JP2009106799A - 吸着シート及びその製造方法ならびに吸着素子 - Google Patents
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Abstract
【課題】吸着ヒートポンプやデシカントシステムに使用される吸着装置の吸着素子を構成する吸着シートであって、吸着・脱着能力に一層優れ且つ吸着素子の小型化を図ることが出来、製造が極めて容易であり、しかも、吸着材が脱落し難く、取扱いの一層容易な吸着シート、当該吸着シートの製造方法および吸着素子を提供する。
【解決手段】吸着シート(1a)は、シート状の基材(10)に吸着材を付着させて成る。基材(10)は金属製の網状物によって構成され、吸着材は基材(10)にその網目を被う様に付着している。また、吸着シート(1a)の製造においては、吸着材とバインダーを水に分散させた水系分散液に対し、予め所定形状に形成された基材(10)を浸漬させることにより当該基材に水系分散液を塗布した後、基材(10)を加熱乾燥することにより当該基材の表面に吸着材を付着させる。
【選択図】図1
【解決手段】吸着シート(1a)は、シート状の基材(10)に吸着材を付着させて成る。基材(10)は金属製の網状物によって構成され、吸着材は基材(10)にその網目を被う様に付着している。また、吸着シート(1a)の製造においては、吸着材とバインダーを水に分散させた水系分散液に対し、予め所定形状に形成された基材(10)を浸漬させることにより当該基材に水系分散液を塗布した後、基材(10)を加熱乾燥することにより当該基材の表面に吸着材を付着させる。
【選択図】図1
Description
本発明は、吸着シート及びその製造方法ならびに吸着素子に関するものであり、詳しくは、吸着材によって水分などの吸着質を吸着する吸着シート及び当該吸着シートの製造方法、ならびに、前記の吸着シートを構成要素に含み且つ熱移動を行う吸着ヒートポンプや除湿・加湿を行うデシカントシステムに使用される吸着素子に関するものである。
吸着ヒートポンプやデシカントシステムは、吸着材の吸着および脱着機能を利用し、熱移動や湿度調節を行うシステムであり、コジェネレーションシステム等の低温排熱を利用する各種の冷却装置、冷暖房装置、調湿装置に適用される。上記の吸着ヒートポンプ等においては、吸着材を坦持し且つ当該吸着材を空気などに接触させるためのいわゆる吸着素子が使用され、斯かる吸着素子は、吸着材を付着させた熱交換用のフィン又はプレート(吸着シート)と、当該フィン又はプレートを熱媒体によって冷却・加熱する熱媒体流路とから構成される。
吸着素子については、吸着能力を高めて装置の小型化を図るため、熱交換用フィン等に吸着材を直接塗布する技術が検討されている。例えば、熱交換用フィンに吸着材を直接塗布した構造の吸着素子としては、吸着式冷凍機の熱交換器に使用される素子であって、多数設けられたアルミニウムフィンに粘着性のアクリルバインダーを塗布し、その表面に粉体状シリカゲルを接着させた素子が開示されている(特許文献1)。また、伝熱パイプに多数の伝熱フィンを付設して成り、かつ、水に吸着材を分散させたスラリー状またはペースト状の塗布液に素子の基体を浸漬させて風乾し、更に略70℃で加熱乾燥した一体成形構造の熱交換器が提案されている(特許文献2)。
特開平7−301469号公報
特開平10−286460号公報
ところで、吸着素子においては、吸着ヒートポンプ等の装置の小型化を図る観点から、素子自体の吸着能力を高めることによる小型化が望まれる。しかしながら、吸着素子の吸着能力は、吸着材の坦持量に依存し、より多量の吸着材を坦持させようとした場合には、フィン表面に塗布形成される吸着材層の厚さが厚くなり、また、フィン自体の厚さ及び各フィン間の通気空間も影響するため、直ちに小型化がし難いと言う実情がある。更に、フィンに吸着材を塗布する場合、厚塗りを行って吸着剤の十分な坦持量を確保するには、塗布/乾燥の工程を多く繰り返さなければならないと言う製造上の問題がある。
また、吸着素子の製造方法としては、素子の基体を組み立てた後に、吸着材の塗布液を塗布する方法、予め吸着材が塗布された吸着シート(フィン構成部材)を利用して素子を組み立てる方法が挙げられるが、基体組立て後にフィン部分に塗布液を選択的に塗布する方法は、各フィンの隙間が狭いため、均一に塗布するのが極めて困難である。一方、予め吸着材が塗布された吸着シートを利用して組み立てる方法は、組立中に吸着材が剥れたり、吸着材の塗膜表面が損傷する等の問題が生じる。換言すれば、吸着材シートは、表面に付着させた吸着材と基材(アルミニウム板など)との接着力がさほど強くなく、素子製造時に取扱い難いと言う問題がある。
本発明は、上記の実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、吸着素子を構成する吸着シートであって、吸着・脱着能力に一層優れ且つ吸着素子の小型化を図ることが出来、製造が極めて容易であり、しかも、吸着材が脱落し難く、取扱いの一層容易な吸着シート、および、当該吸着シートの製造方法を提供することにある。そして、本発明の他の目的は、上記の吸着シートを構成要素に含み、より小型化可能な吸着素子を提供することにある。
上記の課題を解決すべく本発明者等が種々検討した結果、従来の吸着シートの製造では、基材に吸着材の塗布液を塗布した際、塗布液の液滴が基材からからはじかれて十分かつ均一な塗布量が得られないため、塗布操作を繰り返していたのに対して、吸着シートの基材として網状の構造物を使用するならば、意外にも、塗布操作において、基材からはじかれる塗布液の液滴が網目に入り込んだ状態に付着し、1回当たり付着量が格段に向上することが確認された。そこで、本発明では、吸着材を坦持するシート状の基材として網状物(網を含む網状の構造体)を使用し、基材の網目を被う様に吸着材を付着させることにより、より多量の吸着材を付着させ且つ吸着シートの総厚さを薄くした。更に、上記の網状物の使用により、少ない塗布回数でも多量の吸着材を坦持できる様にし、しかも、基材に対する吸着材の結合力を高める様にした。
すなわち、本発明の第1の要旨は、シート状の基材に吸着材を付着させて成る吸着素子用の吸着シートであって、前記基材が網状物によって構成され、吸着材が前記基材の網目を被う様に付着していることを特徴とする吸着シートに存する。
また、本発明の第2の要旨は、請求項1〜5の何れかに記載の吸着シートを製造する方法であって、吸着材とバインダーを水に分散させた水系分散液に対し、予め所定形状に形成された基材を浸漬させることにより当該基材に水系分散液を塗布した後、前記基材を加熱乾燥することにより当該基材の表面に吸着材を付着させることを特徴とする吸着シートの製造方法に存する。
更に、本発明の第3の要旨は、上記の複数枚の吸着シートと熱媒流路とから成り且つ前記各吸着シートが平板状に形成された吸着素子であって、前記各吸着シートは、これらの各板面が平行かつ並列になる様に一定の通気空間を介して配列され、前記熱媒流路は、前記各吸着シートを貫通し且つこれら各吸着シートの基材に接触する状態に配置された一筋の金属製配管により構成されていることを特徴とする吸着素子に存する。
そして、本発明の第4の要旨は、上記の複数枚の複数枚の吸着シートと熱媒流路とから成り且つ前記各吸着シートがジグザグに屈曲する帯状に形成された吸着素子であって、前記熱媒流路は、入口側ヘッダー及び出口側ヘッダーと、これらの間に平行かつ並列に架け渡された複数の直管状の分岐流路とを含み、かつ、当該分岐流路が金属製配管により構成され、前記各吸着シートは、その長手方向を前記分岐流路に沿わせ且つ当該吸着シートの屈曲部の内側が通気空間となる様に前記各分岐流路の間に挿入され、これら分岐流路は、これに隣接する前記吸着シートの屈曲部の外側頂部の基材に接触していることを特徴とする吸着素子に存する。
本発明に係る吸着シートによれば、より多量の吸着材を坦持でき且つ厚さを薄くすることが出来るため、優れた吸着・脱着能力を発揮でき且つ吸着素子の小型化を図ることが出来、また、少ない塗布回数でも多量の吸着材を坦持できるため、製造が極めて容易であり、しかも、基材に対する吸着材の結合力が高いため、吸着材が脱落し難く、吸着素子を製造する際の取扱いが一層容易である。更に、網状物を基材として使用するため、従来の吸着シートに比べて柔軟性があり、加工性に優れている。また、本発明に係る吸着シートの製造方法によれば、少ない塗布回数でも多量の吸着材を坦持できるため、塗布工程を軽減でき、製造が極めて容易である。そして、本発明に係る吸着素子は、吸着シートの厚さが薄く且つより多量の吸着材を坦持できるため、優れた吸着・脱着能力を発揮し得ると共に、一層小型化を図ることが出来、しかも、基材に対する吸着材の結合力が高く、吸着材が脱落し難いため、極めて簡単に製造することが出来る。
本発明に係る吸着シート、吸着シートの製造方法および吸着素子の実施形態を図面に基づいて説明する。図1は、本発明に係る吸着シートの一形態の構造を一部破断して示す斜視図であり、図2は、本発明に係る吸着シートの他の形態の構造を一部破断して示す斜視図である。図3は、本発明に係る吸着素子の一形態であるプレートフィン型の吸着素子を示す斜視図であり、図4は、本発明に係る吸着素子の他の形態であるコルゲートフィン型の吸着素子を示す斜視図である。
先ず、本発明の吸着シートについて説明する。本発明の吸着シートは、図1及び図2に符号(1)で示す様に、シート状の基材(10)に吸着材を付着させて構成され、吸着素子(例えば図3及び図4に示す素子)の構成部材として利用される。吸着素子は、吸着ヒートポンプにおいて吸着質の吸着・脱着操作を行う吸着装置、または、デシカントシステム(調湿装置)において水蒸気の吸着・脱着操作を行う吸着装置に適用される。
吸着シート(1)は、吸着素子の構造に応じて種々の形状に形成できるが、例えば、図1に示す吸着シート(1a)は、平板状に形成されたものであり、図2に示す吸着シート(1b)は、その長手方向に沿ってジグザグに屈曲する帯状に形成されたものである。図1に示す吸着シート(1a)は、図3に示す様なプレートフィン型の吸着素子(3)の構成要素であり、図2に示す吸着シート(1b)は、図4に示す様なコルゲートフィン型の吸着素子(4)の構成要素である。
基材(10)は、上記のプレートフィン型の吸着素子(3)及びコルゲートフィン型の吸着素子(4)において、各熱媒流路を流れる熱媒体と吸着材との間で熱を伝達するための部材である。本発明においては、吸着シート(1)の厚さをより薄くし且つより多量の吸着材を基材(10)に付着させるため、基材(10)は、網状物によって構成される。
基材(10)を構成する網状物としては、吸着シート(1a)、(1b)の形状を保持するに足る剛性を備え且つ熱媒流路(30)、(4)との効率的な熱交換が可能な限り、各種の材料で構成できるが、例えば、アルミニウム、銅、真鍮、鉄、クロム、ニッケル、これらの合金などの金属製の網、あるいは、炭素繊維の網などが挙げられる。中でも、熱伝導率および成型性にすぐれ、軽量であることから、銅または銅合金、アルミニウム又はアルミニウム合金の網が好ましい。
また、基材(10)を構成する上記の網としては、線径(網を構成する繊維の太さ)0.05〜0.5mm、網目8〜200メッシュの網が使用される。網の線径および網目の大きさを上記の範囲に設定する理由は次の通りである。すなわち、線径が0.05mm未満の場合は、剛性が不足して吸着シートとしての形状を保持し難く、また、線径が0.5mmを超えた場合は、所定形状に加工し難く且つ吸着シートの厚さが厚くなり、吸着素子の小型化が図れなくなる。
一方、網目が8メッシュ未満の場合は、目開きが大きくなり過ぎて網目内に吸着材を保持できず、吸着材の付着量が低下し、また、網目が200メッシュを超えた場合は、目開きが小さくなり過ぎ、同様に吸着材の付着量が少なくなる。網の線径および網目の大きさを上記の様に設定することにより、後述する様に、基材(10)に対して、その網目を被う様に吸着材を付着させることが出来、より多量の吸着材を坦持させることが出来る。
図3に示す吸着素子(3)に使用される吸着シート(1a)の場合、基材(10)の形状(板面形状)は、吸着装置の構造によって円形、楕円形、正方形など各種の形状に形成できるが、例えば図1に示す様に長方形に形成される。斯かる基材(10)においては、通常、1辺の長さを1〜100cm程度とされる。そして、基材(10)には、吸着素子(3)を製造する際に熱媒流路(30)としての配管を挿通するため、当該配管がきつく嵌合する直径の配管挿通孔(21)が設けられる。なお、配管挿通孔(21)には、当該配管挿通孔の周縁を補強するため、鳩目状の金具が取り付けられてもよい。また、基材(10)は、吸着シート(1a)における吸着材の保持量を大きくするため、波板状に形成されてもよい。
また、図4に示す吸着素子(4)に使用される吸着シート(1b)の場合、基材(10)は、例えば図2に示す様にジグザグに屈曲する細幅の帯状に形成される。斯かる基材(10)の場合、通常、幅を1〜100cm程度、長さを1〜500cm程度とされる。なお、吸着シート(1a),(1b)の何れの場合も、基材(10)の金属線の表面は、腐食を防止し、吸着材を担時し易くするため、エポキシ樹脂、フェノキシ樹脂、フッ素系樹脂などの薄い樹脂膜によってコーティングされてもよい。
吸着材としては、活性炭、シリカ、メソポーラスシリカ、アルミナ、ゼオライトなどの多孔質材料が挙げられる。中でも、吸着質蒸気および水蒸気を容易に吸着し且つ低温域で容易に脱着し得るゼオライトが好ましい。特に、構造や吸着特性を制御し易いと言う観点からは、骨格構造に少なくともAlとPを含む結晶性アルミノフォスフェート類(ALPO系ゼオライト)が好ましく、代表的には、SAPO−34、FAPO−5が挙げられる。上記の様な吸着材は、1種または2種以上を組み合わせて使用することも出来る。なお、ALPO系ゼオライトは、例えば特公平1−57041、特開2003−183020、特開2004−136269等の公報に記載された公知の合成法を利用して製造することが出来る。
吸着材の粒子の大きさは、吸着材個々の粒子における吸着質蒸気や水蒸気の拡散を促進して吸着・脱着能力をより高める観点から、および、後述のバインダーによって基材(10)に付着させた吸着材の付着強度を向上させる観点から、出来る限り小さくするのが望ましく、通常は平均粒径が0.1〜300ミクロン、好ましくは0.5〜250ミクロン、更に好ましくは1〜200ミクロン、最も好ましくは2〜20ミクロンとされる。そして、吸着シート(1)に十分な吸着・脱着能力を付与するため、吸着材の目付量は50〜2000g/m2とされる。
上記の吸着材は、バインダーによって基材(10)に付着している。すなわち、吸着シート(1)においては、吸着材同士、吸着材と基材(10)とが後述するバインダーによって強固に付着しており、しかも、吸着材が基材(10)にその網目を被う様に、換言すれば、基材(10)の網目に入り込んだ状態に付着している。本発明においては、後述するバインダーを使用し且つ上記の様に網目を被う様に付着させることにより、十分な量の吸着材を坦持でき且つ吸着材層(11)の剥離強度を高めることが出来る。
次に、本発明に係る吸着シートの製造方法について説明する。上記の吸着シート(1)を製造するには、吸着材が含まれる塗布液を基材(10)に塗布する。塗布方法としては、スプレーコート、ロールコート、スクリーン印刷、パッド印刷、オフセット印刷などの種々の塗布方法を利用できるが、前述の様に十分な量の吸着材を効率的に基材(10)に付着させるには浸漬塗布法(ディップコート法)が好ましい。
すなわち、吸着シート(1)の製造においては、先ず、基材(10)を所定形状、例えば図1に示す様な一定寸法の平板状または図2に示す様な一定寸法の帯状に形成しておく。次いで、吸着材とバインダーを水に分散させたスラリーである水系分散液(塗布液)に対し、予め上記の様に所定形状に形成された基材(10)を浸漬させることにより当該基材に水系分散液を塗布した後、基材(10)を加熱乾燥することにより当該基材の表面に吸着材を付着させる。
上記の水系分散液においては、吸着材同士の接着力および基材(10)に対する吸着材の接着力を高め、かつ、吸着能力を高めるため、特定のバインダーが使用される。具体的には、耐熱性のある有機バインダー、すなわち、そのガラス転移温度が35℃以上、好ましくは45℃以上の樹脂が使用される。斯かる樹脂としては、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエステル樹脂、フッ素樹脂、ポリカーボネート樹脂、(メタ)アクリル樹脂などから選択できるが、特に、エポキシ樹脂が好適である。エポキシ樹脂は、赤外線吸収スペクトルで825cm−1にエポキシ構造特有のピークを示すものを言う。更に、吸着シート(1)に可撓性を付与するため、上記のバインダーには、その他の樹脂として、酢酸ビニル樹脂、アクリル樹脂、オレフィン樹脂、スチレン樹脂、シリコン樹脂などから選択される樹脂が加えられてもよい。
また、接着性の観点から、変性酢酸ビニル樹脂や変性アクリル樹脂も好適である。変性酢酸ビニル樹脂とは、酢酸ビニル樹脂単独ではないものを意味しており、共重合体や官能基部分が置換されたものも含まれる。具体的には、エチレン・酢酸ビニル共重合樹脂、酢酸ビニル・アクリル酸エステル共重合樹脂、酢酸ビニル・塩化ビニル樹脂共重合樹脂、(ウレタン)変性エチレン・酢酸ビニル共重合樹脂などが挙げられる。変性アクリル樹脂とは、アクリル樹脂単独ではないものを意味しており、共重合体や官能基部分が置換されたもの、例えば、メタアクリル樹脂、アクリル・スチレン共重合樹脂、シリカ変性アクリル共重合樹脂、シリコーン変性アクリル共重合樹脂なども含む。
吸着シート(1)においては、上記の様なバインダーの選択により、より広い温度範囲において吸着材同士の強固な接着性および吸着材と基材(10)との強固な接着性を得ることが出来る。全バインダー中、可撓性を付与するためのバインダーの割合が40%を超えるとガラス転移点の低下や接着強度が低下する。また、15%よりも少ないと可撓性が得られなくなる。従って、上記のバインダーの含有率は3〜30%、好ましくは5〜25%の範囲がよい。
因に、有機バインダーのガラス転移温度の測定は、JIS規格「K7121(1987)」に準じて行うことが出来る。すなわち、ガラス転移温度の測定においては、熱流束示差走査熱量測定装置(熱流束DSC)を使用し、10mgの試料を毎分10℃で昇温し、得られたDSC曲線をJIS規格「K7121(1987)」,9.3項に記載の「ガラス転移温度の求め方」に従って解析する。
上記の有機バインダーは、有機溶媒に溶解して使用することも出来るが、有機溶媒に溶解した場合は、バインダーが吸着材の表面を覆い、吸着速度が低下すると言う問題、および、有機溶媒の揮発により環境汚染を惹起すると言う問題がある。そこで、本発明においては、吸着材の吸着性能の確保、吸着シート(1)の素材との接着性の観点からも、エマルジョンとして使用される。バインダーの配合比率は、吸着材100重量部に対し、乾燥重量で5〜40重量部が好ましい。バインダーが5重量部より少ない場合は、吸着材同士および基材(10)に対する吸着材の固着が不十分であり、40重量部よりも多い場合は、吸着シートにおいて保持し得る吸着材の量が減少し、吸着能力が低減し、また、吸着素子が大型化するので不利である。
また、上記の水系分散液においては、その安定性を高め、粘度調整を行うため、高吸水性ポリマーやカラギナン、キサンタンゴム、アラビアガム等の有機増粘剤、分散剤が添加されてもよい。また、熱伝導を向上させるため、熱伝導率の良い金属繊維、炭素繊維などの繊維状物質、アルミ、銅、銀などの金属粉体、あるいは、グラファイト、カーボンブラック、カーボンナノチューブ、窒化アルミ、窒化ホウ素などが添加されてもよい。更には、塗膜強度を向上させるため、カオリン、針状珪酸カルシウム、針状酸化亜鉛、セピオライト、針状炭酸カルシウム、チタン酸カルシウム、ホウ酸アルミ、針状塩基性硫酸マグネシウム等が添加されてもよい。上記の様な機能付与添加物は、1種類によって粘度調整、熱伝導性向上、塗膜強度の向上などの複数の効果を同時に達成し得る場合もあるため、対象物品に応じて適宜選択される。
上記の水系分散液は、粒子沈降防止剤が添加された水に対し、吸着材粒子およびバインダーを添加して調製される。そして、本発明においては、後述する様に基材(10)に塗布する際の取扱い容易性、吸着シート(1)の製造効率を考慮し、通常は固形成分濃度を30〜50%、好ましくは35〜50%、より好ましくは35〜45%に設定される。
基材(10)に上記の水系分散液を塗布した後は、通常、120〜200℃の温度で20〜120分間の加熱乾燥を行うことにより、バインダーによって基材(10)に吸着材を坦持させる。なお、水系分散液の塗布は、複数回実施してもよいが、熱硬化樹脂バインダーを使用する場合は、吸着材の剥離、脱落を防止するため、塗布の都度、加熱硬化させる必要がある。
上記の様に、本発明の吸着シート(1)は、基材(10)が網状物(例えば金属製の網)によって構成され、吸着材が基材(10)にその網目を被う様に付着している。従って、より多量の吸着材を坦持でき且つ厚さを薄くすることが出来るため、後述する様な吸着素子を構成した場合、優れた吸着・脱着能力を発揮でき且つ吸着素子の小型化を図ることが出来る。また、少ない塗布回数でも多量の吸着材を坦持できるため、製造が極めて容易である。更に、基材(10)に対する吸着材の結合力(網状物を構成する繊維と吸着材層(11)との絡み合いによる結合力)が高いため、吸着材が脱落し難く、吸着素子を製造する際の取扱いが一層容易である。そして、本発明の製造方法によれば、少ない塗布回数でも多量の吸着材を坦持させることが出来るため、塗布工程を軽減でき、製造が極めて容易である。
また、本発明の吸着シート(1)においては、基材(10)に吸着材を担持させるためのバインダーとして、硬化後のガラス転移温度が所定の温度以上のバインダーを使用することにより、広い温度範囲において吸着材同士の接着力、吸着材と基材(10)との接着力を高め、耐熱性能を高め、ことが出来る。しかも、例えば粒径が10μm以下と言ったより小さな粒径の吸着材を多量に担持させることにより、吸着・脱着能力を更に高めることが出来る。
次に、本発明の吸着素子(3)及び(4)について説明する。図3に示す吸着素子(3)は前述の吸着シート(1a)を構成要素として含み、図4に示す吸着素子(4)は前述の吸着シート(1b)を構成要素として含む。
先ず、図3に示すプレートフィン型の吸着素子(3)について説明する。図3に示す吸着素子(3)は、前述の図1に示す複数枚の吸着シート(1a)と、熱媒体(温熱媒体および冷熱媒体)が流れる熱媒流路(30)とから成り、かつ、各吸着シート(1a)が平板状に形成される。
吸着素子(3)において、吸着シート(1a)は、その形状、面積および吸着装置の能力にもよるが、通常は5〜50枚程度使用され、各吸着シート(1a)は、これらの各板面が平行かつ並列になる様に、一定の微小な通気空間(20)(図4参照)を介して配列される。そして、熱媒流路(30)は、前記各吸着シートを貫通し且つこれら各吸着シートの基材に接触する状態に配置された一筋の金属製配管により構成される。
熱媒流路(30)は、断面が円形の管によって構成され、その構成材料としては、基材(10)と同様に、剛性、熱伝導度、製作コストの観点から、通常、アルミニウム、銅、真鍮、鉄、クロム、ニッケル、スチール、これらの合金などの金属が挙げられる。中でも、銅または銅合金、アルミニウム又はアルミニウム合金が好ましい。吸着装置の能力にもよるが、通常、熱媒流路(30)を構成する管の外径は6〜20mm程度、管の肉厚は0.2〜1mm程度とされる。
熱媒流路(30)は、1本の連続した管路として構成され、その一端を熱媒体の入口ポート(31)、他端を熱媒体の出口ポート(32)とされる。吸着シート(1a)に対する熱媒流路(30)の貫通形態、換言すれば、熱媒流路(30)の引回しパターンとしては、例えば、吸着シート(1a)の板面側から視た場合の貫通部分の配列が上下左右に並列状態、上段と下段とでずれた千鳥状態などの各種のパターンを採用できる。すなわち、1本の連続した熱媒流路(30)は、吸着シート(1a)の配列体に対し、これら吸着シートの板面をジグザグに複数回貫通する様に配置される。
図3に示す吸着素子(3)においては、吸着シート(1a)の配列体に複数の直管を貫通させ、熱媒体の入口ポート(31)及び出口ポート(32)としての開放端部を除き、各隣接する前記の直管の各端部をU字管で順次に接続することにより、一筋の熱媒流路(30)が構成されている。なお、隣接する直管部の間の距離は、熱伝導効率を高める観点から、通常は10〜50mmに設定される。
また、熱媒流路(30)は、効率的な熱交換を行うため、各吸着シート(1a)に接触した状態に配置される必要がある。好ましくは、熱媒流路(30)は、各吸着シート(1a)の基材(10)に固着した状態とされる。これにより、熱媒流路(30)に流れる熱媒体の温熱および冷熱を各吸着シート(1a)の吸着材層(13)に速やかに伝達することが出来る。
更に、吸着素子(3)においては、図4に示す様に、各吸着シート(1a)の間に一定の通気空間(20)が設けられる。素子の小型化を図り且つ必要な通気性を確保するため、隣接する吸着シート(1a)の隙間の大きさは、0.5〜5mmに設計される。各吸着シート(1a)の間の距離を上記の範囲に設定する理由は次の通りである。すなわち、隣接する吸着シート(1a)の間の距離が0.5mm未満の場合は、通気時の圧損が大きくなり、吸着能力を十分に発揮できない。一方、吸着シート(1a)の間の距離が5mmを超えた場合は、通気空間が必要以上に大きくなり、吸着素子(3)が大型化するので好ましくない。
上記の吸着素子(3)は、一定間隔で配置した吸着シート(1a)の集合体に対し、熱媒流路(30)構成用の直管を所定の数だけ配管挿通孔(21)に圧入することにより、直管に各吸着シート(1a)を固定する圧入法、または、一定間隔で配置した吸着シート(1a)の集合体に対し、熱媒流路(30)構成用の直管を所定の数だけ配管挿通孔(21)に挿通した後、直管を拡径することにより、直管に各吸着シート(1a)を固定する拡管法により製造することが出来る。なお、各直管の隣接する端部は、各吸着シート(1a)を固定した後、U字管によって接続される。
また、上記の吸着素子(3)の製造方法としては、上記の様に、予め作製された吸着シート(1a)を組み立てることによって製造する方法の他、基材(10)及び熱媒流路(30)構成用の管を使用し、素子の骨格を備えた構造体を予め組み立てた後、前述の水系分散液を塗布して製造することも出来る。すなわち、吸着素子(3)の製造方法においては、基材(10)を使用して当該吸着素子の骨格構造基体を作製し、次いで、吸着材とバインダーとが水に分散されて成る上記の水系分散液(塗布液)を前記の骨格構造基体の基材(10)に塗布し、これを加熱乾燥することにより、基材(10)の表面に吸着材を付着させる。なお、骨格構造基体に対する水系分散液の塗布方法、乾燥方法としては、吸着シート(1a)を製造する際の前述の塗布方法と同様の方法を利用できる。
次に、図4に示すコルゲートフィン型の吸着素子(4)について説明する図4に示す吸着素子(4)は、前述の図2に示す複数枚の吸着シート(1b)と、熱媒体(温熱媒体および冷熱媒体)が流れる熱媒流路とから成り、かつ、各吸着シート(1b)がジグザグに屈曲する帯状に形成される。
上記の熱媒流路は、熱媒体(温熱媒体および冷熱媒体)が供給される入口側ヘッダー(41)及び熱媒体を排出する出口側ヘッダー(42)と、これらの間に平行かつ並列に架け渡された複数の直管状の分岐流路(45)とを含み、かつ、当該分岐流路が金属製配管により構成される。吸着シート(1b)は、吸着装置の能力にもよるが、通常は5〜50枚程度使用される。各吸着シート(1b)は、その長手方向を分岐流路(45)に沿わせ且つ当該吸着シートの屈曲部(22)(図2参照)の内側(屈曲部の谷部)が通気空間となる様に各分岐流路(45)の間に挿入され、これら各分岐流路(45)は、これに隣接する吸着シート(1b)の屈曲部(22)の外側頂部(屈曲部の山部)の基材(10)に接触している。
熱媒流路において、各分岐流路(45)は、円弧状の短辺を有する扁平な略長方形に断面が形成された扁平管によって構成され、その構成材料としては、吸着素子(3)におけるのと同様に、通常、銅、真鍮、アルミニウム、鉄、クロム、ニッケル、スチール、これらの合金などの金属が使用され、特に、銅または銅合金、アルミニウム又はアルミニウム合金が好ましい。熱媒流路(4)を構成する扁平管の長手方向に直交する断面の外形寸法は、長辺部が10〜100mm程度、短辺部が0.5〜10mm程度であり、管の肉厚は0.2〜1mm程度とされる。
各分岐流路(45)は、短辺部が吸着素子(4)の外側に向く様に、一端を入口側ヘッダー(41)に接続され、他端を出口側ヘッダー(42)に接続される。入口側ヘッダー(41)は、入口ポート(43)から供給された熱媒体を各分岐流路(45)に分配する箱状の部材であり、出口側ヘッダー(42)は、各分岐流路(45)に流れた熱媒体を集約して出口ポート(44)から排出する箱状の部材である。各分岐流路(45)の配列ピッチ、すなわち、各隣接する分岐流路(45)の間の距離は、熱伝導効率を高める観点から、通常、5〜100mmに設定される。
また、分岐流路(45)は、効率的な熱交換を行うため、各吸着シート(1b)の基材(10)に接触した状態に配置される。すなわち、吸着シート(1b)の各屈曲部(22)においては、基材(10)が分岐流路(45)に接触した構造になされている。これにより、分岐流路(45)に流れる熱媒体の温熱および冷熱を各吸着シート(1b)の吸着材層(11)に速やかに伝達することが出来る。
更に、吸着素子(4)においては、各吸着シート(1b)の屈曲部(22)と分岐流路(45)とで囲まれた部位が通気空間を構成しているが、前述の吸着素子(3)におけるのと同様に、素子の小型化を図り且つ必要な通気性を確保するため、1つの吸着シート(1b)の各屈曲部(22)の間の距離(隣接する山部と山部の間の距離)は、0.5〜5mmに設計される。
上記の吸着素子(4)は、分岐流路(45)構成用の扁平管で吸着シート(1b)を両側から挟み付ける様に各長手方向を揃えて配列した後、外側に位置する両方の扁平管を互いに接近する方向に加圧することにより、吸着シート(1b)をジグザグの屈曲を僅かに引き伸ばす方向に弾性変形させ、次いで、入口側ヘッダー(41)及び出口側ヘッダー(42)の内側面に予め設けられたスリットに各扁平管の端部を差し込むことにより、各扁平管を入口側ヘッダー(41)及び出口側ヘッダー(42)に固定し且つ各扁平管の間に吸着シート(1b)を固定する方法によって製造することが出来る。また、上記の吸着素子(4)の製造方法としては、前述の吸着素子(3)の製造方法と同様に、基材(10)及び分岐流路(45)構成用の管を使用し、素子の骨格を備えた構造体を予め組み立てた後、前述の水系分散液を塗布して製造することも出来る。
上記の様な本発明の吸着素子(3)及び(4)は、吸着シート(1a)及び(1b)の厚さが薄く且つより多量の吸着材を坦持できるため、優れた吸着・脱着能力を発揮し得ると共に、一層小型化を図ることが出来る。しかも、前述した様に、吸着シート(1a)及び(1b)において、基材(10)に対する吸着材の結合力が高く、吸着材が脱落し難いため、極めて簡単に製造することが出来る。
実施例1:
図1に示す吸着シート(1a)と同様の層構造の試料としての吸着シートを製作し、吸着材の付着量を確認した。基材(10)は、線径0.1mm、網目250メッシュのアルミ合金製の網によって構成した。基材(10)の寸法は、50mm×50mm×0.43mm(厚さ)であった。吸着材の塗布においては、塗布液として、吸着材とバインダーを水に分散させた水系分散液を使用し、塗布液に基材(10)を浸漬させて塗布した後、オーブンを使用し、120℃で30分間加熱乾燥した。
図1に示す吸着シート(1a)と同様の層構造の試料としての吸着シートを製作し、吸着材の付着量を確認した。基材(10)は、線径0.1mm、網目250メッシュのアルミ合金製の網によって構成した。基材(10)の寸法は、50mm×50mm×0.43mm(厚さ)であった。吸着材の塗布においては、塗布液として、吸着材とバインダーを水に分散させた水系分散液を使用し、塗布液に基材(10)を浸漬させて塗布した後、オーブンを使用し、120℃で30分間加熱乾燥した。
水系分散液の調製においては、水12gに対し、平均粒径190μmのゼオライト(三菱化学産資社製;商品名「AQSOA−Z01」)10gを加えて攪拌した後、バインダーとして、変性エチレン酢酸ビニル樹脂エマルジョン1.82gを加えて撹拌することにより調製した。当該エマルジョンの組成は、不揮発分(パワーエース社製;商品名「速乾アクリア」)が55wt%であり、水分散液の固形成分は40wt%であった。
得られた吸着シート(試料)においては、吸着材によって基材(10)の網目が完全に被われていた。そして、予め測定した吸着材塗布前の基材(10)の重量と、塗布乾燥後に測定した吸着シートの重量との差から、吸着材の付着量を求めたところ、吸着材の付着量は1.16gであった。また、塗布乾燥後に測定した吸着シートの厚さは0.46mmであり、厚さの増加は0.03mmであった。
比較例1:
基材をアルミ合金製の平板に替えた点を除き、実施例1と同様にして比較試料としての吸着シートを作成した。基材の寸法は、50mm×50mm×0.16mm(厚さ)であった。そして、吸着材塗布前の基材の重量と塗布乾燥後の吸着シート(比較試料)の重量との差から、吸着材の付着量を求めたところ、吸着材の付着量は0.89gであった。また、塗布乾燥後に測定した吸着シートの厚さは0.32mmであり、厚さの増加は0.16mmであった。
基材をアルミ合金製の平板に替えた点を除き、実施例1と同様にして比較試料としての吸着シートを作成した。基材の寸法は、50mm×50mm×0.16mm(厚さ)であった。そして、吸着材塗布前の基材の重量と塗布乾燥後の吸着シート(比較試料)の重量との差から、吸着材の付着量を求めたところ、吸着材の付着量は0.89gであった。また、塗布乾燥後に測定した吸着シートの厚さは0.32mmであり、厚さの増加は0.16mmであった。
1 :吸着シート
1a:平板状の吸着シート
1b:帯状の吸着シート
10:基材
11:吸着材層
21:配管挿通孔
22:屈曲部
3 :吸着素子
30:熱媒流路(金属製配管)
31:入口ポート
32:出口ポート
4 :吸着素子
41:入口側ヘッダー
42:出口側ヘッダー
43:入口ポート
44:出口ポート
45:分岐流路(金属製配管)
1a:平板状の吸着シート
1b:帯状の吸着シート
10:基材
11:吸着材層
21:配管挿通孔
22:屈曲部
3 :吸着素子
30:熱媒流路(金属製配管)
31:入口ポート
32:出口ポート
4 :吸着素子
41:入口側ヘッダー
42:出口側ヘッダー
43:入口ポート
44:出口ポート
45:分岐流路(金属製配管)
Claims (8)
- シート状の基材に吸着材を付着させて成る吸着素子用の吸着シートであって、前記基材が網状物によって構成され、吸着材が前記基材の網目を被う様に付着していることを特徴とする吸着シート。
- 基材が、線径0.05〜0.5mm、網目8〜200メッシュの網によって構成されている請求項1に記載の吸着シート。
- バインダーとしてのエポキシ樹脂によって吸着材が基材に付着している請求項2に記載の吸着シート。
- 吸着材が、活性炭、シリカ、メソポーラスシリカ、アルミナ及びゼオライトの群から選択される1種または2種以上である請求項1〜3の何れかに記載の吸着シート。
- 吸着材の平均粒径が0.1〜300μmである請求項1〜4の何れかに記載の吸着シート。
- 請求項1〜5の何れかに記載の吸着シートを製造する方法であって、吸着材とバインダーを水に分散させた水系分散液に対し、予め所定形状に形成された基材を浸漬させることにより当該基材に水系分散液を塗布した後、前記基材を加熱乾燥することにより当該基材の表面に吸着材を付着させることを特徴とする吸着シートの製造方法。
- 請求項1〜5の何れかに記載の複数枚の吸着シートと熱媒流路とから成り且つ前記各吸着シートが平板状に形成された吸着素子であって、前記各吸着シートは、これらの各板面が平行かつ並列になる様に一定の通気空間を介して配列され、前記熱媒流路は、前記各吸着シートを貫通し且つこれら各吸着シートの基材に接触する状態に配置された一筋の金属製配管により構成されていることを特徴とする吸着素子。
- 請求項1〜5の何れかに記載の複数枚の吸着シートと熱媒流路とから成り且つ前記各吸着シートがジグザグに屈曲する帯状に形成された吸着素子であって、前記熱媒流路は、入口側ヘッダー及び出口側ヘッダーと、これらの間に平行かつ並列に架け渡された複数の直管状の分岐流路とを含み、かつ、当該分岐流路が金属製配管により構成され、前記各吸着シートは、その長手方向を前記分岐流路に沿わせ且つ当該吸着シートの屈曲部の内側が通気空間となる様に前記各分岐流路の間に挿入され、これら分岐流路は、これに隣接する前記吸着シートの屈曲部の外側頂部の基材に接触していることを特徴とする吸着素子。
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