JP2009103154A - 動力伝達チェーンおよび動力伝達装置 - Google Patents

動力伝達チェーンおよび動力伝達装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 ピンがプーリに噛み込む時とプーリから離脱する時とでピン端面に要求される特性が異なることに着目し、その表面粗さを均一でないようにして、伝達効率を向上させた動力伝達チェーンおよび動力伝達装置を提供する。
【解決手段】 ピン14端面は、進行方向に近い側から順に3つの領域E1,E2,E3に区画されており、進行方向の最も前方にある区画E1は、表面粗さが最も粗く、進行方向の最も後方にある区画E3は、表面粗さが最も細かく、その中間の区画E2は、表面粗さも中間となっている。
【選択図】 図3

Description

この発明は、動力伝達チェーン、さらに詳しくは、自動車等の車両の無段変速機(CVT)に好適な動力伝達チェーンおよび動力伝達装置に関する。
自動車用無段変速機として、図5に示すように、固定シーブ(2a)および可動シーブ(2b)を有しエンジン側に設けられたドライブプーリ(2)と、固定シーブ(3b)および可動シーブ(3a)を有し駆動輪側に設けられたドリブンプーリ(3)と、両者間に架け渡された無端状動力伝達チェーン(1)とからなり、油圧アクチュエータによって可動シーブ(2b)(3a)を固定シーブ(2a)(3b)に対して接近・離隔させることにより、油圧でチェーン(1)をクランプし、このクランプ力によりプーリ(2)(3)とチェーン(1)との間に接触荷重を生じさせ、この接触部の摩擦力によりトルクを伝達するものが知られている。
動力伝達チェーンとしては、特許文献1に、ピンが挿通される前後挿通部を有する複数のリンクと、一のリンクの前挿通部と他のリンクの後挿通部とが対応するようにチェーン幅方向に並ぶリンク同士を連結する前後に並ぶ複数の第1ピンおよび複数の第2ピンとを備え、第1ピンと第2ピンとが相対的に転がり接触移動することにより、リンク同士の長さ方向の屈曲が可能とされており、第2ピンより長くなされた第1ピンの両端面がプーリと接触して摩擦力により動力が伝達されるものが提案されている。
特開2005−233275号公報
従来の動力伝達チェーンでは、第1ピンの長手方向両端面の表面は、全面が同一の粗さになるように研磨されているが、ピンがプーリに噛み込む時とプーリから離脱する時では、好ましい摩擦係数が違っており、噛み込み時を重視して、摩擦力が大きくなるようにすると、離脱時の摩擦力が大きくなって、動力伝達のロスにつながることになる。
この発明の目的は、ピンがプーリに噛み込む時とプーリから離脱する時とでピン端面に要求される特性が異なることに着目し、その表面粗さを均一でないようにして、伝達効率を向上させた動力伝達チェーンおよび動力伝達装置を提供することにある。
この発明による動力伝達チェーンは、ピンが挿通される前後挿通部を有する複数のリンクと、一のリンクの前挿通部と他のリンクの後挿通部とが対応するようにチェーン幅方向に並ぶリンク同士を連結する前後に並ぶ複数の第1ピンおよび複数の第2ピンとを備え、第1ピンと第2ピンとが相対的に転がり接触移動することにより、リンク同士の長さ方向の屈曲が可能とされており、第1ピンおよび第2ピンの少なくとも一方の両端面がプーリと接触して摩擦力により動力が伝達される動力伝達チェーンにおいて、プーリと接触するピンの長手方向両端面の表面粗さに関し、進行方向前方が後方に比べて粗くなっていることを特徴とするものである。
この発明による動力伝達チェーンでは、第1ピンおよび第2ピンの少なくとも一方がプーリと接触して摩擦力により動力伝達する。いずれか一方のピンがプーリと接触するチェーンにおいては、第1ピンおよび第2ピンのうちのいずれか一方は、このチェーンが無段変速機で使用される際にプーリに接触する方のピン(以下では、「第1ピン」または「ドライブピン」と称す)とされ、他方は、プーリに接触しない方のピン(インターピースまたはストリップと称されており、以下では、「第2ピン」または「インターピース」と称す)とされる。
ピン端面形状は、球面とされることがあり、また、チェーン進行方向から見た曲率半径と平面から見た曲率半径が相違する曲面とされることがある。球面または曲面の中心位置は、通常、前後中心線上にあるものとされるが、これに限定されるものではない。
ピン端面は、2つ以上の領域に区画され、例えば、進行方向の最も前方にある区画、進行方向の最も後方にある区画およびその中間の区画からなる3つの領域に区画され、進行方向の最も前方にある区画は、表面粗さが最も粗く、進行方向の最も後方にある区画は、表面粗さが最も細かく、その中間の区画は、表面粗さが中間の粗さとされる。
このようになされたピンがプーリに噛み込まれていく際には、まず、前方の区画から噛み込まれ、この部分は粗さが粗いので、滑りにくくなっており、ピン全体がプーリに確実に挟持される。一方、このようになされたピンがプーリから離脱していく際には、まず、後方の区画から離脱し、この部分は粗さが細かいので、滑り易くなっており、ピン全体がスムーズにプーリから離脱する。
表面粗さは、例えば、細かい側がRa0.1〜0.3程度とされ、粗い側が0.8〜1.2程度とされる。粗い側については、噛み込み性に寄与するので、表面粗さが、0.8〜1.2または0.8〜1.0とすることが好ましく、細かい側は、これより小さい適宜な値に設定すればよい。ピン端面の表面粗さを異なるようにするには、全体を粗く研磨してから、進行方向の後方にある区画を相対的に表面粗さが小さくなるように研磨してもよく、全体を細かく研磨してから、進行方向の前方にある区画を相対的に表面粗さが粗くなるように研磨してもよい。
第1ピンおよび第2ピンのうちの一方は、一のリンクの前挿通部に固定されかつ他のリンクの後挿通部に移動可能に嵌め入れられ、同他方は、一のリンクの前挿通部に移動可能に嵌め入れられかつ他のリンクの後挿通部に固定されていることが好ましい。
チェーンは、例えば、幅方向同位相の複数のリンクで構成されるリンク列を進行方向(前後方向)に3つ並べて1つのリンクユニットとし、この3列のリンク列からなるリンクユニットを進行方向に複数連結して形成されているとともに、各リンク列に含まれるリンク枚数が異なるものとされることがある。
ピン固定部へのピンの固定は、例えば、機械的圧入によるピン固定部内縁とピン外周面との嵌合固定とされるが、これに代えて、焼き嵌めまたは冷やし嵌めによってもよい。嵌合固定は、ピン固定部の長さ方向に対して直交する部分の縁(上下の縁)で行われるのが好ましい。この嵌合固定の後、予張力付与工程において予張力が付与されることにより、リンクのピン固定部(ピン圧入部)に均等にかつ適正な残留圧縮応力が付与される。
リンクは、例えば、ばね鋼や炭素工具鋼製とされる。リンクの材質は、ばね鋼や炭素工具鋼に限られるものではなく、軸受鋼などの他の鋼でももちろんよい。リンクは、前後挿通部がそれぞれ独立の貫通孔(柱有りリンク)とされていてもよく、前後挿通部が1つの貫通孔(柱無しリンク)とされていてもよい。ピンの材質としては、軸受鋼などの適宜な鋼が使用される。
第1ピンおよび第2ピンは、例えば、いずれか一方の接触面が平坦面とされ、他方の接触面が相対的に転がり接触移動可能なインボリュート曲面に形成される。また、第1ピンおよび第2ピンは、それぞれの接触面が所要の曲面に形成されるようにしてもよい。
なお、この明細書において、リンクの長さ方向の一端側を前、同他端側を後としているが、この前後は便宜的なものであり、リンクの長さ方向が前後方向と常に一致することを意味するものではない。
上記の動力伝達チェーンが使用される無段変速機では、各プーリは、円錐状のシーブ面を有する固定シーブと、固定シーブのシーブ面に対向する円錐状のシーブ面を有する可動シーブとからなり、両シーブのシーブ面間にチェーンを挟持し、可動シーブを油圧アクチュエータによって移動させることにより、無段変速機のシーブ面間距離したがってチェーンの巻き掛け半径が変化するものとされる。
この発明による動力伝達装置は、円錐面状のシーブ面を有する第1のプーリと、円錐面状のシーブ面を有する第2のプーリと、これら第1および第2のプーリに掛け渡される動力伝達チェーンとを備えたもので、動力伝達チェーンが上記に記載のものとされる。
この動力伝達装置は、自動車等の車両の無段変速機としての使用に好適なものとなる。
この発明の動力伝達チェーンによると、プーリと接触するピンの長手方向両端面の表面粗さに関し、進行方向前方が後方に比べて粗くなっているので、ピンがプーリに噛み込まれていく際には、粗さが粗くて滑りにくい部分から噛み込まれることで、ピン全体がプーリに確実に挟持され、逆に、ピンがプーリから離脱していく際には、粗さが細かくて滑り易い部分から離脱することで、ピン全体がスムーズにプーリから離脱する。これにより、チェーンの伝達効率を向上させることができる。
以下、図面を参照して、この発明の実施形態について説明する。以下の説明において、上下は、図2の上下をいうものとする。
図1は、この発明による動力伝達チェーンの一部を示しており、動力伝達チェーン(1)は、チェーン長さ方向に所定間隔をおいて設けられた前後挿通部(12)(13)を有する複数のリンク(11)と、チェーン幅方向に並ぶリンク(11)同士を長さ方向に屈曲可能に連結する複数のピン(第1ピン)(14)およびインターピース(第2ピン)(15)とを備えている。インターピース(15)は、ピン(14)よりも短くなされ、両者は、インターピース(15)が前側に、ピン(14)が後側に配置された状態で対向させられている。
チェーン(1)は、幅方向同位相の複数のリンクで構成されるリンク列を進行方向(前後方向)に3つ並べて1つのリンクユニットとし、この3列のリンク列からなるリンクユニットを進行方向に複数連結して形成されている。この実施形態では、リンク枚数が9枚のリンク列とリンク枚数が8枚のリンク列2つとが1つのリンクユニットとされている。
図2に示すように、リンク(11)の前挿通部(12)は、ピン(14)が移動可能に嵌め合わせられるピン可動部(16)およびインターピース(15)が固定されるインターピース固定部(17)からなり、後挿通部(13)は、ピン(14)が固定されるピン固定部(18)およびインターピース(15)が移動可能に嵌め合わせられるインターピース可動部(19)からなる。
各ピン(14)は、インターピース(15)に比べて前後方向の幅が広くなされており、インターピース(15)の上下縁部には、各ピン(14)側にのびる突出縁部(15a)(15b)が設けられている。
図2において、符号AおよびBで示す箇所は、チェーン(1)の直線部分においてピン(14)とインターピース(15)とが接触している線(断面では点)であり、AB間の距離がピッチである。
チェーン幅方向に並ぶリンク(11)を連結するに際しては、一のリンク(11)の前挿通部(12)と他のリンク(11)の後挿通部(13)とが対応するようにリンク(11)同士が重ねられ、ピン(14)が一のリンク(11)の後挿通部(13)に固定されかつ他のリンク(11)の前挿通部(12)に移動可能に嵌め合わせられ、インターピース(15)が一のリンク(11)の後挿通部(13)に移動可能に嵌め合わせられかつ他のリンク(11)の前挿通部(12)に固定される。そして、このピン(14)とインターピース(15)とが相対的に転がり接触移動することにより、リンク(11)同士の長さ方向(前後方向)の屈曲が可能とされる。
リンク(11)のピン固定部(18)とインターピース可動部(19)との境界部分には、インターピース可動部(19)の上下の凹円弧状案内部(19a)(19b)にそれぞれ連なりピン固定部(18)に固定されているピン(14)を保持する上下の凸円弧状保持部(18a)(18b)が設けられている。同様に、インターピース固定部(17)とピン可動部(16)との境界部分には、ピン可動部(16)の上下の凹円弧状案内部(16a)(16b)にそれぞれ連なりインターピース固定部(17)に固定されているインターピース(15)を保持する上下の凸円弧状保持部(17a)(17b)が設けられている。
ピン(14)を基準としたピン(14)とインターピース(15)との接触位置の軌跡は、円のインボリュートとされており、この実施形態では、ピン(14)の転がり接触面(14a)が、断面において半径Rb、中心Mの基礎円を持つインボリュート形状を有し、インターピース(15)の転がり接触面(15c)が平坦面(断面形状が直線)とされている。これにより、各リンク(11)がチェーン(1)の直線部分から曲線部分へまたは曲線部分から直線部分へと移行する際、前挿通部(12)においては、ピン(14)が固定状態のインターピース(15)に対してその転がり接触面(14a)がインターピース(15)の転がり接触面(15c)に転がり接触(若干のすべり接触を含む)しながらピン可動部(16)内を移動し、後挿通部(13)においては、インターピース(15)がインターピース可動部(19)内を固定状態のピン(14)に対してその転がり接触面(15c)がピン(14)の転がり接触面(14a)に転がり接触(若干のすべり接触を含む)しながら移動する。
この動力伝達チェーン(1)は、必要な数のドライブピン(14)およびインターピース(15)を組立て治具上に垂直状に保持した後、リンク(11)を1つずつあるいは数枚まとめて圧入していくことにより製造される。この圧入は、ドライブピン(14)およびインターピース(15)の上下縁部とドライブピン固定部(18)およびインターピース固定部(17)の上下縁部との間において行われており、その圧入代は0.005mm〜0.1mmとされている。こうして、組み立てられたチェーン(1)には張力が付与(予張)される。
上記の動力伝達チェーンは、図5に示したCVTで使用されるが、この際、図4に示すように、プーリ軸(2e)を有するプーリ(2)の固定シーブ(2a)および可動シーブ(2b)の各円錐状シーブ面(2c)(2d)にインターピース(15)の端面が接触しない状態で、ピン(14)の端面がプーリ(2)の円錐状シーブ面(2c)(2d)に接触し、この接触による摩擦力により動力が伝達される。ピン(14)とインターピース(15)とは、上述のように、各可動部(16)(19)に案内されて転がり接触移動するので、プーリ(2)のシーブ面(2c)(2d)に対してピン(14)はほとんど回転しないことになり、摩擦損失が低減し、高い動力伝達率が確保される。そして、実線で示した位置にあるドライブプーリ(2)の可動シーブ(2b)を固定シーブ(2a)に対して接近・離隔させると、チェーン(1)の巻き掛け径は、同図に鎖線で示すように、接近時には大きく、離隔時には小さくなる。ドリブンプーリ(3)では、図示省略するが、その可動シーブがドライブプーリ(2)の可動シーブ(2b)とは逆向きに移動し、ドライブプーリ(2)の巻き掛け径が大きくなると、ドリブンプーリ(3)の巻き掛け径が小さくなり、ドライブプーリ(2)の巻き掛け径が小さくなると、ドリブンプーリ(3)の巻き掛け径が大きくなる。この結果、変速比が1:1である状態(初期値)を基準にして、ドライブプーリ(2)の巻き掛け径が最小で、ドリブンプーリ(3)の巻き掛け径が最大であるU/D状態が得られ、また、ドライブプーリ(2)の巻き掛け径が最大で、ドリブンプーリ(3)の巻き掛け径が最小のO/D状態が得られる。
ピン(14)端面の表面粗さに関しては、従来、シーブ面(2c)(2d)間に挟持された際に滑りが発生しないように、端面全面がRa0.8程度の粗さに均一に仕上げられていた。しかしながら、ピン(14)がプーリ(2)(3)に噛み込む時とプーリ(2)(3)から離脱する時では、好ましい摩擦係数が違っており、Ra0.8程度の粗さとすると、離脱時の摩擦力が大きいために、伝達効率のロスが大きくなる。そこで、この発明の動力伝達チェーンでは、次のように、ピン(14)端面の表面粗さが離脱時も考慮したものとされている。
図3は、ピン(14)端面(プーリ(2)(3)との接触面)をピン軸方向からみたもので、プーリ(2)(3)のシーブ面(2c)(2d)に所定位置で接触するように所定曲率半径のクラウニングが施されている。同図において、右方向が進行方向であり、(a)は、インボリュート基礎円半径が大きいピン(14)を、(b)は、インボリュート基礎円半径が小さいピン(14)をそれぞれ示している。各ピン(14)端面は、進行方向に近い側から順に3つの領域(E1)(E2)(E3)に区画されており、各区画(E1)(E2)(E3)が異なる表面粗さに仕上げられている。
進行方向の最も後方にある区画(E3)は、輪郭がピン断面とほぼ相似形で、前後方向の幅は、ピン(14)の前後方向の幅の略1/3とされている。中間の区画(E2)は、最も後方にある区画(E3)を上下および前方から囲む形状とされ、その前後方向の幅は、ピン(14)の前後方向の幅の1/3よりも小さくなされている。進行方向の最も前方にある区画(E1)は、中間の区画(E2)を上下および前方から囲む形状とされ、その前後方向の幅は、ピン(14)の前後方向の幅の1/3よりも大きくなされている。
進行方向の最も前方にある区画(E1)は、表面粗さが最も粗く(Raが0.8〜1.0)、進行方向の最も後方にある区画(E3)は、表面粗さが最も細かく(Raが0.2)、その中間の区画(E2)は、表面粗さも中間(Raが0.5〜0.6)となっている。このようになされたピン(14)がシーブ面(2c)(2d)間に噛み込まれていく際には、まず、前方の区画(E1)から噛み込まれ、この部分は粗さが粗いので、滑りにくくなっており、ピン(14)全体がプーリ(2)(3)に確実に挟持される。一方、このようになされたピン(14)がシーブ面(2c)(2d)間から離脱していく際には、まず、後方の区画(E3)から離脱し、この部分は粗さが細かいので、滑り易くなっており、ピン(14)全体がスムーズにプーリ(2)(3)から離脱する。
上記の動力伝達チェーン(1)では、ピンの上下移動の繰り返しにより、多角形振動が生じ、これが騒音の要因となるが、ドライブピン(14)とインターピース(15)とが相対的に転がり接触移動しかつドライブピン(14)を基準としたドライブピン(14)とインターピース(15)との接触位置の軌跡が円のインボリュートとされていることにより、ドライブピンおよびインターピースの接触面がともに円弧面である場合などと比べて、振動を小さくすることができ、騒音を低減することができる。そして、CVTで使用された場合、ドライブピン(14)とインターピース(15)とは、上述のように、各可動部(16)(19)に案内されて転がり接触移動するので、プーリ(2)のシーブ面(2c)(2d)に対してドライブピン(14)はほとんど回転しないことになり、摩擦損失が低減し、高い動力伝達率が確保される。しかも、プーリ(2)(3)と接触するピン(14)の長手方向両端面の表面粗さに関し、進行方向前方が後方に比べて粗くなっているので、ピン(14)がプーリ(2)(3)に噛み込まれていく際には、粗さが粗くて滑りにくい部分から噛み込まれることで、ピン(14)全体がプーリ(2)(3)のシーブ面(2c)(2d)間に確実に挟持され、ピン(14)がプーリ(2)(3)から離脱していく際には、粗さが細かくて滑り易い部分から離脱することで、ピン(14)全体がスムーズにプーリ(2)(3)のシーブ面(2c)(2d)間から離脱し、これにより、チェーン(1)の伝達効率がさらに向上する。
図1は、この発明による動力伝達チェーンの1実施形態の一部を示す平面図である。 図2は、リンクの拡大側面図である。 図3は、ピンの端面形状を示す図である。 図4は、動力伝達チェーンがプーリに取り付けられた状態を示す正面図である。 図5は、無段変速機を示す斜視図である。
符号の説明
(1) 動力伝達チェーン
(2)(3) プーリ
(2a)(3b) 固定シーブ
(2b)(3a) 可動シーブ
(2c)(2d) 円錐状シーブ面
(11) リンク
(12) 前挿通部
(13) 後挿通部
(14) ドライブピン(第1ピン)
(15) インターピース(第2ピン)

Claims (2)

  1. ピンが挿通される前後挿通部を有する複数のリンクと、一のリンクの前挿通部と他のリンクの後挿通部とが対応するようにチェーン幅方向に並ぶリンク同士を連結する前後に並ぶ複数の第1ピンおよび複数の第2ピンとを備え、第1ピンと第2ピンとが相対的に転がり接触移動することにより、リンク同士の長さ方向の屈曲が可能とされており、第1ピンおよび第2ピンの少なくとも一方の両端面がプーリと接触して摩擦力により動力が伝達される動力伝達チェーンにおいて、
    プーリと接触するピンの長手方向両端面の表面粗さに関し、進行方向前方が後方に比べて粗くなっていることを特徴とする動力伝達チェーン。
  2. 円錐面状のシーブ面を有する第1のプーリと、円錐面状のシーブ面を有する第2のプーリと、これら第1および第2のプーリに掛け渡される動力伝達チェーンとを備え、動力伝達チェーンが請求項1に記載の動力伝達装置。
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