JP2009106037A - 磁界発生装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】高強度の磁界を安定して発生させることができる、磁界発生装置を提供する。
【解決手段】磁界発生装置10は、空隙Gを介して対向配置される一対の磁気回路12を含む。磁気回路12は、矢印A方向に配列される複数の第1永久磁石ユニット14、および隣り合う2つの第1永久磁石ユニット14の間に配置される第2永久磁石ユニット16を含む。第1永久磁石ユニット14および第2永久磁石ユニット16において、第1永久磁石ユニット14と第2永久磁石ユニット16との相互作用によって反磁界が発生する部分には高保磁力の第2永久磁石22,28,32が配置され、それ以外の部分には高残留磁束密度の第1永久磁石20,26,30および永久磁石ブロック24cが配置される。
【選択図】図1

Description

この発明は、磁界発生装置に関し、より特定的には、リニアモータに用いられる磁界発生装置に関する。
一般に、リニアモータ用の磁界発生装置として、図11に示す磁界発生装置1aが知られている。磁界発生装置1aは、空隙Gを介して対向配置される一対の磁気回路2aを含む。いわゆるハルバッハ型の磁気回路2aは、空隙G側の面(一方主面)の磁極が交互に異なるように配列される第1永久磁石ユニット3、隣り合う2つの第1永久磁石ユニット3の間に配置される第2永久磁石ユニット4a、ならびに第1永久磁石ユニット3および第2永久磁石ユニット4aが固定されるヨーク5を含む。
第2永久磁石ユニット4aは、永久磁石ブロック6a〜6cを含む。永久磁石ブロック6aは、一方主面の磁極がS極である第1永久磁石ユニット3の隣に配置され、永久磁石ブロック6bは、一方主面の磁極がN極である第1永久磁石ユニット3の隣に配置され、永久磁石ブロック6cは、永久磁石ブロック6aと6bとの間に配置される。永久磁石ブロック6aの磁化方向は、第1永久磁石ユニット3に対向する側面と一方主面との角部から永久磁石ブロック6cに対向する側面と他方主面との角部に向けて延びる。また、永久磁石ブロック6bの磁化方向は、永久磁石ブロック6cに対向する側面と他方主面との角部から第1永久磁石ユニット3に対向する側面と一方主面との角部に向けて延びる。さらに、永久磁石ブロック6cの磁化方向は、一方主面に平行であり、永久磁石ブロック6b向きに延びる。このような磁化方向の異なる永久磁石ブロック6a〜6cを組み合わせることによって、第2永久磁石ユニット4aの磁化方向は実質的に永久磁石ブロック6a〜6cの磁化方向を合成したものになる。具体的には図11に二点鎖線の矢印Dで示すように、第2永久磁石ユニット4aの磁化方向は、隣り合う2つの第1永久磁石ユニット3の一方のユニットの一方主面近傍から他方のユニットの一方主面近傍に向けて当該第2永久磁石ユニット4aの他方主面側に湾曲して延びる。
このような磁気回路2aでは、第1永久磁石ユニット3と第2永久磁石ユニット4aとの相互作用によって、少なくとも一点鎖線L1,L2で囲む部分に反磁界(減磁界)が発生する。詳しくは、他方主面にN極を有する第1永久磁石ユニット3とこれを挟む永久磁石ブロック6aとにおいて、第1永久磁石ユニット3からの磁束が破線F1で示すように永久磁石ブロック6aの一方主面に向かうことによって、少なくとも一点鎖線L1で囲む部分に反磁界が発生する。また、他方主面にS極を有する第1永久磁石ユニット3とこれを挟む永久磁石ブロック6bとにおいて、永久磁石ブロック6bからの磁束が破線F2で示すように第1永久磁石ユニット3の他方主面に向かうことによって、少なくとも一点鎖線L2で囲む部分に反磁界が発生する。このように一点鎖線L1,L2で囲む部分に反磁界が発生することによって、当該部分の永久磁石の動作点が下がる。つまり一点鎖線L1,L2で囲む部分の永久磁石が減磁しやすくなる。
この他にもリニアモータ用の磁界発生装置として、図12に示す磁界発生装置1bが知られている。図12に示す磁界発生装置1bは、空隙Gを介して対向配置される一対の磁気回路2bを含む。ハルバッハ型の他の磁気回路2bには、磁気回路2aの第2永久磁石ユニット4aに代えて第2永久磁石ユニット4bが用いられる。第2永久磁石ユニット4bは1つの永久磁石によって構成され、第2永久磁石ユニット4bの磁化方向は上述の永久磁石ブロック6cと同様に設定される。
このような磁気回路2bでは、第1永久磁石ユニット3と第2永久磁石ユニット4bとの相互作用によって、少なくとも一点鎖線L3で囲む部分に反磁界が発生する。詳しくは、隣り合う2つの第1永久磁石ユニット3において、破線F3で示すように一方のN極から他方のS極に磁束が向かうことによって少なくとも一点鎖線L3で囲む部分に反磁界が発生する。このように一点鎖線L3で囲む部分に反磁界が発生することによって、当該部分の永久磁石が減磁しやすくなる。
永久磁石はその温度上昇によって減磁する。このために磁気回路2a,2bを用いた磁界発生装置1a,1bでは、反磁界が発生する部分の永久磁石の減磁が温度上昇に伴って促進され、空隙Gの磁界強度が大幅に小さくなってしまう。その結果、リニアモータの可動子を高精度に駆動できなくなってしまう。
特許文献1には、磁界強度を大きくするために、ハルバッハ型の磁気回路において主磁極永久磁石の一部を軟磁性材料に置き換える技術が開示されている。また、特許文献2には、ハルバッハ型の磁気回路において隣り合う2つの主磁極永久磁石の間にそれらよりも保磁力が大きな副磁極永久磁石を配置することによって、副磁極永久磁石の減磁を抑える技術が開示されている。さらに、特許文献3には、ハルバッハ型の磁気回路を簡単かつ高精度に組み立てるために、主磁極永久磁石よりも副磁極永久磁石の厚みを小さくし、主磁極永久磁石と副磁極永久磁石とを互いの一方主面が面一になるようにヨークに配置する技術が開示されている。
特開2007−6545号公報 特開2007−19127号公報 特開2007−110822号公報
しかし、特許文献1の技術では、温度変化に伴う磁界強度の変化を抑えることはできない。また、特許文献2の技術では、磁界強度を安定させることはできても、副磁極永久磁石の残留磁束密度が小さくなるので磁界強度が小さくなってしまう。さらに、磁気回路を簡単に組み立てるための特許文献3の技術では、温度変化に伴う磁界強度の変化を抑えることはできない。
それゆえに、この発明の主たる目的は、高強度の磁界を安定して発生させることができる、磁界発生装置を提供することである。
上述の目的を達成するために、請求項1に記載の磁界発生装置は、それぞれ磁化方向がその一方主面に垂直に設定され、一方主面の磁極が交互に異なるように配列される複数の第1永久磁石ユニット、および前記第1永久磁石ユニットの一方主面の磁極に磁束を集中させるために、隣り合う2つの前記第1永久磁石ユニットの間に配置される第2永久磁石ユニットを備え、前記第1永久磁石ユニットおよび前記第2永久磁石ユニットの少なくともいずれか一方は、第1永久磁石と前記第1永久磁石よりも保磁力が大きい第2永久磁石とを含み、前記第2永久磁石は、前記第1永久磁石ユニットと前記第2永久磁石ユニットとの相互作用によって反磁界が発生する部分の少なくとも一部に配置される。
請求項2に記載の磁界発生装置は、請求項1に記載の磁界発生装置において、前記第2永久磁石ユニットの磁化方向は、隣り合う2つの前記第1永久磁石ユニットの一方のユニットの一方主面近傍から他方のユニットの一方主面近傍に向けて当該第2永久磁石ユニットの他方主面側に湾曲して延びるように設定され、前記第2永久磁石は、少なくとも前記第1永久磁石ユニットの他方主面を含む部分に配置されることを特徴とする。
請求項3に記載の磁界発生装置は、請求項1に記載の磁界発生装置において、前記第2永久磁石ユニットの磁化方向は、当該第2永久磁石ユニットの一方主面に平行に延びるように設定され、前記第2永久磁石は、少なくとも前記第2永久磁石ユニットにおける前記第1永久磁石ユニットの一方主面近傍の部分に配置されることを特徴とする。
請求項1に記載の磁界発生装置では、第1永久磁石ユニットおよび第2永久磁石ユニットの少なくともいずれか一方において、第1永久磁石ユニットと第2永久磁石ユニットとの相互作用によって反磁界が発生する部分の少なくとも一部に高保磁力の第2永久磁石が配置される。このように、第1永久磁石ユニットおよび第2永久磁石ユニットの少なくともいずれか一方において、減磁しやすい部分に高保磁力の第2永久磁石を配置しつつ他の部分には高残留磁束密度の第1永久磁石を配置することによって、減磁を抑えつつ磁界強度を大きくできる。したがって、温度変化にかかわらず高強度の磁界を安定して発生させることができる。
請求項2に記載の磁界発生装置では、第2永久磁石ユニットの磁化方向が隣り合う2つの第1永久磁石ユニットの一方のユニットの一方主面近傍から他方のユニットの一方主面近傍に向けて当該第2永久磁石ユニットの他方主面側に湾曲して延びるように設定される。これによって、隣り合う2つの第1永久磁石の一方主面の磁極により多くの磁束を集中させることができ、磁界強度を大きくできる。このような構成では、第1永久磁石ユニットの他方主面を含む部分、および第2永久磁石ユニットにおける第1永久磁石ユニットの他方主面近傍の部分が減磁しやすくなる。このことから、少なくとも、磁界への影響が大きい第1永久磁石ユニットにおいて他方主面を含む部分に第2永久磁石を配置することによって、高強度の磁界を安定して発生させることができる。
請求項3に記載の磁界発生装置では、第2永久磁石ユニットの磁化方向が当該第2永久磁石ユニットの一方主面に平行に延びるように設定される。このように着磁容易な第2永久磁石ユニットを用いて、簡単に隣り合う2つの第1永久磁石ユニットの一方主面の磁極に磁束を集中させることができる。このような構成では、第2永久磁石ユニットにおける第1永久磁石ユニットの一方主面近傍の部分が減磁しやすくなる。このことから、少なくとも、第2永久磁石ユニットにおける第1永久磁石ユニットの一方主面近傍の部分に第2永久磁石を配置することによって、高強度の磁界を安定して発生させることができる。
この発明によれば、高強度の磁界を安定して発生させることができる。
以下、図面を参照して、この発明の実施の形態について説明する。
図1を参照して、この発明の一実施形態の磁界発生装置10は、リニアモータ用の磁界発生装置であり、コイルを含む可動子(不図示)を矢印A方向に移動させるために用いられる。磁界発生装置10は、矢印A方向に直交する方向(矢印B方向)に空隙Gを介して対向配置される一対の磁気回路12を含む。
図2および図3をも参照して、いわゆるハルバッハ型の磁気回路12は、矢印A方向に配列される複数の第1永久磁石ユニット14、隣り合う2つの第1永久磁石ユニット14の間に配置される第2永久磁石ユニット16、ならびに第1永久磁石ユニット14および第2永久磁石ユニット16が固定されるヨーク18を含む。この実施形態では、たとえば
10個の第1永久磁石ユニット14が用いられ、隣り合う2つの第1永久磁石ユニット14それぞれの間に第2永久磁石ユニット16が配置される。つまり、複数の第2永久磁石ユニット16が用いられる。
なお、図1には、一対の磁気回路12の一部が示されている。また、図2および図3には、一方の磁気回路12の隣り合う2つの第1永久磁石ユニット14、当該2つの第1永久磁石ユニット14の間に配置される1つの第2永久磁石ユニット16、およびヨーク18の一部のみが示されている。さらに、図1〜図3には、第1永久磁石ユニット14および第2永久磁石ユニット16にそれぞれを構成する永久磁石の磁化方向が矢印で示されている。
図1および図2に示すように、第1永久磁石ユニット14は、空隙G側に配置される第1永久磁石20、およびヨーク18側に配置される第2永久磁石22を含む。
図3に示すように、第1永久磁石20は直方体に形成される。第1永久磁石20の磁化方向は、空隙G(図1参照)側の一方主面20aおよびヨーク18側の他方主面20bに垂直であり、隣り合う第1永久磁石20の磁化方向とは反対方向に設定される。つまり、隣り合う2つの第1永久磁石ユニット14では、一方のユニットの第1永久磁石20の磁化方向が矢印B方向かつ他方主面20b向きであれば、他方のユニットの第1永久磁石20の磁化方向が矢印B方向かつ一方主面20a向きに設定される。
第2永久磁石22は、一方主面22aおよび他方主面22bが第1永久磁石20の一方主面20aと同形状かつ同寸法の直方体に形成される。第2永久磁石22の磁化方向は、それに接する第1永久磁石20と同様に設定される。
第1永久磁石20には、第2永久磁石22よりも残留磁束密度(Br)が大きい永久磁石が用いられる。具体的には、第1永久磁石20として残留磁束密度が1.39T以上のNMX−S50BHやHS−55AH(いずれも日立金属株式会社製)等が用いられる。また、第2永久磁石22には、第1永久磁石20よりも保磁力(Hcj)が大きい永久磁石が用いられる。具体的には、第2永久磁石22として保磁力が1200kA/m以上のNMX−S49CHやHS−51CH(いずれも日立金属株式会社製)等が用いられる。
第1永久磁石20と第2永久磁石22とは、他方主面20bの四隅と一方主面22aの四隅とを合わせて矢印B方向に重ねられ、接着剤や非磁性体のボルト等を用いて結合される。これによって直方体(ここでは立方体)の第1永久磁石ユニット14が得られる。第1永久磁石ユニット14における第1永久磁石20と第2永久磁石22との矢印B方向の寸法(以下、厚みという)の比率は、8:2程度である。言い換えれば、第2永久磁石22の厚みは、第1永久磁石ユニット14の厚みの20%程度である。このような第1永久磁石ユニット14は、接着剤や非磁性体のボルト等を用いてヨーク18の一方主面に固定される。
第1永久磁石20および第2永久磁石22ひいては第1永久磁石ユニット14の磁化方向が上述のように設定されることによって、磁気回路12では、異なる磁極を有する一方主面20aが矢印A方向に並ぶ(図1および図2参照)。つまり、磁気回路12では、一方主面20aの磁極が交互に異なるように複数の第1永久磁石ユニット14が矢印A方向に配列される。
図1および図2に示すように、第2永久磁石ユニット16は、それぞれ磁化方向が異なる複数(ここでは3つ)の永久磁石ブロック24a〜24cを含む。永久磁石ブロック24a〜24cは、隣り合う2つの第1永久磁石ユニット14の間で矢印A方向に配列される。永久磁石ブロック24aは、一方主面20aにS極を有する第1永久磁石ユニット14の隣に配置される。永久磁石ブロック24bは、一方主面20aにN極を有する第1永久磁石ユニット14の隣に配置される。永久磁石ブロック24cは、永久磁石ブロック24aと24bとの間に配置される。
永久磁石ブロック24aは、空隙G側に配置される第1永久磁石26、およびヨーク18側に配置される第2永久磁石28を含む。
図3に示すように、第1永久磁石26は、第1永久磁石ユニット14の第1永久磁石20と同寸法の直方体に形成され、一方主面26a、他方主面26b、第1永久磁石20に対向する側面26cおよび永久磁石ブロック24cに対向する側面26dを有する。第1永久磁石26の磁化方向は、一方主面26aと側面26cとの角部から他方主面26bと側面26dとの角部に向けて延びるように設定される。
第2永久磁石28は、第1永久磁石ユニット14の第2永久磁石22と同寸法の直方体に形成され、一方主面28a、他方主面28b、第2永久磁石22に対向する側面28cおよび永久磁石ブロック24cに対向する側面28dを有する。第1永久磁石26と同様に、第2永久磁石28の磁化方向は、一方主面28aと側面28cとの角部から他方主面28bと側面28dとの角部に向けて延びるように設定される。
永久磁石ブロック24aは、第1永久磁石26と第2永久磁石28とを接着剤や非磁性体のボルト等を用いて結合することによって、第1永久磁石ユニット14と同寸法の直方体に形成される。
永久磁石ブロック24aと同様に、永久磁石ブロック24bは、空隙G側に配置される第1永久磁石30、およびヨーク18側に配置される第2永久磁石32を含む。
第1永久磁石30は、第1永久磁石20と同寸法の直方体に形成され、一方主面30a、他方主面30b、永久磁石ブロック24cに対向する側面30cおよび第1永久磁石20に対向する側面30dを有する。第1永久磁石30の磁化方向は、他方主面30bと側面30cとの角部から一方主面30aと側面30dとの角部に向けて延びるように設定される。
第2永久磁石32は、第2永久磁石22と同寸法の直方体に形成され、一方主面32a、他方主面32b、永久磁石ブロック24cに対向する側面32cおよび第2永久磁石22に対向する側面32dを有する。第1永久磁石30と同様に、第2永久磁石32の磁化方向は、他方主面32bと側面32cとの角部から一方主面32aと側面32dとの角部に向けて延びるように設定される。
永久磁石ブロック24aと同様に、永久磁石ブロック24bは、第1永久磁石30と第2永久磁石32とを結合することによって、第1永久磁石ユニット14と同寸法の直方体に形成される。
永久磁石ブロック24cは、1つの永久磁石によって構成され、第1永久磁石ユニット14と同寸法の直方体に形成される。永久磁石ブロック24cの磁化方向は、一方主面34aおよび他方主面34bに平行であり、永久磁石ブロック24aに対向する側面34cから永久磁石ブロック24bに対向する側面34dに向けて延びるように設定される。つまり、永久磁石ブロック24cの磁化方向は、矢印A方向かつ永久磁石ブロック24b向きに設定される。
永久磁石ブロック24aの第1永久磁石26、永久磁石ブロック24bの第1永久磁石30および永久磁石ブロック24cには、第1永久磁石20と同じ種類(品番)の永久磁石が用いられる。また、永久磁石ブロック24aの第2永久磁石28および永久磁石ブロック24bの第2永久磁石32には、第2永久磁石22と同じ種類の永久磁石が用いられる。
永久磁石ブロック24a,24bは、第1永久磁石ユニット14にずれなく接するようにヨーク18の一方主面に接着剤や非磁性体のボルト等を用いて固定される。同様に、永久磁石ブロック24cは、永久磁石ブロック24a,24bにずれなく接するようにヨーク18の一方主面に固定される。このように全体として直方体に形成される第2永久磁石ユニット16の磁化方向は、実質的に永久磁石ブロック24a〜24cの磁化方向を合成したものになる。具体的には、図1および図2に二点鎖線の矢印Dで示すように、第2永久磁石ユニット16の磁化方向は、隣り合う2つの第1永久磁石ユニット14の一方のユニットの一方主面20a(S極)近傍から他方のユニットの一方主面20a(N極)近傍に向けてヨーク18(他方主面)側に湾曲して延びるように設定される。これによって、隣り合う2つの第1永久磁石ユニット14において、一方主面20aのN極からより多くの磁束を放出させ、一方主面20aのS極により多くの磁束を収束させることができる。つまり、隣り合う2つの第1永久磁石ユニット14のN極とS極とにより多くの磁束を集中させることができる。
第1永久磁石ユニット14および第2永久磁石ユニット16が固定されるヨーク18は、矢印A方向に延びる板状に形成される。ヨーク18には、たとえば鉄等の磁性体が用いられる。なお、ヨーク18は、アルミニウムやステンレス等の非磁性体であってもよい。
磁界発生装置10では、このような一対の磁気回路12が、空隙Gを介して互いの一方主面20aが対向しかつ対向する一方主面20aの磁極が互いに異なるように配置される。
図1に示すように、磁気回路12では、他方主面22b(図3参照)にN極を有する第1永久磁石ユニット14とこれを挟む第2永久磁石ユニット16とにおいて、第1永久磁石ユニット14からの磁束が破線F1で示すように永久磁石ブロック24aの一方主面26a(図3参照)に向かう。また、他方主面22b(図3参照)にS極を有する第1永久磁石ユニット14とこれを挟む第2永久磁石ユニット16とにおいて、永久磁石ブロック24bからの磁束が破線F2で示すように第1永久磁石ユニット14の他方主面22b(図3参照)に向かう。これによって、磁気回路12では、少なくともヨーク18側の一点鎖線L1,L2で囲む部分に反磁界(減磁界)が発生する。つまり、磁気回路12では、第1永久磁石ユニット14と第2永久磁石ユニット16との相互作用によって、一点鎖線L1,L2で囲む部分に反磁界が発生する。
このことから、磁気回路12の各永久磁石ユニット全体を高残留磁束密度の永久磁石で構成すると一点鎖線L1,L2で囲む部分の永久磁石の動作点が低くなり、当該部分の永久磁石が減磁しやすくなってしまう。永久磁石はその温度上昇によって減磁するので、各永久磁石ユニット全体を高残留磁束密度の永久磁石で構成すると温度上昇に伴って一点鎖線L1,L2で囲む部分の永久磁石の減磁が促進され、空隙Gの磁界強度が大幅に小さくなってしまう。また、残留磁束密度と保磁力とは一方を大きくすれば他方が小さくなる関係を有するので、磁気回路12の各永久磁石ユニット全体を高保磁力の永久磁石で構成すると空隙Gの磁界強度が小さくなってしまう。
磁気回路12で注目すべきは、第1永久磁石ユニット14および第2永久磁石ユニット16において、反磁界が発生する部分(一点鎖線L1,L2で囲む部分)に対応して高保磁力の第2永久磁石22,28,32が配置され、第2永久磁石22,28,32以外の部分には高残留磁束密度の第1永久磁石20,26,30および永久磁石ブロック24cが配置されることである。これによって、磁気回路12では、減磁を抑えつつも磁界強度を大きくできる。したがって、一対の磁気回路12を用いた磁界発生装置10では、温度変化にかかわらず高強度の磁界を空隙Gに安定して発生させることができる。
なお、第2永久磁石22,28,32の保磁力が、第1永久磁石20,26,30および永久磁石ブロック24cの保磁力よりも大きくなる限り、第1永久磁石ユニット14および第2永久磁石ユニット16に用いる永久磁石はたとえば表1から任意に選択できる。
Figure 2009106037
表1において、品番(名称)の『NMX』は、希土類磁石の一例であるNEOMAX(登録商標:日立金属株式会社製)を意味する。また、表1において、保磁力の『≧』は、表1に示される値以上の保磁力を有することを意味する。
また、第1永久磁石20,26,30および第2永久磁石22,28,32はそれぞれ、複数の永久磁石片によって構成されていてもよい。第2永久磁石ユニット16の永久磁石ブロック24cについても同様である。
さらに、第2永久磁石ユニットの磁化方向を実質的に図1および図2に二点鎖線の矢印Dで示すように設定することができれば、第2永久磁石ユニットを構成する永久磁石ブロックの数は特に限定されない。たとえば、第2永久磁石ユニット16の永久磁石ブロック24cを省略してもよいし、1つの極異方性永久磁石によって第2永久磁石ユニットを構成してもよい。
なお、磁界発生装置10では、第2永久磁石22の厚みが第1永久磁石ユニット14の厚みの20%程度であり、第2永久磁石28,32の厚みが永久磁石ブロック24a,24bの厚みの20%程度である場合について説明したが、第2永久磁石の厚みはこれに限定されない。第2永久磁石の厚みは、当該第2永久磁石を含む永久磁石ユニットの厚みの5%〜95%の範囲で任意に設定できる。
ついで、図4を参照して、この発明の他の実施形態の磁界発生装置10aについて説明する。磁界発生装置10aにおいて、上述の磁界発生装置10と同様に構成される部分については、磁界発生装置10と同じ符号を付し、重複する説明を省略する。
磁界発生装置10aは、一対の磁気回路12aを含む。磁気回路12aには、上述の第2永久磁石ユニット16に代えて第2永久磁石ユニット16aが用いられる。第2永久磁石ユニット16aには、第2永久磁石ユニット16の永久磁石ブロック24a,24bに代えて永久磁石ブロック24d,24eが用いられる。
図5をも参照して、永久磁石ブロック24dは、第1永久磁石36および第2永久磁石38を含む。
第1永久磁石36は、外部に露出する側面(図4参照)が五角形の七面体に形成され、一方主面36a、他方主面36b、第1永久磁石20に対向する側面36c、永久磁石ブロック24cに対向する側面36d、および他方主面36bと側面36cとに連なりヨーク18に対して傾斜する斜面36eを有する。第1永久磁石36の磁化方向は、一方主面36aと側面36cとの角部から他方主面36bと側面36dとの角部に向けて延びるように設定される。
また、第2永久磁石38は、三角柱状に形成され、第1永久磁石36の斜面36eと同形状かつ同寸法の斜面38aを有する。第2永久磁石38の磁化方向は、第1永久磁石36と同様に設定される。つまり、第2永久磁石38の磁化方向は、斜面38aに略平行かつヨーク18向きに設定される。
第1永久磁石36と第2永久磁石38とは、斜面36eと38aとを合わせて接着剤や非磁性体のボルト等を用いて結合される。これによって、永久磁石ブロック24dは、第1永久磁石14と同寸法の直方体に形成される。
永久磁石ブロック24dと同様に、永久磁石ブロック24eは、第1永久磁石40および第2永久磁石42を含む。
第1永久磁石40は、永久磁石ブロック24dの第1永久磁石36と同形状かつ同寸法に形成され、外部に露出する五角形の側面が第1永久磁石36の五角形の側面と対称になるように配置される(図4参照)。第1永久磁石40は、一方主面40a、他方主面40b、永久磁石ブロック24cに対向する側面40c、第1永久磁石20に対向する側面40d、および他方主面40bと側面40dとに連なりヨーク18に対して傾斜する斜面40eを有する。第1永久磁石40の磁化方向は、他方主面40bと側面40cとの角部から一方主面40aと側面40dとの角部に向けて延びるように設定される。
また、第2永久磁石42は、永久磁石ブロック24dの第2永久磁石38と同寸法の三角柱に形成され、外部に露出する三角形の側面が第2永久磁石38の三角形の側面と対称になるように配置される(図4参照)。第2永久磁石42の磁化方向は、第1永久磁石40と同様に設定される。つまり、第2永久磁石42の磁化方向は、斜面42aに略平行かつ第1永久磁石ユニット14向きに設定される。
永久磁石ブロック24dと同様に、第1永久磁石40と第2永久磁石42とは、斜面40eと42aとを合わせて結合される。これによって、永久磁石ブロック24eは、第1永久磁石14と同寸法の直方体に形成される。
永久磁石ブロック24d,24eの第1永久磁石36,40には、第1永久磁石20と同じ種類の永久磁石が用いられる。また、永久磁石ブロック24d,24eの第2永久磁石38,42には、第2永久磁石22と同じ種類の永久磁石が用いられる。
このような永久磁石ブロック24d,24eを含む第2永久磁石ユニット16aにおいても、上述の第2永久磁石ユニット16と同様に、磁化方向が実質的に図4に二点鎖線の矢印Dで示すように設定される。
磁気回路12aで注目すべきは、第2永久磁石ユニット16aにおいて、反磁界が発生する部分(一点鎖線L1,L2で囲む部分)の大きさにより適切に対応する第2永久磁石38,42が用いられることである。つまり、第2永久磁石ユニット16aの永久磁石ブロック24e,24dにおいて、第1永久磁石ユニット14の第2永久磁石22近傍の角部にのみ高保磁力の第2永久磁石38,42が配置されることである。このように永久磁石ブロック24e,24dにおいて、上述の第2永久磁石28,32よりも小さな第2永久磁石38,42を用いることによって、上述の第1永久磁石26,30よりも大きな第1永久磁石36,40を用いることができる。これによって、磁気回路12aでは、減磁を抑えつつも磁界強度をより大きくできる。したがって、一対の磁気回路12aを用いた磁界発生装置10aでは、より高強度の磁界を空隙Gに安定して発生させることができる。
なお、図6に示す磁界発生装置10bのように、第2永久磁石38を省略した永久磁石ブロック24fおよび第2永久磁石42を省略した永久磁石ブロック24gを含む第2永久磁石ユニット16bを用いて磁気回路12bを構成してもよい。
第2永久磁石38,42からの磁束のうち空隙Gの磁界に寄与する磁束は少なく、第2永久磁石38,42を省略することで間隙(貫通孔)Hが形成されるので図6の一点鎖線L1a,L2aで囲む部分で示すように発生する反磁界も小さくなる。このことから、磁気回路12bでは、第2永久磁石38,42を省略しても空隙Gの磁界強度はさほど小さくならない。したがって、一対の磁気回路12bを用いた磁界発生装置10bでは、高強度の磁界を空隙Gに安定して発生させることができつつも使用する磁石量を少なくでき、コストおよび重量を抑えることができる。
ついで、図7を参照して、この発明のその他の実施形態の磁界発生装置10cについて説明する。磁界発生装置10cにおいて、上述の磁界発生装置10と同様に構成される部分については、磁界発生装置10と同じ符号を付し、重複する説明を省略する。
磁界発生装置10cは、一対の磁気回路12cを含む。磁気回路12cは、矢印A方向に配列される複数の第1永久磁石ユニット14a、隣り合う2つの第1永久磁石ユニット14aの間に配置される第2永久磁石ユニット16c、ならびに第1永久磁石ユニット14aおよび第2永久磁石ユニット16cが固定されるヨーク18aを含む。
第1永久磁石ユニット14aは、空隙G側に配置される第1永久磁石44、およびヨーク18a側に配置される第2永久磁石46を含む。
第1永久磁石44は、上述の第1永久磁石ユニット14と同寸法の直方体に形成される。第2永久磁石46は、第1永久磁石44の一方主面と同形状かつ同寸法の一方主面を有する直方体に形成される。第1永久磁石44には上述の第1永久磁石20と同じ種類の永久磁石が用いられ、第2永久磁石46には上述の第2永久磁石22と同じ種類の永久磁石が用いられる。
第1永久磁石ユニット14aは、第1永久磁石44と第2永久磁石46とを接着剤や非磁性体のボルト等を用いて結合することによって、直方体に形成される。第1永久磁石ユニット14aは、第2永久磁石46をヨーク18aの凹部48に嵌合させた状態で、接着剤や非磁性体のボルト等を用いてヨーク18aに固定される。このような複数の第1永久磁石ユニット14aの磁化方向は、上述の複数の第1永久磁石ユニット14と同様に設定される。
第2永久磁石ユニット16cは、永久磁石ブロック24c,24h,24iを含む。第2永久磁石ユニット16cは、永久磁石ブロック24a,24bに代えて永久磁石ブロック24h,24iが用いられる以外は上述の第2永久磁石ユニット16と同様に構成される。永久磁石ブロック24h,24iはそれぞれ、永久磁石ブロック24cと同寸法の直方体に形成される。永久磁石ブロック24h,24iにはそれぞれ、上述の第1永久磁石20と同じ種類の永久磁石が用いられる。
永久磁石ブロック24hの磁化方向は、上述の永久磁石ブロック24a(第1永久磁石26および第2永久磁石28)と同様に設定される。また、永久磁石ブロック24iの磁化方向は、上述の永久磁石ブロック24b(第1永久磁石30および第2永久磁石32)と同様に設定される。したがって、第2永久磁石ユニット16cにおいても、上述の第2永久磁石ユニット16と同様に、磁化方向が実質的に図7に二点鎖線の矢印Dで示すように設定される。
磁気回路12cで注目すべきは、第1永久磁石ユニット14aの第1永久磁石44と第2永久磁石ユニット16cとがずれなく接し、第1永久磁石44の他方主面に第2永久磁石46に結合されることである。これによって、磁気回路12cでは、高残留磁束密度の第1永久磁石44を大きくでき、反磁界が発生する部分(図8の一点鎖線L1b,L2bで囲む部分)に第2永久磁石46が位置することによって減磁を抑えることができる。したがって、一対の磁気回路12cを用いた磁界発生装置10cでは、より高強度の磁界を空隙Gに安定して発生させることができる。
なお、上述の磁界発生装置10,10a〜10cでは、第2永久磁石ユニット16,16a〜16cの磁化方向が湾曲する場合について説明したが、第2永久磁石ユニットの磁化方向はこれに限定されない。第2永久磁石ユニットの磁化方向は、たとえば図8に示す磁界発生装置10dのように設定されてもよい。
ついで、図8を参照して、この発明のその他の実施形態の磁界発生装置10dについて説明する。磁界発生装置10dにおいて、上述の磁界発生装置10と同様に構成される部分については、磁界発生装置10と同じ符号を付し、重複する説明を省略する。
磁界発生装置10dは、一対の磁気回路12dを含む。ハルバッハ型の他の磁気回路12dは、矢印A方向に配列される複数の第1永久磁石ユニット14b、および隣り合う2つの第1永久磁石ユニット14bの間に配置される第2永久磁石ユニット16dを含む。
第1永久磁石ユニット14bは、1つの永久磁石によって構成され、上述の第1永久磁石ユニット14と同寸法の直方体に形成される。第1永久磁石ユニット14bには、上述の第1永久磁石20と同じ種類の永久磁石が用いられる。複数の第1永久磁石ユニット14bの磁化方向は、上述の複数の第1永久磁石ユニット14と同様に設定される。
第2永久磁石ユニット16dは、ヨーク18側に配置される第1永久磁石50、および空隙G側に配置される第2永久磁石52を含む。第1永久磁石50および第2永久磁石52はそれぞれ、同形状かつ同寸法の一方主面および他方主面を有する直方体に形成される。第1永久磁石50には上述の第1永久磁石20と同じ種類の永久磁石が用いられ、第2永久磁石52には上述の第2永久磁石22と同じ種類の永久磁石が用いられる。
第1永久磁石50の磁化方向は、一方主面および他方主面に平行であり、一方主面にS極を有する第1永久磁石ユニット14bから一方主面にN極を有する第1永久磁石ユニット14bに向けて延びるように設定される。つまり、第1永久磁石50の磁化方向は、矢印A方向かつ一方主面にN極を有する第1永久磁石ユニット14b向きに設定される。第2永久磁石52の磁化方向についても同様である。
第2永久磁石ユニット16dは、第1永久磁石50と第2永久磁石52とを接着剤や非磁性体のボルト等を用いて結合することによって、第1永久磁石ユニット14bと同寸法の直方体に形成される。第2永久磁石ユニット16dにおける第1永久磁石50と第2永久磁石52との厚みの比率は、8:2程度である。言い換えれば、第2永久磁石52の厚みは、第2永久磁石ユニット16dの厚みの20%程度である。
このような第2永久磁石ユニット16dは、第1永久磁石50および第2永久磁石52の着磁が容易であることから簡単に得られる。したがって、磁気回路12dでは簡単に高強度の磁界を発生させることができる。
このような、磁気回路12dでは、隣り合う2つの第1永久磁石ユニット14bにおいて図8に破線F3で示すように一方の一方主面のN極から他方の一方主面のS極に磁束が向かう。これによって、磁気回路12dでは、少なくとも一点鎖線L3で囲む部分に反磁界が発生する。つまり、磁気回路12dでは、第1永久磁石ユニット14bと第2永久磁石ユニット16dとの相互作用によって一点鎖線L3で囲む部分に反磁界が発生する。
このことから、第2永久磁石ユニット16d全体を高残留磁束密度の永久磁石で構成すると一点鎖線L3で囲む部分の永久磁石の動作点が低くなり、当該部分の永久磁石が減磁しやすくなってしまう。このために、第2永久磁石ユニット16d全体を高残留磁束密度の永久磁石で構成すると温度上昇に伴って一点鎖線L3で囲む部分の永久磁石の減磁が促進され、空隙Gの磁界強度が大幅に小さくなってしまう。一方、第2永久磁石ユニット16d全体を高保磁力の永久磁石で構成すると空隙Gの磁界強度が小さくなってしまう。
磁気回路12dで注目すべきは、第2永久磁石ユニット16dにおいて、反磁界が発生する部分(一点鎖線L3で囲む部分)に対応して高保磁力の第2永久磁石52が配置され、第2永久磁石52以外の部分には高残留磁束密度の第1永久磁石50が配置されることである。これによって、磁気回路12dでは、減磁を抑えつつも磁界強度を大きくできる。したがって、一対の磁気回路12dを用いた磁界発生装置10dでは、簡単な構成で、温度変化にかかわらず高強度の磁界を空隙Gに安定して発生させることができる。
なお、磁界発生装置10dでは、第2永久磁石52の厚みが第2永久磁石ユニット16dの厚みの20%程度である場合について説明したが、第2永久磁石の厚みはこれに限定されない。第2永久磁石の厚みは、当該第2永久磁石を含む第2永久磁石ユニットの厚みの5%〜95%の範囲で任意に設定できる。
ついで、図9を参照して、この発明の他の実施形態の磁界発生装置10eについて説明する。磁界発生装置10eにおいて、上述の磁界発生装置10dと同様に構成される部分については、磁界発生装置10dと同じ符号を付し、重複する説明を省略する。
磁界発生装置10eでは、上述の磁気回路12dに代えて磁気回路12eが用いられる。磁気回路12eには、上述の第2永久磁石ユニット16dに代えて第2永久磁石ユニット16eが用いられる。第2永久磁石ユニット16eには、上述の第1永久磁石50に代えて第1永久磁石54が用いられ、上述の第2永久磁石52に代えて2つの第2永久磁石56が用いられる。
第1永久磁石54は、直方体の永久磁石の一方主面側かつ第1永久磁石ユニット14b近傍の2つの角部を切欠くことによって、外部に露出する側面が六角形の八面体に形成される。第1永久磁石54の磁化方向は、上述の第1永久磁石50と同様に設定される。また、2つの第2永久磁石56はそれぞれ、三角柱状に形成される。2つの第2永久磁石56の磁化方向はそれぞれ、第1永久磁石54と同様に設定される。
第1永久磁石54と2つの第2永久磁石56とは、第1永久磁石54の斜面と第2永久磁石56の斜面とを合わせて接着剤や非磁性体のボルト等を用いて結合される。これによって、第2永久磁石ユニット16eは、第1永久磁石ユニット14bと同寸法の直方体に形成される。
磁気回路12eで注目すべきは、第2永久磁石ユニット16eにおいて、反磁界が発生する部分(一点鎖線L3で囲む部分)の大きさにより適切に対応する第2永久磁石56が用いられることである。つまり、第2永久磁石ユニット16eにおいて、第1永久磁石ユニット14bの一方主面近傍の部分にのみ高保磁力の第2永久磁石56が配置されることである。このように第2永久磁石ユニット16eにおいて、上述の第2永久磁石52よりも小さな第2永久磁石56を用いることによって、上述の第1永久磁石50よりも大きな第1永久磁石54を用いることができる。これによって、減磁を抑えつつも磁界強度をより大きくできる。したがって、一対の磁気回路12eを用いた磁界発生装置10eでは、より高強度の磁界を空隙Gに安定して発生させることができる。
なお、磁界発生装置10,10a〜10eでは、一対の磁気回路12,12a〜12eを用いる場合について説明したが、磁界発生装置10,10a〜10eに用いる磁気回路12,12a〜12eは、1つであってもよいし、3つ以上であってもよい。
ついで、この発明の磁界発生装置10と図11に示す従来技術の磁界発生装置1aとを用いた実験例について説明する。ここでは磁界発生装置1aおよび10の温度を20℃から60℃に上昇させつつ互いの空隙Gの磁界強度を測定した。
磁界発生装置10については、磁気回路12の永久磁石として、第2永久磁石22,28,32にNMX−S49CH(表1参照)を用い、それ以外の部分にNMX−S50BH(表1参照)を用いた場合の磁界強度を測定した。
また、従来技術の磁界発生装置1aについては、磁気回路2aの永久磁石としてNMX−S50BHのみを用いた場合の磁界強度、および磁気回路2aの永久磁石としてNMX−S49CHのみを用いた場合の磁界強度を測定した。つまり、従来技術の磁界発生装置1aについては、高残留磁束密度の永久磁石のみを用いた場合の磁界強度、および高保磁力の永久磁石のみを用いた場合の磁界強度を測定した。
磁界発生装置1a,10の温度を上昇させることによって、図10に示すように空隙Gの磁界強度が変化した。図10において、C1は磁界発生装置10における磁界強度の変化態様であり、C2は高残留磁束密度の永久磁石のみを用いた場合の磁界発生装置1aにおける磁界強度の変化態様であり、C3は高保磁力の永久磁石のみを用いた場合の磁界発生装置1aにおける磁界強度の変化態様である。
C1とC2とを比較して、高残留磁束密度の永久磁石のみを用いた磁界発生装置1aでは、40℃以上で急激に減磁が進み、空隙Gの磁界強度が大幅に小さくなってしまった。一方、磁界発生装置10では、減磁しやすい部分に高保磁力の第2永久磁石22,28,32を用いることによって、温度上昇に伴う磁界強度の低下幅を小さくできた。つまり、磁界発生装置10では、磁界発生装置1aよりも空隙Gに磁界を安定して発生させることができた。
また、C1とC3とを比較して、高保磁力の永久磁石のみを用いた磁界発生装置1aでは、温度上昇に伴う磁界強度の低下幅は小さいものの空隙Gの磁界強度自体が小さくなってしまった。一方、磁界発生装置10では、減磁しやすい部分以外には高残留磁束密度の第1永久磁石20,26,30および永久磁石ブロック24cを用いることによって、磁界発生装置1aよりも空隙Gの磁界強度を大幅に大きくできた。
このように、磁界発生装置10では、磁界発生装置1aと比べて、高強度の磁界を空隙Gに安定して発生させることができた。
この発明の一実施形態を示す側面図解図である。 隣り合う2つの第1永久磁石ユニットとそれらの間に配置される第2永久磁石ユニットとを示す斜視図解図である。 隣り合う2つの第1永久磁石ユニットとそれらの間に配置される第2永久磁石ユニットとを示す分解斜視図解図である。 この発明の他の実施形態を示す側面図解図である。 図4の実施形態の隣り合う2つの第1永久磁石ユニットとそれらの間に配置される第2永久磁石ユニットとを示す斜視図解図である。 この発明のその他の実施形態を示す側面図解図である。 この発明のその他の実施形態を示す側面図解図である。 この発明のその他の実施形態を示す側面図解図である。 この発明のその他の実施形態を示す側面図解図である。 この発明の磁界発生装置と従来技術の磁界発生装置とにおける温度変化に対する磁界強度の変化を示すグラフである。 従来技術の磁界発生装置の一例を示す側面図解図である。 従来技術の磁界発生装置の他の例を示す側面図解図である。
符号の説明
10,10a〜10e 磁界発生装置
12,12a〜12e 磁気回路
14,14a,14b 第1永久磁石ユニット
16,16a〜16e 第2永久磁石ユニット
20,26,30,36,40,44,50,54 第1永久磁石
22,28,32,38,42,46,52,56 第2永久磁石
24a〜24i 永久磁石ブロック
20a,22a,26a,28a,30a,32a,34a,36a,40a 一方主面
20b,22b,26b,28b,30b,32b,34b,36b,40b 他方主面

Claims (3)

  1. それぞれ磁化方向がその一方主面に垂直に設定され、一方主面の磁極が交互に異なるように配列される複数の第1永久磁石ユニット、および
    前記第1永久磁石ユニットの一方主面の磁極に磁束を集中させるために、隣り合う2つの前記第1永久磁石ユニットの間に配置される第2永久磁石ユニットを備え、
    前記第1永久磁石ユニットおよび前記第2永久磁石ユニットの少なくともいずれか一方は、第1永久磁石と前記第1永久磁石よりも保磁力が大きい第2永久磁石とを含み、
    前記第2永久磁石は、前記第1永久磁石ユニットと前記第2永久磁石ユニットとの相互作用によって反磁界が発生する部分の少なくとも一部に配置される、磁界発生装置。
  2. 前記第2永久磁石ユニットの磁化方向は、隣り合う2つの前記第1永久磁石ユニットの一方のユニットの一方主面近傍から他方のユニットの一方主面近傍に向けて当該第2永久磁石ユニットの他方主面側に湾曲して延びるように設定され、
    前記第2永久磁石は、少なくとも前記第1永久磁石ユニットの他方主面を含む部分に配置される、請求項求1に記載の磁界発生装置。
  3. 前記第2永久磁石ユニットの磁化方向は、当該第2永久磁石ユニットの一方主面に平行に延びるように設定され、
    前記第2永久磁石は、少なくとも前記第2永久磁石ユニットにおける前記第1永久磁石ユニットの一方主面近傍の部分に配置される、請求項1に記載の磁界発生装置。
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