JP2009107257A - 樹脂成形体付きシート - Google Patents

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Abstract

【課題】裏面側に肉逃げ凹部を形成した樹脂成形体と基材シートとを強固に接着する樹脂成形体付きシートの提供。
【解決手段】樹脂キートップ3の裏面3aに肉逃げ凹部3bが形成されているため、樹脂キートップ3の肉厚を薄くでき、樹脂キートップ3の表面に「ヒケ」と呼ばれる窪みを発生し難くできる。そして肉逃げ凹部3bの凹面に基材シート2の延長部2aが固着するため、樹脂キートップ3と基材シート2との固着部分を樹脂キートップ3の裏面3aと凹面とに増やすことができ、両者間の密着力を高めることができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、携帯電話機、PDA、リモコン、デジタルカメラ、AV機器、車載電装機器等の各種電子機器において、外装部品として用いられる樹脂成形体付きシートに関する。
携帯電話機やAV機器等の各種電子機器には、これら機器の筐体や操作キーシートなど種々の外装部品を備えている。こうした外装部品は樹脂で形成されていることが多く、操作キーシートについては樹脂フィルムと樹脂成形体を組み合わせれば薄型化と軽量化が実現できる。例えば、樹脂フィルムでなる基材シートの表面に樹脂成形体でなるキートップを備えたキーシートが、特開平8−156020号公報(特許文献1)や、特開2004−186146号公報(特許文献2)に記載されている。そして中実のキートップには文字、図柄、種々の色調の付加などの加飾が施され、この加飾は印刷や塗装などによる高分子塗層で構成されるもののほか、めっきや蒸着などによる金属層で構成されているものもある。
特開平8−156020号公報 特開2004−186146号公報
上記のようなキートップには様々な加飾を施すことができるが、中実のキートップを射出成形で形成した場合に、キートップの表面に所謂「ヒケ」と呼ばれる窪みが発生することがある。この「ヒケ」が発生したキートップの表面に高分子塗層や金属層を設けると、窪みがはっきりと視認でき外観を著しく損ねてしまう。そこで、キートップの裏面側に肉逃げ凹部を形成してキートップの肉厚を薄くすると、「ヒケ」を解消することができる。しかしながら、キートップの裏面側に肉逃げ凹部を形成すると、基材シートとの密着力が低下し、何らかの衝撃でキートップが基材シートから剥がれてしまうという課題がある。
以上のような従来技術を背景になされたのが本発明である。すなわち本発明の目的は、裏面側に肉逃げ凹部を形成した樹脂成形体と基材シートとを強固に接着する樹脂成形体付きシートを提供することにある。
上記目的を達成すべく本発明は以下のように構成される。
本発明は、基材シートの表面に樹脂成形体の裏面が固着する樹脂成形体付きシートについて、樹脂成形体の裏面に肉逃げ凹部が形成されており、該肉逃げ凹部の凹面に、樹脂成形体の裏面と固着する基材シートから伸びる延長部が固着する樹脂成形体付きシートを提供する。
本発明では、樹脂成形体の裏面に肉逃げ凹部が形成されているため、樹脂成形体の肉厚を薄くすることができ、樹脂成形体の表面に「ヒケ」と呼ばれる窪みを発生し難くすることができる。そして肉逃げ凹部の凹面に、樹脂成形体の裏面と固着する基材シートから伸びる延長部を固着するため、樹脂成形体と基材シートとの固着部分を樹脂成形体の裏面だけでなく凹面に設けることができ、両者間の密着力を高めることができる。このように基材シートが樹脂成形体の凹面に固着すると、樹脂成形体の裏面に対する交差方向にも延長部が伸びているため、樹脂成形体に対しその裏面との交差方向に応力が加わっても、樹脂成形体を基材シートから剥がれ難くすることができる。
延長部を肉逃げ凹部の凹面に沿う凹形状とすることができる。このようにすれば、樹脂成形体と基材シートの固着面積を大きくすることができ、両者間を高い密着力で固着することができる。ここで固着方法について説明する。樹脂成形体と基材シートとはインサート成形で一体化するが、延長部を肉逃げ凹部の凹面に沿う凹形状に形成する場合には、基材シートを樹脂成形体の成形金型にインサートする前に予め同形状にプレフォーミングすることができる。基材シートをプレフォーミングせずに平面状で成形金型にインサートして凹形状に変形させると、基材シートは成形金型を閉じた時に基材シートの軟化温度よりも低い金型温度雰囲気中で伸ばされて凹形状に変形していくため、変形後の基材シートに偏った撓み、しわ、破れが発生することがある。しかし、基材シートをプレフォーミングによって凹形状に形成した後に成形金型にインサートすれば、基材シートに対し偏った撓みや破れを発生し難くすることができる。なお、基材シートのプレフォーミングは、平面状の基材シートをプレフォーミング用金型にセットし、加熱及び加圧して行われる。
肉逃げ凹部の略中央に、樹脂成形体の裏面より外方へ突出する先端を有する柱状の押し子部が設けられており、延長部が該押し子部を通す透孔を有するものとすることができる。このようにすれば、押し子部の形状に追従させるような基材シートの変形を避けることができ、基材シートを破損し難くすることができる。さらに樹脂成形体を射出成形する際に押し子部の先端を溶融樹脂の注入口とし、この透孔を通過して基材シートの表面側に溶融樹脂を注入すれば、基材シートの表面側に形成された樹脂成形体には成形痕が無く、ゲートの痕も目立たなくなり、見映え良い樹脂成形体とすることができる。なお、延長部の透孔はプレス加工やレーザー加工によって、又は前述のプレフォーミングと同時に形成することができる。
延長部を複数の分割片とすることができる。このようにすれば、各分割片の変形は相互に影響を受けないため、基材シートをプレフォーミングせずに平面状でインサートしても基材シートに偏った撓みや破れを発生し難くすることができる。
基材シートを樹脂成形体に光を伝達できる導光板とすることができる。基材シートを透光性の導光板とすれば、樹脂成形体付きシートをバックライト照光式とした場合に、基材シートによって樹脂成形体に効率よく光を伝達することができる。
複数の樹脂成形体が基材シートに固着している樹脂成形体付きシートとすることができる。樹脂成形体付きシートに複数の樹脂成形体を有するものとすれば、操作キーシートのように複数のキートップ(樹脂成形体)が配列するものを得ることができ、複数の樹脂成形体を基材シートで一体化することができるので、取扱いを容易にすることができる。
樹脂成形体と基材シートの間に下地層を有し、樹脂成形体を下地層に対して融着した固化体とすることができる。樹脂成形体と基材シートの間に下地層を設けて、樹脂成形体をこの下地層に対して融着した固化体とすれば、樹脂成形体と基材シートとの固着力を強くすることができ、基材シートから樹脂成形体を剥がれ難くすることができる。ここで、樹脂成形体をなす樹脂成分を下地層をなす樹脂成分として含ませて下地層を形成することができる。このようにすると、下地層と樹脂成形体との固着力を高めることができ、基材シートに対して樹脂成形体を強固に固定することができる。
さらに、下地層を延長部に設けることができる。下地層を延長部に設ければ、樹脂成形体の肉逃げ凹部と基材シートの延長部との固着力を高めることができ、基材シートから樹脂成形体を剥がれ難くすることができる。
樹脂成形体及び下地層が金属めっきが付着する樹脂でなり、樹脂成形体と下地層の各々の露出表面が金属めっき層で覆われているものとすることができる。このようにすれば、樹脂成形体に電解めっき層を形成する際に下地層を利用して通電することができ、下地層の表面から樹脂成形体の表面へと一体に繋がる電解めっき層を形成することができる。このため通常電解めっき層を形成する際に行われる樹脂成形体上に陰極端子を接触させる電解めっき法や、樹脂ランナーを利用して通電させる電解めっき法と異なり、樹脂成形体の表面に陰極端子を接触させた接触跡や、樹脂ランナーを切除した場合ほど大きな切断跡が残らない綺麗な電解めっき層を形成することができる。
また、下地層を印刷層とすれば、印刷処理が塗布形状や塗布厚みを正確に設定することができるため、下地層と樹脂成形体の接触が確実となって、下地層の表面から樹脂成形体の表面へと一体に繋がる金属めっき層はムラが無く綺麗に形成される。また、樹脂成形体と基材シートとの固着力が強くでき、基材シートから樹脂成形体を離脱し難くすることができる。
金属めっき層が付着する樹脂成形体付きシートは、この金属めっき層を電解めっき層とすることができる。金属めっき層を電解めっき層としたため、電解めっき処理で利用できる金属で覆われた綺麗な金属めっき層を有する樹脂成形体付きシートとすることができる。この場合、樹脂成形体や下地層を導電性とし、樹脂成形体や下地層に直接電解めっき層を鍍着するため、簡単に製造することができる。
あるいは、金属めっき層を無電解めっき層と電解めっき層との積層体とすることができる。金属めっき層を無電解めっき層と電解めっき層との積層体としたため、樹脂成形体や下地層に電解めっき層が付着するほどの導電性の高い樹脂を用いずとも、無電解めっき層が付着する樹脂を用いることができ、樹脂選択の幅が広がる。また、無電解めっき層を電解めっき層で覆うため、無電解めっき層では表現することができない金属調の加飾を表現することができる。
前記下地層の厚さは5μm〜100μmである。無電解めっき層を設ける場合は、下地層の厚さが5μm未満では、樹脂成形体に無電解めっきがつくためのアンカー効果を付与する凹凸表面が形成し難く、無電解めっき層の十分な密着性が得られない。また、無電解めっき層を設けずに直接電解めっき層を設ける場合は、十分な電流を通すことができず電解めっき層を形成し難い。下地層の厚さが100μmを超えると、下地層の形成に時間がかかり製造コストが高くなる。また下地層の剛性が高まるため、下地層がついた不要な基材シートを切断除去する際に、切断時の衝撃で金属めっき層が剥がれるおそれがある。
こうした樹脂成形体付きシートは、デジタルスチルカメラや携帯電話機に用いられる操作キーシートとすることができ、樹脂成形体はその操作ボタンとすることができる。この操作キーシートは、操作ボタンを基材シートで連結することができ、各操作ボタンを一つ一つのキーに対応させることができ、多くの操作ボタンの取付けを一つの操作キーシートの取付けですませることができ、組み付けが容易である。また、下地層を介して操作ボタンと基材シートを固着している場合は、操作ボタンと基材シートの固着力が強固であることから、機器の筐体からの抜け止めに機能するフランジを設けない操作ボタンとすることができ、操作キーシートの薄型化が可能である。
本発明の樹脂成形体付きシートによれば、樹脂成形体の肉厚を薄くすることができ、樹脂成形体の表面に「ヒケ」と呼ばれる窪みを発生し難くすることができる。そして樹脂成形体と基材シートとの固着部分を樹脂成形体の裏面と凹面とに増やすことができ、両者間の密着力を高めることができる。さらに樹脂成形体と固着する延長部が樹脂成形体の裏面に対する交差方向にも伸びているため、樹脂成形体に対しその裏面との交差方向に応力が加わっても、樹脂成形体を基材シートから剥がれ難くすることができる。
以下、本発明の実施形態の例について図面を参照しつつ説明する。なお、各実施形態で共通する構成については、同一符号を付して重複説明を省略する。
以下の実施形態では、「樹脂成形体付きシート」を携帯電話機やデジタルスチルカメラなどに備える操作キーシートとして適用する例を説明する。但し、機器の筐体(外装ケース)やその他の装飾部品としても適用することができる。
第1実施形態〔図1,図2〕
図1(A)は第1実施形態の操作キーシート1の断面図を、図2は第1実施形態の操作キーシート1に備える基材シート2の斜視図を示す。第1実施形態の操作キーシート1は、基材シート2と、「樹脂成形体」としての樹脂キートップ3と、高分子塗層4と、を備えている。
樹脂キートップ3は図外の接点スイッチなどを押圧操作するもので、熱可塑性樹脂でなり平面視で矩形状に形成されている。この樹脂キートップ3の裏面3aには平面視で矩形状の肉逃げ凹部3bが設けられている。この肉逃げ凹部3bにおける底面の略中央には、先端が樹脂キートップ3の裏面3aより外方へ突出する円柱状の押し子部3cが形成されている。なお、本実施形態の樹脂キートップ3は透光性であり、操作キーシートをバックライト照光式とすれば、樹脂キートップ3を照光することができる。
基材シート2は前述した樹脂キートップ3を浮動支持するもので、その樹脂キートップ3を押圧操作できるように可撓性のある薄い樹脂フィルムで形成されている。この基材シート2は樹脂キートップ3の裏面3aに固着し、さらに裏面3aと固着する部分から伸びる延長部2aが肉逃げ凹部3bの凹面に沿って凹形状に形成され肉逃げ凹部3bに固着している。言い換えると、図2で示すように、基材シート2は樹脂キートップ3における肉逃げ凹部3bに入り込むように、肉逃げ凹部3bの凹面と同形状に膨出形成された延長部2aを有している。そして延長部2aには円形状の透孔2bが形成され、その透孔2bには押し子部3cが貫入している。この透孔2bの孔径寸法は押し子部3cの外径寸法と略同等となっており、延長部2aは肉逃げ凹部3bの底面を略覆っている。なお、本実施形態の基材シート2は透光性であり、操作キーシートをバックライト照光式とすれば、基材シート2を導光板として使用でき樹脂キートップに光を伝達することができる。なお、基材シート2を導光板とするときは、図1(B)で示すように、基材シート2が樹脂キートップ3に固着する部分の反対面に、基材シート2を通過する光を拡散させる粗面2cが形成されていることが好ましい。基材シート2から効率的に樹脂キートップ3に光を導くためである。
高分子塗層4は操作キーシート1の表面側を装飾するもので、薄い樹脂塗膜で形成されている。この高分子塗層4は、樹脂キートップ3の表面及び側面と基材シートにおける表面側の露出面を被覆している。高分子塗層4を透光性とすれば、操作キーシートをバックライト照光式として、樹脂キートップ3及び高分子塗層4を照光することができる。また、高分子塗層4を金属めっき層の下地層とすることもできる。
ここで操作キーシート1の各構成部分の材質について説明する。
基材シート2の材質については、樹脂キートップ3を押圧操作できるように可撓性の樹脂フィルムを使用することができる。例えば、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリル樹脂などを用いることができる。導光板としても機能させる場合には透光性の材質を用いる。なお、樹脂キートップに対し湿式めっき処理にて金属めっき層を形成する場合は、耐薬品性の高いポリエチレンテレフタレート樹脂が好ましい。また基材シートの厚さについて説明すると、複数の樹脂キートップを密に配置した場合は、基材シートに樹脂キートップの連動を防ぐ柔軟性が必要となるため、基材シートの厚さを6μ〜200μmにすることが好ましい。組立作業の際に取扱い易くするためには、基材シートの厚さを300μ以上とすることが好ましい。
樹脂キートップ3の材質については、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、光硬化性樹脂などを使用することができる。本実施形態のように表面などに高分子塗膜4を形成する場合は、例えば、ポリカーボネート樹脂、アクリロニトリルブタジエンスチレン樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂やこれらのアロイ系樹脂などを用いることができる。この他、無電解めっき層を形成する場合は、例えば、アクリロニトリルブタジエンスチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリアミド樹脂、ポリフェニレンオキサイド樹脂、シンジオタクチックポリスチレン樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリエーテルスルフォン樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、液晶ポリマー、又はこれらを含むアロイ樹脂や変性樹脂などを用いることができる。電解めっき層を形成する場合は、例えば、絶縁性樹脂にカーボンや金属、金属酸化物などの導電性粒子を分散させた導電性樹脂、あるいは、ポリチオフェン、ポリアニリン、ポリアセチレン、ポリピロールなどの導電性高分子樹脂などを用いることができる。照光式の操作キーシート1とする場合には、樹脂キートップ3を通じて照光させるため、透光性の材質が用いられる。
基材シート2を導光板とする場合には、樹脂キートップ3の材質と基材シート2の材質を同質にすることが好ましい。樹脂キートップ3と基材シート2のそれぞれの光に対する屈折率が近似している程、基材シート2から樹脂キートップ3へ光が導かれて、照光性を高めることができるからである。
高分子塗層4の材質については、基材シート2や樹脂キートップ3にむら無く塗膜を形成できるものを使用することができる。例えば、アクリル樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、又はこれらの混合物、或いはこれらの変性体などが挙げられる。
また、高分子塗層の材質を金属めっき層が鍍着する樹脂で形成することができる。具体的には無電解めっきが鍍着する樹脂や、電解めっきが鍍着する樹脂を用いることができる。無電解めっきが鍍着して無電解めっき層を形成できる樹脂は、例えば、アクリロニトリルブタジエンスチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリフェニレンオキサイド樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリアミド樹脂、ポリスルフォン樹脂、又はこれらを含むアロイ樹脂や変性樹脂などが挙げられる。他方、電解めっきが鍍着して電解めっき層を形成できる樹脂は、例えば、絶縁性樹脂にカーボンや金属、金属酸化物などの導電性粒子を分散させた導電性樹脂、あるいは、ポリチオフェン、ポリアニリン、ポリアセチレン、ポリピロールなどの導電性高分子樹脂などが挙げられる。このように金属めっき層が鍍着する樹脂で高分子塗層を形成すれば、樹脂キートップを金属めっき層が鍍着しない樹脂で形成しても、その樹脂キートップの表面に金属めっき層を鍍着することができる。
次に、操作キーシート1の製造方法について説明する。
先ず樹脂フィルムを、プレス成形、真空成形、圧空成形等の方法でプレフォーミングして樹脂キートップ3の肉逃げ凹部3bに入り込む膨出形状の延長部2aを形成した後、レーザー加工、抜き加工にて透孔2bを設け基材シート2を形成する。この基材シート2を射出成形金型にインサートして、基材シート2の裏面側となる押し子部3cの先端を溶融樹脂の注入口とし、この透孔2bを通過して基材シート2の表面側に溶融樹脂を射出して樹脂キートップ3を成形し、同時に基材シート2と樹脂キートップ3を固着一体化する。なお、基材シート2と樹脂キートップ3を固着する際に、両者の固着強度を高める場合は、予め延長部2aを含めた固着面に接着剤、プライマーなどの下地層を塗布しておく。次に樹脂キートップ3の表面及び側面と基材シートにおける表面側の露出面に対し、高分子塗料を塗布して高分子塗層4を形成し、本実施形態の操作キーシート1を得る。
なお、基材シート2に樹脂キートップ3を照光させるための粗面2cを設ける場合には、樹脂キートップ3の裏面3aと固着する基材シート2の反対面に対してブラスト加工、粗面治具の押圧、UV樹脂の塗布、UV樹脂の型成形固着などを行うか、少なくとも片面に予め粗面2cが形成されている基材シート2を用いる。
最後に、操作キーシート1の作用、効果について説明する。
本実施形態の操作キーシート1によれば、樹脂キートップ3の裏面3aに肉逃げ凹部3bが形成されているため、樹脂キートップ3の肉厚を薄くすることができ、樹脂キートップ3の表面に「ヒケ」と呼ばれる窪みを発生し難くすることができる。そして肉逃げ凹部3bの凹面に基材シート2の延長部2aが固着するため、樹脂キートップ3と基材シート2との固着部分を樹脂キートップ3の裏面3aと凹面とに増やすことができ、両者間の密着力を高めることができる。このように基材シート2が樹脂キートップ3の裏面3aと肉逃げ凹部3bの凹面に固着すると、樹脂キートップ3の裏面3aに対する交差方向にも基材シート2の延長部2aが伸びて固着しているため、樹脂キートップ3に対しその裏面3aとの交差方向の応力、即ち樹脂キートップ3の押圧応力が加わっても、樹脂キートップ3を基材シート2から剥がれ難くすることができる。また、基材シート2から伸びる延長部2aが樹脂キートップ3の凹面、即ち、樹脂キートップ3の内側面で固着しているため、基材シート2が樹脂キートップ3の外側面で固着するような場合と比較すると、基材シート2と樹脂キートップ3との境界部分が樹脂キートップ3の側面や表面に表れることがない。そのため、見栄えが悪くなることがない。
延長部2aを肉逃げ凹部2bの凹面に沿う凹形状としてあり、肉逃げ凹部2bの側面3dだけでなく肉逃げ凹部2bの底面3eにおいても固着するため、樹脂キートップ3と基材シート2の固着面積を大きくすることができ、両者間を高い密着力で固着することができる。
延長部2aが押し子部3cを通す透孔2bを有するため、基材シート2を押し子部3cの形状に追従させるような変形をさせる必要がなく、基材シート2を破損し難くすることができる。さらに樹脂キートップ3を射出成形する際に押し子部3cの先端を溶融樹脂の注入口とし、この透孔2bを通過して基材シート2の表面側に溶融樹脂を注入するため、基材シート2の表面側に形成された樹脂キートップ3には成形痕が無く、見映え良い樹脂キートップ3とすることができる。また、溶融樹脂の注入口と透孔2bとが略同径となるため、溶融樹脂の射出工程において基材シート2が樹脂キートップ3に入り込みにくく、不良品が生じにくく歩留まりよく得られる操作キーシート1となる。
プレフォーミングを行っているため、肉逃げ凹部3bの凹形状への追従が不十分となった樹脂キートップ3が形成されることはなく、撓みや裂けが生じた基材シート2の部分を有する操作キーシートとなることはない。
操作キーシート1をバックライト照光式とした場合に、基材シート2及び樹脂キートップ3を透光性としているため、この基材シート2を樹脂キートップ3に光を伝達できる導光板とすることができる。したがって基材シート2によって樹脂キートップ3に効率よく光を伝達することができる。
第1実施形態の第1変形例〔図3,図4〕
図3は第1変形例の操作キーシート5の断面図を、図4は第1変形例の操作キーシート5に備える基材シート6の斜視図を示す。第1実施形態の操作キーシート1では、基材シート2における透孔2bの孔径寸法を押し子部3cの外径寸法と略同等に形成する例を示したが、第1変形例の操作キーシート5は基材シート6の延長部6aに形成した円形状の透孔6bの孔径寸法を樹脂キートップ7の押し子部7cの外径寸法より大きく形成している。このため樹脂キートップ7の裏面7aに形成した肉逃げ凹部7bにおける押し子部7cの周囲の底面が裏面側に表出している。このようにしても操作キーシート1と同様の作用、効果を発揮することができる。
第1実施形態の操作キーシート1は、樹脂フィルムをプレフォーミングした後にレーザー加工を用いて透孔2bの位置と孔径を高精度で形成して基材シート2を得ているが、第1変形例の操作キーシート5では、平面状の樹脂フィルムに透孔6bを抜き加工(プレス加工)で形成した後にプレフォーミングすれば、図4で示すような基材シート6を得ることができる。このようにレーザー加工工程に替えて抜き加工工程を行うことで、製造時間の短縮及び製造コストの引き下げをすることができる。なお、透孔6bの孔径寸法が樹脂キートップ7の押し子部7cの外径寸法より大きいのは、プレフォーミングの際に孔径が拡がるためである。
第1実施形態の第2変形例〔図5〜図7〕
図5は第2変形例の操作キーシート8の断面図を、図6は第2変形例の操作キーシート8に備える基材シート9の斜視図を示す。第1実施形態の操作キーシート1では、基材シート2における延長部2aを凹形状に形成する例を示したが、第2変形例の操作キーシート8は基材シート9の延長部9aを四角い筒状に設け、透孔9bを矩形状に形成している。このため樹脂キートップ10の裏面10aに形成した肉逃げ凹部10bにおける底面及び側面の底面側が、裏面側に表出している。このようにしても操作キーシート1と同様の作用、効果を発揮することができる。
第1実施形態の操作キーシート1は、樹脂フィルムをプレフォーミングした後にレーザー加工を用いて透孔2bの位置と孔径を高精度で形成して基材シート2を得ているが、第2変形例の操作キーシート8では、平面状の樹脂フィルムに矩形状の透孔9bを抜き加工で形成した後にプレフォーミングし、図6で示すような基材シート9を得ることができる。このようにレーザー加工工程に替えて抜き加工工程を行うことで、製造時間の短縮及び製造コストの引き下げをすることができる。なお、延長部9aを四角い筒状に形成するには、抜き工程において樹脂キートップ10の肉逃げ凹部10bにおける底面の大きさよりやや小さい矩形状の透孔9bを形成する。するとプレフォーミングの際に透孔9bが肉逃げ凹部10bにおける底面の大きさより拡がり、延長部9aが底無しの四角い筒状に形成される。
第2変形例では、基材シート9の延長部9aが肉逃げ凹部10bの側面10dと固着し肉逃げ凹部10bの底面10eにまでは達していないが、操作キーシート1や操作キーシート5と比べて基材シート9の変形する部分が少ないため、樹脂キートップ10の周囲に露出する基材シート9の部分にシワが入りにくい。そのため、厚みのある基材シート9を用いることができる。
図7は第2変形例のさらなる変形例である操作キーシート8aの断面図を示す。この操作キーシート8aは、透孔9bを矩形状に形成し延長部9aを四角い筒状に形成している点は、操作キーシート8と同じであるが、本変形例における延長部9aは、前述の操作キーシート8の延長部9aよりも高くなるように設けている。こうすることで、樹脂キートップ10が射出成形される際に、延長部9aの先端の両面が樹脂キートップ10を形成する樹脂で被覆される埋入部9cが形成されている。
埋入部9cが形成されることで、操作キーシート8aは操作キーシート8よりも樹脂キートップ10と基材シート9との固着力を高めることができる。
第1実施形態の第3変形例〔図8,図9〕
図8は第3変形例の操作キーシート11の断面図を、図9は第3変形例の操作キーシート11に用いる基材シート12の斜視図を示す。第1実施形態の操作キーシート1では、基材シート2における延長部2aを凹形状に形成する例を示したが、第3変形例の操作キーシート11は基材シート12の延長部12aを4つの分割片とし、樹脂キートップ13の裏面13aに形成した肉逃げ凹部13bにおける側面固着している。このため樹脂キートップ13の肉逃げ凹部13bにおける底面及び一部の側面が、裏面側に表出している。このようにしても操作キーシート1と同様の作用、効果を発揮することができる。
第1実施形態の操作キーシート1は、プレフォーミングした基材シート2をインサートして、基材シート2と樹脂キートップ3を一体化しているが、第3変形例の操作キーシート11では、基材シート12をプレフォーミングせずに平面状のままでインサートして基材シート12と樹脂キートップ13を一体化することができる。これは延長部12aを4つの分割片としたためであって、各分割片が相互に引っ張り変形の影響を受けずにインサート成形することができ、一体成形後基材シート12に偏った撓みや破れを発生し難くすることができる。基材シート12は、図9で示すように、インサート前に抜き加工によって透孔12bとスリット12cが形成される。そしてこの基材シート12をインサートすると金型のキャビティー面に沿って各分割片が破線部分で屈曲する。
第2実施形態〔図10〜図18〕
図10には第2実施形態の操作キーシート14の斜視図を、図11は、図10のSA−SA線断面図を示す。この操作キーシート14は、図12で示すように、デジタルスチルカメラに用いられるものである。図13〜図18には操作キーシート14の製造過程における平面図と断面図をそれぞれ示す。第2実施形態の操作キーシート14が第1実施形態の操作キーシート1と異なるのは、基材シート15の構成と、「樹脂成形体」としての4つの樹脂キートップ16と下地層17と金属めっき層18とを備える点である。
樹脂キートップ16は第1実施形態の樹脂キートップ3と同様に、それぞれ熱可塑性樹脂でなり平面視で矩形状に形成されている。この樹脂キートップ16の裏面16aには平面視で矩形状の肉逃げ凹部16bが設けられている。この肉逃げ凹部16bにおける底面の略中央には、先端が樹脂キートップ16の裏面16aより外方へ突出する円柱状の押し子部16cが形成されている。なお、本実施形態の樹脂キートップ16は無電解めっきが鍍着する樹脂で形成されている。
基材シート15は第1実施形態の基材シート2と同様に、可撓性のある薄い樹脂フィルムでなり、平面視で外縁及び内縁が略矩形の環形状に形成されている。この基材シート15は各々樹脂キートップ16の裏面16aに固着し、さらに裏面16aと固着する部分から伸びる延長部15aが肉逃げ凹部16bの凹面に沿って凹形状に形成され肉逃げ凹部16bに固着している。言い換えると、図11で示すように、基材シート15は樹脂キートップ16における肉逃げ凹部16bに入り込むように、肉逃げ凹部16bの凹面と同形状に膨出形成された延長部15aを有している。そして延長部15aには円形状の透孔15bが形成され、その透孔15bには押し子部16cが貫入している。この透孔15bの孔径寸法は押し子部16cの外径寸法と略同等となっており、延長部15aは肉逃げ凹部16bの底面を略覆っている。このような基材シート15は、図10で示すように、角部15cが樹脂キートップ16の「連結部」を形成している。
また、各樹脂キートップ16を押圧操作する際に、隣接する樹脂キートップ16の連動を防ぐために、連結部15cにはスリット15dを形成することができる。このスリット15dは、樹脂キートップ16の連結部15cとなる4箇所に設けることが好ましい。
下地層17は基材シート15の表面側に塗布形成され、樹脂キートップ16の裏面16a及び肉逃げ凹部16bの凹面を基材シート15に固着している。なお、本実施形態の下地層17は無電解めっきが鍍着する樹脂で形成されている。
金属めっき層18は操作キーシート14の表面側を装飾するもので、湿式めっき処理によって形成される金属めっき層であり、樹脂キートップ16の表面及び側面と下地層17の露出面を被覆している。この金属めっき層18は、無電解めっき層と電解めっき層との積層体でなる層とし得る他、電解めっき層単独でなる層とすることもできが、本実施形態の金属めっき層18は無電解めっき層と電解めっき層との積層体でなる層である。
ここで操作キーシート14の各構成部分の材質について説明する。
基材シート15の材質については、第1実施形態の基材シート2と同様に樹脂キートップ16を独立して押圧操作できるように可撓性の樹脂フィルムを用いるが、前述したように樹脂キートップ16に対し湿式めっき処理にて金属めっき層を形成することから、金属めっき処理工程において侵されないために耐薬品性が高く、金属めっき層が鍍着しないものを使用する。例えば、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリスチレン樹脂などを用いることができる。
樹脂キートップ16の材質については、金属めっき層が鍍着する樹脂を用いることができ、具体的には本実施形態のように無電解めっきが鍍着する樹脂や、電解めっきが鍍着する樹脂を用いることができる。前述したように、無電解めっきが鍍着して無電解めっき層を形成できる樹脂は、例えば、アクリロニトリルブタジエンスチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリフェニレンオキサイド樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリアミド樹脂、ポリスルフォン樹脂、又はこれらを含むアロイ樹脂や変性樹脂などが挙げられる。他方、電解めっきが鍍着して電解めっき層を形成できる樹脂は、例えば、絶縁性樹脂にカーボンや金属、金属酸化物などの導電性粒子を分散させた導電性樹脂、あるいは、ポリチオフェン、ポリアニリン、ポリアセチレン、ポリピロールなどの導電性高分子樹脂などが挙げられる。
下地層17の材質については、樹脂キートップ16と強固に固着するために、本実施形態では樹脂キートップ16を形成する樹脂成分を含む。さらに下地層17を形成する樹脂と樹脂キートップ16を形成する樹脂とが同じであるとより強固に固着でき好ましい。ここで「樹脂成分」とは、樹脂キートップ16や下地層17を形成する樹脂が、複数種の樹脂の混合物の場合はその少なくとも一の樹脂をいい、またその樹脂が、複数種の樹脂の混合物か一の樹脂かにかかわらずブロック共重合体樹脂を含む場合はその一部のブロック部分をいうものとする。具体的には本実施形態のように無電解めっきが鍍着する樹脂や、電解めっきが鍍着する樹脂を用いることができる。無電解めっきが鍍着して無電解めっき層を形成できる樹脂は、例えば、アクリロニトリルブタジエンスチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリフェニレンオキサイド樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリアミド樹脂、ポリスルフォン樹脂、又はこれらを含むアロイ樹脂や変性樹脂などが挙げられる。他方、電解めっきが鍍着して電解めっき層を形成できる樹脂は、例えば、絶縁性樹脂にカーボンや金属、金属酸化物などの導電性粒子を分散させた導電性樹脂、あるいは、ポリチオフェン、ポリアニリン、ポリアセチレン、ポリピロールなどの導電性高分子樹脂などが挙げられる。下地層17の厚さは前述したように、5μm〜100μmであり、好ましくは10μm〜50μmである。
金属めっき層18の材質については、湿式めっき処理で用いることができる金属であり、無電解めっき層と電解めっき層との積層体でなる層の場合と、電解めっき層単独でなる層の場合がある。本実施形態のように無電解めっき層と電解めっき層との積層体でなる層の場合は、ニッケル、ニッケル合金、金、銀、銅、コバルトなど無電解めっき層の表面に、クロム、金、銀、銅、ニッケル、ロジウム、白金、亜鉛、合金(錫−銅合金、錫−コバルト合金、錫−ニッケル合金)などの電解めっき層が積層している。他方、電解めっき層単独でなる層の場合は、クロム、金、銀、銅、ニッケル、ロジウム、白金、亜鉛、合金(錫−銅合金、錫−コバルト合金、錫−ニッケル合金)などを用いることができる。なお、本実施形態のように金属めっき層を無電解めっき層と電解めっき層との積層体とすると、樹脂キートップ16や下地層17に導電性が不要となり無電解めっき層が鍍着する樹脂を用いればよく、樹脂選択の幅が広がる。また、無電解めっき層を電解めっき層で覆うため、無電解めっき層では表現することができない金属調の加飾を表現することができる。他方、金属めっき層を電解めっき層とすると、導電性の樹脂キートップ16や下地層17に直接電解めっき層が鍍着するため、簡単に製造することができる。
操作キーシート14の製造方法について説明する。
先ず、図13で示すように、基材シート15の表面に導電路となる下地層17を印刷にて形成する。印刷は種々の印刷方法を採用することができるが、下地層17を形成する樹脂を溶剤で溶かした樹脂溶液を含む印刷インキを印刷することが好ましい。この下地層17は、樹脂キートップ16との固着部17a、導電路を形成する路部17b、電解めっき処理で陰極端子を取付ける接点接触部17cを有している。次に、図14で示すように、基材シート15をプレフォーミングして樹脂キートップ16の肉逃げ凹部16bに入り込む膨出形状の延長部15aを形成する。その後、図15で示すように、固着部17aに対しレーザー加工にて合計4つの透孔15bを設ける。基材シート15上にスリット15dを設ける場合には、同様にレーザーでスリット15dを形成する。
この基材シート15を射出成形金型にインサートして、基材シート15の裏面側より表面側に透孔15bを通じて溶融樹脂を射出して樹脂キートップ16を成形する。こうして図16で示すように、環状に配置した4つの樹脂キートップ16が形成される。
次に、樹脂キートップ16の表面及び側面と下地層17の露出面にエッチング処理や触媒処理を施した後、基材シート15を無電解めっき処理用の水溶液に浸漬し、樹脂キートップ16の表面及び側面と下地層17の露出面に無電解めっき層18aを形成する。その後接点接触部17cに陰極端子を接続して電解めっき処理用の水溶液に浸漬し、図17で示すように、無電解めっき層18aに通電して電解めっき層18bを形成する。無電解めっき層18aと電解めっき層18bとでなる金属めっき層18を形成した後は、図18(B)で示すようにカット刃Kを当てて、図18(A)で示すように破線部を切断して、路部17bや接点接触部17cを含む余分な基材シート15を切断除去する。こうして本実施形態の操作キーシート14を得る。
透孔15bやスリット15dは、延長部15aを形成するプレフォーミングの前に行うこともでき、この場合には、透孔15bとスリット15dの形成を同時に行うことが可能となる。
この第2実施形態の操作キーシート14は、4つの樹脂キートップ16がそれぞれ異なる操作キーとして機能させることができ、4つ一組で上下左右の方向移動を可能とするようなキー群を形成している。したがって、操作キーシート14によれば、必要な操作キーを複数含むキーシートを形成している。
また、樹脂キートップ16ごとに分割することで、個々の操作キーを製造することもできる。こうした場合は、操作キーシート14を通じて個々の樹脂キートップ16を得るため、一度に多数個の樹脂キートップ16を製造できるという利点を有する。
第2実施形態の操作キーシート14によれば、第1実施形態の操作キーシート1と同様に、樹脂キートップ16の表面に「ヒケ」と呼ばれる窪みを発生し難くすることができ、基材シート15と樹脂キートップ16との密着力を高めることができ、見映え良い樹脂キートップ16とすることができる他、次の作用、効果を発揮する。
下地層17の露出面から樹脂キートップ16の側面及び表面へと一体に繋がる無電解めっき層18aで下地層17と樹脂キートップ16とを覆うことができる。よって樹脂キートップ16の表面への電解めっき層18bの形成は、接点接触部17cに陰極端子を接触させ接点電極部17c、路部17b、固着部17aを通じて通電して行うことができる。このため樹脂キートップ上に陰極端子を接触させたり、樹脂ランナーを利用して通電させたりする従来の電解めっき処理方法と異なり、樹脂キートップ16には陰極端子の接触跡や樹脂ランナーを切断した場合ほど大きな切断跡が残らず、綺麗な外観の金属めっき層18を形成することができる。
基材シート15に印刷で下地層17を形成しているため、塗料に含まれている溶剤によって基材シート15の表面を粗化することができ、基材シート15と下地層17の密着力を高めることができる。そしてこの下地層17に対し射出成形時に融着可能な同材質の樹脂でなる樹脂キートップ16を形成すると、下地層17と樹脂キートップ16の密着力を高めることができ、基材シート15に対する樹脂キートップ16の固着力をより強固にすることができる。
また、下地層17を印刷形成しているため、溶融射出成形で形成する樹脂ランナーによる路部に比較して樹脂の流動配向が小さく、下地層17をより均一分散の状態に形成することができる。よって無電解めっきの前処理の際に下地層17に対しアンカー効果を付与する凹凸表面を均一に形成することができ、無電解めっき層18aの密着力を高めることができる。
さらに、下地層17を印刷形成しているため、塗布形状や塗布厚みを正確に設けることができる。正確な塗布形状が形成されるため下地層17と樹脂キートップ16の接触を確実にでき、下地層17の表面から樹脂キートップ16の側面へと一体に繋がる無電解めっき層18aを形成することができる。
第2実施形態の第1変形例〔図19〕
操作キーシート14では、下地層17を設けて樹脂キートップ16の表面に金属めっき層18を備える構成としたが、図13で示すように、下地層17や金属めっき層18を設けずに、樹脂キートップ16の表面を塗装、蒸着、印刷などして装飾するとともに、樹脂キートップ16の表面に表示部16dを設けて、この表示部16dから照光させる照光式の操作キーシート19とすることができる。
照光式の操作キーシート19とする場合には、基材シート15を導光板とし、その基材シート15の側面から光が入るように、例えば、図19で示すように、基材シート15に照光源Lが入り込む採光孔15eを設けることが好ましい。こうした採光孔15eは、隣接する樹脂キートップ16の連動防止のためのスリットを兼ねて、膨出溝15gを有する採光孔15fとすることも好ましい。こうした採光孔15e,15fは、操作キーシート19の対角線上の2箇所の連結部15cに設けることが好ましい。なお、防水、防塵の観点から基材シート15に貫通孔を設けることが好ましくない場合には、基材シート15の縁に照光源Lが配置するように設計しても良い。
第2実施形態の第2変形例〔図20,図21〕
図20は第2変形例の操作キーシート20に用いる基材シート21の平面図を、図21は第2変形例の操作キーシート20の断面図(操作キーシート14における図11に相当)を示す。第2実施形態の操作キーシート14では、基材シート15における延長部15aを凹形状に形成する例を示したが、第2変形例の操作キーシート20は基材シート21の延長部21aを4つの分割片とし、樹脂キートップ22の裏面22aに形成した肉逃げ凹部22bにおける側面に固着している。このため樹脂キートップ22の肉逃げ凹部22bにおける底面及び一部の側面が、裏面側に表出している。このようにしても操作キーシート14と同様の作用、効果を発揮することができる。
第2実施形態の操作キーシート14は、プレフォーミングした基材シート15をインサートして、基材シート15と樹脂キートップ16を一体化しているが、第2変形例の操作キーシート20では、基材シート21をプレフォーミングせずに平面状でインサートして基材シート21と樹脂キートップ22を一体化することができる。これは延長部21aを4つの分割片としたためであって、各分割片が相互に引っ張り変形の影響を受けずにインサート成形することができ、一体成形後基材シート21に偏った撓みや破れを発生し難くすることができる。基材シート21は、図20で示すように、インサート前に抜き加工によって透孔21bとスリット21cが形成される。なお、下地層17を破線で示している。
実施例に基づき本発明をさらに詳細に説明する。
1.操作キーシートの製造: 実施例、比較例となる操作キーシートを以下のとおり製造した。
実施例1: 基材シート(15)には厚さ50μmのポリエチレンテレフタレートフィルムを用い、下地層(17)には樹脂キートップ(16)と同グレードのアクリロニトリルブタジエンスチレン樹脂を溶剤で希釈してスクリーン印刷にて塗布厚を10μmに形成した。この基材シート(15)をプレフォーミングした後に延長部(15a)に対して抜き加工で透孔(15b)を設け、インサート成形でアクリロニトリルブタジエンスチレン樹脂を射出成形して高さ1mmの樹脂キートップ(16)を一体成形した。その後、湿式めっき処理にて金属めっき層(18)を形成した。この金属めっき層(18)は、ニッケルでなる無電解めっき層(18a)とクロムでなる電解めっき層(18b)との積層体とした。こうして第2実施形態で示した操作キーシート(14)を試料1として製造した。なお、基材シート(15)と下地層(17)の間には、ポリエステル樹脂系塗料および塩酢ビ−アクリル樹脂系塗料積層印刷して密着力を高めた。
実施例2: 実施例1と異なるのは、基材シート(21)をプレフォーミングせずに延長部(21a)となる部分に透孔(21b)とスリット(21c)を設け、平面状の基材シート(21)をインサートした点である。このようにして第2実施形態の変形例で示した操作キーシート(20)を試料2として製造した。
比較例1: 実施例1と異なるのは、基材シート(23)をプレフォーミングせずに延長部となる部分を抜き加工し、平面状の基材シート(23)をインサートした点である。このようにして比較例1の操作キーシート(24)を試料3として製造した。樹脂キートップ(25)と基材シート(23)の固着部分は、図22で示すように、樹脂キートップ(25)の肉逃げ凹部(25a)を除く裏面(25b)のみである。
2.操作キーシートの評価: 上記実施例、比較例で製造した試料1〜試料3の各操作キーシート(14,20,24)について、樹脂キートップ(16,22,25)と基材シート(15,21,23)との剥離強度を以下の方法で測定し評価した。
「試験1」; 試料1〜試料3の各操作キーシート(14,20,24)について、樹脂キートップ(16,22,25)を基材シート(15,21,23)の垂直方向に引っ張り、樹脂キートップ(16,22,25)が基材シート(15,21,23)から剥離した時の荷重を荷重測定器で測定した。表1にその結果を示す。
「試験2」; 試料1〜試料3の各操作キーシート(14,20,24)について、樹脂キートップ(16,22,25)の裏面(16a,22a,25b)に側面側より約3%の剥離部分を設けた後、試験1と同様に樹脂キートップ(16,22,25)を引っ張り、樹脂キートップ(16,22,25)が基材シート(15,21,23)から剥離した時の荷重を荷重測定器で測定した。表1にその結果も示す。
試験1では、表1で示すように、試料1,試料2の剥離荷重は、試料3の剥離荷重より高く、試料1,試料2は高い固着力を発揮している。なお、押圧操作を繰り返し行っても試料1,試料2は、樹脂キートップ(16,22)が基材シート(15,21)から剥がれなかったが、試料3は樹脂キートップ(25)が基材シート(23)から剥がれてしまった。
試験2でも試験1と同様に、試料1,試料2の剥離荷重が高く、剥離部分が生じても高い固着力を発揮している。
Figure 2009107257
第1実施形態の操作キーシートの断面図であり、分図1(A)はその一実施形態の断面図、分図1(B)は他の実施形態の断面図。 第1実施形態の操作キーシートに備える基材シートの斜視図。 第1実施形態の操作キーシートにおける第1変形例の断面図。 第1実施形態の第1変形例に備える基材シートの斜視図。 第1実施形態の操作キーシートにおける第2変形例の断面図。 第1実施形態の第2変形例に備える基材シートの斜視図。 図5の操作キーシートの変形例の断面図。 第1実施形態の操作キーシートにおける第3変形例の断面図。 第1実施形態の第3変形例に用いる基材シートの斜視図。 第2実施形態の操作キーシートの斜視図。 図10のSA−SA線断面図。 第2実施形態の操作キーシートが搭載されたデジタルスチルカメラの背面斜視図。 第2実施形態による操作キーシートの一製造工程の説明図であり、分図13(A)は平面図、分図13(B)は分図13(A)のSB−SB線断面図。 第2実施形態による操作キーシートの一製造工程の説明図であり、分図14(A)は平面図、分図14(B)は分図14(A)のSC−SC線断面図。 第2実施形態による操作キーシートの一製造工程の説明図であり、分図15(A)は平面図、分図15(B)は分図15(A)のSD−SD線断面図。 第2実施形態による操作キーシートの一製造工程の説明図であり、分図16(A)は平面図、分図16(B)は分図16(A)のSE−SE線断面図。 第2実施形態による操作キーシートの一製造工程の説明図であり、分図17(A)は平面図、分図17(B)は分図17(A)のSF−SF線断面図。 第2実施形態による操作キーシートの一製造工程の説明図であり、分図18(A)は平面図、分図18(B)は分図18(A)のSG−SG線断面図。 第2実施形態の第1変形例における操作キーシートの斜視図。 第2実施形態の操作キーシートにおける変形例に用いる基材シートの平面図。 第2実施形態の操作キーシートにおける変形例の図11相当断面図。 比較例の操作キーシートの図11相当断面図。
符号の説明
1 操作キーシート(第1実施形態)
2 基材シート
2a 延長部
2b 透孔
2c 粗面
3 樹脂キートップ(樹脂成形体)
3a 裏面
3b 肉逃げ凹部
3c 押し子部
3d 側面
3e 底面
4 高分子塗層
5 操作キーシート(第1実施形態の第1変形例)
6 基材シート
6a 延長部
6b 透孔
7 樹脂キートップ(樹脂成形体)
7a 裏面
7b 肉逃げ凹部
7c 押し子部
8 操作キーシート(第1実施形態の第2変形例)
8a 操作キーシート(第1実施形態の第2変形例の変形例)
9 基材シート
9a 延長部
9b 透孔
9c 埋入部
10 樹脂キートップ(樹脂成形体)
10a 裏面
10b 肉逃げ凹部
10c 押し子部
10d 側面
10e 底面
11 操作キーシート(第1実施形態の第3変形例)
12 基材シート
12a 延長部
12b 透孔
12c スリット
13 樹脂キートップ(樹脂成形体)
13a 裏面
13b 肉逃げ凹部
13c 押し子部
14 操作キーシート(第2実施形態)
15 基材シート
15a 延長部
15b 透孔
15c 角部(連結部)
15d スリット
15e,15f 採光孔
15g 膨出溝
16 樹脂キートップ(樹脂成形体)
16a 裏面
16b 肉逃げ凹部
16c 押し子部
16d 表示部
17 下地層
17a 固着部
17b 路部
17c 接点接触部
18 金属めっき層
18a 無電解めっき層
18b 電解めっき層
19 操作キーシート(第2実施形態の第1変形例)
20 操作キーシート(第2実施形態の第2変形例)
21 基材シート
21a 延長部
21b 透孔
21c スリット
22 樹脂キートップ(樹脂成形体)
22a 裏面
22b 肉逃げ凹部
22c 押し子部
23 基材シート
24 操作キーシート(比較例1)
25 樹脂キートップ
25a 肉逃げ凹部
25b 裏面
K カット刃
L 照光源

Claims (10)

  1. 基材シートの表面に樹脂成形体の裏面が固着する樹脂成形体付きシートにおいて、
    樹脂成形体の裏面に肉逃げ凹部が形成されており、該肉逃げ凹部の凹面に、樹脂成形体の裏面と固着する基材シートから伸びる延長部が固着する樹脂成形体付きシート。
  2. 延長部が、肉逃げ凹部の凹面に沿う凹形状である請求項1記載の樹脂成形体付きシート。
  3. 肉逃げ凹部の略中央に、樹脂成形体の裏面より外方へ突出する先端を有する柱状の押し子部が設けられており、
    延長部が、該押し子部を通す透孔を有する請求項1又は請求項2記載の樹脂成形体付きシート。
  4. 延長部が複数の分割片でなる請求項1〜請求項3何れか1項記載の樹脂成形体付きシート。
  5. 基材シートが樹脂成形体に光を伝達できる導光板である請求項1〜請求項4何れか1項記載の樹脂成形体付きシート。
  6. 複数の樹脂成形体が基材シートに固着している請求項1〜請求項5何れか1項記載の樹脂成形体付きシート。
  7. 樹脂成形体と基材シートの間に下地層を有し、樹脂成形体が下地層に対して融着した固化体でなる請求項1〜請求項6何れか1項記載の樹脂成形体付きシート。
  8. 下地層を前記延長部に設ける請求項7又は請求項8記載の樹脂成形体付きシート。
  9. 樹脂成形体及び下地層が、金属めっきが付着する樹脂でなり、
    樹脂成形体と下地層の各々の露出表面が金属めっき層で覆われている請求項7又は請求項8記載の樹脂成形体付きシート。
  10. 樹脂成形体が操作キーシート用の操作ボタンである請求項1〜請求項9何れか1項記載の樹脂成形体付きシート。
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