。
内層のシーラント層(ヒートシール層)は、袋状材料フィルムの周縁部をヒートシールして容器に形成し更に注出口部やノズル部を形成するための重要な機能層であり、シーラント用樹脂材料は、通常のヒートシール用樹脂であるポリオレフィン系樹脂が主として使用される。
より具体的には、低−、中−、高−密度のポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、アイソタクチックポリプロピレン、ポリブテン−1、エチレン・プロピレン共重合体、エチレン・ブテン−1共重合体、プロピレン・ブテン−1共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体、イオン架橋オレフィン共重合体(アイオノマー)、ポリ4−メチルペンテン−1、無水マレイン酸変性ポリエチレン、無水マレイン酸変性ポリプロピレン、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、その他に、エチレンプロピレンゴム(EPR)、エチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)の熱可塑性エラストマーなどが挙げられ、これらが単独、或いは混合物として2種類以上使用されたものなどが例示される。
上記の各材料には、酸化チタンなどの着色顔料、マイカ、シリカ、クレー、炭酸カルシウムなどの充填剤、酸化防止剤、スリップ剤、紫外線防止剤、熱安定剤、など、公知の添加剤を添加してもよい。
(4)袋状容器の材料フィルムの層厚み
袋状容器の積層材料フィルムの各層の厚みは特に規定されないが、好ましくは、外層の合成樹脂層は5〜25μm、内層の合成樹脂シーラント層は30〜150μm、中間層又は最外層の脂肪族ポリエステル樹脂層は5〜30μmとされる。
従来の構成では、通常は、
(外面)15μ二軸延伸ナイロン/120〜150μLLDPE (内面)
であったが、本発明では、好適例として、 (外面) 15μ二軸延伸ナイロン/15μPLA/100μLLDPE (内面) 又は、
(外面) 15μPLA/15μ二軸延伸ナイロン/100μLLDPE (内面)
が例示され、シーラント層(LLDPE層)の軽減を相当行え、積層材料フィルム全体としても樹脂使用量を低減できる。なお、上記の層構成において、μ=μmであり、PLA=ポリ乳酸樹脂である。
2.本発明の袋状容器の製造
本発明の袋状容器(スタンディングパウチなど)の製造は、材料フィルムを通常の積層成形法により積層フィルムとなした後、通常のヒートシール法による容器成形法により行われる。
積層成形は公知の手法である、各層の樹脂を樹脂毎にT−ダイ或いはサーキュラーダイにより製膜、必要に応じて2軸延伸、1軸延伸等の延伸加工が施される。
成形されたフィルムはドライラミネートや無溶剤ラミネート、押し出しラミネートなど各種のラミネーション法で積層される。層間に接着剤を使用する場合、2液型ウレタン系接着剤などの無溶剤接着剤によりラミネートすると、更に炭酸ガス発生量が抑制され、地球環境保全に良い効果をもつ包装材料となる。
積層フィルム材料を用いての袋状容器への成形は、通常のヒートシール成形にて行われる。ヒートシールバーなどを使用する公知の手法にて、ヒートシール条件も適宜に、例えば、LLDPEをヒートシール層に使用した場合、180℃・1秒程度にて行う。
3.付加的な特徴要件
本発明における付加的な機能要件としては、袋状容器の角部に収納内容物を注出する注出口とノズル部を設けたこと、及びノズル部付近のフィルム材にエンボス加工を施したことである。エンボス加工により開口補助機構と折れ曲がり防止機構が形成され、注出口の折れ曲がりを防止し、注出物の安定した流れを保ちながら容易に収納物を注出できる(特開平11−11498号公報・第1頁の要約及び図1参照)。
これらの注出口とノズル部及びエンボス加工は、図2の概略平面図に例示されている。袋状容器5の角部に注出口6とノズル部9が設けられ、エンボス加工により開口補助機構7と折れ曲がり防止機構8が形成されている。
4.袋状容器の利用態様
本発明における、袋状容器の利用態様としては、好適には、詰替用のスタンディングパウチとして利用される。
特に、耐衝撃性が高く商品の陳列棚から落下しても破損することは殆どなく、自立性に富むので、安定して商品陳列ができ、収納液体の容易で安定した注出も保証され、しかして、調味料又は食料品或いは洗剤又は化粧品が収納された詰替用袋状容器として有用である。
以下において、実施例によって、比較例を対照して図面を参照しながら、本発明をより詳細に具体的に示して、本発明における構成の有意性と合理性及び従来技術に対する優位性を実証する。
[図面による実施例の説明]
図1において、本発明に係る袋状容器における材料の積層フィルムの層構成が断面概略図として例示されている。外層の合成樹脂層1と内層の合成樹脂シーラント層3の中間層2に(又は最外層2:図では省略)、デッドホールド性を有するポリ乳酸樹脂などの脂肪族ポリエステル樹脂層を設けた新規な構成を示している。なお、必要に応じて、外層1の更に外側に最外層4として、収納液体の保香のためのポリエチレンテレフタレート樹脂層が設けられる。
図2において、本発明に係る袋状容器における注出口とノズル部及びエンボス加工部が、概略平面図として例示されている。袋状容器5の角部に注出口6とノズル部9が設けられ、エンボス加工により開口補助機構7と折れ曲がり防止機構8が形成されている。
[実施例−1〜2]及び[比較例−1〜3]
本発明に係る、袋状容器として、押出ラミネートによる次の積層構成の材料フィルムを使用して通常のヒートシール成形法により、スタンディングパウチを形成した。
実施例−1
2軸延伸ナイロンフィルム15μmのコロナ処理面に2液型ウレタン系接着剤を固形分で4g/m塗布、2軸延伸ポリ乳酸フィルム(PLA;ユニチカ(株)製 テラマックTF)15μmをドライラミネートした。更にPLA面にメタロセン系LLDPE100μm(密度0.920g/cm)を同様にドライラミネートした。エージングを行い、詰替パウチ用胴材原反を作製した。
同様に2軸延伸ナイロンフィルム15μmにウレタン系の印刷を施し、印刷面に2液型ウレタン系接着剤を固形分で4g/m塗布、メタロセン系LLDPE130μm(密度0.917g/cm)をドライラミネートし詰替パウチ用底材原反とした。
上記胴材及び底材を用いて、図2に示したような注口成形部を有する、巾120mm、高さ215mm、底材折り込み深さ35mmのスタンディングパウチを製袋した。
このパウチを用いて、次の性能確認試験を実施した。
[自立性]
自立性の評価として水350mlを入れた際の立ち姿を目視により評価した。自立性は優れていた。
[耐衝撃性]
耐衝撃性の評価としてパウチの落下試験を行った。試験方法として、内容品5℃の水350mlを充填したパウチ50袋を高さ1.2mより、袋体の垂直方向に10回、水平方向に10回落下させて、破袋数を調べた。その結果、破袋は見られなかった。
[注出性]
注口成形部の状態変化を調べるため、1袋分の水が何秒で注ぎ出せるかで規定される注出性を製袋直後及びカートン保管されたパウチを1ヶ月後に調べた。なお、保管は15×25×34cmのカートンに800袋入れ室温で保管した。注出時間は製袋直後16秒、保管後17秒とほぼ変わらなかった。
実施例−2
詰替パウチ用胴材原反の積層順を (外面) 15μPLA/15μ二軸延伸ナイロン/100μLLDPE (内面)とした他は実施例1と同様にして、同じサイズのパウチを製袋、同様な評価を実施した。その結果を表1に示した。
比較例−1
2軸延伸ポリ乳酸フィルム(PLA;ユニチカ(株)製 テラマックTF)15μmのコロナ処理面に印刷後、2液型ウレタン系接着剤を固形分で4g/m塗布、メタロセン系LLDPE100μm(密度0.920g/cm)とドライラミネートした。エージングを行い、詰替パウチ用胴材原反を作製した。詰替パウチ用底材原反には、実施例1と同じものを使用した。
実施例1と同様に同じサイズのパウチを製袋、同様な評価を実施した。その結果を表1に示した。
比較例−2
2軸延伸ナイロンフィルム15μmのコロナ処理面に2液型ウレタン系接着剤を固形分で4g/m塗布、メタロセン系LLDPE110μm(密度0.920g/cm)とドライラミネートした。エージングを行い、詰替パウチ用胴材原反を作製した。詰替パウチ用底材原反には、実施例1と同じものを使用した。
実施例1と同様に同じサイズのパウチを製袋、同様な評価を実施した。その結果を表1に示した。
比較例−3
2軸延伸ナイロンフィルム15μmのコロナ処理面に2液型ウレタン系接着剤を固形分で4g/m塗布、LLDPE150μm(密度0.920g/cm)とドライラミネートした。エージングを行い、詰替パウチ用胴材原反を作製した。詰替パウチ用底材原反には、実施例1と同じものを使用した。
実施例1と同様に同じサイズのパウチを製袋、同様な評価を実施した。その結果を表1に示した。
Figure 2009113860
[実施例と比較例の結果の考察]
以上の各実施例及び各比較例を対比すると、本発明の実施例においては、ナイロン層とシーラント層の基本構成において、PLA(ポリ乳酸樹脂)層を中間層又は最外層に設けているので、シーラント(LLDPE)層を比較例−2,3より厚みを薄くしてシーラント層の使用量を減じても、自立性と耐衝撃性及び注出口の形状保持性のいずれにおいても良好な結果が得られている。
比較例−1においては、積層構成がPLA層とシーラント層のみなので、破袋が多数発生して、耐衝撃性が不足し、さらに自立性も各実施例に比較して劣っていた。
比較例−2においては、PLA層を採用していないので、シーラント層を各実施例より厚みを厚くしても、注出口の形状保持性と自立性のいずれにおいても良好な結果が得られていない。
比較例−3においては、PLA層を採用していないが、シーラント層を各実施例より厚みを相当厚くしているので、注出口の形状保持性と自立性及び耐衝撃性において各実施例に近い結果が得られるけれども、シーラント層の使用量におけるかなりの増大が不可避である。
以上の比較対照により、本発明の構成の要件が有意性を有し、本発明の袋状容器(パウチ)が従来例に比べて卓越していることが明確にされている。
本発明に係る袋状容器における材料の積層フィルムの層構成を示す、断面概略図である。 本発明に係る袋状容器における注出口とノズル部及びエンボス加工部を示す概略平面図である。
符号の説明
(図1において)
1;外層の合成樹脂層 2;脂肪族ポリエステル樹脂層
3;内層のシーラント層 4;保香性ポリエステル樹脂層
(図2において)
5;袋状容器 6;注出口
7;開口補助機構 8;折れ曲がり防止機構
9;ノズル部

Claims (7)

  1. 外層の合成樹脂層と内層の合成樹脂シーラント層の中間層又は最外層に、デッドホールド性を有しオキシカルボン酸に由来する脂肪族ポリエステル樹脂層を設けたことを特徴とする袋状容器。
  2. 外層の合成樹脂層が二軸延伸ポリアミドフィルムであり、内層の合成樹脂シーラント層が直鎖状低密度ポリエチレンフィルムであり、脂肪族ポリエステル樹脂層が二軸延伸ポリ乳酸フィルムであり、袋状容器がスタンディングパウチであることを特徴とする、請求項1に記載された袋状容器。
  3. ポリ乳酸樹脂層を設けることにより、内層のシーラント層の厚みを薄くしたことを特徴とする、請求項2に記載された袋状容器。
  4. 外層の外側にポリエチレンテレフタレート樹脂層を設けたことを特徴とする、請求項2又は請求項3に記載された袋状容器。
  5. 収納内容物を注出する注出口とノズル部を設けたことを特徴とする、請求項1又は請求項2に記載された袋状容器。
  6. ノズル部付近のフィルム材にエンボス加工を施したことを特徴とする、請求項5に記載された袋状容器。
  7. 調味料又は食料品或いは洗剤又は化粧品が収納された、請求項1〜請求項6のいずれかに記載された袋状容器。
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