JP2009104893A - 有機elディスプレイ - Google Patents

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Abstract

【課題】有機EL層からの発光を効率よく外部へ取り出すことが可能な、有機ELディスプレイを提供する。
【解決手段】透明な支持基板と、ある波長の光を吸収し、吸収波長と異なる波長を含む蛍光または燐光を出力する、少なくとも1種の色変換膜とを含むフィルター部と、陽極、有機EL層、および陰極を含む有機EL素子とを具え、上記色変換膜の膜厚dccmが、下記式で定義される、有機ELディスプレイ。
Figure 2009104893

ここで、λccmは色変換材料を含む色変換膜の蛍光または燐光のピーク波長、λELは有機EL光のピーク波長、nccmは色変換膜の屈折率であり、a,bは自然数である。
【選択図】なし

Description

本発明は、有機ELディスプレイに関する。より詳しくは、本発明の有機ELディスプレイは、有機EL層からの発光を外部へ効率よく取り出すことができる当該ディスプレイに関する。
近年、有機EL素子は実用化に向けての研究が活発に行われている。有機EL素子は低電圧で高い電流密度が実現できるため、高い発光輝度および発光効率を実現することが期待され、特に高精細なマルチカラーまたはフルカラー表示が可能な有機多色ELディスプレイへの適用が期待されている。
有機EL層での発光は無指向性であり、しかも発光体を構成する各層は特有の屈折率を有するため、一部の光は層間の界面において反射する。このため、有機EL層からの発光の全てを外部に取り出すことはできず、十分な発光効率が得られないのが現状である。よって、発光の外部取り出し効率を向上すべく、光の干渉効果を利用する技術が多数提案されている。
特許文献1には、少なくとも陽極、1層または複数層の有機化合物層、陰極の順で構成され、上記陽極および陰極が光反射能を有し、光共振器構造を有する有機電界発光素子が開示されている。
特許文献2には、有機層を挾持する一対の反射性電極を有し、かつ有機層より放出された光を取り出す側の反射性電極の外部に、該光の色を蛍光変換する膜を備え、一対の反射性電極によって定められる反射性界面間の光学膜厚が、有機層より放出された光のうち特定波長の光の強度を増強するように設定され、かつ上記蛍光変換する膜が、該特定波長の光を吸収し、その方向性を消去して等方化する機能を有する有機エレクトロルミネッセンス素子が開示されている。
図2に、従来の代表的な有機ELディスプレイ30を示す。同図に示すように、有機ELディスプレイ30は、通常、ガラス等からなる支持体32、IZO等の透明電極34、正孔注入輸送層36、有機EL層38、電子注入輸送層40、および金属電極42を含む。有機EL層38から外部へ取り出される光Xは、取出方向とは逆方向に進み、電子注入輸送層40と金属電極42との界面で反射する反射光1と、取出方向に進み、透明電極34と支持体32との界面で反射する反射光2との干渉波である。
このような反射光1および反射光2の干渉波を効率よく取り出すための態様としては、これらの反射をもたらす各界面の間の光路長Dを、取り出したい光の波長の整数倍とする態様がある。ここで、有機ELディスプレイ30は、特定の異なる屈折率を有する複数の層32〜42を積層した構造であるため、光路長Dは各層の膜厚(図2においては、d1、d2、d3、およびd4)に各屈折率を乗じた値の総和である。
また、有機EL光Xを効率よく取り出すための別の態様としては、色素を分散させるために樹脂を含ませた色変換膜と有機EL素子とを組み合わせる態様がある。ここで、色変換膜は、図2には図示しないが、同図においては支持体32と透明電極34との間に配設される。通常、このような樹脂含有型の色変換膜においては、樹脂中の色素濃度があまり高くないため、有機EL光を十分に吸収させるには、当該色変換膜の膜厚は数ミクロン以上とする必要がある。このため、反射光1および反射光2の干渉波が、透明電極34から下方に透過し、樹脂含有型の色変換膜中で励起される際には、色変換膜の膜厚方向に数ミクロンの幅にわたり色素が蛍光または燐光を発する。よって、当該色変換膜と有機EL素子中の金属電極42との間の距離がnmオーダーで変化して、上記反射光1および反射光2の位相、波長が変化しても、色変換膜中での上記励起により、有機EL光全体の外部への出射状況にほとんど影響はない。従って、樹脂含有型の色変換膜を使用する際には、色変換膜と金属電極との間の距離以外のパラメータを好適化して、有機EL光の取出し効率を極大化することが望まれる。
さらに、有機EL光Xを効率よく取り出すためのさらに別の態様としては、色素を分散させるための樹脂を含まない色変換膜(図2には図示しない)と有機EL素子とを組み合わせる態様がある。樹脂を含まない色変換膜は、蒸着法またはインクジェット法で形成するため、その膜厚は200nm〜1μmであり、樹脂中へ色素を分散させた、分散型色変換膜(樹脂含有型の色変換膜)に比べて遥かに薄い。このため、樹脂を含まない色変換膜においては、上記の樹脂含有型の色変換膜において得られる膜厚方向数ミクロンの幅にわたる蛍光等の十分な発生が実現されず、有機EL光全体の外部への出射状況に、反射光1と反射光2との干渉が影響する。よって、樹脂を含まない色変換膜を用いる場合には、樹脂含有型の色変換膜を用いる場合と同じ方法で有機EL光の取り出し効率を十分に極大化できないという問題がある。
特開平6−283271号公報 特開平9−92466号公報
上述のように、種々の有機ELディスプレイに関する技術が開示されているが、樹脂を含まない色変換膜と有機EL素子との組み合わせにおいて、有機EL層からの発光を効率よく外部へ取り出すことが可能な、有機ELディスプレイに対する要求が存在する。
従って、本発明の目的は、樹脂を含まない色変換膜を用いた場合に、有機EL層からの発光を効率よく外部へと取り出すことが可能な、有機ELディスプレイを提供することである。
本発明は、透明な支持基板と、ある波長の光を吸収し、吸収波長と異なる波長を含む蛍光または燐光を出力する、少なくとも1種の色変換膜とを含むフィルター部と、陽極、有機EL層、および陰極を含む有機EL素子とを具え、上記色変換膜の膜厚dccmが、下記式で定義される、多色発光型の有機ELディスプレイに関する。
Figure 2009104893
ここで、λccmは色変換材料を含む色変換膜の蛍光または燐光のピーク波長、λELは有機EL光のピーク波長、nccmは色変換膜の屈折率であり、a,bは自然数である。
本発明の有機ELディスプレイは、高精細なマルチカラーまたはフルカラー表示に用いられる。本発明の有機ELディスプレイは、上記フィルター部が、それぞれ異なる波長域の光を透過する、少なくとも2種のフィルターを独立して配列したカラーフィルターをさらに含むことが望ましい。
本発明の有機ELディプレイは、色変換膜の膜厚を所定の寸法とすることで、有機EL層からの発光を十分に効率よく外部へ取り出すことができる。よって、本発明の有機ELディスプレイは、高精細なマルチカラーまたはフルカラー表示に好適に用いることができる。
なお、本発明の有機ELディスプレイのフィルター部に、カラーフィルターを配設した場合には、カラーフィルター本来の効果である、光の色純度の向上が奏され、有機ELディスプレイによる表示をさらに高精細なものとすることができる。
以下に、図面を参照して本発明の好適な実施形態を説明する。なお、以下に示す例は、単なる例示であって、当業者の通常の創作能力の範囲で適宜設計変更することができる。
<本発明の原理>
まず、本発明の原理について説明する。本発明の有機ELディスプレイは、上記したとおり、色変換膜の膜厚が下記式で定義されるものである。
Figure 2009104893
ここで、λccmは色変換材料を含む色変換膜の蛍光または燐光のピーク波長、λELは有機EL光のピーク波長、nccmは色変換膜の屈折率であり、a,bは自然数である。
後述するように、本発明におけるλELは有機EL層の発光ピーク波長±15nmとし、λccmは色変換膜の蛍光または燐光のピーク波長±15nmの範囲とする。
図1は、本発明の有機ELディスプレイの一例を示す断面模式図であり、図2の有機ELディスプレイの層構成に対し、色変換膜を組み合わせた層構成の有機ELディスプレイを示す。同図に示すように、有機ELディスプレイ10は、透明な支持体12上に、透明電極14、正孔注入輸送層16、有機EL層18、電子注入輸送層20、および金属電極22を順次積層して有機EL層18からの発光を色変換せずに取り出す部分と、支持体12と透明電極14との間に、色変換膜24と、色変換膜24を保護するパッシベーション層26とをさらに介在させて有機EL層18からの発光を色変換して取り出す部分とから構成される。
図1に示す有機ELディスプレイ10においては、透明な支持基板12、色変換膜24、およびパッシベーション層26によりフィルター部が形成され、透明電極14、正孔注入輸送層16、有機EL層18、電子注入輸送層20、および金属電極22により有機EL素子が形成されている。また、色変換膜24は透明な支持基板12の一部に配設されており、色変換膜24を包みこむようにパッシベーション層26が配設され、さらにその上方には色変換膜24の有無に応じた段差を有して有機EL素子の各要素14〜22が形成されている。
このような構成の有機ELディスプレイ10において、有機EL層18から外部(図1の下方)に取り出される光には、同図の右側の矢印によって示す有機EL光Xと、同図の左側の矢印によって示す色変換光Yとが存在する。有機EL光Xは、色変換膜24を通過せずに直接外部に取り出される光(波長:λEL)であり、色変換光Yは、色変換膜24を通過して外部に取り出される光(波長:λccm)である。
色変換膜24を配設しない部分(図1の右部)において取り出される有機EL光Xは、電子注入輸送層20と金属電極22との界面で反射した反射光と、パッシベーション層26と支持体12との間で発生する反射光との干渉波である。このため、この2つの反射をもたらす界面の光路長を、取り出したい光の波長の整数倍の距離とすることで、取出し効率を向上させることができる。具体的には下記式のように規定することができる。
Figure 2009104893
ここで、λELは有機EL光のピーク波長、nは各層の屈折率、dは各層の膜厚、bは自然数であり、図1の例においてはk=5である。
一方、色変換膜24を配設した部分(図1の左部)においては、色変換膜24に入射する光を強調すること、および色変換膜24の蛍光または燐光を効率よく取り出すことの双方が求められる。そのためには、金属電極22から色変換膜24までの光路長がλELの整数倍であること、およびその距離に色変換膜24の光路長を加えた距離がλccmの整数倍であることが必要である。ここで、色変換膜24の光路長は色変換膜24の膜厚dccmにその屈折率nccmを乗じて得られる。以上の関係は、下記式によって規定される。
Figure 2009104893
ここで、λccmは色変換材料を含む色変換膜の蛍光または燐光のピーク波長、λELは有機EL光のピーク波長、nccmは色変換膜の屈折率、dccmは色変換膜の膜厚であり、a,bは自然数である。
上記式をdccmに関して整理することで、本発明の特徴事項である、色変換膜24の膜厚についての下記式が得られる。
Figure 2009104893
なお、図1に示す有機EL光Xおよび色変換光Yは、ともに有機EL層の色素発光に起因する光である。当該色素の発光スペクトルは色素材料によるが、概してブロードである。代表的なレーザー色素であるローダミン、クマリン等を使用した場合の発光スペクトルは、半値幅30〜40nm程度の分布を有する。このため、本発明においては、λELは有機EL層の発光ピーク波長±15nmと定義し、λccmは色変換膜の蛍光または燐光のピーク波長±15nmと定義し、これらの範囲で上記式を満足するようにn,dまたはa,bを設定する。
<有機ELディスプレイ>
次に、上記の原理を適用可能な、図1に示す本発明の有機ELディスプレイ10の各要素、および有機ELディスプレイ10の製造における当該各要素の形成方法について詳述する。
[フィルター部]
有機ELディスプレイ10中のフィルター部は、図1の符号12,24,26で表される要素の集合体である。
(透明な支持基板12)
透明な支持基板12は、可視光透過率に優れ、かつ、他の要素の形成プロセスにおいて、有機ELディスプレイ10の性能低下を引き起こさないものであればよい。支持基板12は、例えば、ジアセチルセルロース、トリアセチルセルロース(TAC)、プロピオニルセルロース、ブチリルセルロース、アセチルプロピオニルセルロース、ニトロセルロース等のセルロースエステル;ポリアミド;ポリカーボネート;ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリ−1,4−シクロヘキサンジメチレンテレフタレート、ポリエチレン−1,2−ジフェノキシエタン−4,4’−ジカルボキシレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル;ポリスチレン;ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン等のポリオレフィン;ポリメチルメタクリレート等のアクリル系樹脂;ポリカーボネート;ポリスルホン;ポリエーテルスルホン;ポリエーテルケトン;ポリエーテルイミド;ポリオキシエチレン;ノルボルネン樹脂などの高分子材料を用いて形成することができる。また、支持基板12は、ガラス;シリコンなどの半導体;またはセラミック等の光学的に不透明な材料を用いて形成することもできる。支持基板12として高分子材料を用いる場合には、剛直であっても可撓性であってもよい。
(色変換膜24)
図1に示すように、透明な支持基板12上には、部分的に、色変換膜24を形成する。色変換膜24は、ある波長域の光を吸収し、吸収した波長と異なる波長の発光を行なう物質(例えば、蛍光色素等の色変換色素)を少なくとも1種含む膜である。
色変換膜を形成するための色変換色素としては、3−(2−ベンゾチアゾリル)−7−ジエチルアミノクマリン(クマリン6)、3−(2−ベンゾイミダゾリル)−7−ジエチルアミノクマリン(クマリン7)、クマリン135などのクマリン系色素;ソルベントイエロー43、ソルベントイエロー44のようなナフタルイミド系色素;4−ジシアノメチレン−2−メチル−6−(p−ジメチルアミノスチリル)−4H−ピラン(DCM−1、(下記化1中I))、DCM−2(下記か中II)、およびDCJTB(下記化1中III)などのシアニン色素;ローダミンB、ローダミン6Gなどのキサンテン系色素;ピリジン1などのピリジン系色素;4,4−ジフルオロ−1,3,5,7−テトラフェニル−4−ボラ−3a,4a−ジアザ−s−インダセン(下記化1中IV)、ルモゲンFレッド、ナイルレッド(下記化1中V)などのフェノキサゾン色素を用いることができる。
Figure 2009104893
図1において、色変換膜24は透明な支持基板12上に、各種ドライプロセスによって形成でき、抵抗加熱法、電子ビーム加熱法などの蒸着法によって形成することが好ましい。
複数種の色変換色素を用いて色変換膜を形成する場合には、複数種の色素を所定の比率で混合した予備混合物を予め作製し、この予備混合物を共蒸着させることができる。また、代替的に、複数種の色変換色素を別個の加熱部位に配置し、それぞれの色素を別個に加熱して共蒸着を行うこともできる。特に、複数種の色素の間に、蒸着速度、蒸気圧などの特性に関する大きな差異が存在する場合には、別個に加熱する共蒸着を採用することが、組成比を正確に制御できるため、好ましい。
色変換膜24の膜厚は、視野角特性、平滑性、材料消費量の観点から薄い程よく、1μm以下とすることが好ましく、200nm〜1μmとすることがより好ましい。
(パッシベーション層26)
図1に示すように、色変換膜24上には、パッシベーション層26を形成する。パッシベーション層26は、透明な支持基板12および色変換膜24を保護する目的、および膜面の平滑化を目的に配設される層である。パッシベーション層26は、光透過性に富む材料から形成され、かつ色変換膜24を劣化させることのないプロセスを選択して形成する必要がある。また、パッシベーション層24の上面に無機ガスバリア膜または電極として用いられる透明導電膜等を形成する場合には、パッシベーション層26にはさらにスパッタ耐性も要求される。
本発明のパッシベーション層26は、金属窒化物、金属酸化物、金属酸窒化物の少なくとも1種を含み、例えば、酸化シリコン、窒化シリコン、酸窒化シリコンなどを用いて形成することができる。
図1において、パッシベーション層26は透明な支持基板12および色変換膜24上に、各種ドライプロセスによって形成でき、CVD法、蒸着法などによって形成することが好ましい。
いずれの製膜法においても、形成時の温度を、色変換膜のガラス転移温度(Tg)を越えない低温とすることが、色変換膜の特性を劣化させない点で好ましい。
以上のようにして、透明な支持基板12上に、色変換膜24およびパッシベーション層26を形成し、本発明の有機ELディスプレイを構成するフィルター部(符号12,24,26)が得られる。
(その他の層)
なお、図1には示さないが、フィルター部にはカラーフィルターをさらに形成することができる。カラーフィルターは、有機EL層18から発せられた光または色変換膜24を通過して異なる波長に変換された光の色純度を向上させるための層である。カラーフィルターは、液晶ディスプレイをはじめとした、ディスプレイ用途のものが使用でき、一般的には顔料を高分子バインダー中に分散させたものである。
カラーフィルターは図1の透明な支持体12上に形成できる。具体的には、色変換膜24を配設しない部分(図1の右側)においては、透明な支持体12とパッシベーション層26との間に形成することができる。また、色変換膜24を配設する部分(図1の左側)においては、透明な支持体12と色変換膜24との間に形成することができる。カラーフィルターは、フォトリソグラフ法などにより、形成することができる。
[有機EL素子]
図1において、有機ELディスプレイ10中の有機EL素子は、図1の符号14〜22で表される要素の集合体である。図1に示す有機EL素子は、一対の電極14,22間に正孔注入輸送層16、有機EL層18、および電子注入輸送層20が挟持された構造をなす。上記フィルター部(要素12,24,26)上に有機EL素子を形成して有機ELディスプレイ10が完成する。
ここで、有機EL素子の代替的な層構成について以下に記載する。
即ち、有機EL素子は、少なくとも一対の電極中に少なくとも有機EL層を挟持し、下記の層構成からなるものが採用される。
(1)陽極/有機EL層/陰極
(2)陽極/正孔注入層/有機EL層/陰極
(3)陽極/有機EL層/電子注入層/陰極
(4)陽極/正孔注入層/有機EL層/電子注入層/陰極
(5)陽極/正孔輸送層/有機EL層/電子注入層/陰極
(6)陽極/正孔注入層/正孔輸送層/有機EL層/電子注入層/陰極
(7)陽極/正孔注入層/正孔輸送層/有機EL層/電子輸送層/電子注入層/陰極
なお、図1に示す層構成は、正孔注入輸送と正孔輸送層を同一層とし、電子注入層と電子輸送層を同一層とした例である。
(透明電極14(陽極))
透明電極14は、ITO、酸化スズ、酸化インジウム、IZO、酸化亜鉛、亜鉛−アルミニウム酸化物、亜鉛−ガリウム酸化物、またはこれらの酸化物に対してF、Sbなどのドーパントを添加した導電性透明金属酸化物を用いて形成することができる。透明電極14は、蒸着法、スパッタ法または化学気相堆積(CVD)法を用いて形成できる。
(正孔注入輸送層16)
正孔注入層、正孔輸送層としては、公知のものが使用される。図1に示す例では、これらの層を正孔注入輸送層16として同一層としており、例えば、トリアリールアミン部分構造、カルバゾール部分構造、オキサジアゾール部分構造を有する材料を使用することができる。正孔注入層、正孔輸送層、または正孔注入輸送層は、蒸着法などの当該技術分野において知られている任意の方法を用いて形成することができる。
(有機EL層18)
有機EL層18としては、例えば、青色から青緑色の発光を得るためには、ベンゾチアゾール系、ベンゾイミダゾール系、ベンゾオキサゾール系などの蛍光増白剤、金属キレート化オキソニウム化合物、スチリルベンゼン系化合物、芳香族ジメチリディン系化合物などの材料が好ましく使用される。有機EL層18は、蒸着法などの当該技術分野において知られている任意の方法を用いて形成することができる。
(電子注入輸送層20)
電子注入層、電子輸送層としては、公知のものが使用される。図1に示す例では、これらの層を電子注入輸送層20として同一層としており、例えば、キノリン誘導体(例えば、8−キノリノールを配位子とする有機金属錯体)、オキサジアゾール誘導体、ペリレン誘導体、ピリジン誘導体、ピリミジン誘導体、キノキサリン誘導体、ジフェニルキノン誘導体、ニトロ置換フルオレン誘導体などを使用することができる。電子注入層、電子輸送層、または電子注入輸送層は、蒸着法などの当該技術分野において知られている任意の方法を用いて形成することができる。
(金属電極22(陰極))
金属電極22は、高反射率の金属(Al、Ag、Mo、W、Ni、Crなど)、アモルファス合金(NiP、NiB、CrP、CrBなど)、微結晶性合金(NiAlなど)を用いて形成することができる。金属電極22は、蒸着法、スパッタ法などのドライプロセスによって形成することができる。
以上のようにして、フィルター部(符号12,24,26)上に、順次、透明電極14、正孔注入輸送層16、有機EL層18、電子注入輸送層20、および金属電極22を形成することができる。その結果、フィルター部に有機EL素子(符号14〜22)が形成された有機ELディスプレイが得られる。得られた有機ELディスプレイは、例えば、グローブボックス内の乾燥窒素雰囲気下において、図1においては図示しない封止ガラスとUV硬化接着剤を用いて封止する。このような層構成の有機ELディスプレイ10は、色変換膜の膜厚を所定の寸法としたことで、有機EL層からの発光を十分に効率よく外部へ取り出すことができる。
<有機ELディスプレイの形成>
[実施例]
(色変換膜の形成)
透明な支持体としてガラス基板を用意し、これを抵抗加熱蒸着装置へ搬送した。クマリン6およびDCM−2を蒸着装置内の別個の坩堝で加熱する、共蒸着によるマスク蒸着法にて460mmの色変換膜を形成した。共蒸着に際し、それぞれの坩堝の加熱温度を制御して、クマリン6の蒸着速度を0.3nm/sとし、DCM−2の蒸着速度を0.005nm/sとした。本実施例の色変換膜は、色変換膜の総構成分子数を基準として、2モル%のDCM−2を含んだ(クマリン6とDCM−2とのモル比が49:1)ものとした。また、色変換膜の屈折率は1.8であり、DCM−2の蛍光ピーク波長は650nmであった。
(パッシベーション層の形成)
色変換膜を形成した透明な支持体を、真空を破ることなくプラズマCVD装置へと移動した。原料ガスとしてモノシラン(SiH4)、アンモニア(NH3)、および窒素(N2)を用い、プラズマCVD法を用いて、膜厚200nmの窒化シリコン(SiN、屈折率1.8)を堆積させて、パッシベーション層を形成した。ここで、SiNを堆積する際に、透明な支持体の温度を100℃以下に維持した。
(透明電極の形成)
パッシベーション層の上面に、DCスパッタ法により、IDIXO(出光興産製)ターゲットを用いて、2%O2を混合したAr雰囲気下でIn23−ZnO系の透明電極IZOを150nm形成した。IZOの屈折率を測定したところ、2.0であった。IZOはマスク製膜を行うことによって、幅5mm、ギャップ1mm、長さ40mmのパターンを2本形成した。そのうち一本は蒸着形成した色変換膜と重なるように配置した。
(正孔注入輸送層、有機EL層、電子注入輸送層の形成)
抵抗加熱蒸着装置を用いて、正孔注入輸送層/有機EL層/電子注入輸送層の3層を順次堆積させた。製膜時の真空槽内圧は1×10-4Paとした。これらの層は全て0.1nm/sの蒸着速度で堆積させた。正孔注入輸送層として膜厚100nmの銅フタロシアニン(CuPc)、有機EL層として膜厚18nmのDPVBi、および電子注入輸送層として膜厚20nmのトリス−8−ヒドロキシキノリンアルミニウム(Alq3)を形成した。なお、正孔注入輸送層、有機EL層、および電子注入輸送層の屈折率はそれぞれ1.9、1.9、および1.8であり、有機EL光のピーク波長は470nmであった。
(金属電極の形成)
膜厚1nmのLiFおよび膜厚100nmのAlを、マスク蒸着法にてIZOパターンと直行する2本の5mm幅パターンとして堆積させて、金属電極(陰極)とした。そのうち1本はIZOと同様、色変換膜に重なるように形成し、実施例の有機ELディスプレイを得た。
(封止)
その後、得られた有機ELディスプレイを、酸素および水分濃度がともに10ppm以下の乾燥窒素雰囲気であるグローブボックス内で、封止ガラスとUV硬化接着剤により封止した。
実施例の有機ELディスプレイにおいては、下記の式における、色変換材料を含む色変換膜の蛍光または燐光のピーク波長λccmが650nm、有機EL光のピーク波長λELが470nm、色変換膜の屈折率nccmが1.8であった。また、有機EL光のスペクトルのピークはブロードであり、5〜10nm程度の分布を有することを考慮すると、下記式中の自然数a,bの組み合わせは、(a,b)=(2,1)となる。これに対し、実施例の色変換膜の膜厚は、460nmであった。
Figure 2009104893
このような条件に鑑みれば、実施例の有機ELディスプレイにおいては、上式の右辺の値はほぼ460nmとなり、本発明の範囲を満たす。
[比較例]
色変換膜の膜厚を550nmとしたこと以外は、実施例と同一条件で比較例の有機ELディスプレイを得た。
比較例の有機ELディスプレイにおいては、上式における、色変換材料を含む色変換膜の蛍光または燐光のピーク波長λccmが650nm、有機EL光のピーク波長λELが470nm、色変換膜の屈折率nccmが1.8であり、自然数a,bの組み合わせは、(a,b)=(2,1)となる。また、比較例の色変換膜の膜厚は、上記のとおり550nmであった。
このような条件に鑑みれば、比較例の有機ELディスプレイにおいては、上式の右辺の値は461nmとなり、本発明の範囲を満たさない。
<輝度に関する評価結果>
実施例と比較例の各有機ELディスプレイを、同一電流密度で駆動させ、赤色輝度を比較した。その結果、実施例は、色変換膜の膜厚が厚い比較例に比べて、10%高い輝度を実現した。実施例の有機ELディスプレイでは、色変換膜の膜厚を本発明所定の寸法としたことにより、有機EL層からの発光を十分に効率よく外部へ取り出すことができることが判明した。
これに対し、比較例の有機ELディスプレイでは、色変換膜の膜厚を厚くすることにより吸収効率は向上するため、定性的には光の取り出し効率が上がるものの、光の干渉の効果が薄れ、具体的には、より長波長の成分が強調されて出力された結果、実施例の有機ELディスプレイほど優れた輝度が実現できなかったと考えられる。
本発明によれば、色変換膜の膜厚の好適化を図ることで、有機EL層からの発光を十分に効率よく外部へ取り出すことができる。よって、本発明の有機ELディスプレイは、高精細なマルチカラーまたはフルカラー表示に好適に用いることができる点で有望である。
本発明の有機ELディスプレイの一例を示す断面模式図である。 従来の有機ELディスプレイの一例を示す断面模式図である。
符号の説明
10 有機ELディスプレイ
12 透明な支持体
14 透明電極
16 正孔注入輸送層
18 有機EL層
20 電子注入輸送層
22 金属電極

Claims (2)

  1. 透明な支持基板と、ある波長の光を吸収し、吸収波長と異なる波長を含む蛍光または燐光を出力する、少なくとも1種の色変換膜とを含むフィルター部と、
    陽極、有機EL層、および陰極を含む有機EL素子と
    を具える、多色発光型の有機ELディスプレイにおいて、
    前記色変換膜の膜厚dccmが、下記式で定義されることを特徴とする、有機ELディスプレイ。
    Figure 2009104893
    ここで、λccmは色変換材料を含む色変換膜の蛍光または燐光のピーク波長、λELは有機EL光のピーク波長、nccmは色変換膜の屈折率であり、a,bは自然数である。
  2. 前記フィルター部が、それぞれ異なる波長域の光を透過する、少なくとも2種のフィルターを独立して配列したカラーフィルターをさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載の有機ELディスプレイ。
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