JP2009107612A - 制動力制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 ポンプ作動時に発生するホイルシリンダ圧の脈動変動を防止し安定した制動力を実現できる制動力制御装置を提供する。
【解決手段】 ベース圧演算部32bは、運転者がブレーキ操作量を減少させた場合、マスタ圧と推定マスタ圧の変化量にかかわらず、運転者がブレーキ操作量を減少させている間に演算された推定マスタ圧の最大減少率でベース圧を減少させる。
【選択図】 図3

Description

本発明は、ブレーキアシストを行う制動力制御装置の技術分野に関する。
従来、マスタシリンダからポンプで吸い上げたブレーキ液をホイルシリンダへ供給することで、運転者のブレーキ操作量に応じた制動力よりも大きな制動力を発生させるブレーキアシスト制御が知られている。ここで、ブレーキアシスト制御の実行中は、ポンプによりマスタシリンダからブレーキ液が抜かれているため、マスタシリンダ圧を検出する液圧センサの出力信号は、運転者のブレーキ操作量に応じた値とはならない。よって、運転者のブレーキ操作量を検出するブレーキストロークセンサを持たず、液圧センサの検出信号からホイルシリンダ圧を設定するシステムでは、目標とするホイルシリンダ圧に運転者のブレーキ操作を反映させることができない。
そこで、従来の制動力制御装置では、液圧センサの出力信号からブレーキ操作に起因しないマスタシリンダ圧(出力信号)の減少分を補正することで、運転者のブレーキ操作を反映したブレーキアシスト制御を実現している(例えば、特許文献1参照。)。
特開平11−20638号公報
運転者の操作によらない制動力の制御をポンプにより行うと、マスタシリンダにはポンプの動作によって脈動が発生するが、上記従来技術では、この脈動については何ら考慮されていない。
つまり、ブレーキアシスト制御の実行中にポンプの作動により脈動が発生した場合、目標制動力も脈動に応じて変動する。よって、運転者のブレーキ操作に対し、ポンプの作動によって不安定な制動力が発生する。
本発明は、上記問題に着目してなされたもので、その目的とするところは、ポンプ作動時に発生するホイルシリンダ圧の脈動変動を防止し安定した制動力を実現できる制動力制御装置を提供することにある。
上述の目的を達成するため、本発明では、マスタシリンダ圧に応じた液圧センサの出力信号とポンプの増圧量とからマスタシリンダ圧の推定値である推定マスタ圧を演算する推定マスタ圧演算手段と、ブレーキアシスト制御開始時の前記出力信号と、前記推定マスタ圧の変化量とに基づいて、運転者のブレーキ操作量の推定値としてのベース圧を演算するベース圧演算手段と、前記ベース圧に基づいてホイルシリンダ圧の目標圧を演算する目標圧演算手段と、からなる。
よって、本発明では、ポンプ作動時に発生するホイルシリンダ圧の脈動変動を防止し安定した制動力を実現できる。
以下、本発明を実施するための最良の形態を、実施例1に基づいて説明する。
図1は、実施例1の制動力制御装置を適用した車両のシステム構成図である。
油圧ユニット(以下、HU)31は、ブレーキコントローラ(ブレーキECU)32からの指令に基づいて左前輪FLのホイルシリンダW/C(FL)、右後輪RRのホイルシリンダW/C(RR)、右前輪FRのホイルシリンダW/C(FR)、左後輪RLのホイルシリンダW/C(RL)の各液圧の保持、増圧または減圧を行う。
ブレーキECU32は、車両のヨーレートおよび横加速度を検出するヨーレート/横Gセンサ33と、各車輪の車輪速を検出する車輪速センサ34と、エンジンコントローラ(以下、ENGCU)35と、自動変速機コントローラ(以下、ATCU)36からCAN通信を通して得られる情報と、操舵角センサ39とからの情報に基づいて、制動制御実施の判定を行う。制御実施中は、ホイルシリンダ液圧の保持、増減圧指令を生成する。
ブレーキペダルBPは、運転者が制動を行う場合に操作される。運転者のブレーキペダル操作量は、電動ブースタ41によりあらかじめ設定された倍力比で倍力される。電動ブースタ41により倍力された入力は、マスタシリンダM/Cによってブレーキ液圧に変換され、HU31から各ホイルシリンダW/Cへと供給される。各ホイルシリンダW/Cは、対応する各車輪の制動を行う。
アクセルペダルAPは、運転者の操作により車両の加減速コントロールを行う。ENGCU35は、運転者のアクセルペダル操作からエンジン37のコントロールを行う。また、エンジン37の発生トルクと、アクセルペダル操作量の情報を通信(CAN)で出力する。ATCU36は、自動変速機38のコントロールを行う。また、ギア位置信号(自動変速機38のレンジポジション)を通信(CAN)で出力する。
図2は、実施例1のHU31の油圧回路図である。実施例1のHU31は、P系統とS系統との2系統からなる、いわゆるX配管と呼ばれる配管構造となっている。
P系統には、左前輪のホイルシリンダW/C(FL)、右後輪のホイルシリンダW/C(RR)が接続され、S系統には、右前輪のホイルシリンダW/C(FR)、左後輪のホイルシリンダW/C(RL)が接続されている。また、P系統、S系統それぞれに、ポンプPPとポンプPSとが設けられ、このポンプPPとポンプPSは、1つのモータMによって駆動される。なお、ポンプは、プランジャポンプやギヤポンプ等が適宜搭載される。コストの面から言えば、プランジャポンプが望ましく、滑らかさ(制御性)から言えば、ギヤポンプが望ましい。
マスタシリンダM/CとポンプPP,PS(以下、ポンプP)の吸入側とは、管路11P,11S(以下、管路11)によって接続されている。この各管路11上には、常閉型の電磁弁であるゲートインバルブ2P,2Sが設けられている。
また、管路11上であって、ゲートインバルブ2P,2S(以下、ゲートインバルブ2)とポンプPとの間にはチェックバルブ6P,6S(以下、チェックバルブ6)が設けられ、この各チェックバルブ6は、ゲートインバルブ2からポンプPへ向かう方向へのブレーキ液の流れを許容し、反対方向の流れを禁止する。
各ポンプPの吐出側と各ホイルシリンダW/Cとは、管路12P,12S(以下、管路12)によって接続されている。管路12Pは、2つの管路(分岐路)12FL,12RRに分岐し、管路12FL,12RRには、ホイルシリンダW/C(FL,RR)に対応する常開型の電磁弁であるソレノイドインバルブ4FL,4RRが設けられている。また、管路12Sは、2つの管路(分岐路)12FR,12RLに分岐し、管路12FR,12RLには、ホイルシリンダW/C(FR,RL)に対応する常開型の電磁弁であるソレノイドインバルブ4FR,4RLが設けられている。以下、ソレノイドバルブ4FL,4RR,4FR,4RLをソレノイドインバルブ4と称す。
また、各管路12上であって、各ソレノイドインバルブ4とポンプPとの間にはチェックバルブ7P,7S(以下、チェックバルブ7)が設けられて、この各チェックバルブ7は、ポンプPからソレノイドインバルブ4へ向かう方向へのブレーキ液の流れを許容し、反対方向の流れを禁止する。
さらに、各管路12には、各ソレノイドインバルブ4を迂回する管路17FL,17RR,17FR,17RL(以下、管路17)が設けられ、この管路17には、チェックバルブ10FL,10RR,10FR,10RL(以下、チェックバルブ10)が設けられている。この各チェックバルブ10は、ホイルシリンダW/CからポンプPへ向かう方向へのブレーキ液の流れを許容し、反対方向の流れを禁止する。
マスタシリンダM/Cと管路12とは管路13P,13S(以下、管路13)によって接続され、管路12と管路13とはポンプPとソレノイドインバルブ4との間において合流する。この各管路13上には、常開型の電磁弁であるゲートアウトバルブ3P,3S(以下、ゲートアウトバルブ3)が設けられている。
また各管路13には、各ゲートアウトバルブ3を迂回する管路18P,18S(以下、管路18)が設けられ、この管路18には、チェックバルブ9P,9S(以下、チェックバルブ9)が設けられている。この各チェックバルブ9は、マスタシリンダM/C側からホイルシリンダW/Cへ向かう方向のブレーキ液の流れを許容し、反対方向の流れを禁止する。
ポンプPの吸入側にはリザーバ16P,16S(以下、リザーバ16)が設けられ、このリザーバ16とポンプPとは管路15P,15S(以下、管路15)によって接続されている。リザーバ16とポンプPとの間にはチェックバルブ8P,8S(以下、チェックバルブ8)が設けられて、この各チェックバルブ8は、リザーバ16からポンプPへ向かう方向のブレーキ液の流れを許容し、反対方向の流れを禁止する。
ホイルシリンダW/Cと管路15とは管路14P,14S(以下、管路14)によって接続され、管路14と管路15とはチェックバルブ8とリザーバ16との間において合流する。この各管路14には、それぞれ常閉型の電磁弁であるソレノイドアウトバルブ(減圧制御弁)5FL,5RR,5FR,5RL(以下、ソレノイドアウトバルブ5)が設けられている。
マスタシリンダM/Cとゲートインバルブ2およびゲートアウトバルブ3との間の油路には、マスタシリンダ圧に応じた出力信号を出力する液圧センサとしてのマスタシリンダ圧センサ42P,42S(以下、マスタシリンダ圧センサ42)が設けられている。
ブレーキECU32は、各センサの入力信号に基づいて運転者の制動操作に従う通常ブレーキ制御の演算と、アンチスキッドブレーキ制御(ABS)、車両挙動安定化制御(VDC)等、車両挙動を制御するための演算を行い、車両として必要な目標制動力を算出し、各ホイルシリンダ圧を制御する。
また、ブレーキECU32は、運転者の制動操作に応じた制動力に対しより大きな制動力を発生させるブレーキアシスト制御として、ブレーキパッドのビルドアップ特性を模擬するビルドアップ制御を実行する。以下、ビルドアップ制御について説明する。
自動車の車輪を制動するためにブレーキパッドが使用されているが、このブレーキパッドは、一般に、ブレーキペダルの踏込力(操作量、踏込圧)が一定のとき、連続的な制動により、ブレーキパッドの温度が上昇して摩擦係数が上昇し、それにより、制動圧が徐々に増加するというビルドアップ特性を有する。このビルドアップ特性は、ブレーキパッドの材料特性に大きく依存する。
このため、従来の制動装置においては、所望の材料特性を有するブレーキパッドを選択し、この材料特性により、ビルドアップ特性を生じるようにしていた。また、最近では、このブレーキパッドの材料特性の影響を受けることなく、また、ブレーキパッドの材料特性に加えて、制動力制御により、所望のビルドアップ特性を作り出すことが試みられている。
そこで、実施例1では、ブレーキペダルBPの操作速度が所定の範囲である場合、すなわち、マスタシリンダ圧センサ42の出力信号が所定の範囲である場合に、時間の経過とともにホイルシリンダ圧を逓増して目標減速度を増大させることにより、制動後期でのブレーキの効き増し感を確保する。このビルドアップ制御は、車速があらかじめ設定された低車速閾値となったときに終了する。
図3は、ブレーキECU32のビルドアップ制御ブロック図(ブレーキアシスト制御手段)である。
推定マスタ圧演算部(推定マスタ圧演算手段)32aは、ポンプPの増圧量に基づいてマスタシリンダ圧の変化量を推定し、推定したマスタシリンダ圧の変化量とマスタシリンダ圧センサ42の出力信号であるマスタ圧に基づいて、マスタシリンダ圧の推定値である推定マスタ圧を演算する。
ベース圧演算部(ベース圧演算手段)32bは、ブレーキアシスト制御開始時のマスタ圧と、推定マスタ圧演算部32aにより演算された推定マスタ圧の変化量とに基づいて、運転者のブレーキ操作量の推定値としてのベース圧を演算する。
目標圧演算部(目標圧演算手段)32cは、ベース圧演算部32bにより演算されたベース圧に基づいて、ホイルシリンダ圧の目標圧を演算する。
駆動制御部32dは、目標圧演算部32cにより演算された目標圧に基づいて、ポンプPに駆動指令を出力しポンプPの駆動量を制御する。同時に、ゲートインバルブ2およびゲートアウトバルブ3に開弁指令または閉弁指令を出力し、両バルブ2,3の開閉を制御する。
ブレーキアシスト(ビルドアップ)制御の実行中にポンプPを駆動してホイルシリンダ圧を加圧する場合は、図2に示した通常制御の状態から、ゲートインバルブ2を開弁し、マスタシリンダM/Cのブレーキ液を管路11からポンプPで吸い上げ、管路12からホイルシリンダW/Cへと供給する。同時に、ゲートアウトバルブ3は閉弁し、ホイルシリンダW/Cから管路13を介してマスタシリンダM/Cへとブレーキ液が戻るのを防ぐ。一方、ビルドアップ制御の実行中にホイルシリンダ圧を減圧する場合は、ポンプPを停止してゲートインバルブ2を閉弁し、同時にゲートアウトバルブ3を開弁することで、ホイルシリンダW/Cから管路13を介してマスタシリンダM/Cへとブレーキ液を戻す。
[ブレーキアシスト制御処理]
図4は、実施例1のブレーキECU32で実行されるブレーキアシスト制御処理の流れを示すフローチャートで、以下、各ステップについて説明する。なお、この演算処理は、所定の演算周期毎に繰り返し実行される。
ステップS1では、推定マスタ圧演算部32aにおいて、マスタシリンダ圧センサ42からのマスタ圧に基づき、運転者がブレーキペダルBPを踏んでいるか否かを判定する。YESの場合にはステップS2へ移行し、NOの場合にはリターンへ移行する。
ステップS2では、推定マスタ圧演算部32aにおいて、ブレーキアシスト実行条件を満たしているか否かを判定する。YESの場合にはステップS3へ移行し、NOの場合にはリターンへ移行する。ここで、ブレーキアシスト実行条件は、マスタ圧が所定範囲内にある場合、運転者が一定踏みであると判定し、ブレーキアシスト実行条件であると判定する。
ステップS3では、推定マスタ圧演算部32aおよびベース圧演算部32bにおいて、図5に示すベース圧算出処理を実施し、ステップS4へ移行する。ベース圧算出処理については後述する。
ステップS4では、ベース圧演算部32bにおいて、図7に示す終了処理を実施し、ステップS5へ移行する。終了処理については後述する。
ステップS5では、目標圧演算部32cにおいて、図8に示すゲイン算出処理を実施し、ステップS6へ移行する。ゲイン算出処理については後述する。
ステップS6では、目標圧演算部32cにおいて、図9に示す目標圧算出処理を実施し、リターンへ移行する。目標圧算出処理については後述する。
[ベース圧算出処理]
図5は、実施例1の推定マスタ圧演算部32aおよびベース圧演算部32bで実行されるベース圧算出処理の流れを示すフローチャートで、以下、各ステップについて説明する。
ステップS31では、現在終了処理中であるか否かを、終了フラグがセットされているか否かにより判定する。YESの場合には本制御を終了し、NOの場合にはステップS32へ移行する。
ステップS32では、推定マスタ圧演算部32aにおいて、推定マスタ圧を算出し、ベース圧演算部32bにおいて、算出した推定マスタ圧と、前回の演算周期で算出したベース圧との偏差の絶対値が、あらかじめ設定されたベース圧変動閾値よりも小さいか否かを判定する。YESの場合にはステップS34へ移行し、NOの場合にはステップS33へ移行する。なお、「ベース圧変動閾値」は、ポンプPの脈動に伴う推定マスタ圧の変動分よりも大きな値とする。
ここで、推定マスタ圧は、駆動制御部32dからポンプPに出力された駆動指令からポンプPの増圧量を算出し、算出したポンプ増圧量から、図6に示すマップを参照してマスタシリンダ圧の変化量であるマスタ圧変化量を算出する。そして、マスタ圧とマスタ圧変化量とを加算して、推定マスタ圧を演算する。
推定マスタ圧=マスタ圧+マスタ圧変化量(ポンプ増圧量)
ステップS33では、ベース圧演算部32bにおいて、ベース圧から推定マスタ圧を減じた値が負であるか否かを判定する。YESの場合にはステップS35へ移行し、NOの場合にはステップS36へ移行する。
ステップS34では、ベース圧演算部32bにおいて、ベース圧を前回の制御周期で算出した前回値に保持し、ステップS37へ移行する。
ステップS35では、ベース圧演算部32bにおいて、ステップS32で算出された推定マスタ圧と前回の制御周期で算出した推定マスタ圧の前回値との差から推定マスタ圧の変化量(増加量)を算出し、前回の制御周期で算出したベース圧と推定マスタ圧変化量とを加算してベース圧を算出する。
ベース圧=ベース圧前回値+推定マスタ圧変化量
ここで、ベース圧前回値の初期値は、ブレーキアシスト制御開始時点に検出されたマスタ圧とする。
ステップS36では、ベース圧演算部32bにおいて、終了制御フラグをセットし、ステップS37へ移行する。
ステップS37では、マスタ圧とベース圧とを比較し、マスタ圧がベース圧よりも小さいか否かを判定する。YESの場合には本制御を終了し、NOの場合にはステップS38へ移行する。
ステップS38では、マスタ圧をベース圧に設定し、本制御を終了する。
ベース圧算出処理では、センサノイズ等によりベース圧が実際のマスタ圧に応じた値から乖離した場合であっても、目標圧がマスタ圧以下となる不具合の発生を回避するために、ベース圧から演算した目標圧とマスタ圧とのセレクトハイにより目標圧を選択している。
[終了処理]
図7は、実施例1のベース圧演算部32bで実行される終了処理の流れを示すフローチャートで、以下、各ステップについて説明する。
ステップS41では、終了処理フラグがセットされているか否かを判定する。YESの場合にはステップS42へ移行し、NOの場合には本制御を終了する。
ステップS42では、マスタ圧の変化量がポンプ増減圧変化による推定マスタ圧変化量よりも大きいか否かを判定する。YESの場合にはステップS43へ移行し、NOの場合にはステップS44へ移行する。
ステップS43では、ベース圧をベース圧前回値と運転者の操作によるマスタ圧の変動分との加算値から求め、ステップS45へ移行する。ここで、「運転者の操作によるマスタ圧の変動分」は、マスタ圧の変動分からポンプ増圧変化量(または減圧変化量)による変動分を除いて求めることができる。
ベース圧=ベース圧前回値+運転者の操作によるマスタ圧変動分
ステップS44では、ベース圧をベース圧前回値から推定マスタ圧変化量の最大値を減じた値とし、ステップS45へ移行する。
ベース圧=ベース圧前回値−推定マスタ圧変化量の最大値
ここで、「推定マスタ圧変化量の最大値」とは、終了制御を実行中に演算された推定マスタ圧の最大減少量とする。
ステップS45では、終了フラグをリセットし、本制御を終了する。
[ゲイン算出処理]
図8は、実施例1の目標圧演算部32cで実行されるゲイン算出処理の流れを示すフローチャートで、以下、各ステップについて説明する。
ステップS51では、終了フラグがセットされているか否かを判定する。YESの場合にはステップS52へ移行し、NOの場合には本制御を終了する。
ステップS52では、目標圧を算出するためのゲインを算出し、本制御を終了する。ここで、図8のステップS52の枠内に示すように、ブレーキアシスト制御開始からカウントを開始するカウンタを設定し、このカウンタの値が大きくなるほど、より高いゲインとなるように設定されている。また、カウンタが所定値を超えた場合、ゲインは一定値とする。
[目標圧算出処理]
図9は、実施例1の目標圧演算部32cで実行される目標圧算出処理の流れを示すフローチャートで、以下、各ステップについて説明する。
ステップS61では、ステップS3またはステップS4で算出されたベース圧に、ステップS5で算出されたゲインを乗算して目標圧を算出し、ステップS62へ移行する。
目標圧=ベース圧×ゲイン
ステップS62では、ステップS61で算出された目標圧とマスタ圧とを比較し、目標圧がマスタ圧よりも小さいか否かを判定する。YESの場合には本制御を終了し、NOの場合にはマスタ圧を目標圧に設定し、本制御を終了する。
次に、作用を説明する。
[ブレーキアシスト制御の基本動作]
(a) 一定踏み時
図10は、実施例1において運転者がブレーキペダルBPを一定踏みしたときのマスタ圧、推定マスタ圧(推定圧)、ベース圧および目標圧の変化を示すタイムチャートである。
時点t1では、運転者がブレーキペダルBPの踏み込みを開始する。
時点t2では、ブレーキ操作量が一定となったため、ブレーキアシスト制御としてビルドアップ制御を開始する。ブレーキアシスト制御では、図3のフローチャートにおいて、ステップS1→ステップS2→ステップS3→ステップS4→ステップS5→ステップS6へと進む流れとなり、目標圧に応じたポンプPの駆動量により、マスタシリンダM/Cからブレーキ液が抜かれ、ホイルシリンダW/Cへと供給される。このため、目標圧の増加に伴い、マスタ圧は減少する。このとき、図5のベース圧算出処理では、ステップS31→ステップS32→ステップS34→ステップS37へと進む流れとなり、ベース圧は一定に保持される。
時点t3では、ブレーキアシスト制御開始から所定時間が経過したため(カウンタが所定値を超えたため)、目標圧は一定となる。
時点t4では、車速が低車速閾値以下となったため、ブレーキアシスト実行条件が不成立となり、図4のフローチャートにおいて、ステップS1→ステップS2へと進み、ブレーキアシスト制御を終了し、ゲートアウトバルブ3が開弁されるため、ホイルシリンダW/CからマスタシリンダM/Cへとブレーキ液が戻される。このため、ホイルシリンダW/CからマスタシリンダM/Cへとブレーキ液が戻されることで、マスタ圧は徐々に運転者の操作に応じた値へと復帰する。
(b) 一定踏みからの踏み増し時
図11は、実施例1において運転者がブレーキペダルBPを一定踏みから踏み増ししたときのマスタ圧、推定マスタ圧、ベース圧および目標圧の変化を示すタイムチャートである。
時点t1および時点t2は、一定踏み時と同様であるため、説明を省略する。
時点t2aでは、運転者がブレーキペダルBPを踏み増ししたため、マスタ圧が上昇し、これに応じて推定マスタ圧も上がるが、ベース圧と推定マスタ圧との偏差の絶対値がベース圧変動閾値以下であるため、図5のベース圧算出処理では、ステップS31→ステップS32→ステップS34→ステップS37へと進む流れとなり、ベース圧は一定に保持される。
時点t2bでは、ベース圧と推定マスタ圧との偏差の絶対値がベース圧変動閾値を超えたため、図5のベース圧算出処理では、ステップS31→ステップS32→ステップS33→ステップS35へと進み、ベース圧を推定マスタ圧増加量分だけ増加させる。
以降は、ベース圧一定に対して目標圧を逓増させる一定踏み時と同様であるため、説明を省略する。
(c) 一定踏みからの踏み戻し時
図12は、実施例1において運転者がブレーキペダルBPを一定踏みから踏み戻したときのマスタ圧、推定マスタ圧、ベース圧および目標圧の変化を示すタイムチャートである。
時点t1および時点t2は、一定踏み時と同様であるため、説明を省略する。
時点t2cでは、運転者がブレーキペダルBPを踏み戻したため、一定踏み時よりもマスタ圧がより減少し、これに応じて推定マスタ圧も下がるが、ベース圧と推定マスタ圧との偏差の絶対値がベース圧変動閾値以下であるため、図5のベース圧算出処理では、ステップS31→ステップS32→ステップS34→ステップS37へと進む流れとなり、ベース圧は一定に保持される。
時点t2dでは、ベース圧と推定マスタ圧との偏差の絶対値がベース圧変動閾値を超えたため、図5のベース圧算出処理では、ステップS31→ステップS32→ステップS33→ステップS36→ステップS37へと進む流れとなり、終了フラグがセットされる。このため、図4のステップS4で終了制御が実行される。図7に示した終了制御では、ステップS41→ステップS42→ステップS43→ステップS44→ステップS45へと進み、ベース圧は運転者の操作によるマスタ圧の変動分だけ減少し、推定マスタ圧と一致する。
以降は、ベース圧一定に対して目標圧を逓増させる一定踏み時と同様であるため、説明を省略する。
[目標圧減圧時の目標圧の段付きについて]
実施例1のHU31の油圧回路では、ブレーキアシスト制御による目標圧増圧時、ゲートアウトバルブ3を閉弁するとともにゲートインバルブ2を開弁し、目標圧に応じてポンプPを駆動する。これにより、管路11を介してマスタシリンダM/Cのブレーキ液がポンプPに吸入加圧され、管路12からホイルシリンダW/Cへとブレーキ液が供給される。
このとき、ポンプPの増圧量に応じてマスタ圧が減少するため、マスタシリンダ圧センサにより検出されるマスタ圧は運転者のブレーキ操作量に応じた値とはならず、目標圧に運転者のブレーキ操作を反映させることができない。そこで、特開平11−20638号公報に記載の制動力制御装置では、ポンプによる運転者のブレーキ操作に起因しないマスタ圧の低下分を補正することで、運転者のブレーキ操作を反映したブレーキアシスト制御を実現しようとしている。
ところが、この従来技術には、ブレーキアシスト制御による目標圧減圧時、ホイルシリンダのブレーキ液を直接マスタシリンダへと戻す構成の油圧回路において、ホイルシリンダからマスタシリンダへと戻されるブレーキ液によって運転者のブレーキ操作に起因しないマスタ圧の増加が生じる点については何ら考慮されておらず、運転者のブレーキ操作を反映したブレーキアシスト制御を実現できない。
[目標圧の段付き回避作用]
これに対し、実施例1のベース圧演算部32bでは、運転者がブレーキ操作量を減少させた場合、マスタ圧と推定マスタ圧の変化量にかかわらず、運転者がブレーキ操作量を減少させている間に演算された推定マスタ圧の最大減少率でベース圧を減少させる。
すなわち、図5のベース圧算出処理において、ベース圧と推定マスタ圧との偏差の絶対値がベース圧変動閾値を超えた場合、ステップS31→ステップS32→ステップS33→ステップS36へと進んで終了処理が開始される。図7の終了処理では、ステップS41→ステップS42→ステップS44→ステップS45へと進み、ステップS44では、ベース圧前回値から推定マスタ圧変化量の最大値を減じた値がベース圧とされる。
図13に具体例を示す。図13は、実施例1の作用を示すマスタ圧、推定マスタ圧、ベース圧および目標圧のタイムチャートである。
まず、実施例1に対する比較例として、上記制御を実施しない場合について説明する。
時点taでは、運転者がブレーキペダルBPの踏み戻しを開始したため、ゲートインバルブ2を閉弁するとともにゲートアウトバルブ3を開弁することで、管路13を介してマスタシリンダM/CとホイルシリンダW/Cとが連通状態となり、ホイルシリンダW/Cのブレーキ液がマスタシリンダM/Cへと戻される。これにより、マスタ圧は減少し始め、推定マスタ圧も追従する。
時点tbでは、推定マスタ圧とベース圧との偏差の絶対値がベース圧変動閾値を超えたため、ベース圧が減少し始める。
時点tb〜時点tcの区間では、ホイルシリンダW/CからマスタシリンダM/Cへと戻されたブレーキ液によって、マスタ圧は上昇する。
時点tcでは、マスタ圧の増加により推定マスタ圧が増加し、ベース圧との偏差の絶対値がベース圧変動閾値以下となったため、ブレーキストロークが減少しているにもかかわらず、ベース圧が保持される。これに応じて目標圧も保持されるが、運転者はブレーキペダルBPの踏み戻しを継続しているため、再びマスタ圧は減少し始め、上述したベース圧の減少と保持とが繰り返され、目標圧が段付きとなることで制動力の変動を伴うとともに、ペダルフィーリングが悪化する。
これに対し、実施例1では、時点tbで推定マスタ圧とベース圧との偏差の絶対値がベース圧変動閾値を超えた場合、運転者がブレーキ操作量を減少させたと判定し、終了制御へと移行し、ベース圧を推定マスタ圧変化量の最大減少率で低下させるため、目標圧の段付きとペダルフィーリングの悪化とを共に回避でき、運転者のブレーキ操作を反映したブレーキアシスト制御を実現することができる。
また、ブレーキ操作量の減少を、ベース圧変動閾値に基づいて判定しているため、ポンプPの脈動に伴い推定マスタ圧が変動することで、ブレーキ操作量の減少と誤判定するのを回避することができる。すなわち、ポンプPの脈動にかかわらず、ブレーキ操作量の減少を正確に判定することができる。
[踏み戻しによるブレーキアシスト復帰作用]
図14は、実施例1において終了処理中に運転者がブレーキペダルBPの再踏み込みを行った場合の、マスタ圧、推定マスタ圧、ベース圧および目標圧のタイムチャートである。
時点tdでは、運転者がブレーキペダルBPの踏み戻しを開始したため、推定マスタ圧とベース圧との偏差の絶対値がベース圧変動閾値を超え、終了制御が開始する。このとき、図7の終了処理では、ステップS41→ステップS42→ステップS44→ステップS45へと進む流れとなる。
時点teでは、運転者がブレーキペダルBPを再び踏み込んだため、マスタ圧の増加量がポンプ増減圧変化による推定マスタ圧変化量よりも大きくなり、図7の終了処理では、ステップS41→ステップS42→ステップS43→ステップS45へと進む流れとなり、ステップS43では、ベース圧前回値に対し推定マスタ圧の変化量のうち運転者のブレーキ操作に応じた分を加算した値がベース圧とされるため、ベース圧は推定マスタ圧に応じて増加する。つまり、実施例1では、運転者がブレーキ操作量を減少させた後、再びブレーキ操作量を増加させた場合、ベース圧の前回演算値であるベース圧前回値と、推定マスタ圧の変化量のうち運転者のブレーキ操作に応じた変化量とに基づいて、ベース圧を演算する。このため、終了処理中に運転者がブレーキペダルBPの再踏み込みを行った場合、スムーズにブレーキアシスト制御へと復帰することができる。
また、運転者がブレーキ操作量を減少させた後、マスタ圧の変化量が推定マスタ圧の変化量を超えた場合、運転者が再びブレーキ操作量を増加させたと判定するため、ブレーキペダルBPの再踏み込みを正確に判定することができる。
時点tfでは、ブレーキストロークが一定となったため、図5のベース圧算出処理では、ステップS31→ステップS32→ステップS34→ステップS37へと進む流れとなり、ベース圧が一定に保持される。
次に、効果を説明する。
実施例1の制動力制御装置にあっては、以下に列挙する効果が得られる。
(1) ブレーキECU32は、ブレーキアシスト制御の実行中にホイルシリンダW/Cの液圧がマスタシリンダM/Cへと戻ることで生じるマスタ圧の変動分を補正し、補正後の値に基づいてブレーキアシスト制御を実行する。これにより、運転者のブレーキ踏み戻しにより、運転者のブレーキ操作に起因しないマスタ圧の増加が発生した場合であっても、運転者のブレーキ操作を反映したブレーキアシスト制御を実現することができる。
(2) ブレーキECU32は、ポンプPの増圧量に基づいてマスタシリンダ圧の変化量を推定し、推定したマスタシリンダ圧の変化量とマスタ圧とに基づいて、マスタシリンダ圧の推定値である推定マスタ圧を演算する推定マスタ圧演算部32aと、ブレーキアシスト制御開始時のマスタ圧と、推定マスタ圧の変化量とに基づいて、運転者のブレーキ操作量の推定値としてのベース圧を演算するベース圧演算部32bと、ベース圧に基づいてホイルシリンダ圧の目標圧を演算する目標圧演算部32cと、を備える。これにより、ブレーキアシスト制御の実行中にホイルシリンダW/Cの液圧をマスタシリンダM/Cへと戻すとき、ポンプPの動作によって生じるマスタ圧の脈動変動を推定マスタ圧の変化量を用いることで抑制し、安定したブレーキアシスト制御を実行することができる。
(3) ベース圧演算部32bは、運転者がブレーキ操作量を減少させた場合、マスタ圧と推定マスタ圧の変化量にかかわらず、運転者がブレーキ操作量を減少させている間に演算された推定マスタ圧の最大減少率でベース圧を減少させる。これにより、運転者のブレーキ踏み戻しにより、運転者のブレーキ操作に起因しないマスタ圧の増加が発生した場合であっても、目標圧の段付きとペダルフィーリングの悪化とを共に回避でき、運転者のブレーキ操作を反映したブレーキアシスト制御を実現することができる。
(4) ベース圧演算部32bは、ベース圧と推定マスタ圧との偏差があらかじめ設定されたベース圧変動閾値以上の場合、運転者がブレーキ操作量を減少させたと判定するため、ポンプPの脈動にかかわらず、ブレーキ操作量の減少を正確に判定することができる。
(5) ベース圧演算部32bは、運転者がブレーキ操作量を減少させた後、再びブレーキ操作量を増加させた場合、ベース圧の前回演算値であるベース圧前回値と、推定マスタ圧の変化量のうち運転者のブレーキ操作に応じた変化量とに基づいて、ベース圧を演算する。これにより、終了処理中に運転者がブレーキペダルBPの再踏み込みを行った場合、スムーズにブレーキアシスト制御へと復帰することができる。
(6) ベース圧演算部32bは、運転者がブレーキ操作量を減少させた後、マスタ圧の変化量が推定マスタ圧の変化量を超えた場合、運転者が再びブレーキ操作量を増加させたと判定するため、ブレーキペダルBPの再踏み込みを正確に判定することができる。
(7) 目標圧演算部32cは、ベース圧に基づいて演算した目標圧と、マスタ圧とのセレクトハイにより目標圧を選択するため、センサノイズ等によりベース圧が実際のマスタ圧に応じた値から乖離した場合であっても、目標圧がマスタ圧以下となる不具合の発生を回避することができる。
(8) 目標圧演算部32cは、ベース圧が一定の場合、時間の経過とともにベース圧に対する目標圧を徐々に大きくするビルドアップを行うため、制動力制御によりブレーキパッドのビルドアップ特性を模擬することができる。
(他の実施例)
以上、本発明を実施するための最良の形態を、図面に基づく実施例1により説明したが、本発明の具体的な構成は、実施例1に示したものに限定されるものではなく、発明の要旨を変更しない程度の設計変更等があっても本発明に含まれる。
例えば、油圧回路の構成は、図2に示した実施例1の構成に限定されるものではない。例えば、図15は、油圧ユニットの一例を示す回路構成図である。
図15の油圧ユニット43では、図2に示した実施例1のHU31の構成に対し、リザーバ16に代えてリザーバ20P,20S(以下、リザーバ20)を設け、ゲートインバルブ2、チェックバルブ6およびチェックバルブ8を廃止した点が異なる。
リザーバ20は、管路15に接続されてマスタシリンダM/C側からブレーキ液を受け入れるリザーバ孔20aと、管路14に接続されてホイルシリンダW/Cから逃がされるブレーキ液を受け入れるとともにポンプPの吸入側にブレーキ液を供給するリザーバ孔20bとが備えられ、これらがリザーバ室20cと連通している。リザーバ孔20aより内側には、ボール弁20dが配設されている。このボール弁20dには、ボール弁20dを上下に移動させるための所定ストロークを有するロッド20fがボール弁20dと別体で設けられている。
また、リザーバ室20c内には、ロッド20fと連動するピストン20gと、このピストン20gをボール弁20d側に押圧してリザーバ室20c内のブレーキ液を押し出そうとする力を発生するスプリング20hが備えられている。
このように構成されたリザーバ20は、所定量のブレーキ液が貯留されると、ボール弁20dが弁座20eに着座してリザーバ20内にブレーキ液が流入しないようになっている。このため、ポンプPの吸入能力より多くのブレーキ液がリザーバ室20c内に流動することがなく、ポンプPの吸入側に高圧が印加されないようになっている。
油圧ユニット43において、ポンプPを駆動しない通常制御時には、マスタシリンダ圧によりリザーバ20のボール弁20dが弁座20eに着座するため、ブレーキ液はリザーバ20へと貯留されず、ホイルシリンダW/Cへと供給される。
油圧ユニット43において、実施例1に示したようなブレーキアシスト(ビルドアップ)制御を行う際、ホイルシリンダ圧を加圧する場合は、ゲートアウトバルブ3を閉弁してポンプPを駆動することで、マスタシリンダM/Cのブレーキ液はポンプPで吸い上げられ、管路12からホイルシリンダW/Cへと供給される。一方、ホイルシリンダ圧を減圧する場合には、ポンプPを停止してゲートアウトバルブ3を開弁することで、ホイルシリンダW/Cから管路13を介してマスタシリンダM/Cへとブレーキ液が戻される。
よって、図15に示したような油圧ユニット43においても、実施例1のようなブレーキアシスト制御を実行することで、実施例1と同様の作用効果を得ることができる。
実施例1の制動力制御装置を適用した車両のシステム構成図である。 実施例1のHU31の油圧回路図である。 ブレーキECU32のビルドアップ制御ブロック図である。 実施例1のブレーキECU32で実行されるブレーキアシスト制御処理の流れを示すフローチャートである。 実施例1の推定マスタ圧演算部32aおよびベース圧演算部32bで実行されるベース圧算出処理の流れを示すフローチャートである。 ポンプ増圧量に対するマスタ圧変化量の設定マップである。 実施例1のベース圧演算部32bで実行される終了処理の流れを示すフローチャートである。 実施例1の目標圧演算部32cで実行されるゲイン算出処理の流れを示すフローチャートである。 実施例1の目標圧演算部32cで実行される目標圧算出処理の流れを示すフローチャートである。 実施例1において運転者がブレーキペダルBPを一定踏みしたときのマスタ圧、推定マスタ圧、ベース圧および目標圧の変化を示すタイムチャートである。 実施例1において運転者がブレーキペダルBPを一定踏みから踏み増ししたときのマスタ圧、推定マスタ圧、ベース圧および目標圧の変化を示すタイムチャートである。 実施例1において運転者がブレーキペダルBPを一定踏みから踏み戻したときのマスタ圧、推定マスタ圧、ベース圧および目標圧の変化を示すタイムチャートである。 実施例1の作用を示すマスタ圧、推定マスタ圧、ベース圧および目標圧のタイムチャートである。 実施例1において終了処理中に運転者がブレーキペダルBPの再踏み込みを行った場合の、マスタ圧、推定マスタ圧、ベース圧および目標圧のタイムチャートである。 他の実施例の油圧ユニットの油圧回路図である。
符号の説明
AP アクセルペダル
BP ブレーキペダル
P ポンプ
M/C マスタシリンダ
W/C ホイルシリンダ
2 ゲートインバルブ
3 ゲートアウトバルブ
4 ソレノイドインバルブ
5 ソレノイドアウトバルブ
6〜10 チェックバルブ
11〜18 管路
31 油圧ユニット
32 ブレーキコントローラ(ブレーキアシスト制御手段)
32a 推定マスタ圧演算部(推定マスタ圧演算手段)
32b ベース圧演算部(ベース圧演算手段)
32c 目標圧演算部(目標圧演算手段)
32d 駆動制御部
33 ヨーレート/横Gセンサ
34 車輪速センサ
37 エンジン
38 自動変速機
39 操舵角センサ
41 電動ブースタ
42 マスタシリンダ圧センサ

Claims (7)

  1. マスタシリンダ圧に応じた出力信号を発生する液圧センサと、
    マスタシリンダとホイルシリンダとを連通する液圧通路からマスタシリンダのブレーキ液を吸入するポンプと、
    前記出力信号に応じて、前記ポンプの吐出圧を前記ホイルシリンダへ供給するとともに前記ホイルシリンダのブレーキ液を前記液圧通路から前記マスタシリンダへと戻すブレーキアシスト制御を実行するブレーキアシスト制御手段と、
    を有する制動力制御装置において、
    前記出力信号と前記ポンプの増圧量とからマスタシリンダ圧の推定値である推定マスタ圧を演算する推定マスタ圧演算手段と、
    前記ブレーキアシスト制御開始時の前記出力信号と、前記推定マスタ圧の変化量とに基づいて、運転者のブレーキ操作量の推定値としてのベース圧を演算するベース圧演算手段と、
    前記ベース圧に基づいてホイルシリンダ圧の目標圧を演算する目標圧演算手段と、
    からなることを特徴とする制動力制御装置。
  2. 請求項1に記載の制動力制御装置において、
    前記ベース圧演算手段は、運転者がブレーキ操作量を減少させた場合、前記出力信号と前記推定マスタ圧の変化量にかかわらず、運転者がブレーキ操作量を減少させている間に演算された前記推定マスタ圧の最大減少率で前記ベース圧を減少させることを特徴とする制動力制御装置。
  3. 請求項2に記載の制動力制御装置において、
    前記ベース圧演算手段は、前記ベース圧と前記推定マスタ圧との偏差があらかじめ設定されたベース圧変動閾値以上の場合、運転者がブレーキ操作量を減少させたと判定することを特徴とする制動力制御装置。
  4. 請求項2または請求項3に記載の制動力制御装置において、
    前記ベース圧演算手段は、運転者がブレーキ操作量を減少させた後、再びブレーキ操作量を増加させた場合、前記ベース圧の前回演算値であるベース圧前回値と、前記推定マスタ圧の変化量のうち運転者のブレーキ操作に応じた変化量とに基づいて、前記ベース圧を演算することを特徴とする制動力制御装置。
  5. 請求項4に記載の制動力制御装置において、
    前記ベース圧演算手段は、運転者がブレーキ操作量を減少させた後、前記出力信号の変化量が前記推定マスタ圧の変化量を超えた場合、運転者が再びブレーキ操作量を増加させたと判定することを特徴とする制動力制御装置。
  6. 請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の制動力制御装置において、
    前記目標圧演算手段は、前記ベース圧に基づいて演算した目標圧と、前記出力信号とのセレクトハイにより目標圧を選択することを特徴とする制動力制御装置。
  7. 請求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載の制動力制御装置において、
    前記目標圧演算手段は、前記ベース圧が一定の場合、時間の経過とともにベース圧に対する目標圧を徐々に大きくするビルドアップを行うことを特徴とする制動力制御装置。
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